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大学院生における精神的健康と不登校傾向との関係

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Academic year: 2021

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(1)大学院生における精神的健康と不登校傾向との関係 堀井 俊章 Relationship between Mental Health and Tendencies of Graduate Students to not Attend Classes Toshiaki HORII. 問題と目的 近年,大学院生の精神的健康の問題がクローズアップされている。海外の調査によ ると,多くの大学院生は精神的健康が悪化し,専門の研究を開始してからストレスが 増 大 し て い る ( Smith & Brooks, 2015)。 ま た , Evans, Bira, Gastelum, Weiss & Vanderford ( 2018) に よ る と , 大 学 院 生 の 約 4 割 が 中 程 度 か ら 重 度 の う つ ( depression) と 不 安 ( anxiety) を 抱 え , そ の 割 合 は 一 般 人 の 約 6 倍 に 上 る 。 こ れ ら の デ ー タ は 大 学 院 生 の 精神的健康が今日危機的状況にあることの根拠を示すものであり,大学院生を支援す る こ と の 重 要 性 が 指 摘 さ れ て い る ( Evans et al., 2018)。 我が国の学生相談場面では,大学院生が精神的健康について相談するケースが少な く な い 。池 田( 2010)は ,大 学 院 生 の 相 談 内 容 と し て , 「精神的な不安定さや症状など が あ り ,自 傷 ・自 殺 に 関 す る も の も あ る 。抑 う つ な ど の 症 状 に よ り ,精 神 科 を は じ め と する医療機関に通院しながら来談する者も多く,心理的に深刻な状態にある者の比率 が 学 部 生 に 比 し て 高 い 傾 向 が あ る 」と 報 告 し て い る 。齋 藤( 2001)に よ れ ば , 「自身の 研究者としての力量への疑念」から「息切れ的な不登校,抑うつ状態,身体症状」と い っ た 状 態 に な る 大 学 院 生 が 存 在 す る と し , 内 野 ・ 兒 玉 ( 2001) は , 大 学 院 生 に と っ て,「将来の保障もないまま研究を続け,研究室での濃密な対人関係に適応していく ことは,ストレスが多い」とし,「それまで潜在的にもってきた神経症的問題が,現 れ や す い 」 と 指 摘 し て い る 。 梅 景 ・ 佐 々 木 ( 2003) に よ れ ば , 大 学 保 健 セ ン タ ー を 受 診した大学院生は「気分障害・不安障害・適応障害などと診断される受診者が多数を 占めている」と報告されている。 以 上 の よ う に ,大 学 院 生 の 精 神 的 健 康 に 関 す る 報 告 や 指 摘 は 散 見 さ れ る も の の , 「こ れまでの研究では大学院生の心理・精神的健康度に言及した実態調査はきわめて少な い 」( 川 﨑 他 , 2019) と さ れ て い る 。 従 来 , こ の 分 野 の 実 証 的 な 研 究 が 少 な く , 特 に 保 健管理施設や学生相談機関に相談した者に限定することなく,広く一般の大学院生の 精神的健康に関する実態は不明な点が多い。そのため,大学院生に対する心理的理解 が不十分な状況にある。 また,大学院生にとっては精神的健康だけでなく不登校という問題もある。大学院 生 の ひ き こ も り 状 態 の 発 生 率 は 1.06%と 推 定 さ れ て い る ( 井 出 ・ 水 田 ・ 谷 口 , 2011)。 また, 不登校・ひきこもり状態には至らずとも, その予兆ともいえる不登校傾向につ い て も 多 く の 大 学 院 生 が そ の 傾 向 を 有 す る こ と が 判 明 し て い る ( 堀 井 , 2006, 2019)。 大学の学部生において精神的健康の問題は不登校傾向と一定の関連をもつことが示唆 さ れ て い る( 堀 井 , 2013, 2015)。し か し ,大 学 院 生 を 対 象 と し た 実 証 的 研 究 は ほ と ん ど. 168.

(2) なく,その関連性が分かっていない。 今日,大学院が設置されたキャンパスの保健管理施設では,大学院生の精神的健康 状態の把握に努め,心の不健康な大学院生や精神障害の疑いのある大学院生を早期に 発見し治療につなげているところが少なくない。この時にあらかじめ精神的健康状態 と不登校傾向との関連性が分かっているのであれば,精神的健康状態だけでなく,不 登校傾向の状態も予測することが可能となり,適宜必要な介入を行うことによって, 不登校の予防につながることが期待される。不登校は自分の生き方を見直すという建 設的な側面も有するが,その一方で,本人にとって不本意な留年,休学,退学といっ た 問 題 に つ な が る こ と も あ る た め ,問 題 の 予 防 と い う 視 点 は 重 要 で あ る と 考 え ら れ る 。 そこで本研究では,大学院生の精神的健康の実態を明確にした上で,精神的健康と不 登校傾向との関係を実証的に検討することを目的とする。. 方 法 調査対象者および調査時期 首 都 圏 及 び そ の 近 郊 の 大 学 院 2 校 の 修 士 課 程 に 在 籍 す る 大 学 院 生 472 名 ( 平 均 年 齢 23.2 歳 , SD =1.32) を 対 象 に , 質 問 紙 調 査 を 2013 年 5 月 ~ 7 月 に 実 施 し た 。 調 査 時 に は調査の趣旨と倫理的な配慮事項を文書と口頭で十分に説明し合意を得た者を対象と し た 。 回 答 に 不 備 の あ る 10 名 を 除 き , 462 名 を 分 析 対 象 者 と し た 。 質問紙 1) UPI 学 生 精 神 的 健 康 調 査 UPI 学 生 精 神 的 健 康 調 査( University Personality Inventory) ( 以 下 ,UPI)は 心 の 不 健 康な学生や精神障害の疑いのある学生を発見するためのスクリーニング・テストとし て ,全 国 の 大 学 の 保 健 管 理 施 設 や 学 生 相 談 機 関 で 幅 広 く 利 用 さ れ て い る 。