札幌市立大学機関リポジトリ https://scu.repo.nii.ac.jp
看護実践中に看護師が行っているセルフモニタリン グの明確化 〜新人レベルと達人レベルに焦点を当 てて〜
著者 田中 広美
学位名 博士(看護学)
学位授与機関 札幌市立大学
学位授与年度 平成30年度 学位授与番号 20105甲第9号
URL http://doi.org/10.15025/00000173
平成 30(2018)年度 札幌市立大学大学院 看護学研究科博士論文
看護実践中に看護師が行っているセルフモニタリングの明確化
~新人レベルと達人レベルに焦点を当てて~
Clarification of self-monitoring by nurses during nursing practice – Focusing on the levels of advanced beginners and experts –
学籍番号 1475001 氏 名 田中広美
提 出 日 2019 年 4 月 19 日
i 目次 第 1 章 序章
Ⅰ.医療現場における看護実践の現状と求められる能力 ... 1
Ⅱ.研究の背景 ... 1
第 2 章 セルフモニタリングに関する研究の文献検討 Ⅰ.日本におけるセルフモニタリングに関する研究 1.日本におけるセルフモニタリングの研究の動向 ... 3
2.疾患コントロールに関連したセルフモニタリングの研究 ... 4
3.健康の維持・増進を目的としたセルフモニタリングの研究 ... 5
4.看護や教育現場におけるセルフモニタリングの研究 ... 5
5.セルフモニタリングの測定尺度に関する研究 ... 5
Ⅱ.海外におけるセルフモニタリングに関する研究 1.海外におけるセルフモニタリングの研究の動向 ... 6
2.疾患コントロールに関連したセルフモニタリングの研究 ... 7
3.疾患コントロール以外のセルフモニタリングの研究 ... 7
Ⅲ.セルフモニタリングに関する理論的背景 1.Snyder が提唱するセルフモニタリング ... 8
2.セルフモニタリングと状況認識 ... 9
3.セルフモニタリングとメタ認知 ... 10
4.セルフモニタリングとリフレクション(省察) ... 11
5. セルフモニタリングと経験からの蓄積 ... 12
第 3 章 研究の目的と意義および研究の構成 Ⅰ.研究目的 ... 15
Ⅱ.研究の意義 ... 15
Ⅲ.研究の構成 ... 15
第 4 章 研究 1 対人関係におけるセルフモニタリングの概念の明確化 Ⅰ.研究デザイン ... 18
Ⅱ.研究目的 ... 18
Ⅲ.研究方法 1.データ収集 ... 18
2.データ分析 ... 20
Ⅳ.倫理的配慮 ... 20
ii
Ⅴ.研究結果
1.対人関係におけるセルフモニタリングの概念分析 ... 20
2.関連概念 ... 28
Ⅵ.研究 1 の考察 1.対人関係におけるセルフモニタリングの定義 ... 28
2.対人関係におけるセルフモニタリングの概念モデル ... 29
3.概念の看護ケアへの活用可能性 ... 30
第 5 章 研究 2 看護師のセルフモニタリングの構造の明確化 Ⅰ.研究デザイン ... 34
Ⅱ.研究目的 ... 34
Ⅲ.用語の定義 ... 34
Ⅳ.研究方法 1.研究対象者の選定... 35
2.データ収集 ... 36
3.データ分析 ... 39
Ⅴ.倫理的配慮 ... 44
Ⅵ.本研究における信憑性の確保 1.信用性 ... 46
2.確認可能性 ... 46
3.解明性 ... 47
4.転用可能性 ... 47
Ⅶ.結果 1.新人看護師のセルフモニタリング ... 47
2.達人看護師のセルフモニタリング ... 57
3.看護実践中に看護師が行っているセルフモニタリングの構造 ... 67
Ⅷ.研究 2 の考察 1.看護実践中に看護師が行っているセルフモニタリングのプロセス ... 68
2.新人レベルと達人レベルの看護師のセルフモニタリングの共通点 ... 70
3.新人レベルと達人レベルの看護師のセルフモニタリングの相違点 ... 71
4.看護実践中の看護師のセルフモニタリングの構造 ... 73
第 6 章 総合考察 Ⅰ.セルフモニタリングの展開 ... 76
Ⅱ.経験学習の促進... 77
iii 第 7 章 総括
Ⅰ.看護実践への発展的示唆 ... 79
Ⅱ.研究の適切性 ... 79
Ⅲ.本研究の限界と課題... 80
第 8 章 結論 ... 82
謝辞 ... 83
引用文献 ... 84
iv 図目次
図ⅰ 経験学習サイクルと実践知 ... 13
図ⅱ 研究の構成 ... 17
図ⅲ 対人関係におけるセルフモニタリングの概念モデル ... 29
図ⅳ(結果図)看護実践の中で自身をモニタリングするプロセス(新人看護師) ... 49
図ⅴ(結果図)看護実践の中で自身をモニタリングするプロセス(達人看護師) ... 59
図ⅵ 看護実践中に看護師が行っているセルフモニタリングの構造 ... 67
図ⅶ 看護実践中の看護師のセルフモニタリングの共通点と相違点 ... 73
図ⅷ 看護実践中の看護師のセルフモニタリングの展開 ... 76
図ⅸ 看護実践中のセルフモニタリングと経験学習 ... 77
表目次 表ⅰ 辞典(事典)における「セルフモニタリング」の用い方 ... 9
表ⅱ セルフモニタリングの属性と出典 ... 25
表ⅲ セルフモニタリングの先行要件と出典 ... 26
表ⅳ セルフモニタリングの帰結と出典 ... 27
表ⅴ 研究 1 文献リスト... 31
表ⅵ 分析ワークシート(新人看護師) ... 42
表ⅶ 分析ワークシート(達人看護師) ... 43
表ⅷ 研究対象者の概要(新人看護師) ... 47
表ⅸ 新人看護師のデータから生成された概念とカテゴリ一覧 ... 56
表ⅹ 研究対象者の概要(達人看護師) ... 57
表ⅺ 達人看護師のデータから生成された概念とカテゴリ一覧 ... 66
v 資料
資料 1 研究協力依頼(病院長)
資料 2 研究協力依頼(看護部長)
資料 3 研究協力回答書
資料 4 研究協力依頼(病棟師長)
資料 5 研究協力依頼(看護師)
資料 6 研究同意書 資料 7 フィールドノート
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第 1 章 序 章Ⅰ . 医 療 現 場 に お け る 看 護 実 践 の 現 状 と 求 め ら れ る 能 力
看 護 師 は 、 看 護 実 践 に お い て 自 身 が 置 か れ て い る 状 況 や 変 化 を 察 知 す る こ と で 直 面 す る 問 題 と 向 き 合 い 判 断 を し て い る 。Snyder( 1986 )は 、人 は 社 会 的 状 況 や 関 係 性 の 中 で 、 そ の 場 に い る 自 身 を モ ニ タ ー す る 能 力 を 備 え 、 自 身 を 表 現 す る 行 動 が そ の 場 の 状 況 に 適 切 か ど う か セ ル フ モ ニ タ リ ン グ し て い る と 述 べ て お り 、 日 常 的 に そ の 場 に い る 自 身 を モ ニ タ リ ン グ し て い る こ と を 示 唆 し て い る 。 看 護 師 も ま た 、 直 面 す る 場 に お い て そ の 状 況 を 捉 え な が ら 同 時 に 自 身 の 表 現 が そ の 場 に 適 切 か ど う か モ ニ タ リ ン グ を 行 っ て い る と 考 え る 。
筆 者 は こ れ ま で 臨 床 に お け る 経 験 や 看 護 基 礎 教 育 に 携 わ る 中 で 、 患 者 と の 関 係 性 に お け る 自 身 を 取 り 巻 く 状 況 を ど の よ う に 捉 え て い る か に 関 心 を 持 っ て い た 。 看 護 師 は 、自 己 の 看 護 場 面 を 再 構 成 し 内 省 す る こ と で 状 況 を 捉 え て い る 。し か し 、 医 療 現 場 で 患 者 と の や り と り は 、 一 回 性 で か つ 流 動 的 で あ る た め 、 再 構 成 に よ る 内 省 は 気 が か り で 印 象 的 な 事 象 の 焦 点 化 に よ る 振 り 返 り 的 要 素 が 強 い 。
近 年 、 医 療 現 場 を 取 り 巻 く 状 況 は 、 加 速 す る 高 齢 社 会 や 地 域 包 括 医 療 の 取 り 組 み や 入 院 日 数 の 短 縮 化 な ど 目 ま ぐ る し く 変 化 し て い る 。 看 護 の 現 場 も ま た 、 医 療 に 対 す る 社 会 か ら の 要 請 や 期 待 の 高 さ 、 価 値 観 の 多 様 性 か ら 以 前 に も 増 し て 業 務 は 煩 雑 と な り 複 雑 化 し て い る 。 そ の よ う な 多 忙 な 状 況 に あ っ て 、 直 面 す る 状 況 を 迅 速 か つ 的 確 に 捉 え 判 断 す る が 能 力 が 必 要 で あ る 。 こ れ は Snyder の 提 唱 す る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 用 い て 説 明 す る こ と が 可 能 で あ る 。
日 本 看 護 協 会 ( n.d. ) は 、 看 護 実 践 能 力 の 構 成 要 素 に 「 ニ ー ズ を と ら え る 力 」
「 ケ ア す る 力 」「 協 働 す る 力 」「 意 思 決 定 を 支 え る 力 」 の 4 つ が あ る と 説 明 し て い る 。 こ の 4 要 素 の い ず れ に も 、 そ の 場 に 適 し た 自 身 の 状 況 を 捉 え 行 動 し モ ニ タ リ ン グ す る 能 力 つ ま り セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が 包 含 さ れ て い る 。
し た が っ て 本 研 究 で は 、 こ の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 着 目 し て 取 り 組 む こ と と す る 。
Ⅱ . 研 究 の 背 景
看 護 は 対 象 と な る 患 者 と の 人 間 関 係 が 基 盤 で あ り 、 相 互 作 用 の 促 進 に よ り 信 頼 関 係 が 構 築 さ れ る 。 こ の 関 係 性 の 中 で 、 自 身 が 置 か れ て い る 状 況 を 捉 え る 能 力 が そ の 後 の 行 動 に 影 響 を 及 ぼ す 。 そ の 場 に い る 自 身 を モ ニ タ ー す る 手 法 と し て セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が あ る 。 こ の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 活 用 に よ り 、 自 身 が 置 か れ て い る そ の 場 の 状 況 を 即 時 的 に モ ニ タ ー す る こ と が 可 能 と な る 。
丸 野 ( 1993) は 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に つ い て 、 患 者 と 対 峙 す る 医 療 者 自 身 の 心 の 動 き の 関 係 を 読 み 取 る 鍵 で あ り「 状 況 を 読 み 取 る 目 や 態 度 や 能 力 」の 育 成 や 、 心 の 中 の ス ー パ ー ビ ジ ョ ン と い う 観 点 か ら 重 要 視 さ れ て い る と 述 べ て い る 。
こ れ ま で 看 護 教 育 や 臨 床 現 場 で は リ フ レ ク シ ョ ン が 活 用 さ れ て き た 。 こ の リ フ
