教員養成 における情報教育 カ リキ ュラムの開発 と評価 †
姫野 完治*
秋田大学教育文化学部
学校教育における情報教育の最大の目的は,子 どもの情報活用能力の育成にある.一方, 教員養成では,「学生 自身の情報活用能力」の育成 とともに
,
「情報教育 に関す る知識」や「子 どもに情報活用能力を教授す る力量」 の育成 も重要 といえ る.本研究では, この三っ の力量向上を目的 とした教員養成 における情報教育 カ リキュラムの開発 と評価を行 った.
その結果,9割 の学生が 「情報教育 に関す る知識」,8割が 「自身の情報活用能力」,7割 が 「情報活用能力の教授力」が向上 したと自己評価 した. また,開発 したカ リキュラムの 体系性 について
,9
割以上の学生か ら肯定的な評価を得 た. さらに, カ リキュラム内での 相対評価(
「ためにな った」授業,「わか りやすい」授業,
「お もしろか った」授業の順位 づ け)か ら, コンピュータを用いた演習が総合的に高評価である反面,項 目間で評価 に差 異が生 じていることがわか った.キーワー ド:情報教育,情報活用能力,教員養成, カ リキュラム開発,教育評価
1 .
は じめに1 .1 .
情報教育の進展2 0 0 0
年度 に始 ま った ミレニアム ・プ ロジェク ト「教育 の情報化」 は
,2 0 0 5
年度 までに全ての教室か らネ ッ トワークにアクセスで きる環境整備を目指 し て進め られている.現在で もすでに多 くの学校で, 学習や指導のツールとしてコンピュータが活用 され,とりわけ総合的な学習の時間などでは,デ ジタルコ ンテ ンツ,
We b
教材 とよばれ るコンピュータを用 いた教材 を取 り入れた情報教育の実践が盛んに展開 されている.ところで, わが国 にお ける情報教育 の始 ま りは
1 9 8 5
年 と言われている (菅井2 0 0 2 ) .
文部省の社会 教育審議会教育放送分科会( 1 9 8 5 )
が,同年3
月に「教育 におけるマイクロコンピュータの利用 につ い て」の報告書を発表 し,続いて6月に臨時教育審議 会の第一次答申が 「情報化‑の対応」の必要性を指
2 0 0 5
年1月2 4
日受理IEv al uat i nganI nf or mat i onEduc at i onCo ur s ef orPr e ‑ Se r v i c eTe a c he rTr ai ne e s
* Kanj iHI ME NO,Fac ul t y o fEduc at i on and Human St udi e s ,Aki t aUni v e r s i t y,Aki t a
摘 した. さ らに
,8
月 に 「情事酎ヒ社会 に対す る初等 中等教育の在 り方 に関す る調査研究協力者会議」が 第一次審議のまとめを示 したのが発端である. しか しそ こでは,「情報教育」 の基本的な考え方 は意識 されていたが,少な くとも 「情報教育」 という言葉 その ものは用 い られていなか った.「情報教育」 と いう用語が登場 したのは1 9 8 6
年であ り, もともとは メデ ィア教育の内容 を表現す るものとして提案 され た ものである (古藤1 9 9
1).情報教育が現在のように発展 し,学校教育 に取 り 入れ られた背景 には,大 きく三つの要因が存在 して いる.第一の要因 は,教育活動の媒介 としての有効 性である.教育 目標の到達 に向けた効率化 という側 面か ら,教科書や黒板,
OHP
などの教育 メデ ィア の発展型 として, コンピュータの導入が進め られた.二つは,社会か らの要請である.情報化社会の進展 によって,あ らゆる就職 にあた りコンピュータの操 作技能の習得が求め られる場合が少な くない.また, 一般家庭 におけるコンピュータ普及率が上昇す るな
ど, 日常生活で もコンピュータは必要不可欠 な もの とな って きている.学校教育を将来への準備教育 と 捉えた場合, このような社会状況への対応が求め ら
れ, コ ンピュー タの導入が進 め られたのである.≡
つ は,子 どもの主体 的な学 びへの転換であ る.昨今 の教育改革 を象徴 す るキーワー ドの一つ といえ る, 子 どもの 「生 きる力」 を育 むため, よ り習熟 した教 師が学習者 に知識 を伝達す るよ うな垂直的な関係 で の知識 の移行 で はな く,水平的な相互交渉が重視 さ れている. このよ うな子 どもの主体的な学 びを支援 す る道具 として, コ ンピュータを取 り入 れよ うとい
うのであ る.
1
.2 .
教員養成 にお ける情報教育学校現場 においで 情報教育が展 開 され るにつれ, それ らの教育を担 う教員養成や現職教育 において も, 教育 の情報化 に対応 した教育 ・研修が行われている.
しか し, これ らが必ず しも教育現場 で役 に立 ってい るわ けで はない とい う指摘 もある (姫野 ら
2 0 0 2 ) .
文部科学省( 2 0 0 4 )
は, 「コ ンピュー タを操作 で き る」教員が全体 で9 3 . 0 %
なのに対 し,「コ ンピュータ で指導 で きる」教員 は6 0 . 3 %
で あ り, コ ンピュー タ の操作 スキルを備 えているが,授業 の中で は使用 で きない教員が いまだに存在 していることを示唆 して いる. この要因 と して,教員養成 や現職教育 にお け る情報教育 ・研修が, コンピュー タの基本操作 や ソ フ トの使 い方 に終始 して しまい, コンピュータを授 業 の中で活用す るとい う視点 を欠 いていることが考 え られ る.松 田( 1 9 9 8 )
が指摘す るよ うに, 「情報 教育 ‑コ ンピュータの教育利用 である」,「機器 を使 わせていれば情報活用能力が身 につ く」 とい った誤 解 のために,教員養成 や現職教育 において も,同様 に実施 されて きたのである.上記 の課題 を克服す るため,近年 はコンピュー タ の操作技術 に特化 しない形式 の教育 ・研修 も提案 さ れている.例 えば 日本教育工学振興会
( 1 9 9 9 )
は,CD‑ ROM
を用 いた情報化推進 リー ダー研修 のモデ ルカ リキュラムを開発 し,全国各地 の現職教育で用 い られている. 内山 ら( 2 0 0 2 )
は,受講教 師が受身 にな って しま う研修 スタイルを批判 し,講 師体験型 の情報研 修 カ リキ ュ ラムを開発 して い る. 石井 ら( 2 0 0 1 ,2 0 0 2 ,2 0 0 3 )
は,既存 の教科指導 と情報教育 をっなげる研修 カ リキュラムを開発 している.しか し, このよ うに現職教 師を対象 と した情報教 育 カ リキ ュラムの開発が進 め られている一方 で,教 員養成 における情報教育 カ リキ ュラムは, いまだ情 報機器 の操作 に とどま っているか, もしくは情報 を
専門 とす る学生 に限定 されてお り,教職専門科 目等 のカ リキュラムは開発途上であるのが現状 といえ る.
