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企 業 の 資 本 構 成 の 悪 化 と そ の 対 策

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Q

一51一

企 業 の 資 本 構 成 の 悪 化 と そ の 対 策

減 税 公 債 発 行 の 提 唱 一

西 野 嘉 一 郎

1.経 済 白 書 に あ らわ れ た 企 業 の 資 本 構 成 悪 化 の 原 因

昭 和40年 度 の年 次 経済 報 告 一 経 済 白書 一 は,「 安 定 成 長 の課 題 」 と題 して,文 字 通 り,高 度成 長 か ら安 定 成 長 へ の転 換 とそ の諸 条 件 につ い て分 析 して い る。 白書 は,昭 和30年 代 は 経済 成 長 の時 代 で あ った が,40年 代 の 経 済 が 直 面す る重 要 な課 題 は,成 長 と安定 とを どの よ うに して両 立 させ て ゆ く

か とい うこ とで あ る と して,い ろ いろ な 角 度 か ら安 定 成 長 の道 を検 討 して い る。そ の 中 で,と くに企 業 経 営 に つ い ては,経 済 の総 体 的 な成 長 の 半 面,利 潤 率 の 低下 や 資本 構 成 の 悪 化 が 目立 ち,か え って不 安 定 性 が強 まった 点を み

とめ,そ の 原 因 を 究 明 して い る。 本 稿 に お い て,利 潤 率 の 低 下 は さて お き, わ が 国 の企 業 が どの よ うな推 移 を へ て 資本 構 成 が 悪 化 した か を,白 書 に よ り 説 明 し よ う。

まず 日本 の 主 要 企業 に つ い て み る(第1表 参 照)と,戦 前(昭 和9‑11年) は 総 資 本の6割 以上 は 自己 資 本 で あ った。 しか し 自己 資本 比 率 は,昭 和30 年 には40%ご 下 が り,39年 上 期 には30%を 下 廻 る よ うに な った 。 また第2 表 に示 す よ うに,ア メ リカ,イ ギ リス に くらべ て も,他 人 資 本 へ の 依 存 度 が 高 い うえに,他 人 資 本 の 中 で も買掛 金 や 短 期 の 借 入 金 な ど流 動 負債 の割 合 い が 大 き く,安 定 性 が 乏 しい 。 この よ うに,現 在 の 日本 の 企 業 は,戦 前 と くら べ て も,ま た 欧 米諸 国 と くらべ て も,他 人 資本 へ の依 存 が 大 きい 。

白書 が 指摘 す る自己 資本 比 率 低 下 の原 因 は,第1に,戦 争 中 の傷 が そ の ま

(2)

一52一 商 学 討 究 第16巻 第2号

第1表 企業 の資本構成(全 産業)

年 劇 自己資本 匝 順 本 自己資本 他人資本

1

昭11 61

39 100 1 昭32

33 67 100

25

32 68

100

33 33 67 100

26 39 61 100 34 31 69 100

27 37 63 100 35 30 70 100

28 35 65 100 361 28 72 100

29 39 61 100 3引28 72 100

iO13

{

6

:別:l

l

100

100i

38;27 39(上)27 旨

73 73 1

100 100

(備考)三 菱経済研究所 「本邦事業成績分析」

第2表 資本 構 成 の 国際 比 較(製 造 業 大企 業)

、 年\ \\

ア メ リ カ

イ ギ リ ス 西 ドイ ツ

19551963 19551196・

195511963

ll轟 均119551963

(流 動 負 債) (固 定 負 債) (資 金)

13.4 64.1 27.0

「 35.9134.7 122

・5「17・4

115 .3 65.3

24.8

41.2 30.5 10.7 58.8 28.7

37.gl

28.6 9.3 62.1 3L1

58.5 40.1 18.4 41.5 23.9

64.5 38.4 26.1 35.5 21.8

33.5 20.0 13.5 66.5 46.3

60.6 47.5 13.1 39.4 12.6

71.5 49.0 22.5 28.2 17.2

固定長期適合率

234.7 100.2 73.6 60.9

.OI53.1156 25LO 124.7

78.6 63.6

97.0

66.7

56・4i

7・・!

199.3!182,5 94.1 77.O I66 .9

67.1 10L9

70.6

61.。 ㌧41.d181.gl5。.4

l43.9129.2250.1i 1

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81.8775.31l

153.8 122.O

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61.6

106.7

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250.9 111.8 71.2 156.1 87.4

(会 数)1368!368148653・!1・ …i9571195

4171470

1

(備 考)ア メ リ カQuarter】yFinancialRepor七 西 ドイ ツWirtschaftundStatistik

イ ギ リスEconomist

三 菱 経 済 研 究 所 「本 邦 事 業 成 績 分 析 」

ま 持 ち 越 さ れ て い る こ と で あ る 。 戦 争 中,軍 需 産 業 で は 政 府 資 金 や 銀 行 の 貸 し 出 し に よ っ て 生 産 が 行 な わ れ た の で,終 戦 時 に は 自 己 資 本 比 率 は30%以

(3)

企業 の資本構 成 の悪化 とそ の対策(西 野) 一53一

下 に な って いた 。 また戦 争 の被 害 や敗 戦 に よ る海 外 資産 の放 棄 な ど も資 本 構 成 を 悪 化 させ た 。 この こ とは第2表 にみ る とお り,ア メ リカや イ ギ リスに く

らべ る と西 ドイ ッの 資本 構 成 が,日 本 と同 じ く悪 い こ とに よって も推 察 され る。

第2は,企 業 の投 資の 増 加 が 極 めて 多 か っ た こ とで あ る。技 術革 新 の テ γ ポが早 く,ま た全 般 的 に 資 本 不 足 の 状 態 に あ っ たの で,新 投 資 に よ って利 潤 を獲 得す るチ ャ ンスが 大 きか っ たQ‑・ 方,金 利 は 固定 的 で利 子 率 は 期 待 利 潤 率 を下 廻 って いた か ら,企 業 は利 子 を払 って 銀行 か ら借 金 を ふ や して も充 分 引 き合 った 。 そ こで 企業 は 自己 蓄 積 を越 え て投 資 を拡 大 しよ うと した。 た と えば,企 業 の 総投 資 に対 す る総 貯 蓄 の不 足 率 は,34年 〜36年 度の3力 年 平 均 で46%,37年 〜38年 度 平 均 で36%に 達 した。

第3は,物 的 な投 資 増 大 ば か りで な く,売 上 債 権 の 増 加 や 投 融 資 勘定 な ど,金 融 資 産 あ るい は経 営 外 資産 が増 加 した こ とであ る(第1図 参 照)。

第4は,資 本市 場 の発 達 が お くれ た こ とで あ る。 戦 後 の わ が 国で は,長 期 資 本 市場,と りわ け株 式 発 行 市 場 や 新規 起 債 市 場 の発 達 が,国 民 経済 の 規模 か らみ て お くれ て い た ため に,こ うした途 に よ る資 金 の供 給 は 少 な く,い き お い 民 闘 な らび に政 府 金 融機 関 の 貸 し出 しに頼 らざ るを 得 な か った。

