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幼児を対象とした自尊感情尺度の開発に向けて(1) 子どもの自尊感情に関する文献の検討

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Academic year: 2021

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Ⅰ はじめに 自尊感情は,多くの人に知られている心理学用語 であり,心理学辞典では,「自己に対する評価感情 で,自分自身を基本的に価値あるものとする感覚) と記されている。「自尊感情」という用語でインター ネット検索を行うと, , 件ほどヒットするこ とからも,関心の高い分野であることが窺える。 最近では,急激な社会情勢の悪化により,子ども の貧困)や暴力の低年齢化,学ぶ意欲の低下など, 子どもに焦点をあてたニュースがよく聞かれるよう になってきた。また,それらには自尊感情の低下が 関係している)との報告もある。 園田は自尊感情について,「その感覚が一時的で あったり,浮遊的であったりするのではなく,個人 の中にある程度,安定して存在しているというとこ ろに特徴があり,家庭で,学校で,友達関係を通し て,また社会の中でじっくりと人と人との肯定的な 関わり体験を基盤にしながら醸成していくことが不 可欠である)」と述べている。 また,近藤は,自尊感情について,「極めて幼い 頃の親あるいは親に代わる養育者との関係で成立す る愛情関係を支えとし,身近な信頼できる人々との 共有体験を重ねていくことで,より強固に形成され ていく)」としている。勝浦は,幼児期に基本的な 自尊感情をしっかり育むことが大切であり,保育者 が意識的に子どもの自尊感情を育てていこうとする 視点をもつことが必要であるとし,自尊感情を育む 保育における留意点と指標をあげている)。しかし, 幼児を対象とした有効な自尊感情尺度がまだないた め,自尊感情の育ちについて,はかることが困難な 状況にある。幼児の自尊感情の育ちがわかると自尊 感情を育む保育がより容易になると考えるため,幼 児を対象とした自尊感情尺度の作成が望まれる。 本稿では,幼児を対象とした自尊感情尺度の開発 に向けて,国内の文献から子ども(幼児,児童,小 学生)を対象とした自尊感情に関する論文等を抽出 し,研究の動向を年代順に概観した。 Ⅱ 対象文献の選定と抽出の方法 日本の論文を検索するサイト CiNii)で“子ども” “幼児”“小学”“児童”“自尊感情”という用語で 論文検索を行った。“子ども 自尊感情”で検索を

幼児を対象とした自尊感情尺度の開発に向けて①

―― 子どもの自尊感情に関する文献の検討 ――

勝 浦 美 和

Towards the Development of a Self−Esteem Scale for Young Children

―― Literature Review on Children’s Self−Esteem ――

Miwa K

ATSUURA

ABSTRACT

In this study, we reviewed in chronological order trends of research from papers of children’s self−esteem in Japan. The following three points were concluded.

.Self−esteem research was in close contact with the child’s life and way of life.

.Children’s self−esteem has been studied in a variety of fields, it is a high−interest theme. .Research on young children’s self−esteem in Japan is rare, in the future, there is a need to ex-amined in conjunction with the trend of self−esteem scale research.

