ミニ特集 新たな⼿法による鉱物 / 材料の構造研究の現
在
1.はじめに
本稿で紹介するブラッグコヒーレント回折イメージ ング法(Bragg coherent diffraction imaging:BCDI)1)は,
材料の物性に大きな影響を与える歪や欠陥を,数十nm の空間分解能で三次元像として観察するX線顕微法で ある.本手法では,波面が揃った干渉性(コヒーレンス) が高いX線であるコヒーレントX線を,「孤立した」試料 に対して照射し,スペックルパターンと呼ばれる斑点状 の散乱強度分布を観測する.そして,反復的位相回復計 算(詳細は2.2節を参照)を用いて,スペックルパターン を基に計算機上で散乱体,つまり試料の電子密度分布 を再構成する.BCDIでは,スペックルパターンの取得 に,結晶格子の微小な変位に応じて敏感に変化する,結 晶性試料からのブラッグ回折を用いる.その結果,BCDI では電子密度像に加え,試料内の結晶格子における変位 場情報も取得できる. BCDIから得られる結晶格子変位場は材料科学分野を はじめとして,鉱物学などのさまざまな分野においても 重要であると考えられる.この変位場の情報からはさ らに,試料中の歪分布や転位の可視化が行える.また, BCDIでは電子線などに比べ透過力の高い硬X線を用い るだけでなく,数度の試料回転で三次元像が得られるな どの利点も有しており,「その場測定」による応用2)-6)も 活発である(BCDIの歴史やその他の応用例は本誌の前 記事7)を参照). 本稿では,このような特徴を有するBCDIに関して,実 験手法や,筆者らの一人が取り組んだ実例を紹介すると ともに,本手法の利点や欠点を議論する.BCDIの測定 原理や解析手法の詳細は,本誌の前記事7)を参照され たい. 2.BCDI の実験方法 BCDI実験はコヒーレント光が利用できる第3世代以 降の放射光施設のアンジュレータービームラインで行 う.BCDI専用ビームラインは米国APSの34-ID-Cと,仏 ESRFのID01に設置されているが,筆者らの知る限り日 本国内には当該共用ビームラインは存在しない.以降は 筆者らの実験の経験があるAPS 34-ID-C8),9)を例に実験 方法を紹介する.文献9)には,装置や試料台の写真な どの詳細な解説があるので,適宜参照*1されたい. 本ビームラインでは,試料位置から約50 m上流に設 置された3 cm周期のアンジュレーターから放射された 放射光X線を,その下流に設置したミラーと二結晶分光 器で単色化するとともに,スリットによりコヒーレント フラックスを取り出す.さらにその下流では,試料の微 結晶に正味で照射される光強度を稼ぐため,Kirkpatrick-Baez(KB)ミラーを用いて集光し,試料位置において ビームサイズは縦横ともにおよそ600 nmである.また実 験ハッチの開閉による内部の温度変化を低減するため, ハッチ入り口にはビニルカーテンを設置する. 2θ軸の動作による試料位置への影響を抑制するため,
材料中の変位場と歪場を可視化する
ブラッグコヒーレント回折イメージングの実験手法
東北大学金属材料研究所河口智也,市坪 哲
Tomoya KAWAGUCHI and Tetsu ICHITSUBO: Experimental Methods of Bragg
Coherent Diffraction Imaging for the 3D Displacement and Strain Field Visualization in
Materials
Experimental methods of Bragg coherent diffraction imaging (BCDI) are briefly reviewed. BCDI has become an essential visualization technique that images the 3D displacement and strain field in the crystalline materials in situ. Nevertheless, the BCDI experiment is still not as common as the other conventional X-ray diffraction techniques presumably because of particular instrumentation utilizing delicate coherent X-ray optics and goniometer, which further requires a combination with the data reduction that reconstructs measured particle images during the experiment. Here, we briefly review the experimental methods of BCDI and its application to the alloy nanoparticles. We also discuss the advantages and challenges of BCDI as an analysis method and future perspectives.
*1 この文献はカリフォルニア大学サンディエゴ校の博士論文であるが,以下のURLにて一般公開されている.
検出器と試料は独立したゴニオメーター(ゴニオ)に設 置する.試料ゴニオは振動を避けるため除振台つきの 光学定盤上に設置され,並進軸には粗動のステ ッ ピン グモーターと微動のピエゾモーターを組み合わせる.ま た,試料ステ ー ジ直上には可視光の共焦点光学顕微鏡 を設置し,試料の位置決めに用いる.特にBCDIで観測 した結晶粒と同一のものをほかの分析に用いる場合に は,上記顕微鏡と試料上にあらかじめ設置した位置決め マーカーが必要である.検出器が搭載されたゴニオメー ターは鉛直・水平方向の2軸の2θ軸と,スペックルサイ ズに応じてカメラ長を0.4∼2 mの範囲で連続的に変化 させる並進軸を有する. BCDI実験は,主に探索・測定・解析の三段階で行わ れる.測定粒子の探索では,既知のブラッグ回折角に検 出器を設置し,試料を並進させ回折点を探索する.通 常,多結晶試料からのブラッグ回折は,同時に回折条件 を満たす無数の回折点の集合として連続的なデバイリ ングになることが知られている.しかし,コヒーレント X線が十分に集光された結果,X線サイズが結晶粒サイ ズと同程度になり,X線照射領域における結晶粒が十分 に少ないときには,それぞれの回折点が独立して観測 される.粒子の探索では,その中でも複数粒子からのス ペックルパターンの重なりが少なく,十分な観測強度を 有し,対称性の良い回折点を探索する.適切な結晶粒が 見つかれば,その粒子のゴニオに対する中心位置調整 を行った後に,面内回転軸を用いてロッキングスキャ ンを行い,三次元回折強度分布を測定する.測定データ は解析サーバーに送られ,そこで反復的位相回復計算 による試料像の再構成を行う.得られた試料像はオン ラインで評価を行い,それに基づき再探索や本測定(そ の場測定など )の意思決定を行う.装置の制御はSpec (Certified Scientific Software)プログラム,解析の実装に
はPython10)やMatlab(The Mathworks)言語,可視化には
ParaView11)ソフトウェアなどが用いられる.
