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京都市における小中一貫教育の施設計画とそのプロセス [ PDF

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Academic year: 2021

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       28-1 1. 研究の背景と目的 1-1. 小中一貫教育について  近年、系統的で質の高い義務教育の実施を目的として 小中一貫教育を導入する自治体が増加傾向にあり、児童 生徒数の減少に伴う統廃合や老朽校舎の改善等の要求も 重なり、多くの自治体で小中一貫校の整備が進められて いる。しかしながら、施設計画に関する具体的な指針は 示されておらず、各自治体は試行錯誤を重ねながら手探 りで施設整備を進めているのが現状である。全国で一般 的になりつつある 4・3・2 制に加えて、中でも京都市で は、5・4 制という新たな学年区分を取り入れ、小中一 貫教育を全市的に進めている。このように、全国の小中 一貫教育の取り組みの多様性や背景の独自性等に対応し た整備を進める必要がある。  そこで本研究では、教育課程編成と施設整備の両面に おいて先進的な取り組みを行っている京都市内の小中一 貫校を対象に、施設計画とそのプロセスの把握を行うこ とで、今後の施設計画の指針となる知見を得ることを目 的とする。 2. 研究の方法 2-1. 調査対象校  本研究では、京都市内の新設の小中一貫校 5 校(Ha 校、 Ta 校、Ry 校、Oi 校、Iz 校)と小中一貫教育を導入した 既存校 3 校(Go 小学校、Ta 小学校、Tu 中学校)を調査 対象校とした(図 1)。 2-2. 調査方法  本研究では、施設台帳や小中一貫教育に関する資料か ら、教育プログラムと空間構成について各校の特徴を整 理し、京都市教育委員会、各学校、設計を担当した各設 計事務所を対象にヒアリング調査を行った。さらに、各 学校へアンケート調査を実施し(対象:全教員、回収率: 70.6%)、分析・考察を行った(表 1)。

京都市における小中一貫教育校の施設計画とそのプロセス

伊井田 和見 各々から施設台帳や小中一貫教育の資料、学校要覧、図面等を 収集し、平面プランの特徴及びデータの把握 京都市教育委員会、 各学校、各設計事務所 資料調査 各学校の教員または校長先生へのアンケート調査から、異学年 交流について把握 各学校 アンケート調査 研究方法 調査対象 調査概要 施設整備計画担当者へのヒアリング調査から、京都市小中一貫 教育の概要や各調査対象校の施設整備方針を把握 京都市教育委員会 ヒアリング調査① 各学校の校長先生へのヒアリング調査から、小中一貫教育の概 要や具体的な取り組みを把握 Ha,Ka,Ry,Oi 校教職員 Go,Ta 校校長先生 ヒアリング調査② 各学校の設計担当者へのヒアリング調査から、各学校の設計概 要やプロセスを把握 各設計事務所 ヒアリング調査③ Ha校 児童生徒数 学級数 階数 校地面積 延床面積 平成19年 29人 9 地上2階 6,577㎡ 開校年度 ※現在、第二校舎建設中 ※現在、第二校舎、グラウンド 建設中 5F 4F 3F 2F 1F 職員室 総合 体育館 CR CR CR CR CR CR SCR SCR SCR A A B B 体育館 給食 CR SCR 2F 1F 総合 SCR職員室CR A 体育館 WS A 3F 2F 1F B1F B2F 職員室 体育館 武道 CR CR CRCR CR SCR SCR SCRSCR A A 給食 機械室 4F 3F 2F 1F CR CR SCRSCR CRCR SCR 体育館 プール 職員室 A 給食図書室 A 機械室 4F 3F 2F 1F 体育館 プール CR CR CR CRCR SCR SCR SCR 職員室 管理 A CR A Ka校 児童生徒数 学級数 階数 校地面積 平成23年 開校年度 893+12人 26+2 地上3階/ 地下2階 12,700㎡ Ry校 児童生徒数 学級数 階数 敷地面積 平成24年 開校年度 750+16人 28+6 地上5階 (一部6階) 13,540㎡ 中京区O地域 児童生徒数 学級数 階数 敷地面積 平成18年 