KEYWORDS: Children self−esteem Paper review

Bull. Shikoku Univ. : − ,

研究ノート

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行ったところ, 件,“幼児 自尊感情”では 件, “小学 自尊感情”では 件,“児童 自尊感情” では 件がヒットした。子どもには乳児,幼児, 小学生,中学生,高校生についてのものが含まれて いたが,小学校低学年,幼児に関係し,特徴的であ ると思われる論文だけを抽出した。また,学会発表 等の要旨集は除いた。 Ⅲ 結果と考察 ⑴ 年以前の自尊感情に関する研究の動向 (平成元)年には,学習指導要領の改訂が行 われ, (平成 )年 月から施行されている。 改訂の内容としては, (昭和 )年改訂時のゆ とり重視の流れを汲みながら,自ら学ぶ意欲と社会 の変化に主体的に対応できる能力の育成を重視する 必要があるとし,学習結果としての知識・理解を偏 重するのではなく,学習の過程で修得する関心・意 欲・態度や思考・判断・表現に価値を認めようとす る新しい学力観が提起された。また,小学校低学年 の社会,理科を廃止し生活科に統合することで児童 の具体的活動や体験が重視された ) 年には, 村崎の著書から「カイワレ族」という言葉が流行語 となり,中高生をウレタンの苗床で完全管理の下に 育てられるカイワレに例え ),管理社会の中で生き る子どもたちが不安視された。このような時代背景 の中,自尊感情の観点は集団の中の個,学校,学級 に焦点をあてたもの( , , )となっていると考 えられる。 ⑵ 年∼ 年の自尊感情に関する研究の動向 (平成 )年に,学習指導要領が再び改訂さ 掲載年 著 者 論 文 名 蘭 千壽 子どもの自己概念と自尊感情に関する研究 ) 井上祥治ら 学級場面における自尊感情の水準と安定性の役割 ) 渡部淳子 子どもの自尊感情を大切にする教師のかかわり方 ) 掲載年 著 者 論 文 名 久保田真功ら 学力と自尊感情・・同和地区児童・生徒を中心に ) 武藤清吾 自尊感情を育むコミュニケーションと児童文学 ) 荒木紀幸ら 小学生の自尊感情育成に関する研究:図工科学習におけるエスノグラフィックな分析を通して見えてきたもの) 近藤裕子 不登校児の自尊感情・・小学 年生の事例から ) 神戸信行 児童虐待から見た非行行動「子どもの自尊感情」からの一考察 ) 高木幹夫 ゆとり教育は子どもたちから自尊感情を奪った ) 浅野智彦 現代社会の自尊感情・・・自信から対話へ ) 平岡朋子ら 児童期の「恥ずかしさ」と自尊感情との関連 ) 長江留理子 道徳指導事例 自尊感情の形成を促す道徳教育の時間の展開 ) 星野治子ら 小学校における構成的グループエンカウンターによる自尊感情育成の研究 ) 池谷貴彦ら 児童の社会的スキルと自尊感情の向上に関する研究 ) 林みどり 子どもの自尊感情「子ども用 領域自尊心尺度」邦訳版の検討 ) 中村公義 子どもの自尊感情の変容と教師の関係性:学級経営における課題 ) 太田真紀ら 学齢期における吃音児の自尊感情の発達:非吃音児の自尊感情との比較 ) 伊籐裕子ら 児童の自尊感情を規定する自己の諸側面 ) 小西一博ら ADHD傾向を示す軽度知的障害児に関する事例研究:self−esteem の向上に着目して ) 小林 恵 子どもを対象とした自尊感情尺度の開発に関する一考察最近の議論と今後の課題 ) Table 自尊感情に関する論文等( ∼ ) Table 自尊感情に関する論文等( ∼ ) ― 62 ―