2.1 BCDI における三次元強度分布の取得
試料の三次元像を得るためには,逆空間で三次元に 広がる回折強度分布を観測する必要がある.ゼロ次回 折,つまり小角領域での測定を行うコヒーレント回折イ メージング(coherent diffraction imaging:CDI)では,三 次元回折強度分布を測定するため,原則試料を180度回 転させる必要がある.それに対して,BCDIでは図1(文 献12)から許諾を得て,筆者らが改変し転載)で示すと おり,数度の試料の回転で,ある逆格子点周りの三次元 回折強度分布の測定が可能である. 二次元結晶における測定の模式図を図1に示す.散乱 ベクトルが01逆格子点近傍にある時,一次元検出器[三 次元結晶では二次元検出器.以降角括弧の中は三次元 結晶における説明]を用いれば,回折強度分布のうち, 回折条件を満たしているエバルト円[球]上の強度が検 出器上に一挙に記録される(図1の1).次に,単結晶回 折におけるロッキングスキャンの要領で,試料を微小に 回転させながら,それぞれの角度で同様の強度測定を 行う(図1の2,3).その結果,微小な角度回転(典型的 には1∼2度程度)で,01回折の二次元強度分布[三次元 強度分布]が観測される(図1右下).それぞれの試料角 度で観測される強度は,厳密には非平行のエバルト曲線 [曲面]上のものである.しかし,実際上は回折強度分布 の広がりがエバルト円[球]半径に比べ十分小さいので, 強度分布は逆空間において平行線[平行面]で「スライ ス」したものとみなして解析を行う. 2.2 反復的位相回復計算 複素数で表される散乱振幅AG(q)が観測できれば,そ の逆フーリエ変換により,電子密度分布が得られる.こ こで,AGはある特定の逆格子点G周りでのスペックル パターンの散乱振幅,qは散乱ベクトルである.一方,実
験的に観測できるのは,A(q)=|AG G(q)|exp(iψ(q))で
表される複素散乱振幅のうち,あくまで散乱強度I(q) ∝|AG(q)|2のみであり,位相ψは観測を通じて失われる. これはX線散乱における「位相問題」として知られ,イ メージングを行うためにはこの失われた位相を「回復」 する必要がある.そこで,コヒーレント回折イメージン グでは,この位相情報を次に示す反復的位相回復計算 で取得し,電子密度分布つまり試料像を計算機上で再 構成する.ここで,複素散乱振幅の位相ψ(q)は,BCDI で観測される複素電子密度の位相ϕ(r)とは異なる物理 量であることに注意されたい. 反復的位相回復計算は実空間と逆空間のそれぞれにお いて拘束条件を課しながら,実験データに対してフーリ 図 1 BCDIにおける試料回転による強度分布測定方
法の模式図.(Schematic picture showing how 2D
coherent diffraction patterns are collected while rotating through the Bragg condition.)(図はAllison Yau博士
エ変換と逆フーリエ変換を繰り返すことで,位相を回復 する手法である.詳細は本誌の山崎13)や西野18),19)によ る解説を参照されたい.通常,位相ψ(q)の初期値とし てはランダムな位相分布が用いられる.反復計算中の逆 空間における拘束条件には,反復計算の過程で得られた 散乱振幅の絶対値|A(q)|が,実験的に観測した散乱強度 I q に比例することが用いられる.一方,実空間にお ける拘束条件には,次に示すように状況に応じていくつ かの条件が組み合わされて用いられる. 実空間における拘束条件として基礎となるのは,「計 算機上の実空間サイズに対して,結晶粒が占める領域は 各辺の1/2以下に限られており,それ以外の領域では電 子密度がゼロである」という前提である.オーバーサン プリング条件を満たす実験データでは,実空間における 上記の条件が満たされる.これを実空間の拘束条件とし て用いるために,数学的には「サポート」と呼ばれる三 次元論理窓関数を導入し,計算過程における電子密度に 対してサポート内外で異なる処理を行う. 以上に基づくアルゴリズムの1つである,残差縮小 (error reduction:ER)法では,サポート内の電子密度を 採用するとともに,サポ ー ト外の電子密度をゼロとす ることで,最急降下法による計算を行う.一方,hybrid-input-output(HIO)法では,サポート外の電子密度を一律 ゼロにするのではなく,入力と出力に用いた電子密度の 混合値を用いることで,局所解への収束を避けつつ,大 域解への収束を図る.14)BCDIでは通常,このERとHIO の両者を組み合わせて位相回復計算を行う.また,サ ポ ー ト形状は固定せず,反復計算過程の電子密度分布 に応じて変化するシュリンクラップ(shrink wrap)法15) を用いることで,観測情報の冗長性を示すオーバーサン プリング比16)を向上し収束を促進する. CDIでは試料による吸収が無視できる場合,電子密度 が正の実数であるという拘束条件が用いられる.それに 対して,BCDIでは電子密度が複素数で表現されるため, そのような拘束条件は使用できず,反復計算で回復させ るべき情報量が多い.ただ,BCDIでは三次元強度分布 測定が一般的であるとともに,散乱パターンが非点対称 であるため,オーバーサンプリング比が向上する.した がって,結果的には比較的単純な結晶粒に対しては現在 のところ問題なく反復的位相回復計算が行える. 現在ではこれらのアルゴリズムに加えてさらに,入射 光が部分コヒーレントであることを加味した解析17),18) や,動力学的散乱効果を加味した解析,19),20)複数の独立 した再構成計算を組み合わせて世代交代させながら最 適化するguided algorithm(GA),21)複数ピークを用いた 解析,22),23)オーバーサンプリング条件を満たしていない デ ー タに対する解析,24),25)試料角度の変動を加味した 解析,26),27)試料状態の経時変化を加味した解析,28)連続 スキャンデータによる解析,29)粒内に存在する転位の解 析,30),31)巨大歪存在下での解析,32)ディープラーニングを 用いた解析33)も提案されつつある. 再構成で得られた像の空間分解能は,回折強度分布を 測定した波数領域だけでなく,位相回復計算の収束度合 いにも依存する.したがって,一般的には得られた電子 密度像が与える散乱パターンと実験値との整合性を逆空 間で与えるphase retrieval transfer function(PRTF)34),35)を
