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国立大学における入試の多様化とアドミッションセンターの機能拡充に関する総合的研究

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平成16-18年度

日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(B)

課題番号: 16330148 研究代表者:鈴木敏明(東北大学)

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国立大学における入試の多様化と

アドミッションセンターの機能拡充

に関する総合的研究

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平成19年3月

(2)

国立大学における入試の多様化とアドミッションセンターの

機能拡充に関する総合的研究

まえがき

本研究計画の主要な目標は次の2点に要約される。 1.大学入試の多様化と後期中等教育における進学教育の動向に関するデータベースの開発 大学入試の多様化をめぐっては,高校等の後期中等教育並びに大学等の高等教育の活性 化に寄与するとする肯定的な意見がある一方で,学力や勉学意欲の低下を助長するとする 否定的な見解も表明されている。そうした主張のスペクトラムを評価するためには,高等 教育を中心とした政策動向,後期中等教育から高等教育へ向けた人口動態的構造,経済要 因の関与,地域性,社会的下位文化,さらには個々の言説の背景要因(教育や入試につい て社会的発言を行う人物についてのプロファイリング),等々に関する情報に基づく多角的 な吟味が必須である。 国立大学法人のアドミッションセンター等は,その業務として,大字入試と後期中等教 育における進路教育の共変関係について,上述のような情熱こ着目しつつ継続的に状況を 把握する必要に迫られている。本研究では,その基盤となる広範な情報を収集・蓄積・活 用するためのツールとしてのデータベースシステムの開発を行った。 2.アドミッションセンターの機能拡充に関する調査研究 現在,多数の国立大学法人にアドミッションセンターが設置され,入学者選抜方法の設 計・実施・評価及びアドミッション・ポリシーの調整・広報等において中心的役割を担う ようになってきている。これから10年の大学入試改革の方向性を過たないためには,各 大学のアドミッションセンターの更なる機能拡充が期待される。 本研究では,アドミッションセンターの機能拡充の方向性について示唆を得るため,い わゆるユニバーサルアクセス段階に進入しつつある海外の大学における入学者選抜並びに 高大接続の動向についての実地調査によって情報を収集し,この課題に資する有益な示唆 を得ることを試みた。 本報告書では,目標1に関しては,開発した「アドミッション関連ドキュメント・データベ ース」の概要について報告する。また,目標2に関しては,平成16・17・18年度に実施した 8カ国(中国・韓国・イタリア・フランス・米国・カナダ・英国・フィンランド)の海外調査 の結果を報告する。 平成19年3月 研究代表者 鈴木敏明(東北大学教授)

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研究組織

研究代表者

鈴木 敏明 東北大学・高等教育開発推進センター・教授

研究分担者

夏目 達也  名古屋大学・高等教育研究センター・教授 石井 光夫  東北大学・高等教育開発推進センター・教授 倉元 直樹  東北大学・高等教育開発推進センター・助教授 荒井 克弘  東北大学・大学院教育学研究科・教授 大家  清  東北大学・大学院歯学研究科・教授 津谷 邦男  東北大学・大学院工学研究科・教授 宮瀬 晴久  東北大学・大学院理学研究科・教授

研究協力者

平成16年度 北村 勝朗 平成17年度 岸本 陸久 平成18年度 篠原 康正

補助金蕪

東北大学・大学院教育情報学研究部・助教授 文部科学省・生涯学習政策局調査企画課・専門官 文部科学省・生涯学習政策局調査企画課・外国調査官 注記 研究協力者の所属等は委嘱時点のものである。 平成16年度       9,600千円 平成17年度       3,200千円 平成18年度      3,100千円 合計         15,900千円

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目 次

まえがき 第1章 多様化に向かう中国の大学入試 第2章 韓国における理数科の才能教育と大学入試 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 41 第3章 イタリアの教育制度と教育改革の動向並びに大学入学制度 ・ ・ - - - ・ 55 に関する調査報告 第4章 フランスにおける高校と大学の接続の現状と課題  - ・ ・ ・ - ・ - - ・ 77 第5章 アメリカ合衆国及びカナダの大学人言式制度に関する調査報告・ - - - - 97 第6章 オックスフォード大学及びケンブリッジ大学の入学制度 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 147 第7章 フィンランドの大学入学制度・ ・ ・ ・ ・ ・ - ・ ・ - - ・ - ・ ・ ・ ・ - 187 第8章 アドミッション関連ドキュメント・データベース ・・ --・-・・-- 201

(5)

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(6)

多様化に向かう中国の大学入試

∼2004年調査をもとに∼ 石 井 光 夫

東北大学高等教育開発推進センター教授

はじめに 中国には, 2004年現在, 1,700余りの高等教育機関(大学のほか,短期の専 科学校,職業技術学院を含む。以下,便宜上, 「大学」と総称)があるが,大 学入試は,全国統一入試の成績によって各大学が入学者を選抜するという1回 の試験成績による選抜方法が長く実施され,今も主たる入試の形態であること には変わりがない。しかし,その統一入試について,近年,地方単独の出題や 試験科目組み合わせが可能になり,教科横断の総合問題も出題されるようにな った。また,推薦入学,スポーツや芸術に特異な才能を持つ学生の特別入学も 1980年代半ばから実施され,改革が続けられてきている。このような,入試多 様化への流れの中で, AO入試の中国版というべき「独自事前選抜」が2003年 から一部の大学で開始された.この入試多様化は,高等教育の普及の遅れを取 り戻すかのように近年急速に規模拡大が進み,在学率19% (1) (2004年) までなる中で,大きな運営自主権を掌握するようになった大学が求める優秀な 学生を様々な手立てで見出したいという意欲が背景になっている。 このように我が国と同じような入試改革の方向を持つ中国で,大学入試,な かんずく独自事前選抜はどのような制度設計の下で,各大学は実際にどのよう な選抜を実施しているのか, 2004年秋の調査結果などをもとに以下にまとめた。

1.中国の大学入試多様化への流れ

多様化は主たる入試形態である全国統一入試による一般選抜のほか,推薦入 試,スポーツ・芸術に特異な才能を持つ学生(持長生)選抜にみられる。 (1)一般選抜(全四統一入拭) 大学の入学者の一般選抜は,教育部が実施する全国統一入試により行われる。 各大学は2つのグループに分かれ,この全国統一入試の成績で各地方で定めら れる合格最低ラインを上回る受験生の中から,順に入学者を決定していく。 全国統一入試 全国統一人言式は,中央政府の教育部が実施する。試験日程は,従来毎年7月 初旬の3日間に固定されていたが, 2003年から暑さなどを理由に6月初旬に1か 月前倒しされた。

①拭験科目の多様化

試験科目は, 1990年代は言語・文学,数学,外国語の3科目に文系が歴史, 政治,理系が物理,化学の2科目を加える「3+2」方式であった。これを「3+ X」方式(Xは地方や高等教育機関・学科が指定)に変更する改革が1999年か

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ら一部地方で開始, 2002年から全Egで実施された。共通3科目は変わらないが, 残りの科目について地方や大学・専攻により, ①物理,化学,生物,歴史,也 哩,政治の6科目から1-数科目,又は②総合能力試験を指定する,というもの である。 総合能力試験は,基礎知識の習得度とともに,応用能力,問題解決能力を問 う試験で, 「文科総合」 「理科総合」及び「文理総合」の3種類が用意される。 「3+Ⅹ」方式への変更は,社会経済の需要に大学が主体的に対応できるよ うにする大学裁量権の拡大政策の一環とされ,また総合能力試験は従来の暗記 型学習への反省と創造性の育成などを課題とする「資質教育」の推進という近 年の政策に沿ったものとされる。 試験科目の組み合わせ(2004年) A. 27省・自治区・直轄市(北京市含む) (3+文科総合又は理科総合) 6月7日 塗ネ繪?「 午前 侏靜「饉hァr 外国語 午後 Hァr 文科総合/理科総合 B.上海市・広東省・広西チワン族自治区・遼寧省(3+文理総合+1) 6月7日 塗ネ繪?「 6月9日 塗ネ ?「 午前 侏靜「饉h鬚 外国語 兒謁メ 化学 午後 Hァr 文理総合 騫メ リ 生物/歴史 C.江蘇省(3+2) 6月7日 塗ネ繪?「 6月9日 塗ネ ?「 午前 侏靜「饉hァr 外国語 兒謁メ 化学 午後 H鬚 - 騫メ リ 生物/歴史 [上海市は9日の午 前中に物理等の6科 目を一斉実施] [9, 10日の言式験 は,大学の指定に基 づき,受験者が2科 目選択] 試験時間は, 「言語・文学」及び「文科総合」 「理科総合」が2時間30分,

