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熟練看護師によるターミナルケアの実際

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Academic year: 2021

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C-3

熟練看護師によるターミナルケアの実際 ―KJ 法による問題点と解決方法の検討―

キーワード:ターミナルケア、KJ 法、熟練看護師

○矢代亜希子1)、柳佐和子1)、古川原倫子1)、清水理恵2)、倉井佳子2)、金子史代2)、鈴木宏2) 新潟県済生会三条病院1) 新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科2)

Ⅰ 目的

看護師によるターミナルケアは患者と家族へのケア の質が重要となるが、現実のターミナルケアは看護師 個人の力量に任されることが多くその実際が不明確な ままである。A病院にはターミナル期を自宅近くで過 ごしたいと願う患者が入院している。院内では看護部 主催の看護を語る会を定期的に開催しており、そこで はターミナルケアに戸惑いを感じている看護師の経験 が多く語られている。その中で熟練看護師の語りから は、ターミナルケアに戸惑いを感じながらも患者に寄 りそう看護をして看護師の役割を見出そうとしている ことが分かった。そして、その熟練看護師の戸惑いは、

ターミナルケアを実践していく過程での問題であり、

熟練看護師はその問題の解決方法を模索しつつターミ ナルケアを実践していると考えた。そこで今回の調査 では、熟練看護師個々の経験を実践知としターミナル ケアの質の向上を図っていくために、KJ 法を用いて熟 練看護師によるターミナルケアの実際からその問題点 と解決方法を明らかにし検討することを目的とした。

Ⅱ 研究方法

1)調査期間:平成 24 年 3 月 2)対象者:A病院の 看護を語る会でターミナルケアの経験を発表した熟練 看護師(経験年数 13~24 年)7 名 3)方法:熟練看 護師 7 名に 1 つの会場に集まってもらい「ターミナル ケアの問題点」を用紙1枚(10×6.5cm)に1つの考え をメッセージとして伝えられる長さと内容で書いても らった。熟練看護師に 1 人 10 枚を依頼した。7 名から 集まった用紙を並べ、KJ 法に従い意味内容が似ている ものを 2 枚から 3 枚にまとめ「見出し」をつけ、さら に「見出し」の関係をみてその内容が似ているものを まとめた(クラスター化)。そして、それぞれの関係を 矢印で示し、相互の関係性を総括した。なお信憑性を 高めるために KJ 法に熟練したファシリテーターの指導 を受け 4 回のクラスター化を行った。4)倫理的配慮:

本研究は、A病院看護部の承認を得て行った。対象者 に研究目的を説明し、個人の匿名性を守りデータは研 究以外に使用しないこと、プライバシーの厳守、対象 者に不利益をもたらさないことなどを伝え同意を得た。

研究結果は学会等に発表することを伝え承諾を得た。

Ⅲ 結果

熟練看護師からの総数 60 枚の記述内容の関係性から、

ターミナルケアの実際は 7 つにクラスター化された。

熟練看護師はターミナルケアにおける看護師の姿勢を

【患者の多様性を重視する】とし、【人間として関わる 力が求められている】と述べていた。しかし、現状の 問題点として【患者の思いが尊重されない】【在宅での 看取りがかなわない】、そして【疼痛コントロールの問 題点がある】を挙げており、その解決法として【看護 師と医師の話し合いの必要性】を提示していた。熟練 看護師のターミナルケアは、最終的には患者と家族の 苦痛を最小限にし、限られた時間を価値あるものにし て質の良い時間を過ごしてもらうために【患者のQО Lを大切にする】という点にその考えを集約していた。

そして、看護師に求められる【人間として関わる力】

については、「ターミナル期であっても笑ったりユーモ アを言い合えるような関係を作っていきたい」「時には 看護師としてではなく、あなたと私の立場で話を聞い たり側にいて患者と家族の想いを聞く」「患者と一緒に 何気ない話をしていつも通りに過ごす」「ターミナル期 の患者であっても、一人の人間と思って自分も人間と してかまえずに接する」ことでターミナル期の患者・

家族と分かり合える関係になれると思うと述べていた。

Ⅳ 考察

熟練看護師によるターミナルケアへの看護師の姿勢 としての【患者の多様性を重視する】【人間として関わ る力が求められている】からも看護師によるターミナ ルケアでは、個としての患者を尊重し同時に看護師と しての自分をも大切にし、互いの人間性をもちいて【患 者のQОLを大切にする】ためにケアの質の向上を図 ろうとしていることが推察された。しかし、現状の問 題点の【患者の思いが尊重されない】【在宅での看取り がかなわない】【疼痛コントロールの問題点がある】の 解決策を【看護師と医師の話し合いの必要性】に求め ている。その背景には、看護師と医師とが情報交換し つつ、患者の全人的苦痛を理解し、ターミナルケアの 考え方について共通認識し協同して患者と家族へのケ アに取り組むことの必要性が示されているといえる。

Ⅴ 結論

ターミナルケアにおいて熟練看護師は患者の思いが 尊重されない等を問題としており、解決法として個と しての患者を尊重し看護師としての自分も大切にし互 いの人間性をもちいてケアの質の向上を図ろうとして いた。今後は看護チームによるターミナルケア提供体 制と医師とのケアの考え方の共有を検討していきたい。

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参照

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