用いて,実際的な空間分解能を評価する. 位相回復計算は通常のパーソナルコンピューターで も行えるが,実際上は試行錯誤による手戻りも踏まえ, 離散フーリエ変換が高速に繰り返し行える GPUもしく は多CPU搭載の計算機の使用が望ましい.計算量は実 験にも依存するが,最も単純な場合では,256×256×64 の三次元強度データ(256×256ピクセルの二次元検出器 データの64スタック)に対しておよそ1,500回程度の高 速フーリエ変換を行うことで,一度の位相回復計算が完 了する.GA法を用いる場合には,そのような計算をさ らに数十∼数百回繰り返し行うことで最終結果を得る ため,その回数に応じた計算時間を要する.目安として 10 CPUを使用した場合,計算時間はおよそ数分(GAな し)から1時間(GAあり)程度である. 3.BCDIを用いた合金触媒粒子内部の組成分布解析 筆者らはこれまでにBCDIを用いて合金触媒粒子に おける組成分布や歪分布の解析を行ってきた.3),36)-38)こ こでは,筆者の一人が取り組んだPt-Rh合金粒子の研究 例3)を紹介する.本研究で着目した遷移金属−白金族合 金は,化学・電気化学における不均一系触媒材料として 広く研究されている.39),40)触媒作用は材料表面で生じる ため,効率を高めるためにこれらの材料はナノ粒子とし て使用されるのが一般的であり,これらの粒子表面の歪 や組成が触媒活性に及ぼす影響が注目されている.41),42) 例えば,合金ナノ粒子の表面組成は,酸化や還元環境に よって変化することが報告されている.43),44)このような 変化は反応中に起こるため,内部の元素分布の解明に は,個々のナノ粒子のその場測定が必要である.そこで 本研究では,BCDIで観測可能な直径数百nmのPt-Rh合 金ナノ粒子を対象に,昇温下における気相雰囲気が,粒 子内部や表面における組成分布に与える影響をBCDIを 用いて調査した. PtとRh単体の構造は面心立方格子(fcc)であり,格子 定数には3%の差がある(aPt=3.9242 Å,aRh=3.8034 Å). Pt-Rh二相状態図は高温では全率固溶型であり,45)規則 相はほとんど形成しない.46)したがって,組成再分配が 生じる内在的な駆動力は存在せず,表面反応による外部 環境に由来する駆動力がPt-Rhナノ粒子の組成分布に大 きな影響を与える可能性がある.表面反応の影響が,今
回測定に用いた直径100 nm程度のナノ粒子で検出され れば,実際の触媒ナノ粒子のように,より高い比表面積 を有する微細粒子では,その効果は顕著になると考えら れる. 前記事7)で詳細に述べたとおり,BCDIで得られる複 素電子密度の絶対値と位相はそれぞれ,電子密度47),48) と格子変位に比例する.17),49),50)電子密度分布から組成 分布の評価ができる可能性もあるが,実際にはBCDIで 得られる電子密度には結晶格子の乱れも影響するため, BCDIで得られる電子密度分布からの組成の評価は一般 に難しい.しかし,格子変位分布からは局所的な格子定 数分布が求められ,これは粒子内のそれぞれの位置にお ける局所的な組成を反映していると考えられる. 局所的な格子定数分布は,BCDIで再構成された格子 変位場u[111](r)から求めた.まず,粒子全体の平均格子 定数を基準とした歪は,∂u[111](r)/∂r[111]17),51)から求め られる.ここで,以前報告された電気化学的脱合金の研 究51)の場合には,室温での原子拡散長が限られているた め,この微分値は脱合金で誘起された弾性歪として解釈 された.一方,本研究のような昇温下における合金ナノ 粒子の場合には,合金元素が比較的自由に拡散できる. その結果,弾性歪は組成再分配により組成歪,つまり組 成の不均一性を反映した歪に大部分が置き換えられる. さらに,組成歪分布からはベガードの法則を用いて組成 分布を決定することができる. 測定に用いた,Pt2/3-Rh1/3組成のナノ粒子試料( 図2)は, スパッタリングとデウェッティング(dewetting)で作製 した.基板にはAl2O(0001)を用い,事前にデウェッティ 3 ングで作製したPtナノ粒子の上に,さらに630℃でRh層 を堆積させることで合金粒子を作製した.また,基板上 には階層的な位置決めマーカーをイオンビームで刻印し ており,それと粒子との位置関係を,放射光ビームライ ンでの共焦点顕微鏡観察で確認することで,同一粒子の 実験室での走査型電子顕微鏡観察も行 っ た.52)BCDI測 定は,純He,2.7%O2,5%O2,3.8%H2の循環ガス環境 下で,550℃と700℃で実施した.本稿では以下に550℃ での結果のみを紹介する. 図 3 に,再構成し規格化した電子密度(a)と相対組成 (b)の三次元像を示す.図3aに示す等値面の「乱れ」に 示されるように,H2曝露は粒子表面の電子密度を著しく 低下させたが,HeとO2曝露は粒子の電子密度にほとん ど影響を与えなかった.このような電子密度の乱れは結 晶秩序の低下を反映している.47),53)図 3b は,位相像から 得られた相対Rh組成の断面図である.酸化雰囲気(O2) では,表面近傍で若干のPtの濃化(緑色の領域)が見ら 図 2 (左)Pt2/3-Rh1/3合 金 ナ ノ 粒 子のSEM像.3)SEM画 像内の微小粒子は純Rh粒子である.(中央)対数 強度スケールでの粒子からの111ピークの二次元 コヒーレント回折パターン.白線は,粒子の平均 Rh組成の10 %の変化ごとに期待される回折角変 化.(右)BCDIによる再構成像.実験室座標系の x,y,zはそれぞれ放射光蓄積リングの外周方向, 鉛直方向,入射X線方向に対応.(Pt2/3-Rh1/3 alloy
nanoparticle studied and its coherent scattering pattern.)