松 原( 1995) に よ れ ば , 著 者 名 は 「 全 国 大 学 保 健 管 理 協 会 」 で あ り , 著 者 権 が な く , 1966 年 発 行 と されている。 UPI は 60 項 目 か ら 構 成 さ れ て い る 。 60 項 目 の う ち 56 項 目 が 神 経 症 , 心 身 症 そ の 他 学 生 の 悩 み ,心 配 事 ,不 安 ,迷 い ,葛 藤 な ど を 表 す 項 目( 以 下 ,UPI 56 項 目 )で あ り , 残 り の 4 項 目 が 検 証 尺 度 ( Lie Scale) で あ る ( 松 原 , 1995)。 宮 西 ・ 中 塚 ( 1985) は 因 子分析の結果を基に, 「 抑 う つ 傾 向( 10 項 目 )」 「 心 気 症 傾 向( 10 項 目 )」 「 活 動 性( 4 項 目 )」「 対 人 不 信 ( 10 項 目 )」「 神 経 症 傾 向 ( 10 項 目 )」 の 5 下 位 尺 度 を 構 成 し て い る 。 「活動性」は検証尺度である 4 項目から構成されているが,ここでは健康度を測定す 「 は い( 1 点 )」 る も の と し て 扱 わ れ て い る 。本 調 査 に お い て 60 項 目 そ れ ぞ れ の 回 答 は , 「 い い え ( 0 点 )」 の 2 件 法 で 求 め た 。 2) 大 学 院 生 不 登 校 傾 向 尺 度 大学院生の不登校傾向(大学院の正課活動への回避傾向)を測定する大学院生不登 校 傾 向 尺 度( 堀 井 , 2019) ( 以 下 ,不 登 校 傾 向 尺 度 )を 使 用 し た 。不 登 校 傾 向 尺 度 は「 登 校 回 避 行 動 ( 6 項 目 )」 と 「 登 校 回 避 感 情 ( 6 項 目 )」 の 2 下 位 尺 度 計 12 項 目 か ら 構 成 さ れ て い る 。「 登 校 回 避 行 動 」 は 「 大 学 院 を 休 み が ち で あ る 」「 な ん と な く 大 学 院 に 行 かないことがある」などの項目から構成され,大学院への登校を回避する行動的側面 を表す。 「 登 校 回 避 感 情 」は「 朝 ,今 日 は 大 学 院 に 行 き た く な い と 思 う こ と が あ る 」 「大 学院をしばらく休みたいと思うことがある」などの項目から構成され,大学院への登. 169.

(3) 校 を 回 避 す る 感 情 的 側 面 を 表 す 。各 項 目 に 対 す る 回 答 は , 「 非 常 に あ て は ま る( 6 点 )」 「 あ て は ま る ( 5 点 )」「 や や あ て は ま る ( 4 点 )」「 ど ち ら と も い え な い ( 3 点 )」「 や や あ て は ま ら な い( 2 点 )」 「 あ て は ま ら な い( 1 点 )」 「 全 然 あ て は ま ら な い( 0 点 )」の 7 件法で求めた。逆転項目を除き,得点が高いほど各項目の意味する不登校傾向が高い ことを表す。. 結果と考察 精神的不健康の自覚率 UPI 各 項 目 の 自 覚 率 を Table 1 に 示 し た 。な お ,項 目 ご と の 分 析 を 行 う 場 合 ,心 理 検 査 と し て の 信 頼 性 は 低 下 す る 。 し か し , UPI は 実 際 の 臨 床 場 面 で は 項 目 ご と に 着 目 す ることが多いため,ここでは項目ごとの分析結果を掲載する。 検 証 尺 度 4 項 目 を 除 外 す る と , 40% 以 上 の 高 い 自 覚 率 を 示 し た 項 目 は , 「 気 疲 れ す る」「なんとなく不安である」「記憶力が低下している」「首筋や肩がこる」「こだ わ り す ぎ る 」「 決 断 力 が な い 」「 と り こ し 苦 労 を す る 」「 将 来 の こ と を 心 配 し す ぎ る 」 「 考 え が ま と ま ら な い 」 の 9 項 目 で あ っ た 。 ま た , 30% 以 上 の 比 較 的 高 い 自 覚 率 を 示 し た 項 目 は「 何 事 も た め ら い が ち で あ る 」「 悲 観 的 に な る 」「 気 分 に 波 が あ り す ぎ る 」 「ものごとに自信をもてない」「やる気が出てこない」「気をまわしすぎる」「気が 小 さ す ぎ る 」「 根 気 が 続 か な い 」「 く り 返 し 確 か め な い と 苦 し い 」「 体 が だ る い 」「 不 平 や 不 満 が 多 い 」「 い ら い ら し や す い 」「 人 に 頼 り す ぎ る 」「 他 人 の 視 線 が 気 に な る 」 「 吐 き 気 ,胸 や け ,腰 痛 が あ る 」「 つ ま ら ぬ 考 え が と れ な い 」の 16 項 目 で あ っ た 。こ れ ら の 項 目 は 抑 う つ・不 安 傾 向 を 中 心 に 心 身 に 関 す る 多 様 な 訴 え か ら 構 成 さ れ て い る 。 それらの訴えの率が高い,もしくは比較的高いという結果は,今日の大学院生におけ る メ ン タ ル ヘ ル ス の 問 題 を 示 唆 す る も の で あ る と 考 え ら れ る 。ま た ,こ れ ら の 結 果 は , Evans et al.( 2018) の い う 大 学 院 生 の 精 神 的 健 康 が 危 機 的 状 況 に あ る と い う 知 見 と 符 合する。 ま た ,上 記 以 外 の 項 目 で あ っ て も , 「 死 に た く な る 」と い う 項 目 で は 462 名 中 51 名 , す な わ ち 11% の 大 学 院 生 が 自 覚 し て い た 。こ の 項 目 は 自 殺 念 慮 に か か わ る 内 容 で あ る 。 平 山 ・ 全 国 大 学 メ ン タ ル ヘ ル ス 研 究 会 ( 2011) は , こ の 項 目 に つ い て , 「 本 気 で 正 直 に付けるのは,深刻なうつ状態か,進行した統合失調症の場合であり,他の症状や項 目と併せてよく見る必要がある」と注意を喚起している。平山・全国大学メンタルヘ ル ス 研 究 会 ( 2011) は 他 に も 注 意 す べ き 特 定 項 目 を 挙 げ て い る 。 そ れ ぞ れ の 自 覚 率 を 示 す と ,て ん か ん 圏 の 疑 い が あ る と さ れ る「 気 を 失 っ た り ,ひ き つ け た り す る 」は 1.1% (5 名)が自覚し,何らかの葛藤を引きずっている可能性があるとされる「自分の過 去 や 家 庭 は 不 幸 で あ る 」 は 8.4% ( 39 名 ) が 自 覚 し , 統 合 失 調 を 疑 わ せ る 非 社 会 性 の 色 濃 い 項 目 で あ る と さ れ る 「 自 分 の へ ん な 匂 い が 気 に な る 」 は 8.9% ( 41 名 ) , 「 他 人 に 陰 口 を い わ れ る 」 は 9.5% ( 44 名 ) , 「 人 に 会 い た く な い 」 は 13.6% ( 63 名 ) で あった。