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読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係

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(1)

国立国語研究所学術情報リポジトリ

読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係

著者 村石 昭三

雑誌名 ことばの研究

巻 2

ページ 289‑302

発行年 1965‑03‑31

シリーズ 国立国語研究所論集 ; 2

URL http://doi.org/10.15084/00001748

(2)

読みにおける酸球運動の各鼓能間の発達的相関関係 289

読みにおける眼球運動の各技能間の 発達的相関関係

村石昭三

1 目的と問題の設定

 児童の読みにおける眼球運動の各技能について,それらの相関関係を学年発達 的な観点から明らかにすることによって,隈球運動過程における技能構造をたし かめることを目的とする。

 読みにおける眼球運動の,読書速度,停留数,停留時間,逆行数,不適応凝視 数の相関関係について,この研究系列の初まりは,W. S. Gray(1921)にはじ まる。かれは,実験結果から,停留数と読書速度とは必然的な関係にあるもので ない,つまり,読みの過程において,眼球の停留数が減少すれば,読書速度が速 くなるという対応関係はかならずしもあるといえない,と述べている◎また,M.

1).Vemon(1930)の,眼球運動における停留時間と停留数の関係の研究とか,

M.A. Tlnker(!938)の,眼球運動の正確さと速度との関孫の研究がみられる が,さらに統計的相関関係の考察はL.C. Gilbert(1953)にみることができる。

 L.C。 Gilbert(1953)は,停留数と逆行数との相関係数を小学校2年生から9 年生にわたって調べたところ,.68〜.93の高い係数がでた。これについて,学年 変化に伴なう傾向をみると,2年生〜4年生の聞は相関が高く,4年生〜7年生 の間は係数が下降しており,以後の学年では上昇の傾向をみせているQここで,

読みにおける眼球運動に関し,停留数と逆行数とが高い相関関係をもつ結果は注 目されることであるが,読書速度,停留時間,不適応凝視数との相関関係を考慮 していないのは分析上の大きな欠陥といわなければならない。

 以上,従来の研究成果を通観するとき,読みにおける眼球運動の分析観点が一 面的であることを指摘することができる。読書速度,停留数,停留時聞,逆行 数,不適応凝視数のすべてにわたる相関関係の考察が行なわれていないという,

この欠陥は,本質的には従来の分析態度の甘さに帰因すると考えられる。

(3)

 290読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係

 本研究では,読書速度,停留数,停留時間,逆行数,不適応凝視数を,読み手 が学習によって変容しうる技能であるという観点にすえた。この観点において,

発達的相関関係の特徴は,学年変化に伴なう眼球運動の技能構造をさぐる手がか りとしての意味をもつことができることになる,と考える。

2 方法と手続き

 本研究の,相関関係学出の基礎となった実験結果は,概観実験と追跡実験であ る。概観実験の結果は,国立畳語研究所年報8P,97〜P.108(1957)に報告し た。また,追跡実験の結果は,山立国語研究所報告14「申学年の読み書き能力」

p.49〜p. 62(1958),および,国立国語研究所報告17「高学年の読み書き能力」

p.69〜p. 85(1960)に報告してある。

 眼球運動の各氏能間の相関係数につき,概観実験の結果に関しては,Spearm−

anの列位差法によって算出し,追跡実験の結果に関しては, Pearsonの偏差積 法によって算出した。

 眼球運動の各技能のうち,すぐれた読み手としての発達の過程は,読書速度,

理解度は数値の増大という形で示され,停留数,停留時間,逆行数,不適応凝視 数は数値の減少で示される。しかし,統計の便宜上,読書速度,理解度は逆系列 に置換して相関係数を求めた。

 概観実験における眼球運動の,各技能閻の相関係数は各材料文,各学年別に,

次の被験者数によって算出された。

  1年〈材料文,つり>12名,2索く材料文,つり>12名,3柔く材料文,つり>10名,

  〈材料文,かいもの>14名,4年〈材料文,つり>10名,〈材料文,かいもの>7名,

  5年目材料文,つり>9名,〈材料文,かいもの>9名,6年〈材*1}文,つり>10名,

  <材料文,かいもの>9名,〈材料文,コロンブス>9名,7年〈材料文,かいもの>

  7名,〈材料文,コロンブス>6名,8年〈材料文,かいもの>9名,〈材料文,コ   ロンブス>9名,9年〈材料文,コロンブス>8名

 いっぽう,追跡実験における各回早老は同一学級の児童群であるが,欠席その 他の理由によって,各学年時の被験者数に若千の変動があった。各学年時,各材 料文別に被験者数をあげると次の通りである。

