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数理情報学科・ 1 年次配当・前期・学科固有科目・必修・3単位

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Academic year: 2021

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(1)

¶ ³

微積分及び演習 I

数理情報学科・ 1 年次配当・前期・学科固有科目・必修・3単位

µ ´

(2)

ティーチング・アシスタント (TA) 授業中に行う演習の手助けをしてくれます。

近藤 匠さん

b

町釋 光さん

a,b

箕尾 暁日さん

b

神山 蒼太さん 中邨 光太さん

a,c,d

他の科目の

TA a:計算機基礎実習I,b:線形代数及び演習I,c:物理数学及び演習I,d:数理情報基礎演習A

☆ 教科書は『入門微分積分』三宅敏恒 著,培風館 です。各自で購入しておいてください。後 期の「微積分及び演習 II」でも使います。

プリント中の

¨

§

¥

三宅

¦

はテキスト,“三宅『入門微分積分』(培風館) ”を示します。

¨

§

¥

桑村

¦

はテキスト,“桑村『微分積分入門』(裳華房) ”を示します。

¨

§

¥

川薩四

¦

はテキスト,“川野,薩摩,四ツ谷『微分積分+微分方程式』(裳華房) ”を示します。

オフィスアワー: 木曜 6 講時 (1-513),金曜 3 講時 (1-609)

url: http://www.math.ryukoku.ac.jp/ iida/lecture/lecture.html

(3)

☆成績評価の方法

演習課題を 8 回以上提出したうえで,予定されている 2 回の小テストの両方に 60 点以上をと るか,あるいは定期試験に 60 点以上をとることで合格とします。最終成績は,合格の場合は小 テストの平均点 (小数点以下切り上げ) と定期試験の点数の高い方,不合格の場合は定期試験の 点数,となります。

☆ 演習課題の提出について

解答は配布する演習解答用紙に書いてください(丁寧な字で,明らかに暗算で答がわか る場合以外は解答の手順もしっかり書いてください)。

解けた問題はTAか担当教員に見せてチェックを受けてください。問題がすべて解ければ,

解答用紙を提出し,TAが持っている記録シートに印を記入してもらってください(確か に自分の欄に印が記入されたか必ず確認すること)。

チェックは演習の時間内に受けてください。月 5 の演習時間内に完成できなかった場合は,

飯田のオフィスアワー時間 (同じ週の木 6 あるいは金 3) にもチェックが受けれます。

チェックを受ける時間がとれなかった場合,解答用紙を翌週の月曜日の 13:00 から 13:30

の間に 1-513 の飯田に提出することができます。この場合,解答に誤りが多いときは 1 回

未満 (0.5 回など) の提出回数と数えます。

TAの人数と演習の時間が限られているので,効率良くチェックを受けられるように各自 で工夫してください。昨年までの経験によると,できた問題からどんどんチェックを受け るのがいいでしょう。一気に大量のチェックを受けようとすると効率が悪くなります。

チェックを受ける問題の順番は自由です。難しい問題は後回しにして,解ける問題から始 めるとよいでしょう。

☆ もし「講義が難しくてついていけない」とか「演習問題がどうしても解けない」とい うときには,講義や演習中にTAや担当教員に質問する以外に以下の方法を試してみ てください。

チューター制度を利用:主に大学院生が毎週決まった時間に質問を受け付けてくれます。

具体的な時間と場所は掲示されます。

オフィスアワーを利用:各教員は質問を受け付ける時間を設定しています。これも掲示を 参照してください。飯田のオフィスアワーは木曜日の 6 講時と金曜日の 3 講時です。

数理情報基礎演習に参加:金曜日3講時に開講されています。登録をしていない人の参加 も OK です。

友達を作る:一人で解決しようとして迷路にはまり込んで出られなくなってしまう人が結 構います。上級生や教員に質問するのはちょっと,という人はとりあえず同級生の間で教 え合う関係を築くことをお勧めします。

Placement Test(数学) フォローアップ課題 (

http://maple.st.ryukoku.ac.jp/

) も利用して下

さい。

(4)

.

