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学説彙纂第四六巻第三章の邦訳

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学説彙纂第四六巻第三章の邦訳

遠 藤   歩

    序         ︑

     近時︑盗難または偽造された預金通帳やキャッシュカードの持参人に対する弁済の効力が︑社会的に大きな問題と︑

    なっている︒従来より︑非権利者への弁済の効力判断に際しては︑弁済者の過失の有無が主要な争点であったところ

    ︵最高裁昭和四六年六月一〇日民集二五巻四号四九二頁︶︑最高裁平成一五年四月八日民集五七巻四号三三七頁の判

    決理由が︑真正権利者の帰責性を判断ファクターとしているようにも読めることから︑学説上︑非権利者への弁済の        ︵1︶ ︑   有効要件が新たな問題として取り上げられている︒       ︵2︶ ︑    非権利者への弁済を有効とする民法第四七八条と第四八〇条の関係については︑既に幾つかの研究が存在するが︑

    いずれも前条はフランス民法第一二四〇条︑後条はドイツ民法第三七〇条︵統一ドイツ商法典第二九六条に由来す     ︐

 ︑  る︶が原型たるを指摘するにとどまりシ仏独両法がそれぞれ異なる弁済者保護規定を置いた経緯については︑ほとん

    ど省みていない︒従って︑両法が異なる規定を置きつつも︑日本民法典がその双方を継受したことの意味や評価も︑

       学説彙纂第四六巻第三章の邦訳      ︵都法四十五ー一︶ 五〇一

(2)

五〇二

依然として明確ではない︒非権利者への弁済の有効要件が問題となっている現在︑まずは︑仏独両法の共通の基盤た

るローマ法の弁済制度が我国に継受される過程︑そして︑そこでの真正権利者の帰責性︵ローマでは重視されてい

た︶の位置づけの変化を明らかにしなければならない︒それゆえ本稿は︑ローマ法大全中︑弁済を扱う学説彙纂第四

六巻第三章﹁弁済及び解放︵O①゜︒o巨﹇旨巨ぴ¢°︒9巨ぴΦ﹃g・ざ巳ぴ自゜・︶﹂の全訳を試みている︒もとよりこの作業は︑右の課

題の準備作業でしかないが︑しかし︑このような作業でも︑広く弁済一般に関する我国の議論に間接的であれ多少な

りとも資することができれば幸いである︒        ︵3︶.      ︵4︶ ︵5︶ ︵6︶  なお︑学説彙纂の刊本は︑モムゼンによる校定本を使用した︒訳出に際しては︑適宜英訳︑仏訳︑独訳を参照し︑

訳者の補足はカギカッコを付して行った︒

邦訳  ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第一法文

 ある債務者が複数の法律関係のうちから一つの債務を弁済する場合︑彼はどの債務に弁済したいのかを述べること

ができる︒そしてもし述べたならば︑その債務が弁済される︒なぜならば︑我々は何を弁済するのかを述べる一定の

権能を有するからである︒これに対して︑どれに弁済するのかを我々が述べない場合には︑受領者がどの債務に対し

て受領をなすかを決める権能を有する︒しかし受領者は︑もし自身が債務を負担していたならば弁済し︑かつそこか

ら解放されようとするであろう債務に対して︑弁済を充当すべきである︒従って︑以下のものはそのような債務には

当たらない︒すなわち係争中の債務︑他人のために保証人として負担している債務︑期限未到来の債務である︒なぜ

ならば︑債権者は債務者の事柄について︑それがあたかも自己の事柄であるかのように行動するのが︑最も公平であ

(3)

ると考えられるからである︒かくして債権者には︑その欲するところへ弁済を充当することが許されるのであるが︑

それは自己の事柄であるかのようになさねばならない︒そして債権者は︑その場︑すなわち弁済と同時に充当するこ

とができる︒       °

 フローレンティヌス 学説彙纂第四六巻第三章第二法文    −         ・     ︐

 従って必然的に︑弁済が当事者の一方が望むのと異なるところになされる場合には︑債権者には受領しない自由が

認められ︑債務者には与えない自由が認められる︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三法文

 ︵序項︶しかし事後に﹇充当﹈することは許されない︒このこと﹇債権者は自己の事柄であるかのようにして弁済

を充当しなければならないこと︵O°心◎ω﹀一゜︶﹈は︑つまり債権者は常に負担のより重い法律関係に自己の名で充当し

た上で︑受領をなさなければならないということである︒︵第一項︶しかしもし両当事者が﹇充当の﹈指定をなさな

かったならば︑期限付債務の間では期限の到来した方が支払われたものとみなされる︒

 ポンポーニウス 学説彙纂第四十六巻第三章第四法文    −

 他人の保証人として負担している債務よりも︑自己の債務として負担しているものの方が﹇支払われたものとみな

され﹈︑また罰の付いていないものよりも罰の付いている方が︑また無保証のものよりも保証付の方が﹇支払われた

ものとみなされる﹈︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四十六巻第三章第五法文

 ︵序項︶.また︑期限の到来している債務の間では︑どちらの債務が弁済されたのか明らかでない場合︑一致した見

解によれば︑︑負担のより重い債務へと弁済されたものとみなされ︑そしてもし負担の重いものがない場合︑つまり全

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︵都法四十五ー一︶ 五〇三  −

(4)

五〇四

債務が均質な場合には︑より古い債務へ弁済されたものとみなされる︒保証付債務の方が︑無保証債務よりも負担が

重いと理解される︒︵第一項︶ある者が保証人を二人たてた場合︑彼は一人を解放するように支払うことができる︒

︵第二項︶皇帝アントニヌスは父皇﹇セプティミウス・セウェールス﹈とともに︑質物売却によって債権者が金銭を

回収する場合に関する解答をなした︒利息の一方が適法に︑他方が不適法に負担されている場合︑利息へと支払われ

た金銭は︑前者のみならず︑後者にも充当される︒利息の一方が問答契約により負担され︑他方が無方式の合意によっ

て自然的に負担されている場合を考えてみよ︒しかし︑もし適法に負担された利息額とそうでない利息額とが等しく

ない場合︑解答の文言が示しているように︑支払われた金銭は適法に負担された利息に充当されるのであり︑割合に

応じてではない︒また︑利息が適法に負担されたものではないときに︑ある者が単純に﹇充当指定せずに﹈支払った

場合︑皇帝アントニヌスは父皇とともに︑弁済物は元本に充当される旨の解答をなした︒この解答の続きは以下であ

る︒コ般に︑まず利息に対して支払われた金銭の受領がなされるべきであるが︑ここでの利息とは︑それにつき債

務者が訴求されうるもののことである︒そして︑合意約束に基づき与えられた物の返還が認められないのと同様に︑

特定の名称を付さずに支払われた金銭は︑受領者の裁量で﹇利息に﹈支払われたとみなされるべきではない︒﹂︵第三

項︶マルケッルス法学大全第二十巻において︑次のことが論じられている︒ある者が債務者に対して﹁元本及び利息

を受領した﹂旨の問答契約証書を作成した場合︑元本と利息が割合に応じて消滅するのか︑利息に充当された後︑余

剰があれば元本に充当されるのか︒私﹇ウルピアーヌス﹈の確信するところによれば︑﹁元本及び利息に﹂という契

約書は︑まず利息︑次いで余剰があれば元本にという﹇充当順序﹈を定めたものである︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第六法文

