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高等学校段階での進路選択行動と時間的展望の関係-短期縦断的調査にもとづく検討-

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Academic year: 2021

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(1)高等学校段階での進路選択行動と時間的展望の関係        一短期縦断的調査にもとづく検討一                             学校教育学専攻                             臨床心理学コース                             M06136C                             濱田 健司. 1.目的. 特性的自己効力感尺度(成田・不仲・中里・河.  時問的展望について此Wmは「ある一定の時. 合・佐藤・長田、1995)で構成する。. 点における個人の心理学的過去と未来ついての.  尚、実際にデータ処理を行う対象としては、. 見解の総体(Lewh,1951)」と述べている。. 3回とも質問紙に回答した生徒だけとすした。.  青年は、日常的にも自分自身の過去を振り返. また、同時には選択し得ない項目が選ばれるな. ったり、これから先の未来のことを考えるが、. ど、明らかに不適切と思われる回答がなされた. 中学卒業、高等学校卒業、大学卒業の時点で、. ものは除外する。ただし、高等学校の授業時間. 自分自身の進路選択について思案する過程にお. 帯に行う質問紙調査なので、教育的な配慮や実. いて、自分の将来や生き方について考えること. 施上の容易さを考慮し、全ての調査場面におい. がいっそう求められる。. て、出席者全員に質問紙を配布し、回収後に分.  本研究では3つの異なる学年コホートに属す. 別を行うようにした。. る高校生に対して計3回の短期縦断的調査を行 3 結果と分析. い、被験者内変動と被験者問変動の両方の視点. 調査協力者の内訳はTab1e1の通りである。. から、高等学校段階での進路選択行動、時問的 展望、自己効力感の関係について検討する。. 調査協力者の内訳. 2.方法 (1)調査対象.  筆者の勤務校である公立高校に在籍し、1学 年から3学年までに所属する生徒を対象とした。 (2)実施方法と調査時期 調査方法は、質問紙調査を教科担当者に依頼し、. 授業時間の最初の15分間を使って行ってもら. 第1回訓査時. 回答率. の在籍者数. (%). 性別. 人数. 男. 5.   87. 5,7. 女. 13.   103. 12,6. 男. 8. 女. 15.   63   66   69   70. 男. 15. 女. 17. 男. 28 45. 女. った。調査時期と回数については、体育祭や文.   219   239. 12,7 22,7. 21,7 24,3 12,8 18.8. 化察などの学校行事を考慮し、3年生の進路指.  調査結果の集計はTab1e2の通りである。. 導上の日程にも配慮した上で、計3回の調査を.  調査校は単位制高校であるが、もともと工業. 概ね3ヶ月に1回の間隔で行った。. 高校であり、専門教育と職業指導を行っている.  第1回目の調査は5月下句に行った。第2回. 系列が5系列中4系列あることに加え、求人数. 目の調査は9月上句に行った。. も多く、一般の高等学校に比べて就職を希望す. (3)調査内容. る割合が高いのがわかる。.  質問紙には所属、氏名、男女、の記述欄を設.  また、3年生で進路希望先が未定の生徒の中. け、各人をコード化できるようにした。質問紙. には、卒業要件を満たすことができない生徒や、. の内容は(i)進路選択行動に関する質問、(i). 入学時から4年計画で履修した生徒が含まれて. 時間的展望体験尺度(白井、1994;1997)、(㎜). いる。. 一116一.

(2) Tab1e2 調査結果の集計 第1回 学年. 1年生. 2年生. 3年生. 人数. 18. 23. 32. 進路希望. 人数. 比率. 第2回. i%). 人数. 比率.  そういった意味で、高校生が進路選択行動を 第3回. i%). 人数. 取る契機としては、卒業後の道を決める必要に. 比率. 迫られ、進路指導を繰り返し受けることによる. i%). 就噴希・望. 4. 22.2. 7. 38.9. 8. 4414. 進学希望 未定. 5. 27.8. 5. 27.8. 6. 33.3. など、消極的な要因が考えられる。であるなら. 9. 50.0. 6. 33.3. 4. 22.2. ば、時間的展望体験尺度の下位項員の得点や特. 就騎希望 進学希望 未定. 6. 26.1. 3. 13.0. 5. 21.7. 9. 39,1. 11. 47.8. 性的自己効力感尺度得点の中で連動しない項目. 34.8. 9. 39.1. 9 9. 39.1. 8. 就騎希望 進学希望 未定. 13. 40.6. I5. 46.9. 14. 43.8. 13. 40.6. 15. 46.9. 16. 50.O. 6. 18.8. 2. 6.3. 2. 6.3. が存在することもうなずける。. 39.1.   一方、キャリア教育を行い進路選択行動を 取るように促すことは、時問的展望を発達させ、 自己効力感をも高めていくことが期待される。.  Fig1において、1年生では、進路希望の伸び.  浦上(1995)は、「自分の進路を自分で決める」. に対して進路希望先の具体性は変化せず、準備. ことに対する援助的介入の視座を持つ概念とし. 行動は逆に減少しているが、3年生では、進路. て、進路選択に対する自己効力概念が最も有用. 希望、進路希望先の具体性、準備行動が連動し. であると考えられる。特に、行動変容のために. ている様子が現れている。. 操作することが可能であることが、自己効力概 念の持っ特徴であると述べている。. 一ト進路希望がある.  これらより、初期指導の目標として進路選択. 一■一進路希望先が具体的. に対する自己効力感を高めることが慣用である. 一‘一準備行動が有る. ことがわかる。. 100.m1.  杉村(1998)は,青年の身近な対人的文脈に. 90.“. 焦点を当てて,そこでの他者との関係性の観点. oo、“. 一0.0,1. から,青年期におけるアイデンティティの形成. oo、帆. をとらえ直すことを目的とした。アイデンティ. 50.“. ティ形成は,自己の視点に気づき,他者の視点. 仰.“. 30.㎜. を内在化すると同時に,そこで生じる両者の視. 20.“. 点の食い違いを相互調整によって解決するプロ. 10.“. セスであると言うことができると述べている。. o.㎜.    1回2回3回1回2回3回1回2回3回.  これらのことから、進路指導を実りある取り.     1年生     2年生   3年生. 組みとするためにも、授業や行事など学校生活. Fig1進路希望、具体性、準備行動の有無に関. 全般について、アイデンティティの形成を助け、.    する学年別、調査期別の実態. 自己効力感が高まるような体験を積めるように デザインすることが求められる。そして、全て の学校教育活動をキャリア教育の視点を含めて. 4.総合考察  全体を通しての印象は、高校生にとって進路. 検討すことも無意味ではなかろう。. 希望を決めることは、必ずしも進路選択行動と. 呼べない感がある。特に多くの1年生と2年生 にとって進路とは漠然とした将来イメージでし. 主任指導教官:藤生 英行. かないのかも知れない。そのイメージが具体化. 指導教員  :嶋崎 まゆみ. し、さらに準備行動が伴って初めて進路選択行 動があったと呼べるのではないか。. 一117一.

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