1 関数と微分

¶ ³

微積分の主役は「関数」です。関数の性質を「極限の計算」を使って調べます。

µ ´

1.1 関数とは

例題 1.1 半径 r の球の体積 Vr の式で表しなさい

解説 答えは V = V (r) = 4πr

3

/3 です。V (r) という書き方は,半径 r の値に体積の値が対応 していることを表します。つまり,体積を半径の関数と考えているということです。この場合の r を独立変数,V を従属変数,独立変数の範囲を定義域,従属変数の範囲を値域と言います。

例題 1.2 底面が 1 辺の長さ d の正方形で,高さが h であるような四角柱の表面積 Sdh の式で表しなさい。

解説 S = S(d, h) = 2d

2

+ 4dh です。これは,2つの独立変数 dh に従属変数 S が対応す る 2 変数関数の例です。同様に,独立変数の数に応じて 3 変数関数,4 変数関数…が考えられ ます。2 変数以上の場合を多変数関数と呼びます。「微積分及び演習 I」では1変数関数を扱い ます。

注意 ! 数学では,y = f (x) のように,独立変数は x,従属変数は y とすることが多いです。

2 変数関数の場合は z = f (x, y) のように独立変数には x, y が,従属変数には z がよく使われ ます。しかし,例題のように,x, y, z 以外の文字が使われる場合もあるので,記号に惑わされ ないように注意しましょう。例えば, 「物理数学及び演習 I,II」では独立変数として時間を表す 記号 t が使われます。

関数の変形

¨§

桑村

p.6

定理

1.1¥¦

図は f (x) = e

x2

= exp( x

2

) の場合。

・平行移動

y = f(x) + ay 軸の正の向きに a だけ平行 移動。

y = e

x2

+ 0.5

-4 -2 2 4 x

0.25 0.5 0.75 1 1.25 1.5 y

y = f(x a)x 軸の正の向きに a だけ平行 移動。

y = e

(x2)2

= exp

(

(x

2)

2)

-4 -2 2 4 x

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 y

(5)

・スケール変換 a > 0

y = a f (x) ; y 軸方向に a 倍する。

y = 2e

x2

-4 -2 2 4 x

0.5 1 1.5 2 y

y = f (x/a) ; x 軸方向に a 倍する。

y = e

(x/2)2

= exp

((x

2

)2)

-4 -2 2 4 x

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 y

例題 2.1 関数 f (x) = x

2

2x 3 のグラフを描きなさい。

解説 放物線 y = x

2

x 方向に 1,y 方向に 4 平行移動した図 2.1 の曲線になります。関 数のグラフが描ければ,関数の感じがよくわかります。

注意 ! y = x

2

x 方向に 1,y 方向に 4 平行移動したグラフを表す関数は

y = (x 1)

2

4 = x

2

2x + 1 4 = x

2

2x 3 (2.1) となります。

0 x

y

−3

−1 3

図 2.1 y = x

2

2x 3

(6)

.

偶関数:

f(−x) =f(x)

となる関数。

y

軸に対して対称なグラフ。

奇関数:

f(−x) =−f(x)

となる関数。原点に対して対称なグラフ。

1.2 おなじみの関数(その1)〜 べき関数 x

α

` , m が自然数で ` < m の場合,

| x | < 1 なら | x

`

| > | x

m

| , あるいは ¯¯

¯¯ 1 x

`

¯¯ ¯¯ < ¯¯

¯¯ 1 x

m

¯¯ ¯¯ ,

| x | > 1 なら | x

`

| < | x

m

| , あるいは ¯¯

¯¯ 1 x

`

¯¯ ¯¯ > ¯¯

¯¯ 1 x

m

¯¯ ¯¯ . (3.1) x

2n

, n = 1, 2, · · · x の偶数べき

x y

y=x2

y=x4

x の偶関数

x→±∞

lim x

2n

= . (3.2)

x

2n+1

, n = 0, 1, · · · ,x の奇数べき

x y

y=x3

y=x5

x の奇関数

x→−∞

lim x

2n+1

= −∞ , lim

x→∞

x

2n+1

= . (3.3)

1

x

2n

= x

2n

, n = 1, 2, · · ·

x y

2

1 x

y=

4

1 x

y=

2

1 x

y=

4

1 x

y=

x の偶関数

x

lim

0

1

x

2n

= , lim

x→±∞

1

x

2n

= 0 . (3.4)

(7)

1

x

2n+1

= x

2n1

, n = 0, 2, · · ·

x y

1

x

y=

3

1

x

y=

1

x

y=

3

1

x

y=

x の奇関数

x

lim

00

1

x

2n+1

= −∞ , lim

x0+0

1

x

2n+1

= ,

x→±∞

lim 1

x

2n+1

= 0 . (4.1)

x

1/n

=

n

x , n = 1, 2, · · ·,(x 0)

