第3学年〇組社会科学習指導案
指導者 教諭 〇〇 〇〇 1 単 元 「地方自治と住民の参加」 2 指導観 ○ 平成 30 年6月 13 日に成人年齢を 20 歳から 18 歳に引き下げる改正民法が参議院本会議で可決,成立 した。明治時代以来 146 年にわたって続いた定義が変わり,本校生徒も4年後の4月1日には 18 歳か ら大人の一員になる。少子高齢化が加速する中で若者が大人の一員として活躍する時期を早めることで 社会を活性化させるという日本政府のねらいに多くの賛同がある一方で,主権者としての未熟さ等の指 摘から成人年齢引き下げに対する慎重論も根強い。このような状況の中で,平和で民主的な国家及び社 会の形成者に必要な公民としての資質・能力の育成がより一層求められている。そのためには,政治に 関する様々な事象等について理解したり,社会参画を視野に入れたりしながら,妥当性や効果,実現可 能性等を踏まえて政治に関する課題の解決に向けて多面的・多角的に考察,構想できる力を養っていく 必要がある。そこで本単元では,地方自治の基本的な考え方や地方公共団体の政治の仕組み,住民の権 利や義務について理解させた上で,地方自治と住民の政治参加等との関連について多面的・多角的に考 察,構想し,表現する力を養わせるとともに,地域社会への関心を高め,地方自治の発展に寄与しよう とする自治意識の基礎を育成したい。このことは,「社会的事象の意味や意義,特色や相互の関連を現 代の社会生活と関連付けて多面的・多角的に考察したり,現代社会に見られる課題について公正に判断 したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う。」と明記し ている中学校学習指導要領(平成29 年告示)解説社会科編の公民的分野の目標(2)を達成すること につながると考える。 本単元は,学習指導要領大項目「C 私たちと政治」の中の「(2)民主政治と政治参加」の中で取 り扱う。この項目は,個人の尊重と法の支配,民主主義等,法にもとづく民主政治の基本となる考え方 に関する理解をもとに,民主政治の推進と公正な世論の形成や選挙等国民の政治参加との関連について 考察,構想し,表現することができる適切な問いを設け,それらの課題を追求したり解決したりする活 動を通して,地方自治や我が国の民主政治の発展に寄与しようとする自覚や住民としての自治意識の基 礎を育成することを主なねらいとしている。この項目では,地域社会における住民の福祉は住民の自発 的努力によって実現するものであり,住民参加による住民自治にもとづくものであること,住民自治を 基本とする地方自治の考え方が地方公共団体の政治の仕組みや働きを貫いている基本的な考え方である ことを理解させる。また,地方公共団体の政治についても代表民主制の仕組みが取り入れられており, 住民の代表として選出された執行機関の最高責任者である首長と同じく住民の代表として選出された議 員によって構成される議会の2つの機関の関係を中心に理解させる。さらに,民主政治を推進するため には,公正な世論の形成や選挙等国民の政治参加が必要となること,住民の意思を地方の政治に十分反 映させることが必要であり,住民一人一人が政治に対する関心を高め,主権者であるという自覚を深 め,主体的に政治に参画することについて多面的・多角的に考察,構想し,表現できるようにする。 これらを通して,生徒は政治に関する課題の解決に向けて多面的・多角的に考察,構想できる力を養 い,主権者として社会参画する基礎を育んでいくという点で大変意義深い。 ○ 本学級の生徒(男子〇人,女子〇人)は,社会科の授業に対して落ち着いた雰囲気で積極的に取り組 もうとする。本単元を進めるにあたり,生徒に事前アンケート調査を行った。社会科に対しては,ほとんどの生徒が「難しい」「漢字が多い」「覚えることが多い」等のイメージを持っているが,73%の生徒 が「好き」または「どちらかと言えば好き」と回答した。 