近代的土地所有権論と地代法則
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(2) ︑. ﹂ ノ. 序. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. ︵1︶. 一七二. 既述の如く︑マルクス﹃資本論﹄一篇二章﹁交換過程﹂は︑﹁法律的に発展⁝⁝していない﹂﹁意思関係 法的関係﹂. の原理的規定︵所有・契約・人格︶を︑分業 生産者による労働生産物の直接的﹁等価﹂交換の想定から抽象してい. 領. る︒かかる法把握は︑近代市民法の単純商品交換法的仮象をそのまま単純商品生産的実体としてひとまず許容したう. えで︑この﹁労働 所有権﹂の肯定的評価を基準に︑眼前の資本家的所有権を﹁労働に基かぬ︵不当な︶所有﹂︵. 有法則の転回︶として裁断する︑マルクス自身の小ブルジョア的規範意識がなお色濃く陰騎を落していると言わざる. 労働力購買者による剰. をえない︒このマルクス的法把握の曖昧性は︑他方︑絶対的剰余価値生産︵価値増殖過程︶に於いて︑労働者の必要. 労働を超える剰余労働の超歴史的経済原則随﹁労働・生産過程論﹂的解明を拡棄し︑︵資本家. 余価値 利潤取得権を﹁不払労働の領有﹂なるものに媛小化しつつ︑︶﹁標準労働日の大きさ﹂をも単純に︑階級対立. を媒介して実現される﹁国家﹂←﹁労働立法﹂の間題に短絡させてしまう︑階級闘争史観と表裏の関係にあるといっ. てよい︵三篇八章︶︒かかるマルクス法理論の一個二重の限界を克服する視角から︑さきに筆者は︑①﹁意思関係目法. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 的関係﹂をマルクス自身の規定と根本的に異なり︑資本家的生産関係を背後に持つ表相としての流通関係から抽象す. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ベきこと︑②したがって包摂された階級関係そのものの商品形態的実現 労働力の商品化こそが︑﹁国家﹂を媒介とせ ︵1︶ ず︑直裁的に︑唯一近代市民法の論理的基抵になること︑を明らかにしておいた︒. 以上の視座からする時︑﹁商品所持者が相互に相手を私的所有権者として認め合う﹂普遍的﹁意思関係﹂は︑労働.
(3) 力商品化を基軸とする価値法則の根底的成立と所謂﹁人格の物化﹂←﹁物の人格化﹂︵人口法則的労働力再生産機構. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. 労働力の価値規定に基く賃労働者の労賃・労働日・労働条件のブルジョア法規範意識への収敷阿馴化︶をさしあたり. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 前提とするのであるが︑かかる商品としての労働力は︑本源的には︑所有者以外﹁資本家にも労働者にも無償では自由. に使用させない﹂土地私有権の絶対性︵暴力的囲込み︶に拠るコ一重の意味で自由な﹂無産者創出として形成される ヤ. ヤ. ち. ヤ. 以外に無い︒言うまでもなく原理的には︑信用関係形成←利子率の社会的確定による﹁資本ー利潤﹂の﹁資本−利子﹂. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. としての分割実現︵資本の商品化理念︶を媒介として︑かかる土地所有n地代収入の利子還元←擬制資本としての. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ﹁土地の商品化﹂により︑したがって三階級関係の﹁商品﹂形態的肪三位一体的隠蔽としてのみ︑私的所有権者︵同. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. や. ヤ. う. 労働力商品化と︿メタルの表裏﹀をなす絶対的﹁土地所有﹂. ヤ. 市民︶の﹁意思関係﹂︵観念的商品所有権︶という法規範関係は︑はじめて確立されることになる︒いまこの点への. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 資本主義的私的所有権法体系のまさに中軸をなすというべきものであり︑﹁土地所有権﹂. 論及は差し控えるが︑それにしても資本主義的生産関係. ヤ. は︑近代市民法的意思関係. を捨象・峻別して一般的﹁商品所有権﹂としての私的所有権を語ることは︑︿木を視て森を見ぬ﹀に等しき無の饒舌 と言わざるをえない︒. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ﹁余計な﹂﹁無. ところがマルクスは︑その﹁生産一般﹂論的唯物史観腿冒頭価値実体論的﹁自己労働に基く所有権﹂自然法イデオ ヤ. ︵2︶. ・ギーが禍害して︑労働生産物でない土地の所有の資本主義的所有に於ける﹁外在性﹂論︑土地所有. 