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第97回研究発表会講演要旨 病害の部

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Academic year: 2021

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病 害 の 部

佐賀県におけるキウイフルーツかいよう 病(biovar3)の発生状況 ○前田貢輝・野口真弓1)・白石祥子2) 口木文孝3)  (佐賀農技防セ・1)西松浦普及・2)佐賀果樹試・ 3)佐賀農業セ)  佐賀県のキウイフルーツにおいて,かいよう病 (Pseudomonas syringae pv. actinidiae biovar3) に よる蕾・花・枝の枯死が問題となっており,2014~18 年まで県内の発生状況を調査した。本病を初確認した 2014年における県内の栽培面積は71ha であり,本病 の発生は2倍体中国系黄色品種を中心に51園地, 10.3ha で認めた。以降,激しい枝枯れ症状が認められ た園を中心に,延べ46園地,7.5ha で全伐採による対 応がなされたが,56園地,9.3ha で新規発生がみられ たことから,2018年の発生は,63園地,12.3ha(栽培 面積55ha(2017年時点))となった。全伐採された園 以外では,罹病部位の除去及び薬剤防除で対応された が,2倍体中国系黄色品種を中心に,枝枯れ等の発生 が続いている。一方,「ヘイワード」では,健全部ま での切り戻し及び薬剤の体系防除により,その後の発 生を抑えた事例が認められた。以上のような状況から, 本県では,引き続き「ヘイワード」等の本病に比較的 強い品種への転換を進めるとともに,健全部までの切 り戻しと薬剤の体系防除の徹底を推奨している。 糖含有珪藻土を使用した夏季土壌還元消 毒のトマト・ミニトマト青枯病に対する 防除効果(第1報) ○江口武志・山崎尚美・古家 忠・ 彌冨道男1) (熊本農研セ・1)熊本県北玉名地域振興局)  熊本県の施設トマト栽培では,化学くん蒸剤によら ない青枯病対策として土壌還元消毒が普及しつつある。 しかし,同一産地内でも圃場毎に効果の差が大きく, 使用する還元資材の種類,施用量等の標準化には至っ ていない。そこで,SIP 次世代農林水産業創造技術に おいて効果に優れる新規資材として選抜されたʻ糖含 有珪藻土ʼを10a 当たり2t 使用し,土壌物理性の異 なる2か所の汚染圃場で2017年夏季に土壌還元消毒を 実施し,促成栽培での防除効果を検討した。土壌消毒 後の深さ60㎝までの土壌中の青枯病菌密度は,地下水 位が高く排水性が悪い圃場 A,排水性が高く湛水で きなかった圃場 B とも検出限界未満まで減少した。 圃場 A では,最終的に16% の株が発病し,慣行の低 濃度エタノール(発病株率2%)に比べ防除効果は 劣ったが,栽培期間を通したトマトの出荷量は同等で あった。圃場 B では,接ぎ木栽培の台木を慣行のナ スからトマトに変更したことにより,ミニトマトの発 病株率は1% から18% に増加したが,36% 増収した。 いずれも年内は発病せず,実用的な防除効果が認めら れた。 ユニバーサルプライマーを用いた RT-PCR による国内未発生 トスポウイルスの検出 ○奥田 充 (中央農研)  トスポウイルスは,様々な作物に感染することやア ザミウマにより永続的に媒介されることなどから発生 域の拡大が危惧されており,国内既発生近縁種との異 同識別ができる汎用性のある新たな検出・同定技術の

第97回 九州病害虫研究会

2018年2月1日(木) 菊南温泉ユウベルホテル(熊本市北区鶴羽田町3-10-1)