  第3学年蒔〈材料文,つり>  43名  第5学年時〈材料文,わたり鳥> 46名   第3学年時〈材料文,かいもの>44名  第6学年蒔〈材料文,わたり鳥> 43名   第4学年蒔く材料文,わたり鳥>38名

(4)

読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係 29王

       3 結果凄く概観実験>

 1) 第1学年の,材料文〈つり〉による,眼球運動の各技能の相関係数は表1 の通りである。検定の結果,危険率5%以下で三関があると認められたのは,

 読書速度x停留数,読書速度x停留時間,読書速度×逆行数  停留数×停留時聞,停留数×逆行数

である。

 2) 第2学年の,縁料文くつり〉による,眼球運動の各技能の相関係数は表2 の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×停留数,停留数×理解度,停留数×逆行数

である。

 3) 第3学年の,縁誓文〈つり〉による,眼球運動の名・妓能の相関係数は表3 の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×停留数,読書:速慶×理解度 である。

 4) 第4学年の,材料文〈つり〉による,眼球運動の各技能の相関係数は表4 の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度x停留数,読書速度x理解度,停留数×理解度  逆行数×不適応凝視数,不適応凝視数×理解度

である。

 5) 第5学年の,材料文〈つり〉による,眼球運動の各技能の相関係数は表5 の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×停留数,読書速度×逆行数,停留数×逆行数

である。

 6) 第6学年の,栃料穿くつり〉による,眼球運動の各技能の相関係数は表6 の通りであるQ検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 停留数×逆行数

である。

 7)第3学年の,材料文〈かいもの〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 表7の通りである。検定の結果・危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×停留数,読書速度×停留時間,読書速度x逆行数  停留数×逆行数

(5)

 292 読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係 である。

 8) 第4学年の,材料文〈かいもの〉に,よる,眼球運動の各技能の相関係数は 表8の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速慶X停留数

である。

 9) 第5学年の,材料文〈かいもの〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 表9の通りであるQ検定の結果,危険率5%以下で網野があると認められたのは,

 読書速度×停留数,読書速度×逆行数,読書速度×不適応凝視数  淳留数X逆行数,惇留数×不適応凝視数,逆行数×不適応凝視数

である。

1e) 第6学年の,材料文〈かいもの〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 表10の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×惇留数,読書速度x逆行数,読書速度×不適応凝視数  惇留守×停留時聞,停留数×逆行数,停留数×不適応凝視数  停留時聞×理解度

である。

11) 第7学年の,材料文くかいもの〉による,眼球運動の各鼓能の相関係数は 表!玉の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは・

 読書速度×停留数,逆行数×不適応凝視数

である。

12) 第8学年の,材料文くかいもの〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 表12の遍りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められた:のは,

 読書速度×僖留数

である。

13) 第6学年の,材料文〈コロンブス〉による,眼球運動の各技能の相闘係数は 表13の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速疫X停留数,読書速度×逆行数,読書速度×不適応凝視数  停留数×逆行数

である。

14) 第7学年の,材料文〈コNンブス〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 表14の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×停留数

(6)

      読みにおける眼球運動の名.鼓能闇の発達的縮踊関係 293 である。

15) 第8学年の,材料文〈コロンブス〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 表15の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度×停留数,読書速度×逆行数,停留数x逆行数

である。

16) 第9学年の,材料文〈コロンブス〉による,眼球運動の各技能の相関係数は 嚢16の通りである。検定の結果,危険率5%以下で相関があると認められたのは,

 読書速度X停留数,逆行数×停留時間

である。

17) 概観実験における各技能相関係数をグラフに示したのが図1である。これ らにつき,各相関関係の有意差検定の結果は次の徴りである。

 読書速度×停留数    有意差なし 平均.87  読書速匿×停留時間   5%以下の危険率で有意差あり  読書速度×逆行数    有意差なし 平均.6!