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れると「ゆとり」の中で「生きる力」を育む観点か ら,完全学校週 日制が導入された。知識を一方的 に教え込む教育から,子どもたちが自ら学び自ら考 える力の育成を重視することに転換した )。しか し,同時に学力低下論争も起こり,ゆとりの中での 一人一人へのきめ細やかな指導の必要性が要求され た )。また,社会では 代の引き起こす殺人,傷害 事件が目立つようになり,子どもたちの自尊感情の 状態に注目が集まるようになったと考えられる。 表題からみると,「不登校児」「児童虐待」「吃音 児」「軽度知的障害児」「学力」「コミュニケーショ ン」「恥ずかしさ」「社会的スキル」など,何らかの 困り感を抱えた子どもの自尊感情についての研究が 多く見られる( , , , , , , , )。また, 「図工科学習」「ゆとり教育」「道徳教育」「構成的 グループエンカウンター」「学級経営」など,学校 生活の中で教師がどのように自尊感情を捉え,授業 や子どもたちのサポートを行っていけばよいかとい うような示唆を与えるものも多い( , , , , , , )。また, 年には「子ども用 領域自尊心 尺度邦訳版」の検討, 年には子どもを対象とし た自尊感情尺度の開発に関する考察がなされている ( , )。子どもたちの自尊感情の状態に関しての 関心が高まると同時に,自尊感情をどのようにして 掲載年 著 者 論 文 名 富安信一 自尊感情をめぐる子どもの現状 ) 小西史子 児童の自尊感情を高める家庭科授業の工夫 ) 河野順子 心理的問題を有する子どもの背景要因と支援について・・認知の誤り,不安,抑うつ,自尊感情との関連をめぐって) 園田雅代ら 特集 自尊感情を育てる ) 中山奈央ら 児童の自身が思う自己評価及び他者に映る自己評価が自尊感情に与える影響 ) 平林直子ら ストレスマネジメント実験授業が児童の自尊感情・自己効力感および学級満足度に及ぼす影響) 石橋尚子 失敗にどうかかわるか・・自尊感情の低下を防ぐ ) 福田美紀ら 自尊感情をはぐくむ教育的援助介入について:学校内不安の軽減から ) 松井美奈子 自尊感情をいかに育むか・・小学校で伝える「生」 ) 内野多美子 小学校自らの成長を実感し,健全な自尊感情を培う道徳教育の充実 ) 川村美笑子ら 高知県の幼児の食生活と生活スタイル,児童生徒の食生活と生活スタイル及び自尊感情に関する考察) 藤本満利江ら 児童生徒の自尊感情向上及び教師−児童生徒間の信頼関係向上のための教師の指導技術に関する検討) 青島朋子 質問紙を活用した子どもの心のアセスメント教師編自尊感情尺度 ) 峰松修 自尊感情を育て,未来への展望を開く ) 一門惠子ら 軽度発達障害児・者の自尊感情について:自尊感情尺度(SE 尺度)および熊大式コンピタンス尺度を用いた検討) 望月保美 ピア・サポートで自尊感情を高める児童たち ) 内田龍史 子どもたちの自尊感情の向上に向けて ) 近藤卓ら 子どもの自尊感情に関する国際調査 ) 市毛睦ら 親のよい子願望が子どもの自尊感情に与える影響:親への依存欲求・独立欲求に注目して ) 表真美 家族の食事と子どもの自尊感情・登校忌避感・心身の健康 ) 笹生陽子ら 特集 子どもの自尊感情を考える ) 宮内有加 女子のパワーを生かす学級づくり‥異年齢交流活動を通して自尊感情を育てる ) 加藤佳子ら 家族成員の相互関係と児童の自尊感情との関係:家庭科「家庭生活と家族」の領域におけるアサーション・トレーニングの効果) 澤田稔 体験を足場に自尊感情と学ぶ力を育てる工夫 ) 古荘純一 日本の子どもの自尊感情の低さをどう考えるか ) 坂本千代 教育実践の最前線「自尊感情」を育てる授業と学級経営 ) 岡洋一 子どもの主体性や自尊感情を育てる‥子どもを多面的,包括的に理解することから ) 加島ゆう子 子どもの自尊感情を育む“なでなで”コミュニケーション ) 加藤佳子ら 小学生の家族関係および友人関係における自尊感情と全体的自尊感情との関連 ) Table 自尊感情に関する論文等( ∼ ) ― 63 ―