中には,先 の情報化推進 リーダー養成 のための
CD‑
ROM
を用 いた実践 の試 み もな されてい るが (南部 ら2 0 0 2 )
,現職教 師を対象 とす る教育が, はた して 教員養成段階で適当か どうかは議論 を要す る.また, 西浦 ら( 1 9 9 9 )
が,学部学生 を対象 と しで 情報活用 能力 を育成す るカ リキ ュラムを開発 して いるが,教 員養成 とい う側面 を持 って いないばか りか, どち ら か とい うとコンピュータに限定 され る傾 向があ る.南部 ら
( 2 0 0 2 )
が指摘す るよ うに,教員養成段階 に お ける情報教育 カ リキュラムや教材づ くりを行 う必 要 があるだろ う.1
.3 .
日的教員養成 にお けるカ リキ ュラム開発 とい うと,従 来 は4年 間を通 したカ リキ ュラム,言 い換 えれば教 職科 目を系列化 した ものの開発が一般的であ った.
た しか に教員養成 の4年間で扱 う内容 を,段階的 ・ 系統的 に考察す ることは大切である. しか し同様 に, それ らの中の授業 ひ とっ ひ とっ に もカ リキ ュラムが 存在 してお り, その詳細 を検討す ることも重要 とい え る.授業内容が担 当教員 の専門性 に左右 されが ち な高等教育だか らこそ,各授業 の 目標基準 を定 め, カ リキ ュラムや教材 を開発す ることが求 め られ る.
そ こで本研究 で は,教員養成 における
2
単位相 当 の情報教育 カ リキ ュラムを開発 し,実施,評価す ることを 目的 とす る.
2 .
研究の方法2 . 1 .
カ リキ ュラムの位置づ けと受講者授業 は,秋 田大学教育文化学部 において,教職教 育 の必修科 目 「情報教育実践論」 の中で
,2 0 0 2
年度 後期 の火曜 日4
限 目に各9 0
分,全1 3
回 (その うち1
回 は3コマ相 当の集 中講義) で実施 された. この授 業科 目は,お もに教育実習 を終 えた3
年次 を対象 と して いる.情報教育 に関す る授業 は,1年次 に 「情 報処理 の基礎」があ るが,本授業 は,教員採用試験 やその後 の教職活動 に向 けて,教育実習 を経験 した 学生が よ り実践的 に情報教育 を学ぶ ことを 目的 と し て位置づ け られて い る.今 回 の受講者 は1 6 0
名 で, その うち8名 が4年次, その他 は全員3年次 であ っ た.当初 はコンピュータの活用が可能 な教室で実践す
る予定 であ ったが,教室 の都合 によ り恒常的 に コ ン ピュー タを使用 す ることがで きず, コ ンピュー タを 用 いた実習 は,冬季休業期間 に集 中的 に実施 せ ざる をえない事情が あ った. また, コ ンピュータを使用 で きる教室 も,一度 に
1 0 0
名以上収容 で きないため, 実習 は二 回 に分 けて行 った. なお, コ ンピュー タを 用 いた実習 は,秋 田県 の情報教育 の実状 と合 わせて 行 うため,秋 田県 の指導主事2
名 が担 当 した.2 . 2 .
受講者 の レデ ィネ スカ リキ ュ ラムを開発す る うえで,受講者 の情報教 育 に対 す る考 え方 な どを調査す る ことは非常 に重要 で あ る. そ こで, オ リエ ンテー シ ョンの際 に,①取 得予定免許状 の種類,②教育活動 へ の興 味 ・関心,
③授業 ・授業者 へ の要求, とい う大 き く3項 目につ いて ア ンケー トを実施 した.
その結果,受講者 は学校教育課程 (教員免許 の取 得 が卒業要件) の学生 が最 も多 いが,新課程 (教員 免許 の取得 は選択) の学生 も多数受講 していた.学 生 の取得予定免許状 は,表
1
の とお りで あ る (複数 回答). また, 教育活動 へ の興 味 ・関心 の度合 を表2
,受 講者 が授業 ・授業者 に求 め る自由記述 の回答 をカテ ゴ リ化 し表3
に示 す. これ らの結果か ら,受 講者 の情報教育 に対 す る興味 ・関心 はそれ ほど高 くな く,む しろ強い抵抗感を抱いていることがわか った.
表1 受講者の取得予定免許状 (N) 幼稚園 小学校 中学校 高校 養護 学校教育
1 3 8 9 6 4 4 2 1 8
地域科学0 0 1 2 1 1 1
国際言語
0 0 7 7 0
人 間環境
0 0 1 8 2 2 0
表
2
教育活動への興味 ・関心の度合 (%) とても やや あまり 全 く 情報教育教育方法 教師教育 教育・学習評価 学力論 学習指導要領 総合的な学習
2 1 . 1 6 2 . 6 4 9 . 0 4 2 . 9 3 5
.45 5 . 1 3 1 . 7 5 0 . 3 1 7 . 7 4 4 . 9 4. 8 4 5 . 6 3 6. 1 5 1 . 7
1 5 . 0 1 . 4 7 . 5 0. 7 8. 8 0 . 7 1 7 . 2 0 . 7 3 3 . 3 4 . 1 4 5 . 6 4. 1
ll . 6 0 . 7
表
3
授業 ・授業者に求めるもの 1.情報教育に対する抵抗感の解消・コンピュータは苦手なので,わかりやすい授業
・「情報教育‑わかりにくい」というイメージを覆す授業
2 .