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その他は2時間。配点は,文科総合,理科総合が300点,その他の科目は150点。 なお,文理総合は150点満点であるが,その点数は20%分,すなわち30点満点 に換算して総合点数に加算する。 [出典] 『中国教育報』 2003年2月19日。教 育部へのインタビューにより修正。

②出席者の多様化

全国統一入試の出題は従来国(数育部)が行い,全国で同一の試験問題が使 われていた。 1985年に上海市が入試改革の実験で高級中学共通修了試験の実施 と併せて単独の出題を開始したのが唯一の例外であったが,近年,単独出題す る省・市が現れ,増えてきており,全国同一の試験問題という形式が崩れつつ ある。 上海市に続いて2番目の単独出題を行ったのは北京市で, 2002年から開始し た。これを追って2003年は9省・市が単独出題の承認を教育部から得, 2005年 は更に3省が加わり,合計14省・市,全国の約半数の地域に広がった。ただし, 総合科目試験などは全国共通の出題とし,言語・文学,数学,外国語の3科目 を単独出題する地域が多い。 教育部は,この単独出題の傾向を容認しており,初等中等学校の教育課程改 革において地方の編成分が多くなり,地方主導で課程編成が進んでいること, 入試科目の組み合わせも各地方ごとに異なってきていることをその理由として いる。このため,単独出題の傾向は今後も進む可能性がある。 (2) (2)推薦入学 推薦入学は1回性の全国統一入試の持つ偶発的な要因によって優秀な学生が 合格を逃す危険性を回避するための方法として, 1980年代初めから一部の地域 で行われていたが, 1988年に政府がこれを制度化し,今日まで続いている。情 実入学を生みやすいなどの問題が早くから指摘され,廃止も含めて,これまで その改革が幾度か検討されてきたが,現在推薦入学は資格要件を厳格にし,対 象を限定したうえで実施されるようになっている。 この資格要件の厳格化は2001年に行われた。資格要件はそれまで「徳知体に わたり一貫して優秀」などの3項目のいずれかに該当することにしていたが, これを「省レベルの「優秀生徒」に選出(注:徳・知・体に優れる「三好生 徒」の選出・表彰制度をもとに, 2001年から三好生徒の中から新たに「優秀生 徒」を選出する制度を導入した) 」とより厳密にするなど,詳細に6項目にわ たって規定した。さらに,推薦入学が認められる学生の数を全国で5,000人以 内に押さえるとした(3) 0 各大学は,こうした資格要件を持つ学生の応募を受け,独自に面接や筆記試 験を行って合格者を決定している。 推薦入学を実施する大学は,導入以降資格を厳格化するまで教育部が認定し た50数大学に限られていたが, 2002年,この制限を撤廃した。ただし, 5,000 人という全国の総人数が決められているため,大学の制限を撤廃しても実質的 にはそれほどの大学の拡大にはつながらなかった。

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実際に厳格な資格要件を持つ学生を受け入れている大学は,北京,清華大学 など一部の有力大学であり,しかも北京大学は総定員の15%に当たる400人を 受け入れるなど,有力大学に有利な制度になっているという側面を残した。 とはいえ, 1980年代初めの導入から粁余曲折の展開をしてきた推薦入学は, 現在も実施され,学力重視という面はあるにせよ, 「三好生徒」の評価など多 様な選抜へ向かう人言式改革の 一翼を担っているといえる。 ′ (3)特異な才能を持つ学生(特長生)の募集・選抜 スポーツや芸術の面で特異な才能を持つ学生(持長生)を,優遇措置を設け て入学させる制度も1980年代後半から実施されてきた(4) 。一般選抜におい ても全国統一入試受験者の中から国内外のスポーツ大会入賞者をその成績に最 大20点を加点して優遇する規定があるが,これとは別に,.大学が全国統一入試 の前に個別に審査,選抜して仮合格を決めておく もので,全国統一入試で一定 の成績を収めれば合格とする点は,以下にみる独自事前選抜に似ている。実際 には全国統一入試の成績に最大50点を上乗せする大学もある。またスポーツ選 手について教育部が定めた2005年実施要領(5)では,一般大学である第2期 選抜グループの合格最低ライン以上,優秀な選手についてはさらにその6割程 度で合格可能とまでしており,学力面での要求水準はかなり低く押さえられて いる。こうした学生が,北京大学や清華大学に入ってくるのである。 この特異な才能を持つ学生は,合格・入学後の専攻は必ずしもその特異な才 能を持つ分野に限定されない。志望と成績に従って,どのような専攻にも進む ことができる。募集できる大学は限られており, 2002年までは教育部が指定し ていた。 2003年からは,各省・自治区・直轄市で募集大学を指定し,教育部に 報告了承されて決定している。その数は2005年でスポーツが約100校,芸術が 約50校という規模で,おおむね伝統校,有名大学となっている(6) 。大学全 体から言えば,一割に満たない。 この制度の趣旨としては「他の学生に与える文化・スポーツ面での刺激,学 生全体の総合的な資質向上への貢献」 (清華大学学生募集事務室主任)という, 大学全体の文化・スポーツの水準向上という面が指摘されている。 2004年アテネ・オリンピックの陸上110メートルハードルで,アジアの選手 で初めて金メダルを獲得した中国の劉糊選手は,上海市にある華東師範大学の 現役学生であったが,この制度で入学した学生である。当時法学部4年生で, 成績もきちんと取っているという話であった(同大学学生募集事務室) 0 いずれにしても,推薦入学とは異なり,大学が学力だけではなく,他の特異 な才能を持つ学生を一般の学生と同じ立場で受け入れるところに特徴がある。

2.大学の独自霊前選抜

(l)独自事前選抜の試行 以上みた大学入試多様化の流れの中で, 2003年から新たな選抜方式の試行が

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開始された。この新たな選抜方式は「独自事前選抜」 (原語「自主招生」又は 「自主選抜録取」 )と呼ばれ,推薦入学と形式は若干相似しているが,大学が

受験者本人の志願のもとに高級中学の推薦を得,面接を含む多様な方法,多様

な基準で選抜した後,全国統一入試で一定の成績を収めることを条件に最終的 な合格を決定する。 2003年は22大学で実施され, 2004年は6大学, 2005年に は14大学増えて42大学での実施となった。 教育部によれば,大学の自主権を拡大することが狙いで,多元的試験,多元 的選抜がその要件とされる。その背景には大学が優秀な学生を望んでおり, 1 回の入試以外にもその兄いだす方法を求めていることがある。そして,この優 秀な学生とは,教育部によれば,試験成績に反映される以外の学力面での特異 な能力を持つ学生(偏才,怪才,奇才)となる。普通の入試(総合成績)では 入るこ とが難しいが,特定分野では優れた才能を持つという学生である。 (7) こうした優秀者の考え方の変化には,教育全体の多様化への改革傾向がある。 この多様化は,これまでの受験対策の暗記型画一的な知識学習の反省の上に, 創造性と実践能力を柱として子どもの多様な資質を育てよう とする「資質教 育」 (素質教育)政策の持つ一つの明確な方向であり, 1999年6月の全国教育 工作会議以来,教育改革の中心的課題になった。すでに初等中等教育では地方

や学校が設置する選択科目の拡大や我が国の総合的な学習の時間と同様の「総

合実践活動」が取り入れられて教育課程の多様化が進んでいるが,教育部は, 独自事前選抜の試行においても,大学の自主権を拡大し, 「資質教育の要求を 体現する」ものだと述べている。 試行大学の一つとなった復旦大学の壬生洪学長は, 「人の能力は多方面にわ たるものであり,統一試験で人材を選抜するには大きな制限がある.大学が自 主選抜することはすなわち,大学が自らの理念に基づいて必要な人材を選考す ることである」と,今回の試行の意義を認め,支持する発言をしている。 (8) しかし,この方法の導入に懸念がないわけではない。推薦入学で情実入学が 問題となったように,大学や高級中学の裁量が大きいことが不正の温床になら ないように,教育部は導入に当たって「公平,公正,公開」の3原則を掲げ, また実施大字でなく,省レベル学生募集事務室,推薦中学が使命感と責任感を 強めるよう求めている。特に実施大学に対しては,管理層,専攻分野の専門家, 規律検査部門,入試部門の責任者からなる学生募集委員会を設置し, 「秩序を 厳格化し,管理を強化し, (社会・上級政府の)監督を受ける」原則に従うこ とを訴えている。 (9)