 読書速度×:不適応凝視数 有意差なし 平均.28  読書速度X理解度    有意切なし 平均.01  停留数×停留時弊    5%以下の危険率で有意差あり  陣留数×逆行数     有意差なし 平均.63  停留数X不適応凝視数  有意差なし 平均.28  停留数×理解度     5%以下の危険率で有意差あり  停留時間×逆行数    有意差なし 平均一.12  淳留時間×不適応凝親数 有意差なし 平均.Ol  逆行数×理解度     有意差なし 平均.08  逆行数×不適応凝視数  有意差なし 平均.32  逆行数×理解度     有意差なし 平均.06  不適応凝視数×理解度  有意露なし 平均.19

1S) 以上,16の各実験を含む概観実験で,多く相関があると認められた技能関 係は,読書速度と停留数,停留数と逆行数,読書速度と逆行数,読書速度と不適 応凝視数,逆行数と不適応凝視数である。このうち,平均相関係数が最も高いの は,読書速度と停留数の相関である。

19) 各技能相関関係のうち,有意差がでているのは,読書速度と停留時間,停 留数と停留時間,停留数と理解度の各相関である。

(7)

294 読みにおける隈球運動の各技能間の発達的相関関係

表1概観実験 眼球運動の各技能の相関  表2概観実験 眼球運動の各狡能の縮関    1年 〈材料文 つり>      2年 〈材料文 つり〉

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1速 速留時行適解   留 読停停逆不理

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4逆行 6理解

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表3概観実験 眼球運動の各鼓能の相関     3年 〈材料文 つり〉

表4概観実験 眼球運動の各技能の稠関    4年 く材料文 つり〉

2停留

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表5概観実験眼球運動の各技能の相関 表6概観実験眼球運動の各技能の相関    5年 〈材料文 つり>      6年 〈材料文 つり〉

1読 速

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(8)

       読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係 295  表7概観実験眼球運動の各技能の相関 表8概観実験眼球運動の各技能の相関

    3年 く材料文 冷ぬも璽≧...  _一__チ年_〈材料文乱.か埜もQ>._ 一...

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 表9概観実験 眼球運動の各技能の相関 表10概観実験 眼球運動の各技能の相関

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 表11概観実験 眼球運動の各技能の相関

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表12概観実験 眼球運動の各技能の相関    8生璽狸<.々三等>t一一一..t..…

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(9)

296 読みにおける眼球還動の各技能聞の発達的三関関係

表13概観実験 眼球運動の各鼓能の相関  表14概観実験 眼球運動の各技能の相闘   6年 〈材料文 コロンブス>       7年 〈材料文 コロンブス〉

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図1概観実験眼球運動の各技能の相関

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× 不適・理解逆行数・理解逆行数・不適

檸留時・理解

山留時・不適

停留時・逆行数

停留数・理解

停留数・不適

纏留数・逆行数

檸留数・締留晴

読速・理解

翫達・不適

読速・逆行数

読遠・檸留時

読速・惇留数

(10)

       読みにおける眼球運動の各技能間の発達的縮関関係 297 表15概観実験 隈球運動の各披能の相関 表16概観実験 眼球運動の各技能の縮関   8年 〈材料文 コロンブス>       9年 〈材料文 コロンブス〉

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   緑留羅行適解

1読速i_i.9窪i_.2d.31i一.201.30

鰭:射写:嘉i=:1塾:::

4 結果∬〈追跡実験〉

 結果は次の通りである。なお,理解度に関する眼球運動の各技能との相関関係 は,すでに概観実験の結果よりみた相関関係の算出によって,相関があると認め られることが少なく,逆相関のあらわれることが多かったので,追跡実験の結果 の処理から省略した。

 L 各技能間の相関係数には,非常に高い相関係数があらわれているものと,

ほとんど相関がないものとがある。

 1) 第3学年時の,材料文〈つり〉による結果(表17)では,最も高い相関係 数は,読書速度と停留数との闇にあらわれ,その係数は,.86である。停留時間 と逆行数との間では,一.14の逆相関係数がでている。また,停留数と停留時聞 との相関は低く,その係数は,ほ7であるQ

 2)第3学年時の,材料文〈かいもの〉による結果(表18)では,最も高い栢 関係数は,読書速度と停留数との聞にあらわれ,その係数は,.85である。最も 相関係数が低いのは停留一難と不適応凝視数との聞の相関であった。停留数と停 留時聞との相関係数は,.14である。