本単元の学習内容に関わる項目として,「政治について興味があるか」という問いに対しては,「興味 がある」または「どちらかといえば興味がある」と回答した生徒が60%で,「将来選挙へ行くか」とい う問いに対しては,「行く」または「どちらかといえば行く」と回答した生徒が58%であった。その理 由としては,政治は大切なものと考え,興味は持っているものの,複雑で難解であると考えていること が挙げられる。選挙に関しては,政治に自分の一票が影響すると思っていない生徒が多いことに加え, 自分の考えに自信が持てない,不安であると回答したり面倒くさいと回答したりする生徒が見られた。 また,「地域の政治に関心を持ち,A町をより良くしていこうと思うか」という問いに対しては,「思 う」または「どちらかといえば思う」と回答した生徒は42%であり,現在のA町町長名を知っている 生徒も55%にとどまった。回答の理由としては,「実際にどのように政治が行われ,何が行われている のかわからない」「難しく,どのような仕組みになっているかわからない」「自分以外の適任者が行えば よい」が多くを占め,「政治のこと等がよくわからない」「興味がない」「面倒くさい」等と回答する生 徒もいた。一方で,「自分たちに直接関わることだから積極的に参加したい」「地域のために何かした い」「みんなで住みやすい町づくりを考えることが大切」「地域の発展に協力したい」等と回答した生徒 も見られた。A町の良いところや課題についての問いに対しては,大半の生徒が恵まれた自然環境や静 かな生活環境等の点からA町の良いところを回答できたが,課題に対しては「老年人口が多い」「人口 減少」「高齢者と若年との連携」等と回答できた生徒が13%であった。生徒は自分の住むA町の豊かな 自然や住みやすさを経験から実感しているが,自分の住む町の課題や問題点を客観的に捉えることがで きていない。一方で,97%の生徒がA町にコミュニティバスが走っていることを知っており,実際に コミュニティバスを利用したことのある生徒は55%であった。 また,社会科の授業の中で,学級の生徒や同じ班の生徒に自分の考えや思ったことを伝えることに対 して「苦手」または「どちらかといえば苦手」と回答した生徒が66%で,このことと政治の複雑で難 解であるというイメージが結びついて,大半の生徒が社会科の授業で基礎的な授業を行いたいと考えて いる。 以上のことから,生徒の実態を以下の3点のように分析する。 ・ 政治の重要性を認識し,興味は持っているが,複雑で難解であると考えているとともに,政治と 自分との関連性を見いだせていない生徒が多い。 ・ 地域社会の課題や問題点を客観的に捉えることができておらず,地域の政治に対しての関心が低 く,地域住民として積極的に地域の政治に参加して地方自治の発展に寄与しようとする自治意識が 育っていない生徒が多い。 ・ 課題に対して自分の考えを持ち,それを学級の生徒や同じ班の生徒に伝えることを苦手と感じて いる生徒が多い。 ○ そこで本単元の指導にあたっては,A町のコミュニティバス政策を通して地方自治と住民参加につい ての学習を進める。コミュニティバスはそれぞれの地域の諸課題を反映しており,効率と公正,経済的 視点や政治的視点等の現代社会を捉える見方・考え方に関連付けやすい。さらに,生徒にとっても身近 で具体的である。A町のコミュニティバス政策を通して地方自治の基本的な考え方や地方公共団体の政 治の仕組み,住民の権利や義務について理解させた上で,A町のコミュニティバス政策の利点や問題点 を明確にし,地域住民として改善策や提案文を考える活動を通して,政治に関する課題の解決に向けて 多面的・多角的に考察,構想できる力を養い,主権者として社会参画する基礎を養いたい。
