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アゾベンゼン修飾界面活性剤の電解還元を用いた有機顔料によるアルマイトの着色と耐光性に関する研究

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(1)Vol. 72, №6, 2021. 359. 研究論文. アゾベンゼン修飾界面活性剤の電解還元を用いた有機顔料による アルマイトの着色と耐光性に関する研究 佐 治 哲 夫 a,* a. 東京工業大学 名誉教授(〒 152-8550 東京都目黒区大岡山 2-2-1). Coloring and Lightfastness of Anodized Aluminum with Organic Pigment Using Electrochemical Reduction of Surfactant with an Azobenzene Moiety Tetsuo SAJI a,* a. Professor Emeritus at Tokyo Institute of Technology (2-2-1, Ohokayama, Meguro-ku, Tokyo 152-8550). Preparation and lightfastness of anodized aluminum (alumite) colored with organic pigment were investigated. Alumite was prepared by anodic oxidation of aluminum in oxalic acid solution, followed by pore-widening with the oxalic acid solution at 50 ℃ . Pigment particles were dispersed by a surfactant with an azobenzene moiety (AZPEG) . The pigment particles were deposited on the barrier-layer surface of the alumite pore by electrochemical reduction of AZPEG. Using this method, alumite was colored with pigments of 15 kinds. The color difference of 400 h light irradiation by xenon arc lamp was less than 2, which indicated that alumites colored with pigments have excellent lightfastness. Keywords : Anodized Aluminum, Coloring, Organic Pigment, Lightfastness, Azobenzene. 電解還元により界面活性剤(以後分散剤と略す)の分散能が失. 1 .緒 言. われることにより有機化合物の薄膜を作製できることを報告. アルミニウムは軽量であり,その陽極酸化物(アルマイト). した 9)∼11)。その後,前報 12)で著者は,酸処理によりアルマ. は優れた耐食性と硬度を有する。このアルマイトは着色する. イトのポアサイズを顔料の粒子径より大きくし,さらに,. ことが可能であるため,多くの方法により着色され,製品化. AZPEG の還元により,顔料粒子をポアに析出させてアルマ. 1). されている 。これらの着色方法の中で陽極酸化により生成. イトを着色できることを報告した。本報では,同法を用いた. するポア(孔)に化合物を挿入する方法に限定すると,金属ま. 顔料によるアルマイトの着色と耐光性の詳細を報告する。. 1). たは金属塩を析出する方法 ,ポアの中を染料で染色する方. 2 .方 法. 法等がある 2)∼4)。染色法は,種々の鮮明なカラーが得られ,. 2.1 アルマイトの作製. 多くのアルマイトの着色に使用されているが,高い耐光性が 要求される外装品の着色に用いるには限界がある. 3),4). アルマイトは,アルミニウム(A1050)板を脱脂・前処理と. 。この. 克服法として,ポアの中に有機顔料(以後顔料と略す)を挿入. して 30 g L−1 アイクリーン 417(アイコー) 水溶液に浸漬 (60 ℃,. するアルマイトの新規の着色法の開発が期待されている。問. 5 分) ,水洗後,Al3+の溶出を抑制するために 1.0 g L−1 シュウ. 題は,ポアの中に顔料粒子を挿入して析出する方法の確立で. 酸アルミニウムを加えた 15 g L−1 シュウ酸の水溶液を用い,. ある。これまでポアに顔料を挿入する方法として,顔料の酸. 20 ℃,65 ~ 85 V で陽極酸化して作製した。孔拡大に前報で. への溶解 5),ポア中での顔料の電気化学的作製 6),PVD 法 7). はリン酸を用いたが,アルマイト表面におけるリン酸化合物. 等があるが,適用できる顔料は限られている。野田らは,ポ. の生成により封孔が困難になるので 13),本研究ではシュウ. アサイズの大きいリン酸アルマイトを用い,顔料により着色. 酸を用いた。具体的には 50 ℃の 65 g L−1 シュウ酸水溶液に. できることを報告している 8)。得られた着色アルマイトの. 上記アルマイトを浸漬して超音波処理(50 ℃,5 分),静置. 400 時間暴露での色差(⊿E)は,黒色で 0.43,緑色では 5.6. (50 ℃,25 分),さらに室温の水中で超音波処理(5 分)して. に改善されることを報告している。しかし,リン酸アルマイ. 孔拡大をした。得られたアルマイトの膜厚は電解時間 30 分. トでは封口ができないため,耐食性が課題となっている。. で 18~20 μm(75 V),20~22 μm(80 V),23~25 μm(85 V). 以前著者らは,疎水部に還元活性なアゾベンゼンを導入し. であった。膜厚はサンコウ膜厚計 SAMAC-FN(サンコウ電. た界面活性剤 AZPEG(図 1)の水溶液に有機化合物を分散し,. 子研究所)により測定した。超音波処理には超音波洗浄器 (CITIZEN SW1500)を用いた。以後電解電圧 80 V,電解時間. *. 30 分で作製したアルマイトを 8030 と略す。. E-mail : [email protected] — 51 —.