レ ク シ ョ ン は 、 自 身 が 行 っ た 看 護 実 践 の 結 果 や 自 身 を 取 り 巻 く 人 々 と の や り と り
を 省 察 し 、 自 身 の 思 考 に 働 き か け そ の 後 の 看 護 実 践 を 方 向 づ け る こ と に 有 効 と 考
え ら れ て い る 。
2
太 田 ( 2001) は 、 経 験 を 意 味 あ る も の に す る た め に 経 験 に お け る 思 考 す な わ ち
「 reflection ( 熟 考 )」 は 、 意 図 的 な 努 力 で 実 施 す る こ と が 重 要 で あ る と 述 べ て お り 、 多 く は 看 護 実 践 後 の 振 り 返 り で 活 用 さ れ 、 主 に 相 互 の 言 動 や 感 情 、 態 度 か ら 内 面 的 変 化 を 探 り 自 身 や 相 手 の 状 況 を 捉 え る こ と で 、 次 の 実 践 に 反 映 さ せ る 。
現 在 多 用 さ れ て い る リ フ レ ク シ ョ ン に 加 え 、 直 面 す る 場 の 状 況 を 読 み 取 る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 活 用 す る こ と で 、 状 況 に 適 し た 行 動 の 選 択 の 幅 が 広 が る と 考 え る 。
こ れ ま で セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 研 究 の 多 く は 、 治 療 を 受 け る 患 者 や 療 養 生 活 を 支 え る 看 護 師 を 対 象 に 行 わ れ て き た 。 特 に 疾 患 に 伴 う 病 状 コ ン ト ロ ー ル の た め の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ や 健 康 管 理 や 健 康 維 持 を ね ら い と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 焦 点 が 当 て ら れ て い た 。 し か し 、 看 護 実 践 中 に 看 護 師 が 行 っ て い る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 着 目 し た 研 究 は 確 認 で き な か っ た 。 ま た 、 人 間 関 係 を 構 築 す る プ ロ セ ス に お け る 看 護 師 の 言 動 を も た ら す 思 考 に 着 目 し た 質 的 研 究 は さ れ て い る が 、 看 護 実 践 中 の 看 護 師 が 置 か れ て い る 状 況 に 着 目 し 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 様 相 を 捉 え た 質 的 研 究 は さ れ て い な い 。
臨 床 現 場 に お け る 新 人 と 熟 練 ( 看 護 師 ) の 違 い は 、 推 論 の 検 証 や モ ニ タ リ ン グ の 実 施 や 常 に 確 認 し て い く 思 考 の プ ロ セ ス で 、 そ の 判 断 の 正 確 性 や 適 切 性 の 性 質 に あ る ( 藤 内 , 宮 越 ,2005 ) と 指 摘 し て い る 。 看 護 師 が 、 日 々 の 業 務 の 中 で 状 況 を 認 識 す る 能 力 を 磨 き 、 “ 経 験 を 知 識 と す る ” 積 み 重 ね を す る こ と で 、 そ の 後 の 看 護 師 と し て の 成 長 の 程 度 に 差 が 生 じ る と 考 え る 。
以 上 の こ と か ら 、 本 研 究 で は 、 看 護 実 践 中 に 看 護 師 が 行 っ て い る セ ル フ モ ニ タ
リ ン グ に 焦 点 を あ て 、 ど の よ う に 自 身 の 状 況 を 捉 え 行 動 を 選 択 し て い る の か 、 看
護 師 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 明 ら か に し よ う と す る も の で あ る 。
3
第
2
章 セ ル フ モ ニ リ ン グ に 関 す る 研 究 の 文 献 検 討本 章 で は 、 日 本 お よ び 海 外 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 研 究 の 動 向 の 把 握 お よ び セ ル フ モ ニ タ リ ン グ と 類 似 あ る い は 関 連 す る 概 念 や 理 論 を 概 観 す る 。
Ⅰ . 日 本 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 研 究 1 . 日 本 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 の 動 向
日 本 国 内 の 医 療 や 看 護 領 域 を 中 心 と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 の 動 向 を 把 握 す る た め 、 医 学 中 央 雑 誌 web 版 に よ る 検 索 を 実 施 し た 。
医 学 中 央 雑 誌 web 版 は 、国 内 医 学 文 献 情 報 の デ ー タ ベ ー ス と し て 国 内 発 行 の 医 学 ・ 看 護 学 ・ 歯 学 ・ 薬 学 及 び 関 連 分 野 の 定 期 刊 行 物 が 約 7,000 誌 と 最 も 多 く 収 録 し て お り 、 さ ら に 約 1,200 万 件 の 論 文 情 報 の 検 索 が 可 能 で あ る こ と か ら 、 日 本 国 内 の 医 学 ・ 看 護 系 の 文 献 を 広 く 検 索 で き る と 判 断 し た 。
文 献 検 索 に あ た り 、 以 下 の ① か ら ⑥ の 条 件 を 設 定 し 実 施 し た 。
① 検 索 キ ー ワ ー ド を 「 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 」 と す る
② 「 人 」 を 対 象 と し た 研 究 に 限 定 す る
③ 検 索 対 象 期 間 を 1990 年 か ら 2014 年 と す る
④ タ イ ト ル や 抄 録 、 要 旨 に 検 索 キ ー ワ ー ド が 表 記 さ れ て い る 文 献
⑤ 論 文 内 に セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 活 用 の 記 載 が あ る
⑥ 動 物 を 対 象 に し た 研 究 や 脳 の 活 動 な ど の 生 理 学 的 実 験 論 文 を 除 外 要 件 と す る
検 索 の 結 果 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 研 究 で 、 本 文 の 閲 覧 が 可 能 な 論 文 は 86 件 で あ っ た 。 し か し 、 日 本 語 論 文 で は 「 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 」 の カ ナ 表 記 以 外 に 漢 字 と カ ナ に よ る 表 記 の 「 自 己 モ ニ タ リ ン グ 」 を 用 い て い る 可 能 性 が あ る 。 こ の た め 「 自 己 モ ニ タ リ ン グ 」 を 追 加 の 検 索 キ ー ワ ー ド と し て 文 献 検 索 を 行 い 、 新 た に 11 件 を 加 え 、 合 計 97 件 が 抽 出 さ れ た 。
内 訳 と し て 、97 件 中 54 件( 55 .6 % )が 疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 す る 文 献 で あ っ た 。こ の 5 4 件 を 機 能 別 に 分 類 す る と 、精 神 機 能 系 29 件( 5 3. 7 %)と 最 も 多 く 、続 い て 内 分 泌 系 が 5 件( 9.2 %)、消 化 器 系 が 4 件( 7. 4% )、運 動 機 能 系 が 4 件( 7. 4% )、
循 環 器 系 が 4 件 ( 7 .4 %)、 呼 吸 機 能 系 が 3 件 ( 5 .5 % ) 、 腎 機 能 系 が 2 件 ( 3 .7 %)、
感 覚 器 系 が 2 件( 3. 7 %)、女 性 生 殖 器 系 が 1 件( 1 .8 % )で あ っ た 。一 方 、疾 患 コ ン ト ロ ー ル 以 外 の 論 文 は 43 件( 44 .3 % )で あ っ た 。こ の 43 件 の 内 訳 は 、健 康 管 理 に 関 す る 文 献 が 24 件 ( 55. 8% ) と 最 も 多 く 、 続 い て 看 護 者 ( 学 生 含 む ) に 関 す る 文 献 が 7 件 ( 16 .2 %)、 小 ・ 中 学 生 指 導 に 関 す る 文 献 が 6 件 ( 13 . 9%)、 妊 婦 指 導 が 4 件 ( 9 .3 %)、 測 定 尺 度 関 連 が 2 件 ( 4 .6 % ) で あ っ た 。
こ れ ら の 文 献 の 種 類 か ら 、 日 本 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 の 傾 向 と し て 、 疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 す る 研 究 と 疾 患 コ ン ト ロ ー ル 以 外 の 研 究 に 大 別 で き る 。 ま た 、 疾 患 コ ン ト ロ ー ル 以 外 で は 、 ① 健 康 の 維 持 ・ 増 進 、 ② 看 護 や 教 育 現 場 に お け る 活 用 、 ③ セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 測 定 尺 度 に 関 す る 研 究 が 行 わ れ て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。
次 に 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 活 用 に つ い て 、 疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 す る 研 究
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と そ れ 以 外 の 研 究( 健 康 の 維 持・増 進 、看 護 や 教 育 現 場 、測 定 尺 度 )に 分 類 し て 、 概 観 す る 。
2. 疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究
疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 し た 研 究 で 最 も 多 か っ た の は 、 神 経 機 能 系 で あ り 特 に 精 神 疾 患 に 関 連 す る 論 文 で あ っ た 。
自 分 の 状 況 を 観 察 や 記 録 に よ っ て 捉 え 、思 考 や 行 動 の 変 容 の 促 進( 本 田 ,2003;