そのために,第一次では,地方公共団体の政治についての社会認識形成を図ることをねらいとする。 そこでまず,A町を例に地方自治のしくみや地方公共団体の仕事を理解させ,「地域住民としてA町の コミュニティバス政策を評価しよう」という単元を通して解決する学習課題を設定させる。ここでは, 単元を通して解決する学習課題を主体的に解決しようとする意欲を喚起させるために,全国の地方公共 団体の現状を提示した後にA町に焦点化していく。その際,コミュニティバスをはじめとしたA町の 様々な政策と生徒の実生活とを関係づけるとともに,A町町長の言葉やコミュニティバスの写真,平成 16 年3月策定の「公共交通体系整備計画」や平成 21 年3月策定の「第2次公共交通体系整備計画」等 具体的な事柄を提示する。次に,地方公共団体の財政について理解させ,A町の現状を考えさせる。こ こでは,A町の財政の現状を正確に捉えさせるために,「A町2018 町勢要覧資料編」等の様々な資料 を読み取らせる。その際,コミュニティバス運営に関わるA町の歳入と歳出の資料を読み取らせ,コミ ュニティバス運営の視点からもA町の財政について考えさせる。さらに,地方自治における住民の権利 と参加の方法について理解させる。ここでは,住民の権利と参加の方法に関して具体的に理解させるた めに,概念的な考えに加えて実際の事例を示す。その際,「JRB駅南側道路等整備事業に関するA町住 民投票条例制定請求(平成25 年4月)」や議会の解散請求,「C郡4町合併に関する住民投票(平成 16 年9月)」等,A町で行われたことを直接請求権のしくみの表等と関連させることで理解を深めさせ る。最後に,A町の抱える問題点を考えさせる。ここでは,A町の問題点を交通網の視点から焦点化さ せるために,地域・社会動態の資料と地域公共交通の資料とを関連させて読み取らせ,問題点を考えさ せる。その際,「A町2018 町勢要覧資料編」や「A町第3次公共交通体系整備計画(A町地域公共交 通網形成計画)」等の具体的な資料を提示する。 第二次では,意思決定の力を育成することをねらいとする。そこでまず,A町のコミュニティバス政 策の是非について自分の立場を決めさせた上でその考えを整理させる。ここでは,明確な立場の理由づ けとともに,反対の立場についても検討させるために,これまでの学習内容や資料等に加えて,「広報 おかがき」等の新たな資料を提示した上で,立場の表明や根拠,予想される反論への再反論や結論を記 述させる思考ツール(エビデンスバーガー)を用いて記述させる。その際,根拠となるデータや資料, 客観的な事実等を明記させるとともに,政治的視点や経済的視点,効率と公正等の視点から考えを整理 させる。次に,A町のコミュニティバス政策の是非について根拠をもとにして意思決定を行わせる。こ こでは,批判的な思考を加えながら自分と他者の考えをもとに,より広く深く吟味した意思決定を行わ せるために,討論形式の意見交流活動の手法を用いる。その際,思考ツール(エビデンスバーガー)を 用いて意見交流活動を行わせる。 第三次では,社会的実践力を育成することをねらいとする。そこでまず,第二次の学習内容からA町 のコミュニティバス政策の問題点を明確にさせ,それに対する改善策を考えさせる。ここでは,多面 的・多角的な改善策を考えさせるために,譲歩できる点や留保条件を個人で考えさせた上で小集団で改 善策を考えさせる。その際,改善策に関する理由についての根拠(データや資料,客観的な事実等)を 明記させて実現可能性も吟味させる。次に地域住民としてコミュニティバス政策に対する提案文を考え させる。ここでは,実現可能性の高い提案文を考えさせるために,既習内容やコミュニティバスに関す る資料等からデータ,客観的な事実を提示するよう指示する。その際,「政治」や「経済」,「効率」と 「公正」の視点から提案文を考えさせる。最後に,学習内容,学習方法,学習過程の3点から単元全体 のふり返り活動を行い,単元を終える。