授業の専門性・基礎的なところか ら説明 してほしい
・専門用語を噛み砕いた説明
3 .
授業の実践性・実際に教育現場で役立っ内容
・具体的にどのように指導すればよいか
・コンピュータの操作方法
4 .
授業の進め方・各回のポイントがわかりやすい授業
・単調にならない授業展開
・急ぎすぎない授業の進め方
・重要な資料が配布 してほしい
5 .
その他・眠 くならない授業
・教育実習が生きる授業
・教育観や体験談を交えてはしい
・教官 と学生の距離が近い授業
2 . 3 .
カ リキ ュラム開発 の意図学校教育 にお ける情報教育 で は,子 ど もの情報活 用能 力 の育成 を 目指 し, 「情報活用 の実 践力」, 「情 報 の科学 的 な理解」, 「情報社会 に参画す る態度」 の
3
つが示 されて い る (文部省2 0 0 2 a )
. で は, 子 ど も達 の情報活用能力 の育成 を将来担 うで あろ う教職 志望学生 には, どの よ うな力量 が必要 になるのだ ろうか.
森本 ら
( 2 0 0 2 )
は,情報教育 を担 当す る教 師 に必 要 な能力 を,現職教師への意識調査 か ら明 らか に し,「情報 教 育 の理解」, 「トラブルへ の対処」
,
「情報教 育 の視点 に立 った評価」,
「ネ ッ トワークを活用 した コ ミュニケー ション」 の4つを提示 している. また, 文部科学省 による 「コ ンピュー タを活用 した指導 の 促 進 の た め の 方 策 に 関 す る調 査 研 究 」 報 告 書( 2 0 0 2 b )
で は,小学校 と中学校 の教員 に求 め られ る 力量 をまとめている.具体的には,知識理解,計画 ・ 実施 ・評価,スキル,モ ラル,協力 ・協調,自己研鎖 の6
つの大項 目を細分化 し,小学校では2 6 ‑2 9
,中学 校では2 5
の中項 目を設定 したのである. これ らに共通 す る特徴 は,両者 と も米 国 のI STE( I nt e r nat i o nal
Soc i e t yf o rTe c hnol ogyi nEduc at i on)
が作 成 し た , 教 育 の 情 報 化 に 対 応 した 教 師 の 力 量 基 準( NETS・ T: TheNat i onalEduc at i onalTe c hno l ogy
St andar dsf o rTe ac he r s )
を モ デル と して い る点である. しか も, どち らか とい うとコンピュータや イ ンターネットなどの情報手段に傾倒 した目標 となっ ている. これ は, モデル とな った
NETS・ T
と比較して も顕著である.
しか し,情報教育を進めるうえで,確かにコンピュー タの活用が重要 な位置づけであることは言 うまで も ないが,諸外国ではメディアの批判的な読み取 りや 作成 に焦点 をあてた学習活動 なども重視 されている よ うに,情報教育 は何 もコンピュータに限 った もの で はない. また,先 の松 田
( 1 9 9 8 )
による指摘 に も あ ったよ うに,情報機器の操作 に偏 った情報教育 は 大 きな誤解である. この ことか ら考え ると,教員養 成 において もコンピュータやイ ンターネ ッ ト等 の操 作技術 に傾倒 しす ぎない目標が必要 となる. そ こで 本研究 で は, 「情報教育 に関す る知識」, 「教職志望 学生への情報活用能力の育成」,
「教職志望学生が子 ども達 の情報活用能力を育成す る力の育成」 の3
つ の 目標 を仮定す る.学校教育 における情報教育の中 で 目標 とされている 「情報活用能力」を中心 に据え,「子 ども達への教育」 と 「教職志望学生 自身の教育」
の二側面 を包含す ることを,教員養成 における情報 教育 の到達点 と定 めた ものである.上記 の目標の も
とに開発 したカ リキ ュラムを表4に示す (表 中の
「知」 は 「情報教育 に関す る知識」
,
「活」 は 「教職 志望学生 の情報活用能力」,
「教」 は 「子 ども達の情 報活用能力を育成す る力」 を示す).カ リキュラムの大 まかな流れを示す と,受講者へ のア ンケー トで明 らかにな った情報教育‑の抵抗感 を緩和す るため,情報伝達の難 しさや コンピュータ 以外 の教育 メデ ィアの活用 について扱 い, それをふ まえた上で コンピュータ ・イ ンターネ ッ トの活用 に 展開す る.次 に,情報教育全般 にかかわるモ ラルや
評価 を取 り上 げ,最後 に情報伝達の難 しさに戻 る.
3
つの 目標 は,各授業 に対応す るとい うよ りも, む しろカ リキュラム全体 に螺旋的に組み込まれている.なお,実際の授業で は既成 のテキス ト等 を定 めず, 各授業 の際に レジュメや ワークシー ト,資料等 を配 布 して実施 した.
2 . 4 .