¨§

桑村

§1.6¥¦

x y

1/2 x

y=x =

3

1/3 x

y=x =

x

lim

→∞

x

1/n

= . (4.2) m < n の場合,

x < 1 なら x

1/m

< x

1/n

,

x > 1 なら x

1/m

> x

1/n

. (4.3)

1.3 おなじみの関数(その2)〜三角関数〜

¨

§

¥

三宅

p.16¦

¨

§

¥

桑村

§1.7¦

¨

§

¥

川薩四

§5.3¦

x π y

y=sinx

y=cosx

y = sin xy = cos x

θ θ

r r

sin

r θ

cos

r θ

s

[rad] s r

θ =

弧度法

度数法 ( ° ) 0 30 45 60 90 180 270 360 弧度法 (rad) 0

π6 π4 π3 π2

π

32

π

三角関数 cos x, sin x は単位円上の点について,点 (1, 0) から反時計回りに測った弧長(逆回り

は負の値とする)にその点の座標を対応させる関数です。なお,単位円の弧長というのは 弧度

法での角度のことです(単位はラジアン,微積分での角度は弧度法で表すのが標準です)。

(8)

注意 ! cos x , sin x は cos(x) sin(x) のことです。誤解の余地のない場合は括弧を省略しても かまいません。cos xy のように cos(xy) か cos(x)y のどちらか迷う可能性のある場合は 括弧を使った方がよいでしょう。

三角関数の基本的性質

(1) 三角関数 cos x と sin x は以下の関係で結ばれています。

cos

2

x + sin

2

x = 1 . (5.1)

注意 ! cos

2

x は (

cos(x) )

2

のことです。

(2) 三角関数 cos x, sin x は周期が 2π の周期関数です。

(3) 加法定理と呼ばれる関係が成り立ちます(指数関数についての指数法則と関係あるので すが,それはまた後の話)。

cos(x ± y) = cos x cos y sin x sin y , (5.2) sin(x ± y) = sin x cos y ± cos x sin y . (5.3) 特に,x = y とすると,2倍角の公式が得られます:

cos(2x) = cos

2

x sin

2

x = 2 cos

2

x 1 = 1 2 sin

2

x , (5.4)

sin(2x) = 2 sin x cos x . (5.5)

(4) 三角関数は他にもありますが,すべて cos x と sin x から作られます。

tan x = sin x

cos x , cot x = cos x

sin x , sec x = 1

cos x , cosec x = 1

sin x . (5.6)

例題 5.1

y = 2 sin (

πx π 5

)

(5.7) のグラフの山の位置 (y = 2 となる x の値),谷の位置 (y = 2 となる x の値),および x 軸を 横切る位置 (y = 0 となる x の値) をそれぞれ求めなさい。また,− 2 x 1 の範囲でのグラ フの概形を描きなさい。

解説 山の位置は πx π

5 = π

2 + 2πn より x = 1 5 + 1

2 + 2n (

= 0.7 + 2n )

, n = 0 , ± 1 , ± 2 · · · (5.8) を満たす x となります。

谷の位置は πx π

5 = 3π

2 + 2πn より x = 1 5 + 3

2 + 2n (

= 1.7 + 2n )

, n = 0 , ± 1 , ± 2 · · · (5.9)

を満たす x となります。

(9)

y = 0 となるのは πx π

5 = πn より x = 1 5 + n

(

= 0.2 + n )

, n = 0 , ± 1 , ± 2 · · · (6.1) を満たす x となります。

以上より, 2 x 1 でのグラフは以下のようになります:

-2 -1.5 -1 -0.5 0.5 1

-2 -1 1 2

x y

y= 2 sin (

πx−π 5 )

のグラフ

1.4 おなじみの関数(その3)〜指数関数と対数関数〜

指数関数とは,a を正の数( a 6 = 1 で,底と呼びます)として,f (x) = a

x

の形の関数で,

f (1) = a

1

= a です。

¨§

三宅

p.17¥¦

¨

§

¥

桑村

§1.8¦

¨

§

¥

川薩四

§5.1¦

x y

1

a=2 a=2

y = a

x

のグラフ

(参考) x が無理数の場合の a

x

の定義については

¨§

三宅 問題

1.3-5¥¦

を参照。

指数関数の基本的性質

(1) 底が a > 1 なら単調増加関数で, lim

x→∞

a

x

= , lim

x→−∞

a

x

= 0 となります。

(2) 0 < a < 1 なら単調減少関数で, lim

x→∞

a

x

= 0, lim

x→−∞

a

x

= となります。

(3) 指数法則

a

x+y

= a

x

a

y

, a

xy

= (a

x

)

y

, a

x

= 1

a

x

, a

0

= 1 (6.2)

