オープンリサーチ型次世代ネットワーク技術への挑戦- National Project JGN2 4年間のFact Sheets -:3.利用推進と地域活性化
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(2) 【特集】オープンリサーチ型次世代ネットワーク技術への挑戦 ―National Project JGN2 4年間の Fact Sheets― 地域. 地域. 名称. 名称. 近畿 ・近畿次世代超高速ネットワーク推進協議会. 北海道 ・北海道JGN2利用連絡会 東北 ・東北地方JGN2利用推進協議会. ・中国超高速ネットワーク連絡協議会 ・鳥取県研究開発用ネットワーク協議会 ・岡山県高度情報化推進協議会ギガビットネットワーク利用促進部会 中国 ・やまぐち情報スーパーネットワーク推進本部 ギガビットネットワーク推進部会 ・島根県ギガビットネットワーク連絡協議会. ・関東JGN2懇話会. 関東 ・山梨ギガビットネットワーク利用促進委員会 ・信越地区ギガビットネットワーク推進連絡会. 信越 ・松本ブロックギガビットネットワーク推進連絡会. ・長野ブロックギガビットネットワーク推進連絡会 四国 ・JGN2四国連絡協議会 ・JGN2北陸地区推進協議会 北陸 ・新たな研究開発用ネットワークの利活用に関する研究会(富山県) 九州 ・次世代高度ネットワーク九州地区推進協議会. 沖縄 ・沖縄情報通信懇談会JGN2利用連絡会. 東海 ・東海JGN2推進協議会 ●表 -1 JGN2 利用推進を目的とする地域協議会. 1). L1: SONET/SDH L2-VPN:EoMPLS L3 -VPN:MPLS-VPN. 京都府庁 2.4Gbps. L1:SONET/SDH L2-VPN:EoMPLS L3-VPN:MPLS-VPN. 京都 デジタル疎水 ネットワーク. L1:ATM L2-VPN:EoMPLS L3-VPN:MPLS-VPN. 福井情報 スーパー ハイウェイ. 2.4Gbps L1:SONET/SDH L2-VPN:EoSONET. びわ湖情報 ハイウェイ. 兵庫情報 ハイウェイ. 10Gbps. 10Gbps. 兵庫県庁. きのくに e-ねっと. L1:SONET/SDH L3-VPN:MPLS-VPN. 大和路 情報 ハイウェイ 2.4Gbps. 滋賀県庁. 2.4Gbps L1:SONET/SDH L2-VPN:EoMPLS L3 -VPN:MPLS-VPN. 和歌山県庁. ●図 -1 地域情報ハイウェイ接続プロジェクト例. 福井県庁. 奈良県庁. 1). 【地域情報ハイウェイ相互接続実験】 JGN2 を 利 用 し, 自 治 体 が 運 営 す る 地 域 情 報 ハ イ ウェイ等を相互に接続する実験が各地で実施された (図 -1, 2).そこでは,防災,教育,医療等の分野にお. に創設されたが,これは地域情報ハイウェイ相互接続の 成果の 1 つである.. 【地域コンテンツ(CATV)の流通実験】. ける ICT アプリケーションが活用され,関連地域の産. 地域において CATV 各局を JGN2 によって相互接続. 応体制も構築された.たとえば,地震,台風等の災害時. CATV 各局の持つ地域コンテンツの交換,共有を円滑か. 官学の交流が活発化した.自治体間の連携による広域対 には,防災情報の域内共有により,住民の支援等に関し て,近隣自治体間での協力が可能となった. JGN2 お よ び JGN2plus(JGN2 後 継 プ ロ ジ ェ ク ト ). することで,IP による双方向データ伝送環境を構築し, つ効率的に行うための技術開発が行われた.各地域で実 施された複数のプロジェクトを通して,地域間の IP に. よる映像流通の実用化の可能性と問題点が明確になった.. における PAP(Partnership Access Point)および PNW. 地域における中小規模 CATV 事業者の技術者等に対す. を JGN2 等の一部として研究開発の促進に寄与するため. 通した学生の実践的技術育成に寄与した.. (Partnership Network)は,地域情報ハイウェイ等の設備. 1136. 情報処理 Vol.49 No.10 Oct. 2008. る次世代ネットワーク応用技術の技術移転やイベントを.
