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衣服の運動機能性に関する研究―袖部のゆとり量と運動機能性について―

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(1)

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Sciリ 38

29-34(1990) 武燦川女子大紀要(自然科学)

衣服の運動機能性に関する研究

一一袖部のゆとり量と運動機能性について一一

伊佐治せつ子,

温 子 , 谷

純 子 , 山

)

1

1

勝 (武庫川女子大学家政学部被般学科)

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Setsuko I

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Atsuko Akashi

Junko Tani

and Masaru Yamakawa

Department

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Home Economics

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鰭 言

衣服の運動機能性は,着心地の良い衣服を製作する ための l婆簡であり,衣服構成において重視すべきも のである.既に我々は衣服の運動機能性について客観 的に評価を行うため,ブラウス,スラックスについて 検討を行ってきた. ト3)これ迄に得た知見のさ主なも のは次の通りである. ①衣服の運動機能性を評価する定録的測定項8として 衣服圧の測定が有効である. ②衣服の形状特性と材質特性との運動機能性への影響 度合については,材質特性より形状特性の方が運動 機能性への影響が強い. ③スラックスについて,形状特性(ゆとり蚤)と運動 機能性との関係は,ゆとり最が少なくなるほど官能 評価億が怒くなる傾向にある. ④

E

海部動作によるブラウスの運動機能性評価のための 衣服

E

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測定部位は,単一部位では肩甲部が官能評倣 値と良い相関にある. ⑤衣服の運動機能性に影響する材質特伎として単一婆 因では,ブラウスはヨコ方向の削軟度,スラックス はタテガ向の測軟皮が震安な物理特性として挙げら れるが,形状特性に比較しその影饗カは小さい. 上記より,衣服のゆとり援が運動機能性に大きく影 響すると考えられるので,今回は羽常運動量の多い腕 部分の運動機能性について,拾のゆとり震を変化させ, 動作時の官能量(皮迫感)と衣服庄より検討した. 実験は ,n~緩をワンピース(衿なし,長袖)とし, 袖のプ…ムホ…ノレ

(

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.

)

寸法,袖山高さ,肘楠, 必'l 口寸法を変化させた10緩類の試料な作製し,着用実 験によって動作時の官能評価値を求め,同時に裾・被 ねの変化監についての測定を行った.また試作の可動 29

(2)

-Girth 01 Girth 01 Girth 01 Stature Bust WaistHip iJpp苦rArm Elbow Wrist 25 25 24 27 28 26.5 JI!) Physical Characteristic of Subjects (c匝) ,山 Table 2. 谷 石, ダミ…を用いて,動作別,部{立)J1jに衣服

E

E

の測定を行 った.以上の結楽をもとに,衣服のゆとり監と運動機 能性との関係について報告する. (伊佐治,明 Subject M 一 山 一 M

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一山一% 初一幻一初一幻一幻一初

一 一 一 一 見 一 ⋮ 一 ⋮

% 一 乃 一 竹 一 一 m 一 印 一 幻 162 157 155 150 154 156 A 一B 一 C 一 D 一 E 一 F

実験方法

1 .試料(ワンピース)の作製 腕部分の運動機能性を中心に検討するため,腕部や 醤ぐりは比較的フィットするワンピースを試料とした. Dre話Form 8 2 ω 8 8 JIS 156 82 63 88 26 20 14 試料の形態としては, Fig.lに示すようなタイトフ ィットなもので,その身頃パターンは,人台(サイズ はTaむle2に示す)による立体裁断にて作製した.被 のパターンは,腕部分のゆとり設が定