が成り立ちます。

(10)

(4) 微積分での指数関数の代表が f(x) = e

x

です( e は自然対数の底と呼ばれる無理数で,

e = 2.718281828459045 · · · です)。(なぜ代表なのかは下の図を参考に。) 注意 ! e

x

を exp(x) と書く場合があります。

x y

2x y= 4x y=

y=ex

y= 2x

,y

=ex

,y

= 4x

のグラフ

x y

y= 2x

(x, y) = (0,1)

での接線 接線の傾きは

log 2 = 0.69· · ·

x y

y=ex

(x, y) = (0,1)

での接線 接線の傾きは

loge= 1

x y

y= 4x

(x, y) = (0,1)

での接線 接線の傾きは

log 4 = 1.38· · ·

e の定義

¨§

三宅

p.5,p.18¥¦

¨

§

¥

桑村

p.75¦

¾

½

»

¼

(自然対数の底) e はネピア (ネイピア,Napier) の定数と呼ばれ,次の極限値で定義されます:

e = lim

n→∞

( 1 + 1

n )

n

, n は自然数 . (7.1)

数列 a

n

= (

1 + 1 n

)

n

n → ∞ で収束することは以下のようにわかります。

¨§

三宅 例題

1.1.1¥¦

(11)

.

n! = 1·2· · ·n , 0! = 1 (a+b) =

k=0k!(n−k)! a b 1+a+a +· · ·+a = 1−a

まず,以下の不等式から { a

n

} が単調増加 (

¨§

三宅

p.3¥¦

) であることが導かれます:

a

n

= (

1 + 1 n

)

n

=

n k=0

n!

k!(n k)!

( 1 n

)

k

= 1 + n 1

n + n(n 1) 2!

1

n

2

+ · · · + n(n 1) · · · 1 n!

1 n

n

= 1 + n n + 1

2!

n n

n 1

n + · · · + n n

n 1 n

n 2

n · · · n (n 1) n

= 1 + 1 + 1 2!

( 1 1

n )

+ · · · + 1 n!

( 1 1

n ) (

1 2 n

)

· · · (

1 n 1 n

)

(8.1)

1 + 1 + 1 2!

(

1 1 n + 1

)

+ · · · + 1 n!

(

1 1 n + 1

) (

1 2 n + 1

)

· · · (

1 n 1 n + 1

)

1 + 1 + 1 2!

(

1 1 n + 1

)

+ · · · + 1 n!

(

1 1 n + 1

) (

1 2 n + 1

)

· · · (

1 n 1 n + 1

)

+ 1

(n + 1)!

(

1 1 n + 1

) (

1 2 n + 1

)

· · · (

1 n n + 1

)

= a

n+1

. (8.2)

次に { a

n

} が上に有界 (

¨§

三宅

p.2¥¦

) であることが,(8.1) と以下の不等式から導かれます:

a

n

= 1 + 1 + 1 2!

( 1 1

n )

+ · · · + 1 n!

( 1 1

n ) (

1 2 n

)

· · · (

1 n 1 n

)

1 + 1 + 1 2! + 1

3! + · · · + 1

n! 1 + 1 + 1 2 + 1

2

2

+ · · · + 1 2

n−1

= 1 + 1

21n

1

12

1 + 1

1

12

= 3 . (8.3)

(8.2) と (8.3) より { a

n

} が上に有界な単調増加数列であることが示されたので,次の実数の性 質によって数列 { a

n

} が極限値を持つことがわかります。

実数の連続性

¨§

三宅

p.3,

公理

¥¦

¨

§

¥

有界な単調数列は収束する。

¦

(参考) 実数の厳密な定義はこの講義では省略します。 ( 無限の ) 小数 (

¨§

三宅

p.4,p.9

問題

1.1-5.(4)¥¦

) m . a

1

a

2

a

3 · · ·

, m 整数 , a

k

= 0

9 (8.4) と思って下さい。ただし

0.999

· · ·

= 1.000

· · ·

(8.5)

等が成り立っています。

(12)