(2) 360. 表面技術. 研 究 論 文. 2.2 顔料分散液の作製. 波処理をした。アルマイトの着色は,乾燥したアルマイトを. 表 1 に用いた分散剤の臨界ミセル濃度(cmc),飽和吸着量. 35±2 ℃の有機顔料分散液に浸漬し,超音波処理(5 分)後,. (Γ∞) ,平衡定数(K),HLB 値を示す 14)。着色に用いた顔料. カーボンを対極,アルマイトを陰極として定電流電解により. 分散液は,これらの分散剤の基礎データを考慮し,AZPEG,. 行った。封孔は酢酸 Ni 封孔液(トップシール H298(奥野製. Brij 58(図 1),0.1 M HNO3 の水溶液に有機顔料を加え,超. 薬工業)40 mL/L)を用いて 92 ℃で 30 分間行なった。. 音波処理前報と攪拌を繰り返すことにより作製した。前報 12). 2.4 顔料析出量の定量. では HCl を使用したが,塩化物イオンが斑点腐食を導くの. 着色アルマイトを分散液中で超音波処理してもポア中の大. で HNO3 を使用した 13)。アルマイトの着色には,クリップ. 部分の顔料は溶出しない。したがって顔料析出量の定量には,. で導通させた酸化スズインジウムを片面に被覆したガラス基. 10 mM(M:mol/L)Brij 35(図 1)の 5 w% のリン酸水溶液を. 板(以後 ITO と略す)とアルミ板を分散液に浸漬(10 分)し,. 超音波処理(5 分)によりポア中に導入後,熱処理(50 ℃,30. 接触めっき. 14). により ITO 上に顔料薄膜の生成を確認できた. 分散液を用いた。表 2 に着色に用いた分散剤,顔料の濃度, アルマイト等を示す。AZPEG と Brij 58 の濃度比が 0.6 以上. CmH2m+1. のとき薄膜は生成するので,分散液に Brij 58 を加えている。. N N. これは Brij 58 が AZPEG より疎水性(表 1)であるため,優先. AZPEG. 的に顔料表面に吸着し,基板上で AZPEG が還元されて顔料微 粒子表面から AZPEG が優先的に脱着することに起因する. (OC2H4)nOH. 14). 。. C4 (m= 4, n≒24) C6 ( m = 6, n≒24). 分散剤の濃度が同じでも顔料により最適な顔料濃度が違うの は,顔料粒子の粒径の違いにより表面積が違うためである 15)。. C16H33O(C2H4O)n H. 2.3 アルマイトの着色. C12H25O(C2H4O)n H. Brij 58 ( n ≒ 20). 分散液中の顔料粒子は時間経過とともに緩慢凝集をして, 一部は沈降してしまうので,着色前に分散液を撹拌後,超音. Brij 35 ( n ≒ 23). Fig. 1 Molecular structures of surfactants. Table 1 Cmc, HLB and maximum surface adsorption(Γ∞ )and adsorption constant(K)of the Langmuir's isotherm of AZPEG, Brij 35 and Brij 58 for PB15:3 particles(Ref. 14). Surfactant. cmc/μmol/L. Γ∞/μmol m−2. K/Lmol−1. HLB. AZPEG(C4). 50. 3.7. -. 16.4 4. 16.0. AZPEG(C6). 10. 2.2. 2.9×10. Brij 35. 30. 1.5. 2.7×104. 16.9. Brij 58. 20. 2.1. 6.9×104. 15.7. Table 2 Properties of pigments and anodized aluminums used for coloring. Light fastness a). Surfactant. Mass. Tint. AZPEG. Brij 58. Pigment dispersed. Alumite. (DIC) (a)PR122/PV19 b). 8. 7-8. 4 mM C6. 