いずれも精神神経疾患から発する訴えである可能性があるため,注意すべき 結果であると考えられる。 なお,大学の保健管理施設において,心の不健康や精神障害が疑われる呼び出し面 接 の 対 象 者 の 基 準 は ,UPI56 項目 の う ち 30 項 目 以 上 の 自 覚 者 と し て い る 場 合 が 多 い( 平 山 ・ 全 国 大 学 メ ン タ ル ヘ ル ス 研 究 会 , 2011; 山 田 , 1975) 。 本 調 査 の 結 果 か ら そ の 基 準 に 該 当 す る 者 は 13.2% ( 61 名 ) で あ り 、 決 し て 少 な く な い 人 数 で あ っ た 。. 170.

(4) Table 1 項目. 35) 22) 36) 27) 18) 51) 29) 45) 9) 14) 39) 13) 20) 15) 38) 12) 42) 21) 28) 52) 46) 5) 6) 23) 30) 50) 58) 2) 54) 44). UPI各項目の自覚率(n =462). 自覚者数(自覚率(%)). 気分が明るい(※) 気疲れする なんとなく不安である 記憶力が低下している 首筋や肩がこる こだわりすぎる 決断力がない とりこし苦労をする 将来のことを心配しすぎる 考えがまとまらない 何事もためらいがちである 悲観的になる いつも活動的である(※) 気分に波がありすぎる ものごとに自信をもてない やる気が出てこない 気をまわしすぎる 気が小さすぎる 根気が続かない くり返し確かめないと苦しい 体がだるい いつも体の調子がよい(※) 不平や不満が多い いらいらしやすい 人に頼りすぎる よく他人に好かれる(※) 他人の視線が気になる 吐き気、胸やけ、腰痛がある つまらぬ考えがとれない ひけ目を感じる. 237 228 217 209 205 203 200 190 189 185 178 176 176 175 173 165 162 160 160 160 159 154 154 153 151 149 147 141 140 135. 項目. 3) 32) 31) 24) 16) 48) 57) 17) 60) 43) 33) 47) 1) 26) 40) 10) 53) 7) 41) 4) 25) 37) 19) 56) 34) 55) 8) 11) 59) 49). (51.3) (49.4) (47.0) (45.2) (44.4) (43.9) (43.3) (41.1) (40.9) (40.0) (38.5) (38.1) (38.1) (37.9) (37.4) (35.7) (35.1) (34.6) (34.6) (34.6) (34.4) (33.3) (33.3) (33.1) (32.7) (32.3) (31.8) (30.5) (30.3) (29.2). わけもなく便秘や下痢をしやすい. どもったり、声がふるえる 赤面して困る おこりっぽい 不眠がちである めまいや立ちくらみがする 周囲の人が気になって困る 頭痛がする 気持ちが傷つけられやすい つきあいが嫌いである 体がほてったり、冷えたりする 気にすると冷や汗が出やすい. 食欲がない 何事も生き生きと感じられない. 他人にわるくとられやすい 人に会いたくない 汚れが気になって困る 親が期待しすぎる 他人が信じられない 動悸や脈が気になる 死にたくなる ひとりでいると落ち着かない 胸が痛んだり、しめつけられる. 他人に陰口をいわれる 排尿や性器のことが気になる 自分のへんな匂いが気になる 自分の過去や家庭は不幸である. 自分が自分でない感じがする 他人に相手にされない 気を失ったり、ひきつけたりする. 自覚者数(自覚率(%)). 128 118 110 107 103 99 99 97 96 94 88 78 76 72 71 63 60 58 54 51 51 51 50 44 42 41 39 38 27 5. (27.7) (25.5) (23.8) (23.2) (22.3) (21.4) (21.4) (21.0) (20.8) (20.3) (19.0) (16.9) (16.5) (15.6) (15.4) (13.6) (13.0) (12.6) (11.7) (11.0) (11.0) (11.0) (10.8) (9.5) (9.1) (8.9) (8.4) (8.2) (5.8) (1.1). 注)項目は自覚者数(自覚率)の多い順となっている。 (※)検証尺度. 精神的健康と不登校傾向の関係 1) UPI 面 接 呼 び 出 し 基 準 UPI56 項目 の う ち 自 覚 し た 項 目 数 が 30 項 目 以 上 の 者 ( 高 自 覚 群 61 名 ) と , 30 項 目 未 満 の 者 ( 低 自 覚 群 401 名 ) の 2 群 を 設 け た 。 登 校 回 避 行 動 に つ い て , 高 自 覚 群 の 平 均 得 点 は 12.33,標 準 偏 差 は 7.16 で あ り ,低 自 覚 群 の 平 均 得 点 は 8.11,標 準 偏 差 は 6.26 で あ っ た 。 登 校 回 避 感 情 に つ い て , 高 自 覚 群 の 平 均 得 点 は 20.02, 標 準 偏 差 は 7.55 で あ り , 低 自 覚 群 の 平 均 得 点 は 14.17, 標 準 偏 差 は 7.26 で あ っ た 。 高自覚群と低自覚群の 2 群を独立変数とし,不登校傾向尺度の各下位尺度を従属変 数 と し た t 検 定 を 行 い , そ れ ぞ れ 効 果 量 d( Cohen’s d) を 算 出 し た 。 そ の 結 果 , 登 校 回 避 行 動( t=4.80, df=460, p<.001, d=.66),登 校 回 避 感 情( t=5.84, df=460, p<.001, d=.80) の双方ともに,高自覚群が低自覚群よりも有意に高い得点を示した。すなわち,心の 不健康や精神障害が疑われる者は不登校傾向(登校回避行動・登校回避感情)が高い ことが明らかになった。 2) UPI56 項目 と UPI 下 位 尺 度 UPI56 項目( 56 項目 の 合 計 値 ),UPI 下 位 尺 度 ,不 登 校 傾 向 尺 度 の 下 位 尺 度 の そ れ ぞ れ の 平 均・標 準 偏 差 と 信 頼 性 係 数 を Table 2 に 示 し た 。Cronbach の α 係 数 は UPI56 項目. 171.