図 3 (a)電子密度分布.3)青色の殻と黄色の核はそれぞ
れ,平均電子密度の45%と85%における等値面. (b)組成歪から得られた平均組成からの相対Rh組
成.(Electron density and Rh composition difference from the particle average.)編集部注:カラーの図は 電子版を参照下さい.
図 4 組成歪から決定した相対Rh組成の動径分布.3)
(Radial distributions of the relative Rh composition converted from compositional strain.)差し込み図は, 回折角から求めた平均組成.
れた.一方還元雰囲気(H2)では,表面付近でRhの濃化 が見られた.したがって,電子密度像で見られた乱れは, このようなRh組成の表面での増加の影響によると考え られる. 三次元のRh組成分布からさらに,粒子表面からの距 離の関数として,動径分布関数を取得した(図4).Heお よび2.7%O2雰囲気では組成が動径方向に比較的均一で あるのに対し,5%O2雰囲気では表面近傍(<15 nm)に Pt濃化領域が見られる.測定粒子の周囲にはほかの粒子 も存在するため( 図2左 ),昇温下ではそれらの間での 原子移動により,測定粒子の平均Rh組成変化が生じる. 平均Rh組成に着目すると,2.7%O2雰囲気下では平均 Rh組成が減少し,5%O2雰囲気下ではその傾向が顕著で あった.一方,H2雰囲気下では,表面近傍において相対 Rh組成の6%もの増加と,平均Rh組成の大幅な増加が 見られた.これらの表面組成の変化は,PtとRhの酸化傾 向の違いにより引き起こされると考えられる(詳細は原 著論文3)を参照されたい). 以上のように,BCDIを用いることで,粒子内の格子 定数分布,ひいては合金ナノ粒子中の三次元組成分布の その場観察も可能である.また本研究で観測された金属 の動的な組成変化は,より微細な粒子を用いる実用的 な触媒材料においても生じると考えられる.したが っ て,本取り組みや知見は,今後の合金触媒材料の設計に 貢献すると期待される. 4.BCDI の利点と欠点 前述のとおり,BCDIはさまざまな応用に資する有効 な可視化手法ではあるが,ほかの関連手法と比較し分析 手法としては執筆時点で下記の利点と欠点がある.以下 これらを列記する. 4.1 利点 1)結晶変位場(歪場,転位など)の可視化 本稿の主題でもあるが,BCDI法はこの変位場・歪場 の分析に対して顕著な利点を有している. 2)微小な試料の回転(1~2 度程度)による三次元像 の取得 BCDI で は,数度の試料の回転で三次元像が取得で きる(原理は後述).これは,CDI や X 線 CT(computed tomography)で三次元像を得る際に,180度近い試料の 回転を要することとは対照的である. 3)試料の「孤立」に対する条件の緩和 X線コヒーレントイメージングでは反復的位相回復計 算の必要条件として,スペックルパターンを十分細かい 角度間隔で測定する,オーバーサンプリング条件を満た した強度測定が必要である.これは,測定するコヒーレ ント散乱が ,X線照射領域中で「孤立した」試料に由来 しており,その周囲に他の散乱体が存在しないことに対 応する.54),55)この条件を満たすために,CDIでは文字ど おり試料が孤立し存在している必要がある.それに対し て,BCDIでは,ブラッグ回折を利用するため,隣接した 結晶粒が異なる回折条件や結晶方位を有する場合,これ らからのブラッグ回折散乱は干渉しない.したがって, 隣接した粒子が存在していてもオーバーサンプリング条 件は満たされており,必ずしも実空間中で観測する結晶 粒が孤立している必要はない.つまり,多結晶粉末や結 晶粒が多数存在する金属箔などの試料であってもBCDI 測定ができる. 4)比較的測定が高速に行える 試料の種類や測定条件によるものの, 筆者らの経 験上,BCDIにおける標準的な試料( 例えば金の100∼ 200 nm程度の粒子)であれば1回の測定にかかる時間は 10分程度である.