第5に,企 業 に と って借 入 れ の 方 が 増 資 よ り も有利 で あ った とい う事 情 が あ る。 た とえば,株 式 配 当 に は 第1図 資産 構 成 の変 化

課 税 され るが,借 入利 子 は 費 用 と して税 金が か か らな いか ら, 企 業 は借 金 を して資 金 を調 達 す

る方 が増 資を す る よ りも資 金 コ ス トが低 くてす む 。

白書 は前 記5つ の 原 因に よ り 企 業 の 資本 構 成 は悪 化 した(第

2図)と して次 の如 くのべ て い

%

Iso

J40 120

全 産 業31年 上 期 ・ノ。・

受取手形.売掛 金

、投 資

   臨

80 60

(4)

第2図 資 本 構 成 の 推 移

%自 已 資 本 比 率31SleL期=t・

噸 麟

lP攣 禦讐

資 本金 資本 乗U金 よヒ率

150 140 130 120 110 100

上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上

313233343536373839

「企業 の 資 本 構成 が戦 前 や欧 米 諸 国 に く らべ て悪 いか ら とい って,そ れ を 直 ち に企 業 の放 慢 な経 営 に よ る もの だ とす る こ とは あた らな い 。 そ れ は,急 速 な経 済 の復 興 と成 長 を 実 現す るた め に,設 備 資 本 を拡 大 しな け れ ば な らな い とい う実 体 的 な必 要 性,他 人 資本 依 存 を有 利 とす る よ うな 財 政 金 融制 度,企 業 や銀 行 の行 動 様 式 な どい ろ い ろな 原 因が 集 って 起 った もの で あ る。今 後, 設 備 投 資 の成 長 率 が 一 時 程 で な くなれ ば,そ れ は 資 本構 成 を改 善 す る1つ の

条件 に は な る と考 え られ るが,借 入 依 存 度 の 増 大 に は,前 述 の よ うに,そ ほ か多 くの原 因が あ り,投 資 の 拡 大 テ ンポが ゆ るん だ だ け で 自然 に資 本 構 成 が よ くな るわ け で は な い」 との べ,「 資 本構 成 改 善 の条 件 と して,企 業 や 銀 行 が よ り慎 重 に行 動 す る こ とが大 切 な こ とは もちろ ん で あ るが,こ れ と並 ん る。 「企 業 の 自己 資 本 比率 の 低 下 に は,こ の よ うに い ろ い ろ な 原 因 が あ る。そ れ が低 下 したか ら とい って,直 ち に成 長 の ゆ き す ぎだ とす る こ とは 正 し く な い 。 も と も と企業 が 高 い成 長 に 必 要 な資 金 を 全 部 自己 蓄 積 で ま か な うこ とは不 可 能 な こ とで あ る。 各 国 企業 の 資 金調 達 方 法 を く らべ て み る と,高 い成 長 を と げ た 日本 と西 ドイ ツは,ア メ リ

カや イギ リスに くらべ て,借 依 存 度 が は るか に大 きい。 また 企業 の 自己 資 本比 率 が低 下 して も,直 ち に経 営 の健 全 性 が 損 わ れ た とみ るこ と も早 計 で あ る。」

さ らに 白書 は こ とぽ を続 け て,

(5)

企業 の資本構成 の悪化 とそ の対 策(西 野) 一55一

で,企 業 に対 して長 期 の安 定 した資 本 を 供 給 す る体 制 を つ くりあ げ る こ とが 重 要 で あ る。 そ の ため に は,証 券 発行 形 態 の 多 様 化,金 利 の 自由化,税 制 の 改 革 な ど,ひ ろ く財 政,金 融 政 策 全 般 に検 討 す べ き点 が 多 い 」 と 結 ん で い

る。

以 上が 白書 の 示す わ が 国企 業 の 資 本構 成 悪 化 の原 因 と 今 後 の 展 望 で あ る が,そ こには 自己 資 本 比率 の低 下 が いか に 企 業 経 営 の 不 安定 を もた ら し,今

日の不 況 の大 き な原 因 とな って い るか,ま た景 気 が浮 揚 しな い原 因 や 資 本 構 成 の著 しい低 下 に対 す る反 省 と,こ れ らを解 決 す る具 体 的 な提 案 を 何 ひ とつ 持 ち合わ せ て い な い こ とは ま ことに 遺憾 で あ る。 と くに,「 自己 資 本 比 率 が 低 下 したか ら とい って,直 ちに成 長 の行 き過 ぎだ とす る こ とは正 し くな い」

と の べ る に 至 っ ては,そ の 見 方 が ま こ とに 甘 い と思 う。 もっ と もっ と,そ うした こ とに対 す る反 省 と対 策 が 必 要 で は な い だ ろ うか 。 資本 構 成 を悪 化 さ せ た原 因 は,政 府 が 税制 の改 革 を行 なわ ず して,自 然 成 長 の ままに 法 人 税 収 入 を過 当 に取 り上 げ た結 果 で あ り,反 面 こ う した高 度 成 長 をせ しめ るた め に は,あ らか じめ西 独 や ア メ リカ等 が とった よ うな 自己 金 融 の道(減 価 償 却 費 の 拡 大 な らび に社 内 留保 の拡 大)を 先 に 講 ずべ きで あ っ た とい う反 省 の な い

こ とは 残 念 で あ る。

2.資 本 充実 法 と所 得 倍 増 計 画 が い か に 資 本構 成 の悪 化 を促 進 した か

(1)再 評 価 と資 本充 実

前 節 に お い て,昭 和40年 度 年 次 経 済 報 告 を 中心 に,わ が 国 企業 の 資本 構 成 が どの よ うな 原 因 で悪 化 の道 を た どっ たか を 説 明 した が,ア メ リカや イ ギ リスは もと よ り,同 じ敗 戦 の浮 き 目に あ った 西 ドイ ツに くらべ て も,わ が 国 企 業 の 自己 資本 比 率 が低 い こ との根 本 的 な 原 因 と して,筆 者 は 白書 の示 す5

つ の 外 に よ り重 大 な2つ の 原 因 を挙 げ た い 。そ の 第1に 再 評 価 に よ る資本 充 実 の 不 徹 底 で あ り,第2は 所 得倍 増 計 画 で あ る。先 ず 第1の 点 で あ るが,筆

(6)

者 は 当 時,経 済 同 友 会 を バ ックに して,第3次 強 制 評 価 な らびに そ の 再評 価 積 立 金 の即 時全 額 資本 組 入れ を主 張 したが,不 幸 に して再 評価 は 不 徹 底 に 終 わ り,再 評 価 積 立金 の 全 額 資本 組 入 れ は 行 なわ れ なか った 。す な わ ち,戦 後 わ が 国 に お い て は,3回 にわ た って資 産 の再 評 価 が行 な わ れ た が,こ れ が不 充 分 で あ った た め,企 業 は償 却 不 足 とな っ て資金 の確 保 は 困難 とな り,結 局 借 入 金 を増 大 せ しめ た。 また低評 価 に もとつ く評 価 益 が 資 本 に完 全 に繰 り入 れ られ なか っ たた め,過 少 資 本 とな り,こ の過 少 資本 金 に対 して多 大 な利 潤 が生 まれ る現 象 を 呈 し,そ の結 果 高 配当 が 行 なわ れ た。 しか も高 い配 当 が 内 部 留 保 の 不 足 を 招 来 した ば か りで な く,内 部 留保 の不 足 を補 うため の 増 資 は 逆 に 高率 配 当 の た め に実 行 困難 とな っ たの で あ る。

