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2008 年度 修士論文

J リーグクラブにおける成績と収入・人件費との関係

The relationship between Revenue and Performance,

Performance and Wages in J League

早稲田大学

大学院スポーツ科学研究科

スポーツ科学専攻 スポーツビジネス研究領域

5007A011-5

内田 亮

Uchida Ryo

研究指導教員: 平田 竹男 教授

(2)

J リーグクラブにおける成績と収入・人件費の関係

スポーツビジネス研究領域 5007A011-5 内田 亮 研究指導教員:平田 竹男 教授 本研究では、J リーグクラブにおける経営を行うにあたって参考となりうる指標を提示 するために、収入とクラブの成績、成績と人件費との間にどの程度の関係があるのか、明 らかにすることを目的として研究を行った。

欧米においては、スポーツ産業研究のテーマの1 つとして、Forrest & Simmons による 北米4 大スポーツを対象とした研究や、Szymanski & Kuyper によるイングランドサッカ ーリーグでの研究など、クラブの収入と成績との関係、クラブの成績と人件費との関係に ついて、いくつもの研究が行われてきた。しかし、一方で日本におけるスポーツ産業の研 究においては、クラブの収入と成績との関係、クラブの成績と人件費との関係についての 研究は発表されていなかった。 以上の海外における先行研究を参考として、各変数を設定し、2006 年と 2007 年の J リ ーグクラブの財務データおよびJ リーグ公式の成績データを用いて、クラブの収入と成績 との関係、クラブの成績と人件費との関係それぞれについて単回帰分析を行った。 その結果として、J リーグクラブにおけるクラブの収入と成績との関係性として 2006 年 度シーズンでは独立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変数に 約 70%結び付いていることが明らかになった。さらに、2007 年度シーズンにおいては、独 立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変数に約 74%説明してい ることが明らかになった。また、クラブの成績と人件費支出との単回帰分析の結果、J リ ーグクラブにおいては、人件費支出がクラブの成績を説明する程度として、2006 年度シー ズンでは約 60%、2007 年度シーズンでは約 74%であることが明らかになった。さらに、 2006 年度シーズンの J1 クラブのみを対象とした分析において、自由度調整済み R2値は 0.28 であった。この値は、推定年俸を用いてクラブの成績と人件費支出との関係について 分析を行った過去の研究と同程度の値であり、推定年俸を用いた分析の信憑性をある程度 説明することができるであろう。 これらの結果は、J リーグにおいても、ヨーロッパ各国のプロサッカーリーグと同様に、 試合に勝利し、良い成績(順位)を残すことに成功したクラブは、より多くの収入を得る ことができると共に、選手人件費額の大小によってクラブの成績が決定される傾向にあり、 選手やコーチなどへの人件費の投資が、競技成績の面でクラブが成功するために必要な要 因になると考えられる。 本研究の結果から、収入と成績、成績と人件費との関係性が明らかになったことで、J リーグクラブにおける経営指標を提示することができた。 ACL が刷新され、J リーグで上位の成績を残すことが、クラブの収入拡大における大き

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なインセンティブとなることからも、今後 J リーグクラブがより多くの収入を得るために は、多少のリスクを背負ってでも、有能な選手への投資を行うことで、クラブの成績を向 上させていく必要があると考えられる。

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目次

第1 章 序論... 1 1.1. プロスポーツクラブにおける勝利の重要性... 1 1.2. 欧米プロスポーツリーグにおける人件費抑制策... 3 1.3. 先行研究... 5 1.4. 日本における先行研究(推定年俸を用いた分析)... 6 1.5. 問題意識... 8 1.6. 研究目的... 8 第2 章 研究手法... 9 2.1. 分析データ ... 9 2.2. 分析手法 ... 11 2.2.1. 収入と成績との関係 ... 12 2.2.2. 成績と人件費との関係 ... 12 第3 章 研究結果... 13 3.1. 収入と成績との関係 ... 13 3.1.1. 2006 年度の分析結果 ... 13 3.1.2. 2007 年度の分析 ... 14 3.2. 成績と人件費との関係 ... 14 3.2.1. 2006 年度の分析結果 ... 14 3.2.2. 2007 年度の分析 ... 15 3.3. 2006 年度 J1 クラブの分析結果 ... 16 第4 章 考察... 18 4.1. 結果のまとめ... 18 4.1.1. J リーグクラブにおける収入と成績との関係... 18 4.1.2. J リーグクラブにおける成績と人件費支出との関係... 18 4.2. J リーグクラブが収入拡大を成し遂げるために... 18 第5 章 結論... 20 5.1. 本論文の結論... 20 5.2. アジアチャンピオンズリーグ刷新による収入拡大の機会 ... 21 謝辞... 23 参考文献... 24 添付資料... 26

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図表目次

図 1-1. J リーグクラブの収入構造... 2 図 1-2.イングランドサッカークラブの人件費比率 ... 4 図 1-3. 1997-2006 年度の J1 クラブの成績と人件費(推定年俸)との関係... 7 図 1-4. 2006 年度の J1 クラブの成績と人件費(推定年俸)との関係 ... 7 図 3-1. J リーグクラブにおける収入と成績との関係(2006 年度) ... 13 図 3-2. J リーグクラブにおける収入と成績との関係(2007 年度) ... 14 図 3-3 .J リーグクラブにおける成績と人件費との関係(2006 年度) ... 15 図 3-4. J リーグクラブにおける成績と人件費との関係(2007 年度) ... 16 図 3-5. J1 クラブにおける成績と人件費との関係(2006 年度) ... 17 表 2-1. J リーグクラブの順位と人件費支出額 ... 10

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1章 序論

1.1. プロスポーツクラブにおける勝利の重要性

本研究は、我が国のプロスポーツリーグの一つである日本プロサッカーリーグ(以下、 J リーグ)を対象とする。 プロスポーツクラブにおいては、試合で「勝利」し、所属するリーグや大会で1 つで も良い成績(順位)を残すことが重要なミッションである。 元来、スポーツの定義が、ルールに則して営まれる、遊戯・競争の要素を含む身体を 使用して行為であることからも、相手と競争し勝利を達成することは、時として利益を 創出すること以上に重要とされる場合もある。実際に、J リーグの中で、約 80 億円の 営業収入を上げ、最大の収入規模を誇る浦和レッドダイヤモンズ(以下、浦和レッズ) においても、黒字経営を行っているにも関わらずリーグ優勝を逃してしまったためにフ ァンからブーイングを受けるという事態が発生している。これは、プロスポーツクラブ におけるビジネスがプロスポーツクラブ以外の株式会社のビジネスと異なる最も大き な点の一つである。 もちろん、プロスポーツクラブが継続的に存続・発展していくためには、収入を増加 させ、利益を創出することが必要不可欠である。クラブの支出額が収入を上回る、赤字 経営を長期間継続していく場合、企業として存続していくことは非常に困難である。日 本のプロスポーツにおいては、昭和29 年 8 月 10 日に国税庁から出された「国税庁通 達」によって、プロ野球球団の赤字補填金として、親会社が「広告宣伝費」という名目 で捻出することを正式に認める、損失補填契約が存在した。このような前例があったた め、1993 年に開幕した J リーグにおいても、親会社が所有クラブへの支援金を寄付扱 いではなく広告宣伝費として計上することでクラブの損失を補填し、赤字経営でもクラ ブが存続することが可能であった。しかし、損失補填による1 社依存型の経営は、親企 業の経営状況にクラブの経営が大きく左右されるリスクを含んでいる。実際に、1999 年には横浜フリューゲルスが親企業である佐藤工業の経営危機の影響を受け、横浜マリ ノスとの合併を余儀なくされている。 では、プロサッカークラブが収入を増やしていくためには何が必要なのであろうか。 図1-1 のように、J リーグクラブの主な収入源には入場料収入やスポンサー収入がある。 河合ら(2008)1)J リーグにおける観客数の規定する要因の 1 つとしてクラブの成績(勝 利)が影響を与えていることを統計的に明らかにしているが、入場者数は入場料収入に 直接影響を与えると共に、スポンサーからの評価にもつながると考えられる。そのため、 「勝利」はクラブの収入増加のためにも重要な要因となるだろう。実際に、イングラン