(参考) いくつかの用語の紹介

¨§

三宅

p.2,p.6¥¦

¨

§

¥

桑村

p.3¦

¨

§

¥

川薩四

§A.1¦

有界集合 実数の集合 A のどの元よりも大きい ( 小さい ) 実数が存在するとき, 「 A は上に有界 ( 下に有 界 ) である」と言います。上にも下にも有界なとき,単に「有界である」と言います。

上限と下限 実数の集合 A が上に有界であるとき, A の全ての元 a に対して a

m を満たす実数 m のうちで最小のものを A の上限と言います。 A が上に有界でないとき, A の上限は

とします。

下限も同様に定義されます。 A の上限を sup A ,下限を inf A と書きます。実数の空でない集合に は上限と下限が必ず存在することが実数の連続性から示されます。

注意 ! (7.1) の自然数 n を実数 x に置き換えた式も成り立っています。

関数の極限値としての e

¨§

三宅

p.18

定理

1.3.2¥¦

¨

§

¥

桑村

p.75,(B.1)¦ '

&

$

%

x

lim

→∞

( 1 + 1

x )

x

= e . (9.1)

更に,次の等式も成り立ちます:

x→−∞

lim (

1 + 1 x

)

x

= e , lim

x→0

(1 + x)

1/x

= e . (9.2) (参考) (9.2) は (9.1) より以下の様に導かれます:

x→−∞

lim

(

1 + 1 x

)x

t=x

= lim

t→∞

(

1

1

t

)t

= lim

t→∞

(

t

1 t

)t

= lim

t→∞

(

t

1 + 1 t

1

)t

= lim

t→∞

(

1 + 1 t

1

)t

s=t1

= lim

s→∞

(

1 + 1

s

)s+1

=

(

s

lim

→∞

(

1 + 1

s

)s) (

1 + 1 s

) (9.1)

= e . (9.3)

x

lim

0

(1 + x)

1/x t=1/x

= lim

t→±∞

(

1 + 1

t

)t

= e . (9.4)

例題 9.1

¨§

三宅 問題

1.3-3.(1),(3)¥¦

次の極限値を求めなさい:

(1) lim

x0

(1 + ax)

1/x

, ただし a 6 = 0 (2) lim

x1

x

11x

.

解説 (9.2) の 2 つ目の等式を用います:

x

lim

0

(1 + ax)

1/x t=ax

= lim

t0

(1 + t)

a/t

= (

lim

t0

(1 + t)

1/t

)

a

= e

a

. (9.5) lim

x1

x

11x t=x

=

1

lim

t0

(1 + t)

1t

= (

lim

t0

(1 + t)

1/t

)

1

= e

1

. (9.6)

(参考) 上の 2 番目の等式では,ベキ乗 x

α

が連続なので, lim

xa

f (x)

α

=

(

x

lim

a

f (x)

)α

が成り立つこと

を用いています。

(13)

注意 ! 指数関数を組み合せた関数

cosh x = e

x

+ e

x

2 , sinh x = e

x

e

x

2 (10.1)

を双曲線関数と呼びます。(

¨§

三宅

p.19

問題

1.3-4¥¦

¨

§

¥

桑村

p,109¦

¨

§

¥

川薩四

p.87¦

)

x y

-2 -1 1 2

-4 -2 2 4 y=coshx

y=sinhx

sinhx と coshx のグラフ

3角関数,cos x や sin x,と似た記号が使われていますが,関数の性質も似ています:

・sinh x と cosh x の間の関係式

cosh

2

x sinh

2

x = 1 . (10.2)

・加法定理

cosh(x + y) = cosh x cosh y + sinh x sinh y , (10.3) sinh(x + y) = sinh x cosh y + cosh x sinh y . (10.4)

・ 微分公式 (後に説明する指数関数の微分の式,de

ax

/dx = ae

ax

,より導かれます。) d cosh x

dx = sinh x, d sinh x

dx = cosh x . (10.5)

(14)