(11)

独自事前選抜を実施している大学(2005年現在:42大学) 2003年開始: 22大学 北京大学,中国人民大学,清華大学,北京師範大学,中国政法大学,復旦大学, 同済大学,上海交通大学,華東理工大学,華東師範大学,南京大学,東南大学,京 航空航天大学,南京理工大学,河海大学,南京農業大学,中国薬科大学,漸江大 学,中国科学技術大学,華中科技大学,中山大学,重慶大学 2004年開始: 6大学       ′ 西安交通大学,大連理工大学,東北大学,武漢大学,華中師範大学,華南理理工 大学 2005年開始: 14大学 北京郵電大学,北京交通大学,北京科技大学,北京林業大学,東北師範大学,南 開大学,天津大学,山東大学,湖南大学,中南大学,四川大学,電子科技大学,西 安電子科技大学′,虜門大学

(2)独自事前選抜の実施要領

教育部は,独自事前選抜の試行に当たって2003年2月24日,実施要領を示し

た通知を各大学に伝えた(教育部弁公庁「関於倣好高等学校自主選抜録取改革

試点工作的通知」 ) 。通知では,独自事前選抜の基本的方針,募集計画,選抜 手続きなどを述べている。これが事前独自選抜の基本的な制度設計となってい る。主な内容は次のようになっている。

(訂基本的方針

独自事前選抜(自主選抜録取)の試行に当たっては,党の教育方針を貫き, 教育の刷新,資質教育の要求を体現し,公平,公正,公開,優秀者の選抜とい う原則を遵守する。 実施大学及び関係する省・自治区・直轄市学生募集事務室は統一入試を主と しながら,多元化した試験による評価と多様化した選抜を結びつけて,大学の 独自選抜,自己管理,政府のマクロ指導,社会の効果的監督という新たなメカ ニズムの構築を積極的に探求する。

②募集計画の策定

独自事前選抜の募集定員は当該年度の募集総定員の5%以内とし,この定員 は各省・自治区・直轄市に配分した定員とは別の留保定員分として設定する。

③選抜手続き

1)実施大学は選抜方法を策定し,公表する。 2)募集要件を満たす当該年度卒業予定の高級中学生は,本人の申請により在 学する高級中学の推薦を得,高級中学から大学への受験者の成績・活動状況, 受賞歴,特技などを示す資料を提出する。 3)実施大学は,専門家を組織し,選考の基準と方法を確定し,これを公表す る。推薦された受験者の資料を審査し,併せて面接などによる審査を行った後,

合格候補者を提出,大学の学生募集指導委員会の審査を経て合格予定者を確定

するo

(12)

4)合格予定者リストは所在の省レベル学生募集事務室に報告し,同時に在籍 の高級中学に通知,また大学のホームページなどで公表する。 5)合格予定者は全国統一入試を受験し,成績が所在の省・自治区・直轄市に おける実施大学と同じ選抜グループの合格最低ラインに達すれば,学生募集事 務室が大学に通知する。大学はこれを基に再度総合的に評価して合格を決定す る。 6)合格決定後,所在の省レベル学生募集事務室は合格者を公表し,同時に実 施大字もホームページで公表する。

(3)各大学の独自事前選抜

教育部が2003年に示したこのような原則の下で,各大学は独自に選抜基準や 方法,手続きを定めて選抜を実施している。筆者は2004年9月に独自事前選抜 を実施していJる4大学(北京大学,清華大学,復旦大学,華東師範大学)を訪 問し,担当部署(招生弁公室)の責任者にインタビューをした。ウェブサイト で公表している規程も合わせてその把握した実施様態から,独自事前選抜の特 徴は以下のようにまとめることができる。 ア)応募資格については,高級中学での成績優秀者,特異な才能を持つ者,各 種コンクールでの受賞歴を持つ者などとされている。推薦入学の資格要件より は緩く なっている。 イ)また選抜手続き及び選抜基準は本人の志望理由やいくつかのテーマによる 陳述,学校の推薦書,受賞・活動歴といった提出書類による審査に加え,大学 ごとに学力試験や面接を行って総合的に評価,選抜するという仕組みになって いる。学力試験の難易度は非常に高いとされる。 ウ)正式に合格決定の基準となる統一入試における成績の設定も各大学で異な っているが,自大学や同一選抜グループの合格最低ライン以上又はこれを一定 程度下回る点数以上を基準としている。 紙面の都合上,北京大学の例を紹介する。

①北京大学

北京大学は2003年度から実施している。同大学が公表した2004年の実施要 領によれば,次のような応募の資格要件,選抜手続きとなっている。 (1 0)

応募資格

次のような国家の政策規定に該当する2004年卒業予定の高級中学生で,平常 の学習成績が非常に優れ,身体健康で,総合して資質が高く,全面的に成長し ていること,とされる。 1)省・自治区・直轄市の著名な重点中学(注:各市・区・県レベルで教育の 質向上を担う中核的学校として指定。一般に進学有名校となっている)で

総合成績が上位にある者

2)並はずれた(超常)創造性,実践能力をもち,科学技術革新の面で優れた 成績を収めている者 3)思想道徳面で突出した業績がある者

(13)

4)文学,芸術面で特殊な才能がある者 5)その他突出した才能がある者

選抜手続き

1)生徒本人の申し出により,申請書(本人用,高級中学用,推薦人用の3書 類)を2003年12月20日までに北京大学学生募集事務室に送付する0 2)大学学生募集事務室は専門の教授を組織して応募者の資料を審査し,合格 候補者(自主招生候選人)リスト′を確定する。 3)大学独自事前選抜指導委員会は,関係する学部学科の教授による専門家委 員会を設けて2004年1月前後に合格候補者に対して面接及び筆記試験を行 い,最終的な仮合格者(自主招生対象)を確定する。 4)仮合格者は高級中学に通知され,同時に所在の省・自治区・直轄市学生募 集事務室に報告する。 5)仮合格者は全国統一入試を受験し,試験終了後,省レベル学生募集事務室 に対し合格審査承認を依頼し,合格手続きを行う。 6)独自事前選抜の募集定員は毎年の募集総定員の5%以内とし, (各省・自 治区・直轄市の定員配分以外の)保留定員分とする。 7)仮合格者は全国統一入試で所在する省・自治区・直轄市における北京大学 の合格最低ラインから20点以下までの得点を獲得すれば,合格とすること ができる(注:全国統一入試の満点は一部地方を除き, 750点) o 総合的 な資質が優秀できわめて優れた才能を持つ者は,大学の学生募集委員会の 審議決定を経てこの基準を適宜緩和することができる。

申請雷

受験者が大学に提出する書類は3種類ある。 a) 「受験者本人用」は,基本情報,学歴,家族構成,職歴,活動歴を記入 させた後, 「個別陳述」として志望理由,アピールしたい点,関心あるテ ーマについての論述を求めている。個別陳述のテーマは,最初の志望理由 以外は,前年受験者が提案したテーマとなっている。 b) 「高級中学用」は,学業成績(学年での席次, 3学年各学期の成績)と学 校推薦の記述からなっている。 C) 「推薦人用」は主として学級担任のように身近な指導教員が記述する秦 と思われる。推薦状は学業成績及び性格的な面について,特に優れている 点を記述するよう求めている。また,学術的潜在能力,論理的思考,抽象 的論理性,表現力,責任感,協調性など13項目について生徒間で比較した 相対的評価を求めている。

2004年度選抜の実績

2004年度は, 5,500人が応募し,一次合格者が350人,選考の後仮合格とな ったのは177人であった。このうち, 25人が全国統一入試の合格最低ラインか ら20点以下までの成績に達せず,仮合格が取り消され,最終合格者は152人で あった。

(14)