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2

ド プ ロ サ ッ カ ー ク ラ ブ の ビ ジ ネ ス 戦 略 に つ い て 言 及 し て い る Szymanski & Kuyper(2000)2)の著書においても、プロサッカークラブの収入の大きさはクラブの順位 によって説明されることを明らかにしており、収入増加のためにもプロスポーツクラブ が勝利を収めることは重要なミッションとなる。また、北米プロスポーツリーグにおけ る各プロスポーツクラブオーナーの意思決定について分析を行った Zimbalist(2003)3) は、プロスポーツクラブのオーナーはWin-Maximizing or Profit-Maximizing すなわ ち、「勝利の最大化」もしくは「利益の最大化」をプロスポーツクラブの最大の目的と してクラブ経営を行っていると主張している。そして、「勝利」と「利益」は別のもの ではなく、互いに作用し合うため、両者のうち片方だけを追求するのではなく両者をバ ランスよく追求することが重要であるという結論に達している。 1,044 1,064 451 486 231 247 504 587 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 2006 2007 (百万円) ( 年) 広告料収入 入場料収入 Jリーグ分配金 その他 出典;J リーグ公式ホームページ4) 図 1-1. J リーグクラブの収入構造 では、プロスポーツクラブはどのようにしてこの「勝利」というミッションを実現す るのだろうか。往々にして、プロスポーツクラブは高い競技力を有する選手や優秀な指 導者と所属契約を結ぶことでクラブの戦力を整える。選手や指導者との契約の際、高い 競技力を有する者に対しては、他のクラブとの獲得競争に勝ち抜くために高い人件費を 支払うと考えられる。特に、クラブの競技パフォーマンスを直接体現する選手に対して は多額の資金が投入される。Scully(1995)5)は「選手や指導者といった才能への人件 費支出を増加させることは、チームの勝率を上げるために充分なだけでなく必要な条件 である。」としている。このように、高い競技力を保持するために選手への人件費支出

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3

を増加させることは、チームが成功を収める上で必要不可欠なものであると考えられる。 このような場合、人件費はコストとしてではなく、クラブが競技面での成功を収めるた めに必要な投資として捉えられるだろう。 だが、選手が有する能力に対して人件費を投資するだけで、クラブが必ずしも良い成 績を収めることができるとは限らない。「勝負は時の運」と言うように、スポーツにお いては、競技能力の高い選手が必ず勝利するという訳ではないし、試合当日の天候や競 技場・グラウンド環境の変化や、怪我や病気によって所属選手が出場できない状況など、 コントロールすることが極めて難しい事態が勝敗の決定に影響を及ぼすことが多々存

在する。北米におけるプロ野球クラブの分析を行ったQuirk & Fort(1999)6)も、「も

し選手補強の責任を負うジェネラルマネージャーが選手の能力を完璧に評価し、意図し た契約を達成することができたのならば、プロスポーツクラブは競技を行う必要はなく、 リーグ戦の年間スケジュールを消化することは、最も多く人件費を払ったクラブに対し てのセレモニーにしかならない。」と述べている。 以上のように、プロスポーツクラブにおいては、勝利が収入の拡大というクラブの発 展的経営においても重要なミッションであると考えられる。また、その勝利を収め、良 い成績を残すためには選手への人件費が唯一ではないが、非常に重要な要因の一つであ るのではないかと考えられる。したがって、J リーグにおいて、その関係性がどの程度 なのか、本当に関係性が存在するのかはクラブ経営者にとって大きな疑問の一つであろ う。つまり、成績と選手人件費との関係について検証を行うことは、J リーグクラブの 経営にとって有益な指標となると考えられる。

1.2. 欧米プロスポーツリーグにおける人件費抑制策

前述のように、プロスポーツクラブにおいて良い成績を残すことは重要な使命である が、人件費をコストと捉えた場合、選手人件費を必要最低限に抑えることも重要となる ため、人件費高騰を抑えるためのいくつかの制度が存在することがシマンスキー&ジン バリスト(2008)7)の著書などで述べられている。 北米のプロスポーツリーグでは特にその傾向が強い。全米におけるプロバスケットリ ーグであるナショナルバスケットボールアソシエーション(以下、NBA)においては、 1946 年には人件費の高騰を抑制するためにサラリーキャップ制を導入している。サラ リーキャップとは、プロスポーツチームが所属する全ての選手の年俸の総額を毎年一定 の上限金額を設けて規定する制度である。その中でも、2008 年現在の NBA では、い くつかの事項に限って超えることが認められているソフトキャップ制を導入している。 また、アメリカンフットボールのプロリーグであるナショナルフットボールリーグ(以 下、NFL)においても、フリーエージェント(以下、FA 制)で移籍した特定選手に対

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4

する年俸の極端な高騰を抑制すると共に、均等な戦力で試合をすることを目的に 1994 年からクラブの事情による人件費支出額の制限超過を許さないハードキャップ制が設 定されている。また、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)においては、選手 会のストライキによってサラリーキャップ制こそ導入が断念されているものの、1922 年に判決が下された反トラスト法免除法理によって、ドラフト制度やFA 制度などの正 当化が認められ、移籍の自由を制限することによって選手人件費の抑制が行われている。 一方、イングランドのプロサッカーリーグにおいても、ルールに明文化された規制は

ない。しかし、英国の監査法人であるDeloitte Touche Tohmatsu が毎年公表している

イングランドプロサッカークラブの年度報告(2008)8)では、クラブの KPI(Key Performance Indicator)として、 収入に対する人件費比率 60%以上のクラブは経営 的に危険な水準であるとされ、経営の指標とされている。 0 20 40 60 80 100 (%) 図 1-2.イングランドサッカークラブの人件費比率 図1-2 は、Deloitte 社が公表しているデータをもとに、イングランドにおけるプロサ ッカーリーグ1 部(以下、プレミアシップ)に所属するクラブの 2006-2007 年シーズ ンにおける収入に対する人件費比率を図示したものである。 近年プレミアシップでは、選手契約金や移籍金の高騰によって、クラブの財務が圧迫 されていることからもサラリーキャップなど人件費抑制策の導入が検討されていると いう。