カ リキ ュラムの評価方法開発 したカ リキュラムは,受講 した学生か らの二 通 りの評価 によって分析す る.一つ は,各授業 の際 に実施 した 「授業への満足度
( 5
件法) とその理 由」の記述である.二つ は, カ リキュラム終了後 に実施 した 「総括的な評価 (質問紙調査,4件法 ・自由記
逮)」である.後者 の質問項 目の作成 には,文部科
学省( 2 0 0 2 C )
による「大学 における教育内容 の改革 状況 につ いて」を参考 とした. この時,二つの評価 を用 いた理 由は, カ リキュラムの評価を行 う場合 に は,毎時間の授業を評価する短期的評価 と,カ リキュ ラム全体 を評価す る長期的評価 の両方が必要 と考え たためである. また,二つの調査で尺度 を使 い分 け たのは, 「授業への満足度」 で は3
をっ ける場合が 多か ったため,「総括的な評価」 で は改善点 を明確 にす るために4段階で評価 を求めた.総括的な評価 の具体的な質問項 目と調査形式 は以下の通 りである.(1)授業内容や方法, カ リキュラムの評価 :授業 のわ か りやす さをは じめ として,教育 メデ ィアやカ リ キュラムの体系性等 の
9
項 目について,4
件法 に よる評価を要請 し, さらに項 目以外の良否 につい て 自由記述形式で尋ねた.( 2 )
受 講者 自身の自己評価 :カ リキュラムの目標 に対 す る達成度や受講態度 について4件法で評価 を求 めた.表
4
カリキュラム開発とその意図回 授 業 の テ ー マ
授 業 内 容 使 用 し た 教 材 と そ の 意 図
◎ オ リエンテーション
講師の自己紹介 と,授業の進 め方,教職 に関す るア ンケー トを 教職 に関す るア ンケー ト :学生の興味 .関心や,情報教育の捉 実施 した. ア ンケー トには,取得希望免許状,教職への志向性,え方などを調査 し,以後の授業を進める参考 とするためア ンケ‑
教職 に関す る興味 .関心,情報教育の授業へ希望す ることなどの項 目があ り,学生 はこの項 目について記入 した. トを実施 した.
a 情報教育 は難 しくない〜情報教育の概論
ア ンケー ト結果 と情報教育 に関す る簡単 な説明を した後,「情報 モール :「情報教育 ‑情報伝達」 とし,モールを使用 したコ ミエ 教育 ‑情報伝達」 と限定 し, モールを使用 した活動 を行 った. ニケ⊥シヨンをす ることで,「情報教育 ‑コンビユ‑夕」 とい う 学生 は,好 きなよ うにモールを形作 り, それ と同様 の物 を他者 誤 った認識を排除す ることを意図 した. また,楽 しみなが ら学 に作成 させ るための説明を考えた. その説明を使用 して学生同
士の情報伝達を行 った. ベるため,導入段階での意欲づけになると考えた.
② 情報教育 の変遷 と現在
‑21
世紀 の情報教育 は どうな る 陵情 報 教 育 の歴 史 を, 教 育 メデ ィアの変 遷 とい う視 点 か ら概 観 し 図表 :講 義 に よ る授 業 の た め, 口頭 で の説 明 だ けで はな く, パ た. 教 師 が生 徒 にわか りやす く情 報 を提示 す る こ とを意 図 した ワ‑ ポイ ン トを用 いて そ の変 遷 を図 で表 わす ことで, 関連 性 を
教育 メデ ィアが, どのよ うに移 り変 わ り,現在 の情報教育 に至 ったのか, また産業 の発展 が教育 に及 ぼす影響 につ いて検討 した. 視覚 的 に理解 す る ことを意 図 した.
情報教育 の うち新 聞 を活用 した授業 に焦点 をあて, まず授業 に新 NⅠE調 査結 果 :指導 案 を構想 す る前 提 と して, 筆者 らが現職 教 間 を活用 す る事 の メ リッ トとデメ リッ トを説 明 した.学生 は,持 師 を対象 と して実施 した調査結果 を紹介 した.
ち寄 った新聞 の中か ら,授業 で活用可能 な記事 を選 び, その記事 新 聞 :新 聞記 事 を実 際 に用 い る ことで, 具体 的 な活動 が 出来 る か ら考 え られ る授業展 開を構想 し,最終 的 には指導案 を作成 した. と考 え,各 自が持 ち寄 った新 聞 を活用 した.
㊨ 一望ま た至急
学 校放 送 番組 の移 り変 わ りと, そ の利 用 の現 状 を紹 介 す る と と 学校 放 送 番組 :NHK学 校放 送番 組 「マ テマ テ イカ」 は,「さん もに, 二 つ の番組 を比較 検 討 した. 学 生 は, 小学 校 低学 年 向 け す うみつ けた」 の後番 組 と して放送 され て い る. 二 つ の番 組 に の算数 番組 「さん す うみつ けた」 と 「マ.テマテ イカ」 の視 聴 を は, 学 習観 の違 いが鮮 明 に表 われて お り, 比較 分 析 をす るの に
もとに,番組 の背景 にあ る学習観 の変容 を探 った. 適 して い る と考 え た.
⑤ 学校放送番組を活用した授業 〜番組 か らの発展学習 室
前 時 に 「学校放 送 番組 の視聴 とその活 用可 能 性」 とい う課題 を 課 題 :視 聴 した番組 内容 や発 展可能 な学 習 を事 前 に記 入 す る こ 出 し,本 時 はその課題 を もとに指導案 を作成 した.学生 は, ウエ とで,授業 で の活動 時間 を保 障 した.
ビ ング .シー トを用 いて, 番組 が ね らい とす る教科 に限 らず, ウ エ ビ ング .シー ト :この利 用 によ り, 学 生 が番組 か ら発 展 し 番組 か ら発展可能 な活動 を考察 し,指導案 を作成 した. た学習活動 をよ り多様 に考 え られ る と考 え た.
学 生 が作 成 した, 新 聞 と学 校放送 番組 を活 用 した指 導 案 を紹 介 指導 案 の例 :これ まで に行 った指導 案 の作 成 は, 個別 の活動 で した. また, コ ン ピュー タに関 わ る内容 を次 時 か ら扱 うた め, あ り, 情報 交換 の場 が なか った. そ こで, 指導 案 を学 生 同士 で
コ ン ピュー タが学 校 に取 り入 れ られ始 め た背景 の一 つ といえ る
「学習観 の転 換」 につ いて説 明 した. 交流 す る ことを意 図 して,氏名 を伏 せ た うえで配布 した.
