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ベ-乏

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Academic year: 2021

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(1)

長崎大学工学部研究報告第1

9

号 昭 和5

7

8

5 5  

有限関口レンズによるレーザビーム回折界の界分布

佐 賀 信 裕 事 ・ 岩 崎 昌 平 本 田 中 和 雅 *

F i e l d  D i s t r i b u t i o n  o f  D i f f r a c t e d  L a s e r  Beam t h r o u g h  a  F i n i t e  A p e r t u r e  L e n s  

by 

N o b u h i r o  SAGA

, 

S h o h e i  IWASAKI a n d  K a z u m a s a  TANAKA 

( D e p a r t m e n t  o f  E l e c t r o n i c s )  

The d i f f r a c t i o n   f i e l d   o f   a l a s e r   beam t h r o u g h  a f i n i t e   a p e r t u r e  l e n s   i s   i n v e s t i g a t e d .   The  t r a n s v e r s e  and t h e  l o n g i t u d i n a l  f i e l d  d i s t r i b u t i o n s  v a r y  d e p e n d i n g  on t h e  f o c a l l e n g t h  and t h e  a p e r t u r e   r a d i u s  o f   t h e   l e n s .   The v a r i a t i o n s  o f   t h e  f i e l d   i n  t h e  F r e s n e l   r e g i o n  become n o t i c e a b l e  a s  t h e   o b s e r v a t i o n  p o i n t  a p p r o a c h e s  t h e  l e n s .   The t h e o r e t i c a l  and t h e  e x p e r i m e n t a l  r e s u l t s  c o i n c i d e  w i t h i n   t h e  e x p e r i m e n t a l  e r r o r s  when t h e  o b s e r v a t i o n  p o i n t  i s  f a r  from t h e  l e n s  b u t  t h e  d i f f e r e n c e  b e t w e e n   them becomes s a l i e n t  a s  i t   comes t o  t h e  l e n s .  

1.まえがき

光学系にはいろいろな有限関口の素子が用いられる が,光波の界の広がりに対してその関口が十分大きい とき,あるいは議論を近軸近似に限る場合はその開口 の有限性の影響は無視出来る.しかし開口を光信号検 波の雑音軽減装置に用いたり

1 )

あるいはレーザビー ムのスポットサイズが関口の大きさに対して無視出来 ないときは関口によるビーム波回折のより厳密な取り 扱かいが必要となる.入射波としてレーザビームを考 えた場合の関口による回折についてはこれまですでに いくつか報告されている剖.

本報告では有限な開口を持ったレンズがレーザビー ムにおよぽす影響を回折界の分布に着目して検討する.

入射ビーム波はガウス分布した振幅と球面で近似され る等位相面を持った基本モードを考え,回折界の伝搬 軸上およびそれに垂直な面上での分布を理論的に求め 実験結果と比較する.とくに伝搬軸上での回折界が極 大,極小となる所での横軸分布などについて詳しく検 昭和5

7

5

6

日受理

事電子工学科

討する.

2 .

有限開口レンズによるレーザビームの回折界 直線偏波した電磁界が

z=O

にある円形関口に入射 したとき,回折界はキルヒホフ近似を用いればフレネ ル領域においては次式で与えられる剖.

U(r

8

z)=

表剛一伽

) f f F ( n

OI0)

ベ‑乏

( r 2

+

rl‑2rn  coω‑

仇)}

] r 1 dnd8 1 ω 

ここで

F

は直線偏波した入射波の成分,

a l

は関口半 径,

k

はλを波長としたとき

k=2 1 C / A

で与えられる.

関口半径は波長

λより十分大きいとして議論はすべ

てスカラーで行なえるとする.有限開口レンズによる 回折界は無限大の大きさを持った厚さ

0

のレンズとそ の直前または直後に置かれた有限開口の系による回折 界と考えられる.焦点距離/の無限大レンズはよく知

(2)

5 6  

佐 賀 信 裕 ・ 岩 崎 昌 平 ・ 田 中 和 雅

られている様に,入射波に

(γ}=

n

2 k 1

  ( 2 )

だけ位相変位を与える.