(10)

5

1.3. 先行研究

このような状況の下、海外における先行研究に目を向けると、スポーツ産業研究の重 要なテーマの1つとして、プロスポーツクラブにおける成績と人件費との関係について、 多くの研究が行われている。 特に既存研究においては、成績と選手人件費との関係を明らかにするために回帰分析 を用いた研究が多く行われている。その結果として、欧州各国のプロサッカークラブに おいては、クラブが良い成績を収めて成功するためには、選手への人件費支出が大きな 決定要因となることが明らかになっている。その一方で、MLB や NFL といった北米 のプロスポーツリーグでは、選手人件費とクラブの成績の関係性の程度は弱く、選手人 件費支出がクラブの成功にあまり結び付かないことが明らかになっている。 以下では、米国と欧州それぞれにおける成績と人件費との関係についての先行研究を まとめる。 まず、北アメリカにおけるプロスポーツクラブの成績と人件費との関係については、 4 大メジャースポーツリーグと呼ばれる MLB、NBA、NFL、ナショナルホッケーリー

グ(以下、NHL)を研究対象とした検証が行われている。Quirk & Fort(1999) 6)は、

1990~1996 年のデータを用いて、北米 4 大メジャースポーツにおける成績と選手人件 費の関係についての研究を発表している。分析の手法としては、成績の指標として各ク ラブのレギュラーシーズンにおける勝率を用いて、それぞれ対数に置き換えて単回帰分 析を行うことで、成績と人件費との関係についての分析を行っている。その結果、最も 成績と人件費との関係が強かったリーグはNBA と NHL であり、決定係数である自由 度調整済みR2(以下、R2)が 0.3 程度になった。しかし、その他のリーグでは R2

は0.1 前後と低い値を示した。また、Forrest & Simmons(2000)9)は、MLB のアメリカ

ンリーグ(以下、AL)とナショナルリーグ(以下、 NL)および、NHL における 1990 年代 の5 年間のデータを用いて、勝率と人件費との関係についてそれぞれ対数に置き換えて 単回帰分析を行っている。その結果、R2値の値はAL で 0.17、NL で 0.13、最も当て はまりが高かった NHL でも 0.22 であった。北米の 4 つのプロスポーツリーグである MLB、NFL、NBA、NHL においては、サンプル数が少なく、独立変数の種類が少な いにもかかわらず、チームが支出する実際の人件費とチームの勝率との間に正の関係が 見られなかったことから、北米のプロスポーツにおいては人件費が成績を説明しておら ず、人件費支出が多いクラブが良い成績を残すことができる訳ではないとしている。こ れは、北米のプロスポーツリーグにおいては前述の人件費抑制策によって、戦力の均衡 が達成されていることを表しているだろう。 一方、ヨーロッパにおける研究では、個々のプロサッカークラブの成功要因を探るこ とを目的として、イングランド1 部リーグに所属するノッティンガム・フォレストとリ

(11)

6

ヴァプールFC を対象とした Dell'Osso & Szymanski(1991)10)の研究や、同リーグのマ

ンチェスターU を対象とした Szymanski(1998)11)の研究の一分析として、成績と選手 人件費についての検証が行われている。それらの研究によると、クラブの利益と成績と の間には相関性が見られなかったものの、クラブの収入と成績、人件費と成績それぞれ の間には高い相関性が見られたことを明らかにしている。すなわち、イングランドプロ サッカーリーグにおいては収入が多く、人件費に多額の資金を投入できるクラブが良い 成績を残しているということである。 また、イングランドプロサッカーリーグにおける産業構造を明らかにすることを目的 としたSzymanski & Smith(1997)12)Szymanski(2003)13)の研究においても、単回帰 分析を用いてクラブの成績と人件費との関係について分析が行われている。その結果と して、クラブの成績と人件費支出は回帰直線を描く、つまり、高い競技力を有する優秀 な選手を獲得するためにクラブは多くの人件費を費やしていることで、財政的な危機に 瀕していると主張している。

さらに、前述のSzymanski & Kuyper(2000)2)の著書においては、イングランドプロ

サッカーリーグの1 部から 4 部に所属するクラブにおける選手人件費と成績との関係を 検証するために、1978/79 から 1998/99 シーズンの 20 年間と 1997/98 シーズン 1 年間 の2 つの期間を対象として、単回帰分析を行っている。この分析においては、成績につ いては順位を元にして、選手人件費については各年度のリーグ平均人件費支出との比率 を用いて、それぞれに対数に変換して変数としている。その結果、1978/79 シーズンか ら1998/99 シーズンまでの 20 年間での分析においては、R2値が0.92 となり、選手人 件費が成績を90%以上説明していることを明らかにしている。また、1997/98 シーズン 1 年間では、成績と選手人件費の回帰分析において、R2値は0.78 であり、選手人件費 が成績を約80%説明することを明らかにしている。

1.4. 日本における先行研究(推定年俸を用いた分析)

以上のように、プロスポーツクラブの成績と選手人件費との関係については、世界的 に注目され、多くの研究がなされている。それらの研究においては、北米の四大プロス ポーツリーグと欧州プロサッカーリーグにおいては、選手人件費とクラブの成績との関 係性の程度は異なることも明らかになっている。 しかしながら、日本におけるスポーツ産業学の研究では、プロスポーツクラブにおけ る成績と人件費との関係や成績と収入との関係について統計手法を用いた分析を行っ ている研究はほとんどなく、選手人件費がクラブの勝利にどの程度結び付いているのか について、その程度は明らかになっていなかった。そこで、筆者らは日本におけるプロ サッカーリーグにおける成績と人件費との関係を明らかにするために、日刊スポーツJ

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7

リーグプレーヤーズ名鑑14)が発表しているJ リーグディビジョン 1(以下、J1)のクラ ブに所属する選手の推定年俸データを用い(添付資料1 を参照)、選手賃金がクラブの 年間総合順位をどの程度説明しているのか、その関係について分析を行った。(スポー ツ産業学研究, Vol.18, No.1, 2008 掲載) 欧米の先行研究を参考とした成績と選手賃金との単回帰分析の結果、2006 年度シー ズン1 年間では、決定係数 R2値が0.30 でとなり、単年度では、選手賃金がクラブの成 績を約30%説明する要因となることを主張している。また、1997 年から 2006 年まで の10 年間の平均値で行った分析では R2値が0.55 となり、長期的には選手賃金がクラ ブの成績を約55%説明する要因となることを明らかにした。 R2 = 0.558* ‐1.00  ‐0.50  ‐ 0.50  1.00  -0.50 -0.30 -0.10 0.10 0.30 成績(順 位 ) 【 ‐log[P/(Cn+1 ‐P)] 】 選手賃金【log(W/リーグ平均W)】 図 1-3. 1997-2006 年度の J1 クラブの成績と人件費(推定年俸)との関係 1-4. 2006 年度の J1 クラブの成績と人件費(推定年俸)との関係