3 目 標 ○ 地方公共団体で実際に行われている政治に対する関心を高め,自分自身の課題としてそれらを意欲的 に追究し,民主的な政治について考えようとしている。【社会的事象への関心・意欲・態度】 ○ 地方公共団体が果たしている役割や地方財政のあり方について,地方公共団体に関わる様々な事象か ら課題を見いだし,対立と合意,効率と公正等の視点から多面的・多角的に考察し,その過程や結果を 適切に表現することができる。【社会的な思考・判断・表現】 ○ 地方公共団体の政治に関する様々な資料を収集し,学習に役立つ情報を適切に選択して,読み取った り図表等にまとめたりすることができる。【資料活用の技能】 ○ 地方自治は,住民参加による住民自治が基本であることを理解し,さらに地方公共団体の政治は,首 長と議会の二つの機関を中心に行われていることを理解し,その知識を身につけることができる。【社 会的事象への知識・理解】 4 評価規準 ア 社会的事象への 関心・意欲・態度 イ 社会的な思考・判 断・表現 ウ 資料活用の技能 エ 社会的事象への知 識・理解 ①コミュニティバス政 策を評価する際の評 価項目を3つ以上記 述することができ る。(ワークシート) ②本単元のふり返り を,学習内容,学習 方法,学習過程の3 点それぞれから,具 体的な事柄を1つ以 上提示して記述する ことができる。(ワー クシート) ①A町のコミュニティ バス政策の是非につ いての立場の表明や 根拠,予想される反 論への再反論や結論 を記述した思考ツー ル(エビデンスバー ガー)を3つ以上作 ることができる。(ワ ークシート) ②意思決定に対する理 由を,データや資 料,客観的な事実等 を示しながら,3つ 以上の視点から記述 することができる。 (ワークシート) ③根拠となるデータや 資料等を示しなが ら,「政治」や「経 済」,「効率」と「公 正」のそれぞれの視 点から,提案文を記 述することができ る。(ワークシート) ①グラフやデータ等の 諸資料の読み取りを もとに,A町の財政 の現状を3つ以上記 述することができ る。(ワークシート) ②根拠となるデータや 資料等を3つ以上記 述して,コミュニテ ィバス政策に関する 改善策を考えること ができる。(ワークシ ート) ①地方自治における住 民の権利と参加の方 法について,その名 称と内容を2つ以上 記述することができ る。(ワークシート) ②A町の抱える問題点 を地域公共交通の視 点等から3つ以上記 述することができ る。(ワークシート)
5 単元計画(総授業時数8時間) 次 配 時 学習活動・内容 指導上の留意点 評価規準 (方法) 一 4 1.A町を例に地方自治のしくみや 地方公共団体の仕事を理解し,単 元の学習課題を設定する。 ・地方自治 ・民主主義の学校 ・地方公共団体(地方自治体) ・首長 ・議会(地方議会) ・条例 ・議会の解散 ・不信任の議決 ・行政サービス ・公務員 2.地方公共団体の財政について理 解し,A町の現状について考え る。 ・自主財源 ・地方税 ・地方債 ・依存財源 ・地方交付税 ・国庫支出金 ○学習意欲を喚起するために,国立社会保 障・人口問題研究所の推計(平成25 年 3月)に準拠した推計から消滅可能性都 市や消滅可能性のある自治体を示す。 ○基本的な地方公共団体のしくみや仕事に ついて理解させるために,地方自治のし くみの図や議会の写真,議会の議員と首 長の選挙権と被選挙権をまとめた資料等 を読み取らせる。 ○A町の課題が地域公共交通であることを 捉えさせるために,A町町長の言葉とコ ミュニティバスの写真等を提示する。 ○コミュニティバス運行開始の背景と目的 を確認させるために,平成16 年3月策 定の「公共交通体系整備計画」や平成21 年3月策定の「第2次公共交通体系整備 計画」等を簡潔に示す。 ○単元全体の学習意欲を高めさせるため に,コミュニティバスの必要性について 生徒の実生活と関連させながら考えさせ る。 ○単元全体の見通しを持たせるために,単 元の学習課題を設定させる。 ○地方公共団体の歳入と歳出を捉えさせる ために,「A町2018 町勢要覧資料編」の 財政を提示して読み取らせる。 ○地方財政が地方税等の自主財源だけでな く,地方交付税や国庫支出金等の依存財 源や地方債等で支えられていることを理 解させるために,「A町2018 町勢要覧資 料編」の財政を提示して,自主財源と依 存財源を比較させる。 ○国が地方税の収入における地域間の格差 を是正していることを理解させるため に,グラフを読み取らせる。 ア① (ワーク シート) ウ① (ワーク シート) 学習課題:地域住民としてA町のコミュニティバス政策を評価しよう。
3.A町で実際に行われたことをも とに,地方自治における住民の権 利と参加の方法について理解す る。 ・地方自治法 ・地方分権改革 ・直接請求権 ・住民投票 ・オンブズマン制度 ・住民運動 ・NPO(非営利組織) ・市町村合併 4.地域・社会動態と地域公共交通 とを関連させてA町の抱える問題 点を考える。 ○コミュニティバスの視点からA町の財政 を考えさせるために,コミュニティバス 運営に関わるA町の歳入と歳出の資料を 読み取らせる。 ○地方分権改革の意義を捉えさせるため に,地方分権改革の主なあゆみの年表を 読み取らせる。 ○直接請求権行使を具体的に理解させるた めに,直接請求権のしくみの表と関連さ せながら「JRB駅南側道路等整備事業に 関するA町住民投票条例制定請求(平成 25 年4月)」や議会の解散請求等の具体 例を示す。 ○住民投票が地域の重要な問題に対する地 域住民の意思を直接表すものであること を理解させるために,「C郡4町合併に 関する住民投票(平成16 年9月)」をは じめ,全国で行われた主な住民投票とそ の結果を示す。 ○よりよい地方自治の方向性を考えさせる ために,教科書を使用して市町村合併に 関する長所と短所を整理させた上で比較 させる。 ○A町の地域・社会動態を捉えさせるため に,「A町2018 町勢要覧資料編」の絵で 見る資料,人口,産業・経済,財政の項 目や「A町第3次公共交通体系整備計画 (A町地域公共交通網形成計画)」の人 口の推移,高齢者人口及び高齢化率の将 来推移,人口分布,高齢者人口の分布, 周辺地域への流出・流入動向の項目等を 示す。 ○A町の地域公共交通の問題点を捉えさせ るために,「A町第3次公共交通体系整 備計画(A町地域公共交通網形成計 画)」のA町の地域公共交通の抱える問 題点(地域・社会的な問題点や地域公共 交通の問題点)を読み取らせる。 ○A町の抱える問題点を理解させるため に,地域・社会動態の資料と地域公共交 エ① (ワーク シート) エ② (ワーク シート)
通の資料とを関連させて読み取らせ,問 題点を考えさせる。 二 2 本 時 5.A町のコミュニティバス政策の 是非についての立場を決めて,自 分の考え整理する。 6.A町のコミュニティバス政策の 是非についての意思決定を行う。 〇根拠をもとにして立場の理由づけを行わ せるために,これまでの学習内容や資料 等に加えて,「広報おかがき」等の新た な資料を提示し,個人で考えさせる。 〇多面的・多角的に立場の理由づけを行わ せるために,「政治的視点」や「経済的 視点」から考えさせる。 〇立場の理由づけを明確に行わせるため に,「効率」と「公正」に着目して考え させる。 〇明確な立場の理由づけとともに,反対の 立場について検討させるために,立場の 表明や根拠,予想される反論への再反論 や結論を記述させる思考ツール(エビデ ンスバーガー)を用いて記述させる。そ の際,根拠となるデータや資料,客観的 な事実等を明記させる。 ○コミュニティバス政策の是非に関する対 立点を明確にさせるために,肯定の立場 の主張と否定の立場の主張をそれぞれ電 子黒板に示す。 ○活発な意見交流活動を行わせるために, 立場の表明や根拠,予想される反論への 再反論や結論を記述した思考ツール(エ ビデンスバーガー)を用いて意見交流活 動を行うように指示する。 ○根拠をもとにして考えさせるために,理 由にデータや資料,客観的な事実等を記 述するよう指示する。 ○A町のコミュニティバス政策のメリット とデメリットを明確にするために,生徒 の発表を板書で整理してまとめる。 イ① (ワーク シート) イ② (ワーク シート) 三 2 7.A町のコミュニティバス政策の 問題点を明確し,それに対する改 善策を考える。 〇コミュニティバス政策のメリットとデメ リットを明確にさせるために,思考ツー ル(ベン図)を用いてメリットとデメリ ットをまとめさせる。 〇コミュニティバス政策の問題点を考える 視点を与えるために,「政治」や「経 ウ② (ワーク シート)
8.地域住民としてコミュニティバ ス政策に対する提案文を考えると ともに,単元のふり返り活動を行 う。 済」,「効率」と「公正」を提示する。 ○多面的・多角的な改善策を考えさせるた めに,譲歩できる点や留保条件を個人で 考えさせる。 〇小集団で考えた解決策の実現可能性を吟 味させるために,改善策に関する理由に ついての根拠(データや資料,客観的な 事実等)を明記させる。 〇実現可能性の高い提案文を考えさせるた めに,既習内容やコミュニティバスに関 する資料等からデータ,客観的な事実を 提示するよう指示する。 〇多面的・多角的な提案文を考えさせるた めに,「政治」や「経済」,「効率」と 「公正」等の視点から考えさせる。 〇個人の考えを広げたり深めたりさせるた めに,意図的指名を行って数名の生徒に 提案文を発表させる。 ○本単元の学習を次単元以降の学習につな げさせるために,学習内容,学習方法, 学習過程の3点についての振り返りを行 わせる。 ア② (ワーク シート) イ③ (ワーク シート) 6 本 時 (1)本時の指導観 これまでに生徒は,「地域住民としてA町のコミュニティバス政策を評価しよう」という単元の学習 課題のもと,地方自治のしくみや地方公共団体の仕事,地方公共団体の財政や地方自治における住民の 権利と参加の方法等を学習した後,地域公共交通との関連からA町の抱える問題点を考察している。そ して前時までに生徒は,それらの学習と新たな資料等をもとにA町のコミュニティバス政策の是非につ いて肯定か否定かの立場を決定し,その理由等を根拠をもとにして思考ツール(エビデンスバーガー) にまとめている。 本時では,A町のコミュニティバス政策の是非に関する意見交流活動を通して,A町のコミュニティ バス政策に対して批判的な思考を加えながら自分と他者の考えをもとに,より広く深く吟味した意思決 定を行わせることをねらいとする。具体的な活動としては,A町のコミュニティバス政策の是非につい て小集団で肯定派と否定派とに分かれた意見交流活動を行わせた後,A町のコミュニティバス政策に対 しての意思決定とその理由を記述させる。そこでまず,前時までの学習をふり返らせながら生徒の発言 を引き出して本時のめあてを設定させる。次に,前時までに個人で考えたA町のコミュニティバス政策 の是非に対する肯定の立場の主張と否定の立場の主張との対立点を整理する。ここでは,肯定の立場の 主張と否定の立場の主張をそれぞれ提示して確認させるとともに,「政治」や「経済」,「効率」と「公 正」等に整理して示すことによって,コミュニティバス政策を捉えるための視点を再度与える。その