5)その場(in situ)/動作下(in operando)測定が比 較的容易
1)∼4)のBCDIの利点と,X線の高い物質透過力によ り,in situ/in operando測定は比較的簡便に行える.特に 微小な試料の回転で試料の三次元像が得られる恩恵は 大きく,試料の密閉が必要な測定(例えば触媒,蓄電池 など)において,試料室のデザイン(特にX線透過窓)が 柔軟に行える. 4.2 欠点・改善されうる点 上記のとおり,BCDIにはさまざまな利点があるもの の,筆者らの知りうる限り,原理的/技術的/実験的な 欠点や改善点も存在する.そこで,今後の手法の発展に よる解決への期待を込め,これらをあえて以下に列挙す る.これらの点は,原理的なものだけでなく,今後の発 展により解決されうる技術的なものや,執筆時点での筆 者らの主観や経験に基づくものも含まれるのでご留意い ただきたい. 1)反復的位相回復計算の不安定性 反復的位相回復計算を用いても,得られた強度分布か ら必ずしも粒子像が得られるとは限らない.特に,測定 粒子中に欠陥(特に転位)が多数存在すると推定される ような,非対称性が強く複雑な散乱強度分布では,位相 回復計算による粒子の再構成が困難である場合が多い. 2)測定粒子の大きさに対する強い制限と空間分解能と のトレードオフ 現状,測定できる粒子径はおよそ数百nm∼数μm程 度に限られる( 筆者の一人が実験を行 っ たAdvanced Photon Source(APS),34-ID-Cの場合).一般に,測定で きる粒子径の最大値は逆空間におけるサンプリング間 隔,最小値は散乱強度により制限される.位相回復計算 を行うためには,スペックル状の散乱強度分布を十分細 かく測定する必要がある.したがって,粒径が大きな試 料の測定では,十分に小さいピクセルサイズの検出器を
試料から離して,低いX線エネルギーで測定する必要が ある.例えば,APS 34-ID-Cの場合,ピクセルサイズが 55 μmの検出器,最大2 mのカメラ長のゴニオ,そして7 ∼10 keV程度のX線を用いるため,測定可能な粒子径の 最大は数μm程度となる*2.観測できる最小粒子径は空 間分解能ともかかわり,これらは統計的に有意な信号が 測定された回折強度分布の波数領域に規定される.当然 粒径が小さくなれば,信号強度も減衰するので,観測は 難しくなり,現状の第3世代放射光施設のコヒーレント フラックスでは,測定可能な最小粒径は百nm程度,空 間分解能は数十nmが現実的な値になる. 3)測定粒子の周囲の環境が不明 多結晶試料を測定した場合にも,BCDIで一度に観測 するのはその中で,回折条件を満たす単数もしくは少数 の結晶粒である.したがって,その粒子が多結晶試料の どこに存在するのか(内部に埋め込まれているのか,そ れとも表面近傍なのかなど)は不明である.現在はラウ エ回折との組み合わせによる解決が検討されている.56) 4)測定粒子の向きの任意性 BCDI(CDI)では本来の粒子の複素電子密度分布,ρBCDI(r), と原点を対象点として反転し複素共役となった電子密 度,ρ * BCDI(−r),が共役な解として得られる.しかし, BCDI実験のみからは,これらのいずれが本来の電子密 度を表すかを区別できない. 5)測定粒子の探索と,狙いの粒子回折測定が困難 1)2)で述べたとおり,BCDIでは任意の粒子が観測で きるわけではなく,実際には観測に適した粒子の探索が 必要となり,これに多くの時間が費やされる(そしてこ のプロセスの大部分が現状では手動である).また,あら かじめ定めた粒子の観測は不可能ではないが,粒子の結 晶方位の任意性や,サブμm精度でのX線と粒子のオー バーラップの煩雑さ,粒子内部の欠陥の有無による位 相回復の可否などから,これは簡単ではない. 6)測定粒子のリアルタイム観察が困難 像の再構成には時間を要するため,通常の顕微鏡観察 のように,リアルタイムで試料像を観察しながらの実験 は(現時点では)困難である.再構成計算そのものはGPU マシンでアルゴリズムに応じて1∼60分程度だが,計算 条件の最適化や,寄生散乱の除去などのデータクリーニ ングは手動で試行錯誤的に行うため,時間を要する. 7)照射 X 線による試料損傷 試料にはサブμmに集光した放射光X線を照射するた め,強度が小さいコヒーレント光とはいえ,条件によっ ては試料への損傷が発生する. 8)回折計の精度 同一の結晶粒子で複数の指数の回折強度を測定する には,結晶粒子を回折計で任意の方位に回転する必要 がある.このとき,結晶粒子やX線のサイズがサブμm であるのに対して,一般的な回折計ではそのような交差 精度を有さないため,同一粒子の他指数の測定は困難で ある. 9)国内における専用ビームラインの不在 執筆時点でBCDI専用ビームラインとして運転してい るのは,米国APSの34-ID-Cと,仏ESRFのID01のみで あり,筆者らの知る限り日本国内に一般利用が可能な BCDIの専用ビームラインは存在せず,建設予定もない. 5.関連手法 CDIやBCDIでは,位相回復計算を行うために散乱パ ターンをオーバーサンプリング条件で測定する必要が ある.つまり,計算機上の実空間中で孤立試料とみなせ るほど,逆空間中で細かく強度分布変化を測定する必要 がある.対して,そのような要請が緩和され,空間的に 広がった試料のコヒーレントイメージングが行える手 法として,X線タイコグラフィー(ptychography)57)や, BCDIのようにブラッグ回折を用いるブラッグタイコグ ラフィー58),59)がある.CDIやBCDIの関連手法であるこ れらの手法では,試料をX線に対して走査しながら,そ れぞれの位置でコヒーレント散乱強度分布を測定する. そうすることで,位相回復計算を行うのに十分な散乱強 度分布情報を取得し,観察領域に広がる複数の試料像 を再構成できる.またこれらの手法では,入射光波動場 の可視化60)や,暗視野X線タイコグラフィー,61)X線吸 収分光との組み合わせ62)が行われるなど,測定手法の 発展は目覚ましい.一方,タイコグラフィー測定では試 料の走査が必要であるため,CDIやBCDIに比べ一般に 測定に長時間を要する.また,正確に試料位置を走査す るため,測定中の光学系の安定性に対する要請も高い. またこれら以外にもX線のコヒーレンスを用いた先 駆的なイメージング手法として,ゴーストイメージン グ63)-65)や,非コヒ ー レント散乱における強度相関を 使ったイメージング手法66)などの開発も行われている. 6.おわりに コヒーレントX線を用いてブラッグ回折を測定するこ とで,結晶粒の電子密度と格子変位や歪を三次元で可 視化するBCDIに関して,前記事7)では測定原理を,そ して本記事では応用研究を紹介するとともに,手法の利 点・ 欠点を議論した.BCDIはX線の高い透過力と,数 度の試料回転で試料の三次元電子密度・歪が高分解能 でイメージングができるという,「その場測定」に有利な 特徴を有する.現在ではこの特徴を活かし,さまざまな *2 オーバーサンプリング条件下でdmax∼lλ/4s,l:カメラ長,λ:X線波長,s:ピクセルサイズ.上記条件で7 keVのX線を用いた場合dmax