おわりに 今回調査資した4大学はいずれも研究中心型の伝統大学であり,また他の実 施大学も同じように中国で威信のある大学がほとんどである。こう した面から, 大学の求める学生の学力が高く,そのための学力試験も実施している。この点, 学力以外に多様な面を総合的に見よう とする我が国のAO入試とは若干異なった 印象を受ける。 しかし,今後,実施大学が拡大し.大学の個性や求める学生像が多様になっ てくれば,多様な大学と多様な学生がそれぞれに「相互選択」する入試制度と して機能する可能性もないわけではなく,そもそもの制度設計は大字の自主的 な入学者選抜を可能ならしめる目的でなされたもので,その発想は我が国と変 わりがない。他大学の例をさらに調査していく必要があろう。 [注] (1)中国では1999年の全国教育工作会議を機に人材育成や受験競争の緩和な どを目的として拡大政策を開始,年々入学定員が大幅に拡大されて進学率 5%前後で推移してきた高等教育人口が一気に膨らんだ。 「高等教育在学 率(入学率) 」は,大学院,ラジオ・テレビ大学などの成人対象の高等教 育機関在学者を含む高等教育全体の在学者を18-22歳人口で除した比率。 (2) 『中国教育報』 2004年2月20日, 2005年3月10日,教育部ホームページ http//:www.moe.edu.cn/news/2004_02/19.htm (3) 『中国教育報』 2001年2月9, 10, 14日。なお,教育部「2004年普通高 等学校招収保送生弁法」 (2004年3月29日)は次のような資格要件を定め ている。 1)省レベルの「優秀生徒」に選出 2)高級中学段階で行われる全国中学生学力オリンピックで省レベルで1檀, 全国レベルで1-3位に入賞 3)高級中学段階で行われる以下のコンクールで全国1位又は2位に入賞

全国青少年科学技術創造コンクール(全国青少年生物及び環境化学実践活

動を含む) , "明日の小科学者"奨励活動,全国小学校・初級・高級中学 コンピュータ制作活動 4)高級中学段階で行われる以下の国際コンクールで入賞 国際科学・工学コンクール,国際環境科学オリンピック 5)北京大学附属中学,清華大学附属中学,北京師範大学附属実験中学,華東 師範大学附属中学に設置された「高級中学理科実験クラス」の成績優秀者 (注: 1993年から設置o 全国数学学力コンクールで各省10位以内に入賞 した初級中学卒業者から入学者を選抜する。修業年限は一般の高級中学と 同じ3年。 ) 6)外国語学校(注:外国語に重点を置く普通中等学校。天津,長春,南京,

武漢など13都市の外国語学校及び上海外国語大学,広東外語外貿大学の附

属中学)の成績優秀者(上位20%以内) 。進学先は外国語大学(北京外国

(15)

語大学,北京語言大学,外交学院,北京第二外国語学院,上海外国語大学,

広東外語外貿大学)及び総合大学の外国語学部・専攻

(4)教育部の前身である国家教育委員会が「一部高等教育機関における高水 準スポーツ選手の募集試行に関する通知」を出した1987年前後から実施さ れてきた制度とみられる。 (5)教育部「2005年普通高等学校招収高水平運動員工作的弁法」 (2004年11 月)及びこれに関する通知。教育部ホームページ http://www.moe・edu・cn/edoas/website18 (6)教育部弁公庁「2005年招収高水平運動員学校名単」 「2004年普通高等

学校招収芸術特長生弁法」教育部ホームページ

http://www.moe.edu.cn/edoas/website18 (7) 2004年9月の筆者による教育部高等教育司招生処担当者へのインタビュ (8) 『中国教育報』 2003年3月11日 (9)教育部弁公庁「関於倣好高等学校自主選抜録取改革試点工作的通知」 (2003年2月24日) (10) 「北京大学2004年自主招生弁法」北京大学ホームページ http://ww2.gotopku.com/data

(16)

中国調査報告

1.出鍍者:大家活・東北大学アドミッションセンター長(歯学部教授) 石井光夫・東北大学アドミッションセンター教授 2.出張先:中華人民共和国(北京市・上海市) 3.調査日的:中華人民共和国の大学入試改革に関する調査 4.期間:平成16年9月7日(火) ∼9月16日(木) 5.日程: 9月7日(火) ・仙台発 東京着 9月8日(水) ・東京(成田)発 北京着 9月9日(木) ・教育部 ・北京大学 9月10日(金) ・清華大字 ・当初訪問予定の北京師範大学附属実験中学は「教師の日」による 休校のため訪問不可となった 9月11日(土) ・北京発 上海着 9月12日(日) ・資料整理 9月13日(月) ・上海市教育考試院 ・復旦大字 9月14日(火) ・華東師範大学

・当初訪問予定の華東師範大学第二附属中学は校務のため訪問

イく口J 9月15日(水) ・上海発 東京(成田)着 9月16日(木) ・東京発 仙台着 ・なお,大家清センター長は公務のため14日に帰国

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同記録1.数育部

・日 時:9月9日(木)午前9時半∼11時 ・応対者:周利明・教育部学生司招生処副処長 ・面談内容: 大学入試業務を担当している周副処長から,総合試験を含む入試科目改革, 高級中学修了試験改革と大学入試との′関係,推薦入学,大学独自事前選抜など について説明を聞き,質疑応答を行った。主な内容は以下のとおり。 1.人試科目改革 ・ 1990年代半ばから実施してきた「3+2」 (言語・文学,数学,外国語の3科 目に文科が歴史,政治,理科が物理,化学の2科目を試験)方式から「3+ X」 (共通3科目は変わらず。 Xは各省・大学ごとに指定)方式に改変した。 ・ 1999年の広東省における試行を最初としてその後拡大, 2002年から全国で 実施。 ・総合試験をXに指定する省・自治区・直轄市が多い。 理由)試験科目となる一部科目への偏り(偏科)を克服 分析能力,問題解決能力の総合的な能力の測定,又その育成の促進 ・総合試験には2種類ある。 1) 「小総合」試験(文理で分ける) 文科:政治,歴史,地理の総合問題 理科:物理,化学,生物の総合問題 2) 「大総合」試験(文理共通) 政治,歴史,地理,物理,化学,生物6科目の総合問題 ・ 2004年の採用状況 A. 27省・自治区・直轄市(北京市含む) (3+ 「小総合」文科総合又は 理科総合) 6月7日 塗ネ繪?「 午前 侏靜「饉b 外国語 午後 Hァr 文科総合/理科総 B.上海市・広東省・広西チワン族自治区・遼寧省(3+大総合+1) 6月7日 塗ネ繪?「 6月9日 塗ネ ?「 午前 侏靜「饉b 外国語 兒謁メ 化学 午後 Hァr 文理総合 騫メ メ 生物/歴史 C.江蘇省(3+2) 6月10日 [上海市は9日の午

前中

に物理等の6科目 [9, 10日の試験

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午前 侏靜「饉b 外国語 兒謁メ 化学 午後 Hァr - 騫メ メ 生物/歴史 試験時間は, 「言語・文学」及び「文科総合」 「理科総合」が2時間30分, その他は2時間。 配点は,文科総合,理科総合が300点,その他の科目は150点。なお,文理 総合は150点満点であるが,その点数は20%分,すなわち30点満点に換算し て総合点数に加算する。 ・将来の改革方向はまだ決定していない。見通しとしては,小総合試験への支 持が大きい。 大総合は負担が大きいとの批判がある。 2.出題範円 ・学校における学習内容の基準として教育部が発行している「教学大綱」とは 別に,試験問題の範囲を示す「試験大綱」 (考試大綱)を教育部が毎年公布。 試験問題はこの試験大綱に基づいて作成される。 ・試験問題の範囲は教学大綱の範囲を超えることも認められている。 ・教育部試験センター(考試中心)は,このほか試験の出題形式や出題テーマ などを説明する「試験説明」 (考試説明)を公表している。

3.高級中学共通修了拭験

<高級中学共通修了試験(会考)の導入経緯>

高級中学段階では,受験偏重教育を是正するための施策として, 1980年代 後半一部の地方の試行をへて, 1990年からほぼ全国で省,自治区,直轄市の 単位での共通の修了試験を導入するようになった。従来の修了試験は各学校 で行われていた。また,これにもない,大学入試の試験科目を従来の文系6 科目,理系7科目から5科目に減らすという改革を進めた。地域共通の高級 中学修了試験は,この段階でほぼ全国的に標準的に必修となっている9科目 すべてについて実施するo 出題は省,自治区,直轄市が統一的に行い,一定 水準に連すれば合格として合格証書を発行する。すべての科目の試験に合格 しなければ,卒業を認めない,というものであった。 こうした改革の狙いとしては,第一に学校の教育の評価基準をこれまでの 大学進学率から修了試験合格率に変えていく ことで,学校や教師を進学率競 争の重圧から解放する,ということがある。生徒にとっても,大学合格だけ で評価され,落ちれば敗北感しか残らないという価値観の世界から解放しる, という意味合いをもつものであった。 第二に,修了試験のために,教育課程の基準通りに授業を行い,大学受験 用の文系理系のコース分けなどもしなくなることで,知識の偏りを是正する ことができる,とぎれた。第三に,修了試験は基礎・基本をみる試験であり, 大学受験対策のような学習を必要とせず,学習負担を軽減することができる,