松 永 , 鈴 木 , 岡 本 , 吉 村 , 国 里 , 神 人 , 吉 野 , 西 山 , 山 脇 ,2012) を 目 的 に セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が 多 く 活 用 さ れ て い た 。 統 合 失 調 症 患 者 の 多 飲 水 傾 向 に 対 す る 行 動 変 容 プ ロ グ ラ ム( 明 堂 , 三 浦 , 大 和 , 岩 崎 , 中 西 , 渡 辺 , 竹 内 , 一 ノ 山 ,2012 )や 、同 疾 患 患 者 を 対 象 に 体 重 管 理 を 目 的 と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が 食 生 活 に 及 ぼ す 効 果 の 研 究( 松 尾 , 安 部 , 長 友 , 米 良 , 倉 山 , 石 田 ,2007) や 、 神 経 性 過 食 症 患 者 を 対 象 と し た 認 知 行 動 療 法 の 一 つ と し て セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 活 用 し た 研 究 ( 岡 本 , 林 ,2005) で あ っ た 。
自 己 管 理( selfmanagement)や 病 状 や 医 療 者 が 治 療 効 果 を 確 認 す る 目 的 で 身 体 諸 機 能 の 変 化 を モ ニ タ リ ン グ す る 研 究( 河 部 , 山 本 , 和 住 ,大 井 ,2006)が 行 わ れ て い た 。 ま た 、 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 身 体 活 動 記 録 に よ る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 効 果 に 関 す る 研 究 ( 徳 永 , 多 留 , 宮 脇 ,2014) や 同 疾 患 患 者 に 対 す る 認 知 行 動 療 法 の 効 果 に 関 す る 研 究 ( 金 , 坂 野 ,1996) や 、 肥 満 患 者 の 栄 養 指 導 に 行 動 記 録 を 用 い て セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 有 効 性 の 検 証( 北 川 , 中 村 , 岩 瀬 , 飯 田 ,2005)や 、腎 臓 疾 患 に お け る 水 分 管 理 ( 柿 本 , 宮 本 , 岡 ,2004)、 成 人 型 ア ト ピ ー 患 者 の 掻 破 行 為 の モ ニ タ リ ン グ
( 石 田 , 羽 田 , 坂 野 ,2003) の 研 究 が さ れ て お り 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 治 療 に 活 用 し た 疾 患 は 多 岐 に 及 ん で い た 。
さ ら に 、心 不 全 患 者 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 概 念 を 明 ら か に す る 研 究( 服 部 , 多 留 , 宮 脇 ,2010)で は 、概 念 の 属 性 と し て「 自 覚 」、 「 測 定 」、 「 解 釈 」を 導 き 出 し た 。 服 部 ら は 、心 不 全 患 者 が「 身 体 症 状 の 変 化 」 「 身 体 活 動 の 変 化 」 「 体 調 管 理 の 状 況 」 に 対 す る 「 自 覚 」「 測 定 」「 解 釈 」 を で き る よ う に 働 き か け 支 援 す る こ と が 可 能 に な る と 述 べ て い る 。 先 行 研 究 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 概 念 分 析
( Wilde&Garvin,2007 ) で は 、 糖 尿 病 や 肥 満 症 な ど の 慢 性 疾 患 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 対 象 に 概 念 を 明 ら か に す る 研 究 が さ れ て い た 。 服 部 ら は 、 心 不 全 症 状 や そ の 憎 悪 の 兆 候 な ど 患 者 自 身 に よ る 健 康 管 理 を 充 実 さ せ る た め 、 心 不 全 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 明 ら か に し 、 共 通 認 識 と 同 じ 視 点 を 持 つ こ と で 、 支 援 へ の 活 用 が 可 能 に な る こ と を 示 唆 し て い る 。
以 上 の こ と か ら 、 疾 患 コ ン ト ロ ー ル を 目 的 と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に よ り 、
患 者 自 身 が 、観 察 や 記 録 に よ り 客 観 的 に 状 態 を 知 る こ と で 、行 動 変 容 に つ な げ る 、
ま た そ の 効 果 を 検 証 す る 研 究 が さ れ て い る こ と を 明 ら か に し た 。
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3. 健 康 の 維 持 ・ 増 進 を 目 的 と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究
健 康 の 維 持 ・ 増 進 を 目 的 と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、 予 防 医 学 ・ 健 康 指 導 、 生 活 改 善 と い っ た 体 調 管 理 や 自 己 の 状 態 を 認 知 す る た め に 、 行 動 の 観 察 や 記 録 と い っ た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ ツ ー ル と し て 活 用 さ れ て い た 。
ま た 、 睡 眠 障 害 に 対 す る 指 導 プ ロ グ ラ ム の 効 果 の 検 証 ( 上 田 , 足 達 , 羽 山 , 山 上 ,2008;天 本 , 足 達 , 国 柄 , 熊 谷 ,2010; 田 村 , 田 中 ,2014;田 村 , 田 中 ,2015 ) や 生 活 習 慣 の 改 善( 川 田 , 小 山 , 橋 口 , 上 屋 ,2014)を 目 的 と し た 活 用 、減 量 目 的( 金 城 , 島 崎 ,2014 : 田 中 , 足 達 , 藤 崎 , 国 柄 ,2009)、 妊 婦 へ の 指 導 と し て 出 産 ま で の 妊 娠 過 程 を 維 持 ・ 管 理 し て い く た め に 妊 婦 の 体 重 コ ン ト ロ ー ル や セ ル フ ケ ア の 向 上( 真 鍋 ,2005:真 鍋 , 松 田 ,2006;廣 瀬 , 石 田 ,2009:林 ,2010)を 目 的 と し た 研 究 が さ れ て い た 。さ ら に 、仕 事 に お け る ス ト レ ス マ ネ ジ メ ン ト 教 育 へ の 活 用 に 関 す る 研 究( 河 原 田 ,2010)な ど 、 日 常 生 活 に お け る 自 身 の 考 え や 行 動 を 知 り 、 対 処 行 動 に つ な げ る た め の 管 理 的 ツ ー ル と し て 活 用 し て い た 。
4. 看 護 や 教 育 現 場 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究
看 護 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 は 、 看 護 師 以 外 に も 看 護 学 生 を 対 象 に 行 わ れ て い た 。
看 護 学 生 を 対 象 に し た 研 究 は 、 看 護 技 術 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 自 己 モ ニ タ リ ン グ を 実 施 し 、そ の 教 育 効 果 を 検 証 し て い た 。シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 教 材 に は 、転 倒・
転 落 、 薬 物 の 扱 い な ど 医 療 安 全 に 関 す る テ ー マ や 看 護 技 術 が 多 く 、 自 身 の 手 技 や 態 度 に 焦 点 を 当 て て い た ( 落 合 , 小 野 , 秋 元 , 時 本 ,2015;松 永 , 岡 本 ,2009 )。 一 方 、 看 護 師 を 対 象 に 患 者 と の 関 係 に お け る 感 情 管 理 能 力 と セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 研 究( 服 部 , 土 屋 , 松 田 , 松 田 ,2013 )や 、関 係 維 持 ス キ ル の 個 人 差 と 内 的 属 性 の 影 響 に 関 す る 研 究 ( 林 , 横 田 , 高 間 ,2002) が さ れ て い た 。
ま た 、 小 ・ 中 学 生 が 学 ぶ 教 育 現 場 で は 、 教 員 が 生 徒 の 生 活 習 慣 や 社 会 的 ス キ ル の 向 上 を め ざ し セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 調 査 研 究 に 取 り 組 ん で い た 。 さ ら に 、 小 学 生 を 対 象 と し た 食 育 プ ロ グ ラ ム の 検 証 と し て 自 身 の 食 に 対 す る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 効 果 を 明 ら か に す る 研 究 ( 村 井 , 安 藤 ,山 崎 , 奥 田 ,2015) も さ れ て い た 。
看 護 や 教 育 現 場 で は 、 対 人 関 係 や 医 療 安 全 、 社 会 的 状 況 に お け る 自 身 の あ り か た に 注 目 し セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 活 用 し て い た 。
5. セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 測 定 尺 度 に 関 す る 研 究
セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 尺 度 は Snyder ( 1974)に よ っ て 開 発 さ れ 、日 本 で は 、セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 尺 度 邦 訳 版( 岩 淵 , 田 中 , 中 里 ,1982 )が 紹 介 さ れ て い る( 堀 ,2001)。
今 回 、 文 献 検 索 で は 、 認 知 行 動 的 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 尺 度 ( 土 田 , 福 島 ,2007 )
や 、 自 己 主 体 感 の 尺 度 を 目 的 に 、 自 己 制 御 に 関 わ る 特 性 を 持 つ セ ル フ モ ニ タ リ ン
グ と の 関 連 を 検 証 し た( 浅 井 , 高 野 , 杉 森 , 丹 野 ,2009 )研 究 が さ れ て い た 。さ ら に セ
ル フ モ ニ タ リ ン グ 自 体 の 測 定 尺 度 の 開 発 や 、間 接 的 な 位 置 づ け で 活 用 さ れ て い た 。
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Ⅱ . 海 外 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 研 究