(3) 3. JGN2. 利用推進と地域活性化. 山形県基幹高速通信ネットワーク 岩見沢市敷設光ケーブル. とやまマルチネット 福井情報スーパーハイウェイ びわ湖情報ハイウェイ 京都デジタル疏水ネットワーク. 岩手県情報ハイウェイ. 兵庫情報ハイウェイ 鳥取情報ハイウェイ 岡山情報ハイウェイ やまぐち情報スーパーネットワーク 北九州地域情報ネットワーク. 山梨県情報ハイウェイ 岐阜情報スーパーハイウェイ 三重M-IX 大和路情報ハイウェイ. かがわ遠隔医療ネットワーク. きのくにe-ねっと. 高知県新情報ハイウェイ 豊の国ハイパーネットワーク 熊本県情報ギガハイウェイ. 宮崎情報ハイウェイ21. ●図 -2 JGN2 と連携する地域情報ハイウェイ. 1). ルートサーバを用いて, 相互接続を自動化. 送信側は, センタに向けて 映像を送信する. ルートサーバ. MPLS-IX. アプリケーション ゲートウェイ. MPLS ルータ センタ拠点 (高知). 各地域のネットワークは, MPLS-IX で相互接続 各地域では,地域内に 映像を再配信. センタで映像を複製し, 全国各地に再送信. ●図 -3 地域間相互接続プロジェクト -II 概要. 1). 【地域間連携による実験環境の構築と人材育成】 地域間相互接続プロジェクト -II(RIBB-II) では, 2). 国内各地の 30 を超える機関を JGN2 によって相互接続. し(図 -3) ,IP ネットワーク上での高品質,大容量コン テンツ流通に関する研究開発が行われた.このプロジェ クトでは,MPLS-IX を JGN2 上に構築し,マルチラテ 情報処理 Vol.49 No.10 Oct. 2008. 1137.
(4) 【特集】オープンリサーチ型次世代ネットワーク技術への挑戦 ―National Project JGN2 4年間の Fact Sheets―. ●図 -4 IPv6 ネットワーク対応住宅模型製作 (佐賀県立有田工業高等学校). ●図 -6 DV-CUBE. 実践のためには,必ずしもネットワーク技術を持たない 各地の教育関係者等の ICT スキル向上につながるとと もに,遠隔講義の実線をきっかけとして,分野を越えた 共同研究や人材交流を促した.. 【工業系高校・高専の連携】 工業系高等学校における IPv6 を用いたユビキタス社 会実験研究プロジェクト. では,全国 7 地域 15 校の工. 3). 業系高等学校および高等専門学校において,生徒自身が 情報端末を作成し,JGN2 を活用した IPv6 ネットワー ク上で,情報家電を含むさまざまな情報端末がユビキタ ●図 -5 IPv6 ネットワーク対応遠隔ロボット相撲 (広島市立広島工業高等学校). ス社会の中で具体的にどのように役立つかについて,実 証的な研究開発(図 -4, 5)を行った.次の社会を担う若 者が次世代ネットワーク技術を利用した実証実験を通し て,将来の社会生活のイメージを実感することで,ICT. ラル相互接続のアーキテクチャにより,ネットワークの. に関する自己啓発につなげることができた.また,大学. 相互接続を容易にした.これにより,地域 ISP 事業者. の情報技術関連の教員や学生と工業系高等学校や高専専. 全国規模で集約,共有する実証実験を行うことができた.. ジェクトであったと言える.. 7 社のネットワーク相互接続を行い,各社のリソースを. また,地域の NPO と連携し,本実験環境を利用した地. 域住民の生涯教育支援のためのコンテンツ流通実証実験. 門学校との連携の在り方を示す意味でも,有意義なプロ. 【地域企業の活躍】. なども実施した.. JGN2 研究プロジェクトの中には,地域の産官学が共. このプロジェクトでは,全国規模の研究コミュニティ. 同研究プロジェクトを推進する途上で,地域企業が関連. を創生し,実験の実施,関連ワークショップやイベント. 製品を研究開発し商用化した例もある.たとえば,FA・. の開催などを通じ,地域における ICT 人材育成および. システムエンジニアリング(株) (愛媛県松山市)は,各. 人材交流にも大きく貢献した.. 地で実施される遠隔講義や遠隔会議を使った研究プロジ ェクトに共同研究機関として参加し,広域ネットワーク. 【遠隔教育の実施および教育コンテンツ配信】 JGN2 を用いた遠隔講義,遠隔教育が全国各地の教育. を経由した高品質映像(DV 形式または HDV 形式など) のリアルタイム伝送用機器を開発し製品化 (図 -6)し 4). 機関等で多数実施された.高品質動画像によるリアルタ. た.JGN2 上で実施された多くの実証実験での利用経験. イム遠隔講義システム,高品質コンテンツを遅延なく双. が製品化に反映されたものと思われる.. 方向で伝送するシステム等の研究開発が行われ,それら システムを利用した遠隔教育が実施された.遠隔教育の. 1138. 情報処理 Vol.49 No.10 Oct. 2008.