f

量的に変化でき るように,平面製図にて作製した.者lJの形態は,長袖 で後ろ袖口にダーツのあるセットインスリーブである. 袖のゆとりを A.民 , 初i山,肘隠,袖口の4カ所 で変化させ, Table1 に~す 10 試料を作製した.こ れら各試料のゆとり監の変化については,定盤的に変 化をつけたもので,いせ込み設については考慮してい なL¥ 使用生地は,ポリエステノレ650/0,綿35%の織物(厚 さ江口0.22mm,織り密度=タテ110,ヨコ63本linch: 平織)な用いた. 2曹測定項白及び方法 2-1 着用実験 1)官能検査 先に使用した人台の体型と類似の被験者6名(サイ ズはTable 2に示す)に試料10種をランダムに着用 させ, 日常的基本動作6種 (Fig.2)について,身体の 各部位 (Fig.3)の官能検査を行った. 評価項目は,各種動作による身体部位別の圧迫感 (きついーゆる L、)の程度を問うもので 5段階評価 法で被験者に評価させた. 2)裾,袖口の変形量 着衣状態の動作による衣服の変形(ずれ,しわ等) から,ある緩度着心地や運動機能性を推測することが できる.そこで、各種動作に伴うえ雪衣状態の綴察を行い, 動作による衣服の変形を衣服の変形盤として,裾及び 袖口で演目定した. 裾の変形盆は, Fig.2中の静止時を除く 5動作につ いて,動作別に床から裾までの距離を測定し静止時 30 Appearance of Sample. (one-piece dress) Sleeve Sizes of Experimental Samples (cm) w v j ﹄

u

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1 4.5 16.5 1 8.5

Numeral in Round = Sample No Large 50.2 @ ③ ③ Armhole(A.民) Medium 46.8

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② ④ S加all 43.4 @ 爪 山 U 一 命 山 一 品 川 智 n ν -a p L E V E E S Low Low Medium High Low Medium High Low Extra -Large一一 34.7 Medium 25.0 High Elbowgirth品 WidthofCuff Fig. 1. Table 1. Medium 29.6 2.10 Small 弘6 20.0

(3)

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Stand

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4.Upper Raise

Motion

衣服の運動機能性に関する研究

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2.Forward Raise

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5

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Motion

Fig. 2. Experimental Motions of Arms.

3.Side Raise

Motion

6.Cross Motion

をゼロとし動作日寺の変形f設を求めた. 袖口の変形盆は, Fig.2中の 2.前方上挙 3.側方 上挙 4.黍陸上挙 5.肘曲げの 4動作について測定 を行い,手首に印を付けて,印から袖口までの距離を 測定し,動作5J1jに変形量を算出した 2-2 可動ダミーによる衣級圧の測定

2

;

衣服圧と運動機能性に関する官能評価債とは高い相 関にあることがわかっており,運動機能性を衣服庄で ある程度判断できることが判明している.そこで袖部 分のゆとり盤が運動機能性に与える影響を定盤的に評 価するため,衣服庄測定を行った.人体による衣服庄 の測定は,得:Il性の点で問題が多いため,先の実験3) で作製した可動ダミーをもとに,新たに属鹿胸-肘勝 幽を可能とした可動ダミーを作成し衣服

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を測定し

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測定の対象とした動作は,官能検査特と同様の6動 作(Fig.2)で,測定部位は, Fig.4に示す 5部伎であ る.各緩腕部の動作は一定のカを加えて行い,衣服

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Fig. 3. Points for Wear Test. -

(4)

31-(伊佐、治,明石, 谷 , 山 111)

1

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5 Back Armsye

Fig. 4. Measurement Points for Clothing Pressure. 計はストレインゲージ型衣服圧計を使用した.またダ ミ…表面と衣服との問の摩擦の影響を考慮し,ダミー には滑りの良いタイトフィットな下着をつけ実験念行 った.

結果と考察

1 .官能検資 被形状 (A.H.,袖山,約締,袖口)を10種類に変 化させた各試料について 6動作 8部{立について官 能検査を行い,ゆとり盆と運動機能性との関係を見た 感覚評価儀は,各部位における圧迫感(きつい…ゆる い)について5段階評価で解答を得たものである. Table 3. Analysis of Variance on Arm Motion and Sleeve Sample by Sensory Test (A)AnnMotion (B) Sample (A) x (B) 1.033 4.520ネ * 7.259" 0.537 4.052紳 0.550 l .519 0.572 1.706 0.564 3.249判 3.Front 4.Back 5.Back Elbow 6.lnside Elbow 7. W rist girth 8.UpperArm 7.735仲 10.721榊 4.178" 0.890 1.167 3.657紳 0.796 11.611柿 6.796" 1.870" 24.770紳 2.520柑 0.829 , Significant Level 1仇 c J u n

