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<教授就任講演>皮膚における自然免疫応答 利用統計を見る

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iii 第 186 回山梨大学医学会例会 日時:平成 29 年 5 月 25 日(木)午後 5 時∼ 6 時 会場:融合研究棟 4 階カンファレンス室

教授就任講演

皮膚における自然免疫応答

川村 龍吉

山梨大学 皮膚科学

司会 中尾 篤人教授

【要旨】皮膚は外界の病原体や異物を認識し,自然免疫や獲得免疫応答を引き起こす門番として の役割を担う臓器である。表皮ケラチノサイト(KC)やランゲルハンス細胞(LC)あるいは真 皮に存在する樹状細胞(DC),マクロファージ,肥満細胞などといった innate immune cells は多 種・多様な外来病原体のPAMPs を特異的に認識する様々な PRRs を有しており,ウイルスや細 菌・真菌感染においてそれらのパターンを認識することで活性化・成熟するとともに種々のinnate cytokines を産生する。一方,経皮・経粘膜 HIV 感染において LC は HIV の侵入門戸としても重 要な役割を果す。性行為HIV 感染において,LC 上の CD4/CCR5 と結合した HIV は LC に感染後, 同細胞内で複製されて所属リンパ節内のCD4+ T細胞に受け渡されることから,LC は HIV の侵 入・生体内播種に重要な役割を果す。また,疫学的にSTD 感染症患者では HIV 感染リスクが∼ 10 倍ほど高くなることが知られているが,我々はこの機序としてSTD 病原体が直接あるいは間接 的にLC の HIV 感染性を促進することで宿主の HIV 感染リスクを増加させることを見出している。 皮膚は,外来病原体のみならず,外来異物の侵入に対しても宿主防御における重要な役割を担って いる。一次刺激性接触皮膚炎(ICD,すなわち‘湿疹’)は皮膚における最もシンプルでかつ頻度 の多い自然免疫応答である。一次刺激物質が表皮KC に曝露されると同細胞から ATP(アデノシン 三リン酸)が放出され,この細胞外ATP が Danger signal となって皮膚に炎症反応が引き起こさ れる。一方,ATP を不活化する CD39 を発現している LC は ICD に抑制的に働く。このように皮 膚は外来病原体/ 異物と生体との‘戦場’ともいえるが,本講演では皮膚における自然免疫機構を 中心とした生体防御機構について概説する。

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