 なぜならば︑文言の順序﹇元本が利息よりも先に記されていること﹈よりも︑むしろ何が合意されたのかに従うべ

(5)

きだからである︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四十六巻第三章第七法文

 破廉恥制裁付債務とそれ以外の債務とが負担されている場合︑破廉恥制裁付債務が弁済されるものと考えられる︒

それゆえ︑判決履行債務とそれ以外の債務とが負担されている場合には︑判決履行債務が弁済されたものと私﹇ウル

ピアーヌス﹈は考え︑またポンポーニウスも同意見である︒従って︑濫争により責任が増加する債務﹇濫争罰付債務﹈

あるいは罰付債務が負担されている場合には︑それら罰付債務が弁済されて解放されると考えるべきである︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第八法文

 ポンポーニウスが巧みに述べて言うどころによれば︑期日及び契約﹇債務﹈の性質が等しい場合には︑全額に対す

る割合に応じて弁済されたものとみなされる︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第九法文

 ︵序項︶﹁私あるいはセンプローニウスの奴隷スティクスに支払うか﹂と要約された場合パセンプローニウスに対

しては︑奴隷の主人であるけれども︑支払うことができない︒︵第一項︶一〇金の債務を負担している者は︑半額を  ψ

支払うことにより債務の半額から解放され︑残りの五金についてのみの債務が存続する︒同様に︑奴隷スティクス﹇特

定物﹈を負担している者は︑スティクスの持分を与えることにより︑残りの持分についての債務を負担する︒しかし

ながら︑奴隷﹇種類物﹈を負担している者は︑特定の奴隷たるスティクスの持分を与えても︑奴隷を与える債務から

解放されない︒依然として︑彼に対して奴隷一人を訴求することが可能である︒しかし︑彼がスティクスの残りの持

分を与え︑あるいはそれを受領しなかったことが原告﹇債権者﹈の責に帰すべき場合には︑債務者は解放される︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第一〇法文

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︵都法四十五−一︶ 五〇五

(6)

五〇六

 ﹁私あるいはティティウスに﹇与えるか﹈﹂と要約がなされた場合︑ティティウスは訴求︑更改︑要式免除をなす

ことができず︑ただ彼への支払がなされうるのみである︒      ︒

 ポンポーニウス 学説彙纂第四六巻第三章第=法文

 私が﹁私あるいは未成熟子に与えるか﹂と要約した場合︑諾約者は︑後見人の助成なくして未成熟子に支払ったと

しても︑私から解放される︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第一二法文

 ︵序項︶真の委託事務管理人に対しては︑適法に支払いをなすことができる︒真の委託事務管理人とは︑個別に委

託を受けた者および総財産の管理を委ねられた者のことをいう︒︵第一項︶しかしまた︑委託事務管理人以外の者に

対しても︑適法に支払いうる︒例えば︑要約者によってその名前を付加された者︑つまり﹁自己あるいはティティウ

スに﹂という場合﹇のティティウス﹈を考えてみよ︒︵第二項︶さらにまた︑ある者がティティウスに対して支払う

旨を私に命じ︑その後彼がティティウスに受領を禁じた場合︑私が右禁止を知らずに支払ったならば︑解放される︒

逆に︑知っていたならば解放されない︒︵第三項︶これを﹁自己あるいはティティウスに﹂という問答契約と比較す

るならば︑異なる事案であるということができる︒つまり︑この問答契約の場合︑たとえ債権者が私に対してティティ

ウスへの支払いを禁じたとしても︑私は右支払いによって解放されるからである︒なぜならば︑問答契約の右条項

は︑債権者が変更しえないものだからである︒︵第四項︶しかし私が真の委託事務管理人ではない者に支払った場合

であっても︑主人がそれを弁済であると認める旨の追認をなすならば︑解放が生ずる︒なぜならば︑追認は委任に比

較せられるからである︒

 ユーリアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三二法文

(7)

 主人のなす追認は︑最初の通知がなされた時に行われるべきである︒もっとも︑これは緩やかに︑つまり一定の期

間として理解されるべきである︒例えばパ遺贈の返還が問題とされる場合︑短すぎず長すぎない期間が与えられるべ

きであり︑これは言葉でよりもむしろ理知で把握されうるものである︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第一四法文

 ︵序項︶もしある者が︑追認が得られなければ取り戻すと言って支払った場合︑主人が追認しなければ︑取戻訴権

は﹇主人ではなく﹈弁済者に帰属する︒︵第一項︶名誉後見人︑看護教育のための後見人︑そして事務処理のための

後見人がそれぞれ立てられた︒誰が財産を管理するかに関しては︑家長が一人を選ぶ場合︑後見人間の協議で一人に

委ねる場合︑法務官が決定する場合とがあり得る︒私﹇ウルピアーヌス﹈の見解によれば︑どの後見人に対しても︑

たとえ名誉後見人に対してであっても︵彼も後見人の責任を負っているから︶︑支払いをなすことができる︒ただし︑

その者が法務官によって財産管理を禁じちれていた場合は︑この限りではない︒禁止は支払いを不適法とするからで

ある︒私見によれば︑嫌疑後見人の訴追を受けている者に支払われる場合も同様である︒なぜならば︑この者はその

間財産管理を禁じられていると考えられるからである︒︵第二項︶また︑後見人の職を外された者に支払った者は︑

後見人でない者に支払ったのであるから︑解放されない︒︵第三項︶後見人の代りに保佐人が立てられた時に︑後見

人への弁済がなされた場合はどうであろうか︒例えば︑後見人が永久もしくは一時的に免職となった場合を考えてみ

よ︒私﹇ウルピアーヌス﹈は︑保佐人が就任する前に支払いがなされたならば︑解放が生じると考える︒︵第四項︶

公務で出掛ける者に対しても︑適法に支払うことができる︒なぜならば︑不在者に対してすら︑彼の代りに誰かが立

てられていない限りは︑支払いをなしうるからである︒︵第五項︶後見人の設置が法定であれ︑遺言によるものであ

れ︑官選であれ︑その内の一人に対する支払いは適法である︒︵第六項︶教養ゆえに立てられた後見人に対して支払

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︑      ︵都法四十五﹁一︶ 五〇七

(8)