一七三. 近代化﹂の主張をおこなっている︵六篇三七章等︶︒周知の如く︑我民法学者の﹁土. 用の癌﹂論を弄言し︑あまつさえ︑後代の理論家による絶対地代廃棄 土地国有化論に根拠を提供するような﹁資本 の運動法則への土地所有の従属. 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(4) 早稲田法学会 誌 第 三 〇 巻 ︵ 一 九 七 九 ︶. 一七四. ﹁賃借権の物権化麗近. 地所有権に対する利用権の優位﹂を以って﹁近代的土地所有権﹂成立の標識と見倣す近代法範型論や︑更には﹃資本. 借地︵借家︶法学へのその無定見な拡張. 地代論の教条的偏重に既に胚胎しているというべきであり︑等閑に附す訳に. 論﹄六篇四章﹁建築地地代﹂に基く不動産特別法 代化﹂論は︑かかるマルクス土地所有. はゆかない︒本稿はマルクス土地所有︵権︶論の検討を通じて︑近代市民法体系中に占める土地所有権の位相の確定. を図り︑併せて︑所謂﹁近代的土地所有権﹂論議の批判的分析のための視座を供することを眼目とする︒. 二 所謂﹁近代的土地所有権﹂論 1 その法理論史と﹃資本論﹄の位相. ︑. ﹁交換過程論﹂型の近代的. ︑︑︑︑︑. 川島武宜﹃所有権法の理論﹄以来︑土地所有権法の領域では︑既に﹃資本論﹄研究と法史学的成果が融合され︑綿 ︑︑︵3︶. 密かつ多様な﹁近代的土地所有権の原理論﹂確立のための議論が行われている︒①川島. 所有権の標識たる﹁私的性質﹂﹁絶対性﹂﹁観念性﹂を︑英国に於ける自由保有権の所有権化の法制的展開に拠り英国 ︵4︶ 不動産所有法への適合性についても実証せんとするもの︵甲斐道太郎︶︒また︑これを英国絶対主義期コピーホール. 定期保. ドの実質的近代化の展開から解明し︑絶対主義衰頽期〜市民革命に於けるコモン・1優位の確立に基く謄本保有整合 ︵5︶. 化︵画一的普遍的権利化︶過程の討究︵望月礼二郎︶︒②他方︑同じ英国土地法に拠りながら︑逆に利用権 ヤ. ヤ. も. ヤ. 大陸法的所有権の私的絶対性の構成の近代法としての顛倒性の. 資本家の賃借権による﹁土地所有権の制限﹂こそを近代的なるものと見倣す水本浩の. ち. 有権︵リースホールド︶の観点から素抽し︑・ーマ 提起を通じて︑むしろ借地農.
(5) ︑. ︑. ︑. ︑. ︵6︶. ﹁地代論﹂型原理論︒そしてこの水本理論を踏襲しつつ︑渡辺洋三・宮川澄等によって︑日本明治民法に於ける土地 ︵7︶ 賃貸借規定の批判的分析n近代化分析が行なわれたのは周知の事柄であろう︒. しかしこれらは敦れも資本主義発展の展型とされるイギリスをモデルとし︑①市民革命による自由・絶対の土地所. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. 第二次農業革命による農業の資本主義化︑所謂コニ分割制﹂の現実. フリーホールドの地主的乃至農民的所有権化︵土地所有の商品所有権への擬制的同一化︶を以. ヤ. 有権の確立︑したがって所謂ヨーマンの早生的漸進的両極分解を前提とした上で実現するとされる︑土地からの封建. ヤ. 的身分的拘束の除去 ち. って近代的とするか︑あるいは②英国産業革命. ヤ. ヤ. も. 的確立に基く資本家的借地権の物権的絶対性の法制化︵資本所有権への土地所有権の対踪的分離・従属︶こそを初め. ︑. ︑. ︵9︶. ︵8︶. 原理論的展開︵①W・G←②K︶に割振るf代物といわざるをえない︒即ち︑①前者が︑フランス革命乃至レ. ︑. て近代的とするか︑というそれ自体極めて歴史主義的な1讐喩的に言えば︑①﹁重商主義段階﹂と②﹁自由主義段 ヤ 階﹂という特殊英国資本主義の発展類型に対応する土地政策の﹁段階論﹂的型を︑各々そのまま﹃資本論﹄の純論理 的. ーニンの所謂﹁アメリカ型﹂理論 ナポレオン的自由な農民的土地所有を展型とする後進国﹁市民革命﹂像に基いて︑ ︵10︶ 逆に英国革命の土地制度改革︵後見裁判所・騎士保有権廃棄等︶の妥協性・不徹底性を認めつつも︑最下級領主U新. 地主層主体の領主権の排他的躍一物一権的所有権化を以って︑一応の近代的土地所有権の確立と見倣すのに対し︑②. 後者は︑かかる自由・絶対の大陸法に謂う﹁完全なる所有権﹂的構成が農業資本主義にとって本質的樫桔であり︑む. ヘ. ヤ. しろそのままで所謂﹁プ・シア型﹂ユンカー的所有乃至寄生地主的所有を表現しうる点︑ー即ち我国地租改正後の. 一七五. 高率現物小作料に表現される土地所有権の強大性肺﹁半封建制﹂を批判するという講座派 近代主義的実践課題ー 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(6) ︵11︶. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 一七六. が直接﹁原理論﹂に投影されて︑﹁近代法﹂像を資本制地代範疇成立期までほぽ二〇〇〜二五〇年遅らせたにすぎな. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. い︒後に甲斐道太郎・稲本洋之助等が︑①土地商品化︵市民革命︶と②所有権の賃借権への従属︵産業革命︶なる両. シェーマの間隔を﹁極めて弾力のある︵歴史︶プ・セス﹂︵過渡期︶として﹁原理﹂化し︑﹁近代的所有権﹂の具体的 ︵12︶. ヘ. ヤ. 資本所有. ﹁近代的土地所有権﹂へ. 方法論が十全に発揮されないのも故無しとしない所以である︒. 商品所有権←②資本家的生産. 成立過程をあくまで各国の特殊性の﹁段階論﹂的把握に委ねるという︑それ自体宇野三段階論に媚讃する提唱を行な ち. 歴史﹂的転回論︶によって︑課題. ったとしても︑﹁原理論﹂そのものの唯物史観的偏崎性︵①単純商品生産 権なる﹁論理. この点︑水本 ﹁地代論﹂型原理論の範型とされた英国第二次農業革命期の農地賃貸借. ︵B︶. ︑ ︑ ︑. ︑. の歴史実証的批判として︑同期に於ける改良費償還請求権及び自救的動産差押権制限の未確立と共に︑とりわけて家. ヤ. ヤ. ︵14︶. ﹁段階論﹂的解明ー貴. 産的世襲財産としての継承的不動産設定制度存続の意味が椎名重明 戒能通厚によって提起されたことは︑逆文脈に ヤ. 於いて評価さるべきであろう︒即ち︑﹁原理論﹂と比さるべき英国産業資本主義自体の特殊 族的大土地所有の資本家的農業への促進的槙桿的意義の実証︑ーという椎名. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 交. 戒能の主観的意図と裏腹に︑それは︑ ヤ ヤ 資本主義的生産関係自体. 市民革命期に理念として表現される﹁土地売買の自由﹂という近代法規範を︑﹁三分割制﹂. ヤ. の不断に再生産する法イデオ・ギーとして再措定するものー十九世紀末農業大不況期の継承的不動産法の改廃. ヤ. ヤ. ヤ. 換価値︵価格︶による土地譲渡の自由︵商品化︶に基く英国的特殊性の喪失としての﹁近代的土地所有権﹂の法的構. 図の定立﹁として原理論的にも注目に値するものと言えよう︒まさに︑資本主義に於いて︑﹁自由な私的所有とい. う法的表象は︑土地所有者が土地を処分しうるのは各商品所有者が自分の商品を処分しうるのと同じだ︑ということ.
(7) ︵15︶. 以外には何も意味しない﹂︵マルクス︶︒. ︵16︶. もっとも︑﹃資本論﹄第三巻遺稿編者エンゲルス自身認めている如く︑﹃資本論﹄に於ける利子論︵信用論・商業資. 本論・それ自身利子を生むものとしての資本論︵四︑五篇︶︶の未確立性は︑擬制資本としての土地商品化システム︑即. ︑. ︑. ︑. ︑︵17︶. ﹁永続的基礎﹂としての側面よりも︑むしろ︑資本主義の. ︑. 法的関係﹂論の確立を決定的に曖昧にした︒マルクスに於いては未だ﹁土地所有﹂は︑資本主義的. ち土地所有 地代論を利子論によって総括する土地価格としての商品形態的物神性論←﹁三位一体﹂範式に基く原 理的﹁意思関係. ち. 再生産機構全体によって基礎附けられる﹁商品所有権﹂ ヤ. ︵18︶. ﹁前提﹂である︑という歴史主義的主張が前面化していることは歪めない︒﹁近代的土地所有は封建的なもの⁝⁝し. かし封建的土地所有に対する資本の行動により変形せられたもの﹂︑という﹁剰余労働︵利潤︶の一般的実現形態﹂. から﹁平均利潤を超える超過利潤﹂への土地所有の地代範疇的位相転換︑換言すれば﹁土地所有﹂と﹁商品 資本所 へ 有﹂の階級的対抗関係を以って︑法的旺近代的土地所有権の成立過程︵自由・絶対の所有権←利用権への従属︶を直 ヤ. ヤ. 接に基礎附けんとする︑﹁近代化﹂論者と同様の歴史基抵還元主義的思考の残津は否定しえない︒かかるマルクスの. ﹁自由な私的所有﹂の領有法則転回論的両極自然分解論や︑三巻六篇四七章﹁資本制地代生成論﹂の︑封建制. 思惟形式は︑﹃資本論﹄一巻二四章七節﹁資本主義的蓄積の歴史的傾向﹂の︑本源的蓄積の暴力性を忘却した分割地 所有. ←資本制の生産関係変化の土地所有H地代形態への一元的解消︵史的唯物論の﹁土地制度史観﹂化︶に最も端的に現. れていると言えよう︒それゆえ我々は次に先ず︑所謂﹁近代的土地所有のメルクマール﹂として︑①過渡期地代範疇. 一七七. に照応する﹁自由・絶対の土地所有権﹂︵川島︶と︑②資本制地代範疇に照応する﹁利用権優位﹂︵水本・渡辺︶なる 近代的土地 所 有 権 論 と 地 代 法 則 ︵ 青 木 孝 平 ︶.