**=P<0.01

**=P<0.01

(13)

8

図1-3 と図 1-4 は上記の推定年俸を用いた選手賃金と成績との単回帰分析の結果を散 布図にプロットし、回帰直線を示したものである。

1.5. 問題意識

このように、プロスポーツクラブにおいて、クラブの成績の達成と人件費との関係に ついては、アメリカの4 大プロスポーツでは、プロスポーツリーグにおける戦力均衡策 の適応状況を判断するために統計分析を用いた研究が行われている。また、ヨーロッパ のプロサッカーリーグを対象とした研究では、人件費支出額が多大なクラブはより良い 成績を残すのではないかという感覚的な仮説を証明するため、主要な研究テーマとして クラブの成績と人件費支出との関係についての統計的な分析が行われている。 一方で、日本においてはプロスポーツクラブの経営について、統計的手法を用い他分 析は行われてこなかったため、筆者は欧州における先行研究と同様の研究手法を用いて 分析を行った。しかし、その研究においては、人件費データとして推定年俸データを使 用したものであり、その信憑性を説明することが困難であった。また、研究対象として も、J1 のみを分析の対象としており、J リーグディビジョン 2(以下、J2)も含めたリ ーグ全体で、クラブの成績と人件費とにどのような関係があるのかを、統計的に分析す ることができていなかった。 さらに、Jリーグにおいて、勝利がクラブの収入にどの程度の影響を及ぼすかについ てまで検証がされていないため、クラブが勝利を達成すことによって、クラブの収入増 加につながるのか明らかになっていなかった。

1.6. 研究目的

そこで、本研究においてはまず、収入に対してクラブの成績がどの程度影響するのか を明らかにする。それに加えて、これまで感覚的に述べられていたクラブの勝利と人件 費支出額との関係について、J リーグにおいても欧米のプロスポーツリーグを対象とし た研究と同様に、統計的にその関係性を明らかにすることを研究目的とする。 そのために、J リーグの各クラブが公開している実際の財務データを用い、J リーグ クラブにおける収入と成績との関係、成績と人件費との関係それぞれの程度を明らかに する。

(14)

9

2章 研究手法

本研究においては、まず、J リーグクラブにおいて、クラブの成績と収入規模との間 にどのような関係があるのかを明らかにするために、各クラブにおける営業収入の規模 と年間最終順位について単回帰式を用いた分析を行なう。 次に、プロスポーツクラブにおける成績と選手人件費との関係を明らかにするために、 J リーグに所属するクラブを対象として各クラブにおける年間最終順位と人件費支出 額についての単回帰式を用いた分析を行う。 なお、分析の対象とする期間については、2006 年度と 2007 年度の 2 シーズンとし、 それぞれの年度において分析を行う。

2.1. 分析データ

分析に用いるデータは、以下を参照とする。 まず、各クラブにおける「成績」のデータとしては、J リーグが毎年発売を行ってい る、J.LEAGUE YEARBOOK 公式記録集15)から、2006 年度シーズンと 2007 年度シ ーズンの年間総合順位を用いる。 なお、J2 に所属するクラブの順位については、J1 最下位である 18 位に次ぐ 19 位を J2 における最上位として定義し、J2 全 13 クラブを 19 位から 31 位までに位置するよ うに、J1・J2 総合順位を設定する。 次に、人件費データについては、J リーグが公式ホームページにおいて 2005 年度よ り公開を行っている各クラブの財務状況データである「2006 年度 J リーグクラブ経営 公開資料」16)2007 年度 J リーグクラブ経営公開資料」17)から、2006 年度と 2007 年 度における各クラブの「選手・チームスタッフ人件費支出」の項目を用いて分析を行な う。なお、2005 年度の公開データにおいては、J1・J2 の約半数である 14 クラブが「選 手・チームスタッフ人件費支出」の項目について非公開であったために、分析対象から 除外した。 なお、上記データにおけるサンプル数については、2006 年度及び 2007 年度ともに J1 が 18 クラブ、J2 が 13 クラブの合計 31 クラブであった。 以下の表2-1 は 2006 年度と 2007 年度における各クラブの順位、総合順位、総収入 額、人件費支出額を一覧に示したものである。

(15)

10

表 2-1. J リーグクラブの順位と人件費支出額

クラブ

Div.

順位

総合順位 総収入(百万円) 人件費(百万円)

浦和

1

1

1

7,078

2,499

川崎

1

2

2

2,780

1,535

G大阪

1

3

3

3,361

1,623

清水

1

4

4

2,986

1,139

磐田

1

5

5

3,717

1,869

鹿島

1

6

6

3,381

1,564

名古屋

1

7

7

3,801

2,313

大分

1

8

8

1,800

754

横浜FM

1

9

9

4,559

2,210

広島

1

10

10

2,267

1,414

千葉

1

11

11

2,887

1,436

大宮

1

12

12

2,376

1,246

F東京

1

13

13

3,299

1,612

新潟

1

14

14

2,793

1,248

甲府

1

15

15

1,343

556

福岡

1

16

16

1,575

778

C大阪

1

17

17

2,108

1,150

京都

1

18

18

2,230

1,072

横浜FC

2

1

19

1,195

523

2

2

20

3,244

2,188

神戸

2

3

21

1,362

1,024

鳥栖

2

4

22

705

376

仙台

2

5

23

1,609

792

札幌

2

6

24

1,177

607

東京V

2

7

25

2,143

1,546

山形

2

8

26

665

393

愛媛

2

9

27

435

163

水戸

2

10

28

341

141

湘南

2

11

29

709

425

草津

2

12

30

586

162

徳島

2

13

31

636

220

J1平均

3018.94

1445.44

J2平均

1139.00

658.46

J平均

2230.58

1115.42

2006年度

(16)

11

クラブ

Div.