開校年度 964+9人 32+4 地上7階/ 地下1階 8,387㎡ Go小学校 児童生徒数 学級数 階数 敷地面積 平成7年 開校年度 1026+8人 31+2 地上4階 ー Ta小学校 児童生徒数 学級数 階数 敷地面積 平成7年 開校年度 548+4人 20+1 地上4階 A A グラウンド 校舎 A A B B グラウンド 校舎 A A グラウンド 校舎 A A グラウンド 校舎 配置図 断面イメージ 配置図 断面イメージ 配置図 断面イメージ 配置図 断面イメージ 配置図 断面イメージ 配置図 断面イメージ A A グラウンド 校舎 A A グラウンド 校舎 1 1 1 1 1 1 0 10 25 50m 0 10 25 50m 0 10 25 50m 0 10 25 50m 0 10 25 50m 0 10 25 50m ※数値はすべて平成 25 年現在のもの 体育館 CRWS CR SCR SCRWS 職員室 WS 3F 2F 1F A A 断面イメージ 1 2,550㎡ Oi校 東山区N地域 児童生徒数 学級数 階数 敷地面積 昭和22年 開校年度 232+2人 7+1 地上3階 11,222㎡ Tu中学校 配置図 0 10 25 50m 児童生徒数 学級数 階数 敷地面積 平成26年 開校年度 ー ー 地上3階/ 地下1階 5,307㎡ Iz校 1 配置図 0 10 25 50m 3F 2F 1F 職員室 体育館 CR SCR AB1F給食SCR A WS CR 管理 7F 6F 5F 4F 3F 2F 1F B1F SCR SCR CR CR CR CR 総合体育館 体育館プール 職員室 A 施設 保育所 A 駐車場、災害用備蓄倉庫等 昇降口 老人 WS CR SCR ※1.現在、建設中 ※2.グラウンドの面積は含まない 断面イメージ 校舎 A A グラウンド 校舎 ※現在、改修中 延床面積 14,100㎡ 延床面積 16,063㎡ 延床面積 20,262㎡ 延床面積 延床面積 延床面積 延床面積 構造 構造 構造 構造 構造 構造 構造 構造 ー ー ー RC RC RC・一部S RC・一部S RC RC RC RC 6,522㎡ 8,844㎡ グラウンド A A 校舎 クラスルーム (CR) 特別教室 (SCR) 管理関係 運動関係 その他 (WS:多目的室) 凡例 ※2 ※1 図 1. 調査対象校概要 表 1. 調査概要

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28-2 3. 京都市における歴史 3-1. 学区の成り立ち  明治初年、京都市では町組改正と共に市民の寄付金や 府の下渡金によって、番組小学校と呼ばれる日本で最初 の小学校が町組ごとに建設され、明治 2 年には 64 校す べての学校が開校した。当時、小学校は教育機関である だけでなく、公民館、交番、消防署、保健所などの機能 も果していたとされるが、その運営経費は組内町民が負 担していたことから「小学校は町民のもの」という意識 が生まれ、愛着を強いものにしていった。この町組は学 制の公布後もそのまま新学区として残され、以後地域行 政の核となり、京都市独自の地域住民の自治単位を形成 することとなった。 3-2. 統廃合の歴史  京都市では昭和 45 年以降、新設校が大幅に増加した が、ドーナツ化現象の進行と少子化の影響で、児童数が 急激に減少した。京都市では、ピークであった昭和 33 年度には 154,815 人の児童が公立の小学校に通っていた が、昭和 62 年度には 103,831 人に減り、この減少傾向 は今後もさらに続くと予想されたため、各学区で議論が 行われ、学校の統合と廃止が最大 6 回にわたり、繰り返 し行われることとなった。 3-3. 小中一貫教育導入の背景  このような独自の自治形態や統廃合の連続の一方で、 近年では学力の低下、就学援助率が高い、問題行動が多 い等の状況から京都市では教育改革が喫緊の課題となっ ていた。そこで平成 16 年に京都市小中一貫教育特区の 認定を受け、小・中学校を連携させ、系統的に 9 年間の 学習を行う取り組みが始められた。平成 19 年までには、 英語表現科や読解科のような新たな指導案が実施され た。平成 23 年、京都市内の全ての中学校が小中一貫校 として指定されることとなった。 4. 