五〇八

いうるかは︑問題である︒というのも︑彼は共同後見人を教える目的で立てられたのであるから︒しかし︑彼も後見

人であるため︑彼に対する支払いは︑それが禁じられていない限り︑解放効を有すると解すべきである︒︵第七項︶

錯乱者の保佐人にも正当に支払われる︒同じく︑年齢あるいはその他の正当の事由により十分でない者の保佐人に

﹇も支払われる﹈︒しかし︑被後見人の保佐人にも正当に支払われることは明らかである︒︵第八項︶未成熟子が後見

人の助成なくして支払えないことは︑明らかである︒もし現実に金銭が与えられたとしても︑それは受領者のものに

ならず︑﹇所有権に基づく﹈取戻しが可能である︒しかし︑もし金銭が消費されたならば︑未成熟子は解放される︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第一五法文

 後見人の助成なくして未成熟子に支払うことはできない︒また︑未成熟子は指図をなすこともできない︒なぜなら

ば︑彼は何らの物をも処分することができないからである︒しかし︑もし債務者が未成熟子に支払いをなし︑その金

銭が現存しているならば︑未成熟子の訴求を悪意の抗弁によって妨げることができよう︒

 ポンポーニウス 学説彙纂第四六巻第三章第一六法文

 条件付要式免除がなされた場合︑その後に条件が成就すれば︑債務者はそれ以前﹇免除時﹈に解放されていたもの

とみなされる︒同様のことは︑物が支払われた場合にも生じると︑かつてアリストーは述べた︒アリストー曰く︑あ

る者が条件付債務を負担し︑もし条件が成就すれば弁済として扱うとの条件下で︑金銭を支払った︒この時︑もし条

件が成就すれば債務者は解放され︑かつ金銭がそれ以前に受領者の所有に帰することは妨げられない︑と︒

 同︵ポンポーニウス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第一七法文

 カシウス曰く︑私がある者に対して︑私の債権者に支払わせる目的で金銭を与えた場合︑もし私が自己の名で与え

たならば︑私もある者も共に解放されない︒私が解放されないのは︑金銭が﹇債権者に﹈私の名で与えられていない

(9)

   からでありバある者が解放されないのは︑他人の金銭が与えられたからである︒そしてある者は︑委任訴権に基づい

   て﹇私に対して﹈責を負わされる︒しかし︑もし債権者が当該金銭を悪意なしに消費した場合には︑自己の名で金銭

   を与えた者﹇11ある者﹈は︑﹇委任訴権から﹈解放される︒さもなければ︑債権者に利得を許すことになるからであ

   る︒

    ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第一八法文

−   ある者が︑金銭取立てのために立てられた奴隷に対して︑奴隷解放後に支払いをなした︒もし︑彼が主人との契約

   に基づく債務を支払ったのであれば︑﹇債務者が解放されるためには︑﹈債務者が奴隷解放を知らなかったことが必要

   である︒これに対して︑債務者が奴隷の特有財産に基づく債務を支払ったのであれば︑債務者は奴隷解放を知ってい

   たとしても︑特有財産の剥奪を知らなければ︑﹇債務から﹈解放される︒しかし両事例において︑解放奴隷が金銭を

   横領する意図を有していたならば︑旧主人に対して盗の責を負う︒というのも︑私が債務者に対してティティウスへ

   の金銭支払いを命じ︑次いでティティウスに対して受領を禁じた場合︑受領禁止を知らない債務者は︑事務管理人を

   装うティティウスに支払うことにより解放され︑ティティウスは﹇私に対して﹈盗の責を負うからである︒

    ポンポポニウス 学説彙纂第四六巻第三章第一九法文

    私の逃亡奴隷が自由人を装いつつ︑私から盗んだ金銭をあなたに貸しつけた場合︑あなたは私に対して債務を負

   う︑とラベオーは述べた︒ラベオーはさらに︑もし債務者が逃亡奴隷を自由人と信じて支払ったならば︑債務者は私

   から解放されるが︑逃亡奴隷の指図や追認で第三者に支払った場合には︑解放されない︑と述べた︒というのも︑前

   の場合には金銭が私の所有に帰し︑かつ私に対する弁済と同視しうるからである︒さらに︑私の奴隷が特有財産名義

   で金銭を貸し付けた場合︑金銭が取り立てられたならば債務者は解放されるが︑指図や更改によ︐っては同様の効果は

      学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︵都法四十五−一︶ 五〇九

(10)

五一〇

  生じない︒

   同︵ポンポーニウス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第二〇法文

・  私が第三者に質入れした所有物を︑あなたへの債務として支払った場合︑私は解放されない︒なぜならば︑当該物

  は質権者によって追奪されうるからである︒

   パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第二一法文

   ティティウスが﹇あなたに﹈一〇金を約した後︑セーイウスは︑﹁あなたがティティウスから回収できなかった金

  銭﹂の諾約をなした︒たとえあなたがティティウスに一〇金を訴求したとしても︑セーイウスは解放されない︒とい

  うのも︑有責判決を受けたティティウスが何も与えることが出来ない場合が考えられるからである︒また︑あなたが

  最初にセーイウスを訴えたとしても︑ティティウスは何ら解放されない︒セーイウスが負担すべき額が定まっていな

  いからである︒最後に︑もしティティウスが金銭を支払ったならば︑セーイウスは最初から債務者にならなかったも

  のとみなされる︒債務者となるための条件が欠けるからである︒

   ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第二二法文

   家子は家長の意思に反して︑家長の債務者を解放することができない︒家子は財産を増加させることは出来るが︑

  減少させることが出来ないからである︒

   ポンポーニウス 学説彙纂第四六巻第三章第二三法文

   弁済受領及び訴訟引受によって︑我々は﹇債務者の﹈意に反し︑または不知の間に﹇債務者を﹈解放することがで

  きる︒

   ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第二四法文

(11)

 保証人が二人の債務者のために一〇金を保証した場合︑︑保証人め債務は二〇金となる︒保証人が一〇金﹇ずつ﹈あ

るいは二〇金を支払うことにより︑両主債務者は解放される︒しかし︑もし保証人が五金を支払ったならば︑どちら

の債務者が五金につき解放されるのか︒この場合︑まず当事者の合意に従い︑それが明らかでない場合には古い債務

が消滅すると解される︒一五金が支払われた場合も同様である︒もし何が合意されたかが明らかであれば︑それに

従って一〇金と五金を振り分けるべきである︒もし明らかでない場合は︑古い契約﹇の債務﹈に一〇金︑他の契約﹇の

債務﹈に五金が充てられる︒     −      °         

 ポンポーニウス 学説彙纂第四六巻第三章第二五法文 ︐﹇相続財産の﹈一定割合につき指定された相続人が︑被相続人の負担していた一〇金を全額支払った場合︑彼は自

己の割合に応じた額につき解放され︑残額については不当利得訴権を有す︒しかし︑もし不当利得訴権を行使する前

に︑相続財産の残部を取得したならば︑彼はその部分についての債務も負担することになるため︑非債弁済による不

当利得訴権は︑悪意の抗弁によって阻まれる︒

       し  同︵ポンポーニウス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第二六法文

 債権者が質物たる土地を売却し︑自己の債権額に相当する金銭を受け取ったならば︑債務者は解放される︒しかし

また︑債権者が買主に代金を免除したり︑支払いを猶予した場合でも︑債務者の解放は妨げられない︒これに対して︑

質物たる奴隷が債権者によって売却された場合は︑﹇売買が﹈解除されうる間は︑債務者は解放されない︒他の質物

が売却された場合に︑解除可能な間は債務者が解放されないのと同様である︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第二七法文      ・

