高等学校「家庭」における食生活を中心とした新しい授業構想~食卓写真の比較から私たちの生活を探る~
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(2) を実施した(表1)。. るのに効果的」「イメージや考えが深まった」「新しい知. ①世界と日本,過去と現在の食卓写真を比較するこ. 識を得た」という回答が6段階尺度(中央値3.5)で平. とで,社会の変化と現在の私たちの生活課題を認. 均5,0以上であった。r(世界の家族の食生活が)一目. 謝し,課題に前向きに取り組む態度を育てる。. でわかるほど違っていて印象的。たぶん,文章で説明. ②写真やイラストなどの視覚教材を取り入れた学習. されていたらここまで印象に残らなかったと思う」という. の効果を検証する。. 記述にあるように,写真がもつメッセージ性が生徒を. ③グループ活動を中心とした授業による生徒の相互. 惹きつけた。また,ふりかえりアンケートから,昭和初期. 学習効果について検証する。. の生活のイラスト発表や,各自が記録した夕食写真も 比較して学ぶための効果的な教材であった。. 皿.授業実践の結果と考察 事前・事後に実施したアンケート(6段階尺度,自由. ③グループ活動を中心とした授業による生徒の相互. 記述,イメージマップ),各授業のふりかえりアンケート. 学習効果について検証する。. (項目選択・複数回答可,自由記述),グループワーク. 事前・事後アンケートの結果,「グループ内で積極. の成果物を分析した。授業の目的ごとに考察する。. 的に意見を言う」「クラス全体にわかりやすく発表する」. ①世界と日本,過去と現在の食卓写真を比較するこ とで,社会の変化と現在の私たちの生活課題を認 謝し,課題に前向きに取り組む態度を育てる。. 事前・事後アンケートの比較から「現在の日本の食 生活には問題がある」「世界共通の食に関する課題が ある」「自分の将来の食生活について心配や不安があ. る」の3項目で有意な変化がみられた(Wi1coxonの符 号付順位和検定p〈.05)。また,イメージマップには. rハンバーグ→肉→とうもろこし飼料の輸入→食料危 機」r野菜は国産?」r家族での食事⇔孤食,個食」な. 「家庭科の授業は楽しい」の3項目で有意な変化がみ られた(p〈.05)。「家庭科は楽しい」に対する事後ア. ンケートの自由記述内容の半数はグル』プ学習に関 するものであり,「色々な意見を聞いて想像の幅が広 がる」r友達の意見はちゃんと心に残る」rみんなと協 力してする時,意見が合わなくて大変なこともあったけ ど,全体を通して見ると有意義だった」などと記述した。. 友人との相互の意見交換を通して学びを深めている 様子がうかがえる。. 以上①∼③より,授業目的は達成されたと言える。. ど,現代の食生活課題を意識する記述が増加した。. w.まとめと今後の課題. 授業以前から食文化に関心の高い生徒群であったが,. 高等学校「家庭」において私たちの生活全体をとら. 授業を通じて食を取り巻く状況を総合的にとらえて課. えて課題を発見し,身近な生活の中で解決を考える. 題意識を持つようになった。学習のまとめワークシート. 授業を構想し,写真教材や参加型学習を取り入れた. には今後の自分の取り組みについて「家庭の味を受. 全9時限の授業を実施した。生徒は授業を通じて,食. け継ぐ。祖母や母と一緒に料理をし,無駄の少ないご. を起点にして生活全体について考え,時間,空間の. 飯をつくる。便利さの裏にあることを考えたいと思う」. 二方向から比較して学び,そこから発見された課題解. r食料不足の解消のため,まずはゴミと無駄を減らす」. 決について考えるようになった。今後は,食以外を起. という身近なものから,「食の平等を実現し,地球に住. 点にして生活全体をとらえる授業を提案すること,数. む全員が楽しい食事の時間を過ごしたい。自分自身. 時限ずつの段階に分けた実践しやすい授業を構想す. はまだまだ世界のことをわかっていない,と授業を通し. ること,多様な生徒を対象にした場合の学習効果の検. て分かった。今後,自分に何ができるかを考え,判断. 証などを行いたい。. して行動に移していきたい」という地球規模の思考ま. 1)『環境祉会学』嘉囲由紀子、岩波書店,2002 2)『水辺くらしの環境学』嘉閾由紀子,昭和堂,2001 3〕『地球の食卓世界24か国の家族のごはん』ピーター・メンツェル牛フェ. で,各自の意思が記された。. イス・ダルージオ、TOTO出版,2006 4〕『日本の食生活全集27間き書き大阪の食事』農文協、1991. ②写真やイラストなどの視覚教材を取り入れた学習 の効果を検証する。. 主任指導教員中岡義介. 事後アンケートでは,写真教材はr興味をひきつけ. 指導教員 増澤康男. 一443一.
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