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Sample NO. Fig. 5. Sensory Scoring on Shoulder. Arm Motions -d-Stand 企 Fo附ardRaise Motion -0-Side Raise Motion 骨 UpperRaise Motion 企 ElbowBend Motion -G-Cross Motion Tight

1 2 3 4 5 6 7 8 9

m

Sample NO. Fig.6. Sensory Scoring on Upper Arm. T油le.3は,各被験者より得た宮能評価値の平均績 を,動作,試料(ワンピースの種類)について部位別 に分散分析を行った結果で、ある.これより,動作によ り官能評価値に有意な差が見られた部伎は 2.潟甲 部 3.前腕付根 4.後続付根 5.肘後ろ 7.手首 周り 8.上腕表簡で1.肩 6.肘内では動作による 差は見られなかった.また袖のゆとり最変化(ワン ピースの種類)による蓬が見られた部伎は1.肩, 2.清原部 5.肘後ろ 6.肘内 7.手首周り 8.上 腕表簡であった. 内 ノ ︼ η 、 υ

(5)

衣服の運動機能伎に隠する研究 Fig.5, Fig.6は,官能評価値の変化が最も小さい 屑部位と,最も変化の大きい上腕表閣部位の結果を示 したものである.属部位では先の分散分析の結果,動 作による有;窓差が兇られなかったので,全動作の平均 で示した.グラフより,扇部伎では試料による官能評 価値の大きな差は認められず,袖のゆとり愛変化によ る運動機能性(圧迫感)の去をはないことがわかる. し かし,上腕表面部では動作により官能評価{疫にパラツ キが見られ,また潟昔s位の結果よりも全体的に官能評 価値が怒、くなっている.即ち上腕表前部位は,圧迫感 を感じやすい部位であるといえる. 次に,被のゆとり登を変化させた試料}jJIについて考 察すると,試料No.l, 2, 3と試料No.6, 7, 8は, それぞれA.H.寸法を1I僚に増したものであるが,全体 的にA.H.が小さい試料1,6で官能評価値が懇く, ;l:たA.H.が大きい試料3,8でも評価伎があまり良 くない結果となった.このことは,今間設定した A.H.寸法について,ゆとり量が多すぎても少なすぎ ても運動機能性を惑くすることを示唆しており,人体 寸法に対して適切にA.H.寸法を規定する必要がある ことを示している. また,制l山を順に高くした試料No.1, 9, 10につ いて見ると,袖山の低い試料lの評価値が恵、く,ゆと り震の少ないものは運動機能性に影響を与えることが オフカミった. 以上のことは,肩甲部,前-後腕付根の部位につい ても向様であったが,その他の部伎については,袖の ゆとり蚤による差は見られなかった. 2. 裾,袖口の変形墨 動作による衣服の変形から着心地や運動機能性を推 (cm)

20

ArmMolions ... Upper Raise Molion -0-Side Raise Molion 骨 ForwardRaise Motion -& Elbow Bend Motion

-G-Cross Motion

15

O , A 『 a F

Sample NO. Fig. 7. Sifting Length of Hem by Arm Motion.

(c問)

1

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0

Arm Motions

噛炉UpperRaise Motion -0ーSideRaise Motion

噌IrForward Raise Motion -& Elbow Bend Motion

F D ハ U ぷ v o c o J O C 一 日 止 の

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 1

0

Sample NO. Fig. 8. Sifting Length of Cuff by Arm Motion.