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とされた。 しかし,その後,教育部は2000年4月に同試験を実施しないことも認める 方針を決め,試験を実施するかどうかの判断を省・自治区・市に委ねるとす る「普通高級中学共通修了試験制度の改革に関する意見」を各地方に伝えた。 共通修了試験の見直しは, 2000年1月に教育部が緊急通知により全国に指示 した過重な学習負担軽減の方針に基づく措置として決定したものである。 こう した会考改革で,廃止した省・・自治区・直轄市はまだ聞いていないo まだ全国で行っているのではないか。 (所管は基礎教育司で,学生司では 詳細不明) ・いずれにしても,会考は「3+2」方式の導入に影響を持ったが,現在の

改革は大学入試に大きな影響はない。

4.推薦入学(保送) ・推薦入学の正式な導入は1987年。 1987年に国家教育委員会(現教育部)が入学者選抜全般についての規則 ( 「普通高等学校招生暫行条例」 )を定めた際,推薦入学を「党の教育方針 及び能力適性に応じた教育(因材施教)という原則を全面的に貫き,試験の 不足を補うため」と して正式に選抜方法の一つとして認めた(同条例第51 条) 。翌88年に国家教育委員会はこの規定に基づいて「全日制高等教育機関 推薦入学暫定規程」 (普通高等学校招収保送生的暫行規定) (1988年2月2 日発布)を定め,新たな規定の下でこの推薦入学を制度化した。 制度化された推薦入学においては,推薦の資格要件は①徳・知・体の全面 にわたり一貫して優秀, ②成績が優秀で,教職を希望, ③特定科目の成績が 優秀で,国際学力オリンピックの代表を決める集中訓練(数学は全国で20名 程度)に参加,のいずれかとされた。一般の大学は定員の3%,師範系は10 %以内(後15%に拡大)を推薦入学者に充てていた。推薦入学を行う大字は 国が指定し,大学数を限定した。一般の大学では北京大学,清華大学など52 校(高等教育機関全体の約5%)が国により推薦入学を認められた。推薦す る高級中学は各省で指定され,卒業者の5%以内で推薦,大学が入学者を決 定していた。 ・しかし,従来の推薦入学には問題が多かった。 問題1)高級中学が全国統一入試で確実に入学できる最も優秀な生徒を推薦 せず, 2番手の生徒を推薦してく る。質の保証とならない。 問題2)様々なコネを使ったり,高額な金銭取引により高級中学からの推薦 過程での不正,大学の選抜過程での不正などが発生(走后門) 0 ・ 1999年に改革。総合試験の導入などを経て2001年に資格要件の厳格化。こ の厳格な要件に基づいて推薦,選抜する。 ・推薦入学の定員は全国で5,000人以内に制限。各大学の推薦入学定員の調整 は教育部が行う。毎年各大学からの報告をもとに調整する。調整の基準とな るのは前年度の実績。

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・実際に推薦入学を行っているのは全国で100大学程度。 (一般の大学には生 徒は余り入りたがらない。 ) ・生徒を推薦できる高級中学についても,現在は指定制度はない。資格要件を 満たす生徒であれば,どんな中学でも推薦可能。推薦人数の制限もない。 5.大学の独自事前選抜(自主招生) <大学の独自事前選抜(自主招生)とは> 大学が受験者本人の志願のもとに高級中学の推薦を得,面接を含む多様な 方法,多様な基準で選抜した後,全国統一入試で一定の成績を収めることを 条件に最終的な合格を決定する入学者選抜制度。我が国のAO入試に相似。 ・2003年に22大学を教育部が指定,試行に入った。 2004年は6大学増えて28 大学。 2002年以前には江蘇省6大学で実験。 ・大学の自主鹿を拡大することが狙い。多元的試験,多元的選抜が要件。その 背景には大学が優秀な学生を望んでいることがある。この優秀な学生とは, 学力面での特異な能力を持つ学生(偏才.怪才.奇才) ∩ 普通の入試(総 合成績)では入ることが難しいが,特定分野では優れた才能を持つ。 ・応募要件は各大学が設定する。ただし,全国統一入試の受験は必須。各大学 が属する選抜グループ(本科一期校,本科二期校など)の省・自治区・直轄 市合格最低ラインを超えることが条件となる。 ・推薦入学(保送)との違い: 1)全国統一入試への参加が条件。 2)応募要件が推薦入学ほど厳格ではない。全国統一ではなく,各大学がそ れぞれ設定。 6.春季募集

<春季募集とは>

年1回であった大学入学者選抜を年2回とし,例年の秋季入学者募集に加 えて春季に行う入学者選抜。 2000年から一部の省・直轄市で開始された。 2000年は北京市,上海市,安徽省で, 2001年に内蒙古自治区が試行を開始 した。さらに2003年は,これらの地域に加えて,天津,海南,山東,雲南の 4市・省で新たに春季入学者選抜が試行され,計8省・自治区・直轄市と,全 国31省・自治区・直轄市の約4分の1の地域に広がった。 ・導入の理由は,機会の多様化。 「1回の入試が人生を決める」弊害の克服。 ・対象は,前年の入試で不合格となった過年度高級中学卒業者。現役の高級中 学在学者は 受験できない。 ・春季入学の問題点: 1)すべての大字が募集するわけではなく,一部に限られている。すべての 大学が行うのは入試業務の負担が大きい。有名大学は参加しない0 2)対象となる受験者が前年度不合格者で,いい成績の学生が少ない。 (こ れも有名大学が参加しない理由の一つ) 0

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3)有名大学が参加しないので,受験生も実際に入学することは意図せず, 模擬試験のつもりで受験する。 ・こう した問題点のため,春季募集の拡大は難しい。来年度は5省・市が春季 募集を停止する予定n 7.英語のヒヤリングテスト ・2000年に10省・直轄市で外国語の上ヤリングが試行された.その後実施地 域が拡大さ れ,現在は31省・自治区・直轄市すべての地域で実施している。 ・全国統一入試における英語ヒヤリングは,高級中学以下の英語会話教育促進 に効果があったと教育部では認識している。 ・ヒヤリングの点数は,英語150点満点のうち30点分(20%)を配点。 ・実施方法: 1)北京,上海,天津の3市 地元のラジオ放送局から試験問題を放送する。統一した時間帯に放送, 各試験場で受信し,受験生に聴取させる。 教育部としては,この方法が音声の明瞭さ,均質性などから最も良い方 法と考えている。しかし,電波の受信が地域内で十分行き渡らない他の地 方では,この方法がとれない。 2) 3都市以外の地域 試験場にテープを配布。テープレコーダーで統一した時間帯に再生,受 験生に聴取させる。 この方法は,気候(乾燥,高温など)がテープに影響を与え(テープの 伸びなど) ,音質が保証されない。テープレコーダーの故障,テープが事 前に盗まれた場合の代替不能などの問題もある。 ・個別に再生機器を配布,聴取させる方法は,生徒が使い方が分からない場合 の格差,音の漏れによる騒音問題などがあって好ましくない,と考えている。

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訪同記録2.北京大学

・日 時:9月9日(木)午後3時∼4時 ・応対者:董 徳剛・招生弁公室主任(入試課長) ・面談内容: 董主任と当方とで最初から一間-答式の面談を行った。内容は,大学の 入試実施体制,推薦入学,独自事前選抜などを主なテーマとした。面談の 内容は以下の通り。 1.入試体制 ・全学的な学生募集の最高機関として「学生募集委員会」 (招生委員会)を設 置。その下に日常的な事務機構である「学生募集事務室」 (招生弁公室)が 置かれる。各省・自治区・直轄市の学生募集担当として教師・幹部職員(4 -5ないし5-6名)からなる学生募集グループを組織。 ・学生募集委員会の構成は,教育担当の副学長を委員長とし,教務長(教授)