 同様に︑問答契約訴権及び遺贈訴権の場合でも︑たとえ債務の目的物が引渡された場合でも︑何らかの権利の理疵・

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       .   ︵都法四十五ー一︶ 五=

(12)

五一二

があれば︑その物は追奪されうる︒例えば︑私に土地が引渡されたとしても︑何らかの優先する担保権があれば︑そ

の土地が追奪されうることを考えてみよ︒       ・

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第二八法文

 債務者が︑後見人のために事務を行っている者に支払った場合︑金銭が未成熟子に帰属したならば︑解放が生じ

る︒  ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第二九法文

 奴隷スティクス及びパンピルスを︑共有奴隷に対して諾約した場合︑一人の主人にスティクスを︑他方の主人にパ

ンピルスを与えることはできない︒両奴隷の持分が半分ずつ負担されているからである︒また︑二人の主人の共有奴

隷に対して︑スティクスニ人︑パンピルスニ人︑あるいは奴隷一〇人を与えると諾約した場合も同様である︒一〇人

の奴隷というのは︑一〇デナリというのと同様に︑曖昧な表現だからである︒それゆえ︑両主人に対して半分ずつの

持分が負担されると解される︒もっとも︑金銭︑オリーブ油や穀物︑その他種類で量られる物は︑むしろ数量的に分

割される︒諾約者にとっても︑要約者にとっても︑より有益だからである︒

 同︵ウルピアーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第三〇法文   .

 訴求された金銭を債務者が提供し︑債権者が受領を怠った場合には︑訴訟は法務官によって拒絶される︒

 同︵ウルピアーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第三一法文

 職人の間には︑素質︑性格︑知識及び教育において大きな差がある︒それゆえ︑ある者が船または家を建てること︑

または溝を掘ることを諾約し︑かつ自己の仕事でそれをなす旨の合意をした場合には︑保証人が自分で家を建てた

り︑溝を掘ったりしても︑債務者は債権者から解放されない︒同様に︑﹁通行を妨げることがないように﹂との問答

(13)

  契約に保証人が立てられた場合︑保証人が通行を妨げても問答契約の責任は発生しないし︑また保証人が受忍したと

  しても︑問答契約の責から免れるわけではない︒      ︑

   ユーリアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三二法文       ㎡  ︑  

   奴隷が特有財産名義で金銭を貸付け︑債務者が奴隷の主人の死亡を知らずに︑相続承認がなされる前に奴隷に支

  払ったならば︑﹇債務者は﹈解放される︒債務者が︑特有財産を剥奪されたことを知らずに︑解放奴隷に支払った場

  合も同様である︒この理はべ金銭が主人の生存中に支払われたか︑死後に支払われたかで異ならない︒なぜならば︑−

  ある者がティティウスに支払うことを債権者から命じられだ場合にも︑債権者の死亡を知らない限りは︑死亡後も

  ティティウスへの支払いは適法だからである︒

   同︵ユーリアーヌス︶−学説彙纂第四六巻第三章第三三法文

    ︵序項︶﹁私あるいはティティウスに土地を与えるか﹂との要約がなされた場合︑たとえ土地がティティウスに与

  えられたとしても︑その後追奪されれば︑私は訴権を有する︒奴隷の要約がなされ︑諾約者が候補自由人をティティ

  ウスに与えたが︑候補自由人が自由を得た場合も同様である︒︵第一項︶スティクスあるいはパンピルスを与えると

  の諾約をなした者は︑もしスティクスを傷つけたならば︑それを与えても解放されない︒あたかもスティクスのみが

  負担され︑それを傷つけて与えたかの如しである︒同様に︑奴隷﹇種類物﹈を与えることを約した者が︑奴隷を傷つ

  けて与えても解放されない︒この者に対しては︑有責判決が下されるべきである︒しかし︑もし第三者によって傷つ

  けられた奴隷を与えた場合には︑債務者は他の奴隷を与えうる場合にのみ︑有責判決を下されるべきである︒

   同⌒ユーリアーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第三四法文

︐   ︵序項︶奴隷または一〇金を︑あなた又はティティウスに与えることを約した者は︑ティティウスに奴隷の持分を

     学説彙纂第四六巻第三章の邦訳      ︑ ︵都法四十五ー一︶ 五=二

(14)

五一四

与えた後︑あなたに一〇金を与えたならば︑ティティウスではなくあなたに対して︑奴隷の持分の返還を請求でき

る︒あなたの意思に基づいて︑ティティウスに非債弁済がなされたからである︒同様に︑ティティウスの死後に一〇

金が支払われた場合にも︑ティティウスの相続人ではなくあなたに対して︑奴隷の持分の返還を請求できる︒︵第一

項︶二人の連帯債権者に対して奴隷の供与が約され︑諾約者が両債権者にそれぞれ異なる奴隷の持分を与えたなら

ば︑彼が解放されないことは明らかである︒しかし︑もし同じ奴隷の持分を与えた場合には︑解放が生じる︒なぜな

らば︑債務関係の効果として︑二人に対して与えられた物は一人に対して与えられたとみなされるからである︒転じ

て︑二人の保証人が奴隷を与えることを約した場合にも︑異なる奴隷の持分を与えることによっては解放されない

が︑同一の奴隷の持分を与えれば解放される︒︵第二項︶私に一〇金あるいはティティウスに奴隷を与えるかとの要

約がなされた場合︑もしティティウスに奴隷が与えられれば︑諾約者は私から解放される︒奴隷が与えられる前にお

いては︑私は一〇金を訴求することが可能である︒︵第三項︶私がティティウスに対して自己の全財産の管理を委ね︑

次いで債務者の不知の間にティティウスに財産管理を禁じた場合︑債務者はティティウスに支払うことによって解放

される︒なぜならば︑全財産の管理を他人に委ねた者は︑債務者に対して事務管理人に支払うことを命じたと理解さ

れるからである︒︵第四項︶もし命令がないにも拘わらず︑債務者が私の意思を誤解して支払ったならば︑解放は生

じない︒従って︑自らの意思で他人の事務を管理している事務管理人に対しては︑何人も支払いによって解放されな

い︒︵第五項︶それゆえ︑自由人を装った逃亡奴隷が物を売却した場合︑解答されたところによれば︑買主は逃亡奴

隷に対する支払いによって解放されない︒︵第六項︶養子が家女﹇養子の妻﹈の不知の間に嫁資を返還した場合︑彼

は解放されない︒むしろ︑養子に不当利得訴権が帰属する︒但し︑家女の追認があった場合はこの限りではない︒実

際︑養子は不在者の財産管理人に支払う者と類似の状況にある︒というのも︑嫁資に関しては︑家女はその主たる関

(15)

係人であり︑家長とともに権利を共同行使するからである︒︵第七項︶私が自己の債務者に対して︑ティティウスに     .