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はかるかということが課題となったことが窺える。 ⑶ 年∼ 年の自尊感情に関する研究の動向 この頃になるとインターネットの利用が盛んにな り,直接顔を知らない者同士がインターネットを介 して繋がり合う事件が目立つようになってきた。ネ ット犯罪や集団自殺など個々の抱える内面の闇が浮 き彫りになってくる中,子どもの自尊感情の現状を 知ろうとする取り組み( , , , )や自尊感情 の低さに関する研究( , , , , )が見られる ようになった。児童を対象とした自尊感情尺度も活 用( , )され,自尊感情を「高める」「育む」と いった文言が多く見られるようになる( , , , , , , , , , , )。 また,家族の在り方や生活様式が多様化したこ と, (平成 )年に改訂された学習指導要領に も表されているように,家族と家庭,食育などに関 する学習が推進されるようになった )こともあって か,家族関係や生活スタイルと自尊感情の関連につ いての研究( , , , , )が増加している。 掲載年 著 者 論 文 名 中山勘次郎ら 児童用自尊感情尺度の検討 ) 西田依子ら 小学生の自尊感情に関する一考察:大垣市立南小学校の児童の実態から ) 湯浅俊夫 いじめの被害者は,なぜ親や先生にそれを隠すのか‥いじめと日本の子どもたちの自尊感情の低さ) 加藤悠ら 母親の自尊感情と養育態度−子どもの自尊感情を育むために− ) 助川晃洋 子どもの“well−being”にかかわる教育言説の妥当性:日本の子どもの自尊感情と幸福度の低さについて) 近藤卓 「自分を大事にする気持ち」の育て方‥子どもの自尊感情を育む理論と実践 ) 李修二 教育の中での自尊感情または自己肯定感のはぐくみについて‥四日市市子どもの家庭・学校生活実態調査の結果から考える) 森下正康ら 母親の言葉かけの特徴と食卓の雰囲気が児童の自尊感情におよぼす影響 ) 加島ゆう子 現場からの報告保健室からの子育て支援:子どもの自尊感情を育むために ) 権美子ら 子どもの心の健康教育に関する一考察:子どもの自尊感情と親子の関係から ) 徳広千惠ら 高知県内の児童生徒の生活習慣・運動習慣並びに自尊感情の関連 ) 大井妙子 児童期における「いのち」の重要性の認識および理由づけと自尊感情との関連 ) 古市裕一ら 教師の賞賛が小学生の自尊感情と学校適応に及ぼす影響 ) 兄井彰ら 子どもの自尊感情と生活のあり方との関係についての研究 ) 須﨑康臣ら 小学生と中学生を対象にした Rosenberg における自尊感情尺度の妥当性,信頼性及び因子構造の検討) 大曲美佐子 小学生の死の意識と喪失体験及び自尊感情との関係性について ) 田島賢侍ら 子どもの自尊感情・自己肯定感等についての定義及び尺度に関する文献検討:肢体不自由児を対象とした予備的調査も含めて) 宇野宏幸 自尊感情,自己肯定感,自己効力感を高める指導・授業づくりを考える:発達障害のある子どもがいるクラスを中心に) 吉田美奈ら 添い寝が子どもの愛着および自尊感情へ及ぼす影響 ) 伊籐美奈子 やる気を育てる土台としての自尊感情 ) 村崎良平ら 児童の自尊感情を高める教育的実践研究 ) 四辻伸吾ら 教師からの肯定メッセージ及び児童自身による良いところ見つけの取り組みが児童の自尊感情に及ぼす効果) 照井沙彩ら 自尊感情低群児童の生活習慣と養護教諭の対応の分析 ) 虎杖美奈子 アサーショントレーニングが児童の主張性と自尊感情に及ぼす効果の持続について ) 堀川綾子ら 児童の不安低減と自尊感情向上に対する学級規模の心理教育プログラムの効果について) 伊籐美奈子 自尊感情が低い子どもたち : 自己否定感をもたらすものは何か? ) 大谷和大 自尊感情:なぜ失敗を避けようとするか ) 速水敏彦 なぜ日本の子どもたちは自尊感情が低いのか:国際比較の観点から ) 井上清子 両親・教師からの褒められ叱られ経験と自尊感情の関連について ) 園田雅春 個と集団の自尊感情がふくらむ学級づくり ) 小塩真司 勉強のつまづきと自尊感情 ) Table 自尊感情に関する論文等( ∼ ) ― 64 ―

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⑷ 年∼ 年の自尊感情に関する研究の動向 年からは,地震や台風などによる自然災害の 増加や放射能,PM .汚染など,将来への漠然とし た不安が感じられる時代となる。また,いじめ事件 による自殺や暴力の低年齢化 )への懸念により,子 どもたちの生き方そのものと自尊感情との関係が問 われるようになった( , , , , , , , , , , , )と考えられる。そして,どのように子ど もたちの自尊感情を育んでいくかについて,多方面 から研究されている。母親や両親( , , , ) はもとより,教師の賞賛や指導の在り方,学級づく り( , , , , , , ),保健室,養護教諭 か らの観点( , ),地方自治体と協力しての取り組 み( , , )などに特徴がみられる。自尊感情尺 度については,既存の自尊感情尺度をもとに,研究 対象に合わせて修正,および検討が行われている ( , , )。 Ⅳ おわりに 本稿では,国内の子ども(幼児,児童,小学生) を対象とした自尊感情に関する文献から,年代に沿 って研究の動向を概観した。自尊感情研究は,時代 背景に影響をうけ,その時代の子どもたちの姿を浮 き彫りにしている。それは,子どもたちの内面を明 らかにしようとするものであったり,育ちそのもの をサポートしようとしたりするものであった。その 中で,次の 点が示唆された。 まず,研究の視点は子どもの親,教師,学級集団 から地方自治体,日本という大きな枠組まで様々で あったが,どれも具体的な子どもの姿に沿った研究 がなされていたといえる。自尊感情を育んでいく手 だてとしては,授業の教科によるもの(図工科学習, 家庭科,道徳教育)や,食事,生活習慣,添い寝な ど,子どもの生活に深くかかわるものであった。こ れらのことから,自尊感情研究は,子どもの生活や 生き方そのものと密着したものであるということが いえる。 また,自尊感情研究は,心理,教育,医療など様々 な分野の研究と関連づけて行われているものが多く 見られた。ストレスマネジメント,ピア・サポート, Well−being,アサーショントレーニングなど様々な アプローチが,子どもの自尊感情にどのように影響 するのかということについて研究がなされており, 関心の高さが窺えた。 最後に,幼児期の自尊感情研究について触れる。 本稿では検討外とした学会要旨集の表題にも子ども についての自尊感情研究が多数見られたが,幼児期 の自尊感情に言及したものは少ない。 また,自尊感情尺度については,Pope や,Rosen-bergなど既存の自尊感情尺の信頼性の検討 ) )や, 修正 )が行われてはいるが,こちらも幼児期を対象 としたものは見当たらなかった。幼児用自尊感情尺 度については,学会要旨集も含め,今後,研究の動 向を探る必要があり,自尊感情研究と併せて行うこ とが課題といえる。 【引用・参考文献】 )遠藤由美, 「自尊感情」心理学辞典,有斐閣: − . )厚生労働省, ,平成 年度国民生活基礎調査 )文部科学省初等中等教育局児童生徒課, 平成 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関 する調査」について )文部科学省ホームページ, ,www.mext.go.jp/a_ menu/shotou/gakuryoku/genjo.htm )古荘純一, ,日本の子どもの自尊感情はなぜ低 いのか,光文社: − . )園田雅代, ,今の子どもたちは自分に誇りをも っているか,児童心理: − . )近藤卓, ,自尊感情と共有体験の心理学−理論・ 測定・実践−,金子書房: − , . )勝浦美和, ,自尊感情を育む保育における留意 点及び指標,四国大学紀要人文・社会科学編第 号 )国立情報学研究所,CiNii Articies 日本の論文をさ がす,ci.nii.ac.jp/ )戸田浩史, ,参議院事務局立法と調査( ): . )村崎芙蓉子, ,カイワレ族の偏差値日記,鎌倉 書房 )蘭千壽, ,子どもの自己概念と自尊感情に関す る研究,上越教育大学研究紀要.第 分冊,学校教育, 幼児教育,障害児教育 : − . )井上祥治,龍門真治 ,学級場面における自尊感 情の水準と安定性の役割,研究集録 : − . ― 65 ―