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開発が必要である。日本で未発生のトスポウイルスの うち L RNA 分節の塩基配列が明らかになっている17 種について,その保存配列より作成したユニバーサル プライマー t2740#1と t3920c#1により増幅される領 域を含む約1200bp の RNA を合成し,本プライマー を用いて RT-PCR を行った。その結果,一部ウイル ス種では若干の非特異増幅がみられたものの,全ての サンプルで想定されるサイズの DNA 増幅が得られた。 また,これら RNA から cDNA を合成後,リアルタ イム PCR を行い,増幅曲線から算出される Cq 値を 既 報 プ ラ イ マ ー と 比 較 し た と こ ろ,t2740#1と t3920c#1は,既報プライマーでは増幅の立ち上がり が遅いサンプルについても短いサイクルで増幅できた ことから検出感度が高いことが示唆された。 トマト黄化葉巻病耐病性品種の促成栽培 におけるトマト黄化病の発生実態および 薬剤防除体系の効果 ○坂本幸栄子・山崎尚美・江口武志・ 森山美穂1) (熊本農研セ・1)熊本県北阿蘇地域振興局)  熊本県では,トマト黄化葉巻病耐病性品種の栽培が 増加する中,2011年以降トマトクロロシスウイルス (ToCV)を病原とするトマト黄化病が発生している。 ToCV はトマト黄化葉巻ウイルスと同様にタバココナ ジラミによって媒介されるが,黄化病の発生実態およ び薬剤での防除効果は不明である。そこで,現地のト マト黄化葉巻病耐病性品種の促成栽培において,1作 を通じた黄化病の発生状況を調査し,慣行防除体系の 効果を検討した。その結果,年内から ToCV 感染株 と黄化病発病株が確認され,1作を通じて感染株率と 発病株率は増加することが明らかになった。ToCV 保 毒虫はハウス内外で定植時より認められ,ハウス内で は3月以降,ハウス外では4月以降に増加した。また, 既存の黄化葉巻病の薬剤防除体系を改変した定植3日 前のシアントラニリプロール水和剤灌注と定植14日後 のピリフルキナゾン水和剤散布の体系防除により,タ バココナジラミ密度と ToCV 感染株率が低減する傾 向が見られた。このことから,黄化病と黄化葉巻病は 薬散による同時防除が可能と考えられた。 宮崎県のホオズキ産地におけるウイルス 被害の把握と実生地下茎栽培の普及の 効果 ○早日早貴1)3)・臼井真奈美2)・黒木修一2) 櫛間義幸2)・竹下 稔3) (1)宮崎県西臼杵支庁・2)宮崎総農試・3)宮崎大農院)  宮崎県内のホオズキ主要産地である A 地域では, 葉にウイルス性の症状が多発し,問題となっている。 そこで,A 地域で発生しているウイルス種の特定を 行った。調査は11ほ場を対象に,症状の見受けられる 91株から葉を採取,4種のウイルスを対象に RT-PCR で調査した。その結果,トマトモザイクウイルス (ToMV)が9ほ場から検出され,A 地域における主 要ウイルスは ToMV であることが明らかとなった。 次に,ToMV の感染がホオズキの品質に及ぼす影響 を調査した。調査は4ほ場の計79株を対象に実施し, 各 株 の 出 荷 時 の 規 格 と,ToMV の 感 染 の 有 無 を DIBA 法を用いて確認した。その結果,規格別の ToMV 感染株率は,規格外品(60cm 未満)で57.1% と最も高かった。これらの結果を受け,A 地域では ウイルス対策として実生地下茎栽培の導入を開始した。 その結果,H30年度産の出荷実績は,導入前の H26年 と比較し,3L 率が25.3%から38.0%に向上し,平均単 価も1.38倍に増加した。 苗床および本圃で感染したタマネギベと 病の一次伝染株の発生消長 〇渡邊幸子・菖蒲信一郎 (佐賀農業セ)  タマネギベと病菌は,苗床および本圃で一次伝染す るが,感染~発病に至る過程には不明な点が多い。そ こで,2017~18年に,ベと病汚染苗床で育成した苗を クリーンな本圃に定植する苗床感染区と,健全苗を汚 染本圃に定植する本圃感染区を設け,一次伝染株の発 生消長を調べた。苗床感染区では,60日育苗区(慣行 の育苗期間)と78日育苗区を設けたところ,60日育苗 区では2~3月に,78日育苗区では2~4月に発生し た。累計発病株率は,60日育苗区で2.3%,78日育苗区 で7.1% であった。このように,育苗期間が長いとベ と病の発生が多く,発病期間も長引いたことから,適 期定植の重要性が本病対策の点からも示された。本圃 感染区では,早生品種をマルチ被覆で,中晩生品種を