金銭を与えよと命じた︒私はティティウスに金銭を贈与するつもりであったが︑ティティゥスは私の金銭として受領

した︒それにも拘わらず︑債務者は﹇私から﹈解放される︒しかし︑もしティティウスがその金銭を私に与えたなら

ば︑金銭は私のものとなる︒︵第八項︶ある者が家子に保証人を立てさせ︑かつ家子を相続人に指定した︒もし家長

の命令で相続承認がなされた場合︑家長は保証人を訴えることが出来るのかが問われた︒私は︑保証人を設定した者

が債権者の相続人となったのであるから︑保証人は解放ざれると述べた︒何人も︑自分で自分のために債務を負担す        ゴ  ノ ることができないからである︒・︵第九項︶無権限の者が︑相続財産の債務者から取り立てた物を︑相続財産訴権に応

じて返還した場合︑右債務者は解放される︒︵第一〇項︶一〇金あるいは奴隷を与えるかとの要約がなされ︑ティティ

ウスとマエウィウスという二人の保証人が立てられた︒デイティウスが五金を支払っても︑マエウィウスの五金支払

い前は︑解放が生じない︒この場合︑もしマエウィウスが奴隷の持分を支払えば︑両者は依然として債務を負担し続

ける︒︵第一一項︶抗弁により自己を永久に守り続けることができる者は︑支払いをなしても解放されない︒それゆ

え︑連帯債務者の一方が他方に対し︑後者が訴求されることはないとの約束をした場合︑後者が支払いをなしたとし

ても︑前者の債務は存続する︒         4       ・ ∴

 アルフェーヌス・ウァールス 学説彙纂第四六巻第三章第三五法文

 奴隷が自己の特有財産で貸し付け︑あるいは寄託した物は︑たとえ彼が売却され︑または解放されたとしても︑彼

に対して適法に支払いうる︒但し︑その他の原因から︑当時奴隷であったものに対する支払いが︑彼の意思に反する

ことが明らかな場合は︑この限りではない︒また︑奴隷が主人の金銭を利息付で借りて︑主人の許可の下に主人の事

務を管理している場合も︑同じ処理がなされる︒なぜならば︑奴隷に事務を委ねた主人の意思は︑奴隷から受取り︑・

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳      ︐     ︵都法四十五ー一︶ 五一五

(16)

五一六

奴隷に対して与えられるというものだからである︒

 ユーリアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三六法文

 私の父が妊娠中の妻を残して死亡し︑私は相続を原因として父の債権全額を訴求した︒ある者達の見解によれば︑

私は﹇過多の請求ゆえ﹈訴権を失うことはない︒というのも︑もし誰も生まれなければ︑私のみが相続人であったこ︑

とが物事の本質上当然であり︑私の訴は適法だからである︒ユーリアーヌスは注記して曰く︑より正しくは︑誰も生

まれないことが確定する前は︑私が﹇結果として﹈相続人となった部分が﹇過多の請求ゆえに﹈失われると解すべき

である︒三人が生まれた場合は四分の一︑五人が生まれた場合は六分の一というように︒現に︑アリストテレスは五

つ子が生まれうると書いている︒婦人の子宮は︑それだけの大きさを有しているからである︒また︑エジプトのアレ

キサンドリア出身の女性が︑ローマで五つ子を一度に生み︑胎児は皆健康であったと伝えられる︒私自身︑エジプト

でこれを確認している︒

 同︵ユーリアーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第三七法文

 複数保証人の一人が︑債務者のために自己の負担部分を支払ったならば︑あたかも債務者自身が保証人の負担部分

を支払ったかのようにみなされる︒しかし︑主債務額が減少するのではなく︑その名で支払いをなした保証人のみが

解放される︒

 アフリカーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三八法文

  ︵序項︶﹁自己あるいはティティウスに与えるか﹂との問答契約がなされた場合︑﹇ユーリアーヌスが﹈妥当である

と述べるところによれば︑ティティウスに対する支払いが適法たるのは︑彼が問答契約締結時と同じ地位に留まって

いる場合のみである︒すなわち︑彼が養子に行ったり︑国外追放になったり︑水火の刑に処せられたり︑奴隷になっ

(17)

   たりした場合には︑彼への支払いは不適法だとされる︒それゆえ︑︐右の問答契約には︑﹁もし同じ地位にあれば﹂と

   いう合意が黙示的に含まれているとされる︒︵第一項︶私が自己の債務者に︑ティティウスへの支払いを命じ︑次い

   でティティウスに受領を禁じたが︑債務者が善意で支払いをなした場合︑もしティティウスが自己を利する意図で金

   銭を受け取ったのでなければ︑債務者は解放されると﹇ユーリアーヌスは﹈解した︒しかしながら︑たとえ金銭の盗

\   がなされたとしても︑それは債務者の財産なのであるから︑市民法上の解放が生じなくとも︑もし債務者がティティ

   ウスに対する盗の不当利得訴権を私に譲渡する用意があるならば︑﹇債務者には﹈抗弁の対抗が許されると解するの

   が公平である︒それゆえ︑夫が贈与目的で妻への支払いを﹇債務者に﹈命じた場合も︑同様である︒というのも︑金

   銭は妻のものにならないので︑市民法上の解放は生じないが︑もし妻に対する不当利得訴権を譲渡する用意があるな

   らば︑夫に対する抗弁の対抗が許されるべきである︒もつとも︑後者の場合に不当利得訴権が私に帰属するのは︑離

   婚後である︒なぜならば︑私はその時に︑金銭が私のものにならないことにつき︑利害を有するからである︒︵第二

   項︶特有財産訴訟が主人に提起され︑敗訴した主人が支払いをなした︒﹇ユーリアーヌスの﹈解答によれば︑奴隷の

   ためにたてられた保証人も解放される︒なぜならば︑同一の金銭は︑複数の目的のために支払われうるからである︒

   すなわち︑判決訴権の支払いに担保が供された場合︑敗訴した債務者の支払いは︑判決訴権のみならず﹇担保﹈問答       ノ    契約訴権から︑債務者と保証人を解放させる︒しかしながら︑遺産占有者が自己は相続人であると考えて支払った場