海 外 に お け る 医 療 や 看 護 領 域 を 中 心 と し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 の 動 向 を 把 握 す る た め 、 英 語 文 献 の 検 索 を 実 施 し た 。
1. 海 外 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 の 動 向
文 献 検 索 に あ た り 、 以 下 の ① か ら ⑥ の 条 件 を 設 定 し 実 施 し た 。
① 英 語 論 文 の 検 索 キ ー ワ ー ド を 「 selfmonitoring 」 と す る
② 「 人 」 を 対 象 と し た 研 究 に 限 定 す る
③ 検 索 対 象 期 間 を 1990 年 か ら 2014 年 と す る
④ タ イ ト ル や 抄 録 に 「 selfmonitoring」 の 表 記 が さ れ て い る 文 献
⑤ 論 文 内 に お け る 「 selfmonitoring 」 活 用 の 記 載 が あ る
⑥ 動 物 を 対 象 に し た 研 究 や 脳 の 活 動 な ど の 生 理 学 的 実 験 論 文 を 除 外 要 件 と す る
デ ー タ ベ ー ス と し て PubMed 、 CINAHL 、 MEDLINE、 PsycINFO を 用 い た 。 PubMed は 米 国 国 立 医 学 図 書 館 が 提 供 す る 医 療 関 連 分 野 の 文 献 情 報 の 検 索 に 優 れ て い る 。ま た 、CINAHL は 看 護 と 関 連 す る 医 療 学 術 誌 や 610 の 学 術 誌 が 豊 富 に 収 録 さ れ て い る 。 MEDLINE は 薬 学 、看 護 学 、歯 科 学 、獣 医 学 、ヘ ル ス ケ ア シ ス テ ム 、 生 化 学 や 分 子 生 理 学 な ど の 医 療 情 報 が 包 括 的 に 集 約 さ れ 、 5400 誌 の 最 新 の 生 物 医 学 誌 か ら の 検 索 が 可 能 と な っ て い る 。 PsycINFO は American Psychological Association ( APA ) の デ ー タ ベ ー ス で あ り 、 行 動 科 学 お よ び 精 神 衛 生 の 分 野 に お け る 査 読 論 文 の 検 索 が 可 能 で あ り 、 看 護 を は じ め と す る 医 療 分 野 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 文 献 を 検 索 で き る と 考 え 実 施 し た 。な お 、 CINAHL、
MEDLINE 、 PsycINFO の 3 つ の デ ー タ ベ ー ス が EBSCO-host 内 に 組 み 込 ま れ て い る 。
最 初 に PubMed に よ る 検 索 を 実 施 し 、 そ の 結 果 、 15 件 を 抽 出 し た 。
次 に EBSCO-host に よ る 検 索 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 CINAHL で 4 件 、 MEDLINE で 14 件 、 PsycINFO で 7 件 を 抽 出 し た 。 し か し 、 先 の PubMed で 検 索 さ れ た 15 件 は 、EBSCO-host で 検 索 さ れ た 25 件 と 重 複 し て い た た め 、英 語 文 献 は 合 計 25 件 と な っ た 。
こ の 25 件 の 論 文 を 年 代 別 に 分 類 す る と 、1990 年 が 1 件 、 1992 年 が 1 件 、 1993 年 が 1 件 、 1994 年 が 2 件 、 2000 年 が 1 件 、 2005 年 が 2 件 、 2006 年 が 1 件 、 2007 年 が 2 件 、 2008 年 が 3 件 、 2009 年 が 1 件 、 2010 年 が 1 件 、 2011 年 4 件 、 2012 年 が 3 件 、 2014 年 が 2 件 と い う 結 果 で あ っ た 。
年 代 に よ る 顕 著 な 増 減 は 見 ら れ な い が 、 1991 年 、 1995 年 か ら 1999 年 の 4 年 間 、 2001 年 か ら 2004 年 の 4 年 間 は 0 件 で あ っ た 。
抽 出 さ れ た 論 文 で は「 selfmonitoring 」以 外 に 、self と monitoring の 2 語 を ハ
イ フ ン の 符 号 で 連 結 し た 「 self-monitoring 」 が 使 用 さ れ て い た 。 ハ イ フ ン の 符 号
で 連 結 す る の は 、 二 語 を 連 結 し て 一 語 相 当 の 語 と し て 扱 う と き に 用 い る ( 村
松 ,2006 ) と さ れ 語 句 の 意 味 は 変 化 し な い 。 検 索 キ ー ワ ー ド と し て 「 self-
monitoring 」と し て 検 索 を 試 み た 結 果「 selfmonitorig 」の 検 索 キ ー ワ ー ド と 同 数
で あ り 、 新 た な 論 文 の 抽 出 は な か っ た 。 こ の こ と か ら 検 索 キ ー ワ ー ド を
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「 selfmonitoring」 と し た 。
2. 疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究
海 外 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 論 文 25 件 を 、 疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 す る 文 献 と そ れ 以 外 の 研 究 に 分 類 し て 外 観 す る 。
疾 患 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 し た セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 研 究 は 20 件( 80.0%)で あ り 、 そ の 比 率 は 8 割 を 占 め て い る こ と か ら 、 海 外 で は 疾 患 コ ン ト ロ ー ル で の 活 用 が 多 い こ と が 分 か る 。
文 献 の 内 訳 は 、 糖 代 謝 や 血 糖 コ ン ト ロ ー ル に 関 連 す る 文 献 が 13 件 ( 65 .0 %)、 精 神 疾 患 に 関 連 す る 文 献 が 3 件 ( 1 5. 0% )、 高 血 圧 に 関 連 す る 文 献 2 件 ( 1 0. 0% )、 血 液 凝 固 因 子 に 関 連 す る 文 献 1 件 ( 5 .0 % )、 心 理 療 法 に 関 す る 文 献 1 件 ( 5 .0 % ) で あ っ た 。 具 体 的 に は 、 血 糖 値 の コ ン ト ロ ー ル に お い て セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 活 用
( K al er gi s, Na de au ,P aca ud ,Y ar ed ,Y al e, 20 06 ; L at te r, Mc le an ,D unb er , Fr ai l, Ske tr i, Pu tn am ,2 01 1)、 統 合 失 調 症 患 者 の 認 知 機 能 と セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 影 響
( S tr au ss ,1 99 3 ) に 関 す る 研 究 な ど 、 疾 患 の 治 療 過 程 で 数 値 を 指 標 と し た 改 善 あ る い は 維 持 の 目 的 で 、 管 理 や コ ン ト ロ ー ル の ツ ー ル と し て セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 活 用 し て い た 。
3. 疾 患 コ ン ト ロ ー ル 以 外 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究
疾 患 コ ン ト ロ ー ル 以 外 の 文 献 は 5 件 ( 20% ) で あ っ た 。 文 献 の 内 訳 は 、 健 康 維 持 管 理 や 生 活 改 善 の 目 的 で 、 客 観 的 指 標 や 思 考 を 捉 え る ツ ー ル と し て 用 い ら れ て い た 。 ま た 、 運 動 の 効 果 の 検 証 ( George,Kolt,Doncan,Caperchoione,Mummery, Andelanotte,Taylor,Noakes,2012 )、 体 重 管 理 (
Gierut,Pecora,Kirschenbaum, 2012)な ど で 活 用 さ れ て い た 。 こ の う ち 関 係 性 に 焦 点 を 当 て た 研 究 は 1 件 あ り 夫 婦 に お け る 関 係 性 の 修 復 と 謝 罪 に 関 す る 研 究 で 、 個 人 の 性 格 や 発 達 上 の 要 因 と し て ナ ル シ シ ズ ム ( 自 己 愛 ) と セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 関 係 が 報 告 さ れ て い る
( Holeman,2008 )。
以 上 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 文 献 を 精 読 し た 結 果 、 海 外 に お け る
セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 研 究 は 、疾 患 や 健 康 状 態 を コ ン ト ロ ー ル す る 研 究 が 多 く 、 自 身 の 状 況 を 客 観 的 に 把 握 す る た め に 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 活 用 し て い た 。 そ の 一 方 で 、対 人 関 係 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 焦 点 を 当 て た 研 究 は 少 な く 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 構 造 や 性 質 を 明 確 に し た 研 究 は な さ れ て い な い 。 ま た 、
看 護 師 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 焦 点 を あ て た 研 究 は 見 当 た ら な か っ た 。日 本 国 内 や 海 外 に お け る 文 献 を 概 観 し た 結 果 、対 人 関 係 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 研 究 は 少 な く 、中 で も 看 護 実 践 中 の 看 護 師 の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 着 目 し た 研 究 が さ れ て い な い こ と が 明 ら か に な っ た
。
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Ⅲ .
セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 関 す る 理 論 的 背 景こ こ で は 、 研 究 の 中 核 を な す 「 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 」 と 類 似 あ る い は 関 連 す る 概 念 や 理 論 を 、 書 籍 な ど の 出 版 物 や 文 献 か ら 概 観 す る 。
1.Snyder
が 提 唱 す る セ ル フ モ ニ タ リ ン グSnyder( 1974)は セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を「 社 会 的 な 状 況 や 人 間 関 係 の 中 の 自 分 を モ ニ タ ー す る こ と 」 と 定 義 し 、 そ の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 程 度 を 測 定 す る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ ・ ス ケ ー ル を 考 案 し た 。 人 は 誰 で も 社 会 的 な 状 況 や 人 間 関 係 の 中 の 自 身 を モ ニ タ ー ( 観 察 、 規 制 、 コ ン ト ロ ー ル ) し て お り 、 そ の 度 合 い は 人 さ ま ざ ま で あ る 。 モ ニ タ ー 度 が 高 い 人 は 、 自 分 の イ メ ー ジ を 常 に モ ニ タ ー し 、 コ ン ト ロ ー ル し て い る 。 そ し て 自 身 の 社 会 的 行 動 が 、 そ の 場 の 状 況 や 対 人 関 係 の 中 で 適 切 で あ る か に 関 心 を 持 ち 、 状 況 に 合 わ せ 容 易 に 行 動 変 容 さ せ る こ と が で き る 。 そ の 一 方 で 、 モ ニ タ ー 度 が 低 い 人 は 、 状 況 に 関 わ ら ず 内 的 一 貫 性 を 求 め 自 己 の 信 念 に 基 づ い た 行 動 を 重 要 視 す る と 説 明 し て い る 。
仕 事 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、 対 人 関 係 の 能 力 と 関 係 し 仕 事 の 業 績 に 非 常 に 重 要 な 役 割 を 果 た す ( Snyder,1986/1998 ) こ と が 示 唆 さ れ て お り 、 対 人 関 係 が 不 可 欠 な サ ー ビ ス 業 に お い て は 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が 社 会 的 相 互 関 係 や 関 係 維 持 に 影 響 を 及 ぼ す ( 大 嶋 ,2015 ) こ と が 明 ら か に さ れ て い る 。
セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、 日 常 生 活 や 学 習 場 面 に お い て も 活 用 さ れ て お り 、 文 章 読 解 時 に 、 自 身 が ど こ ま で わ か っ た か と い っ た 、 理 解 の 深 さ と 範 囲 に 注 目 す る こ と や 、 現 在 取 り 組 ん で い る 課 題 の 理 解 状 況 を 自 己 診 断 す る 際 に 必 要 不 可 欠 な 認 知 機 能 ( 植 木 ,2004) の 役 割 を 担 っ て い る 。
現 在 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、 社 会 学 を は じ め 様 々 な 分 野 で 活 用 さ れ 、 用 語 と し て の 意 味 も 多 様 化 し て い る 可 能 性 が あ る 。 そ の た め 、 辞 典 ( 事 典 ) を 基 に セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が ど の よ う に 説 明 さ れ て い る か 、 掲 載 分 野 お よ び 用 語 に 関 す る 掲 載 内 容 を 整 理 し た 。 表 ⅰ に セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 用 い 方 を 示 す 。
社 会 学 や 心 理 学 分 野 で は 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 、 状 況 や 他 者 と の 関 係 に お い て 、 適 切 に 自 己 表 出 し て い る か 、 あ る い は 自 己 呈 示 で き て い る か を 観 察 し 、 自 己 の 行 動 を 統 制 ( モ ニ タ ー ) す る と 説 明 し て い る 。 こ れ は 、 Snyder( 1986/1998 ) が 提 唱 す る 概 念 を 反 映 す る 内 容 で あ っ た( 小 川 ,1995;中 島 , 安 藤 , 子 安 , 坂 野 , 繁 桝 , 立 花 , 箱 田 ,1999;岡 本 , 清 水 , 村 井 ,1995)。
他 方 、 医 学 、 教 育 学 分 野 で は ( 伊 藤 , 村 井 , 高 久 ,2009;上 里 , 末 松 , 田 畑 , 西 村 , 丹 羽 ,2005; 今 野 , 児 島 , 新 井 ,2003)、 認 知 行 動 療 法 の 技 法 の 1 つ と し て 言 動 や そ の 変 化 を 観 察・記 録 し 、自 動 思 考 に 気 づ か せ る 治 療 的 要 素 が 強 い 。ま た 、教 育 学 で は 、 認 知 や 思 考 、 心 理 面 に 意 識 を 向 け 、 教 育 に お け る 行 動 調 整 に セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 活 用 し て い た 。
以 上 の こ と か ら 、セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、自 身 を 捉 え る 認 知 機 能 を 備 え て お り 、
そ の 機 能 を 維 持 し つ つ も 活 用 範 囲 は 多 岐 に 渡 っ て い る 。
9 2. セ ル フ モ ニ タ リ ン グ と 状 況 認 識
セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、 自 身 が ど こ ま で わ か っ た か と い っ た 理 解 の 深 さ と 範 囲 に 注 目 す る こ と や 、 現 在 取 り 組 ん で い る 課 題 の 理 解 状 況 を 自 己 診 断 す る 際 に 必 要 不 可 欠 な 認 知 機 能 ( 植 木 ,2004 ) で あ り 、 状 況 の 理 解 と い う 点 で 関 連 す る 概 念 に 状 況 認 識 が あ る 。 こ の 状 況 認 識 は 、 何 が 起 こ ろ う と し て い る か の 気 づ き や 環 境 の い か な る 変 化 に も 気 づ く こ と で あ る 。 状 況 認 識 の 構 成 要 素 は 、 情 報 の 収 集 、 情 報 の 解 釈 、 将 来 状 況 の 予 測 で あ り 現 在 置 か れ て い る 状 況 を 認 識 あ る い は 気 づ く た め あ る 程 度 自 己 モ ニ タ リ ン グ を し て い る ( Flin,O’Connor,Crichton, 2008/2013)。
状 況 認 識 力 は 事 故 発 生 防 止 や 人 命 を 守 る た め に 重 要 で あ り 、 状 況 の 見 極 め と 判 断 力 が 行 動 に 影 響 す る と 考 え ら れ 、 航 空 機 や 船 舶 の 操 縦 に 際 し 、 重 要 な 能 力 と さ れ て い る 。 こ の 能 力 の 差 は 経 験 に よ る も の で あ り 、 初 心 者 が 行 う 状 況 へ の 注 意 は 、 注 意 容 量 や 作 業 記 憶 の 限 界 か ら 、 注 意 へ の 負 荷 が 大 き く 不 完 全 で あ る た め 、 エ ラ ー に つ な が り や す い 。 初 心 者 は シ ス テ ム 的 な 分 析 と 解 釈 と の 比 較 プ ロ セ ス に よ り 兆 候 パ タ ー ン を 理 解 す る た め に 多 く の 時 間 と 心 的 な エ ネ ル ギ ー を 費 や す 。 そ の 一 方 で 、 経 験 豊 か な オ ペ レ ー タ ー は 、 も た ら さ れ た 情 報 の 流 れ を 認 識 し そ の 意 味 を 理 解 し て お り 、 状 況 か ら の 理 解 に 差 が あ る こ と を 指 摘 し て い る 。
た だ し 、 経 験 豊 か な 者 で も 異 常 な 事 態 に 遭 遇 し た と き は 多 く の 精 神 的 努 力 を 用 い て 状 況 を 解 釈 し な け れ ば な ら ず 、 初 心 者 と 経 験 豊 か な オ ペ レ ー タ ー に 共 通 す
表 ⅰ
辞 典 ( 事 典 ) に お け る 「 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 」 の 用 い 方分 野 書 籍 名 著 者 ( 年 ) 掲 載 さ れ て い る 用 語 と 掲 載 内 容
社 会 学 改訂新版 社会心理学
用語辞典 小川一夫他(1995)
セルフ・モニタリング self-monitoring
セルフ・モニタリングとは,社会的状況や他者の行動に基づいて自己の表出行動 や自己呈示が社会的に適切かどうかを観察し,自己の行動を統制(モニター)す ること.スナイダーが提唱した概念.