材料への応用が行われてはいるものの,いまだ改善や高 度化の余地は大きい. 例えば,通常のX線散乱実験で利用されるほかの自由 度,例えば複数の指数の回折強度測定や,共鳴散乱の利 用,直線・円偏光をはじめとする偏光測定などは,いま だ十分に利用できているとは言えない.再構成計算アル ゴリズムに関しても,本稿で紹介したとおりさまざまな 取り組みがなされているものの,いまだ大きな改善の余 地がある. さらに今後の測定の高度化とともに,情報科学,特に 機械学習やAIとの連携も必須である.これらは特に,測 定そのものと,データの解釈で力を発揮すると考えられ る.前者に関しては,労力と時間,そして経験が必要と される測定粒子の探索過程が,機械学習との連携で大 きく改善される可能性が高い.また,後者に関しては, BCDIで得られるデ ー タの複雑性に由来する.BCDIで 得られるデータは基本的に粒子の三次元像であり,その 場測定のような,何らかの外場下における時間発展を考 えると,データ自体は四次元データであるとも言える. さらに,それぞれのボクセルには,電子密度や,格子変 位,歪,粒子表面からの距離,結晶方位など,さまざまな データが階層的に含まれており,さらにBCDI測定を行 う粒子は1つとは限らない.データの解析・解釈では,そ のような多次元データから何が着目すべき重要な特徴量 や相関であるのかを抜き出す必要があり,これは情報科 学との連携が必須である.すでにタイコグラフィーでは 先駆的な取り組み62)がなされており,今後BCDIでもこ れに習った解析手法の開発が必要であると考えられる. 今後建設される次世代放射光施設やアップグレード される第3世代放射光施設などでは,BCDIに必須である 高強度のコヒーレントX線が利用できる.筆者らの知る 限り,現在国内には一般利用が可能なBCDI専用のビー ムラインは存在しないが,これらの施設で本手法が利用 可能になれば,手法そのものの飛躍的な発展だけでなく, 幅広い材料や学問分野への応用の道が開かれる.今後の 手法の発展と,鉱物学や高圧科学をはじめとする幅広い 分野への展開に期待したい. 謝 辞
APS 34-ID-Cにおける研究3)は,米国Argonne国立研究
所Hoydoo You博士をはじめとする著者らとの共同研究 により行われた.また本研究は,日本学術振興会 海外特 別研究員制度ならびに科研費(19K15307),米国エネル ギー省(DOE)エネルギー基礎研究(BES),APSにおける X線分析はDE-AC02-06CH11357,DESYにおける試料準 備などは予算承認番号654360 NFFA-Europe に基づくEU- H2020,収束イオンビーム加工はBMBF(5K13WC3,PT-DESY)の支援を受けて実施した.また本稿の執筆にあた り谷村洋博士,下川航平博士に貴重なご助言をいただい た.また図1の使用は,スタンフォード大学(現Applied
Materials, Inc.)Allison Yau博士のご厚意による.12)
文 献
1) I. Robinson and R. Harder: Nat. Mater. 8, 291 (2009).
2) A. Singer, M. Zhang, S. Hy, D. Cela, C. Fang, T. A. Wynn, B. Qiu, Y. Xia, Z. Liu, A. Ulvestad, N. Hua, J. Wingert, H. Liu, M. Sprung, A. V. Zozulya, E. Maxey, R. Harder, Y. S. Meng and O. G. Shpyrko: Nat. Energy 3, 1 (2018).
3) T. Kawaguchi, T. F. Keller, H. Runge, L. Gelisio, C. Seitz, Y. Y. Kim, E. R. Maxey, W. Cha, A. Ulvestad, S. O. Hruszkewycz, R. Harder, I. A. Vartanyants, A. Stierle and H. You: Phys. Rev. Lett. 123, 246001 (2019).
4) A. Ulvestad, A. Singer, J. N. Clark, H. M. Cho, J. W. Kim, R. Harder, J. Maser, Y. S. Meng and O. G. Shpyrko: Science 348, 1344 (2015).
5) J. N. Clark, L. Beitra, G. Xiong, A. Higginbotham, D. M. Fritz, H. T. Lemke, D. Zhu, M. Chollet, G. J. Williams, M. Messerschmidt, B. Abbey, R. J. Harder, A. M. Korsunsky, J. S. Wark and I. K. Robinson: Science 341, 56 (2013).
6) A. Ulvestad, M. J. Welland, W. Cha, Y. Liu, J. W. Kim, R. Harder, E. Maxey, J. N. Clark, M. J. Highland, H. You, P. Zapol, S. O. Hruszkewycz and G. B. Stephenson: Nat. Mater. 16, 565 (2017). 7) 河口智也,市坪 哲:日本結晶学会誌 63, 143 (2021). 8) L. Li, Y. Xie, E. Maxey and R. Harder: J. Synchrotron Radiat. 26,
220 (2019).