⑦ 情報教育 とコン ビユ‑ 夕〜 そろそ ろ コ ン ビユ‑夕も知 ってお きますか (:g
コ ンピュー タを使 用 した授 業形 態 を説 明 し, その具 体化 の ため ビデオ :コ ン ピュー タを活 用 した実 践事 例 と して 先 進 的 な試 の ビデオ視聴 と,発展例 と してハ イパ ー ミラー実践 を紹介 した. み を選 択 して取 り上 げた. ハ イパ ー ミラ‑ につ いて は, 短 時 間 また, 学 校教 育 にお け る情報 教 育 の位 置 づ けを図示 し, 学 習 内 に ま とめ られ たニ ュー ス番組 を使用 した. 本 時 か らコ ン ビユー 容別 の機器 の活用法 を考察 した. 夕の内容 に入 るため,学生 へ の イ ンパ ク トを考慮 した.
⑧ 情報教 育 カ リキ ュラムの実 際〜 コ ン ピュー タ と子 どものかかわ り 例集
( 1 9 9 9 ) 」
コ ンピュー タを活用 した教 育 の メ リッ ト .デ メ リッ トを考察 し,書籍 :文部科学省 「特色 ある教育活動 のための実践事発 達 段 階 と授 業 目標 を考慮 した カ リキ ュ ラム開発 の必 要 性 を指 か ら, 情 報 教 育 に関連 した カ リキ ュ ラムを ピックア ップ して提
摘 した. さ らに学 生 は, 配布 した実 際 の情報 教 育 カ リキ ュ ラムを通読 し, その特徴 と感想 を記述 した. 示 し,実 際 の カ リキ ュラムに触 れ る場 を提供 した.
⑨ 情報教育 の授業実践 ‑教科 .情報 の 目標達成 教 師の支援体制の確立 匡
情報 教 育 の中で,「教科 内容」「情 報 活 用能 力」 の育 成 とい う二 ビデオ :前 時 の内容 と合 わせ て, 具体 的 な情 報教 育実 践 の展 開 つ の 目標 を どの よ うに実 現 す るのか につ いて, 指 導 案 と ビデオ 方法 を イメー ジで きるよ う映像 を用 いた.
を示 し, ね らいを達成 す るための授業 づ くりを考察 した. また,指導 案 :情 報 教育 の指導 案 を実 際 に見 せ, 学 生 の授業 の イ メ‑
教 師へ の支援 の現状 を紹介 した. ジ化 を図 る ことを意 図 した.
⑩ 秋 田県 の情報教育 の実態 とコン ビユ‑ 夕演習
〜
パ ワーポ イ ン トで 自己紹介 薫実地 指 導講 師 によ る集 中講 義 (1日).情 報教
育
の現状 ,特 に秋 コ ンピュー タ :160人 の受講者 を二 日に分 け る ことで,一人一 台 田県 の学校教育 に焦点 をあてて考察 した. さ らに, プ レゼ ンテ‑ の コ ンピュー タを使用 で きた. 内容 は,学生 か らの希望 が多 か つシ ヨン能 力 の向上 を見据 え, 学生 がパ ワー ポ
イ
ン トで 自己紹 介を作 る活動 を行 った. その上 で,数人 の学生 が発表 を行 った. たパ ワーポイ ン トを取 り入 れ た.
⑪ 情報教育 の影 の部分 〜情報 モラル とプ ライバ シー
前 時 に学 生 が作成 したパ ワーポイ ン トを い くつ か紹 介 した. ま ビデオ :メール送信 や ホ‑ ムペ ー ジ作 成 な ど受 講者 の身近 な例 た, 「開 かれ た学 校」 の良 し悪 Lと同様 に,情報 教育 に も影 の部 を取 り上 げ る ことで, 身 の回 りに隠 れて い る情 報 教育 の影 の部
分 が あ り, そ こで必要 とな る情報 モ ラル と フ ィル タ リングについて考察 し, 関連 す る ビデオ視聴 を行 った. 分 を意識化 させ よ うと考 え た.
⑫ 情報教育 の評価方法〜指導要録 の記述 とボ ‑ トフ ォ リオ 墓
学生 の要 望 を受 け, 筆者 自身 の 自己紹 介 パ ワ‑ ポイ ン トを紹 介 ビデオ :教 育実習 にお いて も, 教職 志 望学 生 が評 価 に関 わ る こ し
た.
実際の指導要録 を提 示 す る とと もに, 情報 教 育 につ いて とは少 な い. その ため, さま ざ まな評 価方法, とくに現在注 目 評価 .
記述す るための一方法 と して, ポー トフ ォ リオ評 価 法 を され て い るポ ー トフ ォ リオ評 価法の具体的な実践例を視聴する 考察し,
関連す るビデオ視聴 を行 った. ことによ り, イメー ジ化できると考えた.⑬ = E3 ‑
各
自が
作成 した レポー ト課題か らキー ワ‑ ドを抜 き出 し, そ の レポー ト, リフレクションノー ト:大学では基本的に,提出物 関連性
を図示 (構造化) し,他学生 にその内容 を伝達す る活動 をふ り返る機会が少ない.そこで,各 自が作成 したレポー トを を行っ
た. また,学生 は リフ レクシ ョンノー トをふ り返 りなが 構 造化 し,他者に伝達する活動を取 り入れた. リフレクション(3)カ リキュラム内での相対評価 :上記の質問項 目は, カ リキュラム全体 に対す る絶対評価 といえるが, この質問項 目はカ リキュラム内での相対評価であ る.
1 3
回の授業 の うち, 「ためにな った」・「楽 し か った」・「わか りやすい」授業 について,上位三 つを選択す る形態を とった.( 4 )
カ リキュラム改善 の方向性 :今後 のカ リキュラム 改善 に向けて, 自由記述で尋ねた.3 .
カ リキ ュラムの評価 と考察ここでは, まず 「授業への満足度 とその理 由」 の 結果 について考察す る.つ ぎに, カ リキュラム終了 後 に実施 した 「総括的な評価」を もとに
,
「カ リキュ ラム全体 の評価」, 「カ リキ ュラム内の相対評価」,「学生 による自己評価」,「今後 のカ リキ ュラム改善 の方向性」 の4側面 に分 けて検討す る. なお, この 総括的評価の際 には
,
「授業への満足度 とその理 由」を記載 した リフレクションノー トを参考 にす るよ う 指示 した.それ は, リフレクションノー トには満足 度以外 に も各授業 を もとに考えた こと ・わか った こ
となどが記述 されてお り, カ リキュラムを評価す る うえで重要 な判断材料 になると考えたためである.