計画委員会書記を副委員長,教務処処長,学生処処長,学生募集事務室主任

など関係部門代表を委員として構成。 ・学生募集委員会の職務は, (丑学生募集定員, ②募集に関わる重要な政策・方 針, ③合格者名簿(一般選抜の他,推薦,独自事前選抜を含む)などの審議 ・決定である。 2.広報活動 ・各省ごとに担当学生募集グループを派遣。 ①高級中学の個別訪問, ②省ごと の大字説明会(ガイダンス)への参加,の2つの方法がある。 ・高級中学の個別訪問では,主として成績の高い有名中学(重点中学)で,各 省10校程度。 ・訪問時期は, (丑冬休みの前(1-2月) , ②5. 1 (メーデー)前後1週間の 休暇中, ③全国統一入試(6月初旬)前後の志望校提出に会わせた時期,の 3段階に分けている。 ・説明の内容は,大学の概要,カリキュラム,就職状況など。個別訪問では優 秀な生徒を紹介してもらい,生徒に直接説明することもある。 3.特別選抜 ・6月の全国統一入試によって選抜する一般選抜のほか,特別選抜として(∋特 異な才能を持つ生徒の募集, ②推薦入学, ③独自事前選抜の3種類を行って いる。

(1)特異な才能を持つ生徒の募集

・特異な才能とは,舞踊,民族音楽,体育の面で優れた才能をいい,全国統一 入試の成績が低くても,一定点数を上乗せして入学最低ラインを超えれば,

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入学を認めるもの。 ・入学後の専攻は,当該才能の関係する専攻と異なってもよい。 (2)推薦入学 ・北京大学学生募集事務室が2003年11月12日に発表した要項( 「北京大学 2004年保送生選抜弁法」 )によれば,推薦入学の資格要件としては,数育部 要項の資格2)学力コンクールの入賞.歴において全国レベルの入賞歴は求めず, 省レベル一位だけの入賞歴を求めているほかは,教育部要項と全く同じにな っている。 ・手続きは次のようになっている。 ア)申請者は申請書類(生徒用,中学用,推薦者用の3種類)をそろえて 2003年12月20日まで大学の学生募集事務室に送付する。 イ)大学は土の申請書類により一次審査を行い,一次合格者に対して専門分 野の教授を省・自治区・直轄市別又は地域別に派遣,総合的な審査を行っ て合格者を決定する。 ウ)合格者リストが大学学生募集委員会に諮られ,承認後,各省・自治区・ 直轄市の学生募集事務室に報告,審査承認を得る。 エ)合格内定通知書は全国統一入試の前に発送される。 ・各省別の審査とは,面接試験及び筆記試験による。筆記試験の科目は言語・ 文学,英語,数学に加え,文科が歴史と政治,理科が物理と化学となってい る。難度は全国統一入試に比べて高い。 ・学生募集グループを各省別に派遣して審査する方法は2004年で終了。 2005 年から大学に集めて一斉に行う。 ・中学は指定しない。募集要件を満たす生徒であれば,中学を問わない。 ・推薦入学の日程: 11-12月 出願 1月     出願資料による1次選抜 2月(冬休み)1次選抜合格者に対する大学の試験(筆記試験,面接) 3月     合格者リストの決定・通知 ・2004年の推薦入学者は,総定員の15%,約400人であった。 (3)独自事前選抜 ・北京大学は2003年度から実施しているが,同大学が公表した2004年の実施 要領( 「北京大学2004年自主招生弁法」 2003年11月12日)によれば,次の ような応募の資格要件,選抜手続きとなっている。

応募資格

次のような国家の政策規定に該当する2004年卒業予定の高級中学生で,平 常の学習成績が非常に優れ,身体健康で,総合して資質が高く,全面的に成 長していること。 1)省・自治区・直轄市の著名な重点中学で総合成績が上位にある者

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2)並はずれた(超常)創造性,実践能力をもち,科学技術革新の面で優れた 成績を収めている者 3)思想道徳面で突出した業績がある者 4)文学,芸術面で特殊な才能がある者 5)その他突出した才能がある者

選抜手続き

1)生徒本人の申し出により,申請.香(本人用,高級中学用,推薦人用の3書 類)を2003 年12月20日までに北京大学学生募集事務室に送付する。 2)大学学生募集事務室は専門の教授を組織して応募者の資料を審査し,合格 候補者(自 主招生候選人)リストを確定する。 3)大学独自事前選抜指導委員会は,関係する学部学科の教授による専門家委 員会を設けて2004年1月前後に合格候補者に対して面接及び筆記試験を行 い,最終′的な仮 合格者(自主招生対象)を確定する。 4)仮合格者は高級中学に通知され,同時に所在の省・自治区・直轄市学生募 集事務室に報告する。 5)仮合格者は全国統一入試を受験し,試験終了後,省レベル学生募集事務室 に対し合格審査承認を依頼し,合格手続きを行う。 6)独自事前選抜の募集定員は毎年の募集総定員の5%以内とし, (各省・自 治区・直轄市の定員配分以外の)保留定員分とする。 7)仮合格者は全国統一入試で所在する省・自治区・直轄市における北京大学 の合格最低ラインから20点以下までの得点を獲得すれば,合格とすること ができる。総合的な資質が優秀できわめて優れた才能を持つ者は,大学の 学生募集委員会の審議決 定を経てこの基準を適宜緩和することができる。

く申請雷の記述内容>

受験者が大学に提出する書類は別表のように3種類ある。 a) 「受験者本人用」は,基本情報,学歴,家族構成,職歴,活動歴を記入 させた後, 「個別陳述」として志望理由,アピールしたい点,関心あるテ ーマについての論述を求めている。個別陳述のテーマは,最初の志望理由 以外は,前年受験者が提案したテーマとなっている。 b) 「高級中学用」は,学業成績(学年での席次, 3学年各学期の成績)と学 校推薦の記述からなっている。 C) 「推薦人用」は主として学級担任のように身近な指導教員が記述する秦 と思われる。推薦状は学業成績及び性格的な面について,特に優れている 点を記述するよう求めている。また,学術的潜在能力,論理的思考,抽象 的論理性,表現力,責任感,協調性など13項目について生徒間で比較した 相対的評価を求めている。 ・同時事前選抜は, 「学習上の特異な能力」を持つ生徒を入学させることが目 的。 ・2004年度は, 5,500人応募 - 一次合格350人 - 仮合格177人 -最終合格152人(25人が全国統一入試の合格最低ラインに達せず,合格内定

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(参 考) 申請者:

2004年北京大学独自選抜申譜表

(受験着用) 連絡住所: メールアドレス: 所在中学: 郵便番号: 電話番号:

申請書

私は「北京大学学生募集要項」及び「2004年北京大学独自事前選抜方法」に 従い,北京大学独自事前選抜を受験します。 私は誠実でまじめな態度をもって以下の申請資料を提出します。 署名: 日時: ☆ 北京大学でもっとも興味がある専攻分野(3分野以下) ☆ 北京大学でもっとも興味がある部活・サークル(3つ以下) ☆ 基本情報 □ 未定 □ 未定 姓名 y ケ¥「 剿ッ族 劔 刳O国語 劔1 ∫ l写真貼付 l 身分番 リ自?ネ韋怏m「 劔 [h怦マケyリ怦 [b 生年月 ユ ィ オ % 吋糲ネ糴?「 劔偬 i& 家庭住 劔劔郵便 電話 窒 携帯電話 劔 劔燃ヨヨ 鳴 中学 住所 剪 劔劔u云iMB 剪 学級級 学級担任 劔 劔6I " 剪 ☆ 学歴 学校(小学至高中) 傀ィンリ 年月日 洩竟"

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☆ 家族構成 続柄 冖ツ 勤務 俐X 乂y 学校名 I " 父 母 兄弟姉妹 ☆ 職歴 開始年 ?ゥiH,リ曁シ駝 鳧ュB 勤務先 ノ 8謦 連絡方法

☆ 課外活動,社会活動及び趣味特技

学術 学力コンクール、科学技術活動、論文コンクール等。 文芸・体育活動 参加大会 レベル等 社会活劫 学校生徒役員,学校新聞編集,ボランティア活動等。 (受賞証書のコピー,発表作品等の証明を添付) 活動の名称 丶ィ跌D霾 活動時間 剪S当活動.受賞 X鬨,X,ツ ヌ 週間 僖隴B □是□否 口走口否 □是□否 ロ是□否