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)渡部淳子, ,子どもの自尊感情を大切にする教 師のかかわり方(思春期の心理と行動‥「むずかしい 年ごろ」とどうつきあうか)‥(思春期の子どもと共 振できる教師)児童心理 ( ): − . )文部科学省,(資料)学習指導要領等の改訂の経過 )前掲 ): . )久保田真功,原田彰, ,学力と自尊感情‥同和 地区児童・生徒を中心に,広島大学大学院教育学研究 科紀要第三部教育人間科学関連領域( ): − . )武藤清吾, ,自尊感情を育むコミュニケーショ ンと児童文学‥「学級崩壊」についての子どもたちの 意見をもとに(特集 学級崩壊と児童文学),日本児 童文学 ( ): − . )荒木紀幸,美藤正人, ,小学生の自尊感情育成 に関する研究:図工科学習におけるエスノグラフィッ クな分析を通して見えてきたもの,兵庫教育大学教科 教育学会紀要( ): − . )近藤裕子, ,不登校児の自尊感情小学 年生の 事例から,人間科学研究( ): − )神戸信行, ,児童虐待から見た非行行動「子ど もの自尊感情」からの一考察(特集 非行の背景にあ るもの‥虐待)非行問題( ): − . )高木幹夫, ,ゆとり教育は子どもたちから自尊 感情を奪った‥教育の自己決定権を取り戻せ(特集 大論争・新学習指導要領),論座( ): − . )浅野智彦, ,現代社会の自尊感情…自信から対 話へ(特集自信をもてる子に育てる), 児童心理 ( ): − . )平岡朋子,中村俊哉, 児童期の「恥ずかしさ」 と自尊感情との関連,教育実践研究 ( ): − . )長江留理子, ,道徳指導事例自尊感情の形成を 促す道徳教育の時間の展開(特集 子どもたち一人 一人の資質や能力を確かなものにする学習指導)初等 教育資料( ): − )星野治子,正保春彦, ,小学校における構成的 グループエンカウンターによる自尊感情育成の研究, 茨城大学教育実践研究( ): − . )池谷貴彦,葛西真記子, ,児童の社会的スキル と自尊感情の向上に関する研究‥ピア・サポートプロ グラムの実践を通して,カウンセリング研究 ( ): − . )林みどり, ,子どもの自尊感情「子ども用 領 域自尊心尺度」邦訳版の検討,石川看護雑誌 : − . )中村公義, ,子どもの自尊感情の変容と教師の 関係性:学級経営における課題,現代社会文化研究 : − . )太田真紀,長澤泰子, ,学齢期における吃音児 の自尊感情の発達:非吃音児の自尊感情との比較,特 殊教育学研究 ( ): − . )伊籐裕子,荒木紀幸, ,児童の自尊感情を規定 する自己の諸側面 児童学研究:聖徳大学児童学研究 紀要 : − . )小西一博,稲垣応顕, ,ADHD 傾向を示す軽度 知的障害児に関する事例研究:Self−esteem の向上に 着目して ,富山大学教育実践総合センター紀要 : − . )小林恵, ,子どもを対象とした自尊感情尺度の 開発に関する一考察‥最近の議論と今後の課題,早稲 田大学大学院教育学研究科紀要別冊( − ): − . )文部科学省,幼稚園教育要領,小・中学校学習指導 要領等の改訂のポイント )富安信一, ,自尊感情をめぐる子どもの現状, 佐賀部落解放研究所紀要 : − . )小西史子, ,児童の自尊感情を高める家庭科授 業の工夫,日本家政学会誌 ( ): − . )河野順子, ,心理的問題を有する子どもの背景 要因と支援について‥認知の誤り,不安,抑うつ,自 尊感情との関連をめぐって,福山大学こころの健康相 談室紀要( ): − . )園田雅代,樋田大二郎,金澤広明,中間玲子,岩田 純一,伊籐篤,内藤朝雄,近藤卓,金沢信彦,阪幸江, 大熊雅士,緒方健二,北浦かほる,石川瞭子,白石雅 一,沢崎達夫, ,特集自尊感情を育てる,児童心 理 ( ), − , − , − , − . )中山奈央,田中真理, ,児童の自身が思う自己 評価及び他者に映る自己評価が自尊感情に与える影 響,東北大学大学院教育学研究科ネットワークセン ター年報( ): − . )平林直子,中谷素之, ,ストレスマネジメント 実験授業が児童の自尊感情・自己効力感および学級満 足度に及ぼす影響 カウンセリング研究 ( ): − . )石橋尚子, ,失敗にどうかかわるか‥自尊感情 の低下を防ぐ,児童心理 ( ): − . )福田美紀,竹田レイ子, ,自尊感情をはぐくむ 教育的援助介入について:学校内不安の軽減から(林 忠幸教授・丹野眞智俊教授定年退職記念号),神戸親 和女子大学大学院研究紀要 : − . )松井美奈子, ,自尊感情をいかに育むか‥小学 校で伝える「生」(特集子どものいのちが輝くとき) ‥(子どものいのちと育ちを支える取り組みから), 世界の児童と母性 : − . )内野多美子, ,小学校自らの成長を実感し,健 全な自尊感情を培う道徳教育の充実(特集道徳におけ る「自己の生き方」を考える),道徳と特別活動 ( ): − . )川村美笑子, ,高知県の幼児の食生活と生活ス ― 66 ―