戦 後 イ ン フ レの 処理 策 と して 資産 の再 評 価 を行 な った 国 は 他 に い くつか あ るが,3回 に もわ た っ て実 施 した わ が 国の再 評 価 が な ぜ不 徹底 に 終 ったか と い うと,戦 後 の イ ン フ レが激 しか っ た こ と,あ るい は再 評 価 税 の負 担 とか 再 評 価 額 に もとつ く減 価 償 却 費 を 回収 す るに 足 る収 益 が な か った こ と等 が 従 来 か ら指 摘 され て い るが,根 本 的 には,企 業 が 一 定 の配 当 を維 持 しよ うとす る 考 えの ため で あ った 。 当 時,企 業 が 高率 配 当 を維 持 しなけ れ ば な らなか っ た 動 機 には 種 々あ るが,1つ に は,政 府 が 資本 充 実 とい うこ と よ りも証 券 市場

の発 展 に 重 点 を置 い た た め に,過 少資 本 に お け る高率 配 当 が 常 識 とな り,も う1つ に は,企 業 が 新株 の 発行 あ るい は社 債 の 発 行 とい う形 で 金 融 を確 保 し,資 本構 成 を 是正 しよ うとす れ ば,高 率 配 当 を 維 持 しな けれ ば な らなか っ た 。換 言 すれ ば,高 率配 当の 維 持 が 逆 に 資 本金 の 大 き さを規 定 し,そ の 結 果 再 評 価 の限 度 もお のず と定 まった の で あ る。 い ずれ にせ よ,こ れ ら原 因 に よ

る再 評 価 の不 徹 底 が証 券 市 場 を非 常 に 盛 大 に も した が,ま た今 日の 悲 惨 な状 況 を導 き出 した1つ の 原 因 に もな って い る と考 え られ る。

これ に対 し,西 ドイ ツの場 合は,ま ず1948年6月 に 通 貨改 革 を行 な い, 現 金,預 貯 金 な らびに 一般 民 間債 務 は そ の 額 を10分 の1に 切 り下 げ られ た 。 つ い で 翌年8月,「 ドイ ツ ・マ ル ク開 始 貸借 対 照 表 お よび 資 本金 改 定 に 関 す

(7)

企業 の資本構成 の悪化 とそ の対 策(西 野) 一57一

る法 律 」 が 公 布 され,前 年6月 に さか の ぼ って通 貨 改 革 に 伴 な う債権 債 務 を 整 理 す る と と もに,物 的 資産 の 時 価 に よ る再 評 価 が 実施 され,さ らに戦 争 被 害 を 損失 と して 計上 す る こ とに よ り 純 資 産 を 算 出 して 新 資本 金 が 確定 され た。 しか も,配 当 を6%に 制 限 す る1941年 の配 当 金 支 払 令が 戦 後 も引 き続 き採 用 され,こ の 点高 率 配 当 の 維 持 に躍 起 とな って いた わ が 国の 状 況 とま っ た く異 な る。 この 西 ドイ ツの 通 貨 改 革 一 資 産 の再 評 価 とい う 一連 の措 置 が,一一時 的 には 資本 市場 と くに 株 式市 場 を 潰 滅 の状 態 に お と し入れ た もの の,結 局 は 西 ドイ ツ経 済 を イ ンフ レの破 局 か ら救 い,そ の 後 の安定 的 発 展 へ 導 い た ことは 明 らか で あ る。 戦 後20年 を経 た今 日,結 果 か らみ れ ば,当 時 再 評 価 積 立 金 を 全 額 資本 に組 入 れ を し,限 度 い っぱ い まで 再 評 価 を行 なわ し

め て強 制 償 却 を 実 施 す べ きで あ った 。そ うす れ ば 資本 の食 い つ ぶ しを 今 日の よ うに ひ ど くしな い です ん だ で あ ろ う。

(2)所 得倍 増 計 画 と 自己 資本 比 率

わ が 国企 業 の 資 本 構成 は,以 上 のべ た よ うに,戦 後 の 資産 再 評 価 が 不 徹 底 で あ った ことにそ の悪 化 の源 を発 して い る とい え るが,こ れ を さ らに 促 進 し たの が 第2の 原因 で あ る,い わ ゆ る所 得 倍 増 計 画 で あ る。所 得倍 増 計画 そ の もの は,日 本経 済 を高 度化 し,世 界 に も類 の な い年 々非 常 に高 い成 長 率 を も た ら した こ とに よ りそ の功 績 は 大 で あ るとい え る。 しか し大 き い過 失 を 犯 し た こ とは この成 長 に要 す る膨 大 な 資 金 を 調 達す る手 段 を政 府 は 準 備 しな か っ た こ とで あ る。第3表 は 国民 所 得 統 計 に お け る部 門 別 の総 投 資 ・総 貯 蓄 の ・ミ

ラ ンス表 で あ る。 一 見 して,企 業 の投 資活 動(設 備 投 資 と在 庫 投 資)が 内部 留保 お よび減 価 償却 費 の 合 計 で あ る総貯 蓄 の範 囲 を大 幅 に 越 えて行 なわ れ た こ とが わ か るで あ ろ う。 と くに 倍 増 計 画 が頂 点 に 達 した 昭和36年 度 に は, 投 資超 過 額 は2兆3,773億 円を記 録 し,企 業 の総 投 資に 対 す る総貯 蓄 の不 足 率 は49.2%に 達 した。

当 時,筆 者 は所 得倍 増 計 画 工業 高 度 化 小委 員会 の委 員 をつ とめ,小 委 員会 の席 で企 業 の 資金 調 達 に関 連 して 資 本 構成 の 問題 を強 く取 り上 げ る よ う主 張

(8)

第3表 部 門別 総 貯 蓄 ・総投 資 バ ラ ソス

30

31 32

33 34

8,697 17,677 17,846 13,137 26,298

5,722 9,284 9,219

8,845

14,747

△2,975 △8,393 △8,627 △4,292 △11,551

(同 率)