9) D. Cela: Doctral Dissertation: Bragg Coherent Diffractive Imaging of Energy Storage and Conversion Materials, UC San Diego (2019). 10) G. Van Rossum and F. L. Drake Jr: Python Reference Manual,
Centrum voor Wiskunde en Informatica Amsterdam (1995). 11) U. Ayachit: The ParaView Guide: A Parallel Visualization
Application, Kitware(2015).
12) A. Yau: Doctoral Dissertation: Bragg Coherent Diffractive Imaging of Defect Dynamics in Individual Nanoparticles and Thin Film Grains, Stanford University (2018).
13) 山崎裕一:日本結晶学会誌 62, 10 (2020). 14) J. R. Fienup: Appl. Opt. 21, 2758 (1982).
15) S. Marchesini, H. He, H. N. Chapman, S. P. Hau-Riege, A. Noy, M. R. Howells, U. Weierstall and J. C. H. Spence: Phys. Rev. B 68, 140101(R) (2003).
16) J. Miao, D. Sayre and H. N. Chapman: J. Opt. Soc. Am. A 15, 1662 (1998).
17) I. A. Vartanyants and I. K. Robinson: J. Phys. Condens. Matter 13, 10593 (2001).
18) J. N. Clark, X. Huang, R. Harder and I. K. Robinson: Nat. Commun. 3, 993 (2012).
19) A. G. Shabalin, O. M. Yefanov, V. L. Nosik, V. A. Bushuev and I. A. Vartanyants: Phys. Rev. B 96, 1 (2017).
20) W. Hu, X. Huang and H. Yan: J. Appl. Crystallogr. 51, 167 (2018). 21) C. Chen, J. Miao, C. W. Wang and T. K. Lee: Phys. Rev. B 76,
064113 (2007).
22) Y. Gao, X. Huang, H. Yan and G. J. Williams: Phys. Rev. B 103, 14102 (2021).
23) M. C. Newton: Phys. Rev. B 102, 1 (2020).
24) S. Maddali, I. Calvo-Almazan, J. Almer, P. Kenesei, J. S. Park, R. Harder, Y. Nashed and S. O. Hruszkewycz: Sci. Rep. 8, 2 (2018). 25) S. Maddali, M. Allain, W. Cha, R. Harder, J. S. Park, P. Kenesei, J.
(2019).
26) I. Calvo-Almazán, M. Allain, S. Maddali, V. Chamard and S. O. Hruszkewycz: Sci. Rep. 9, 1 (2019).
27) A. Björling, L. A. B. Marçal, J. Solla-Gullón, J. Wallentin, D. Carbone and F. R. N. C. Maia: Phys. Rev. Lett. 125, 1 (2020). 28) A. Ulvestad, A. Tripathi, S. O. Hruszkewycz, W. Cha, S. M. Wild,
G. B. Stephenson and P. H. Fuoss: Phys. Rev. B 93, 1 (2016). 29) N. Li, M. Dupraz, L. Wu, S. J. Leake, A. Resta, J. Carnis, S. Labat,
E. Almog, E. Rabkin, V. Favre-Nicolin, F. E. Picca, F. Berenguer, R. van de Poll, J. P. Hofmann, A. Vlad, O. Thomas, Y. Garreau, A. Coati and M. I. Richard: Sci. Rep. 10, 1 (2020).
30) A. Ulvestad, M. Menickelly and S. M. Wild: AIP Adv. 8 (2018). 31) A. Ulvestad, Y. Nashed, G. Beutier, M. Verdier, S. O. Hruszkewycz
and M. Dupraz: Sci. Rep. 7, 1 (2017).
32) Z. Wang, O. Gorobtsov and A. Singer: ArXiv 22, 013021 (2019). 33) R. Harder: IUCrJ 8, 1 (2021).
34) D. Shapiro, P. Thibault, T. Beetz, V. Elser, M. Howells, C. Jacobsen, J. Kirz, E. Lima, H. Miao, A. M. Neiman and D. Sayre: Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102, 15343 (2005).
35) H. N. Chapman, A. Barty, S. Marchesini, A. Noy, S. P. Hau-Riege, C. Cui, M. R. Howells, R. Rosen, H. He, J. C. H. Spence, U. Weierstall, T. Beetz, C. Jacobsen and D. Shapiro: J. Opt. Soc. Am. A 23, 1179 (2006).
36) T. Kawaguchi, V. Komanicky, V. Latyshev, W. Cha, E. R. Maxey, R. Harder, T. Ichitsubo and Y. Hoydoo: Submitt. to Nano Lett. (2021). 37) S. Choi, M. Chung, D. Kim, S. Kim, K. Yun, W. Cha, R. Harder, T. Kawaguchi, Y. Liu, A. Ulvestad, H. You, M. K. Song and H. Kim: Nano Lett. 20, 8541 (2020).
38) T. Kawaguchi, W. Cha, V. Latyshev, S. Vorobiov, V. Komanicky and H. You: J. Korean Phys. Soc. 75, 528 (2019).
39) G. A. Somorjai: Introduction to Surface Chemistry and Catalysis, Wiley (1994).
40) G. Ertl: Reactions at Solid Surfaces, Wiley (2009).
41) C. Burda, X. Chen, R. Narayanan and M. A. El-Sayed: Chem. Rev. 105, 1025 (2005).
42) V. Komanicky, H. Iddir, K. Chang, A. Menzel, G. Karapetrov, D. Hennessy, P. Zapol and H. You: J. Am. Chem. Soc. 131, 5732 (2009). 43) F. Tao, M. E. Grass, Y. Zhang, D. R. Butcher, J. R. Renzas, Z. Liu, J. Y. Chung, B. S. Mun, M. Salmeron and G. A. Somorjai: Science 322, 932 (2008).