(5) Table 2. 各尺度の平均・標準偏差と信頼性係数(n =462) M. SD. α. 14.34. 11.50. .94. 3.79 2.99 1.55 1.84 3.18. 3.30 2.63 1.32 2.14 2.80. .87 .79 .62 .77 .82. 8.67 14.94. 6.54 7.55. .83 .82. UPI UPI56項目 UPI下位尺度 . 抑うつ傾向 心気症傾向 活動性 対人不信 神経症傾向 大学院不登校傾向尺度 登校回避行動 登校回避感情. Table 3. UPI下位尺度と不登校傾向尺度との関係(n =462). UPI下位尺度 抑うつ傾向 心気症傾向 活動性 対人不信 神経症傾向 2 R **. p <.01,. ***. 登校回避行動. r. β ***. .24 .31 .23 *** .07 ‐.21 *** ‐.13 .22 *** ‐.04 .23 *** .02 .11 ***. 登校回避感情. r **. **. β ***. .43 .40 .29 *** .04 ‐.32 *** ‐.21 .29 *** ‐.08 .29 *** ‐.01 .23***. ***. ***. p <.001. が .94, UPI 下 位 尺 度 が .62~ .87, 不 登 校 傾 向 尺 度 の 下 位 尺 度 が .82~ .83 で あ っ た 。 UPI 下位尺度の「活動性」のみがやや低い値であったが,総じて各尺度の高い信頼性(内 的整合性)が確認された。 UPI56 項目 を 独 立 変 数 ,不 登 校 傾 向 尺 度 の 下 位 尺 度 を 従 属 変 数 と し た 回 帰 分 析 を 行 っ た 結 果 ,UPI56 項目 か ら「 登 校 回 避 行 動 」へ の 標 準 偏 回 帰 係 数 は 有 意 な 正 の 値( β =.29, p<.001)を 示 し ,説 明 率 は 有 意 で あ っ た( R 2 =.08, p<.001)。ま た ,UPI56 項目 か ら「 登 校 回 避 感 情 」 へ の 標 準 偏 回 帰 係 数 は 有 意 な 正 の 値 ( β =.39, p<.001) を 示 し , 説 明 率 は 有 意 で あ っ た ( R 2 =.15, p<.001) 。 こ れ ら の 結 果 よ り , 精 神 的 健 康 全 般 の 低 下 は 不 登 校 傾向(登校回避行動・登校回避感情)と関係を示すことが明らかになった。 次 に , UPI 下 位 尺 度 と 不 登 校 傾 向 尺 度 の 下 位 尺 度 間 の 相 関 分 析 を 行 っ た ( Table 3 参 照 )。「 抑 う つ 傾 向 」は「 登 校 回 避 行 動 」と 有 意 な 正 の 相 関( r =.31, p<.001)を 示 し , 「 心 気 症 傾 向 」 は 「 登 校 回 避 行 動 」 と 有 意 な 正 の 相 関 ( r =.23, p<.001) を 示 し , 「 活 動 性 」 は 「 登 校 回 避 行 動 」 と 有 意 な 負 の 相 関 ( r =­.21, p<.001) を 示 し , 「 対 人 不 信 」 は「 登 校 回 避 行 動 」と 有 意 な 正 の 相 関( r =.22, p<.001)を 示 し ,「 神 経 症 傾 向 」は「 登 校 回 避 行 動 」 と 有 意 な 正 の 相 関 ( r =.23, p<.001) を 示 し た 。 ま た , 「 抑 う つ 傾 向 」 は 「 登 校 回 避 感 情 」 と 有 意 な 正 の 相 関 ( r =.43, p<.001) を 示 し , 「 心 気 症 傾 向 」 は 「 登 校 回 避 感 情 」 と 有 意 な 正 の 相 関 ( r =.29, p<.001) を 示 し , 「 活 動 性 」 は 「 登 校 回 避 感 情 」 と 有 意 な 負 の 相 関 ( r =­.32, p<.001) を 示 し ,「 対 人 不 信 」 は 「 登 校 回 避 感 情 」 と 有 意 な 正 の 相 関 ( r =.29, p<.001) を 示 し , 「 神 経 症 傾 向 」 は 「 登 校 回 避 感 情 」 と 有 意 な 正 の 相 関 ( r =.29, p<.001) を 示 し た 。 UPI 下 位 尺 度 を 独 立 変 数 , 不 登 校 傾 向 尺 度 の 下 位 尺 度 を 従 属 変 数 と し た 重 回 帰 分 析 ( 強 制 投 入 法 ) を 行 っ た ( Table 3 参 照 ) 。 そ の 結 果 ,「 抑 う つ 傾 向 」 か ら 「 登 校 回 避. 172.