順位

総合順位 総収入(百万円) 人件費(百万円)

鹿島

1

1

1

3,983

1,736

浦和

1

2

2

7,964

2,841

G大阪

1

3

3

3,212

1,927

清水

1

4

4

3,180

1,263

川崎

1

5

5

3,105

1,639

新潟

1

6

6

2,661

1,374

横浜FM

1

7

7

4,909

1,961

1

8

8

3,143

1,693

磐田

1

9

9

3,594

1,575

神戸

1

10

10

1,865

1,317

名古屋

1

11

11

3,635

1,770

F東京

1

12

12

3,347

1,680

千葉

1

13

13

3,112

1,310

大分

1

14

14

2,261

1,283

大宮

1

15

15

2,842

1,384

広島

1

16

16

2,626

1,236

甲府

1

17

17

1,655

741

横浜FC

1

18

18

1,706

862

札幌

2

1

19

1,255

537

東京V

2

2

20

2,672

1,290

京都

2

3

21

2,125

1,051

仙台

2

4

22

1,543

732

C大阪

2

5

23

2,066

889

湘南

2

6

24

970

504

福岡

2

7

25

1,421

610

鳥栖

2

8

26

572

377

山形

2

9

27

539

251

愛媛

2

10

28

466

185

草津

2

11

29

553

184

水戸

2

12

30

301

140

徳島

2

13

31

634

334

J1平均

3266.67

1532.89

J2平均

1162.85

544.92

J平均

2384.42

1118.58

2007年度

2.2. 分析手法

本研究における分析の手法としては、収入と成績との関係、成績と人件費との関係共 に、Szymanski(2003)13)Szymanski & Kuyper(2000)2)によるイングランドプロサ ッカーリーグを対象とした先行研究を参考として、以下のように設定した。

(17)

12

2.2.1. 収入と成績との関係

まず、収入とクラブ成績との関係を検証するために、従属変数をクラブの収入、独立 変数を成績(順位)として、単回帰分析を行う。単回帰分析による結果から導かれる、 標準化係数と R2値から、独立変数であるクラブの順位が従属変数である収入を説明す る程度を明らかにする。 従属変数と独立変数は共に対数に変換し、従属変数である収入の変数は式(1)とした。 また、独立変数である成績(順位)の変数においては、式(2)とした

従属変数(収入変数)=log(Ri)・・・式(1) 独立変数(成績変数)=-log(Pi/(Cn+1-Pi))・・・式(2) (R=総収入,P=リーグ順位, Cn=J1 所属クラブ数 n, i=クラブ i)

2.2.2. 成績と人件費との関係

次に、成績と選手人件費の関係を検証するために、従属変数を成績(順位)、独立変 数を選手人件費として、単回帰分析を行なう。単回帰分析による結果として、標準化係 数と R2値から選手人件費が成績を説明する程度を、つまり選手人件費への投資がどれ だけ成績に結び付いているのかを明らかにする。 成績変数と人件費変数は共に対数に変換し、従属変数である成績の変数は収入と成績 との関係と同様に式(2)とした。また、この分析における独立変数である人件費の変数 においては各年度による経済状況の違いの効果を取り除くために、各年度におけるJ1、 J2 を合わせた J リーグ平均人件費に対する各クラブの人件費の比率(以下、人件費比 率)を用いて、式(3)とした

従属変数(成績変数)=-log(Pi/(Cn+1-Pi))・・・式(2) 独立変数(人件費変数)=log(Wi /リーグ平均 W)・・・式(3) (P=リーグ順位, Cn=J 所属クラブ数 n, W=選手等人件費支出, i=クラブ i) 加えて、推定年俸で行った分析の信憑性を検証するために、2006 年度シーズンにお いては、J1 クラブのみを対象として同様の変数を用いて成績と人件費支出との単回帰 分析を行う。

(18)

13

3章 研究結果

3.1. 収入と成績との関係

まず、従属変数に収入を、独立変数に成績(順位)をおき、単回帰分析を行った結果 は以下の通りである。

3.1.1. 2006 年度の分析結果

図 3-1 は 2006 年度シーズンの J リーグクラブにおける収入と成績との関係について、 縦軸に収入変数を横軸に成績(順位)変数を取り、各クラブの値を散布図にプロットし、 回帰直線を示したものである。 単回帰分析の結果、自由度調整済み R2値は 0.691 で有意な値を示した。標準化係数(β) は 0.838 であり、独立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変 数に約 70%結び付いていることを意味している。

R² = 0.691** 

2.00

3.00

4.00

5.00

-2.00

-1.50

-1.00

-0.50

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

収入 [log]

順位[‐log(P/(32‐P))]

3-1. J リーグクラブにおける収入と成績との関係(2006 年度)

**=P<0.01

(19)

14

3.1.2. 2007 年度の分析

図 3-2 は 2007 年度シーズンの J リーグクラブにおける収入と成績との関係について、 上記と同様に、各クラブの数値を散布図に示したものである。 単回帰分析の結果、自由度調整済み R2値は 0.747 で有意な値を示しており、2006 年 度シーズンにおける同様の分析よりもさらに高い値を示した。標準化係数(β)は 0.869 であり、独立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変数に約 74%結び付いていることを意味している。

R² = 0.747** 

2.00

3.00

4.00

5.00

-2.00

-1.50

-1.00

-0.50

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

収入 [log]

順位[‐log(P/(32‐P))]

3-2.

J リーグクラブにおける収入と成績との関係(2007 年度)

3.2. 成績と人件費との関係

次に、従属変数に成績(順位)を独立変数に人件費をおき、単回帰分析を行った結果 は以下の通りである。

3.2.1. 2006 年度の分析結果

図3-3 は 2006 年シーズンにおける J リーグ 31 クラブの成績と人件費との関係につ

**=P<0.01

(20)

15

いて、縦軸に各クラブの成績変数の値を、横軸に人件費比率変数の値を置き、散布図に プロットしたものに、回帰直線を加えたものである。 図からもわかるように、自由度調整済み R2値は 0.591 で有意な値を示した。これは、 独立変数である選手・スタッフ等の人件費支出が、従属変数であるクラブの順位に約 60%の程度で結び付いていることを示している。なお、標準化係数(β)は 0.778 であっ た。

R² = 0.591**

‐2.00 

‐1.00 

0.00 

1.00 

2.00 

-1.000 -0.800 -0.600 -0.400 -0.200 0.000 0.200 0.400 0

順位

[‐

lo

g(P

/(32

‐P))

]

ク ブ人件費

グ平均人件費

3-3 .J リーグクラブにおける成績と人件費との関係(2006 年度)

3.2.2. 2007 年度の分析

次に、2007 年度シーズンにおける、J リーグ 31 クラブの成績変数と人件費変数との 関係を明らかにするために同様の単回帰分析を行った。 図3-4 は上記と同様に 2007 年度シーズンにおける J リーグクラブの成績変数と人件 費変数とを散布図にプロットし、回帰直線を示したものである。 2007 年度シーズンの J リーグにおいては、単回帰分析における決定係数である R2 値は 0.741 で有意な値を示した。これは、2006 年度シーズン以上に人件費支出が成績 を説明する程度が大きく、人件費支出によってクラブの成績が約 74%説明されること を示している。標準化係数(β)は 0.866 であった。

**=P<0.01

(21)

16

R² = 0.741** 

‐2.00 

‐1.00 

0.00 

1.00 

2.00 

-1.000 -0.800 -0.600 -0.400 -0.200

0.000

0.200

0.400

0.600

順位 [‐ lo g(P/ (32 ‐P))]

クラブ人件費/リーグ平均人件費(log)

図 3-4. J リーグクラブにおける成績と人件費との関係(2007 年度)