心理学辞典 中島義明他(1999)
自己モニタリング self-monitoring
スナイダーは「人が自分の自己呈示や表出行動,また非言語的な感情表出をモニ ター(観察や統制)する程度,あるいはモニターしうる程度には,明確な個人差 が存在する」と指摘し,こうした程度を「自己モニタリング」として定義した.
自己モニタリングとは,人の『内面的な現実」と「外見的装い」の落差が生み出 す個人差とされる.
発達心理学辞典 岡本夏木他(1995)
自己監視 self-monitoring
社会的な場面において,相手や状況にふさわしい行動をするように,自己の行動 を監視(モニター)し,調節しようとする傾向をいう.スナイダーは,これを自己 監視尺度で測定できる個人的傾性の一種と考えている.
医学書院 医学大辞典 伊藤正男他(2009)
セルフモニタリング self-monitoring
認知行動療法で自動思考に気づかせるための技法の1つ.自己観察を行い自動思 考への気づきを高め,それらを検討・評価しながら治療を進める.また他の気づ きを促す治療法の一環として,自分の症状と言動・情動変化を観察・記録させる こと.
心の健康大百科
メンタルヘルス事典 上里一郎他(2005)
セルフモニタリング
自分自身の問題点を整理するためには,実際そのときにどのように考え,どのよ うにふるまい,どのような気分であったかを具体的に観察することが重要であ る.セルフモニタリングは,クライエントが自己の行動,認知,気分などを観察し, 記録し,評価することを通して自分の状態を客観的な事実として理解できるよう に働きかける技法である.
教 育 学 新版 学校教育辞典 今野喜清他(2003)
セルフモニタリング self-monitoring
自己の心理過程や状態(認知,思考,感情,行為,身体など)に注意を向けて,自分 で監視(モニター)する行為をいう.モニタリングの目的は行動の調整にある.
心 理 学
医 学
10 る ( Flin,O’Connor & Crichton,2008/2013)。
楠 見 は( 2014 )、初 心 者 を 、周 囲 の 状 況 に 関 す る 情 報 よ り も 自 分 な り の や り 方 や 考 え 方 に 固 執 し て し ま う 自 己 本 位 の 態 度 を 取 る 。 さ ら に 自 分 に 対 す る 評 価 を 気 に し す ぎ て 上 司 に 取 り 入 る 評 価 志 向 の 態 度 が 、 経 験 か ら の 学 習 を ネ ガ テ ィ ブ な も の に す る と 指 摘 し て い る 。 日 々 変 化 す る 状 況 や 対 象 に よ っ て 置 か れ て い る 状 況 を 認 識 し た り 気 づ い た り す る た め に 、 経 験 の 差 と 情 報 に 対 す る 認 識 や 解 釈 が 影 響 す る た め 、 状 況 認 識 の 能 力 を 向 上 さ せ る 必 要 が あ る 。
以 上 の こ と か ら 、 状 況 認 識 能 力 の 向 上 は 、 常 に 状 況 が 変 化 し 続 け る 臨 床 現 場 に お い て 、 自 身 の 状 況 を 的 確 に 認 識 し 、 行 動 の 選 択 に 影 響 を 及 ぼ す 。 ま た 、 看 護 師 が 新 人 レ ベ ル か ら 一 人 前 と な り 、 中 堅 、 達 人 へ と 成 長 す る プ ロ セ ス に 必 要 な ス キ ル で あ り 、 そ の 能 力 の 向 上 が 期 待 さ れ る 。
3. セ ル フ モ ニ タ リ ン グ と メ タ 認 知
自 己 の 認 識 を 捉 え る 概 念 に メ タ 認 知 が あ り 、 代 表 的 な 定 義 と し て 「 自 分 自 身 の 思 考 や 認 知 に つ い て の 思 考 」 ( Fllavell,1979)が あ る 。他 に も 、自 分 自 身 の 理 解 の 程 度 を 正 確 に 判 断 し 、 そ れ に よ っ て 用 い る 方 略 を 変 え る 能 力 ( 岡 本 ,2001 ; 茅 島 ,2001 )や 、行 為 を モ ニ タ ー し 、調 整 や 修 正 の た め に 計 画 を 立 て る 機 能 つ ま り 自 分 自 身 を 客 観 的 に 把 握 す る 能 力 ( 杉 谷 ,2013) と い っ た 定 義 づ け が さ れ て い る 。
メ タ 認 知 は 、 自 己 の 認 知 に 注 目 す る 認 知 活 動 で あ り 、 通 常 の 認 知 よ り も 高 次 レ ベ ル に あ る 。 ま た 、 知 覚 、 記 憶 、 学 習 、 思 考 な ど を 含 む 人 間 の 知 的 活 動 全 般 で 行 わ れ 、行 為 を 認 知 す る た め に 活 用 さ れ 、そ の 後 の 自 身 の 行 動 修 正 に 影 響 を 及 ぼ し 、 学 習 行 動 が 促 進 さ れ る 。
こ の よ う な メ タ 認 知 機 能 を 活 用 し 、 能 動 的 に 学 習 を 調 整 す る 自 己 調 整 学 習 が あ る 。 こ れ は 「 学 習 者 が 、 メ タ 認 知 、 動 機 づ け 、 行 動 に お い て 、 自 分 自 身 の 学 習 過 程 に 能 動 的 に 関 与 す る こ と 」と 定 義( Zimmerman,2011 )さ れ 、学 習 者 が 自 ら 創 り だ す 思 考 や 感 情 、 行 為 に よ り 、 望 ま し い 状 態 に 調 整 し て い る ( 自 己 調 整 学 習 研 究 会 ,2012)。
岡 本( 2001
)は、初 心 者 の 学 習 に つ い て 、知 的 な 初 心 者( intelligent novice ) と 通 常 な 初 心 者 が 存 在 し 、 そ の 違 い は メ タ 認 知 技 能 に あ る と し て い る 。 知 的 な 初 心 者 の 特 徴 と し て 、 通 常 の 初 心 者 よ り 効 果 的 に 新 し い 領 域 の 学 習 を す る 。 新 し い 領 域 の 学 習 を す る 際 に 、 様 々 な メ タ 認 知 技 能 を 用 い て 自 分 の 理 解 の 程 度 を チ ェ ッ ク し 、 自 分 に 欠 け て い る 知 識 や 技 能 を 探 し 獲 得 し よ う と す る 。 ま た 、 こ の プ ロ セ ス に お い て 、 効 率 的 な 新 し い 課 題 の 学 習 を 導 く 。 知 的 な 初 心 者 に 比 べ 、 非 効 率 な 学 習 者 は 、 学 習 課 題 の 困 難 さ に 気 づ か ず 方 略 の パ タ ー ン を 変 え て 用 い る こ と が で き な い と 指 摘 し て い る 。 初 心 者 が 熟 達 化 し て い く プ ロ セ ス で 、 メ タ 認 知 を 有 効 に 活 用 で き る か ど う か で 、 そ れ 以 降 の 熟 達 化 に 影 響 を 及 ぼ す こ と が 考 え ら れ る 。
こ の メ タ 認 知 の 一 側 面 に セ ル フ モ ニ タ リ ン グ が 活 用 さ れ て お り 、 自 身 の 行 動 や 内 的 な も の を 理 解 し 、 意 識 し て い る ( 三 宮 ,1997; 辰 野 ,1997)。 看 護 実 践 に お け る セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 、看 護 実 践 を 行 う 自 己 の 認 知 に つ い て 認 知 す る こ と で あ る 。
つ ま り 、 自 分 が 置 か れ て い る 状 況 を 、 ど の よ う に 捉 え る か を 意 識 す る こ と で あ
11
り 、 看 護 師 と し て 熟 達 化 を 目 指 す 過 程 で 、 メ タ 認 知 を 通 し て セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 行 う こ と で 、 自 分 の 理 解 の 程 度 や 不 足 し て い る 知 識 、 技 能 を 探 求 し 、 学 習 を 深 め 熟 達 化 が 促 進 す る と 考 え る 。
4.