   合には︑相続人は解放されない︒なぜならば︑自己の名で非債弁済をなしたのであり︑自己が返還訴権を有するから

   である︒︵第三項︶奴隷を諾約した者が候補自由人を与えた場合︑私﹇アフリカーヌス﹈は︑﹇奴隷の解放に付された﹈

   条件を考慮せずに︑債権者は訴求をなしえ︑債務者は不当利得訴権を有すると考える︒しかし︑もしその間に条件が

   ︑不成就となったならば︑債務者は解放される︒あたかも停止条件付債務を錯誤によって支払い︑不当利得訴権を行使

      学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︵都法四十五−一︶ 五一七  −

(18)

五一八

する前に条件が成就した場合の如きである︒但し︑スティクス﹇候補自由人﹈が死亡した後に条件が不成就となった

場合には︑債務者が解放されるということはできない︒死亡前の不成就は︑債務者を解放させるにも拘わらず︑であ

る︒というのも︑かの場合には奴隷が一時たりとも完全には私の所有とならなかったからである︒さらに︑用益権が

譲渡されている奴隷を︑あなたが私に支払い︑用益権の存続中に用益権者が死亡した場合︑その支払いによってあな

たは解放されるとみなされる︒あたかも︑あなたが共有奴隷を支払い︑他の共有者が死亡した場合の如しである︒︵第

四項︶債務者は︑公用で不在の間に解放された︒その後一年が経過した場合︑彼の保証人は解放されるか︒ユーリアー

ヌスは︑否定的に解する︒なぜならば︑保証人を訴えうる機会が存在しなかったからである︒ユーリアーヌスによれ

ば︑むしろこの場合は︑給付が約された奴隷を保証人が殺した場合と同様に︑彼に対する訴権が告示によって回復さ

れるべきである︒︵第五項︶あなた﹇主債務者﹈のためにティティウス﹇債権者﹈の前で保証をなした者が︑自己の

保証債務のために質物を与えた︒その後︑保証人はあなたを相続人に指定した︒あなたは保証債務を負わないが︑質

物の拘束は存続する︒しかし︑保証人が他の保証人﹇副保証人﹈をたて︑その後あなたを相続人に指定した場合には︑

副保証人の債務も︑保証人の債務と同様に消滅する︑と﹇アフリカーヌスは﹈述べた︒

 同︵アフリカーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第三九法文

 あなたに金銭を支払うため︑私はあなたに命じて金銭を両替商の前で封印させ︑それが数えられるまで︑﹇両替商

に﹈寄託した︒メラは︑金銭の危険はあなたが負担すると記している︒しかし︑より正しくは︑速やかに数えられな

かったことがあなたの責に帰するか否かが問われるべきである︒というのも︑右の例は︑私が支払いの用意があるに

も拘わらず︑あなたが他の何らかの理由で受領を欲しなかった場合と同様であり︑この時︑常にあなたが危険を負担

するとはいえないからである︒不適切な時間や場所で︑私が提供をなした場合を考えてみよ︒それゆえ︑買主が金銭︑

(19)

売主が商品を︑お互いに信頼がないために寄託した場合︑金銭の危険は買主が︵彼自身が受寄者を選んだ場合は常

に﹀負担し︑かつ商品の危険も買主が負担する︒なぜなちば︑売買が完成しているからである︒

 マルキアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第四〇法文      ︐

 ある者が私のために︑私の債権者に支払いをなした場合︑たとえそれが私の不知の間になされたとしても︑私は﹇債

権者に対して﹈質物返還訴権を取得する︒同様に︑ある者が遺贈を履行した場合︑受遺者は﹇相続財産の﹈占有を放

棄すべきである︒さもなければ︑受遺者﹇の占有﹈を排除する特示命令が︑相続人のために発せられる︒

 パーピニアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第四一法文

 債権者は︑刑事訴追を受けている間にも︑債務者達から適法に弁済を受領することができる︒︑さもなければ︑多数

の無実の者が︑生活の糧を欠くことになろう︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第四二法文

 また︑︐﹇刑事訴追を受けている﹈債務者は︑債権者に弁済することを妨げられない︒       

 ウルピアーヌス︑学説彙纂第四六巻第三章第四三法文

 全ての類の解放は︑従たるものを解放させる︒参加諾約人︑抵当や質を考えてみよ︒但し︑債権者と参加諾約人の

間に混同が生じた場合は︑主債務者は解放されない︒

  マルキアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第四四法文

  一つの支払いにより︑二つの債務が消滅する場合がある︒例えば︑ある者が債務のために質物を債権者に売却した

場合︑売買に基づく﹇代金﹈債務と︑﹇被担保﹈債務とが消滅する︒さらに︑後見人の助成なくして金銭を借りた未

成熟子が︑債権者から﹁もし債務を返還したならば﹂という条件付遺贈を受けた場合︑未成熟子は二つの法的関係に

・   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳    −  ・      ︵都法四十五−一︶ 五一九

(20)

五二〇

金銭を支払ったものとみなされる︒すなわち︑相続人の有するファルキディア法の利益に加算されるよう︑債務へと

支払ったこと︑及び遺贈が生じるよう︑条件のために支払ったことである︒同様に︑金銭の用益権が遺贈された場合︑

一つの支払いによって相続人は遺言訴権から解放され︑受遺者を自己へ﹇の金銭返還へ﹈と義務付ける︒また︑第三

者への売却あるいは賃貸を命じる判決が下された場合も同様である︒なぜならば︑売却あるいは賃貸によって相続人

は遺言訴権から解放され︑受遺者を自己﹇への金銭支払い﹈へと義務付けるからである︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第四五法文

 ︵序項︶ウルピアーヌスがカリップスに答えて曰く︑夫が妻に対して︑離婚後に嫁資の担保となっている土地を代

物弁済として与えると諾約をなしたとしても︑夫は嫁資の価額を提供すれば十分である︒︵第一項︶ウルピアーヌス

はフロントーに答えて曰く︑後見人が死刑判決の被告となりつつ︑後見事務を続けている場合︑善意で未成熟子に対

して負担した物は︑﹇後見人に﹈支払うことができる︒

 マルキアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第四六法文

 ︵序項︶ある者が︑﹇債務者の﹈意思に基づき代物弁済をなし︑その物が追奪された場合︑元来の債務が存続する︒

たとえ一部が追奪されたとしても︑﹇元来の﹈債務全体が存続する︒なぜならば︑全体が自己のものにならないなら

ば︑債務者は物全体を受け取らなかったであろうから︒︵第一項︶また例えば︑二つの土地が一個の債務のために与

えられた場合︑片方の土地が追奪されれば債務全体が存続する︒なぜならば︑代物弁済として与えられた物は︑それ

が全部債権者のものとなった時に︑解放を生じさせるからである︒︵第二項︶また︑ある者が悪意によって土地を過

大に評価し︑代物弁済として与えた場合︑解放は生じない︒但し︑差額を償還した場合はこの限りではない︒

 同︵マルキアーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第四七法文

(21)