3.3. 2006 年度 J1 クラブの分析結果

最後に、筆者が過去に 2006 年度シーズンの J1 クラブを対象として推定年俸データを 用いて行った、クラブの成績と人件費との単回帰分析の信憑性について検証を行う。そ のために、2006 年度シーズンに J1 に所属した 18 クラブを対象として同様の単回帰分析 を行った。 実際に、J リーグが公表している財務データを用いた分析の結果、決定係数である自 由度調整済み R2値は 0.28 で有意な値を示した。また、標準化係数(β)は 0.568 であった。 これによって、J1 のみを対象とした分析においては、独立変数である人件費変数が従属 変数である成績変数を約 30%説明することが明らかになった。 下記の図3-5 は 2006 年度シーズンにおける J1 全 18 クラブの成績と人件費との関係 を散布図にプロットし、回帰直線を示したものである。

**=P<0.01

(22)

17

R² = 0.28** ‐1.5 ‐1 ‐0.5 0 0.5 1 1.5 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 順位 [‐ lo g((P/(19 ‐P))]

クラブ人件費/リーグ平均人件費(log)

3-5. J1 クラブにおける成績と人件費との関係(2006 年度)

**=P<0.01

(23)

18

4章 考察

4.1. 結果のまとめ

4.1.1. J リーグクラブにおける収入と成績との関係

J リーグクラブにおける収入とクラブの成績との単回帰分析の結果、2006 年度シーズ ンでは独立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変数に約 70% 結び付いていることが明らかになった。さらに、2007 年度シーズンにおいては、独立 変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変数に約 74%説明してい ることが明らかになった。 この結果から、J リーグにおいてもイングランドのプロサッカーリーグと同様に、試 合に勝利し、良い成績(順位)を残すことに成功したクラブは、より多くの収入を得る ことができていると言えるだろう。

4.1.2. J リーグクラブにおける成績と人件費支出との関係

クラブの成績と人件費支出との単回帰分析の結果、J リーグクラブにおいては、人件 費支出がクラブの成績を説明する程度として、2006 年度シーズンでは約 60%、2007 年 度シーズンでは約 74%であることが明らかになった。 これらの結果は、J リーグにおいても、ヨーロッパ各国のプロサッカーリーグと同様 に、選手人件費額の大小によってクラブの成績が決定される傾向にあり、選手やコーチ などへの人件費の投資が、競技成績の面でクラブが成功するために必要な要因になると 考えられる。 また、2006 年度シーズンの J1 クラブのみを対象とした分析において、自由度調整済 み R2値は 0.28 であった。この値は、推定年俸を用いてクラブの成績と人件費支出との 関係について分析を行った過去の研究と同程度の値であり、推定年俸を用いた分析の信 憑性をある程度説明することができるであろう。

4.2. J リーグクラブが収入拡大を成し遂げるために

以上、2 つの単回帰分析の結果から、J リーグクラブにおいてもイングランドのプロ サッカーリーグと同様に、収入と成績との関係、成績と人件費との関係を統計的に証明

(24)

19

するに至った。 これら 2 つの関係が明らかになったことを踏まえて、J リーグクラブが今後さらなる 発展を目指して経営を行うための考察を進めたい。 本研究による分析から、試合に勝利し、良い成績(順位)を残すことに成功したクラ ブは、より多くの収入を得ることができていることがわかる。この結果はつまり、今後 J リーグクラブがより多くの収入を得るためには、より良い成績(順位)を収め、「勝利」 を達成することが必要になると考えられるだろう。そして、より良い成績(順位)を収 めるためには、選手やコーチなどスタッフへの人件費を投入し、より高い戦力を保持す ることが必要不可欠であろう。 このように考えた場合、J リーグクラブの経営においては、収入を増加させるために は、人件費をコストとしてではなく投資と捉えることも必要であろう。そして、人件費 をコストではなく投資と捉える必要があるということは、人件費削減によってクラブの 収益性を維持しようとする、縮小均衡経営を行うことは「人件費の削減」による「勝利 の失敗」、「勝利の失敗」による「収入の減少」、「収入の減少」による「人件費の削減」 という悪循環を生むリスクが高いと言えるのではないだろうか。 もちろん、クラブが企業である以上は収益性を確保する必要がある。勝利をすること でより多くの収入を得られるシステムがあれば、クラブも人件費への投資のインセンテ ィブになると考えられる。しかし、収益性を求めるがあまり、コストを削減することに 注力してしまうことで、縮小均衡経営を続けているようでは、いつ悪循環に陥っても不 思議ではない。本研究による分析結果からは、収入の約 70%をクラブの成績(順位)が 説明し、そのさらに 65%程度を人件費支出が説明することが明らかになっている。以上 の人件費から勝利を説明する程度と、勝利から収入規模を説明する程度を掛け合わせる と、選手等への人件費支出額がクラブの収入を約 50%説明すると考えられる。つまり、 人件費を投下することによって、勝利を達成し、その結果収入の増加を成し遂げるのは、 50%程度の成功率であると言えるだろう。したがって、50%程度のリスクを背負って、 選手やコーチなど自クラブの戦力強化のための投資を行わなければ、収入を増やすこと もできず、クラブのさらなる発展を実現することは不可能であると考えられる。

(25)

20

5章 結論

5.1. 本論文の結論

本研究では、J リーグクラブにおける経営指標を提示するために、収入とクラブの成 績、成績と人件費との間にどの程度の関係があるのか、明らかにすることを目的として 研究を行った。

欧米においては、スポーツ産業研究のテーマの1 つとして、Forrest & Simmons に

よる北米4 大スポーツを対象とした研究や、Szymanski & Kuyper によるイングラン

ドサッカーリーグでの研究など、クラブの収入と成績との関係、クラブの成績と人件費 との関係について、いくつもの研究が行われてきた。しかし、一方で日本におけるスポ ーツ産業の研究においては、クラブの収入と成績との関係、クラブの成績と人件費との 関係についての研究は発表されていなかった。 以上の海外における先行研究を参考として、各変数を設定し、2006 年と 2007 年の J リーグクラブの財務データおよびJ リーグ公式の成績データを用いて、クラブの収入と 成績との関係、クラブの成績と人件費との関係それぞれについて単回帰分析を行った。 その結果として、J リーグクラブにおけるクラブの収入と成績との関係性として 2006 年度シーズンでは独立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変 数に約 70%結び付いていることが明らかになった。さらに、2007 年度シーズンにおい ては、独立変数であるクラブの成績(順位)変数が、従属変数である収入変数に約 74% 説明していることが明らかになった。また、クラブの成績と人件費支出との単回帰分析 の結果、J リーグクラブにおいては、人件費支出がクラブの成績を説明する程度として、 2006 年度シーズンでは約 60%、2007 年度シーズンでは約 74%であることが明らかにな った。さらに、2006 年度シーズンの J1 クラブのみを対象とした分析において、自由度 調整済み R2値は 0.28 であった。この値は、推定年俸を用いてクラブの成績と人件費支 出との関係について分析を行った過去の研究と同程度の値であり、推定年俸を用いた分 析の信憑性をある程度説明することができるであろう。 これらの結果は、J リーグにおいても、ヨーロッパ各国のプロサッカーリーグと同様 に、試合に勝利し、良い成績(順位)を残すことに成功したクラブは、より多くの収入 を得ることができると共に、選手人件費額の大小によってクラブの成績が決定される傾 向にあり、選手やコーチなどへの人件費の投資が、競技成績の面でクラブが成功するた めに必要な要因になると考えられる。 本研究の結果から、収入と成績、成績と人件費との関係性が明らかになったことで、 J リーグクラブにおける経営指標を提示することができた。