△34.2

47.5

△48.3 △32.7

△43.9

5,019 4,958 6,170 5,900 6,596

10,829 12,652 14,144 15,193 19,486

5,810 7,694 7,944 9,293 12,890

(同 率) 115.8 155.2 128.8 157.5 195.4

9,150 6,917 8,186 9,280 11,153

3,940 5,934 7,711 7,115 9,297

△3,209

△983 △375

△2,165 △1,856

(同 率) △44.9

△14.2

,

△4.7

△23.3 △16.6

20,866 29,552 32,102 28,317 44,047

(貯 計) 20,492 27,870 31,044 31,153 43,530

(資 本 偶 発 損) 276

332

386 404 467

(控 除 国 際 収 支 差) 919

△1,375 △1,014

1,137 858

(統 計 上 の 不 突 合) 1,016 △25 △342

△2,102

909

20,866 29,552 32,102 28,317 44,047

(備 考)1.国 民 所 得 統 計

2.投 資=国 内 民 間,政 府 総 資 本 形 成

貯 蓄一麟 門減価灘(資 本減耗引当一資本偶

したが,そ の 際,経 済 企 画 庁 が 計 算 した と ころ では,当 時 に お け る税飼L設 備 の 耐 用 命 数,金 利 をそ の ま まに10年 間 で所 得 を倍 増 す る とな る と,自 己 資 本 比 率 は22%に な る勘定 で あ った 。 そ の当 時 の 自己 資本 比 率 が 約30%で った か ら,30%に 保 つ ため に は ど うい う政策 を 実施 しな けれ ば な らぬ か と い うこ とを 経 済 企 画 庁 に 試 算 して も らい,そ れ を政 策 モ デル と した が,そ れ に よ る と(所 得倍 増 計 画 工業 高 度化 小 委 員 会報 告 参 照),(1)ま ず そ の 当時 の

(9)

企 業 の資本構成 の悪化 とそ の対策(西 野)

(単位 億円/%) 35i36旨7138

34,203 48,309 27,429 47,427

19,778 24,536 24,119 30,113

△14,435 △23,773 △13,310 △17,316

△42.2

△49.2

△35.6

△36.5

8,523 10,330 12,062 15,087

24,337 30,904 32,954 36,899

15,804 20,574 20,892 21,812

185.2 197.2 173.2 144.6

13,401 17,252 22,330 25,163

13,475 17,811 18,490 19,879

74 590

△3,840 △5,284

0.5 3.2

△17.2 △21.0

56,137 75,891 71β21 87,679

57,590 73,251 75,563 86,891

610 768 816 1,006

△10 △3,652 △58

△3,816

△2,073 △1,781 △4,617

△4,035

56,137 75,891 71,821 87,679

1

発損)

一59一

金 利 を即 時2割 下 げ る。(2)設 の耐 用 命数 を2割 短 縮 す る。 ③ 法 人税 を2割 減 税 す る。(4)株 の発 行 を3割,社 債 も5割 発行 を 増 加 す る。 そ うす る こ とに よって よ うや く資 本 構成 に お け る 自己 資 本 比 率 は30%に と どめ られ る と い う結 論 が 出 た 。 しか しな が ら, 当 時 は 高 度成 長 ムー ドが極 め て強

く,資 金 調 達 の面 は 軽視 され,だ い ぶ 時期 が お くれ て機 械 装 置 に 対 す る2割 の耐 用 命 数 短 縮 が 行 なわ れ たにす ぎ なか った 。

(3)ケ ネ デ ィ大 統 領 の景 気 対 策 とわ が 国 の場 合

故 ケネ デ ィが 大 統領 に就 任 した と きに,サ ミュエル ソソが 大統 領 か ら景 気 対 策 特 別 委 員 会 の 委 員 長 に任 命 され た が,そ の とき の報 告 の 中 に こ う書 い て あ る。 「政 府 は 現 状 何 らか の手 を うつ こ とな く放 置 す れ ば,戦 後 最 大 の 失 業者 を 出す こ とに な ろ う。 この 場 合 に は,会 社 利 潤 は 不振 な 現在 の水 準 よ りも さ らに落 ち込 み,株 式 の悲 観 人 気 が ます ます 強 く な る。 そ の結 果,自 動 的 に 大 幅 な 財 政 赤 字 に 見舞 われ るで あ ろ うか ら,こ れ を未 然 に 防 ぐた め に は,い わ ゆ る分 割 不 可能 で あ る と ころ の財 政 の 役 割 を強 度 に 出 して積 極 的 な 公共 事 業 の 計 画 を 樹 立 す る と同時 に,即 時 議 会 が1962 年 末 限 りとい うこ とを廃 止す る とい う確 認 の も とで一 時 的 な 大 幅 な減 税,所

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得税 区分 に お い て は3%な い し4%税 率 引 き下 げ を この3月 な い し4月 の と きか ら実 施 し,年 内 い っぱ い続 け る とい う立 法措 置 を講 ず べ きで あ る」 とい う強 い勧 告 を して い る。

この 報 告 に対 して,ケ ネデ ィは租 税 教 書 を翌1961年 の4月20日 に 発 表 し て い る。 この租 税 教 書 の 中に お い て,「 租 税 制 度 は 経 済 の 安定 を促 進 し,経 済成 長 を刺 激 す る もの で なけ れ ば な らない 。そ の結 果,経 済 が拡 張 す れ ば, 課 税標 準 は拡 大 され,し たが って歳 入 の増 大 を もた ら し,ひ い ては わ が 国 の 公 共 的 需 要 を よ りす み や か に充 足す るの み な らず,個 人 と しての わ れ わ れ の 必 要 を も満 た し得 る よ うに な る」 とのべ,さ らに,「 今 日わ れ わ れ は,わ 国 国 際 収 支 の 面 に おい て 重 大 な る危 機 に直 面 して い るので,機 械 お よび設 備 の近 代 化 の ため に 特 別 の 注 意 を 向 け る必 要 が あ る。海 外 の 友 好 諸 国は,大 戦 に よる破 壊 の の ち,こ れ が再 建 に打 ち込 んだ 結 果,い まや近 代 産 業 構造 を も ち,世 界 市場 に お い て恐 るべ き競 争相 手 とな って い る。 も しわ が 国 商品 が 国 の 内 外 で 外 国商 品 とそ の価 格 お よび品 質 に お い て 競 争 し よ うとす るな らぽ, わ れ わ れ は 最 も効 率 の い い機 械 お よび設 備 を必 要 と し よ う」 とのべ て い る。

そ して この租 税教 書 の 中 で特 記 す べ き こ とは,耐 用 命 数 を短 縮 す る とそ れが 価 格 形 成 の1部 に な って価 格 の値 上 げ に な る,つ ま りイ ン フ レ要因 に な るか ら,阻 害 要 因 で あ って これは や め なけ れば な らな い とい う こ とを 強 く打 ち 出 して い る ことで あ る。 そ して租 税 教 書 の 中 で うた って い る ことは耐 用 命 数 の 短縮 で は な くて,投 資 を促 進 す るため の減 税 措 置 で あ り,普 通 償 却 以上 に 設 備 を投 資 した ら,そ の投 資 の15%を 損 金 算 入(納 税 額 の30%を 最高 限 度 と す る)に 認 め る とい う思 い切 っ た措 置で あ る。 「税 制 は単 に 国家 の財 政 需 要 を まか な う もの で な く,税 制 措 置 に よ って ア メ リカ産業 の近 代 化 お よび生 産 力 と競 争 力 を増 大 し,わ が 国経 済 の 拡 大 を 刺激 す る よ うな もの で なけ れ ば な

らぬ 」 と教 書 は 結 ん でい る。

ケ ネ デ ィ大 統 領 が ア メ リカの景 気 対 策 を行 な うと きに,こ うい う大幅 な減 税 措 置 を所 得税 に お い て行 な った の で あ る。そ の結 果,自 己 金 融 に よる設 備