(6) 行 動 」 へ の 標 準 偏 回 帰 係 数 は 有 意 な 正 の 値 ( β =.24, p<.01) を 示 し , 「 活 動 性 」 か ら 「 登 校 回 避 行 動 」 へ の 標 準 偏 回 帰 係 数 は 有 意 な 負 の 値 ( β =­.13, p<.01) を 示 し た 。 説 明 率 は 有 意 で あ っ た ( R 2 =.11, p<.001) 。 ま た , 「 抑 う つ 傾 向 」 か ら 「 登 校 回 避 感 情 」 へ の 標 準 偏 回 帰 係 数 は 有 意 な 正 の 値 ( β =.40, p<.001) を 示 し , 「 活 動 性 」 か ら 「 登 校 回 避 感 情 」 へ の 標 準 偏 回 帰 係 数 は 有 意 な 負 の 値 ( β =­.21, p<.001) を 示 し た 。 説 明 率 は 有 意 で あ っ た ( R 2 =.23, p<.001) 。 な お , VIF は 1.12~ 3.16 で あ り , 多 重 共 線 性 の 問 題がないと判断された。これらの結果から,「抑うつ傾向」は不登校傾向(登校回避 行動・登校回避感情)と正の関係を示し,「活動性」は不登校傾向(登校回避行動・ 登校回避感情)と負の関係を示すことが明らかになった。 3) UPI 各 項 目 精 神 的 健 康 と 不 登 校 傾 向 と の 関 係 性 を さ ら に 細 か く 分 析 す る た め に , UPI 各 項 目 の 自覚群と非自覚群の 2 群を独立変数,不登校傾向尺度の各下位尺度を従属変数とした t 検 定 を 行 い , そ れ ぞ れ 効 果 量 d( Cohen’s d) を 算 出 し た 。 UPI 各 項 目 と 登 校 回 避 行 動 と の 関 係 を Table 4 に 示 し , UPI 各 項 目 と 登 校 回 避 感 情 と の 関 係 を Table 5 に 示 し た 。 UPI 各 項 目 と 登 校 回 避 行 動 と の 関 係 に つ い て は ,UPI 全 項 目 の う ち 48 項 目 が 有 意 で あり,各項目が意味する内容を自覚している者は自覚していない者と比べ有意に登校 回 避 行 動 が 高 い こ と が 判 明 し た 。ま た ,効 果 量 に 注 目 す る と ,効 果 量 が 大 き い( .80≦ d)と 解 釈 さ れ る も の は ,て ん か ん 圏 の 疑 い が あ る と さ れ る「 気 を 失 っ た り ,ひ き つ け た り す る 」 の 1 項 目 で あ っ た ( 有 意 で は な い ) 。 効 果 量 が 中 程 度 ( .50≦ d< .80) と 解 釈されるものは「何事も生き生きと感じられない」「不平や不満が多い」「死にたく なる」「気分に波がありすぎる」「気持ちが傷つけられやすい」「他人に相手にされ ない」「ひとりでいると落ち着かない」「他人が信じられない」の 8 項目であった。 こ れ ら の 項 目 は 抑 う つ・不 安 傾 向 が 中 心 で あ る が ,そ の 中 に は 注 意 す べ き 特 定 項 目( 平 山・全 国 大 学 メ ン タ ル ヘ ル ス 研 究 会 , 2011)で あ る「 死 に た く な る 」が 含 ま れ て い た 。 自殺念慮に関する訴えは登校回避行動につながる可能性がある。 ま た ,効 果 量 が 小 さ い( .20≦ d< .50)と 解 釈 さ れ る も の は 46 項 目 で あ っ た 。そ の 中 に は ,注 意 す べ き 特 定 項 目( 平 山 ・ 全 国 大 学 メ ン タ ル ヘ ル ス 研 究 会 , 2011)で あ る「 自 分の過去や家庭は不幸である」「自分のへんな匂いが気になる」「他人に陰口をいわ れる」「人に会いたくない」が含まれていた(「他人に陰口をいわれる」「人に会い たくない」は有意ではない)。 次 に ,UPI 各 項 目 と 登 校 回 避 感 情 と の 関 係 に つ い て は ,UPI 全 項 目 の う ち 53 項 目 が 有意であった。各項目が意味する内容を自覚している者は自覚していない者と比べ有 意に登校回避感情が高いことが判明した。また,効果量に注目すると,効果量が大き い 項 目( .80≦ d)は「 何 事 も 生 き 生 き と 感 じ ら れ な い 」と「 不 平 や 不 満 が 多 い 」の 2 項 目 で あ り , 抑 う つ 傾 向 を 表 す 内 容 で あ っ た 。 効 果 量 が 中 程 度 の 項 目 ( .50≦ d< .80) は 「 自 分 の 過 去 や 家 庭 は 不 幸 で あ る 」「 死 に た く な る 」「 自 分 の へ ん な 匂 い が 気 に な る 」 な ど の 24 項 目 で あ り ,効 果 量 が 小 さ い 項 目( .20≦ d< .50)は「 気 を 失 っ た り ,ひ き つ け た り す る 」「 他 人 に 陰 口 を い わ れ る 」「 人 に 会 い た く な い 」な ど の 31 項 目 で あ っ た (「人に会いたくない」などの 4 項目は有意ではない)。ここで例示した項目は注意 す べ き 特 定 項 目( 平 山 ・ 全 国 大 学 メ ン タ ル ヘ ル ス 研 究 会 , 2011)で あ る 。特 に「 死 に た くなる」は登校回避行動との関係において中程度の効果量を示したが,登校回避感情 との関係においても同様に中程度の効果量を示した。自殺念慮に関する訴えは不登校 傾向(登校回避行動・登校回避感情)につながる可能性があると考えられる。. 173.

