神戸常盤大学紀要 第 5 号 2012 56 − − − −57 本研究目的は、論文の被引用数と最近の引用された論文情報を簡便に取得できるシステムを構築し、ライフ サイエンス分野の研究者が研究動向を効率的に把握できることである。 ライフサイエンス分野では、急速な進歩により論文数が増加しており、研究動向をより効率的に把握するこ とが課題となっている。被引用数の多い論文は重要性が高いと考えられており、この同定は一般的に有用であ る。研究者が興味ある論文をそろえた場合、もし、それら全部の被引用数を取得できたり、それらを引用した 最近の論文を簡単に同定したりすることができれば、どの論文のインパクトが大きかったか、どの論文に影響 を与えて近年の発見に至ったかという深い理解が可能になる。しかし、現在無料でそのような手段は提供され ていない。 そこでこの研究では、ある論文を指定した場合、被引用をたどり最新の論文群を結果として表示すること で、ある特定の研究についての最新動向を効率的に把握することを目標とし、そのファーストステップとし て、ライフサイエンス分野の論文間の引用データを取得・整理し、特定の論文を指定しその論文を引用した論 文を検索できるデータベースを構築し、web 上で検索できる citation tracker という検索システムを構築した。 その結果、以下の3つのことを実現させた。①医学生物学分野の論文データベース PubMed Central(無料) から約193万件の論文について、549万件の引用データを取り出してデータベースに格納した。②上記データを 整理し、1つの論文を引用した論文情報を取得できる形に変換した。③指定した論文の被引用情報を取得する データベースを構築した。 このように論文の引用情報を考慮して論文を位置づけ、重要な論文を集中的に読むことにより、急速に複雑 化しているライフサイエンスにおいても、広い範囲の研究分野の動向が効率的に把握できると期待される。ま た、将来このシステムを、Web 通して誰でもアクセス可能にして、本大学から発信することで広く世界に研 究結果をアピールする。
被引用数を用いたライフサイエンス論文検索システムの構築
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