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マルチ無被覆で栽培し,発生消長を調べた。その結果, 早生品種では1~3月に,中晩生品種では2~3月に 断続的に発生し,早生品種の発生が早かった。このよ うに,タマネギの早晩生が発病時期に影響することが 明らかになった。 マルチ栽培によるタマネギべと病一次感 染発病株の発生抑制と収量向上 正司和之1)・○田代暢哉・浦田貴子・ 中山伸一・宮﨑尚子・浦川綾子・ 松尾洋一2)・田中義樹 (佐賀上場営農セ・1)現:佐賀農業セ・ 2)現:佐賀農大)  タマネギべと病一次感染発病株の発生抑制対策とし てマルチ栽培の有効性について検討した。2016年11月 下旬から2017年3月上旬にかけて本病激発圃場の黒ポ リマルチ区(以下,マルチ区)と無マルチ区にセル成 型苗(品種:ターザン)を植え付け,発病状況を比較 した。11月下旬に植え付けた場合の発病株割合は無マ ルチ区26%,マルチ区19% で,ともに多発した。12月 中旬植え付けマルチ区の発病は無マルチ区の3割程度 の8% にとどまったが,発病抑制効果としては不十 分であった。1月上旬以降の植え付けでは,マルチ区 の発生は0~1% で,無マルチ区の2~8% に比べ て大幅に少なく,マルチ栽培による実用的な発病抑制 効果が得られた。マルチによる発病抑制が不十分な11 月下旬植え付けの場合,植え付け直後からの1か月間 に各種殺菌剤を1~3回散布したところ,無マルチ区 での効果は不十分であったが,マルチ区では殺菌剤の 種類・散布回数によっては防除価90以上の効果が得ら れた。収量はマルチ栽培では1月下旬までの植え付け であれば,無マルチ栽培の12月下旬植え付け(慣行) を上回った。 2018年の佐賀県におけるタマネギべと 病の二次伝染時期の推定 ○菖蒲信一郎・渡邊幸子 (佐賀農業セ)  2018年春,佐賀県内で早晩性が異なるタマネギを栽 培する4圃場に,べと病無防除区を設置し,本病の発 病状況を約3日間隔で調べた。その結果,4月2~3 日頃に早生では発病が始まり,4月16~18日頃に早生 では発病が増加し,中・晩生では発病が始まった。さ らに,4月30日~5月1日頃に,中・晩生種では発病 が増加した。これらの発病時期から本病の潜伏期間を 逆算した時期,感染好適気象条件の出現日などに基づ いて,2018年の主要感染時期を推定した。その結果, 感染時期は,早生では3月15日頃と4月4~5日頃, 中・晩生では4月4~5日頃と4月17~18日頃と考え られた。2016年と2017年に行った同様の調査でも,主 要感染は,早生の方が中・晩生より早く,早生では3 月上旬~4月上旬,中・晩生では3月下旬~4月下旬 頃の間に起きたと推定された。以上のことから,春期 におけるタマネギべと病の主要感染時期は,早生では 3月上旬~4月上旬,中・晩生では3月下旬~4月下 旬であり,この期間の防除が特に重要と考えられた。 我国における Phomopsis destruens によるサツマイモ基腐病(新称)の発生 前田 藍1)・河村 太2)・○河野伸二3) 大城 篤4)・岡田吉弘5) (1)沖縄南部普セ・2)沖縄防技セ・3)沖縄農研セ・ 4)八重山振興セ・5)九沖農研セ)  沖縄県下のサツマイモ栽培圃場において,はじめ地 際部が黒変・腐敗し,その後,症状が進展して,地上 部が枯死し,最終的に塊根が軟化・腐敗する障害が多 発生し問題となっている。塊根の腐敗は2~3割程度 で発生する圃場が多くみられ,7割以上の塊根が腐敗 する事例も確認されている。本障害は,沖縄県の奨励 品種である「ちゅら恋紅」及び「ちゅらまる」,農家 栽培種の「読谷あかね」の品種で確認されるが,「ちゅ ら恋紅」での発生が最も多い。2018年5月に沖縄本島 南部のサツマイモ圃場から採集した典型的な症状を呈 するサツマイモ茎の地際部の黒変部または塊根の腐敗 部分から菌の分離を行った。コッホの原則により病原 性が確認された分離菌の形態,生育温度特性および rDNA の ITS 領域の相同性により同定した結果,本 邦では,未確認の Phomopsis destruens による新病 害であることが明らかになった。沖縄県下のサツマイ モ圃場76地点を調査したところ,27地点で本病の発生 が確認された。病名をサツマイモ基腐病として提案し たい。