(7) Table 4. UPI各項目と登校回避行動との関係(n =462) 自覚群. n 49) 26) 6) 25) 15) 60) 59) 37) 41) 12) 23) 28) 54) 11) 46) 24) 13) 19) 8) 38) 2) 30) 55) 35) 16) 22) 21) 3) 20) 39) 44) 48) 7) 58) 29) 10) 5) 40) 56) 17) 27) 47) 14) 43) 42) 53) 57) 4) 18) 33) 36) 9) 45) 52) 34) 50) 1) 32) 51) 31). 気を失ったり、ひきつけたりする 何事も生き生きと感じられない 不平や不満が多い 死にたくなる 気分に波がありすぎる 気持ちが傷つけられやすい 他人に相手にされない ひとりでいると落ち着かない 他人が信じられない やる気が出てこない いらいらしやすい 根気が続かない つまらぬ考えがとれない 自分が自分でない感じがする 体がだるい おこりっぽい 悲観的になる 胸が痛んだり、しめつけられる 自分の過去や家庭は不幸である ものごとに自信をもてない 吐き気、胸やけ、腰痛がある 人に頼りすぎる 自分のへんな匂いが気になる 気分が明るい(※) 不眠がちである 気疲れする 気が小さすぎる わけもなく便秘や下痢をしやすい いつも活動的である(※) 何事もためらいがちである ひけ目を感じる めまいや立ちくらみがする 親が期待しすぎる 他人の視線が気になる 決断力がない 人に会いたくない いつも体の調子がよい(※) 他人にわるくとられやすい 他人に陰口をいわれる 頭痛がする 記憶力が低下している 気にすると冷や汗が出やすい 考えがまとまらない つきあいが嫌いである 気をまわしすぎる 汚れが気になって困る 周囲の人が気になって困る 動悸や脈が気になる 首筋や肩がこる 体がほてったり、冷えたりする なんとなく不安である 将来のことを心配しすぎる とりこし苦労をする くり返し確かめないと苦しい 排尿や性器のことが気になる よく他人に好かれる(※) 食欲がない どもったり、声がふるえる こだわりすぎる 赤面して困る. 5 72 154 51 175 96 27 51 54 165 153 160 140 38 159 107 176 50 39 173 141 151 41 237 103 228 160 128 176 178 135 99 58 147 200 63 154 71 44 97 209 78 185 94 162 60 99 51 205 88 217 189 190 160 42 149 76 118 203 110. 注)項目は効果量d の大きい順となっている。 *. **. p <.05, p <.01, (※)検証尺度. ***. p <.001. 174. M(SD) 13.80(3.56) 12.61(7.20) 11.56(6.74) 12.18(7.35) 11.03(6.74) 11.67(6.37) 11.89(7.53) 11.57(7.13) 11.54(6.80) 10.68(7.03) 10.72(6.47) 10.68(7.03) 10.76(7.16) 11.34(6.65) 10.54(6.93) 10.82(6.61) 10.39(6.93) 11.14(7.27) 11.03(6.45) 10.29(6.91) 10.40(7.24) 10.37(6.43) 11.00(6.47) 7.52(5.99) 10.46(6.77) 9.83(6.96) 10.14(6.57) 10.26(6.40) 7.31(5.93) 10.03(6.79) 10.25(6.67) 10.38(6.78) 10.57(6.57) 10.07(6.66) 9.81(6.80) 10.35(7.42) 7.42(6.15) 10.28(7.07) 10.41(6.24) 10.10(6.69) 9.65(6.96) 10.19(6.64) 9.68(6.81) 10.00(7.19) 9.66(6.69) 9.95(6.80) 9.83(7.16) 9.92(7.63) 9.46(6.73) 9.81(7.02) 9.41(6.83) 9.47(6.80) 9.49(6.87) 9.58(6.84) 9.88(7.44) 7.85(6.61) 9.67(7.61) 9.35(6.02) 9.19(6.56) 8.81(5.72). 非自覚群. n 457 390 308 411 287 366 435 411 408 297 309 302 322 424 303 355 286 412 423 289 321 311 421 225 359 234 302 334 286 284 327 363 404 315 262 399 308 391 418 365 253 384 277 368 300 402 363 411 257 374 245 273 272 302 420 313 386 344 259 352. M(SD) 8.61(6.54) 7.94(6.15) 7.22(5.94) 8.23(6.30) 7.23(5.98) 7.88(6.36) 8.47(6.43) 8.31(6.38) 8.29(6.41) 7.55(5.97) 7.65(6.34) 7.60(6.01) 7.76(6.04) 8.43(6.48) 7.69(6.11) 8.02(6.38) 7.61(6.06) 8.37(6.39) 8.45(6.51) 7.70(6.11) 7.91(6.06) 7.84(6.44) 8.44(6.51) 9.88(6.88) 8.16(6.39) 7.53(5.90) 7.89(6.39) 8.06(6.50) 9.51(6.76) 7.82(6.24) 8.02(6.38) 8.20(6.40) 8.40(6.50) 8.01(6.39) 7.80(6.21) 8.40(6.36) 9.30(6.64) 8.38(6.40) 8.49(6.55) 8.29(6.45) 7.86(6.06) 8.36(6.48) 8.00(6.27) 8.33(6.32) 8.13(6.40) 8.48(6.48) 8.35(6.33) 8.51(6.38) 8.04(6.32) 8.40(6.40) 8.01(6.20) 8.11(6.30) 8.09(6.25) 8.19(6.33) 8.55(6.44) 9.06(6.47) 8.47(6.30) 8.44(6.70) 8.26(6.51) 8.63(6.78). t. d. 1.77 5.16 ** 6.78 ** 4.13 ** 6.15 ** 5.19 ** 2.66 ** 3.40 ** 3.47 ** 4.83 ** 4.86 ** 4.71 ** 4.33 ** 2.65 ** 4.38 ** 3.95 ** 4.38 ** 2.85 ** 2.37 * 4.07 ** 3.57 ** 3.96 ** 2.40 * ‐3.91 ** 3.18 ** 3.83 ** 3.56 ** 3.27 ** ‐3.67 ** 3.58 ** 3.38 ** 2.97 ** 2.38 * 3.19 ** 3.31 ** 1.97 ‐2.94 ** 2.27 * 1.86 2.44 * 2.92 ** 2.27 * 2.72 ** 2.06 * 2.41 * 1.63 2.00 * 1.45 2.35 * 1.82 2.31 * 2.20 * 2.28 * 2.18 * 1.26 ‐1.87 1.29 1.31 1.53 0.28. .80 .74 .70 .62 .61 .60 .53 .50 .50 .49 .48 .48 .47 .45 .45 .44 .43 .43 .40 .40 .39 .39 .39 .37 .36 .36 .35 .34 .34 .34 .34 .34 .33 .32 .31 .30 .29 .29 .29 .28 .28 .28 .26 .26 .24 .23 .23 .22 .22 .22 .22 .21 .21 .21 .20 .19 .18 .14 .14 .03.