学年区分と事業方式 4-1.4・3・2 制と 5・4 制  調査対象校のうち学年区分 4・3・2 制を採用している 学校は Ha 校、Ka 校、Ry 校の 3 校であり、学年区分 5・ 4 制を採用している学校は中京区 O 地域、東山区 N 地域 の 5 校である。特に、京都市で見られる 5・4 制とは 1 ~ 5 年生、6 ~ 9 年生の 2 つに学年を区分し、6・7 年 生間の接続をスムーズに行うため、さらに小学校、中学 校が統合され新校舎が完成している上で現状の校舎を利 用し、小中一貫教育の活動を出来る範囲で進めるための 方式である。  このような背景から、京都市では 4・3・2 制は施設一 体型が、5・4 制は施設併用型が採用されている。学年 区分は、開設準備室の話し合いの中で決定されるが、 これは確定的なものではなく、あくまで学校や児童の 実態に合わせて決定されている。  次に指導方式について、小規模校である Ha 校を除 く 4 校では、5、6 年生で一部教科担任制が採用され ている(図 2)。しかし、その他の項目に関しては各 学校の実態に応じた多様な区分が行われている。 4-2. 施設整備における事業方式  京都市の小中一貫校の施設整備において採用された事 業方式は従来方式、PFI 方式、デザインビルド方式の 3 つに分けられる。  Oi 校は建設当時、京都市が財政難であったことや大規 模な複合施設が未経験であったことから、その建設にあ たっては、PFI 方式の導入による大胆な施設複合化が行 われた。その一方で、Ka、Ry、Iz 校はデザインビルド方 式が採用された。これには、京都市が独自に定める学校 施設の建設スケジュールに従来方式では対応できなかっ たためとされている。その結果、Ka、Ry 校では建設に 約 2 年半かかっている。Ka、Ry 校は Ha 校より大規模で あるが、従来方式を用いた Ha 校より期間を短縮できて いることがわかる。Iz 校にもデザインビルド方式が採用 されているが、建設に約 4 年の期間を要している。これ は基本計画・設計の際に行われたワークショップによる 合意形成に多くの時間が必要となったことが要因と考え られる(図 3)。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 運営方式 特別教室型 管理体制 1 校長 時程編成 45分/時限 指導方式 学級担任制 学年区分 4 3 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 運営方式 特別教室型 管理体制 1 校長 時程編成 45分/時限 指導方式 学級担任制 教科担任制 学年区分 4 3 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 運営方式 管理体制 時程編成 指導方式 教科担任制 学年区分 3 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 運営方式 特別教室型 管理体制 1 校長 時程編成 45分/時限 指導方式 学級担任制 教科担任制 学年区分 5 4 50分/時限 一部教科担任制 50分/時限 1 学  年 2 3 4 5 6 7 8 9 運営方式 特別教室型 管理体制 1 校長 時程編成 45分/時限 指導方式 学級担任制 教科担任制 学年区分 50分/時限 1校長 4 学級担任制 特別教室型 1 校長 45分/時限 5 4 一部教科担任制 50分/時限 一部教科担任制 一部教科担任制 Tu 中学校 Oi 校 Go 小学校 ,Ta 小学校 学 校 名 Ry 校 Ka 校 Ha 校 Iz 校 学  年 学 校 名 学  年 学 校 名 学  年 学 校 名 学  年 学 校 名 図 2. 調査校項目別区分一覧