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企業 の資本構成 の悪化 とそ の対 策(西 野) 一61

参考付表(そ の1)国 民所 得,財 政 規 模 お よび租 税 収 入 の推 移(単 億円)

1昭 繍 年 昭集 臆 薦 昭綿1年 臆 薦 P

分 配 国 民 所 得 65,346 115,045 L76 198,484 3.04

5,730 18,147 3.17 28,060 4.90

31,801 57,760 1.82 109,491 3.44

27,815 39,138 L41 60,933 2.19

一 般 会 計 歳 出 10,182 17,431 1.71 33,405 3.28 財 政 投 融 資 計 画 2,998 6,251 2.09 14β97 4.80

13,069 23,212 1.78 47,230 3.61

地方普通会計歳出 11,762 19,928 1.69 31,381 2.67 一 般

租 税 印 紙 収 入 7,960 16,183 2.03 29,486 3.70

1,921 1 5,734 2.98 9,747 5.07

2・7871

3,906 1.40 8,373 3.OO

[

3.2521 6,543 2.01 1L366 3.50

(備 考)1.

2。

3.

4.

経 済企 画庁,各 年次経 済報告 よ り作成 分 配国民所得 は暦年,そ の他 は年 度

財 政規模 の30年,35年 は実 績,39年 は補正後 予算額

租 税収人 の30年,35年 は決算額,39年 は39年4月 末見込額 参考付 表(そ の2) 政府収 入 と法人税 負担 の推移

政繊 入獣 翻

計iび 税外 負担

旦Xlooll A

(A) 政府収入

(B) 法人税 お よ び税外 負担

旦XIQO A

1

昭9‑11年 度 の 平 均

百 万円 2,746

百万 円 343

%

12.5 昭29年 度

億 円 15,804

億 円 2,415

% 15.3

30 16,191 2,341 14.5

億 円 億 円 %

昭21年 度 508 41 8.1 31 18,590 3,035 16.3

22 2,338 129 5.5 32 21,744 4,269 19.6

23 6,015 400 6.7 33 22,178 3,757 16.9

24 10,297 940 9.1 34 25,456 4,896 19.2

25 9,021 1,089

12.1

35 32,189 6,759 21.0

26 12,111 2,299 19.0 36. 39,849 8,458 21.2

27 13,367 2,231 16.7 37 44,522 9,404 21.2

28 15,128 2,315 15.3 38 50,825 10,307 20.3

1.国 民所 得 白書(備考)

2.政 府収 入は,中 央 政府 お よび地方政 府(地 方公共 団体)の 合計額 3.法 人負担 は,国 税 であ る法人税 のほか に,法 人 負担 のいわゆ る住民税

が含 まれ るほか,日 本銀 行納付金,懲 罰没収 金,弁 償 違約 金等 の税外負 担 も含 まれ る。

(12)

拡 大 が 可 能 とな り,ま たそ う した基 盤 の 上 に税 率 を定 め て い るわ け で あ る。

と ころが,わ が 国 に お い て前 述 した政 策 モ デル を 完 全実 施 した とす れ ぽ,増 資 とそ れ か ら資本 蓄 積,つ ま り社 内留 保 と減 価 償 却 な どで 約7割 が 自己 金 融 に よって所 得倍 増 計 画 に よ る民 間 設 備 投 資 が 実行 で きた筈 で あ る。 ドイ ツや ア メ リカで は,企 業 の 自己 金 融 で成 長 で き る よ うな 税制 上 の 素 地 を つ くって 景 気 の 刺 激 あ るい は 国 民 経済 の繁 栄 策 を とって きたの に対 し,わ が 国 で はそ うした手 を うつ こ とな く,政 府 は 法 人 税 の 増 徴 を行 な って きた の で あ る。今 日に おけ る企業 の 資 本 構成 の悪 化 は,経 済 白書 が 指 摘す る とお り,も ろ も ろ の 原 因 に よって 悪 化せ しめ られ た の で あ るが,よ り根 本 的 に は 戦後 の 資産 再 評 価 が不 徹 底 で あ っ た こ と,そ して所 得倍 増 計 画 が これ に 拍 車 を か け た こ と に よ る もの だ と考 え る。

3.資 本 構 成 是 正 策 と して の 各 氏 の 提 案

企 業 に とって,資 本 構成 の 是 正 に よ る体 質 改 善 は 不 可 欠の 課 題 で あ り,と くに 利 潤 率 が 低 下 して 企業 経 営 が急 速 に悪 化 して い る今 日,そ れ は また緊 急 に 解 決 され な け れ ば な らな い 問題 で あ る。 では 現 時 点に おい て,ど の よ うな 方 策 が と られ る必 要 が あ るか を具 体 的 に と りあ げ てみ よ う。 以下 に 紹 介す る の は,こ れ に関 す る代 表 的 な見 解 で あ るが,資 本 構成 の 是 正 よ りもむ しろ不 況 対 策 に 重 点 を お い て い る もの もあ る。 しか し,そ の ニ ュア ンスに多 少 の違 い は あ って も,企 業 の体 質 改 善 を強 力 に押 し進 め よ う とす る点 で は 各 見解 共 通 して い る。

(1)河 合 良成 氏 の 民 間 貧 乏 論

河 合氏 の理 論 は,い わ ゆ る 「民 間 貧 乏論 」 にそ の基 礎 を お く。 同氏 に よれ ば,日 本 経 済 の 高 い成 長 と反 対 に,企 業経 営 は苦 し くな る一 方 で,資 本 蓄 積 は なか なか 出来 ず,借 金 ば か りふ え る。従 来 か らの 通説 で は,民 間 の設 備 過 剰 投 資や 過 当競 争 な どが そ の 主 な 原 因 で あ る とされ て きた 。 しか し真 の 原 因 は,民 間 が 貧乏 に な った ことで あ る。 では 「民 間 貧 乏 」 とは ど うい う こ とか

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企業 の資 本構成 の悪化 とその対 策(西 野) 一63一

とい う と,そ れ は と りもな お さず,政 府 が民 間 資金 を 吸 い 上 げ す ぎて民 間 の 方 が 貧 乏 に な った とい うこ とで あ る。 そ れ は,民 間 に運 転 して い る資 金 総 枠 が 不 足 して い る とい う意 味 では な く,租 税 とい う形 で 資金 の所 有 権 が 政 府 に 移 りす ぎて,民 間 事 業 は 自己 資 金 が ひ ど く枯 渇 し,利 子 の つ く他 人 資 金,す な わ ち借 入 金 を 中心 に して企 業 経 営 をや って い か ざ るを 得 な くな った とい う 意 味 で あ る。 問 題 は 金 融 面 や金 融 量 とい うよ り,資 金 の 帰 属 とい うこ とが 中 心 的 問題 で あ り,そ れ が 政府 側 に多 く行 きす ぎ た とい うこ とで あ る。 この 点 は 自己 資本 率 が,戦 前 の 昭和14年 頃 に は56%で あ った もの が,最 近 に は 23%に 下 が って い る事 実 が これ を証 明 して い る。 しか らば,ど うして民 間 貧 乏 が 発 生 したか 。そ れ は所 得倍 増 計 画 に さか の ぼ らね ば な らな い 。所 得倍 増 計 画 は,国 民 生 活 を 向上 させ,工 業 も異 常 な発 達 を とげ た。 さ らに 道 路,鉄 道,オ リンピ ッ ク等 に も重 点 を 置 い た こ とは結 構 な こ とで あ る。 しか し残 念