 3)第4学年時の,材料文〈わたり鳥〉による結果(表19)では,最も高い相 関係数は,読書速目と停留数との間にあらわれ,その係数は,.75である。停留 時間と不適応凝視数との問には,一.19の逆相関がでている。停留数と停留時間 との相関係数は,.22である。

(11)

 298 読みにおける隈球運動の各技能間の発達的椙関関係

 4) 第5学年時の,材料文〈わたり鳥〉による結果(表20)では,最も高い相 関係数は,読書速度と停留数との間にあらわれ,その係数は,.79である。最も 相関係数が低いのは,停留時間と不適応凝視数との間の相関である。停留数と停 留時間との間の相関係数は,.22で低い相関がある。

 5) 第6学年時の,材料文くわたり鳥〉による結果(表21)では,高い相関が みられるのは,読書速度と停留数との間の相関であり,その係数は,.84であ る。不適応凝視数は停留数をのぞく,他のすべての技能と逆相関を示している。

停留数と停留晴間との間の相関係数は,ユ9で,ほとんど相関がない。

 2. 読みにおける眼球運動の,各技能聞の相関係数をひとつのグラフにあらわ してみる。 (図2)

 D 各技能闇の相関係数につき,有意差検定をした結果は次の通りである。

読書速度×停留数 読書速度×停留時聞 読書速度×逆行数 読書速度×不適応凝視数 停留数×停留時聞 停留数×逆行数 停留数x不適応凝視数 停留時間×逆行数 停留時間x不適応凝視数 逆行数×不適応凝視数

2)

有意差なし 平均 .82 有意差なし 平均  .49 有意差なし 平均  .60

5%以下の危険率で有意差あり 有意差なし 平均  ユ9 有意差なし 平均  .64 有意差なし 平均  .29 有意差なし 平均  ユ2 有意差なし 平均  .00 有意差なし 平均  .12    腰技能間のうち,最も係数が

高くでているのは,読書速度と停留 数との相関(.70〜.90)で高い相関 がある。以下,停留数と逆行数との 魚価(.50〜.70),読書速度と逆行数

(.40〜.70), 読書速度とイ亭留口寺闇

(.40〜.70)がつづき,他の関係は係 i数が低いQかくして,読書速度は停 留数に最も規定され,さらに,逆行 数,停留時闘にも,ある程度,規定 されていることを示している。

表17追跡実験 眼球運動の各技fil£の姻関    3年 〈材料文 つり〉

1読 速 2悼 留 3停留時 4逆 行 5不 適

1読速

.8苔

.4R

.4尊

.5呑

2 1 3 停  停

  留筆  時

.8篭

.17

.6尊

,5篭   .43

.17

一.14  .27

4逆行

.4電

.6尊

.11

.3蒼

5不適

.s6

.5着

.27

−3NR

N 5%以下の危険率で相関あるもの 以下嗣じ

(12)

      読みにおける眼球運動の各技能間の発達的相関関係 299  3) 各相関関係で,係数が比較的   表18追跡実験 眼球運動の各技能の相踊 安定しているのは,停留数と停留時     3年〈材料文かいもの〉

間との間の相関であり,読書速度と 停留数,停留数と逆行数との間の相 関にも,その傾向をみることができ る。逆に比較的,不安定なゆれをみ せているのは,読書速度と不適応凝 規数,停留数と不適応凝視数との間 の樵関など,不適応凝視数と他の技 能との間の相関関係にみることがで

きる。,

 3.読みにおける眼球運動の,各 技能間の相関関係を,学年変化によ る傾向をみると,不適応凝視数は,

どの他の技能とも,低い相関か,あ るいはほとんど相関がないけれど も,第3学年時の係数がどの学年時 よりも高く,概して学年が上になる につれ,係数が低下していく傾向が みられる。

