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学位論文の概要及び要旨

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Academic year: 2021

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学 位 論 文 の 概 要 及 び 要 旨

氏 名 大島 直也 印

題 目 映像監視システムの自動化を目指した追跡技術に関する研究

学位論文の概要及び要旨

本論文は,映像監視システムの自動化を目指し,追跡技術を取り入れた映像監視システムの構築,

および追跡アルゴリズムの高速化およびロバスト性向上のため,近年注目されているMean Shift追跡 アルゴリズムの改良に取り組んだ成果をまとめたものである.

近年,犯罪の増加から監視システムが注目されている.その中でも監視カメラによる映像監視シス テムは,一般家庭や店舗,会社,駐車場など様々な環境における視覚情報を利用できるため,多くの 情報を取得でき,非常に役立つシステムといえる.映像監視システムの多くは,警備員など人が常に,

あるいは記録した動画像をモニタで監視している.また1台のカメラだけでなく,複数台のカメラを 用いることが多く,人為的に状況をチェックするため多大な労力を必要とし,見落としが生じること がある.また,動画像を記録するためのメディアも多大なものとなってしまう.この問題を解決する ために,映像監視の自動化に関する研究が盛んに行われている.

本研究では,映像監視の自動化を目指し,動画像処理による移動物体の自動検出,追跡処理に取り 組む.映像監視技術の中でも人物追跡技術は最も重要な技術の一つである.これは,人物の動きは人 物の行動と密接に関係しているからである.追跡処理により,特定ルートを移動する不審者検知や莫 大な動画データの探索条件としての利用,移動軌跡による不審者特定,遠隔監視におけるネットワー ク通信の情報量軽減に役立てることができる.本研究では,追跡技術を取り入れた映像監視システム の提案を行い,さらに追跡アルゴリズムとして近年注目されているMean Shift追跡アルゴリズムの追 跡精度向上と処理速度の両立を目指し,改良法を提案する.

第1章は,序論として本研究を行うに至った背景,本研究の目的並びに各章の概要を述べている.

第2章では,カメラで人物が比較的大きく撮影できる室内での利用を想定し,回転可動カメラを用 いて人物の位置推定を行うシステムを提案する.特長として,1台のカメラで位置推定を実現できる ことやリアルタイム処理が可能なことが挙げられる.回転可動カメラは,人物が画像中央となるよう に回転制御を行うことで追尾を行う.人物領域抽出では,カメラの回転に対応した領域抽出を精度よ く行うことができる手法を提案する.過去数フレームを用いて人物領域を抽出し,抽出領域の高さか ら距離推定を行う.最終的にカメラ方向と距離から位置推定を行う.提案システムにより実験を行っ たところ,人物の肩幅約50cmに対して推定誤差10cm程度の精度が得られた.これより,十分な精度で 位置推定が可能であることを確認した.

第3章~第5章では,広範囲を撮影できる環境に設置した監視カメラを用いて,人物が比較的小さく

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撮影される屋外での利用を想定した場合の追跡を扱う.特に追跡アルゴリズムであるMean Shift追跡 の実用化,追跡精度向上と処理速度の両立を目指す.

第3章では,屋外監視を想定し,固定カメラを用いて複数の未知の移動物体領域を自動で検出し,M ean Shift追跡を適用して追跡を行う手法を提案する.複数の人物領域を高速に取得するために,3

×3画素で構成するブロックを元に抽出する手法を提案する.追跡処理は追跡ウィンドウ内の分布計 算により高速に処理ができ,かつ反復探索による高精度な追跡が可能なMean Shift追跡アルゴリズム を用いる.提案手法で建物の影や画像外から出現する複数人物の追跡実験を行ったところ,リアルタ イムでの複数人物の検出および追跡を確認できた.また,複数人物が重なって一つの領域として出現 した場合においても,人物が離れ二つの領域に分離したときに,それぞれ独立した追跡ウィンドウで 追跡できることを確認した.

第4章では,Mean Shift追跡の問題点である背景に存在する類似色の影響を軽減し,かつリアルタ イム性を保持する手法を提案する.従来のMean Shift追跡では,追跡対象を特徴付けるために色モデ ルを利用している.本研究では,類似色に対するロバスト性を向上させるため,色モデルに加えて,

動きモデルとして,オプティカルフロー分布から得られるフローモデルを併用する.様々なシーンで 色モデルとフローモデルの統合比率を可変し追跡実験を行ったところ,追跡のロバスト性を大幅に改 善でき,リアルタイムに追跡が可能であることを確認した.

第5章では,追跡対象のスケール変化に対応したScale Mean Shift追跡の改良法を提案する.従来 のScale Mean Shift追跡は,追跡対象の急激なスケール変化に対応できない.また,取得画像の解像 度が高い場合や追跡ウィンドウが大きい場合,処理を行う画素数が多くなるために処理速度が低下す る.これらの問題点を解決するため,極座標を用いたスケール推定法を提案し,処理を行う画素を空 間的に疎らに取得することで高速化を実現した.提案法により,追跡対象のスケール変化に対する追 跡精度および処理速度の向上を確認した.

最後の第6章において全体を総括する.

参照

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