(5) 3. JGN2. 利用推進と地域活性化. // 今後の展開 //. 究およびその展開においても重要な役割を果たすと考え られる.逆に言えば,これまで各地で発展してきたネッ. 東京一極集中ではなく,各地域における独自性のあ. トワーク研究者のコミュニティ,特に地域コミュニティ. る活動,地域に根ざした広範囲な ICT の応用研究の充. を活用する環境を作ることができなければ,どんなにす. 実は,我が国の情報関連研究開発基盤および産業基盤. ばらしいプロトコルを提案し,ハードウェアを整備した. を支えるために必須であると言える.本稿で紹介した,. としても円滑な実証実験および普及への展開は期待でき. JGN2 に関連した各地における利用推進および研究プロ. ないであろう.. ジェクト事例は,応用ソフトウェアの充実,コミュニテ ィの醸成の重要性を示唆しており,単にハードウェアの 整備のみでは研究開発力の底上げにはならない可能性が あることを意味している.しかしながら,JGN2 という 研究開発基盤がなければ生まれなかった成果であるとも 言え,「ハードとソフトがうまくバランスする」 ことが重 要である. JGN2 研究プロジェクトの中には,多数の研究機関に わたるネットワーク構築に関するものがいくつか(たと. 参考文献 1) (独)情報通信研究機構:JGN2 プロジェクト成果報告 -Summary-(期間: 平成 16 年度∼平成 19 年度)(Mar. 2008). 2)地域間相互接続プロジェクト:http://www.ribb.org/ 3)工業系高等学校における IPv6 を用いたユビキタス社会実験研究プロジ ェクト:http://www.ai.is.saga-u.ac.jp/ipv6-robocon/ 4)FA システムエンジニアリング(株):DV-CUBE, HDV-CUBE, http:// www.fase.co.jp/ 5)特集 地域ネットワークの新しい展開,情報処理,Vol.41, No.1, pp.1-38 (Jan. 2000). 6)WIDE Project : http://www.wide.ad.jp/ (平成 20 年 8 月 5 日受付). えば,JB プロジェクトや RIBB-II プロジェクト)がある. これらには,かつてインターネット黎明期から各地で活 動してきた地域ネットワーク および実験ネットワーク 5). WIDE プロジェクト. 等の関係者が深く関与している.. 6). すなわち,1990 年代から続くさまざまな活動において 構築されたコミュニティの力は強く,JGN2 における貢 献はもちろん,今後期待される新世代ネットワークの研. 相原玲二(正会員) [email protected] 昭和 61 年広島大学大学院工学研究科修了,工学博士.現在,広島大 学情報メディア教育研究センター教授.平成 16 ∼ 19 年度次世代高 度ネットワーク推進会議利用促進部会長.平成 20 年度本会 IOT 研 究会主査.. 情報処理 Vol.49 No.10 Oct. 2008. 1139.
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