1 mM. 4.03 w%. 8530. (MATSUDA) (b)PV19 c). 8. 7-8. 4 mM C6. 1 mM. 4.27 w%. 8530. (c)PR177(Nantong). 8. 7. 3 mM C6. 1 mM. 4.04 w%. 8030. Pigment(C. I. Name). (d)PR123(Guerra). 7. 6. 4 mM C4. 1 mM. 3.93 w%. 7530. 5-6. 6-7. 4 mM C6. 1 mM. 4.00 w%. 8530. (f)PY83(Toyoink). 7. 4-5. 3 mM C4. 1 mM. 3.94 w%. 8530. (g)PY155(Clariant). 8. 7. 4 mM C4. 1 mM. 3.47 w%. 8030. (h)PY129(BASF). 8. 7-8. 4 mM C6. 1 mM. 4.19 w%. 8530. (i)PG7(Toyoink). 8. 8. 2 mM C6. 1 mM. 5.41 w%. 8530. (j)PB16(BASF). 8. 8. 4 mM C6. 2 mM. 3.70 w%. 8030. (k)PB15:3(Dainichiseika). 8. 8. 4 mM C6 d). 2 mM. 4.60 w%. 8030. (e)PO43(MATSUDA). (HOLBEIN) (l)PB60 e). 8. 7. 4 mM C6. 1 mM. 4.02 w%. 8030. (m)PV37(HOLBEIN). 8. 7-8. 5 mM C6. 1 mM. 2.40 w%. 8530. (n)PBk7(Tokai Carbon). 8. 8. 2 mM C4. 1 mM. 1.65 w%. 8530. (o)PW6(Mikuni). 8. 8. 3 mM C6. ―. 2.67 w%. 6530. a)The color of art pigment database b)90% PR122, 10% PV19 c)Qunacridon red(γtype) d)+ 1 mM Sodium dodecyl sulfate e)20 mA dm−2, 30 min. — 52 —.

(3) アゾベンゼン修飾界面活性剤の電解還元を用いた有機顔料による アルマイトの着色と耐光性に関する研究. Vol. 72, №6, 2021. 361. 分)により孔拡大し,さらに超音波処理(5 分)により付着し. イトは薄くしか着色せず,P は C に比例しなかった。これは. ている顔料を分散液に溶出させる方法を用いた。アルマイト. 顔料表面に吸着していない AZPEG の濃度が高いと,電解に. に着色が残っている場合には 50 ℃での熱処理時間をより長. よりバリヤー層表面で AZPEG の濃度が減少しても,バルク. くした。得られたリン酸水溶液の吸光度を可視紫外分光光度. からの AZPEG の拡散によりバリヤー層表面でのフリーの. 計により測定し,検量線よりアルマイトに析出した顔料を定. AZPEG 濃度が臨界ミセル濃度(cmc)以下にならず,顔料表. 量した。. 面からの AZPEG の脱着が起こらないためと考えられる 14)。. 2.5 耐光性の測定. しかし,接触法で ITO 上に顔料が析出する C 近くでは P は. 着色アルマイトの耐光性の試験には,卓上型キセノンアー. 急激に大きくなり,アルマイトは濃く着色した。これは,電. クランプ式促進耐光性試験機{サンテスト XLS+(ATLAS. 解還元により顔料に吸着していないフリーの AZPEG 濃度が. 社)}を使用した。色差の測定には積分球分光測色計 SP64. 減少して cmc 以下となり,顔料表面に吸着している AZPEG. −2. (x-rite 社)を使用した。放射強度(照度)550 W m ,BST 温. が脱着して顔料が析出したと考えられる。一方,C が 2.6 w%. 度 65 ℃,所定の時間照射部と照射前の色差(⊿E)の値より. では顔料は沈降した。これはフリーの AZPEG 濃度が cmc 以. 