際,視点を捉えて対立点を整理しやすいように肯定の立場の主張と否定の立場の主張をそれぞれ電子黒 板に示す。さらに,小集団での意見交流活動を行わせる。ここでは,先に肯定派の主張,否定派の質 問・反論,肯定派の再反論を行わせた後に,否定派の主張,肯定派の質問・反論,否定派の再反論を行 わせる討論形式の意見交流活動の手法を用いる。その際,前時に個人で考えた立場の表明や根拠,予想 される反論への再反論や結論を記述した思考ツール(エビデンスバーガー)を用いて意見交流活動を行 わせる。また,小集団内での交流活動の論点を整理させるために,各小集団に対して助言をする。その 後,A町のコミュニティバス政策に対しての意思決定を行わせ,その理由を記述させる。ここでは,意 見交流活動を通して得られた考えに加えて,これまでの学習や思考ツール(エビデンスバーガー)を参 考にさせて記述させる。その際,理由の根拠を明確にさせるために,データや資料,客観的な事実等を 記述するよう指示する。最後に,個人の考えを発表させて学級全体で意見を交流させる。ここでは,肯 定派の主張と否定派の主張の両方を発表させるとともに,A町のコミュニティバス政策のメリットとデ メリットを明確にするために,生徒の発表を板書で整理してまとめていく。 このような身近な地域の既存政策に対して,批判的な思考を加えながらよりよい社会の実現に向けて 意見交流を行い,地域を考えていく活動を仕組むことにより,地域の政治に関する課題解決に向けて多 面的・多角的に考察,構想できる力を養うことにつながると考える。 (2)主 眼 A町のコミュニティバス政策の是非に関する意見交流活動を通して,A町のコミュニティバス政策に 対して意思決定を行い,根拠をもとにその理由を記述することができる。 (3)準 備 教科書,ノート,ワークシート,資料,電子黒板,パソコン,デジタイマー
(4)過 程 学習活動・内容 指導上の留意点(○)と評価(◇) 形態 配時 1.前時までの学習内容 をふり返り,本時のめ あてをつくる。 2.A町のコミュニティ バス政策の是非に関す る対立点を知る。 3.小集団での意見交流 活動を行う。 4.A町のコミュニティ バス政策に対しての意 思決定を行うととも に,その理由を考え る。 5.個人の考えを発表 し,学級全体で意見を 交流する。 6.教師から次時の予告 を聞く。 ○本時のめあてを考えさせるために,前時までの学習を ふり返らせるとともに,どのようなめあてを設定すれ ばよいのかを問う。 ○コミュニティバス政策の是非に関する対立点を明確に させるために,肯定の立場の主張と否定の立場の主張 をそれぞれ電子黒板に示す。 ○意見交流活動を行う際の視点を与えるために,電子黒 板で示した肯定の立場の主張と否定の立場の主張を 「政治」や「経済」,「効率」と「公正」等に整理して 提示する。 ○意見交流活動に見通しを持たせるために,意見交流活 動の大まかな流れと時間を電子黒板に示しながら説明 する。 ○活発な意見交流活動を行わせるために,立場の表明や 根拠,予想される反論への再反論や結論を記述した思 考ツール(エビデンスバーガー)を用いて意見交流活 動を行うように指示する。 ○意見交流活動の論点を整理するために,小集団ごとに 助言する。 ○意思決定の理由を多面的・多角的に考え記述させるため に,意見交流活動に加えて,これまでの学習や思考ツー ル(エビデンスバーガー)を参考にさせる。 ○根拠をもとにして考えさせるために,理由にデータや 資料,客観的な事実等を記述するよう指示する。 ○意思決定に対する理由を記述できない生徒を支援する ために,机間指導を行う。 ◇意思決定に対する理由を,データや資料,客観的な事 実等を示しながら,3つ以上の視点から記述すること ができたか。(ワークシート) ○生徒の考えを広げたり深めたりさせるために,肯定派 の主張と否定派の主張の両方を発表させる。 ○A町のコミュニティバス政策のメリットとデメリット を明確にするために,生徒の発表を板書で整理してま とめる。 ○次時の授業の見通しを持たせるために,次時の学習を 端的に説明する。 一斉 一斉 小集団 個 学級 集団 一斉 3分 3分 18 分 13 分 12 分 1分 めあて:コミュニティバス政策に対する自分の立場を明らかにし,その理由を記述しよう。 【意見交流活動の進め方】 ①肯定派の主張 否定派の質問・反論 肯定派の再反論 ②否定派の主張 肯定派の質問・反論 否定派の再反論