「巡検会報告」
梢島の姫浦層群基底部の 不整合と下部層の化石
熊 本 ・ 教 育 西 岡 智 洋
表記の巡検会が10月25日,岩崎泰頴先 生の案内で行われた.参加者は途中参加を含
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め23名.少し肌寒いが,よく晴れた絶好の
巡検会日和であった.柄島は竜ヶ岳町の南にある一周3ほどの小
島であり,上部白亜系姫浦層群の中でも古い
ほうの基底部の地層が分布している.南部の
海岸では基盤の花嵐岩と姫浦層群下部が断層
で接している.島を南北方向に切る形でいく
つかの断層があり,海岸伝いに歩くと3回,
不整合の露頭を観察することができる 各々
の不整合は距離がそう離れていないにもかかわらず,違った様相を呈していることは,当 時の堆積環境を考える上においてたいへん興
味 深 い こ と で あ る .われわれは島に入ってすぐ車を降り時計回
りに島を一周することにした.島の南部では基盤の花闘岩に岩脈が貫入し ている様子を観察した.ここには多くの岩脈 が貫入しており,塩基性の蛇紋岩から酸性岩 のアプライトと違った性質の貫入岩体がある が,この違いは貫入の時期によるものという.
最初の不整合は,手の届かない崖の面の花 閥岩の上に姫浦層群基底部が重なる.ここの 不整合は薄いが赤色の層を伴っている.断層 で切れているために足元には姫浦層群の露頭
はなく基盤の花問岩が続いている.それに比べて2度目の不整合は花閏岩の風化した「マ
サ」の上に赤色岩が重なっていて,両者の境 界は大きく入り組んでいる.赤色岩を作って いるものがサクサクになった「マサ」の中に 入り込んだものとの説明があった.ここで赤色岩について話題となった.赤色 岩相は赤崎層,御所浦層中部,御船層上部な ど四国・九州の白亜系,古第三系にしばしば 見られるものであるが,これがどういう起源
でどういう由来のものかはよくわかっていないそうである.赤は3価の鉄の色で,大陸に 多い古土壌またはダフ起源だと考えられてい
る.細かい層理がないことからロームのような風成層の可能性もあるが,レスにしては粒
が粗いという.3度目の不整合面の上は厚い砂岩で,斜交 層理が発達していることから,水流の強い堆
積環境であったことがうかがわれた.ここではまったく赤色岩を伴っていないが,不整合 に赤色岩があるとは限らず,地層ができた場 所が川など堆積物の供給源からから離れた海 岸であることを示唆するものである.
昼食後,険しいヌルギ崎を越えて島の西側
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に出る.ここではSpondylusの化石を観察す る.本来,Spondylusは岩礁付着牲であるが
ここのものは泥岩の層理面にのっている.イギリスの白亜紀層から泥の上に横たわる
Spondylus(刺があり泥の中に沈まない)も
発見されているので,産状からみてここのも のもそうではないかという説明であった.この付近ではAmmmonite>Inoceramus等の 化石が地層中や海岸の転石から採集すること ができ,みな満足して帰路についた.最後に 今回の巡検会において終始丁寧に案内してい ただいた岩崎先生に感謝申し上げて巡検会報
告とする.随 . 2
昌屠卿.
"〃瀧営[画 砂遣(基底闘 邑砂岩・縄営亙厨回璽]花嵐閃織岩
了
500晒
…
柄島の地質図と地質断面図(岩崎原図)
発
熊 本 地 学 会 誌 熊本市黒髪2丁目 地 学 研 究 室 内
TEL344‑2111
〃 一