な こ とに,か か る巨大 事 業 の 実行 に対 す る財 源 の つか み 方 を誤 っ た。 そ の 第 1は,予 算上 の 歳 入 剰余 金 に誘 惑 を感 じす ぎた こ とで あ る。 予 定 以上 の 徴 収 は,減 税 そ の他 の 方 法 で全 部民 間 に返 す のが 本 当 で,こ れ が 最 近4,5年 は毎 年5千 億 円位 もあ り,戦 後 を積 算す る と2兆 円 以上 に な るで あ ろ う。そ れ を当 然 の 収 入 とみ な して,大 部分 政 府 の 巨大 事 業 に 使用 した ことが今 日の 異 常 不 景 気 の 一 大 原 因 で あ る。

第2は,こ の よ うな 政府 の 巨 大事 業 に 着 手 す る場 合 は,あ らか じめ財 源 に つ き慎 重 な る検 討 を な し,も ち ろ ん公 債 財 源 等 に つ き充 分 な る考 慮 を払 うべ き であ って,民 力枯 渇 を来 たす よ うな租 税 吸 収 の み に 依 存 して きた こ とは大 きな誤 りで あ った 。

で は こ うい う根 本 問題 に対 して,ど うい う具 体 的 政 策 を とれ ぽ よいか とい うと,現 在 の金 融 操 作 を積 極 的 に した り,金 利 引下 げ を行 な うの も一 方 法 で あ るが,今 日の状 勢 で はそ の充 分 な る効 果 を期 待 で きな い 。 も っ と直 接 明快 に,吸 い 上 げす ぎた 資金 を民 間 に返 す な り,将 来 過 当 に 吸 い上 げぬ よ う措 置 す べ きで あ る。河 合氏 は この よ うに の べ たの ち,次 の よ うな具 体 策 を 提 案 す

(14)

る。

政 府 は将 来5年 計 画 で3兆 円位(英 国 の10分 の1)の 国債(減 税 国債) 発 行 に踏 み切 り,そ の 財 源 を もって 毎年6千 億 円ず つ の企 業 税,所 得税 等 の 減 税 を や る。

国債 は な るだけ 外 債 が よ く,ま た 相 当 に 可能 で あ る。 内債 の 場 合 に は で き るだ け民 間 消化 を 目標 とす べ きで あ る。一 案 と して は,減 税 受 益 者 を し てそ の受 益金 額 に応 じて毎年 一 定 率 の 公債 を 買 い 入 れ る義 務 を負 わ せ るの も

1つ の 方法 で あ る。 もち ろ ん,こ の 買 入者 は 銀行 担 保 使 用 な どは 別 と して, 一定 期 間 売 却 を 禁 止す る。

国債 発 行 の場 合 は,こ れ と同 時 に過 剰 設 備 に対 す る運 転 資金 制 限 等 の 民 間 の 自主 規制,過 当 競 争 に 対 す る 自粛 等 に つ き,民 間 側 が 具 体 的 方途 を 講 ず る こ とが 並行 的 必 要条 件 で あ る。

国債 発 行 と同 時 に,購 買力課 税,独 占禁 止 法 の 改 正,法 人 の 内部 留 保 の 強 化 や,一 般 貯 蓄 の積 極 的 契 励 策 を と るべ きで あ る。

河 合 氏 は,こ の よ うな 公債 発 行 に よ り企 業 の体 質 を 改 善 す れ ば,日 本 経 済 は5,6年 の間 に必 らず 安 定 す るであ ろ うとの べ,さ らに経 済 が安 定 した ら 今 日程 度 の 租 税 の 徴 収 は 差 し支 え な い とす る。

以上 か ら明 らか な よ うに,河 合氏 の減 税 公債 発 行 案 は企 業 の体 質 改 善 か ら 出 発 した 不 況対 策 の提 唱 で あ る。

(2)湊 守 篤 氏 の 老 朽 設 備棚 上 げ案

湊 氏 の 考 え 方 は,不 況 の克 服 とい う面 に 重 点 を お き,あ わ せ て 公 債発 行 を 老 朽 設 備 の棚 上 げ に結 び つ け て企 業 の体 質 改 善 に 役 立 たせ よ うとす る もの で あ る。

湊 氏 は,今 回 の不 況 の根 本 原 因 は 設 備投 資 の行 き過 ぎに も とつ く過 剰 設 備 に あ り,過 剰 設 備 の圧 迫 が企 業 の利 潤率 を低 下 させ て い る とみ る。 同氏 に よ れ ば,昭 和34年 か ら36年 に かけ ての3年 間 に,日 本経 済 は 平 均15%と

う鷲異 的 な成 長 を果 た したが,こ の 間,民 間設 備 投 資 は 急激 に増 大 し,毎 年

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企 業の資本構成 の悪化 とそ の対策(西 野) 一65一

対 前 年 比30%〜40%ふ え,36年 度 に は 所 得倍 増 計 画 が10年 目に想 定 した 4兆 円を 越 え るに至 っ た。 この よ うに 民 間 殺 備 投 資 を 主 導 力 と して 日本 経 済 は 高 度成 長 を 実 現 した の で あ るが,当 然 そ れ は 膨 大 な 供 給 力 を 生 み 出 した 。 しか も,民 間 設備 投 資 は,37年 に一 度 落 ち込 んだ もの の,38年,39年 とま た 伸 び て,39年 度 に は4兆8千 億 円 以上 に 上 が って い る と考 え られ る。 そ

して この 民 間 設 備 投 資の 高 さは,鉱 工 業 生 産 が 少 な くと も 年15%位 伸 び な け れ ぽ 供 給過 剰 に な る水 準 で あ る。 と ころが,鉱 工業 生 産 は この1年 間 横 バ イ に 近 い。 した が って 需 給 の バ ラ ソスが ます ます 大 き く破 れ るの は避 け が た く,こ の 需 給 の ギ ャ ップが企 業 の利 潤率 を低 下 させ,経 済 の実 態 を一一段 と悪 化 せ しめ,産 業 界 の不 況 感 を高 め る基 本 的 原 因 とな って い る。

日本 経済 の供 給 力 に つ い て,湊 氏 は この よ うに のべ た の ち,鉱 工 業 生産 の 伸 び な い理 由を 次 の よ うに 説 明す る。