3 . 1 .
各回の満足度 とその理由「授業への満足度 とその理 由」 の結果 を表
5
と表6
に示す. なお, 「⑲秋 田県 の情報教育 の実態 とコンピュータ演習」 については,実地指導講師が担当 した こともあ り, この項 目への調査 は実施 していな い.
表 5 各授業への満足度 (% )
回数 とても満足 や や満足 普通 やや不 満 とても不満 d.k.,n.a (彰 62.1 32.7 3.9 1.3 0.0 0.0
② 20.7 45.3 26.0 7.3 0.0
③ 25.5 34.5 28.3 9.7 2.1
④ 38.0 48.8 9.1 2.5 0.0
⑤ 23.3 32.2 34.2 8.2 1.4
⑥ 24.1 44.8 24.1 5.5 0.0
⑦ 29.9 42.9 21.1 4.1 0.0
⑧ 12.6 29.4 42.0 14.0 0.0
⑨ 28.2 38.9 27.5 4.0 0.0
⑪ 40.0 48.9 8.1 0.0 0.0
⑫ 44.8 39.9 9.8 2.8 0.0
表6 満足度合別の評価理由
回数 高満足度 の理 由 低満足度 の理 由
情報伝達 の難 しさと楽 しさを 内容が少 なか った気がす る
① 実感 した.情報教育への苦手 意識がな くな った
わか りやすか った.情報教育 パ ワーポイ ン トの進み方が
② に対す る誤解が解 けた. 自分 早か った. プ リン トが使 い な りに努力 し,集中 していた. に くか った.
新聞を授業で活用す る方法 を 課題 に対する指示が不明確.
③ 知 った.新聞への興味関心が 短時間の指導案作成 は辛 い.
わいた.説明がわか りやすい.
番組視聴 が楽 しか った.集 中 自分 自身の問題.番組 を活
④ していた.番組 の比較視聴が 用 した授業 イメー ジが創れ 新鮮.懐か しか った. なか った.
真剣 に取 り組 めた.指導案が 力がついたとは思えない.
⑤ 完成 したか ら.番組 の活用法 体調が悪か った.満足す る
がわか った. 指導案が作れなか った.
他 の指導案か ら学べた.説 明 新 しい知識があまり得 られな
⑥ が丁寧で進度 も適当.新 しい かった.資料を読む時間が少 発見があった.教官の体験談. なかった.部屋が寒かった.
PCの利用法 を理解 した.集 ビデオが面 白 くなか った.
⑦ 中 していた. ビデオが為になっ 教室が暑か った.
た.説明がわか りやすい.
具体的な資料がわか りやすか っ パ ワーポイントが動かなかっ
⑧ た. ゆ った りと受 け られた. たか ら.単調だった.部屋が
‑プニ ングに対処 していた. 暑かった.漠然としていた.
情報教育 の授業実践 を具体 的 専門用語が難 しか った. ど
⑨ に知 ることがで きた.情報教 デオの続 きを見 たか った.
青への偏見がな くな った. 眠か った.
授業実践 の ビデオが為 にな っ
⑪ た. 自分 の問題 と して考え ら れた.授業がスムーズだ った.
新 しいことを数多 く知 り考え 体調が悪かった.眠か った.
⑫ た. 内容が濃か った.教官 の 自己紹介が面 白か った.
積極的に他人 と関われた. 自 大人数でのコミュニケーショ
⑬ 分の考えをまとめられた.様々 ンは嫌 だ った. 自分 の考え な考えを開 けた. を うま く伝え られなか った.
授業 に対 して肯定的
(
「とて も満足」
「やや満足」 )
に評価 した割合 を見 ると, ほぼ全ての授業 において 0.6 過半数 を超え,一定 の評価 を受 けた といえ る.中で 0.0 も,「①情報教育 は難 しくない」, 「⑪情報教育 の影 1.7 の部分」
,
「⑫情報教育 の評価方法」 において は,8 0.7 割以上 の学生か ら高評価 を得ている. また,評価が 1.4 低か った 「⑧情報教育 カ リキュラムの実際」 におい 2.0 て も, 「とて も不満」 と評価 した受講者 はいなか っ 2.1 た.1.3 次 に,授業評価 の理 由の記述 よ り,受講者 による 3・0 授業評価の観点傾向をまとめると以下の声うになる.
2・8 ・授業内容の濃淡や新規性 の有無, とくに受講者 の
⑬ 50.0 27.8 15.2 3 .2 0.6 3.2 意識変革が評価 の高低を分 ける要因 となる.
・授業 の進 め方や進度,例えばパ ワーポイ ン トの進 め方,資料の通読 や作業時間を確保す ることが, 学生 の満足度 の高低を判断す るキーとなる.
・授業内容や展開 とは関係な く,受講者 自身の体調 や教室環境,課題解決 に対す る達成感が評価 の理 由 となる. また,相互 コ ミュニケー ションについ ては,受講者 の意識 によって嫌悪観 を抱 く場合が ある.
・配布資料や ビデオの良否が満足度 を左右す る一方, たとえそれ らの内容が満足す るものだ として も, 扱い方 (例えば,指示が不明確,単調など)によっ て低評価化す る.
・授業 とは直接関係 ない余談が,満足度を高 める一 要因 とな っている.
この結果 は,各授業 の評価であ り, カ リキ ュラム 全体の体系性の良否 を表 してはいないが,授業内容 は一定 の評価 を受 けた ことが伺 え る. 中で も,「⑪ 情報教育 の影の部分〜情報 モ ラル とプ ライバ シー」
については, 否定的な記述が全 く見 られなか った.