いま入射波として次式で与えられるガウスビーム 砂川

r

z }

を考える叫.

(rか元吋‑ik(z‑z.) 

x 2

( 1 2 r 2

+

t a

什)

ω 

ここで

~=互ぞZEi,

k w ;   x=‑4 w .

v'

+e 

.

( 1

1+ i~

( 4 )  

このビーム波はガウス分布した振幅と球面で近似され る等位相面を持っている.またその伝搬軸は

z

軸で

z

=z.に最小スポットサイズ

w .

を持つ.

この入射波仇。

( r

z )

に対する有限開口レンズから の回折界は(2),(3)式を(1)式に代入し, 8,について積分 すれば次のようになる.

1 / 2  

iF 

。(rz}=~,/ 一一一一一一抑 -ik( z-z, )+i tan-'~,

a

V  l I ' a

(1

‑ M } " . . . . " 1  

2  1  ( '  

~ rl~, ¥ .1 FRR

,  ¥ 

一一一一寸

2

(1

M ) f  1 .   I

 ¥R1

, 

exp(一寸RI)J.(一一~)dR,

CA

I'¥

a l l¥ ' I J "  

1‑

M  I 

(5)  ここで

1 0

0

次のペッセル関数.~,はレンズの位置 での

S

の値,また

R=~, a,=~. a ,  a ,  F=  k~~. M =

w

=w. v ' I

平吉,

rl=l+i~,+主lF!1ι

2(1‑M} 

( 6 )  

である.フラウンホーファ領域での回折界は

1 M

ド∞

の極限として得られ,

( 6 )

式で定義されたパラ子ータの うち

r l

r i 2

i~,

i a l   F / 2

で置きかえるだけで 良いことが容易に示される.

上式の積分は数値積分あるいはベッセル関数を級数 に展開して項別積分することにより求めることが出来 る.

ビーム波の基本モードは一般にその最小スポットサ イズの位置すなわちビームウェイストの位置と,そこ でのスポットサイズが与えられれば決る.これはレン ズにより容易に変換出来,たとえば焦点距離fのレン ズに入射したビーム波は,もしそれがレンズの位置に ビームウェイストを持ち,そこでのスポットサイズが 仙であれば,変換後のビームウェイストの位置は次式 で与えられる町.

z o  ̲  p2  n ̲  

kw~

̲ 

̲ . 2  

一 一 一 一 ‑1‑

P 2 +4'  1  ‑

‑ n l  

(7) 

ただし

a=w./a

,である.

レンズの開口が無限大であれば変換されたビーム波 もガウスビームとなり,そのビームウェイストの位置 は(7)式で求められる.したがって有限開口レンズの場 合,回折界が鰻も絞られた位置と,(7)式で与えられる 位置とに差が現われればそれがレンズ開口の有限性の 効果であると考えられる.そこで回折界が最も絞られ た位置の定義が必要となるが,それには次の二つが考 えられる.第

1

にビーム波のスポットサイズの定義を そのまま拡張し,ある点

z

において回折界の横軸分布 が中心軸上の値の

l / e

となる点を求め,その値が最小 となる点

z

を最も回折界が絞られている所とする方法 である.これは物理的に理解し易いが回折界はレンズ からの距離

z

と共に複雑に変化することを考えると必 ずしも最適の方法とは考えられない.

2

の方法は中心軸上の界分布を求め,それが最大 となる点で上記の位置を定義するやり方である.レン ズ関口が無限大であればこの二つの定義はもちろん同 じ位置を与える.第

2

の方法では横軸分布の広がりが 最小となっている保障はないが,数学的には非常に簡 単に求まる.この二つの定義により回折界が最も絞ら れている点を求めると両者の聞にはほとんど差がない ことが数値計算の結果知られている酎.したがって本 報告でも第

2

の定義による位置を回折界が最も絞られ ている点として考察する.

3 .