生 産 を きめ る最 終 需 要 は,個 人 消 費,民 間設 備 投 資,在 庫投 資,財 政 支 出 お よび輸 出(ま た は 輸 入)の 合 計 で あ る。 まず 個 人 消 費 に つ い て は,1昨 まで 毎年15%位 ず つ 伸 びて き た が,最 近 これが 落 ち て きて お り,こ れ を 急 速 に 上 昇 させ る こ とは 困難 で あ ろ う。 次 に 民 間 の 設備 投 資 意 欲 は沈 静 化 して きた の で,40年 度 が 対 昨年 比 プ ラスに な る こ とは まず な い 。在 庫投 資 は 中間 在 庫 を へ らす とい う企 業 の傾 向 か ら全体 的 に は 落 ち て きて い る。 財政 支 出 は 昨年 度 と大 差 な い 伸 びを続 け,ま た 輸 出 も昨年 と同 じ程度 あ るい はそ れ 以上 の 伸 び を 示 して い る。 以 上5つ の 要 因 を ま とめ て 考 え る と,個 人 消費,財 支 出,輸 出は ほ ぼ前 年 と変 らな い 伸 び を 示 して い るの に対 し,全 体 と して 最 終 需 要 が 横 バ イ で あ る とい うこ とは,民 間設 備 投 資 と在 庫 投 資 の落 ち込 み が 大 きい こ とに よる と考 え られ る。 と ころ で,需 給 の ア ソ・ミラ ソス を た て 直 す た めに は,新 らた な需 要 を造 出す るか,過 剰 な供 給 力 を削 減 す るか しなけ れ ば な らな い。 い ま需 要 の面 につ い て み るな らば,先 に のべ た よ うな実 情 か ら 直 ち に 思 い切 っ た減 税 措 置 を と らな い限 り,民 間 設備 投 資 お よび在 庫投 資 を 上 昇 させ る こ とは 不 可 能 で あ ろ う。 財政 支 出 の 需 要 造 出効 果 に つ い て は 疑 う

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余 地 が な い 。 しか し,た だ で さえ財 源難 に 陥 って い る今 日の状 況 か ら して, ど う して も こ こで公 債 発 行 に よ る資金 調 達 を考 え なけ れ ば な らな いわ け で あ る。 輸 出 も対前 年 比30%近 い伸 び率 を さ らに 引 き上 げ る こ とは 期 待 で き な い。 以上 の よ うに 考 え る と,需 要 を高 め る対 策 と して もっ と も期 待 で き るの は 財 政 の 役 割 で あ る。 次 に 供 給 の 面 をみ る と,鉄 鋼 をは じめ,各 業 界 で 生産 調 整 あ るい は投 資 調整 を す す め て い るが,生 産 調整 が価 格 の 低 下 は あ る程 度 防 げ て も,コ ス トの 上昇 を もた らす し,ま た投 資 調 整 は将 来 の 需 給 パ ラ ソス を 調 整す る効 果 は期 待 で き るが,目 先 の供 給 を抑 え る効 果 は な い 。

湊 氏 は,以 上 の よ うに論 理 を進 め,結 局, .根 本 的 な 問題 は設 備 の過 剰 能 力 に あ る と して,老 朽 設 備 棚 上 げ 案 を 提 唱 す る。 そ の 骨 子 は 次 の とお りであ

る。

全 産 業 の 固定 資産 の10%程 度 一 約1兆5千 億 円一 を陳 腐 化 ・老 朽 化 した設 備 とみ て,こ れ を政 府 が 一 時 買 い上 げ て封 印す る。

そ の た め に必 要 な1兆5千 億 円 の 資金 は,日 銀 引 受け の形 で 政 府 が 公 債 を発 行 して調 達す る。

企 業 はそ の 資金 で 市 中銀 行 か らの借 入 金 を返 済 し,銀 行 は そ れ を 日銀 借 入 れ の返 済 に あ て る よ う義 務 づ け る。

こ うす れ ば通 貨 増 発 を起 さず に,企 業 が 現在 保 有す る設 備 の1割 に 当 た る過 剰 設 備 が 棚上 げ され るば か りで な く,日 銀 貸 出 しが殆 ん ど ゼ 叫 こな る か ら金融 の基 調 に も大 きな影 響 を与 え て,金 利 全体 も低 下 され るで あ ろ う。

この公 債 の返 済 は,設 備 を棚 上 げ して も らっ た企 業 が 政 府 にか わ って 公 債 の元 利 金 を払 い 込 む とい う形 を と る。 そ の ため に,た とえぽ 企 業 が 特 別 社 債 を発 行 して これ を政 府 に買 い とって も らえば,政 府 は 一 方 に お い て 日銀 か らの借 入金 を もち,他 方 で は企 業 に対 す る貸 付 金 を も って 資産 の ・ミラ ンス が とれ る。

この 措 置 は,企 業 の もつ 設備 稼 動 率 が 高 ま る とい う,国 民 経 済 全 体 か らみ て の 大 きな効 率 が あ が る し,ま た個 々の企 業 に と って金 利 負 担減 とい う

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企業 の資本構成 の悪化 とその対 策(西 野) 一67一

大 きな プ ラスが あ る。そ の 額 は少 な くと も全 体 で年 間750億 円 に は達 す るか ら,企 業 の利 潤率 に与 え る影 響 は 極 め て大 きい。

以上 が,過 剰 設 備 の排 除 を基 礎 とす る湊 氏 の 公 債 発行 論 の骨 子 で あ る。

大 原 総 一 郎 氏 の 内部 留保 充 実 の た め の提 案

わ が 国企 業 の 資本 構成 が 著 し く悪 化 した原 因 に つ い て,大 原 氏 は,戦 後 イ ンフ ノ停 止 の 際 に とった 企 業再 建 措 置 の誤 りに根 因 が 求 め られ る と と く。す なわ ち,資 本 構成 の 「ひず み 」 は 高 度成 長 の必 然 の結 果 であ る と,も っぱ ら 成 長 の ス ピー ドを問 題 に す る議 論,さ らに 公 債 発行 に よ らず税 収 に多 くを 依 存 した 財 政 々策 が 政 府 を豊 か に した反 面,民 間 の借 金 経 営 を もた ら した とす る意 見,ま た借 入 金 と増 資 の 資金 コス トに お よぼす 税 制 の 不均 衡 がそ の原 因 で あ る とい う考 え 方,こ れ らの見 解 はそ れ ぞ れ妥 当 す る面 の あ る こ とを否 定 しな い が,大 原 氏 は,西 ドイ ツの行 な っ た イ ン フ レ停 止 策 な らび に企 業 再 建 措 置 と,わ が 国 がそ の 時 に と った政 策 との差 異 に こそ,両 国経 済 の 違 い,企 業 の 資 本 構成 の違 い を もた ら した根 本 原 因が ひそ ん で い る と考 え る。

西 ドイ ツの企 業 再 建 措 置,な らび に わ が 国 の資 産 再 評 価 の 問題 に つ い て は,前 に触 れ た の で,こ れ に関 す る大 原 氏 の説 明は 省 略 す るが,同 氏 は,両 国 の とっ た措 置,と くに西 ドイ ツが 内部 留保 重 視 の 政 策 を とっ たの に 対 し,