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口走□否 参加活動中もっとも有意義だった活動及びその理由: ☆ 個別陳述 以下の1-5の間に簡単に答えてください。 6- 1 2の間については一つを 選び答えてください(字数制限なし)′。 1.大学生活に対する憧れ,北京大学を選んだ理由。 2. 1年間自由に使えるとしたら何をするか。 3.選抜で自分がもっともみてもらいたい点。 4.自分がもっとも魅力あると思う所作,表情。 5.次年度の受験者に質問したい内容 f+++++++*++++++++++++++++++++++++++++++I I+**+++++++++++++++++++++++++++++++++++ 6.自分がもっとも誇れる知識ともっとも探求したい知識。 7.有人飛行の成功に関連して,自分がロケットに乗って地球をみた場合の 感想の想像。 8.得意な経験とそれがもたらした啓示。 9.もっとも関心のある社会問題及びその解決方法への意見。 10.舞台でもっとも演じたいこと。 ll.もっとも会ってみたい歴史上の人物と会ったときに言いたいこと。 12.未来は予測可能か。その必要はあるか。

2004年北京大学独自事前選抜申請表

(高級中学用) 被推薦者: ☆ 学年生徒数

人,字年中成績席次

席次の根拠: □一回性の試験,試験時期 (年/月) 試験種類 □全省統一   □全市統一   口数校共通   □学年共通

□数回の試験の総合

席次決定その他の要素: ☆ 高級中学における成績

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1 年 後 2 年 後 ツ 3 年 後

☆ 学校推薦の意見

校長署名:日時:(印章) 校長 連絡先 I " 播 自宅電話 佝y 6I " 香

2004年北京大学独自霊前選抜申請表

(推薦人用) 被推薦者: 高級中学:

☆推薦状

(学業成績及び個人の性格的特徴について全般にわたる情報。特に生徒 の潜在能力,個性,威熟度,自主性,独立性,創造性,指導力,特殊な 才能,得難い品性についての情報。 ) 1.生徒を指導した期間

担当教科

2.いくつかの言葉で生徒を表現するとした場合の言葉: 3.将来突出した成功を収められると考えられる分野: 4.合格する場合考えられる主な要因: 不合格となる場合考えられる主な要因: 5.すべての生徒と比較した場合,以下のどの面を評価するか。

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評価 しな い 平均 以下 兌リシ 平均 以上 兌リシ / w +H*h. 傑出 (5%) 99h+X+メ i6ケ(b ワYtH x,ネ自 ツ 学術的潜在能力 論理的思考 抽象的論理性 口頭表現力 理性 創造的思考力 集団的協調性 努力精神 責任感 同情心 挫折の克服 社会問題への 関心 生活技能 推薦者: 所属: 住所: メールアドレス: 署名: 役職名: 郵便番号:

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訪問記録3.清華大学

・日 時:9月10日(金)午前10時30分∼12時 ・応対者:宗 俊峰・学生募集事務室主任(入試課長) (助教授) ・面談内容: 宗主任と当方とで最初から一間-.答式の面談を行った。内容は,大字の入 試実施体制,推薦入学,独自事前選抜などを主なテーマとした。面談の内容 は以下の通り。 1.入試体制 ・全学的な学生募集の最高機関として「学生募集指導委員会」 (招生領導小 組)を設置∴その下に日常的な事務機構である「学生募集事務室」 (招生弁 公室)が置かれる。各省・自治区・直轄市の学生募集担当として学生募集事 務室が教師を組織。 ・学生募集指導委員会の構成は,教育担当の副学長を委員長とし,教務長,檎 査部門代表などから構成。 ・学生募集指導委員会の職務は, ①学生募集定員, ②募集に関わる重要な政第 ・方針, ③合格者名簿(一般選抜の他,推薦,独自事前選抜を含む)などの 審議・決定である。合格者名簿は学生募集事務室が事実上決定。 2.広報活動 ・インターネットで募集要項や問答集を公表。 ・各省ごとに担当者の教員グループ(北京市20名, 2-3名の省もある)を派遣。 高級中学の個別訪問,省ごとの大学説明会(ガイダンス)への参加,の2つ の方法がある。 (彰高級中学の個別訪問: ・主として成績の高い有名中学(重点中学)で,全国で2000校程度。 ・個別訪問では優秀な生徒を紹介してもらい,生徒に直接説明することもある。 紹介された生徒への優遇はない。直接のコンタクト一一ちゃんと応募したか, 統一入試の成績による応募の可否のアドバイスなど。

②省ごとの大学説明会への参加

・省の学生募集事務室などが主催。生徒及び保護者が対象。有料1元0 3.特別選抜 ・6月の全国統一入試によって選抜する一一般選抜のほか,特別選抜として①特 異な才能を持つ生徒の募集, ②推薦入学, ③独自事前選抜の3種類を行って いる。 (1)特異な才能を持つ生徒(特長生)の募集 ・特異な才能-文化・芸術,体育,美術の面での優れた才能。全国統一入試の

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成績が低くても,一定点数(50点まで)を上乗せして入学最低ラインを超え れば,入学を認める。 ・特異な才能を持つ生徒の募集目的は,他の学生に与える文化的影響,全体的 総合的な資質の向上への貢献を期待。課外活動での中心的存在としての意義。 ・入学後の専攻は,必ずしも当該才能の関係する専攻と異なってもよい。 ・専攻手続き: 春節以前(I-2月)応募 冬休みのセミナー(冬令営)で学外の専門家を招 致して選考する。 ・2004年は2,000人が応募,選考の結果40人が入学した。 ・すでに20数年来実施。一昨年までは教育部が指名した全国45大学で募集。昨 年から省に決定を委託。省の政策により実施可能となった。 (2)推薦入学 ・昨年11月18日に発表した推薦入学要項( 「清華大学2004年保送生選抜実施 方案」 )によれば,資格要件は教育部要項と全く同じである。手続きは,や はり北京大学と同じ書類による一次審査と大学による二次審査からなってい る。 ・高級中学からの申請には, 1)申請書, 2)推薦状, 3)成績表, 4)生徒個人の論 述, 5)家庭経済状況が含まれている。 ・これらの書類をもとに一次審査を行う。審査基準は,学業成績,各種コンク ールの成績,参加した社会活動・課外活動,趣味・特技,発明創造などの状 況である。 ・一次合格者を決定し,推薦者選抜冬季セミナー(冬令営活動)に参加させる. このセミナーは二次試験であり,学力試験(言語・文字,数字,外国語,文 理別の総合試験からなる)及び面接試験を行う。

二次試験での各種試験の成績及び本人の志望専攻を勘案し,専攻ごとに合格

者を決定する。決定後在学する高級中学に通知し,同時に大字のホームペー ジに掲載する。 ・合格者リストは,健康診断と政治審査に合格を条件に,関係規定に従って省 レベル学生募集事務室と推薦入学者合格手続きを取る。 ・2004年の実績は, 1,000人以上の応募 - 一次審査でコンクールにおける 優秀入賞者100名を合格決定(試験免除) / 冬季セミナー参加者300人 (一次合格者) - 合格者200人  合計300人余りを最終合格に決定。 (3)独自事前選抜 ・2003年度から実施。 2004年度の独自事前選抜の実施要領は2003年11月18日 に発表され( 「清華大字2004年自主招生実施方案」 ) , 「特定の分野で特 殊な才能と潜在能力を持つ,あるいは総合的な資質が突出している優秀な人 材」を, 「学力試験を主とし,多元的な選抜基準による総合評価を組み合わ せた方法で」選抜するとしている。

(33)

応募資格

次の要件の一つに該当する者は,応募することができる。 1)特定の分野(科学技術発明,文学等)で突出した才能及び潜在能力を持つ。 2)高級中学段階の学業成績(文科又は理科)で学年の最上位にいる。 3)総合的な資質が突出している。