対数関数とは, a を正の数( a 6 = 1 で,やはり底と呼びます)として,独立変数 xx = a

y

となる y を対応させる関数で, log

a

x と書きます。つまり,指数関数の逆関数 (後出)です。指数関数の値 が必ず正であることに対応して,対数関数の定義域は x > 0 です。

¨§

三宅

p.17¥¦

¨

§

¥

桑村

§1.9¦

¨

§

¥

川薩四

§5.2¦

0.5 1 1.5 2 2.5 3

-4 -2 2 4

x y

1

a=2

2 a=

y = log

a

x のグラフ

x y

y = log x と (x, y) = (1, 0) での接線 接線の傾きは 1

対数関数の基本的性質

(1) a > 1 なら単調増加関数で, lim

x→∞

log

a

x = , lim

x+0

log

a

x = −∞ となります。

(2) 0 < a < 1 なら単調減少関数で, lim

x→∞

log

a

x = −∞ , lim

x+0

log

a

x = となります。

(3) 指数法則に対応して,次の等式が成り立ちます:

log

a

xy = log

a

x + log

a

y , log

a

x

y

= y log

a

x , log

a

a = 1 , log

a

1 = 0 . (11.1) (4) 底が e の対数を自然対数と呼び,単に log x と書きます。( 注意 ! ln x と書くこともあ

ります。)

例題 11.1 対数関数の底の変換公式

¨§

桑村

p.26¥¦

log

a

c = log

b

c

log

b

a (11.2)

を導きなさい。

解説 a = b

logba

なので,

c = a

logac

= (

b

logba

)

logac

= b

logba logac

より log

b

c = log

b

a log

a

c . (11.3)

(15)

合成関数

. ¨§

三宅

p.12¥¦

¨

§

¥

桑村

§1.4.1¦

¨

§

¥

川薩四

p.25¦

{ y = f(u),u = g(x) } あるいは y = f ( g(x) )

で定義される関数を gf の合成関数といい ます。

例えば f (u) = e

u

g(x) = x

2

の場合,y = f(g(x))y = e

x2

= exp( x

2

) のことを意味 します。

y = e

x2

-4 -2 2 4 x

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 y

u = x

2

-4 -2 2 4 x

-2 2 4 6 8 10

u

y = e

u

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 y -2

2 4 6 8 10 u

注意 ! g(f (x)) の代わりに (g f )(x) と書く場合があります。(

¨§

桑村

§1.4.1,p.7¥¦

)

逆関数

¨§

三宅

p.15¥¦

¨

§

¥

桑村

§1.4.2¦

¨

§

¥

川薩四

p.27¦

(適当な領域の) 任意の x について g(f (x)) = x である場合,g(x) を f(x) の逆関数といい,

f

1

(x) と書きます。

注意 ! f

1

(x) 6 = 1 f(x)

関数 y = e

x

と逆関数 y = log x の図

-4 -2 2 4 x

-4 -3 -2 -1 1 2 3 4 y

例えば a

x

と log

a

(x) は互いに逆関数。

y = f (x) のグラフと y = f

1

(x) のグラフは直 線 y = x に対して線対称となります。

関数 y = x

2

1 と逆関数 y =

±√

x + 1 の図

x y

交 点 の 座 標 は ( 1, 0),(0, 1),

( 1 5

2 , 1 5 2

)

( 1 + 5

2 , 1 + 5 2

)

(16)

例題 13.1 y = cosh x の逆関数 y = f(x)x 1 で y 0 の場合について,初等関数で表し なさい。

解説 y = cosh xxy を入れ換えた式,

x = cosh y = 1 2 (

e

y

+ e

y

)

, (13.1)

から出発して,y = · · · の形の式を求めます。ここで,a = e

y

とすると a + 1

a = 2x , より a

2

2xa + 1 = 0 (13.2)

が得られます。この式を a についての 2 次方程式と考えると,解としては a

+

= x +

x

2

1 , a

= x

x

2

1 (13.3)

の2つが得られます。解と係数の関係,a

+

a

= 1 より,a

+

1 a

= 1 a

+

という不等式が 成り立つので,a = e

y

1 より,

e

y

= a

+

= x +

x

2

1 (13.4)

が適当な解となります。両辺の対数をとると y = log

( x +

x

2

1 )

. (13.5)

従って,

f (x) = log (

x + x

2

1

)

(13.6) が得られます。

(参考) 初等関数

¨§

三宅

§1.3¥¦

べき関数,三角関数,指数関数,対数関数やそれらの関数の定数倍,和,差,積,合成関数や

逆関数を作ることを複数回くり返して得られる関数のこと。

(17)

1.6 連続関数

¶ ³

例えば

x, x

3

といった関数は連続関数です。連続性のおかげで,

4.001 はほぼ 2 に等 しい,(1.999)