 4. 実験数5を含む追跡実験で,

すべて相関があると認められた技能 関係は,読書速度と停留数,読書速 度と停留時間,読書速度と逆行数,

停留数と逆行数である。このうち,

平均相関係数が最も高いのは読書速 度と停留数の相関である。

1読 一速

2停 留 3停留時 4逆 行 5不 適

1読速

,8苫

.4登

 ウき

.sg

.241

 2 停

_量_

.8蒼

.14

.6篭

.20

3

,4蒼

.!4

4逆行

.05 1

01

、5益

.6蒼

aO5

5不適

.24

.20

 0

.1.9

.ユ9  一

表ig追跡実験 眼球運動の各技能の相関    4年 〈材料文 わたり鳥〉

速留時行適   留 読停停逆不

−山 9μ 3 4 

5

嚢冗

,7誉

.6益

.strl

.04

 2 停 一貿_

 .7蒼

.22

 3 俸  留

_膣_

 .6蓋

 .22

・60レ29

  .30 −tlli

4逆行 5不適

.5益 .04

.6さ .30

.291 一.19

一£ .03

・031 一隔

5 考  察

 上記の結果に対して,簡単な考察 を加える。

表20追跡実験 眼球運動の各技能の相関    5年 く材料文 わたり鳥〉

1読 速 2停 留 3停留蒔 4逆 行 5不 適

1読速

.7登

.5左

.6誉

.2e

2

.7登

.22

.59

.25

3停留時

.5護

.22

.27

 0

4逆行

.6登

.5誉

.27

.IO

5不適

.20

.25

 0

.10

(13)

300 読みにおける眼球運動の魯技能間の発達的縮関関係

 1) 概観実験・追跡突験の結果か   表21追跡実験 眼球運動の各技能の蓋開 らみた,眼球運動の出鼻能間の相関      6年 〈材料文 わたり鳥〉

関係のなかで,読書速度は停留数と の相関が最も高い◎停留数の増減 はなにによって生ずるかいえば,

eye−spanの広狭,およびeye−Span 相互の重なりの広狭によるものであ

り,これらは読み手の学習によって 習得される技能である。その点,読 書速度は読み手のeye−Spapの広狭 およびその作用によって規定さ

i

i

L一.._._.___

1・読速 12停留

},麟§

k逆行

15不適

r.1

・調

1

.6g 一.16  1

 ヒUエ ヨ砂

者■

斑毛 詞

  一i

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・1

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・7?ii

 .09i

5不遜

4逆行

3亭冒時

 i.41

.19

.11

. 151,

 .681 一.16

.7お .09   }

噸11u.151

ri 一.09 一.09, fi

れることを示している。なお,

奮欝鷺饗:瓢1:1

あらわれているのは,被験老数関・5t 砂ない。とによると翫ら締.・!

       .3        .2.1        :註       _.ユ1

      一.2

る。

 2) 停留数と逆行数とは縮関 が高い。眼球の逆行現象は,読 み手が文章の意味内容をたしか めるとか,再知覚するという読 みによって生ずるという,いわ ば,停留現象の異常行動である けれども,ともに本来,文字,

あるいは単語,文節の知覚作用

函2迫跡ξ1ミ験眼球運動の各技能の梱関

■●● ● ●

: : .

      

L一一4rm.一LLmLL−L−L

逆行数・不適

停留時・不適

惇留時・逆菅数

停留数・不適

停留数・逆背数

停留数・惇留一

読達・不適

説遮・逆行数

競速・停留時

読速・停留数

という点で共通性をもっている。すなわち,停留数が少ない有能な読み手は逆行 数も少ない,という相関関係をもつことを示している。

 3) 停留時間は停留数とならんで,読書速度を規定する技能でありながら,両 扱誤聞の相関が低いという事実が提出されている。このことは,眼球運動過程に

(14)

読みにおける眼球運勤の各技能間の発達的相関関係 301 おける相反的な性格,すなわち,停留数を少なくしょうとすれば,一回の停留に 要する時間が増大していく。逆に,停留晴間を短かく,読書速度を速めようとす れば,停留数は相対的に増大するということになる。

 なお,停留数と停留時間との間の相関係数がどの学年時の実験結果とも,それ ぞれに:不安定な係数のゆれが少ないのは,上述の両者の相反的な性格とあわせ て,各被験者個人に停留数が少なくて停留時無の長いもの,停留数が多くて停留 時間が短かいものという,知覚習慣の型が内在していると考えられる。