実験および結果

本実験で用いたレーザ発振器は発振波長が

6328A

He‑Ne

レーザで,その共振擦は曲率半径がそれぞ

4m

(反射側),無限大(出力側)の反射鏡から成っ ている.周囲の温度等による出力の時間的変動を較正 するためにその一部をモニターで測定する.検出器と しては微小な穴のあいた黒い膜で被ったフォトダイ オードを用い,これを伝搬軸およびそれに垂直な商上 で移動させながら界分布を測定する.本実験の入射波 としてはガウス分布した基本ビームモードを考えるの で,出力が正しくこの分布になっているかをまず確か めなければならない.この結果は数%の誤差の範囲内 で出力の振幅がガウス分布していることが確認され,

スポットサイズも同程度の誤差で理論値と一致するこ とが確かめられた.

有 限 関 口 レ ン ズ と し て は 焦 点 距 離

1=50cm

30cm

の二種類のレンズと半径

O.488mm

の開口を組 み合わせたものを用いた.これをレーザ発振器の出力 側すなわちビームウェイストから1.4

70m

の位置に置

(3)

有限関口レンズによるレーザビーム回折界の界分布

5 7  

l υ 0 0 1 ・

0.' 

a , ~o

.488  [ m m ]   f  ~ 500 0  [ m m J  

200  300  zf

m ) 400 

F i g .  1 I n t e n s i t y   d i s t r i b u t i o n   o f   a  d i f f r a c t e d   l a s e r  beam on t h e  p r o p a g a t i o n  a x i s .   The s o l i d  l i n e  i s  t h e  t h e o r e t i c a l  v a l u e .   The maximum i n t e n s i t y   i s   t a k e n  a s   u n i t y .  

Z  =  265  0  [ m m J   0 ・ = 0 488 伊 、 m J f  =  500.0  [ m 司

。 . x 

[ m m J  

t

, . ・ 2 6 S . G (

I

I U o o j ・

Z  =  180.0  [ m m J  

, '0 488  [ m 同 日 f  =  500.0  [ m m J  

。 .j

0 ・ x‑ h吋

(b) 

・ . 1 8 0 . 0 1 ̲ 1

l u . . 1 ・ 1 . 0

"," 

Z  =  14 し o ! n m J  

。 , = 0 .488  ! n m J   f  =  ~OO.O p n m J  

。 .

(c) 

.‑141 ・

t

・ 2

く.以上の方法により測定した回折界を

F i g . l

および

F i g . 2 ( a )

g )

に示す.いずれの場合も実線は

( 5 )

式によ り求まる理論値を示す.

F i g . l

は伝搬軸上の界強度分 布で,多くの極大値のうち,最も遠方にあるものが最 大で,この点が回折界が最も絞られている点に対応す る.

F i g . 2 ( a )

はこの点での横軸分布で.

( b )

以下は観測点

l u . . 1 ・

t

。 .

, .

,   ・ ・ 1 2 0 . 0

[圃

1

。 a

~・

ー 。 . ー 。 . {

・ )

I ~

1 0 )

0  r . . . l  

..-色~

(f) 

. ・ 問 。 I

l l u . . 1 ・ 1 . 0 

, , > ・ ‑ ・ 1 .

0(・1

Z  • 120.0  , " m J  

。 , ‑ 0.488  " , m] 

f  ~ ~00. 0  p n 吋

Z  • 103.0  p n m J  

, ‑0.488 p n m J   f  • 500 .  0  p n m ]  

Z ‑90.0  p n m J  

' 0.488 p n 叫 f

500.0 p n 吋

Z'81.0  ' " 回 目

, .  0 .  488  [m m ]   f  ・ ~OOωo ' " 可 吋

F i g .  2 I n t e n s i t y  d i s t r i b u t i o n s  o f  a  d i f f r a c 匂 dl a s e r  beam on t r a n s v e r s e  p l a n e s .   The s o l i d  

l i n 巴 sa r e  t h e o r e t i c a l  v a l u e s .   The i n c i d e n t  beam h a s  t h e  same p a r a m e t e r s  a s  t h a t  o f  

F i g .  