耐光性を測定した。. 下となり,顔料表面から AZPEG が一部脱着して顔料粒子が 凝集・沈降したためと考えられる。. 3 .結果および考察. 接触法で ITO 上に顔料が析出する分散液を用いたときの. C4(図 1,AZPEG:m=4)の 0.1 M HNO3 水溶液は,撹拌. 電解時間と顔料析出量(P)の関係を図 3 に示す。電解しない. 子で溶液を撹拌下,カーボンを作用極に用いると-0.2 V vs.. で超音波処理(5 分)だけでアルマイトを水洗すると,多くは. Ag/AgCl 付近に還元波を示した. 14). ないが顔料は析出してアルマイトは着色していた。このよう. 。ITO ガラス基板を作用極. に用いると-0.3~-0.6 V vs. Ag/AgCl 付近に還元波を示した。. な着色は平滑な ITO や金属基板では起きない。これはフリー. 次に,PB15-3 分散液(表 2(k))を用いて-0.6 V vs. Ag/AgCl. の AZPEG 濃度が洗浄水に接触して cmc 以下となり,顔料表. で定電位電解を 10 分間行ったところ,ITO 上に青色の薄膜. 面から AZPEG が脱着して一部の顔料がポア内部に析出した. が生成した。一方,アルマイト(8030)を 0.1 M HNO3 水溶液. ためと考えられる。一方 AZPEG の電解還元により多くの顔. 浸漬し,5 分間超音波後,アルマイトを作用電極とすると,. 料が析出していることが分かる。このことから,ポアの底部. -0.7 V vs. Ag/AgCl 付近より卑な電位で還元電流が観測され. にあるバリヤー層の表面におけるフリーの AZPEG の還元に. た。この溶液に 3 mM C4 を加えたが還元電位の顕著な変化. より,ポア内部に顔料粒子が析出したと考えられる。ポアの. は認められなかった。これは水素過電圧が変化して C4 の還. 構造上の制限により粒子の拡散が制限されるため,粒子がバ. 元と重なったためと考えられる。次に,上記 PB15:3 分散液. リヤー層の表面だけでなく,アルマイトのポア全体にも析出. 中で超音波処理(5 分)したアルマイトを作用電極として-. すると考えられる。. 0.8 V vs. Ag/AgCl で定電位電解(10 分)行った結果,アルマイ. 顔料の分散液を用いて定電流電解(40 mA dm−2,15 分)に. トが青色に着色された。0.0 V で定電位電解(10 分)行ったが. より得られた着色アルマイトは,使用した顔料特有の色を呈. アルマイトの青色の着色は前者よりかなり薄かった。そこで,. していた(図 4)。アルマイトの色の濃さはアルマイト顔料分. このときの定電位電解での電流値を考慮して,アルマイトを. 散液の顔料濃度及び電解時間等に依存していた。したがって. 陰極,カーボンを陽極とし,顔料の分散液を用いて定電流電. これらの値を変えることによりアルマイトの色の濃さは制御. −2. 解(40 mA dm ,15 分)した結果,アルマイトが着色した。. できることになる。ただし分散液中の顔料濃度が高いと洗浄. 図 2 に分散剤の濃度を一定にし,定電流電解(40 mA dm−2,. 時の顔料粒子の凝集により表面付近に顔料が析出して不均一. 15 分)したときの顔料分散液の顔料濃度(C)とアルマイトへ の顔料析出量(P)の関係を示す。C が小さい領域ではアルマ. Fig. 2 Precipitation amount of pigment(P)vs. concentration of pigment(C/w%)in dispersion containing 2 mM C6, 1 mM Brij 58 and 0.1 M HNO3. Pigment: PV19. — 53 —. Fig. 3 Precipitation amount of pigment( P)vs. electrolysis time. Same dispersion was used in Fig. 2. Concentration of pigment: 2.30 w%.