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タイル,児童生徒の食生活と生活スタイル及び自尊感 情に関する考察,高知女子大学紀要生活科学部編 : − . )藤本満利江,野村泰朗, ,児童生徒の自尊感情 向上及び教師−児童生徒間の信頼関係向上のための教 師の指導技術に関する検討,日本教育工学会研究報告 集 ( ): − )青島朋子, ,質問紙を活用した子どもの心のア セスメント教師編自尊感情尺度(特集子どものメンタ ルヘルス)‥(子どものメンタルヘルスを支える), 児童心理 ( ): − . )峰松修, ,自尊感情を育て,未来への展望を開 く(特集子どものメンタルヘルス)‥(子どものメン タルヘルスを支える),児童心理 ( ) − . )一門惠子,住尾和美,安部博史, ,軽度発達障 害児・者の自尊感情について:自尊感情尺度(SE 尺 度)および熊大式コンピタンス尺度を用いた検討,紀 要 visio : research reports : − .

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(9)

抄 録 本稿では,幼児を対象とした自尊感情尺度の開発に向けて,国内の文献から,子ども(幼児,児 童,小学生)を対象とした自尊感情に関する論文等を抽出し,研究の動向を年代順に概観した。そ して,次の 点が示唆された。 .自尊感情研究は,子どもの生活や生き方と密着したものである。 .子どもの自尊感情は,様々な分野で研究されており,関心の高いテーマである。 .国内における幼児の自尊感情に関する研究は少なく,今後,自尊感情尺度研究の動向と併せて 探る必要がある。 キーワード:子ども 自尊感情 論文 概観 ― 69 ―

参照

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