測するため,今問試料としたワンピースについて,各 種動作に伴う裾及び宇宙ロの変形愛てど測定した.変形fを は動作により各測定点で測定しその結果を動作}jJIに Fig.7, Fig.8に示す. 裾及び袖口の変形は,動作による影響が大きく,特 にま長底上挙では裾,袖口の変形震が大きい.また袖の ゆとり震の影響について見ると,裾の変形は裕!のゆと り盆とあまり関係がないといえる.しかし袖口の変形 監はFig.8に示すように, A.H.が小さい試料lと6 で少なく,逆にA.H.の大きい試料3と5では多くな る総菜となった.従って袖口の変形設は, A.H.のゆ とり設と関係するといえる. 3.可動ダミーによる衣服圧の測定 先の着用実験による圧迫感に対し,定量的物理測定 値として圧迫度合を示す衣服庄の測定を行い,河者の 関係を検討した.衣服庄の測定は実験方法で‘述べたよ うに5部{立につき 6動作で行った. Fig.9, Fig.lOは,試料別,部位5J1jに衣服圧を測定 した結果で, Fig.9はあまり差の見られなかった側方 上挙, Fig.10は差が大きくみられた愛護上挙のもの である.このように,衣服庄の程度は着用中の動作に よって差が見られることから,衣服庄で運動機能性を 評価するためには測定条件を十分完考慮することが大切 である. 更に悶じ動作であっても, ìJ!1j~部伎によって衣服庇 の値は大きく異なっている. Fig.10に示した主張jj[

J

二 挙の上腕表面部位では,先の官能検査で懇い評価結果 - 33

(6)

(g/cni)

100

cll 」 ~

50

(/) cll 」 0.. o c .r:: H O t

O (伊佐治,明石, 谷 , 山 )11) Measurement Points -0-Shoulder Point @トUpperArm ..f:rBack Elbow 会 FrontArmsye -()-Back Armsye Sample NO. となった試料ぬ1と6で,切らかに高い衣級圧が計測 され,その衣服圧値は,被服衛生学j二で許容限界とさ れている衣服庄(40g / cnl)をはるかに越えている. またグラフには示していないが,前方上挙,肘曲げ, 交援では,後続付根に1O~40g / cnlのやや高めの衣 服圧が計測された.

l

f

自の部伎については,いずれも衣 服圧は低い俄であった.このように腕部の運動機能性 合論じる上では,動作とj湾様に部位についても十分考 慮する必喜さがあることがわかった. Fig. 9. Clothing Pressure with Side Raise Motion. 次に各試料のゆとり盤と衣服皮との関係を変化の多 くJ!られたFig.l0の垂直上挙,上腕表部部位の結果 より考察すると,今回設定した袖のゆとり愛では,

A

.

H

.

寸法,袖山高さ,肘板・袖口寸法が何れも中寸 である試料No.9のワンピースについては衣服庄はイ尽 く,先の官能評価僚も比較的良いことから,運動機能 性に開題のない袖形状であるといえる.また試料No.4, 5についも肉様に衣服圧は低く,これらは対綴-袖口 の大きな試料であり,そのゆとり盤が

A

.

H

.

や袖山等 の条件を緩和し,衣服圧を低下させたものと考えた. 即ち,衣服の運動機能性を高めるためには,衣服の形 状を決定するための各寸法が適切に設定されることが 護要であると悶特に,各部伎のゆとり最の設定を部位 21IJに単独で決めるのではなく,各部位の相互関係から, 適切に行うことが重要であるといえる. (g/cni)

100

~ コ L UUG3 3 3

50

0C 1 五こ 日O O O Measurement Points -0-Shoulder Point 議トUpperArm 企 Back巨Ibow 念 FrontArmsye 〈昼BackArmsye

2 3 4 5 6 7 8 9 1

0

Sample NO.

文 献

1)山川 勝,安原淳子,山田和美,牛若せつ子, 井上恵美子,武庫川女子大学紀要(被服学科編), 29, 151…166, (1981). 2) 山川 勝,衣笠出俊理,牛若せつ子,武庫川

i

女 子大学紀婆(被服学科綴), 30, 125…137, (1982). 3) 明石混子,中村資子,山

)

1

1

勝,武庫川女子大 学紀要(被服学科編), 34,113-127, (1986). Fig. 10. Clothing Pressure with Upper Raise Motion. -

参照

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