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自閉症児を育てる母親への就学前後における支援と子育てに対する気持ちの揺れ

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Academic year: 2021

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(1)(論文要旨). 自閉症児を育てる母親への就学前後における支援と 子育てに対する気持ちの揺れ           学校教育学専攻           学校心理学コース.          M08045G          辻 下    真  弓  以上のことから、本研究では、自閉症児の母. I I間題と目的.  子どもが小学校に入学することは、子育てを. 親のストレスが高いという報告があった小学校. している母親にとって期待がふくらむことであ. 就学前後に注目をし、母親の子育てに対する気. るが、不安も感じることである。障害児を育て. 持ちの揺れを明らかにすることを目的とする。. る母親のストレスの研究(稲浪・西・小椋. またそれぞれの母親の気持ちの揺れと、就学前. ,1980)によると、自閉症児の母親は、他の様. 後での支援との関連を分析し、求められる母親. 々な障害の子どもの母親よりも有意に高く、植. 支援について質的に検討する。. 村・新見(1985)も自閉症児の母親のストレス. が知的障害児の母親よりも全般的に有意に高. 皿.方法. く、ストレスの高さは子どもが就学年齢に到達. 1.調査対象者. した直後にピ]クになることを明らかにしてい.  大阪府内に住む、自閉症または自閉傾向のあ. る。自閉症は早期発見・早期療育の有効性が実. る小学1年生以上の子どもを育てる母親19名。. 証的に示されてはいるものの、障害の気づきか. 自閉症療育センターや、自閉症などの親の会、. ら診断までの時間が長くかかっていること(釘. 知人を通じて面接調査の主旨を伝え協力の同意. 崎・服巻,2005)や就学前の自閉症児の母親は、. を得た。自閉症児の各年齢段階別の人数は,7. 診断が確定されいったん障害認識に至っても、. 歳∼12歳が1o名、13歳∼18歳が6名、19歳. 新たな問題の生起によって、障害受容は阻害さ. 以上が3名。性別は、男子14名、女子5名で. れること(夏堀,2001)が明らかにされている。. あった。.  2005年に、発達障害者支援法が施行され発. 2.調査時期. 達障害の定義に自閉症という障害が記載され.  2010年9月∼10月. た。学校教育現場においては、特別支援教育の. 3.調査方法. 流れの中で自閉症の障害特性に応じた教育が進.  1対1の半構造化面接を行い、まず子どもの. められてきている。それでもなお、自閉症児の. 個人属性(生年月目,所属の学校・学年,きょ. 母親は、幼児期の後半において就学先の選択が. うだいの年齢,就学前の所属機関)を尋ねた。. ストレスになったと述べる母親が多くいる(湯. その後、小学校入学前と後に分けて、r子ども. 沢・渡辺・松永,2007)ことがわかっている。. のできごとや様子」「母親の子育てに対する気. 一50一.

(2) 持ちj r相談相手や相談機関jを尋ねた。最後. が明らかになった。また、親の会などで「先輩. に入学前後に欲しい支援を尋ねた。なお暇親. ママ」たちの経験を通して、親は子どもへの効. の子育てに対する気持ち」の揺れを詳細に捉え. 果的な教育サービスを求めて権利を主張しなけ. るために、r感情曲線」用紙に曲線で描いても. ればならないということを学んでいる。要望書. らう方法をおこなった。. を提出する親や、療育センターへ教師を連れて いく母親の姿から、アドボカシー(権利擁護). 皿.結果および考察. の意識が生まれてきていることがわかった。.  本研究で、自閉症児を育てる母親の子育てに. V.今後の課題. 対する気持ちは、r感情曲線」が示す図と発話.  本研究において、母親に入学時期を回想して. の分析から、就学前後(入学前1年間と入学後. もらったが、調査協力者の子どもの年齢の幅が. の夏ごろまで)において揺れているということ. 大きかったため、回想の質や内容にばらつきが. がわかった。その揺れに影響を及ぼしている要. 大きくなっていると予想される。今後は倫理的. 因として次の3点が挙げられる。. 配慮も考慮に入れながらも、子どもの年齢を小. ①子どもの障害特性. 学校の低学年とすることが望ましいと考えられ. ②母親の個人特性. る。. ③就学前後の支援のあり方  特別支援教育が本格的に実施されるようにな. り3年が経過していて、教員向けに自閉症を含. 主任指導教貴  小林 小夜子. む発達障害に関する研修が多く行われるように. 指導教員  秋光 恵子. なってきている。その成果としては、新しい環 境に慣れるための準備や、スケジュールをわか りやすく提示するなどの工夫が見られる。また 小学校に入学後は、特別支援学級の担任が多く. の母親の相談相手となっていることからも理解 される。しかし、現状では、就学先に要望を伝 えることを難しいと思っている母親や、教師の 発言で傷ついている母親もいる。また、個々の 教員によって子どもの理解や母親への対応の差 が大きく、母親たちの苦労も少なくないようで ある。今後支援者である教師の研修に、母親支. 援の観点からの研修も重要であると考えられ る。.  本研究の面接調査から、子育てに対する母親 の気持ちの不安という感情には、そのことから 引き出される前向きな気持ちも同時にあること. 一51一.

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