最 も評価が低か った 「⑧情報教育 カ リキュラムの実 際〜 コンピュータと子 どものかかわ り」 は,その理 由にもあるようにパ ワーポイ ン トが作動せず,授業 者 白身がその対応 に追 われて しま った とい う背景が あ った. しか し, これについて も評価が分かれ,撹 業がスムーズではないとマイナスに評価す るものと, ハプニ ングに対処 しているとプ ラスに評価す るもの の問で,満足度 に違 いが見 られた.以上のよ うな個 別の授業評価 を踏 まえ,次 に, カ リキュラム全体 の 評価結果 について考察 してい く.
3 . 2 .
カ リキ ュラム全体の評価カ リキ ュラムを総括す る形で
,9
項 目について評 価 を求 めた結果 を表7
に示す. この結果か ら,7
項 目で9
割以上 の肯 定 的 な評価(
「とて もよい」 と「やや よい」 の合計) を得 てお り, また
,9
割 に満 たなか った 「進度( 8 8. 7%)」
と 「質問や発言へ の 対応( 8 9. 9%)」
も, それ に近 い評価 を受 けてい る ことか ら, カ リキュラム全体 の内容および展開が一 定の成果 をあげていた ことがわか った. とくに 「わ か りやす さ」 の項 目で は, ほぼ10 0%に近 い評価 で
あった. また,開発 したカ リキュラムの体系性 につ いては,9 3
.1%の学生が肯定 し,授業が系統的になっ ていることが示唆 された.ただ し,その内訳 を見 る と, 「とて もよい」 と評価 したの は3 9. 0%であ り,
表
7
カリキュラムの全体評価 (%)項 目 とても やや あまり 全 く
dkna
1.わかりやすさ2 .
準備状況3 .
進度4 .
黒板,パワーポイント5 .
取り上げたビデオの内容6 .
話 し方7 .
質問や発言への対応8 .
レジュメ ・配布資料4 9
.14 9 . 1 0 . 6 0 . 0 1 . 3 6 6 . 0 3 1 . 4 0 . 6 0 . 0 1 . 9 4 4 . 0 4 4 . 7 1 0 . 1 0 . 0 1 . 3 6 0
.43 5 . 2 3
.10 . 0 1 . 3 6 9 . 2 2 8 . 3 1 . 3 0 . 0 1 . 3 4 9 . 1 4 7 . 8 1 . 9
0.01 . 3 4 5 . 9 4 4 . 0 6 . 3 0 . 6 3 . 1 5 4
.14 0 . 9 3 . 1 0 . 6 1 . 3 9 .
カリキュラムの体系性3 9 . 0 5 4 . 1 5 . 0 0 . 0 1 . 9
改善 の余地が残 されていることも明 らかにな った.
9
項 目の うち 「とて もよい」が最 も高か ったのは,「取 り上 げた ビデオの内容」 であ った. これ には, 情報教育 の授業実践 に対す るイメー ジ化 の難 しさが 関与 していると考え られ る.すなわち,情報教育の よ うに新 しく取 り入れ られた教育活動 について,受 講者 は被教育体験 を持 たない. そのため,講義だけ では実践 イメー ジを膨 らます ことが難 しく,実際の 教育活動 を視聴す ることが,その理解 にとって大 き
な影響 を与えると推察 される.
3 . 3 .
カ リキ ュラムの相対評価カ リキ ュラム間 における相対評価 の結果 は,表
8
の通 りである (表中の%は,
「ためにな った」
「楽 し か った」
「わか りやすい」
「合計」の項 目ごとに示 し ている).総合的 には①⑲⑪ の授業が高評価,②⑥⑧が低評価を受 けた.各項 目の上位三つをあげると,
「ためにな った」授業 は⑲⑪⑬
,
「楽 しか った」授業 は①⑤⑲, 「わか りやす い」授業 は①⑲⑪,一方下 位では,「ためにな った」授業が②④⑧,
「楽 しか った」授業が②⑥⑧,「わか りやす い」授業が②⑥⑨
⑬であった.
すべての項 目で高 く評価 されたの は,「⑲秋 田県 の情報教育 の実態 とコンピュータ演習」であ った.
しか し,項 目によ って評価 の度合 は異 な り,「ため にな った
」
「わか りやすい」では最 も評価 されたが,「わか りやす い」 で は 「①情報教育 は難 し.くない」
や 「⑪情報教育の影 の部分」の方が高 い評価 を受 け ていた. このことか ら, コンピュータを用 いた演習 が総合的 に高評価である反面,項 目間で評価 に差異 が生 じていることがわか った.
表
8
カリキュラムの相対評価 (N( %) )
回数 ためになった 楽 しかった わかりやすい 合計①
3 4( 7 . 3%) 7 4( 1 5. 9 %) 8 2( 1 7 . 7 %) 1 9 0( 1 3. 6%)
②
1 2( 2 . 6%) 8( 1 . 7 %) 21( 4. 5%) 41( 2. 9%)
③
2 5( 5
.4%)31( 6. 7 %) 2 6( 5 . 6%) 82( 5. 9%)
④
1 3( 2 . 8%) 3 3( 7 . 1 %) 2 8( 6. 0%) 7 4( 5. 3%)
⑤
4 8( 1 0 . 3%) 5 6( 1 2 . 0%) 31( 6. 7 %) 1 3 5( 9. 7 %)
⑥
1 6( 3
.4%)5
(1 . 1 %) 9
(1 . 9%) 3 0( 2. 2%)
⑦
2 9( 6. 2%) 1 6( 3
.4%)2 4( 5. 2 %) 6 9( 4. 9%)
⑧
1 4( 3. 0%) 6( 1 . 3 %) 2 2( 4. 7 %) 4 2( 3. 0%)
⑨
37( 8. 0%) 2 5( 5. 3 %) 1 8( 3. 9%) 8 0( 5. 7%)
⑩
7 4( 1 5 . 9%) 1 1 0( 2 3. 6 %) 5 6( 1 2 . 1 %) 2 4 0( 1 7 . 2%)
⑪
6 0( 1 2 . 9%) 31( 6. 7 %) 7 3( 1 5. 7 %) 1 6 4
(ll . 8%)
⑫
41( 8. 8%) 3 3( 7 . 1 %) 5 3
(ll . 4%) 1 2 7( 9. 1 %)
⑬
6 2( 1 3 . 3%) 3 8( 8. 2 %) 21( 4. 5%) 1 21( 8. 7 %)
計4 6 5( 1 0 0%)4 6 6( 1 0 0 %)4 6 4 ( 1 0 0%)1 3 9 5( 1 0 0%)
また, 「わか りやす い」授業で高評価 を得 た二つ の授業 は,学生同士 の相互 コ ミュニケーションや身 近 な教材 を取 り入れた授業であ り,それ らが高評価 の理 由 と考え られ る.一方,総合的に低評価 を受 け た 「②情報教育 の変遷 と現在」 は,各項 目において も常 に評価が低 いが, この授業 を高 く評価す る受講 者 も少 なか らず存在 している. この ことか ら,受講 者によって授業を評価する観点 は異なってお り,各々 の受講者が 「ためにな った
」
「楽 しか った」
「わか り やすい」 と判断す る基準 はそれぞれであることがわ か った.3.4.