(4) 362. 表面技術. 研 究 論 文. なりやすい。一方,一次粒子の粒径がポアサイズより大きい と着色しなかった. より有機顔料粒子がポアの下部から表面近くまで析出してい. 12). る と 考 え ら れ る 12)。 し た が っ て,100 時 間 の 光 照 射 で の. 。. 耐光性は,耐光性が違う PB16(濃色 8,淡色 8)と PR123. PB16 で着色したアルマイト(8530)と(7530)の⊿E の違いは,. (7,6)を用いて着色したアルマイトについて比較検討した。. ポア上部付近に析出した顔料の量の違いによると考えられる。. 表 3 に光照射後の色差(⊿E)を示す。図 5 には顔料濃度が約. 染色においてポアの上部に染料が多く付着するとポアの下部. 4 w% の顔料分散液(表 2)を用いて着色し,さらに封孔した. に付着するものより耐光性は弱くなることが分かっている 2)。. アルマイトの 400 時間光照射前後の写真を示す。視覚的には. 染料と同様にポアの上部に析出した顔料の光分解速度は速く,. 両者の色濃度の違いは僅かであった。アルマイトの光照射時. ポアの下部に析出した顔料は遅いと考えられる。一方 PR123. 間と色差(⊿E)の関係を図 6 に示す。PB16 では⊿E は 200 時. では⊿E は 100 時間まで変化し,以後は 400 時間まで一定の. 間までは 0.5~1.0 増加するが,その後は 400 時間までほとん. 割合で変化した。PB16 と PR123 の⊿E の変化の違いは顔料. ど変化なく,1 以下であった。前報でのアルマイトの断面の. 粒子固有の耐光性の違いと顔料のポア内部における析出位置. 走査型電子顕微鏡像(文献 12 の図 3( a ))とデジタル顕微鏡像. に起因すると考えられる。染色では膜厚は通常 10~15 μm のアルマイトが用いられており,ポアの上部に染料が多く吸 着しているため紫外線により分解しやすい。本研究では膜厚 が 20~25 μm の比較厚いアルマイトが用い,紫外線の減少 するポアの下部に顔料が析出したので耐光性が向上したと考 えられる。しかし顔料の耐光性がやや弱い PR123 では紫外 線の弱いポア下部でも分解が進むと推定される。一方, PR123 において未封孔の⊿E の値が封孔したものより大きい (表 3)。これは未封孔ではポアより紫外線が多く侵入するこ とを示している。また,分散液の顔料濃度を低くすると⊿E はより小さい。これは顔料濃度が低いと洗浄時にポア上部に 析出する顔料が減少するためと考えられる。 100 時間の光照射での⊿E が,高耐光性染料による着色ア ルマイトで 1.7 3),顔料による着色アルマイトでは PB16 で 0.5,PR123 で 0.7 であり,本研究により着色アルマイトの耐 光性が大きく改善することが明らかとなった。. Fig. 4 Photograph of anodized aluminums colored with pigments. The pigment particles were deposited by controlled current electrochemical reduction(40 mA dm−2) for 15 min. PB60(l): 20 mA dm−2 for 30 min. Pigment dispersions for coloring are in Table 2.. Fig. 6 Light Irradiation time vs. color difference(⊿E).PB16(7530) (◇) (○),PB16(8530) (□),PR123(8530) (△),PR123(7530) Table 3 Color difference after light irradiation. Fig. 5 Photograph of anodized aluminums colored with pigments before and after light irradiation for 400 h.. — 54 —. Color difference. Pigment. Pigment concentration /w%. Alumite. Sealing. 100 h. 200 h. 400 h. PR123. 3.93. 7530. Sealing. 0.74. 1.17. 1.80. PR123. 3.93. 7530. ―. 1.40. 1.58. ―. Light irradiation time. PR123. 2.52. 7530. Sealing. 0.73. 1.06. ―. PR123. 1.26. 7530. Sealing. 0.64. 0.67. ―. PR123. 3.93. 8530. Sealing. 0.70. 1.11. 1.82. PB16. 3.70. 7530. Sealing. 0.46. 0.53. 0.49. PB16. 3.70. 8530. Sealing. 0.94. 1.01. 1.00.