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高密度育苗を用いた水稲栽培における いもち病に対する箱施用剤の防除効果の 検討 ○下大園佳由・黒木修一 (宮崎総農試)  水稲の高密度育苗は,大規模・省力化に対応する新 たな栽培方法として期待されている。しかし,箱施用 剤を農薬登録薬量で施用した場合に,栽培面積あたり の施用量が減少することから防除効果の低下が危惧さ れる。そこで,高密度育苗(乾籾250g/箱)と慣行育 苗(乾籾150g/箱)に,プロベナゾール10% 粒剤を 50g/ 箱,施用した場合のいもち病に対する薬効を調 査した。2018年では,いもち病(葉)において,高密 度育苗区の防除価は94.5と慣行育苗区の95.4と同等の 高い効果が得られ,箱施用剤に期待される十分な効果 が得られた。一方,いもち病(穂)では,慣行育苗区 の防除価74.3に対して高密度育苗区は54.3と劣る傾向 であったが,各区において本田防除を2回(穂ばらみ 期,穂揃い期)追加した場合,高密度育苗区の防除価 は84.2と慣行育苗区の90.4と同等の高い効果が得られ た。高密度育苗における箱施用剤の施用は,いもち病 (穂)において防除効果の低下が生じるものの,慣行 の体系防除に従って本田防除を追加することで,いも ち病に対する十分な防除効果が得られると考えられた。 イネ稲こうじ病に関する省力的防除方法 の検討 ○鈴木智範・岡本 潤・佐藤通浩 (大分農林水産研指農業)  稲こうじ病による被害が大分県で増加しており,対 策が求められている。本病に対して出穂前の銅剤散布 が卓効を示すことが判明しているが,作業が増加する 防除対策には生産現場が難色を示すという現実がある。 そこでブームスプレーヤーやナイアガラホースを使用 しない省力的防除方法について検討を行った。前年に 調査した大分県竹田市のほ場を用い,稲こうじ病の発 生が同程度であった区画を選び出して試験区とした。 転炉スラグ(含鉄肥料ふるい目0~5mm,大分製鉄 所, 日 鉄 住 金 ス ラ グ 製 品 株 式 会 社 ) を 0t/10a, 3t/10a,10t/10a 相当を代かき前にほ場に散布後,シ メコナゾール4.5% を含有する箱粒剤を移植当日苗箱 処理した。その結果防除価はそれぞれ59.7,66.8, 79.6となり,転炉スラグの添加量が多いほど防除価が 高くなる傾向が確認された。また出穂19日前にシメコ ナゾール4.5% 粒剤をドローン(Dax-04,井関農機) で散布した。同一試験ほ場内の4地点で発病粒を調査 し無処理と比較したが,各地点の防除価の内訳は0, 91.6,88.5,88.0となり地点間の差が大きく判然とし なかった。 越夏程度を組み入れたイチゴうどんこ病 の発生予察 〇稲田 稔・古田明子 (佐賀農技防セ)  本圃のイチゴうどんこ病について,防除上重要な定 植後の発生予測をより早期に行うため,4~9月の気 温と10月の発生程度との関係を検討した。2002~18年 の17年間において,10月下旬の発生株率(佐賀県内11 ~14圃場の平均,y)に対し,8月の平均気温(県内 アメダスポイント4カ所の平均,x)は相関が認めら れ(R=-0.649,y=-6.4205x+185.68),他の月との 間には認められなかった(R=0.002~-0.391)。本病 の株上での越夏を調査した過去のデータで検証したと ころ,8月の平均気温が27.3℃と平年(27.7℃)に比 べ低い2011年は,同月も株上での分生子形成が継続さ れ秋季の発生につながったのに対し,28.5℃と高い 2013年は,分生子形成が抑制され秋季の発生には至ら なかった。以上のことから,8月の気温は本病の株上 での越夏程度の制限要因であり,本回帰式により10月 の発生予測に利用できると考えられる。 トルコギキョウ斑点病発生ほ場における カーバムナトリウム塩液剤の罹病残渣 および資材に対する殺菌効果 ○成山秀樹・石井貴明1)・田中千夏2) 輿 花織3) (福岡農林総試・1)福岡県庁・2)田川普及指導セ・ 3)久留米普及指導セ)  トルコギキョウ斑点病の防除対策を確立するため, 栽培終了後のハウスにおいて,次作での感染源の一つ と考えられる罹病残渣やハウス内資材上の菌に対する, カーバムナトリウム塩液剤処理の殺菌効果を検討した。 福岡県内2カ所のほ場で,処理前後の罹病残渣上とハ