1. 

(4)

5 8  

佐 賀 信 裕 ・ 岩 崎 昌 平 ・ 田 中 和 雅

が次第にレンズに近づいたときの極値およびそのほぽ 中間の位置での横軸分布である.

図 に は

1=50cm

の 場 合 の み を 示 し て い る が ,

1=30  cm

の場合も傾向はほとんど同じで,極大,極小 の位置が全体としてレンズの方に近づくだけである.

4.

検 討

伝搬軸上の界強度分布はレンズから遠方の領域では 測定も比較的容易であるが,レンズに近づくにした がって界の変動が激しくなり,誤差も大きくなる.極 大点,極小点などは中心の位置を見つけやすいが,そ の聞の領域では観測点が伝搬軸上にあるか否かを判断 するのは横軸分布を測定してその左右対称性から中心 点を求める方法によるしかない.このため入力ビーム 波の対称性,横軸分布の対称性が重要となるが.

F i g . 2  

以下で示すようにこの条件は大体満足されている.観 測点がさらにレンズに近づくとレシズの厚さが無視出 来なくなり,極大,極小の位置およびそこでの値が理 論値からずれてくる.本実験ではレンズから

5cm

度離れた点が測定の限界と思われる.

横軸分布については遠方領域では伝搬軸近傍は大体 ガウス分布した曲線にのり,軸から離れるにしたがっ てガウス分布のまわりにゆっくりとした変動をする曲 線が得られる.観測点が中心軸上の界分布における最 遠方の極大点

( z = 2 6 5 . 0 mm)

よりレンズに近くなる と変動が激しくなり,軸上の値も極大,極小と大きく 変化しているのがわかる.界強度が全体として小さく なるにつれて測定が難しくなり誤差も増える.この一 つの原因は検出器として用いているフォトダイオード をおおっている薄膜の受光孔の大きさが無視出来なく なることによると思われる.すなわちこの微小孔の半 径と横軸方向の界の変動が同程度になってくると観測 値は平均されたものしか得られず,理論値と異なって くる.この受光孔をより小さくするとフォト電流が微 小となり検出器に接続した電流計などの誤差が増加し,

測定値の改良は期待出来ない.このためより高感度の 光検出装置を用いる必要がある.

5 . むすび

有限開口レンズによるレーザビームの回折界の界分

布を実験的に求め,理論値と比較検討した.伝搬軸上 あるいはそれに垂直な平面上での界分布は,レンズの ごく近傍で激しく変動している領域を除いては実験値 と理論値は実験誤差の範囲内で一致する.近傍領域で はより精密な測定装置を必要とする.回折界が最も絞 られている点として中心軸上の界強度が最大となる位 置を選んだが,この点での横軸分布は入射ビーム波の スポットサイズとレンズ開口半径が同じ大きさのもの に対しては軸近傍ではほぼガウス分布しており,これ がスポットサイズの定義の拡張としてビームの広がり を定義し,それが最小となる点が界が最も絞られてい る所と定義する方法とほとんど差異を生じない原因と 思われる.関口半径がスポットサイズよりかなり小さ くなればこの二つの定義の聞には差が生じることが予 測されるが,このときは入射波のエネルギーがこの関 口により大きく減少されるので実用的ではないと思わ れる.関口と無限大レンズを組み合わせたものを一つ の素子として光学系に用いるような場合は本報告の界 分布の実験,計算が有用であると思われる.

おわりに日頃御指導いただく九州大学・福光教授に 感謝の意を表わす.またこの研究の実験,計算等を行 なった卒論生の上原修,萱島修司,吉富徳典,本多正 治,徳富厚の諸君にもあわせて感謝する.

なおこの研究の数値計算には長崎大学情報処理セン ターの

FACOM M‑180 IIAD

を用いたことを付記 する.

参考文献

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H .  and Y a r i v

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20

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p p .  2 8 2 7  ‑2 8 3 1   ( A u g .  1 9 8 1 )  

参照

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