  ︵序項︶後見人の助成なしに弁済を受けた未成熟子について︑利得が何時の時点で存在するのかが問題とされたな   

 らば︑争点決定時で判断される︒また︑未成熟子に対して悪意の抗弁が提出されたならば︑争点決定の時点で考慮さ

 れる︒︵第一項︶スカエウォラも述べているように明らかに︑たとえ物が争点決定前に消滅したどしても︑あたかも

 利得がなされたかのように理解される場合がある︒すなわち︑必ず自己の出費で買おうと思っていたようなv自己に

 とって必要な物を買った場合︒というのも︑損失が生じなかったということ自体が利得であるから︒同様にまた︑以

 下の場合については家子についてマケドニアーヌム﹇元老院議決﹈が問題とされないと﹇スカエウォラは﹈考えた︒

 家子が必要な目的のために金銭を受領し︑それを消費した場合︒

− マルケッルス 学説彙纂第四六巻第三章第四八法文︑

  ティティアは︑嫁資を原因として夫の財産を占有している間に︑債権回収や動産売却といった全てのことを︑所有

 者の如くになした︒そこで︑夫の財産故に取得した物が︑嫁資として返還されるべきかが問われた︒マルケッルスは︑

 取得した物を返還することは︑不公平ではないと解答した︒なぜならば︑妻が上記の原因に基づいて取得した物は︑

 むしろ﹇夫に対する﹈弁済とみられるべきだからである︒しかし︑もし嫁資返還の際に利息が計算されるべき場合に

 は︑裁定人は︑﹇嫁資の﹈総額から利息を控除するのではなく︑利息名義で妻に帰属すべき額から控除をなすべきで

 ある︒これは︑不公平ではない︒

  マルキアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第四九法文

  金銭が債権者に支払われた場合︑我々はいつも普通に︑金銭は弁済されたと考える︒また︑債権者の指図によって

 他の者に支払われた場合︑例えば債権者の債権者︑将来の債務者︑あるいはさらに贈与しようと思っている相手方に

 支払われた場合には︑解放されるべきである︒債権者が弁済を追認した場合も同様である︒さらに︑後見人︑保佐人︑

    学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︵都法四十五−一︶ 五二一

(22)

      五二二

事務管理人︑承継人︑奴隷である管理人に金銭が支払われた場合にも︑債権者への弁済というべきである︒しかし︑

もし問答契約を理由としてまたは問答契約なくして抵当が設定された場合に︑免除がなされたならば︑弁済︵°︒巳宇

.{

潤j

ニいうよりも︑むしろ満足﹇°︒呂ω皆6ひδ品という言葉が適切である︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第五〇法文

 私があなたに対して金を諾約し︑善意のあなたにあたかも金であるかのように銅をあたえた場合︑私は解放されな

い︒また︑私は銅を非債弁済として取戻すこともできない︒私は︑悪意だからである︒しかし︑あなたが金を訴求し

た場合には︑私は﹁あなたが受け取った銅を返還しない限りは﹂という旨の抗弁を提出できる︒

 同︵パウルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第五一法文

 会計係への弁済は︑債務者不知の間に彼が事務から離されていた場合には︑適法である︒なぜならば︑﹇彼の﹈主

人の意思に基づいて彼に支払われたのであるから︑﹇会計係担当者の﹈変更を知らない限りにおいて︑支払った者は

解放される︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第五二法文

 満足は︑弁済と同視される︒

 ガーイウス 学説彙纂第四六巻第三章第五三法文

 ある者が知らない間に︑あるいはその者の意思に反して弁済することは︑誰にでも許される︒というのも︑不知の

者︑意に反する者の状態を良くすることは︑市民法上許されているからである︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第五四法文

 弁済︵°︒o巨﹂o︶という語は︑如何なる方法であれ︑なされた全ての解放を意味し︑金銭の支払いよりもむしろ債務

(23)

の目的に関係する︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第五五法文

 返還を意図して支払った者は解放されない︒返還を意図して与えられた金銭が︑譲渡されたことにはならないのと

同様である︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第五六法文      一

 支払いを命じた者は︑自己が支払ったとみなされる︒

 ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第五七法文       ︑

 ︵序項︶﹁蜂蜜の代りに十金﹂との要約がなされた場合︑問答契約訴権が提起される前は︑蜂蜜を支払うことがで

きる︒しかし︑争点決定がなされて訴訟物が十金となった場合は︑もはや蜂蜜を支払うことができない︒︵第一項︶

同様に︑﹁私あるいはティティウスに与えるか﹂との要約をなし︑次いで私が訴えた場合には︑もはやティティウス

に支払うことができない︒但し︑争点決定前においては可能である︒

 同︵ウルピアーヌス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第五八法文・     ・

 ︵序項︶他人の事件を誠実に引受ける者に対して支払いをなした場合︑解放はいつ生ずるのか︒ユーリアーヌスは︑

主人が追認をなした時に解放が生ずるという︒同人は︑主人が追認をなす前はこの法律関係に基づいて取り戻しをな

し得るのかと問い︑どのような意図で支払いがなされたのか︑即座に解放されるつもりでか︑あるいは逆に主人が追

認をなしたならばという意図の下でかによって異なるという︒つまり先の場合では︑すぐさま訴訟代理人︵b§午

﹃90﹃︶から取り戻しをなしえ︑主人が追認をなした時にのみ取戻訴権が消滅する︒後の場合では︑主人が追認をな

さなかった時にのみ取戻訴権が発生すると﹇ユーリア十ヌスは﹈いう︒︵第一項︶債権者不知の間に彼の事務管理人

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳      .  ︵都法四十五−一︶ 五二三

(24)

五二四

への支払いがなされ︑債権者が養子にいった場合︑養父が追認をなせば弁済は適法となり︑追認しなければ債務者は

﹇事務管理人に﹈返還を請求できる︒︵第二項︶連帯債権者の一方の不在中に︑彼の事務管理人に支払いがなされ︑

その追認がある前に他方にも支払われた場合︑後者への支払いも前者への支払いも浮動状態にある︒なぜならば︑弁

済が非債弁済かが明らかではないからである︒

 パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第五九法文

 私が﹁私あるいはティティウスに与えるか﹂との問答契約をなした後︑債務者は私に弁済約束をなした︒この時︑

私に弁済約束に基づく訴権が帰属するけれども︑債務者は依然として付加された者﹇ティティゥス﹈に支払うことが

できる︒また︑私が家子から﹁私あるいはティティウスに﹂という諾約を受けた場合︑もし家長が家子ではなく︑自

己の名で支払うことを欲すれば︑家長は特有財産の範囲内でティティウスに支払うことができる︒付加された者に対

する支払いは︑私に対する支払いとみなされるからである︒従って︑付加された者に非債弁済がなされたならば︑要

約者から取戻すことができると︑ユーリアーヌスは考えた︒このことは︑私がティティウスへの支払いを命じた場合

であると︑最初から右のような問答契約が結ばれた場合とで︑異ならない︒

 同︵パウルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六〇法文

 他人の奴隷を代物弁済として与えた者は︑奴隷が使用取得されることにより解放される︒

 同︵パウルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六一法文・

 どのような場合でも常に︑私があなたに負っている物があなたに帰属し︑何も欠けるところがなく︑かつ支払われ

た物の返還請求が不可能ならば︑解放が生じる︒

 同︵パウルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六二法文

(25)