(8) Table 5. UPI各項目と登校回避感情との関係(n =462) 自覚群. 26) 6) 59) 28) 12) 8) 15) 39) 25) 46) 58) 13) 38) 60) 23) 41) 30) 29) 37) 21) 35) 47) 54) 22) 55) 11) 20) 24) 36) 5) 14) 3) 16) 17) 27) 32) 44) 49) 40) 57) 9) 56) 50) 2) 43) 7) 45) 48) 52) 33) 4) 10) 42) 31) 34) 18) 19) 1) 53) 51). 何事も生き生きと感じられない 不平や不満が多い 他人に相手にされない 根気が続かない やる気が出てこない 自分の過去や家庭は不幸である 気分に波がありすぎる 何事もためらいがちである 死にたくなる 体がだるい 他人の視線が気になる 悲観的になる ものごとに自信をもてない 気持ちが傷つけられやすい いらいらしやすい 他人が信じられない 人に頼りすぎる 決断力がない ひとりでいると落ち着かない 気が小さすぎる 気分が明るい(※) 気にすると冷や汗が出やすい つまらぬ考えがとれない 気疲れする 自分のへんな匂いが気になる 自分が自分でない感じがする いつも活動的である(※) おこりっぽい なんとなく不安である いつも体の調子がよい(※) 考えがまとまらない わけもなく便秘や下痢をしやすい 不眠がちである 頭痛がする 記憶力が低下している どもったり、声がふるえる ひけ目を感じる 気を失ったり、ひきつけたりする 他人にわるくとられやすい 周囲の人が気になって困る 将来のことを心配しすぎる 他人に陰口をいわれる よく他人に好かれる(※) 吐き気、胸やけ、腰痛がある つきあいが嫌いである 親が期待しすぎる とりこし苦労をする めまいや立ちくらみがする くり返し確かめないと苦しい 体がほてったり、冷えたりする 動悸や脈が気になる 人に会いたくない 気をまわしすぎる 赤面して困る 排尿や性器のことが気になる 首筋や肩がこる 胸が痛んだり、しめつけられる 食欲がない 汚れが気になって困る こだわりすぎる. n 72 154 27 160 165 39 175 178 51 159 147 176 173 96 153 54 151 200 51 160 237 78 140 228 41 38 176 107 217 154 185 128 103 97 209 118 135 5 71 99 189 44 149 141 94 58 190 99 160 88 51 63 162 110 42 205 50 76 60 203. 注)項目は効果量d の大きい順となっている。 *. **. p <.05, p <.01, (※)検証尺度. ***. p <.001. 175. M(SD) 20.28(7.38) 18.98(7.42) 20.00(8.66) 18.18(7.19) 18.04(7.50) 19.31(8.33) 17.82(7.32) 17.80(7.13) 18.96(7.84) 17.82(7.60) 17.94(7.24) 17.59(7.13) 17.63(7.29) 18.39(7.54) 17.78(7.43) 18.72(7.56) 17.74(6.69) 17.25(7.33) 18.67(6.83) 17.56(7.28) 12.98(7.19) 18.35(7.40) 17.76(7.41) 16.86(7.57) 18.51(7.74) 18.39(8.23) 12.71(7.25) 17.75(7.68) 16.79(7.66) 12.65(7.82) 16.98(7.22) 17.36(7.42) 17.52(7.23) 17.52(7.32) 16.73(7.71) 17.35(6.99) 17.22(7.55) 18.00(1.22) 17.46(8.47) 17.28(7.85) 16.63(7.80) 17.57(8.15) 13.12(7.89) 16.75(7.63) 16.93(8.40) 17.03(7.54) 16.32(7.53) 16.60(7.16) 16.30(7.45) 16.49(7.15) 16.61(8.51) 16.56(7.32) 16.09(7.57) 16.23(6.68) 16.48(7.96) 15.83(7.99) 16.26(8.57) 16.14(7.83) 16.08(7.90) 15.45(7.61). 非自覚群. n 390 308 435 302 297 423 287 284 411 303 315 286 289 366 309 408 311 262 411 302 225 384 322 234 421 424 286 355 245 308 277 334 359 365 253 344 327 457 391 363 273 418 313 321 368 404 272 363 302 374 411 399 300 352 420 257 412 386 402 259. M(SD) 13.95(7.17) 12.92(6.77) 14.63(7.38) 13.23(7.18) 13.22(7.02) 14.54(7.36) 13.18(7.15) 13.15(7.26) 14.44(7.37) 13.43(7.08) 13.54(7.29) 13.31(7.35) 13.33(7.25) 14.04(7.30) 13.53(7.22) 14.44(7.42) 13.58(7.58) 13.18(7.25) 14.48(7.52) 13.55(7.33) 17.00(7.39) 14.25(7.40) 13.71(7.29) 13.07(7.07) 14.59(7.45) 14.63(7.42) 16.31(7.41) 14.09(7.31) 13.30(7.07) 16.08(7.16) 13.57(7.47) 14.01(7.41) 14.20(7.49) 14.25(7.47) 13.46(7.10) 14.11(7.57) 14.00(7.36) 14.91(7.59) 14.48(7.29) 14.30(7.35) 