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28-3 5. 主要教室の利用実態 5-1. 各諸室の広さ・形・座席配置に対する意識  ここで、小中一貫校における諸室のあり方について明 らかにするために各教室の利用実態調査を行った(図 4)。  それによると、普通教室の広さについては、どの学校 も児童生徒数が 1 学級 30 人以上となる場合に狭く感じ ている。Oi 校では小学生が中学校の教室を使用するた め、広さ・形すべて a という回答であった。形状につい ては、W8.5 ~ 9 × D8 の普通教室を利用している Ka 校 (13.6%)、Ry 校(2.4%)で d という回答が見られた。 これは両端の席に目が届きにくくなるためである。  多目的スペースの広さ・形状については Oi 校は a ~ d の回答率がそれぞれ 20%前後と意見が分かれている。 これは、Oi 校の多目的スペース中央付近には柱があるた め、空間を十分に活かせないことが影響している。  職員室の広さについては、d、e という回答が 10%前 後を占めている。これは一体型である Ka、Ry 校では規 模が大きくなり把握ができず、日常的な交流がしにくい ということが影響している。  このように学年区分ごとで整備の状況が異なるため、 諸室への要求に大きな違いが出ており、児童生徒数の増 減に対応できる柔軟な計画が必要であると考えられる。 5-2. 多目的スペースの必要性  これらの諸室のうち、特に多目的スペースについてそ の必要性を詳しく調べると、Ry 校は 70.0%の教師が a という回答している。ただし、多目的スペースは中学生 にとっては適宜集まれる空間であるが、小学生にとって はただの広い遊び場となってしまうという意見もある。 また、Oi 校は 86.4%が a と回答している。これは、施 設の高層化により教室間の移動が不便なため、多くの活 動が各フロアで展開されているためと考えられる(図 5)。 5-3. 教師間の交流に関する意識  教師間の交流に関する意識では、Ka、Ry、Oi 校のど の学校も交流の頻度が低くなるにつれ、異なる学年間で の交流が増えている。Ry 校では教員用コーナーが設けら れていることから、教師の交流場所が分化している。Oi 校は施設併用であるが、学年区分外の教師間の交流も頻 繁に行われている。これは研究活動や交流授業等の小中 一貫教育の活動によるものと考えられる(図 6)。 5-4. 特別教室の利用実態  特別教室の利用実態について詳しく調べると、Ha 校 は単級クラスであること、全学年が 45 分授業に統一さ れていることから、異学年で合同利用がしやすく、音楽、 図工、美術、技術室において学年区分内の異学年合同で 使用されている。Ry 校においては、利用頻度の高い特別 広さ a b c d e a b c d 座 席 配 置 e 16118 4 5 1 1 11 1 1 5 21 適当 不適当 適 当 不 適 当 Ha 校 Ka 校 Ry 校 12 11 11 12 1 1 1 1 1 Oi 校 8 広さ a b c d e a b c d e 2 1 1 2 1 1 2 1 2 1 適当 不適当 座 席 配 置 適 当 不 適 当 職 員 室 ・ 校 務 ス ペ ー ス 広さ a b c d e a b c d 形 状 e 1 適当 不適当 適 当 不 適 当 Ha 校 Ka 校 Ry 校 Oi 校 2 広さ a b c d e a b c d 形 状 e 22 2 4 3 2 4 3 2 適当 不適当 適 当 不 適 当 広さ a b c d e a b c d 形 状 e 13 6 20 2 1 11 4 2 12 適当 不適当 適 当 不 適 当 Ha 校 Ka 校 Ry 校 1 1 1 1 1 1 1 1 5 9 Oi 校 5 広さ a b c d e a b c d 形 状 e 3 3 1 2 1 1 2 1 2 1 適当 不適当 適 当 不 適 当 多 目 的 ス ペ ー ス 普 通 教 室 4・3・2 制 5・4 制 a : 適当   b : やや適当    c : どちらでもない  d : あまり適当でない   e : 適当でない Ha 校   Ka 校   Ry 校 凡 例 39 215 5 5 11 1 1 1 1 1 13 2 4 4 10 9 4 2 2 3 図 3. 学校別の施設整備プロセス 図 4. 学年区分別にみた各スペースの意識調査 図 5. 