日本 では 内部 蓄 檀 よ りも増 資 政 策 を重 視 した き らい が あ る こ と,そ の た めに 企 業 を して 資 金 コス トの 高 い資 本 金 の増 加 よ りも コス トの 低 い借 入金 に 依 存 せ しめ た こ とを指 摘 して,も し西 ドイ ツ流 の 措 置 が 講 じ られて いた ら,も っ とは るか に 大 き い 内部 留 保 の 蓄 積 が で きて いた で あ ろ う,と 推 察 す る。 しか し,こ の よ うな 措 置 を とっ たの は,む ろん 政 府 で あ るが,実 は 政 府 の 責 任 だ け です ま され る問題 で は な い 。 日本 の財 界 が 安 易 な経 営 を行 な うの に適 した 措 置 を 好 ん だ とい う点 を 見 逃 す わ け に は い か ない 。そ の 点 か らい え ば,日 の 財界 人 は 西 ドイ ツの財 界 人 に く らべ て,全 部 が 落 第 生 とい って よい,と 原 氏 は 厳 しい批 判 を 加 え て い る。

以上 の べ た理 由か ら,大 原 氏 の提 案 は,西 ドイ ツの企 業 再 建 方 法 を可 能 な

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一68一 商 学 討 究 第16巻 第2号

限 りな らお う とす る もの で あ る。 そ の 概 要 は 次 の とお りで あ る。

まず,わ が 国 が実 際 に再 評価 を した 時 点 に お い て,か りに 資 本 金 の 再 評 価 を行 な った と した場 合 生 じた と思 わ れ る 「資 本 修 正 差 額 」 を 計 算 す る。

また そ れ に 見 合 う資 産 の再 評 価 を 行 な った 場 合,償 却 費 の 増 加 に よって 蓄 積 可 能 とな った 内 部 留 保 資本 を 修 正 す る。

そ の うち税 と して納 付 した 部 分 に対 応 す る元 利 の 合 計 額 は,政 府 か ら 還 元 して も らい,残 余 の 部 分 は今 後 の企 業 努 力 に よって 回 収 して ゆ くもの と す る。

政 府 か ら還 元 され る額 は,本 来,各 企 業 の 資 本 の 実 質価 値 の 収 奪 を 是 正 す る もの で,内 部 留保 とな るべ き もの で あ る。 だ が,配 当 や 賃金 や製 品価 格 の 引 き下 げ とな って流 出 した 資本 価 値 は取 り戻す こ とが 不 可能 で あ り,税 の 部 分 の み返 還 を求 め るの も均 衡 を失 す るか ら,そ れ は政 府 出 資 とす る。

企 業 は 同額 の 負債 を即 時 減 ら して政 府 出 資に お きか え る。 政 府 の 出 資 分 は 議 決 権 の な い譲 渡 不 能 の優 先 株 と し,配 当率 は 借 入 金 利 子 よ りも低 目に し,企 業 の 資 本 構成 を改 善 す る と同時 に,実 質 的 な 資金 コス トの 負担 も軽 減 す る。そ して,お そ くと も10年 後 に は 自己 資本 比 率 を2倍 程 度 に 引 き上 げ

る。

優 先 株 は 独 立 会計 の 「社 会福 祉 基 金 」 を 保有 者 と し,配 当収 入 は社 会 の 谷 間 に見 捨 て ぢれ た 人 々を扶 助 す るた め の事 業 費 と し,企 業 の社 会 的 責 任 を 果 た す 制 度 とす る。

政 府 出資 の 財 源 は,当 初 日銀 引受 け の公 債 に よ るが,発 行 は この基 金 と し,公 債利 子 は基 金 の 収 入 で まか な う。 当 初 は 優 先株 の 配 当 率 を高 くし て,そ の 一 部 で公 債 を償 還 し,ま た 資本 修 正 を必 要 と しな い 新設 企 業(イ フ レ終 息後 に設 立 され た企 業)を 含 め た 全 法 人に 「特 別 資本 利 用 税 」 を 課 し,そ の 税 収 を 公 債 の 償還 に 充 当す る。 そ の理 由は,優 先株 は 実 質 的 には 企 業 負債 の肩 代 わ りで あ るか ら,こ れ に よって 生 ず る金 融緩 和 が 景 気 過 熱 を 生 ぜ しめ な い よ うにす るた め で あ る。税 率 は 金 融 緩 和 に よ る利 子 率 の 低下 差 率

(19)

企業 の資 本構 成 の悪化 とそ の対策(西 野) 一69一

位 とす る。

以上 が 大原 氏 の提 案 の骨 子 で あ るが,同 氏 の推 定 に よれ ば,こ の 特 別 措 置 を 実施 した場 合 の政 府 出資 額 は,堅 くみ て も3兆 円に 上 る とい う。そ して こ れ を 実 施す る こ とに よ る効 果 一 企 業 資 本 構成 の是 正,金 融 の 正 常化 と金 利

の 国際 レベ ルへ の接 近,こ れ に も とつ く 日本 経 済 の 国際 競争 力 の 強 化,さ に は 国 際収 支 の安 定,安 定 成 長 の持 続,社 会 福 祉 の 向 上等 の 効 果 は非 常 に 大 きい こ とを強 調 して い る。

4.減 税 公債 発 行 私案 と実 施 上 の問 題 点

前 節 に お い て,企 業 の 資本 構 成 是正 に 関す る3つ の 代 表 的 見 解 を 紹 介 し た。 これ らは,い ず れ も現 下 の 不 況対 策 と結 びつ け て 提 唱 され た もの で あ り,そ の着 想 は ユニ ー クで,極 め て示 唆 に 富 ん で い るけ れ ど も,仔 細 に そ の 内容 を検 討す る と,そ れ ぞ れ い くつか の 問題 点 を 含 ん で い る よ うに 思わ れ る。 い ま紙 幅 の関 係 で,3氏 の提 案 を個 々に検 討 す る余 裕 を もた な い のは 残 念 で あ るが,最 後 に筆 者 が か ね てか ら主 張 して い る減 税 公 債 発 行 に 関 す る私 案 を のべ て,わ が 国企 業 の 資 本 構成 是 正 策 を提 示 しよ う。

私 案 は,ま ず 現 在 の 法 人 税率 を20%引 き下 げ,37%を30%と す る。20

%と い う数 字 は,先 に のべ た ご と く,所 得倍 増 計 画の 政 策 モ デル を 検 討 した 際,資 本構成 を30%に 保 つ た め に は 法 人税 率 を即 時20%引 下 げ る こ とが 必 要 で あ る とい う結 論 を 得 た こ と,ま た朝 鮮 事 変 の ときに20%近 い もの を利 潤 税 と して 法 人税 率 の 引 き上 げ を行 な っ たが,殆 ん どそ の ま ま税 率 が 今 日 ま

で変 って い な い とい うこ とをそ の根 拠 と して い る。 現 在,方 法 は異 な るけ れ ど も,経 団連 で も37%を30%に す る,す な わ ち 約20%下 げ る とい う見 解 を 示 して い る。 い ま法 人税 収 が 約1兆 円で あ るか ら,法 人税 率 を20%引 げ る と,年 間2千 億 円 の減 税 に な る。そ して これ を一 応5年 間実 施 す るが, そ の 間 の企 業 の成 長 を考 慮 に 入 れ る と,総 額1兆5千 億 円 位 の減 税 に な る。

現状 に お い て この 金 額 は だ い た い金 融 市場 に お け るオ ー バ ー ・ロー ンを解 消

参照

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