セ ル フ モ ニ タ リ ン グ と リ フ レ ク シ ョ ン ( 省 察 )自 身 の 内 的 側 面 に 着 目 す る リ フ レ ク シ ョ ン が あ り 、 ア メ リ カ の 教 育 哲 学 者 で あ る Dewey に よ っ て 提 唱 さ れ た 反 省 的 思 考 ( reflective thinking ) に は じ ま る 概 念 で あ り 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ と 同 様 、 自 身 の 思 考 に 注 目 が 向 け ら れ て い る 。
Dewey ( 1983 )は 、人 が 何 か を 学 び 成 長 し て い く た め に は 経 験 が 重 要 で あ り「 内 省 」は 、我 々 が し よ う と す る こ と と 、結 果 と し て 生 ず る こ と の 関 連 の 洞 察 で あ り 、 そ れ が な け れ ば 意 味 を 持 つ 経 験 は 不 可 能 で あ る 」 と 述 べ て い る 。 つ ま り 、 活 動 を 意 識 的 に 振 り 返 り 、 活 動 の 結 果 ど の よ う な こ と が 生 じ た の か 、 結 果 と 自 ら の 活 動 の 関 連 を 考 え る「 内 省 」に よ り 、自 ら の 行 為 が 意 味 づ け ら れ 経 験 と し て 蓄 積 さ れ 、 成 長 を 促 進 す る と 考 え る 。 経 験 は 、 単 に 個 人 の 内 面 だ け で 進 行 す る も の で な く 個 人 の 願 望 や 目 的 と い っ た 態 度 の 形 式 に 影 響 を 及 ぼ し ( Dewey,1938 )、 こ の 経 験 を 意 味 の あ る も の に す る た め に 、 経 験 に お け る 思 考 す な わ ち 「 reflection ( 熟 考 )」
を 意 図 的 な 努 力 に よ っ て 行 う こ と が 重 要 ( 太 田 ,2001 ) と さ れ て い る 。
リ フ レ ク シ ョ ン は 、 1980 年 代 以 降 ア メ リ カ の 哲 学 者 で あ る Schön ( 1983/2003 ) に よ っ て 広 め ら れ ( 藤 井 , 田 村 ,2008)、 実 践 的 認 識 論 と し て 発 展 し た 。 教 師 や 看 護 師 の よ う に 複 雑 で 不 確 定 な 状 況 の 中 で 実 践 を 展 開 す る 専 門 家 を 「 反 省 的 実 践 家 」 と し 、 こ れ ら の 専 門 家 が 行 う リ フ レ ク シ ョ ン ( 省 察 ) は 、 学 習 や 成 長 の た め の 中 核 を な し て い る 。 日 本 で は 2000年 代 に 紹 介 さ れ 教 育 界 ・ 看 護 界 で 広 く 取 り 入 れ ら れ 、 bulman&sehutz( 2013/2014 ) の 『 看 護 に お け る 反 省 的 実 践 』 や 東
( 2009 ) の 『 看 護 リ フ レ ク シ ョ ン 入 門 経 験 か ら 学 び 新 た な 看 護 を 創 造 す る 』 な ど の 書 籍 が 使 わ れ て い る 。 リ フ レ ク シ ョ ン は 、
経 験 ( 実 践 ) か ら の 学 び を 深 め る 学 習 の あ り 方 と し て 評 価 さ れ, 浸 透 し て い る ( 本 田,2003; 青 木,2003) 。Schön( 1983/2003 )は 、 「 行 為 の な か の 省 察( Reflection-in-action)」と「 行 為 に つ い て の 省 察 ( Reflection-on-action )」 の 2 種 類 に つ い て 説 明 し 、 常 に 状 況 と 対 話 す る こ と で リ フ レ ク シ ョ ン ( 省 察 ) と 判 断 を 繰 り 返 し な が ら 成 長 し 続 け る と 述 べ て い る 。 行 為 に つ い て の 省 察 は 、 自 ら 行 っ た 行 為 に つ い て 「 自 分 の 働 き か け に よ っ て 他 者 あ る い は 自 身 に 何 ら か の 変 化 を も た ら し た か 、 状 況 を 良 く す る た め に ど の よ う に す べ き か 」 な ど の 視 点 で 分 析 ・ 評 価 す る こ と で あ り 、 行 為 の あ と に 思 い 起 す こ と に よ り 行 わ れ る 。 一 方 、 行 為 の 中 の 省 察 は 、 自 身 が 行 っ て い る 行 為 に つ い て 行 為 の 中 で 暗 黙 の 直 観 的 な 知 が 相 互 に 作 用 し あ っ て 焦 点 化 さ れ る と 述 べ て い る 。 自 身 の 看 護 実 践 を 振 り 返 り 検 討 す る 行 為 を 意 図 的 に リ フ レ ク シ ョ ン ( 省 察 ) す る こ と が 、 看 護 師 の 関 心 を 刺 激 し 続 け 看 護 実 践 と 看 護 教 育 に 影 響 を 及 ぼ し
( Chris &Sue,2013 )、看 護 へ の 関 心 や 意 欲 の 向 上 と い っ た 自 身 の 内 面 的 変 化 を も た ら す 。
リ フ レ ク シ ョ ン ( 省 察 ) に よ り 、 学 び に 影 響 を 与 え る 経 験 の 探 究 や 自 身 の 環 境
の 分 析( Chris&Sue,2013 )が な さ れ る こ と か ら 、自 分 で 気 づ け な か っ た こ と や 意
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識 で き な か っ た こ と を 明 確 に し て 自 己 理 解 が 促 進 さ れ る 思 考 の ス キ ル と し て 活 用 が 望 ま れ て い る 。 ト レ ー ニ ン グ に よ り リ フ レ ク シ ョ ン ( 省 察 ) を 身 に 着 け る こ と が 可 能 と さ れ て い る 。
看 護 実 践 の リ フ レ ク シ ョ ン に 関 す る 文 献 研 究 ( 上 田 , 宮 﨑 ,2010 ) で は 、 看 護 実 践 時 の 感 情 や 態 度 に 着 目 し た 研 究 や 内 面 的 変 化 、 リ フ レ ク シ ョ ン の 有 用 性 を 検 証 す る 研 究 な ど が さ れ て お り 、 リ フ レ ク シ ョ ン に よ り 生 じ た 内 面 的 変 化 と し て 、 患 者 や 同 僚 へ の 理 解 の 深 ま り や 看 護 へ の 関 心 や 意 欲 の 高 ま り が 明 ら か と な っ て い る 。 ま た 、 看 護 実 践 に お い て 、 多 様 な 健 康 に 対 す る 価 値 観 や 生 活 の 中 で 起 こ る 様 々 な 出 来 事 に よ っ て 生 じ る 変 化 を 何 度 も 捉 え 直 し 、 熟 考 し て 問 い 直 し 、 自 己 と 対 峙 す る 必 要 性 か ら リ フ レ ク シ ョ ン の 活 用 を 推 奨 ( 上 田 , 宮 崎 ,2010) し て い る 。
5. セ ル フ モ ニ タ リ ン グ と 経 験 か ら の 蓄 積 1 ) 経 験 か ら 獲 得 さ れ る
知 識Polanyi( 1966)は 、人 は「 語 る こ と が で き る よ り 多 く を 知 る こ と が で き る 」と し 、 現 象 と し て 存 在 し て い る 行 動 を 構 成 し て い る 細 目 の 関 係 に よ り 暗 黙 知 が 成 立 す る と 述 べ て い る 。 こ の 暗 黙 知 の 中 に あ る 細 目 の 構 造 を 明 ら か に す る こ と で 自 身 の 外 部 に 表 出 し 形 式 知 に す る こ と が 可 能 に な る と 考 え る 。
自 身 が 知 覚 し て い る こ と や 判 断 し た こ と な ど 心 的 活 動 に お け る 知 覚 を 知 る た め に 、 行 動 の 観 察 や 思 考 を 表 出 す る こ と は 有 効 で あ り 、 自 己 の 体 験 を ど の よ う に 知 覚 し 積 み 重 ね る か に よ っ て そ の 後 の 成 長 に 影 響 し 、 熟 練 者 に な り う る か 否 か の 差 に な っ て 表 れ る と 考 え ら れ る 。