多目的スペースの必要性に対する意識調査 A 社 E 社 J 社 K 社 H+I 社 G+H 社 共同体 (5 社 ) 共同体 (5 社 ) 共同体 (3 社 ) D 社 C 社 B 社 期間 年 Ha 校 Ka 校 Ry 校 Oi 校 Iz 校 4 ・ 3 ・ 2 制 5 ・ 4 制 備考 従来方式 PFI 方式 デザイン ビルド方式 H18.11 H19.12 H20.4 デザイン ビルド方式 デザイン ビルド方式 0 6 12 18 24 30 36 H17.12 要望書提出 42 48 H19.10 H21.6 H20.8 H22.11 H16.6 H16.8 H16.11 H19.8 要望書提出 H20.11 要望書提出 H13.9 要望書提出 H22.4 H24.9 H19.4 小中一貫教育開始 H21.10新校舎へ移転 H23.4 竣工・開校 H24.4 竣工・開校 H18.4 新校舎へ移転 H19.46 年生が新校舎へ移転 H26.4 竣工・開校 1 2 3 4 基本計画・基本設計 実施設計 施工 凡例 54 60 5 66 72 6 -6 H15.4 小中一貫教育開始 H22.2 要望書提出 F 社 70.0% 17.5% 5.07.5% 86.4% 9.1%4.5 0 20 40 60 80 100 㻴㼍ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻻㼕ᰯ 50.0% 50.0% 56.5% 21.7% 4.38.7%8.7% (%) a : 適当   b : やや適当    c : どちらでもない   d : あまり適当でない e : 適当でない 凡 例 4 ・ 3 ・ 2 5 ・ 4 N=4 N=24 N=39 N=22

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       28-4 教室は 2、3 教室設けられているため、どの教室も 90% 以上が d という回答になっている(図 7)。 5-5. 合同活動の実態に関する意識  合同活動の実態について詳しく調べると、Ha 校では a の活動が他の学校より多く見られる。これは、施設 の中央に全学年が集まることのできる多目的スペース があり、そこで机イスでの活動が可能であるためと考 えられる。Oi 校は施設併用であるため、合同授業や 集会、発表、共同で作った作品を展示する以外では学 年区分外の異学年合同活動はない(図 8)。 6. まとめ  本研究では京都市の小中一貫教育校を事例として、1) 京都市の学校では、その独自の歴史的背景から整備が進 められてきたために学校に対する住民の思いが極めて強 いこと、2)その一方で、人口の流動が激しく、過去に 統廃合を繰り返してきたため、既存校舎を活用した 5・4 制という新しい形態の小中一貫教育が行われていること、 3)地域の制約により学校によって様々な事業方式による 施設整備が試みられていること、4)普通教室については、 学年区分により整備状況が異なるため、児童生徒数の増 減に対応できる計画が重要であること、5)多目的スペー スは各学年に必要とされるが、学年の特徴に応じて計画 が行われる必要があること、6)職員室は規模が大きくな ると交流しにくくなること、また職員コーナーを設ける ことで教師間の交流場所の分化が図れること、7)特別教 室は学校規模や教室数により利用形態が変化すること、8) 合同活動は施設形態により活動内容に差があることを明 らかにした。今後は、より詳細な実態分析等を通じて小 中一貫教育校の施設計画における検証を行う。 謝辞  本研究を行うにあたり、京都市教育委員会の方々、各小中学校の先生方、 各調査対象校の設計を担当されました設計事務所の方々に多大なご協力を いただきました。記して心より感謝申し上げます。 参考文献 1. 林屋辰三郎責任編集「京都の歴史 / 京都市編 ; 7」 , 1974 年 , 學藝書林 Ha 校 1 1 11 1 1 1 1 1 1 1 1 1 頻度 a b c d e f a b c d 場 所 低い 高い 1 4 1 1 1 1 1 2 1 2 2 3 1 3 5 1 3 2 5 8 1 13 1 9 13 3 3 2 8 32 1 2 1 1 頻度 a b c d e f a b c d 場 所 Ka 校低い 高い 2 3 14 1 1 13 1 2 66 5 17 1 23 1 4 3 72 613 2 2 1 15 28 2 1 11 2 2 2 3 3 8 2 1 12 頻度 a b c d e f a b c d 場 所 Ry 校低い 高い 1 1 1 1 5 1 1 2 2 1 2 2 1 21 1 22 1 3 64 3 6 17 頻度 a b c d e f a b c d 