    私は遺言で自身の会計係に自由を命じ︑︑かつ特有財産を彼に遺贈した︒彼は︑私の死後に債務者達から金銭を回収

   した︒そこで︑私の相続人は︑彼の特有財産からその回収した金銭を控除しうるかが問題とされた︒相続承認後に彼

   が金銭を回収した場合︑彼名義の特有財産から控除されるべきではないことに︑疑いはない︒なぜならば︑もし債務

   者達が支払いによって解放されるならば︑彼は自由人として﹇相続人に対し﹈責を負うからである︒これに対して︑

   相続承認前に会計係が金銭を回収した場合︑債務者達がその支払いによって解放されるならば︑それが特有財産から

   控除されるべきであることに︑疑いはない︒なぜならば︑会計係は事務管理訴権あるいは委任訴権に準じて相続人に

   対し責を負うからである︒他方︑﹇債務者達が﹈解放されないならば︑以下と類似の問題となる︒すなわち︑私の事

   務を管理しているあなたが︑私の債務者達から回収し︑次いで私が追認を拒絶し︑さらに事務管理訴権で﹇あなたを﹈        へ    訴えようとした場合︑もしあなたに損害が生じない旨を私が担保していれば︑その訴えは適法なのか︒私﹇パウルス﹈

   は否と答える︒私の追認拒絶により︑事務管理訴権は消滅したからである︒その結果︑債務者﹇達﹈は私に対して責

   を負う︒

    同︵パウルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六三法文

     ﹇奴隷を与えるべき﹈債務者が︑その奴隷の用益権者である場合︑債務者が要式免除されることにより︑奴隷は解

   放される︒無方式免除の場合も同様である︒

    同︵パウルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六四法文

    私の命令に従い︑あなたが私に対して負担している物を︑私の債権者に支払ったならば︑あなたは私から︑私は私

−   の債権者から解放される︒       ・

    ポンポーニウス 学説彙纂第四六巻第三章第六五法文

      学説彙纂第四六巻第三章の邦訳       ︵都法四十五−一︶ 五二五      −

(26)

五二六

 精神錯乱者﹇家長﹈の家女が夫と離婚した場合︑家女の意思に基づき宗族関係にある﹇精神錯乱者の﹈保佐人︑あ

るいは宗族者の同意に基づき家女に対して︑嫁資が返還されるべきであると述べられた︒

 同︵ポンポーニウス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六六法文

 未成熟子の債務者が︑未成熟子が後見人の助成なしに命じたところに従い︑未成熟子の債権者に支払いをなした︒

未成熟子は債権者から解放されるが︑債務者の債務は存続する︒但し︑抗弁の対抗は可能である︒しかし︑もし未成

熟子の﹇債務者に対する﹈債務が存在しなかったならば︑未成熟子に対する不当利得も︑債権者に対する不当利得も

成立しない︒未成熟子は後見人の助成なくして債務を負担しないし︑債権者は他人の命令に基づいて行為したからで

ある︒しかし︑未成熟子は利得した限度において﹇債権者に対する﹈債務から免れているのであるから︑﹇弁済者に

対して﹈準訴権で責を負わされる︒

 マルケッルス 学説彙纂第四六巻第三章第六七法文

 奴隷を二人諾約した者がスティクスを支払い︑その後︑同じスティクスの所有権を取得して再び与えた場合︑債務

者は解放される︒金銭の場合にも同様たることは︑より一層あるいは殆ど疑いのないところである︒というのも︑ア

ルフェーヌスの著作でセルウイウスが解答しているように︑債務者から小額の金銭を受け取って彼を解放しようと欲

する債権者は︑幾らかの金銭を受け取り︑それを返還し︑再び受領することによって当該効果を生じせしめうるから

である︒例えば︑百金の債権者が一〇金を受領して債務者を解放しようとする場合︑一〇金の受領︒返還を繰り返

し︑最後﹇一〇回目﹈の一〇金を保持することができるからである︒ただし︑不当にも次のような疑いを差し挟む者

もいる︒すなわち︑返還を意図して受領する者は︑債務者を解放するのではなく︑免除したのであると︒

 同︵マルケッルス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第六八法文

(27)

 奴隷が︑未成熟子に一〇金を与えて自由になれと命じられた︒もし未成熟子が相続人となり︑そして条件が未成熟

子だけを指していたならば︑後見人不在の間に未成熟子に与えたとしても︑奴隷は自由を取得しうるだろうか︒あな

たは事実において存在する条件︑例えば︑﹁もし未成熟子に仕えたならば﹂というような︑後見人の関与なしにも成

就しうる条件と比較することによって︑迷っている︒またあなたは言う︒精神錯乱者が保佐人を有しており︑精神錯

乱者に与えよと命じられた場合︑保佐人に与えることによって自由となりうるか︑.と︒またあなたは考えてみよ︑あ

る者に対する土︑地の遺贈に︑未成熟子あるいは精神錯乱者に与えたならばという条件が付いている場合を︒そして以

下のことを知るべきである︒あなたの全ての事例において︑後見人や保佐人には有効に支払われるが︑その者自身︑

すなわち精神錯乱者や未成熟子にはパ彼等の︐弱さのために供与物が失われることのないように︑有効に支払われない

ことを︒なぜならば︑遺言者の意図は︑どのような態様の供与であっても条件は成就されたとみられる︑というもの

ではないかぢである︒       .       ︐

 ケルスス 学説彙纂第四六巻第三章第六九法文

 用益権の譲渡された︑あるいはティティウスに質入れされた奴隷を︑あなたが加害者委付として与えた場合︑勝訴

した原告ばあなたに判決訴権を行使することができ︑債権者﹇用益権者あるいはティティウス﹈が追奪するか否かは  ︑

問われない︒しかし︑︑用益権が消滅し︑あるいは質の被担保債務が消滅した場合には︑訴訟上の解放が生じると私﹇ケ

ルスス﹈は考える︒

 同︵ケルスス︶ 学説彙纂第四六巻第三章第七〇法文         .      ︑ −

 期限付きで諾約された﹇債務﹈は︑即座に与えられることも可能である︒なぜならば︑支払いのための期間全体が・

諾約者の自由に委ねられたと理解されるからである︒

   学説彙纂第四六巻第三章の邦訳      ︵都法四十五ー一︶ 五二七

参照

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