44) P. Müller, U. Hejral, U. Rütt and A. Stierle: Phys. Chem. Chem. Phys. 16, 13866 (2014).
45) S. B. Maisel, T. C. Kerscher and S. Müller: Acta Mater. 60, 1093 (2012). 46) C. Steiner, B. Schönfeld, M. J. Portmann, M. Kompatscher, G. Kostorz, A. Mazuelas, T. Metzger, J. Kohlbrecher and B. Demé: Phys. Rev. B 71, 104204 (2005).
47) A. Ulvestad, J. N. Clark, R. Harder, I. K. Robinson and O. G. Shpyrko: Nano Lett. 15, 4066 (2015).
48) X. Liu, M. A. G. Aranda, B. Chen, P. Wang, R. Harder and I. Robinson: Cryst. Growth Des. 15, 3087 (2015).
49) W. Cha, S. Song, N. C. Jeong, R. Harder, K. B. Yoon, I. K. Robinson and H. Kim: New J. Phys. 12, 035022 (2010).
50) W. Cha, N. C. Jeong, S. Song, H. Park, T. C. Thanh Pham, R. Harder, B. Lim, G. Xiong, D. Ahn, I. McNulty, J. Kim, K. B. Yoon, I. K. Robinson and H. Kim: Nat. Mater. 12, 729 (2013).
51) W. Cha, Y. Liu, H. You, G. B. Stephenson and A. Ulvestad: Adv. Funct. Mater. 27, 1700331 (2017).
52) A. Stierle, T. F. Keller, H. Noei, V. Vonk and R. Roehlsberger: J. Large-Scale Res. Facil. 2, A76 (2016).
53) X. Liu, M. A. G. Aranda, B. Chen, P. Wang, R. Harder and I. Robinson: Cryst. Growth Des. 15, 3087 (2015).
54) 西野吉則,石川哲也:放射光 19, 3 (2006). 55) 西野吉則:日本結晶学会誌 51, 239 (2009).
56) A. Pateras, R. Harder, W. Cha, J. G. Gigax, J. K. Baldwin, J. Tischler, R. Xu, W. Liu, M. J. Erdmann, R. Kalt, R. L. Sandberg, S. Fensin and R. Pokharel: J. Synchrotron Radiat. 27, 1430 (2020). 57) J. M. Rodenburg, A. C. Hurst, A. G. Cullis, B. R. Dobson, F.
Pfeiffer, O. Bunk, C. David, K. Jefimovs and I. Johnson: Phys. Rev. Lett. 98, 034801 (2007).
58) Y. Takahashi, A. Suzuki, S. Furutaku, K. Yamauchi, Y. Kohmura and T. Ishikawa: Phys. Rev. B - Condens. Matter Mater. Phys. 87, 2 (2013). 59) S. O. Hruszkewycz, M. Allain, M. V. Holt, C. E. Murray, J. R. Holt,
P. H. Fuoss and V. Chamard: Nat. Mater. 16, 244 (2016). 60) N. Burdet, K. Shimomura, M. Hirose, A. Suzuki and Y. Takahashi:
Appl. Phys. Lett. 108, 1 (2016).
61) A. Suzuki, K. Shimomura, M. Hirose, N. Burdet and Y. Takahashi: Sci. Rep. 6, 1 (2016).
62) M. Hirose, N. Ishiguro, K. Shimomura, D. N. Nguyen, H. Matsui, H. C. Dam, M. Tada and Y. Takahashi: Commun. Chem. 2, 1 (2019). 63) Y. Y. Kim, L. Gelisio, G. Mercurio, S. Dziarzhytski, M. Beye, L.
Bocklage, A. Classen, C. David, O. Y. Gorobtsov, R. Khubbutdinov, S. Lazarev, N. Mukharamova, Y. N. Obukhov, B. Rösner, K. Schlage, I. A. Zaluzhnyy, G. Brenner, R. Röhlsberger, J. Von Zanthier, W. Wurth and I. A. Vartanyants: Phys. Rev. A 101, 1 (2020).
64) T. B. Pittman, Y. H. Shih, D. V. Strekalov and A. V. Sergienko: Phys. Rev. A 52 (1995).
65) R. S. Bennink, S. J. Bentley and R. W. Boyd: Phys. Rev. Lett. 89, 9 (2002).
66) R. Schneider, T. Mehringer, G. Mercurio, L. Wenthaus, A. Classen, G. Brenner, O. Gorobtsov, A. Benz, D. Bhatti, L. Bocklage, B. Fischer, S. Lazarev, Y. Obukhov, K. Schlage, P. Skopintsev, J. Wagner, F. Waldmann, S. Willing, I. Zaluzhnyy, W. Wurth, I. A. Vartanyants, R. Röhlsberger and J. Von Zanthier: Nat. Phys. 14, 126 (2018). プロフィール
河口智也 Tomoya KAWAGUCHI 東北大学金属材料研究所
Institute for Materials Research, Tohoku University 〒980-8577
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
2-1-1 Katahira, Aobaku, Sendai, Miyagi 980-8577, Japan e-mail: [email protected] 最終学歴:京都大学,博士(工学) 専門分野:電気化学,放射光X線散乱・分光学 現在の研究テーマ:固体電気化学と精密構造解析 趣味:ボードゲーム,読書,バンド音楽 市坪 哲 Tetsu ICHITSUBO 東北大学金属材料研究所
Institute for Materials Research, Tohoku University 〒980-8577
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
2-1-1 Katahira, Aobaku, Sendai, Miyagi 980-8577, Japan e-mail: [email protected] 最終学歴:京都大学,博士(工学) 専門分野:相転移組織形成学,微視的弾性力学, 蓄電池電気化学 現在の研究テーマ:エネルギー材料研究開発 趣味:クラシックピアノ演奏,将棋