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ウス内資材上の分生胞子の発芽率を調査したところ, 罹病残渣上については,いずれのほ場でも発芽率は約 80~85% から約0% に低下し,高い殺菌効果が認め られた。1カ所のほ場では,調査した全ての資材で発 芽可能な分生胞子が認められたが,密閉後には液剤処 理区,無処理区とも,発芽可能な分生胞子は認められ なかった。もう1カ所のほ場では,防虫ネットのみに 多数の分生胞子が認められたが,発芽可能な分生胞子 は認められなかった。 アスパラガス半促成長期どり栽培の夏季 追加立茎における茎枯病の発病特性と 効果的な防除体系 ○中村吉秀・江頭桃子・難波信行 (長崎農技セ)  アスパラガス半促成長期どり栽培において8月上旬 ~9月中旬の夏季に追加立茎した茎における茎枯病の 発病特性と効果的な防除体系について検討した。試験 は2015~2017年に,ポット(品種ウエルカム:6~8 年生)および圃場(品種ウエルカム:9~11年生)で 実施した。その結果,汚染条件下では追加した茎で発 病が多数認められたが,追加立茎期間のベンレート水 和剤またはベルクート水和剤の3回散布で発病が抑制 できた。また,栽培開始から慣行体系防除を行い,追 加立茎開始時にベンレート水和剤散布を1回追加する ことで,栽培終了まで発病を低く抑えた(発病茎率 2.0%)。以上の結果,夏季の追加立茎は茎枯病の発病 を増加させるが,追加立茎期間中に慣行防除体系(2 週間間隔3回散布)に1回追加散布する(10日間隔4 回)ことで,慣行立茎と同様に発病抑制できることが 明らかとなった。 採種条件の異なる種いものジャガイモそ うか病種いも伝染リスクの調査 ○菅 康弘 (長崎農技セ)  ジャガイモ生産者に対し,そうか病対策として種い も消毒の実施を促すため,来歴の異なる種いもを用い てそうか病の種いも伝染による発病について調査した。 2018年春作で,購入種いも(北海道産),そうか病汚 染圃産種いも,およびクロルピクリン剤(以下 CP) 処理無発病圃産を,種いも消毒を行わず CP 処理圃場 に植え付けたところ,汚染圃産種いもは発病株率 100%,CP 処理圃産種いもと購入種いもで約50% の発 病株率を示した。また,発病塊茎率は汚染圃産で 74.7%,CP 処理無病圃産で10.4%,購入種いもで4.3% であった。2018年秋作は,汚染圃産,CP 処理圃産お よび購入(長崎県産)種いもに加え2戸生産者の自家 採種いもを供試し,種いも消毒の有無の別に発病を調 査した。その結果,種いも消毒をしない場合の汚染圃 産種いもでは発病塊茎率27.7%を示し,他の供試種い もでも約7~10%であったが,総じて種いも消毒によ り低下する傾向であった。以上より,本病の種いも伝 染を抑制するため,外見健全な種いもでも薬剤による 種いも消毒を行うことの重要性が再確認された。 サトイモの種いも生産を目的とした湛水 畝立て栽培における病害虫管理技術 ○湯田達也・西 八束・尾松直志1) 池澤和広 (鹿児島農総セ・1)鹿児島大隅振興局)  優良種いもの生産を目的としたサトイモの湛水栽培 に関する試験において,2種類の栽培条件(湛水およ び畑地)を設定し,発生する病害虫の種類,消長につ いて比較した。3年間の害虫の調査結果から,湛水で は畑地に比べ,アブラムシ類,ハダニ類およびネグサ レセンチュウの発生が抑制される傾向であった。疫病 の発生は,霧島市横川町の現地ほ場において,2016年, 2017年には湛水での初発が畑地に比べわずかに遅れる 傾向であった。2018年は疫病の初発が湛水で早かった が,モデル実証として徹底した防除を行い,両区とも 発病を低く抑えることができた。また,ポット試験に おいて乾腐病菌を接種した土壌にサトイモを植え付け たところ,湛水により土壌中の菌密度が常に低く抑え られ,生育,収量が畑地に比べ優れた。このことから, 湛水により乾腐病の感染,発病が抑制されたものと考 えられる。以上の結果をもとに,湛水栽培における病 害虫の発生パターンとそれに対応した防除対策を盛り 込んだサトイモの病害虫管理技術を確立した。

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