学生 による自己評価カ リキュラムの目標 に対す る受講者 自身 の達成観 を表9,受講態度 を表10に示す.
この結果
,9
割 の受講者が 「情報教育 に関す る知 識」,8割が 「教職志望学生 自身の情報活用能力」,7 割が 「教職志望学生が子 ども達 の情報活用能力を育 成す る力」が向上 したと評価 していた. また, ほと ん どの受講者が,授業中は集中 して受 けている一方 で,時間外 に授業内容 について思考す ることは少 な く,授業時間内のみの学習活動 にな っていることが 示唆 された.表
9
授業目標の達成観 (%)とても やや あまり 全
く dkna
1.情報教育に関する知識3 7 . 7 5 6. 6 3. 1 0. 6 1 . 9 2.
自身の情報活用能力2 7 . 7 5 5. 3 1 3. 8 1 . 3 1 . 9 3 .
情報活用能力の教授力1 2. 6 5 8. 5 2 5. 2 1 . 9 1 . 9
表
1 0
授業における受講態度 (%)とても やや あまり 全
く dkna
1.集中して受講 した3 3. 3 5 7. 2 6. 3 0. 6 2 . 5 2.
自分なりの考えの作成2 7 . 7 5 6. 6 1 3. 2
0.02 . 5 3.
板書・ P
Pを記録 した4 2 . 8 4 0. 3 1 1 . 9 1 . 9 3. 1 4.
講義時間外に考えた1 7 . 0 5 2 . 2 2 6
.41 . 9 2 . 5 5 .
意欲的 に課題解決3 0. 2 5 6. 6 1 0. 7
0.02. 5
3.5.
今後のカ リキ ュラム改善の方向性受講者が考 える情報教育 カ リキュラムの改善点 を まとめると,次 のよ うになる.
1. コンピュータの利用
・コンピュータの操作技術 の演習機会 を増やす
・コンピュータを活用 した授業実習を導入す る
2 .
授業内容 と展開・指示を明確 にす る
・作業時間に合わせて作業量 を考案す る
3 .
教室環境・適度 な広 さ,冷暖房 の教室設備 を整え る
・授業中のざわつ きに対 して対応す る
・恒常的にコンピュータが使える環境を整備する 最 も多か った意見 は,実際にコンピュータを用 い ての演習 を増 や して ほ しいとい うものだ った.確か に今回の演習では,教室の確保が難 しいとい うこと か ら,短期集中的に実施 しなければな らないとい う 制約があ り
,
「情報活用能力 の教授力」 を育成す る までには至 っていないと思われ る.情報教育 に関 し ては, と くに学習環境 を整備 しなければ,学習内容 が規定 されて しまうため, まず は環境整備が必要 といえるだろう.
また,受講者への指示 を明確 に してほ しいといっ た教授方法 に対す る意見がある反面, カ リキュラム 自体の改定を求める意見 は見 られなか った.ただ し, 教育実習前 に受 けたか ったとい う記述 も複数 あ り, 4年間のカ リキュラムとい う側面か ら, この授業 の 位置づ げを検討 しなければな らないという新 たな課 題が見えた.
4 .
おわ りに本研究では,教員養成 における情報教育の目標 と して 「情報教育 に関す る知識」,「学生 自身の情報活 用能力」,「学生が情報活用能力を教授する力」の三 つを仮定 してカ リキュラムの開発 ・実施を行 い, さ らに,学生評価を もとにカ リキュラムの妥当性を評 価 した. その結果
,9
割以上の学生か らカ リキュラムが体系的であったとい う回答を得た.また,設定 した目標 に対 して も
,9
割の学生が 「情報教育 に関 す る知識」,8割が 「自身の情報活用能力」,7割が「情報活用能力の教授力」が向上 した と評価 してい た. このことか ら,開発 したカ リキュラムは,教員 養成段階における情報教育カ リキュラムとしてほぼ 妥当であったことが示 された.
ただ し,今後のカ リキュラム改善の方向性で も示 したよ うに, コンピュータを用 いた演習 は
1
回( 3
コマ相当)のみの実施であ り, このような環境を保 障 しなければ, カ リキュラムも制限 されて しまうた め,その確保が必要 となる. しか し, コンピュータ を用いたか らといって,必ず しもわか りやすい授業 に直結す るわけではないという見解 もあるように, 演習内容 と方法を検討す る必要があるだろう.高等学校 において教科 「情報Jが導入 されたこと により,今後 は, これまで以上 に情報教育を受 けた 学生が大学に入学 して くる.その学生たちはコンピュー タの基礎的な能力 は身 につけて くることが見込 まれ る.そ う考えると,教員養成 における情報教育 は, より一層 「教育」 に重 きをおいたカ リキュラムが求 め られ るだろう. そ うした時 に,「情報活用能力 の 教授力」をどのように育成す るかが課題 となる.本 研究では
,7
割の学生が向上 した と評価 したが, こ の部分のさらなる向上を意図 したカ リキュラム開発 が求め られる.引用 ・参考文献
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