3

はほぼ 8 に等しい,といった近似計算が可能になります。

µ ´

関数の極限

¨§

三宅

p.10¥¦

¨

§

¥

桑村

§3.2¦

¨

§

¥

川薩四

§1.2¦

実数 xx 6 = a をみたしながら限りなく a に近づくとき,f (x) がある実数 ` に限りなく近 づくならば『x a のとき f (x) の 極限値 は ` である』あるいは『x a のとき f(x)` に 収束 する』とかいい,

x

lim

a

f (x) = ` (14.1)

と表します。

(参考) 上の 限りなく近づく とは『任意の ( どんな小さな ) 正の数 ε に対しても,適当な正の数 δ を とると, 0 <

|

x

a

|

< δ のすべての x に対して

|

f (x)

`

|

< ε となる』ということを意味し ます。

¨§

三宅

§1.4¥¦

なお,x を左から (x < a ) a に近づけた場合の極限を左側極限と呼び

x

lim

a0

f (x) (14.2)

と表します。また,x を右から (x > a ) a に近づけた場合の極限を右側極限と呼び

x

lim

a+0

f (x) (14.3)

と表します。

¨§

桑村

p.52¥¦

¨

§

¥

川薩四

§1.4¦

x a のとき f(x) の 極限 が存在する場合は

x

lim

a0

f (x) = lim

xa+0

f (x) = lim

xa

f (x) (14.4)

となっています。

関数の連続性

¨§

三宅

p.11¥¦

¨

§

¥

桑村

§3.3¦

¨

§

¥

川薩四

§1.5¦

関数 f(x)x = a で連続であるとは, x a のとき f (x) の極限が存在し,その値が f(a) に等しいことを意味します:

関数 f (x) が x = a で連続 lim

x→a

f (x) = f (a) . (14.5) これは,x を a にどんどん近くすると関数の値の方も f (a) にいくらでも近くできる,という

「近似の可能性」を表したものです。また,(14.5) は lim

xa

f (x) = f(lim

xa

x) と表されるので,極

限 lim と関数 f が交換できる場合に f が連続であるということもできます。

(18)

連続関数の和,差,積,商や合成関数は連続

. ¨§

三宅

p.12¥¦

¨

§

¥

桑村

p.75¦ '

&

$

%

関数 f (x),g(x) が x = a で連続なら,次の関数も x = a で連続になります:

f (x) ± g(x) , cf (x) (c は定数) , f(x)g(x) , f(x)

g(x) (g(a) 6 = 0) . (15.1) また,f (x) が x = a で連続で g(y)y = f(a) で連続ならば,合成関数 g(f (x)) は x = a で 連続となります。

(例) f (x) = 1

x

2

x = 0 で連続ではありません。

x

lim

→−0

f (x) = , lim

x+0

f (x) = (15.2)

となり,左極限も右極限も発散し,極限が存在しません。

(例) f (x) = x

| x |x = 0 で連続ではありません。

¨§

桑村 例題

3.5¥¦

x

lim

→−0

f (x) = lim

x→−0

x

x = 1 , lim

x+0

f (x) = lim

x+0

x

x = 1 (15.3)

となり,左極限および右極限はそれぞ存在しますが,一致しません。

例題 15.1 次のように定義された関数 f (x) が x = 1 で連続となるように定数 c の値を定め なさい。

f (x) =

 

c (x = 1 のとき) x

3

1

x 1 (x 6 = 1 のとき) (15.4)

解説 分子の x

3

1 は x = 1 で 0 になるので,x 1 という因子を持ちます。

x

lim

1

f(x) = lim

x1

x

3

1

x 1 = lim

x1

(x 1)(x

2

+ x + 1)

x 1 lim

x1

(x

2

+ x + 1) = 3 (15.5) なので,c = 3 であれば x = 1 で連続になることがわかります。

例題 15.2 次のように定義された関数 f (x) が x = 0 で連続となるように定数 c の値を定め なさい。

f (x) =

 

c (x = 1)

x 1

x 1 (x 6 = 1) (15.6)

解説

x

lim

1

x 1 x 1 = lim

x1

x 1 x 1 ·

x + 1

x + 1 = lim

x1

x 1 (x 1)

x + 1 = lim

x1

1

x + 1 = 1

2 (15.7) より c = 1/2 とすれば f(x)x = 1 で連続となります。

x = w として

x

lim

1

f (x) = lim

w1

w 1

w

2

1 = lim

w1

w 1

(w 1)(w + 1) = lim

w1

1

w + 1 = 1

2 (15.8)