場 所 Oi 校低い 高い 頻度 a : 年 1 ∼ 2 回   d : 週 2 ∼ 3 回 b : 月 1 ∼ 2 回   e : 毎日 c : 週 1 ∼ 2 回   f : その他 場所 a : 職員室内 b : 学級教員用コーナー ( 職員室外 ) c : 会議室 d : その他 同じ学年内 異なる学年 ( 学年区分内 ) 異なる学年 ( 学年区分外 ) 0 10 20 a b c d e f g h i j k l m Ꮫ⩦άື ⏕άάື ཰⣡䞉ᒎ♧ 䛭䛾௚ ྠ䛨Ꮫᖺෆ ␗䛺䜛Ꮫᖺ 䠄Ꮫᖺ༊ศෆ䠅 ␗䛺䜛Ꮫᖺ 䠄Ꮫᖺ༊ศእ䠅 0 10 20 a b c d e f g h i j k l m 0 10 20 0 10 20 a b c d e f g h i j k l m a b c d e f g h i j k l m 0 20 40 60 80 100 Ha 校 (%) (%) (%) (%) (%) 0 20 40 60 80 100(%) 0 20 40 60 80 100(%) 0 20 40 60 80 100(%) 㼍㻌䠖㻌ᮘ䜲䝇䛷䛾άື䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㻌㼔㻌䠖㻌⤥㣗䛾㓄⮃ 㼎㻌䠖㻌ᕤస䞉సᴗ䞉ᐇ㦂䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㼕㻌㻌䠖㻌⏕άᣦᑟ䞉┦ㄯ 㼏㻌䠖㻌Ⓨ⾲䞉ㄝ᫂䞉ヰ䛧ྜ䛔㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㼖㻌㻌䠖㻌ᩍᮦ⨨䛝 㼐㻌䠖㻌㞟఍䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㻌㼗㻌䠖㻌ඣ❺䛾Ⲵ≀⨨䛝 㼑㻌䠖㻌ㄞ䜏⪺䛛䛫䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㼘㻌㻌䠖㻌ᥖ♧䞉ᒎ♧ 㼒㻌㻌㻦㻌㻌䝎䞁䝇䞉₇๻䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷㻌㼙㻌㻦㻌䛭䛾௚ 㼓㻌䠖㻌ಶูᣦᑟ䞉ྲྀ䜚ฟ䛧Ꮫ⩦ ซ౛ 100 85.7 14.3 6.7 93.3 80.0 76.0 68.2 75.6 8.68.6 20.0 27.3 17.14.9 76.8 15.4 72.7 84.6 77.3 9.89.8 10.910.9 8.011.4 77.6 83.3 85.7 80.5 10.212.2 8.38.3 14.3 8.011.5 ඲Ꮫᖺ ඲Ꮫᖺ ඲Ꮫᖺ ඲Ꮫᖺ Ka 校 Ry 校 Oi 校 ※回答なし 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 㻻㼕ᰯ 㻾㼥ᰯ 㻷㼍ᰯ 㻴㼍ᰯ 0 20 40 60 80 100(%) 100 80.0 20.0 10.0 90.0 14.37.1 78.6 20.0 40.0 40.0 20.0 20.0 60.0 7.7 92.3 11.1 88.9 25.0 50.0 25.0 33.3 66.7 100 100 33.3 33.3 33.3 20.0 20.0 60.0 100 25.0 75.0 50.0 50.0 25.0 75.0 100 25.0 75.0 100 14.3 85.7 93.7 11.1 88.9 11.1 88.9 10.0 90.0 25.0 75.0 33.3 66.7 11.1 88.9 7.7 92.3 14.3 85.7 100 100 100 80.0 20.0 8.38.3 83.3 6.3 33.3 16.7 50.0 15.4 7.77.7 69.2 7.1 92.9 理科室 音楽室 a 㻦㻌同じ教室を同じ時間に使用する(同じ学年内)  b 㻦㻌同じ教室を同じ時間に使用する(学年区分内) c 㻦㻌同じ教室を同じ時間に使用する(学年区分外)  d 㻦㻌同じ教室を別の時間に使用する 凡例 図工室 美術室 技術室 家庭科室 被服室 英語教室 図書室 パソコン室 ※回答なし 図 6. 学校別にみた教員間の交流活動 図 7. 特別教室の利用実態 図 8. 学校別にみた異学年合同の活動実態

参照

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