(26)

21

5.2. アジアチャンピオンズリーグ刷新による収入拡大の機会

以上、本論文における分析結果から、J リーグにおいては、ある程度のリスクを背負 ってでも選手やコーチ等への人件費に投資を行うことでクラブの成績が向上し、クラブ の成績が向上することがクラブ収益を増大させるために必要不可欠であると考えられ る。そして、2009 年度シーズン以降、J リーグクラブが収益の拡大を達成していくため には、選手やコーチ等への人件費の投資を行い、良い成績を残すことがより必要になっ てくるのではないかと考える。 その根拠として、アジアサッカー連盟(以下、AFC)による AFC チャンピオンズリ ーグ(以下、ACL)の刷新が 2009 年度シーズンに実施されることが挙げられる。ACL は、1990 年から開催されているアジアカップウィナーズカップと 1994 年に創設された アジアスーパーカップが統合されて 2002-2003 年度シーズンより実施されたアジアナン バー1 のサッカークラブを決定する大会である。世界で最も高いレベルとされる、ヨー ロッパサッカー連盟(以下、UEFA)主催の UEFA チャンピオンズリーグをモデルとし てアジア各国のクラブチームのレベルアップを図る目的で開催されている。 2008 年 11 月 27 日の日本経済新聞の記事 18)および、2008 年 5 月 21 日付の nikkansports.com の記事19)によると、その ACL において、2009 年度大会から大会の開 催方式が刷新されることが決定した。これまでの大会においては、J リーグからの出場 クラブは前年度の J1 リーグ戦の優勝クラブと天皇杯の優勝クラブの合計 2 クラブ1のみ であった。しかし、2009 年度からは、J1 リーグ戦の上位 3 クラブと天皇杯の優勝クラ ブの合計 4 クラブに出場枠が拡大された。 このような開催方式の刷新と同時に、2009 年度大会以降、大会の予算規模は 2008 年 度の 400 万ドルから 2000 万ドルに跳ね上がり、賞金額やアウェイ試合での補償金など 金銭的な側面でも大幅な刷新も行われるという。2007 年に浦和レッズが、2008 年には ガンバ大阪が優勝を達成しているが、両クラブが手にした賞金はわずか 50 万ドル(約 5000 万円)であった。J リーグの優勝賞金はその倍の規模である 1 億円であり、アジア で優勝するより日本国内で優勝したほうが金銭的に大きな収入を得ることになってい た。しかし、2009 年度大会からは、優勝クラブへの賞金として、これまでの 3 倍であ る 150 万ドル(約 1 億 5,000 万円)を支払い、賞金総額では 800 万ドル(約 8 億円)に なるとのことである。また、総額 2,000 万ドル(約 20 億円)を各国のテレビ局が支払 う放映権料の額に比例配分する形で、出場クラブに還元する分配制を取り入れることも

1 2008 年度は浦和レッズが前回大会王者として出場していたため、3 クラブが出場。

(27)

22

発表している。 さらに、ACL 優勝クラブには毎年 12 月に開催されるクラブワールドカップ(以下、 CWC)への出場権が与えられる。この大会に出場することによって、出場賞金として さらに 1 億円以上の賞金を得ることも可能である。 以上のように、ACL の刷新によって、J リーグクラブにおいては、リーグ戦で上位の 成績を収めることで、より多くのインセンティブを得ることが可能になった。このよう な環境の変化を生かして、クラブの収益を拡大していくためにも、多少のリスクを背負 ってでも、有能な選手への投資を行うことで、クラブの成績を向上させていく必要があ るのではないだろうか。ACL が刷新され、J リーグで上位の成績を残すことが、クラブ の収入拡大における大きなインセンティブとなることからも、今後 J リーグクラブがよ り多くの収入を得るためには、多少のリスクを背負ってでも、有能な選手への投資を行 うことで、クラブの成績を向上させていく必要があると考えられる。

(28)

23

謝辞

本研究を執筆するにあたっては、2 年間にわたって平田竹男教授にさまざまなご指導 をいただきました。また、本研究をまとめる機会をいただきましたことを心より感謝い たします。 そして、副査を務めていただい中村好男教授、間野義之准教授をはじめ、早稲田大学 スポーツ科学研究科で指導をしてくださった教授および講師の皆様にこの場を借りお 礼を申し上げます。 最後に共に勉学を勤しんだ平田研究室の社会人 1 年制コース 2 期生・3 期生の皆様、 2 年制コースの先輩・後輩の皆様、そして、同期生として 2 年間苦楽を共にした河合慎 介君には公私共々お世話になりました。心よりの感謝の意を申し上げます。

(29)

24

参考文献

1) 河合慎介 & 平田竹男, J リーグにおける観客数の規定要因, スポーツ産業学研究, Vol.18, No.1, pp.79-86, 2008

2) S. Szymanski & Kuyper, Winners & Losers, Penguin Books, PP.157-193, 2000

3) Zimbalist, Sports as business; Oxford Review of Economic Policy, Vol.19, No.4, pp.503-311, 2003

4) J リーグ公式ホームページ クラブ経営状況,

J リーグ http://www.j-league.or.jp/aboutj/jclub/keiei.htmlHP

5) Gerald W Scully, the Market Structure of Sports, University of Chicago Press, 1995

6) Quirk. J & R. Fort, Hard Ball: Abuse of Power in Pro Team Sports, Princeton University Press, 1999

7) ステファン・シマンスキー & アンドリュー・ジンバリスト著, 田村勝省訳, サッカ ーで燃える国、野球で儲ける国-スポーツ文化の経済史, ダイヤモンド社, 2006 8) Deloitte and Touche Tohmatsu, Annual Review of Football Finance, 2007

9) D. Forrest & R. Simmons; the Relationship between Pay and Performance: Team Salaries and Playing Success from a Comparative Perspective, Paper for Conference on Economics Professional Soccer, 2000

10) Filippo del’Osso & S. Szymanski, Who are the Champion? (An analysis and Football Architecture, Business Strategy Review Summer, pp113-130, 1991

11) S. Szymanski, Why is Manchester United So Successful? , Business Strategy Review, Vol.9, No.4, pp.47-54, 1998

12) S. Szymanski & R.Smith; The English Football Industry: profit, performance and industrial structure, International Review of Applied Economics, Vol.11. No.1, pp135-153, 1997

13) S. Szymanski, The Economic Design of Sporting Contests, Journal of Economic Literature, American Economic Association, vol. 41, No.4, pp 1137-1187, 2003