と考えることもできます。

(19)

.

x = 0 の近くでの sin x

¨§

三宅

p.11

例題

1.2.1¥¦

¨

§

¥

桑村

p.70¦

¨

§

¥

川薩四

(5.9)¦

²

±

¯

°

x

lim

0

sin x

x = 1 . (16.1)

(参考) 式 (16.1) の導出 右図より

3 角形 OAB の面積 < 扇形 OAB の面積 < 3 角形 OAC の面積 がわかります。 OA = 1 , BP = sin θ , AC = tan θ なので

3 角形 OAB の面積 = 1 2 sin θ , 扇形 OAB の面積 = θ

×

π = θ 2 3 角形 OAC の面積 = 1

2 tan θ (16.2)

となります。

O P A

B C 1

¨

§

¥

三宅 図

1.10¦

従って, θ > 0 の場合,

sin θ < θ < tan θ , θ > 0 (16.3) が成り立ちます。この式を sin θ で割って

1 < θ

sin θ < 1

cos θ (16.4)

が得られるます。これより θ > 0 を 0 に近づけると

θ

lim

0+0

θ

sin θ = 1 (16.5)

となることがわかります。 sin(

θ) =

sin(θ) より θ を左 ( 負 ) から 0 に近づけた場合の極限値も 1 とな るので式 (16.1)( で xθ に置き換えた式 ) が得られます。

注意 ! 極限値

¨

(16.5) を求めるために不等式 (16.4) を考える,という手法ははさみうちの原理

§

¥

桑村 定理

3.2¦

と呼ばれています。あらためてまとめておくと,次のようになります:

関数 f (x) , g(x) , h(x)f (x)

h(x)

g(x) をみたし, lim

xa

f (x) = α , lim

xa

g(x) = α ならば,

x

lim

a

h(x) = α が成り立つ。

例題 16.1 次のように定義された関数 f (x) が x = 0 で連続となるように定数 c の値を定め なさい。

f (x) =

 

c (x = 0 のとき) sin(2x)

x (x 6 = 0 のとき)

(16.6)

(20)

解説

x

lim

0

f (x) = 2 lim

x0

sin(2x) 2x

θ=2x

= = 2 lim

θ0

sin θ θ

(16.1)

= 2 (17.1)

より c = 2 とすれば f (x) は x = 0 で連続となります。

(参考) 次のように定義された関数 f(x)x = 0 で連続となるように定数 c の値を定めな さい。

f(x) =

 

c (x = 0 のとき) x sin

( 1 x

)

(x 6 = 0 のとき) (17.2)

解説 ¯¯

¯¯ sin ( 1

x

)¯¯ ¯¯ 1 なので

x

lim

0

¯¯ ¯¯ x sin ( 1

x

)¯¯ ¯¯ lim

x0

| x | = 0 . (17.3)

従って, c = 0 とすれば f(x)x = 0 で連続となります。

-1 -0.5 0 0.5 1

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8

x y

-0.1 -0.05 0 0.05 0.1

-0.075 -0.05 -0.025 0 0.025 0.05

x y

-0.01 -0.005 0 0.005 0.01

-0.005 0 0.005 0.01

x y

x sin ( 1

x )

x = 0 付近でのグラフ

連続関数には以下のような基本的な性質があります。

中間値の定理

¨§

三宅

p.13

定理

1.2.4¥¦

¨

§

¥

桑村

p.56

定理

3.4¦

¨

§

¥

川薩四

p.15

定理

1.2¦

²

±

¯

°

f (x) が閉区間 [a , b] で連続で f (a) 6 = f(b) ならば,f(a) と f(b) の間の任意の数 ` に対して,

f (c) = ` となる c (a < c < b) が少なくとも1つ存在する。

閉区間における最大最小の存在

¨§

三宅

p.13

定理

1.2.5¥¦

¨

§

¥

桑村

p.56

定理

3.3¦

¨

§

¥

川薩四

p.15

定理

1.1¦ Â

Á

¿

À

f (x) が閉区間 [a , b] で連続ならば,f (x) は [a , b] で最大値 M ,最小値 m を持つ。

つまり,f (c) = M となる c (a c b) が少なくとも1つ存在し,任意の a x b に対し て f (c) f(x) が成り立つ。また,f (d) = m となる d (a d b) が少なくとも1つ存在し,

任意の a x b に対して f (d) f(x) が成り立つ。

参照

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