13.77(7.16) 14.66(7.44) 15.81(7.24) 14.14(7.39) 14.43(7.25) 14.64(7.51) 13.98(7.43) 14.49(7.60) 14.22(7.52) 14.57(7.61) 14.73(7.41) 14.68(7.56) 14.32(7.48) 14.54(7.77) 14.79(7.50) 14.23(7.12) 14.78(7.41) 14.70(7.48) 14.77(7.49) 14.54(7.49). t. d. 6.85 ** 8.78 ** 3.64 ** 7.05 ** 6.91 ** 3.83 ** 6.69 ** 6.74 ** 4.10 ** 6.18 ** 6.05 ** 6.15 ** 6.16 ** 5.16 ** 5.89 ** 3.98 ** 5.99 ** 5.94 ** 3.79 ** 5.61 ** ‐5.92 ** 4.46 ** 5.45 ** 5.55 ** 3.21 ** 2.97 ** ‐5.11 ** 4.48 ** 5.08 ** ‐4.58 ** 4.87 ** 4.35 ** 4.01 ** 3.84 ** 4.74 ** 4.08 ** 4.25 ** 4.74 ** 3.09 ** 3.53 ** 4.07 ** 2.44 * ‐3.51 ** 3.46 ** 2.88 ** 2.27 * 3.31 ** 2.48 * 2.84 ** 2.15 * 1.68 1.83 2.41 * 2.23 * 1.39 2.29 * 1.31 1.52 1.26 1.30. .88 .87 .72 .69 .67 .64 .64 .64 .61 .60 .60 .59 .59 .59 .58 .58 .57 .56 .56 .55 .55 .55 .55 .52 .52 .50 .49 .49 .47 .46 .46 .45 .45 .44 .44 .44 .43 .41 .40 .40 .39 .39 .36 .35 .33 .32 .31 .28 .28 .26 .25 .25 .24 .22 .22 .21 .20 .19 .17 .12.

(9) まとめと今後の課題 本研究は大学院生の精神的健康の実態を明確にした上で,精神的健康と不登校傾向 (登校回避行動・登校回避感情)との関係を実証的に検討することを目的とした。結 果を要約すると以下の通りである。 ①抑うつ・不安傾向を中心とした精神的健康の問題を自覚する大学院生が多く存在 し,今日の大学院生の精神的健康は憂慮すべき状況にある。 ② 大 学 院 生 の 11% が 自 殺 念 慮 に 関 す る 訴 え を 持 つ 。 ③心の不健康や精神障害が疑われる大学院生は不登校傾向が高い。 ④精神的健康全般の低下は不登校傾向と密接な関係を持つ。 ⑤抑うつ傾向は不登校傾向につながりやすい。 ⑥自殺念慮に関する訴えは不登校傾向につながるおそれがある。 以上の結果を鑑みると,大学院の設置されたキャンパスの保健管理施設では,大学 院生の精神的健康状態にのみ着目するのではなく,その精神的健康の問題が不登校傾 向につながりうることをまずは理解する必要がある。そして,精神的健康の問題が見 られる場合,不登校を予防するためにも,保健管理施設の中だけでの対応に終始する ことなく,当該大学院生との同意の上,当該大学院生が在籍する研究科の教職員と連 携しながら支援にあたることが望まれる。 今 後 は 大 学 院 生 の 精 神 的 健 康 を 測 定 す る 際 に , UPI だ け で な く , 精 神 的 健 康 に 関 す る 他 の 尺 度 も 活 用 す る こ と が 求 め ら れ る 。ま た ,国 や 地 域 に よ る 違 い を は じ め ,性 別 , 学年別,専攻別,課程別(修士課程・博士課程等),学生区分別(日本人学生・外国 人留学生・社会人学生等),国公私立別など,多様な観点から分析することが必要で ある。. 引用文献 Evans, T. M., Bira, L, Gastelum, J. B., Weiss, L. T., Vanderford, N.L.( 2018). Evidence for a mental health crisis in graduate education. Nature Biotechnology, 36, 282–284. 平 山 皓 ・ 全 国 大 学 メ ン タ ル ヘ ル ス 研 究 会 ( 2011). 大 学 生 の メ ン タ ル ヘ ル ス 管 理 UPI 利用の手引き. 創造出版.. 堀 井 俊 章 ( 2006). 大 学 生 に お け る 不 登 校 傾 向 の 実 態 調 査. 山形大学保健管理センタ. ー 紀 要 , 5, 62­67. 堀 井 俊 章 ( 2013). 大 学 生 不 登 校 傾 向 尺 度 の 開 発. 学 生 相 談 研 究 , 33, 246­258.. 堀 井 俊 章 ( 2015). 大 学 生 不 登 校 傾 向 尺 度 の 開 発 ( 続 報 ). 横浜国立大学教育人間科. 学 部 紀 要 Ⅰ ( 教 育 科 学 ) , 17, 115­130. 堀 井 俊 章 ( 2019). 大 学 院 生 の 不 登 校 傾 向 を 測 定 す る 試 み. 横浜国立大学教育学部紀. 要 Ⅰ ( 教 育 科 学 ) , 2, 127­135. 井 出 草 平 ・ 水 田 一 郎 ・ 谷 口 由 利 子 ( 2011). ひ き こ も り 状 態 に あ る 大 学 生 数 の 推 定 Campus Health, 48(2), 186−191. 池 田 忠 義 ( 2010). 相 談 対 象 に 応 じ た 援 助 大 学 院 生. 日 本 学 生 相 談 学 会 50 周 年 記 念. 誌 編 集 委 員 会 ( 編 ) 学 生 相 談 ハ ン ド ブ ッ ク ( pp.98−102) 学 宛 社 川 﨑 裕 史・松 浦 和 文・横 田 恵・劉 偉 媛・露 繁 巧 江・濱 本 尊 博・福 本 絵 里・林 甜. 176.

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