山形大学紀要(医学)山形医学23巻1号をお届けします。今回は組織改組によって新しく作ら れた腫瘍分子医科学分野の教授に就任された北中千史先生の「Non-apoptotic プログラム細胞死」
に関する総説と原著論文、症例報告合わせて全部で10篇が掲載されています。北中教授の総説は、
先生がこれまで精力的に研究を進められてきて、国際的にも極めて評価の高い「アポトーシスと は形態・制御機構を異にするプログラム細胞死」について、その存在と意義をわかりやすく解説 されているものですから、この方面の理解に大いに役立つでしょう。
この文章の最初にも「山形大学紀要(医学)」という言葉を使いましたが、これが本来の名称で あって、「山形医学」は通称であるということです。「紀要」という語を広辞苑で引いてみると、
「大学・研究所などで刊行する、研究論文を収載した定期刊行物」と書かれています。博識で知 られる前医学部長の遠藤政夫先生の言をもとにもう少し考えると、「紀要」とはその施設の学問 的 activity を示すものであり、基本的にはその施設で行われた研究の論文が基本になるというこ とのようです。ときどき、山形から世界に向けて発信するために「山形医学」をもっと活用しよ うというようなことを言う人がいます。しかし、これはあまりにも現実を無視し建前が全面に出 た発言です。何故なら、本当に世界的な研究を行ったと自負できる論文を先ず「山形医学」に投 稿しようと普通考えるでしょうか、そんなことは先ずありえません。「山形医学」は若い人が 行ったまだ未熟な研究を形として残すためのものであってもよいし、学術論文を書く練習として あってもよいと私は考えます。そのためにも、投稿意欲を削ぐようなあまり七面倒臭い条件は廃 するべきであるとも個人的には思っています。しかしながら、練習であってもそれは真剣な練習 でなければいけません。指導される方々もその点は十分理解していただきたいと望みます。
編集委員長 本 山 悌 一(平成17年2月)
編 集 後 記