野 中 、 紺 野 ( 2003) は 、 知 識 創 造 の 一 般 原 理 ( SECI モ デ ル ) と し て 知 識 伝 授 の プ ロ セ ス を 提 示 し て い る が 、 看 護 実 践 は 個 人 の 暗 黙 知 に よ る と こ ろ が 多 く 、 対 象 の 個 別 性 も 多 様 で あ る こ と か ら 形 式 化 に 転 化 し た 知 識 伝 授 が 困 難 で あ り 、 課 題 と な っ て い る 。
ド レ イ フ ァ ス モ デ ル ( Dreyfus& Dreyfus,1980 ) で は 、 学 習 者 が 技 能 を 習 得 し 磨 く 5 段 階 の 過 程 の う ち 最 初 の 段 階 に 初 心 者 が あ り 、 初 心 者 は 、 そ の 状 況 に 適 切 な 対 応 を す る た め の 実 践 経 験 や 直 面 し て い る 状 況 を 過 去 に 経 験 し た こ と が な い
( Benner,2001/2005 )。 こ れ は 初 心 者 が 状 況 に 適 切 に 対 応 す る 経 験 知 が 十 分 に 備 わ っ て い な い こ と を 表 し て い る 。
金 井 と 楠 見 ( 2012) は 、 初 心 者 が 経 験 を 積 ん で 一 人 前 、 さ ら に 熟 達 者 に な る ま で に 多 く の ス キ ル や 知 識 を 獲 得 す る 。 こ の 長 期 的 学 習 過 程 が 熟 練 化 ( expertise ) で あ る 。 King( 1981 ) も ま た 、 個 々 人 の 行 動 は 人 間 特 有 の 動 作 で あ り 、 こ の 動 作 は 行 為 ( action ) を 通 し て 理 解 で き る と 述 べ て い る 。 こ の 人 間 的 動 作 を 観 察 す る こ と に よ り 、 個 人 の 知 覚 と 判 断 が 相 互 行 為 の あ ら ゆ る 様 式 に 含 ま れ て い る こ と を 示 唆 し て い る 。 看 護 実 践 に お い て 、 互 い の 行 動 が 看 護 師 や 患 者 の 新 た な 反 応 を 引 き 起 こ し 、 自 分 た ち を 取 り 巻 く 状 況 や 相 手 を 知 覚 し 判 断 す る 。 そ し て 言 語 ま た は 非 言 語 に よ る 行 動 と し て 表 現 す る プ ロ セ ス が 繰 り 返 し 展 開 さ れ る 。
看 護 師 の 行 動 や 経 験 か ら 生 成 さ れ た 実 践 知 を 個 人 の 暗 黙 知 と し て 留 め ず 言 語
化 及 び 可 視 化 す る こ と に よ り 、 職 業 的 専 門 性 を 支 え 、 看 護 実 践 能 力 の 向 上 や 専 門
13 職 と し て の 熟 達 化 が 期 待 で き る 。
2 ) 経 験 学 習 と セ ル フ モ ニ タ リ ン グ
松 尾( 2015 )は 、Kolb( 1984)の 経 験 学 習 モ デ ル を も と に 、仕 事 の 場 に お け る 実 践 を 通 し て 実 践 知 を 獲 得 す る 経 験 学 習 サ イ ク ル を 作 成 し た ( 図 ⅰ )。 Kolb の 経 験 学 習 モ デ ル ( experiential learning model) は 4 つ の ス テ ッ プ サ イ ク ル で 構 成 さ れ 、 ① 具 体 的 経 験 ( Concrete Experience )
→② 内 省 的 観 察 ( Reflective Observation )
→③ 抽 象 的 概 念 化 (Abstract Conceptualization)
→④ 能 動 的 実 験( Active Experimentation ) の サ イ ク ル で 、 経 験 を 通 し て 新 し い 行 動 を 修 得 し た り 、 行 動 の 修 正 を 行 う ( Kolb,1984 )。 言 い 換 え る と 、 ① 何 か を 経 験 し て 、 ② そ の 経 験 を 振 り 返 り 、 ③ 何 ら か の 教 訓 を 引 き 出 し 、 ④ 次 の 状 況 に 応 用 す る こ と で 経 験 か ら 学 ぶ プ ロ セ ス と な る 。
Kolb の 経 験 学 習 モ デ ル は も と も と Dewey ( 1938)が 主 張 す る「 経 験 の 連 続 性 」 を 背 景 と し て お り 、 実 務 家 が 利 用 可 能 な 循 環 論 へ と 単 純 化 し た も の で あ り ( 中 原 ,2013)、 常 に 経 験 か ら 学 習 し 続 け る こ と を 示 し て い る 。 経 験 学 習 サ イ ク ル の ② で 行 う 内 省 的 な 観 察 は “ 何 が 起 こ っ た の か ” を 考 え る 能 力 と し て 重 要 視 さ れ て い る
( 松 尾 ,2015)。
本 研 究 で は 、 図 ⅰ の ② ( 経 験 し た こ と を ) 振 り 返 る 行 為 の 段 階 に お い て 、 看 護 実 践 中 に 自 身 の 状 況 を 把 握 す る 特 性 を 持 つ セ ル フ モ ニ タ リ ン グ に 置 き 換 え て 活 用 す る こ と で 、 看 護 実 践 の 経 験 学 習 サ イ ク ル を 形 成 す る こ と が 可 能 と 考 え る 。
こ の セ ル フ モ ニ タ リ ン グ を 経 験 学 習 の サ イ ク ル に 組 み 入 れ 、 看 護 実 践 中 の 自 身 の 思 考 に 注 目 し 、 セ ル フ モ ニ タ リ ン グ 機 能 を 活 用 す る こ と で 適 切 な 行 動 を 導 き 出 し 、 そ の 結 果 、 実 践 知 と し て 内 在 化 し 新 た な 状 況 に 適 応 さ せ 、 経 験 と し て 積 み 上 げ る サ イ ク ル に よ り 経 験 学 習 が 促 進 さ れ る と 考 え る 。
看 護 師 自 身 の 経 験 を 学 び に 変 換 す る た め に 、 自 身 の 思 考 に 注 目 し コ ン ト ロ ー ル
( 制 御 ) す る メ タ 認 知 や セ ル フ モ ニ タ リ ン グ は 重 要 な 手 掛 か り と な る 。
看 護 師 は 、 自 身 が 置 か れ て い る 状 況 を 即 座 に 把 握 し 、 職 場 の 慣 習 や 経 験 的 知 識 に 基 づ い て 熟 考 し 適 切 な 対 処 行 動 を と っ て い る 。 学 習 に お い て 自 身 の 状 況 を 知 る
図 ⅰ 経 験 学 習 サ イ ク ル と 実 践 知 ( K o l b の 文 献 を も と に 松 尾 が 作 成 )④
①
②
③
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セ ル フ モ ニ タ リ ン グ の 活 用 は 、 学 習 に 対 す る 行 動 変 容 の 動 機 づ け を 高 め 情 動 が 喚 起 さ れ 、 学 習 に お け る 行 動 パ フ ォ ー マ ン ス の 向 上 に 影 響 す る 。
小 堀 , 上 淵( 2001 )は 、喚 起 さ れ た 情 動 に 伴 う 学 習 行 動 を モ ニ タ リ ン グ す る こ と で 、 情 報 制 御 が 滑 ら か に 行 え る よ う に な り 学 習 態 度 に 変 容 を も た ら し 、 学 習 行 動 を 促 進 さ せ る こ と が で き る と 述 べ て い る 。
初 心 者 が 一 人 前 に な り 熟 達 者 に 至 る ま で に は 、 多 く の ス キ ル や 知 識 を 獲 得 す る
過 程 を 繰 り 返 す こ と で 熟 練 化 ( expertise ) す る こ と を 示 唆 し て い る ( 金 井 , 楠
見 ,2012)。 こ の 経 験 学 習 サ イ ク ル を 繰 り 返 す こ と で 初 心 者 が 熟 達 者 へ と 成 長 す る
こ と が 期 待 で き る 。
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第
3
章 研 究 の 目 的 と 意 義 お よ び 研 究 の 構 成Ⅰ . 研 究 目 的
本 研 究 の 目 的 は 、 看 護 実 践 中 の 看 護 師 の 行 動 を 選 択 し 決 定 す る プ ロ セ ス に お い て 、 看 護 師 自 身 が 置 か れ て い る 状 況 を ど の よ う に モ ニ タ リ ン グ し て い る の か を 明 ら か に す る こ と で あ る 。
Ⅱ .