選抜手続き

1)生徒本人の申し出により高級中学の推薦を受け,申請資料を大字に提出す る。申請 資料には,申請書,推薦状,成績表,個人陳述,家庭経済状況 調査などの内容を含 む。 2)大学は申請資料を審査し,大学が実施する独自事前選抜冬季セミナー(冬 令営活動) に参加させる一次合格者を選抜する.一次選抜の基準は学業 成績,各種コンクール の成績,参加した社会活動・.課外活動,趣味・特 技,発明創造などの状況である。 3)冬期セミナー参加者に対して二次試験を行う。試験の内容は学力試験(言 語・文学, 数学,外国語,文科総合,理科総合)及び専門家による面接 である。 4)これらの試験を総合して大学は仮合格者のリストを作成し,同時に全国統 一入試に おける仮合格者の優遇措置を確定する。選抜の結果は高級中学 に通知し,所在の省 レベル学生募集委員会に報告する。 5)独自事前選抜の募集定員は入学総定員の5%以内と し, (各省・自治区・ 直轄市に 配分しない)定員保留分に組み入れる。 6)二次試験の結果により,仮合格者の全国統一-入試における優遇措置を決定 するが, それぞれの所在省・自治区・直轄市での清華大学文科・理科の 合格最低ライン20 点以内であれば,合格とする。二次試験の成績が特別 優秀な者は,大学の学生募集 し同委員会の討議を経てさらに優遇する措 置を取ることもできる。 ・2004年の実績は, 2,000人応募 - 一次選抜合格者300人 - 冬季セミ ナー合格者(仮合格者) 190人 - 最終合格者150人 (40人は全国統一 入試の合格最低ラインに達せず合格内定取り消し)

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間妃録4.上海市教育考試院

・日 時:9月13日(月)午前9時30分∼11時30分 ・応対者:胡 啓迫・学術委員会主任(前院長)ほか研究員4名 陳永明・華

東師範大学教授(教育管理学系主任-学部長)同席

・面談内容: 胡主任他4名の研究員と面談。陳教授が適宜,会談に加わった。高級中学 共通試験の廃止と大学入試との関係,英語ヒヤリング・スピーキング試験の 実施方法,推薦入学,大学独自事前選抜,上海市単独出題,春季募集など広 範なテーマについて説明を受け,かつ日本の状況を紹介しつつ,相互の問題 点などについて意見交換をした。

<上海市教育考拭院について>

上海市教育試験センター(上海市教育考試院)は,義務教育以後の各種試験 の実施,管理,研究開発を行う機関として1995年6月に設置された。上海市教 育委員会の所轄(直属単位)となっている。実施する試験は,大学入試のほか, 高級中学段階の入試,成人高等教育機関の入試,大学院修士課程の入試,さら には独学試験(所定科目の試験合格により,大学や専科学校,中等専門学校の 卒業証書を取得。省単位で実施)などの試験の出題を行っている。また,大学 入試に関しては,市内各区・県の学生募集委員会の業務に対して指導監督を行 っている。同センターには,学生募集事務室が設置され,学生募集に関する事 務局としての業務を担っている。また,各種試験の事務局も併せて設置されて いる。 1.高級中学共通修了試験(会考) ・上海市は全国に先駆けて1980年代半ば(1985年)に市統一の高級中学修了 試験(会考)を導入した。会考は水準試験であり,一定の成績を収めれば合 格とし,これが高級中学卒業の要件となった。 ・この導入にともなって大学入試の試験科目も改革した(上海市は1985年から 市の単独出題を実施) 。試験科目は「3+1」とし, 3科目は言語・文学,数 字,外国語で共通科目。残り1科目を政治,歴史,地理,物理,化学,生物 の6科目から大学・学部学科ごとに指定,受験生が選択受験するというもの。 (全国統一入試は会考普及によって1990年代半ば「3十2」方式に転換) 0 ・2000年に教育部の通知(会考の改革を省レベルに委ね,会考廃止も容認)に 従って,市統一の会考を廃し,卒業試験の実施を区レベルに重ねた。 市統一試験廃止の理由: 1)負担が大きい。会考9科目のうえに大学入試4科目を受験対策のため潔 く学習するのは困難。 2)会考は各科目履修終了時点で行うため毎学年実施する。このため,読 験準備のためその他の活動ができなく なる。

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3)進学校では大学入試対策のため受験科目以外の科目に力を入れたがら ない。 ・市統一の会考廃止後,修了試験を委ねられた各区では区ごとの共通試験を実 施。 -やはり水準試験は必要。高等教育の普及とともに学力低下が懸念。全体の 学力水準向上のため。 ・区 点中学は水準が高いとして区教育委員会は各学校で修了試験を実施すること を認めている∩ ・会考改革が大学入試に与える影響はまだない(以前の導入時のように試験科 目改革と連動するようなものではない) o ・上海市以外に省レベルの会考を廃止した例を聞いていなノい。 2.高大連携 ・上海市でも大学と高級中学との連携を強め,大学入学を円滑に進める試みが 行われている。主に重点中学が対象。その例としては, ①出張授業(大学の教師が高級中学に出向いて授業を行う。 ) ②体験授業(高級中学の生徒が大字の授業を体験D 入学した場合は単位と なる。 ) ③オープンキャンパス(大学の開放) 3.推薦・独自事前選抜 ・上海市でも推薦入学を一部大学で実施。水準の確保を考えると一部大学で行 うのが望ましい。 ・大学独自の事前選抜を03年から実施。上海では8大学が実施し,定員の5%以 内で入学させている。全国統一入試で重点大字の合格最低ラインをクリアす ることが条件。 ・04年の実績は市内8大学で526人が合格した。このうち38人が,最低ライン を割ったが, (特性などによる)加点により合格となった。 ・大学独自事前選抜は「青田買い」の面もあるが,清華大学では高級中学2年 生を対象に,事前選抜(本人の申請-中学の推薦-大字の選抜)を昨年から 始めた(確認の要あり) 0 4.上海市単独出超 ・上海市は1985年から教育部出題の全国共通問題を使わず,独自に出題してい る(中小学の教育課程基準も上海市は独自に作成。教育水準が各地と異な る。 ) ・最近北京市で単独出題を開始,今年(04年)は9省・市が加わり,全国の3分 の1の地域で単独出題をするようになった。ただし,他の地域は3共通科目の 単独出題で,総合問題な土その他の科目は全国共通。上海市はすべての試験

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を単独出題。 ・ただし,国家の指導があり,全く市の独自性を発揮することはできない。自 ずと限界がある。原則的には,学習内容の基準である教学大綱の必修部分に 則る。学習目標などは唆味な部分もあるのでそこは解釈の余地がある。 ・高級中学の教育課程多様化への対応: 改革の方向性-基礎性(基礎基本の習得) ,選修性(選択部分の拡大) ,研 究性(課題学習などの導入・拡大。/総合実践活動など) 0 従来の人言式は基礎性が中心。研究性への対応が課題。総合的な能力の測定へ。 ・総合能力試験: 上海市では「大総合」試験(文理6科目の総合試験) 。原則は, ①偏科(特 定科目への偏り)を克服, ②主題(テーマ)を設定し,各科目の内容をこの テーマの下に織り込む, ③判断力,推理力などの問題解決型の能力を測定, など。 実験段階なので, 150点満点を30点満点に換算,総合点に加算している。 5.英語のヒヤリング・スピーキング試験 日)ヒヤリング試験(聴力測試) ・上海市は2000年に大字入試の英語に導入開始。 ・上海市のラジオ局を使って一斉に放送,各試験場で聴取して試験を行う。 ・時間は20分間。ヒヤリングの問題には30点を配点(英語の満点は150点) , そのまま総点数に算入する。 ・問題点は, ①試験場の環境(音声を聞き取れる,騒音のない環境の確保) , ②ラジオ受信機の性能(試験場で音質の格差がでないような高性能ラジオの 確保)など。 (2)スピーキング試挨(口浩測試) ・スピーキング試験は大学入試とは別の期間(3月)に実施。点数を入試総点 数に算入せず,参考扱いとなる。外国語専攻志望者だけでなく,一般の受験 者も受験。 ・2000年以前は,一対一の面接形式で実施していたが,現在はコンピュータで 発間,受験者の答えをテープに吹き込んで,このテープを採点者が聞いて採 点。 A B Cの3ランクでで評価する。 ・この方式によって大量の受験が可能となった。試験は3月の2日間を設定。こ の期間に受験する。受験者は,以前は英語専攻又は英語関連の専攻志望者で あったが,一般の受験者に拡大。 2004年は市全体の大学入試受験者10万人 のうち7万人, 70%が口語試験を受験した。条件がそろえば,全体への拡大 も可能。 (3)高級中学の英会話教育への効果 ・ヒヤリ ング・スピーキング試験の実施が,高級中学における英会話教育の普

参照

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