14) 日刊スポーツグラフ編, 日刊スポーツ J.リーグ プレーヤーズ名鑑, 日刊スポ ーツ出版社, 1997~2006 15) 社団法人日本サッカー協会編; J.LEAGUE YEARBOOK J.リーグ公式記録集, 2007, 16) 2006 年度 J リーグクラブ経営公開資料, http://www.J-league.or.Jp/aboutJ/Jclub/keiei.html, 2009 年 1 月閲覧 17) 2007 年度 J リーグクラブ経営公開資料, http://www.j-league.or.jp/aboutj/jclub/2007-8/pdf/club2008.pdf, 2009 年 1 月閲覧

(30)

25

18) 日本経済新聞 2008 年 11 月 27 日朝刊, 「ACL、より興行重視に、アジアサッ カー改革急ピッチ、プロリーグが参加資格」, 日本経済新聞社, 2008 19) Nikkansports.com, 2008 年 5 月 21 日記事, 「ACL 賞金総額 14 億円超」, http://www.nikkansports.com/soccer/jleague/acl/2008/news/f-sc-tp0-20080521-362753.html, 2009 年 1 月閲覧 【学会誌掲載論文】 z 内田亮 & 平田竹男, プロスポーツクラブにおける成績と選手賃金(推定年俸)の 関係-Jリーグクラブにおける分析, スポーツ産業学研究, Vol.18, No.1, pp.79-86, 2008 【学会発表】 z J1 クラブにおける成績と選手賃金との関係, スポーツ産業学会第 16 回大会, 2007 年7 月 22 日 z J リーグクラブにおける成績と人件費との関係, スポーツ産業学会第 17 回大会, 2008 年 7 月 13 日

(31)

26

添付資料

1997 年~2006 年シーズンの J1 各クラブにおける選手賃金(推定年俸)の一覧 クラブ 年度 順位 推定年俸総額 (万円) クラブ 年度 順位 推定年俸総額 (万円) 札幌 98 14 44,000 柏 03 12 49,600 札幌 01 11 32,520 柏 04 16 52,200 札幌 02 16 30,250 柏 05 16 54,140 仙台 02 13 34,670 FC東京 00 7 38,640 仙台 03 15 45,350 FC東京 01 8 49,360 鹿島 97 2 119,300 FC東京 02 9 40,000 鹿島 98 1 106,200 FC東京 03 4 35,080 鹿島 99 9 88,360 FC東京 04 8 39,810 鹿島 00 1 75,090 FC東京 05 10 51,450 鹿島 01 1 77,760 FC東京 06 13 50,920 鹿島 02 4 69,250 東京V 97 15 139,600 鹿島 03 5 82,060 東京V 98 12 119,400 鹿島 04 6 69,280 東京V 99 7 40,400 鹿島 05 3 67,790 東京V 00 10 32,560 鹿島 06 6 65,420 東京V 01 14 36,020 浦和 97 10 88,300 東京V 02 10 56,620 浦和 98 6 88,200 東京V 03 8 46,500 浦和 99 15 68,680 東京V 04 9 44,900 浦和 01 10 52,020 東京V 05 17 44,730 浦和 02 11 38,780 川崎 00 16 51,420 浦和 03 6 62,260 川崎 05 8 32,860 浦和 04 2 67,500 川崎 06 2 33,560 浦和 05 2 82,940 横浜F.M 97 3 74,600 浦和 06 1 113,860 横浜F.M 98 4 75,400 大宮 05 13 58,820 横浜F.M 99 5 69,659 大宮 06 12 53,140 横浜F.M 00 2 53,830 千葉 97 13 57,100 横浜F.M 01 13 52,650 千葉 98 16 58,800 横浜F.M 02 2 74,130 千葉 99 13 44,340 横浜F.M 03 1 56,080 千葉 00 14 30,760 横浜F.M 04 1 76,670 千葉 01 3 33,440 横浜F.M 05 9 81,940 千葉 02 7 48,510 横浜F.M 06 9 87,740 千葉 03 3 48,400 横浜F 97 6 97,200 千葉 04 4 40,500 横浜F 98 7 59,800 千葉 05 4 30,460 甲府 06 15 23,380 千葉 06 11 48,360 湘南 97 8 64,500 柏 97 7 75,200 湘南 98 11 58,800 柏 98 8 68,700 湘南 99 16 20,970 柏 99 3 57,530 新潟 04 10 33,680 柏 00 3 59,250 新潟 05 12 47,010 柏 01 6 71,890 新潟 06 14 41,850 柏 02 12 73,630

(32)

27

クラブ 年度 順位 推定年俸総額(万円) クラブ 年度 順位 推定年俸総額(万円) 清水 97 5 65,050 G大阪 02 3 66,900 清水 98 3 59,450 G大阪 03 10 64,050 清水 99 2 63,180 G大阪 04 3 58,820 清水 00 8 59,380 G大阪 05 1 62,350 清水 01 4 62,160 G大阪 06 3 74,430 清水 02 8 62,820 C大阪 97 11 58,500 清水 03 11 69,200 C大阪 98 9 57,600 清水 04 14 63,420 C大阪 99 6 51,100 清水 05 15 62,630 C大阪 00 5 47,360 清水 06 4 54,140 C大阪 01 16 54,530 磐田 97 1 119,550 C大阪 03 9 50,140 磐田 98 2 106,000 C大阪 04 15 38,540 磐田 99 1 74,600 C大阪 05 5 40,690 磐田 00 4 80,460 C大阪 06 17 42,490 磐田 01 2 73,320 神戸 97 16 70,950 磐田 02 1 73,200 神戸 98 17 49,850 磐田 03 2 69,870 神戸 99 10 42,980 磐田 04 5 79,860 神戸 00 13 38,390 磐田 05 6 100,310 神戸 01 12 44,930 磐田 06 5 81,450 神戸 02 14 49,910 名古屋 97 9 94,750 神戸 03 13 38,100 名古屋 98 5 99,530 神戸 04 11 40,920 名古屋 99 4 100,980 神戸 05 18 54,540 名古屋 00 9 80,600 広島 97 12 74,500 名古屋 01 5 59,580 広島 98 10 54,700 名古屋 02 6 60,930 広島 99 8 52,150 名古屋 03 7 66,810 広島 00 11 54,500 名古屋 04 7 74,350 広島 01 9 27,040 名古屋 05 14 63,620 広島 02 15 27,091 名古屋 06 7 65,360 広島 04 12 37,020 京都 97 14 62,950 広島 05 7 45,000 京都 98 13 72,700 広島 06 10 55,900 京都 99 12 66,980 福岡 97 17 64,400 京都 00 15 50,290 福岡 98 18 51,400 京都 02 5 46,390 福岡 99 14 49,950 京都 03 16 29,030 福岡 00 12 39,630 京都 06 18 37,060 福岡 01 15 44,750 G大阪 97 4 79,600 福岡 06 16 37,470 G大阪 98 15 69,200 大分 03 14 36,680 G大阪 99 11 58,940 大分 04 13 23,690 G大阪 00 6 60,560 大分 05 11 42,300 G大阪 01 7 65,910 大分 06 8 35,850

参照

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