 の 停留数と逆行数との相関係数を,従来の研究成果から比較しうるし.C。 Gi−

Ibert(1953)の例でみると,.68〜.93とあり,高い相関係数がでているが,本硬究 の場合は.59〜.70でかなりの相関があるという程度である。また,学年変化的 にみると,LC. Gilbertの場合は,3年〜6年の間は学年が進むにつれ,係数 の低下する傾向がでているが,本研究の場合は,3年と4年との間では係数が少

し低下し,4年と5年との間には差がなく,5年と6年との聞では6年に係数の 増加がみられている。ともあれ,中学年において,それまでの学年の眼球運動の 各技能構造に変容があらわれることでは一致している。

 5) 不適応凝視数は,他の眼球運動の技能と相関が低く,概して,学年時が上 になるにつれて,係数が低下する。これは,ある行から次の行に,眼球を移行す

る際の一掃運動は,きわめてメカニカルな技能であり,高学年では,他の技能ほ ど重要な位置を占めず,比較的,早期の学年段階で習得されるためであると考え られるが,なお,追試の必要がある。

 Une 6tude sur le d6veloppement des relations entre les diverses caract6ristiques du mouvement oculaire pendant

Ia lecture. Shozo Muraishi

 Le but de la pr6sente 6tude est d/examiner les relations entre 星es diverses caracteristiques du mouvement oculaire pendant la lecture et de v6rifier sa structure fonctionnelle.

La m6thode:

 Les sujets 6taient 150 enfants des deux sexes, 61eves de la ibre. ann6e de P6co玉e priエnaire (7 ans) き 1a trois三色me ann6e du】yc6e(14 ans).】[イes mouvements oculaires pendant la lecture ont 6t6 photographi6s par

(15)

302 読みにおける限球運動の各技能間の発達的相関関.係

le Master−Ophthalmograph. En outrb, approx1mativement 50 cle ces enfants qui 6taient 61eves de la troisibme ann6e A la 6e. ann6e ont 6t6 examin6s chaque ann6e selon le mbme proced6.

  Par ailieurs, on a 6tudi6 s6par6ment les caract6ristiques des mouve−

ments oculaires: la v6iocit6 de la lecture, la fixation, la regression, la duree de la fixation et la refixation et on en 6valu6 les correiatlons.

亙4e r6sa丑Iat:

  Les indices de correlations entye chaque mesure du mouvement 6culaire indique:

1一 1} y a des certains indices montrent entre eux un rapport tres 6troit,

  dtautres ne semble pas lies.

2一 Le rapport le plus net est observ6 entre ia v610cit6 de la lecture et   ia fixation; puis suivent le rapport entre la fixatlon et la regression   et ie rapport entre la v610cit6 de la lecture et ia regression.

3一 Si on analyse les rapports des difierents caract6ristiques en ionction   du d6veloppement progresslf des annees scolaires, on constate que la   refixation seule est en relation avec les autres caract6ristiques, mais   d une manlbre gen6ral quand on monte dans 1 6chelle des classes, la   relation s amenulre.

Remarques:

1− La v610cit6 de lecture d6pend l/espace耳且ent sensoriel de chaque   indivldu. Elle d6pend aussi de la longueur de la dur6e de la fixation   et de la grandeur de la r6gression.

2一 La r6gression et la refixaxlon ont des relations naturelles. La re gression,

  dans le cas d/une lecture incertaine, aide 玉es lecteurs 註 confirmer   ieur lecture, grace fa une nouvelie perception des mots et des phrases.

  Maigr6 la diff6rence d avec la fixation, la relation de celle−ci avec   la r6gression est nette.

3一 La faille correlation entre la fixation et la dur6e de la fixation   indique que les caract6ristiques du mouvement oculaire sont mutuellment   ind6pendantes. D autre part deux types d habitude de perception   ont 6t6 identifi6s, 1 un ayant peu de fixation et une grande pause de   fixation, 1/autre ayant beaucoup de fixation et peu de pause de la   fixation. C/est pourquoi ia correlation entre Ia fixation et ia dur6e   de fixation est faille et constante b tous les ages.

4一 La refiy. ation a peu de relation avec les autres caract6ristiques, surtout   dans les classes sup6rieurs. La regression d une ligne at d autre est   un mouvement m6canic obtenue des les classes inf6rieres, il n est pas   un facteur important dans les classes sup6r}eres.

参照

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