(5) Vol. 72, №6, 2021. アゾベンゼン修飾界面活性剤の電解還元を用いた有機顔料による アルマイトの着色と耐光性に関する研究. 363. た,実験を遂行するに当たり種々の配慮をして貰った妻・佐. 4 .結 言. 治ひろみに感謝します。. 還元により分散能が失われるアゾベンゼンを導入した界面. (Received January 28, 2021 ; Accepted March 29, 2021). 活性剤の電解還元を用いて,15 種類の顔料によりアルマイ. 文 献. トを着色できた。さらに,耐光性の違う 2 種類の顔料で着色 したアルマイトの耐光性を調べた結果,いずれも高い耐光性. 1 )S. Kawai ; Electrochemical Coloring of Aluminum and Application. を示した。このように高い耐光性を示した理由は,顔料がポ. (The Nikkan Kogyo Shimbun, 1999).[河合 慧 ; アルミニウム電 解カラー技術とその応用(日刊工業新聞社, 1999).]. アの下部に析出することに起因することが明らかとなった。. 2 )K. Kuroda ; J. Surf. Finish. Soc. Jpn., 46, 415(1995).. 本法で使用した顔料の大部分は,耐光性が濃色で最高の 8,. 3 )K. Hara ; J. Surf. Finish. Soc. Jpn., 61, 743(2010).. 淡色で 7~8 のものである(表 2)。高い耐光性を有するこれ. 4 )Y. Nakagishi ; J. Surf. Finish. Soc. Jpn., 69, 586(2018).. らの顔料による着色アルマイトも高い耐光性を有することが. 5 )W. C. Cochran ; US3114660(1959) .. 推定される。また,本法では分散液に加えた顔料比が着色に. 6 )K. Knutsson, K. Dahlberg ; Int.J. Surf. Eng. Coat., 54, 53(1976).. も維持されるので,絵具等と同様に減法混色による色合わせ. 7 )S. Ito, Y. Mori, S. Manaka, M. Tanaka ; J. JILM, 38, 77(1988). 8 )M. Noda, K. Akimoto, I. Mori ; ALUTUPIA, 44, 11(2014).. が容易となる。. 9 )K. Hoshino, T. Saji ; J. Am. Chem. Soc., 109, 5881(1987).. 一方,本法の適用できる有機顔料の範囲は,ポアサイズ以. 10)T. Saji, K. Hoshino, Y. Ishii, M. Goto ; J. Am. Chem. Soc., 113, 450. 下の有機顔料に限定さている。今後,有機顔料の微粒子化の. (1991).. 技術が進歩すれば,より多くの有機顔料による種々の鮮明な. 11)T. Saji, K. Ebata, K. Sugawara, S. Liu, K. Kobayashi ; J. Am. Chem.. カラーが可能となる。今後,本法による着色アルマイトの高. Soc., 116, 6053(1994).. い耐光性を要求される外装品等への実用化が期待される。. 12)T. Saji ; J. Surf. Finish. Soc. Jpn., 66, 328(2015). 13)T. Sato, K. Kaminaga ; Theories of Anodized Aluminum 100 Q & A (Kallos Pub. Ltd., 1997).. 謝 辞. 14)Y. Ito, Y. Kaga, T. Saji ; J. Jpn. Soc. Colour Mater., 76, 331(2003).. 本研究において耐光性試験,封孔をして頂きました奥野製. 15)Y. Ito and T. Saji ; Langmuir, 18, 6633(2002).. 薬工業株式会社の原 健二 氏,本郷 亜弓 氏に感謝します。ま. — 55 —.

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Table 1  Cmc, HLB and maximum surface adsorption (Γ ∞ ) and adsorp - -tion constant (K) of the Langmuir's isotherm of AZPEG, Brij 35  and Brij  58  for PB 15 : 3  particles (Ref
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