(8) 早稲田法学会誌第三〇巻 ものを各々検討する︒. ︵一九七九︶. 2 ﹁自由・絶対の土地所有権﹂︵市民革命期土地商品化︶の地代論的構造. 一七八. 農民への賃貸︵地主的土. 土地商品化︶を微温的ないし革命的に実現する︒①土地保有者の地代軽減さらに支払義務. 絶対主義期に於ける生産物地代の価幣地代への転化は︑漸次的に封建的拘束及び共同体規範㎜ゲヴェレを弛緩し︑. 契約的土地譲渡可能性︵. 買戻しによる完全所有権化︵農民的土地所有︶︑②貨幣財産所有者による土地購入・集積. 地所有︶の成立︒此処では農民の萌芽的利潤の殆んどが地代即ち土地価格︵抵当権︶の利子として表現され︑それゆ. え土地所有こそが至上の排他的独立的財産権として顕現することに対応して︑一見非近代的な﹁土地所有権の自由・. 絶対性﹂が現出しうる︒だが一物一権的土地所有の市民革命︵初期ブルジョア国家︶による法的確認は︑それ自体︑本. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 源的蓄積として無償土地利用を廃された一定の直接生産者の生産手段︵土地︶からの排除︵農民からの土地収奪︶を. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 不可避的に保障するのであり︑一国の生産方法の中軸たる工業資本のための労働力の本源的創出機構たりうる︒﹁土. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ﹁農村外の資本主義的生産の一般的発展の前提条件﹂︵マルクス︶を形成する労働力商品化. ︵19︶. 地私有制﹂こそは︑商人資本による﹁世界市場・世界商業・マニファクチュアの相対的に高い発展﹂を支える﹁都市 手工業・農村家内工業﹂︑ ヤ. ヘ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 近代法・. 資本主義的生産関係を法的に表現するものであり︑﹁資本家的商品経済自身がその私有制の基礎前提をなすものと ︵20︶ して︑土地私有を要請する﹂︵宇野弘蔵︶といえよう︒かかるものであるがゆえに︑非資本家的農業 土地私有形態. についても︑﹁資本制生産によって支配される社会状態の内部では︑非資本家的生産者も資本家的表象︵.
(9) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 地主的土地所有に於いて︑小作農は地代. ヤ. 収益権の一時的譲渡の代価として近代的所有権を. 小作料を支払わねば耕作を許されないという純経済的強制︵旺契. ︵21︶ 近代的所有権−引用者︶によって支配される﹂︵マルクス︶︒ ヤ. ︵A︶. 約︶関係にあるとすれば︑かかる賃貸料は︑包括的所有権中利用. 実現するであろう︒むろん分割地小作経営に於いては︑農産物価格は平均利潤実現を必ずしも制限とせず︑費用価格. C+Vが限界生産物価格を構成しうるので︑その超過分は生産価格を超えなくてもひとまず位置・豊度により﹁差額. 地代﹂として結晶する︒さらに如何なる劣等地でも無償の利用を許さない地主は︑﹁利潤に対する自立的範疇﹂では. ないが﹁労賃に対する自立的範疇﹂としての地代分︑即ち市場価格騰貴による﹁労賃︵ 自家消費分︶﹂を超える絶. 対地代分を︑投資に対し制約化することになる︒︵この場合︑もし市場価格上昇を供わぬ場合でさえ︑﹁自分自身に支 ︵22︶ 払う労賃﹂の﹁肉体的最低限﹂の下降を限度に︑﹁利潤のみならず労賃の一部からの控除分﹂としての名目地代 擬. 商品. ﹁土地価格﹂︵交換価値支配︶の法範疇的表現で. 制的﹁絶対地代﹂を実現しうる︒︶蓋し人格的支配隷属から解放された﹁自由・絶対の所有権﹂としての土地 所有権は︑あらゆる土地に於ける地代の一般利子率による資本化. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. 規範関係の再生産を保障するからである︒. ︵23︶. あり︑新たな劣等地の耕作圏への導入に伴い﹁差額地代﹂に包括されるにしても︑﹁絶対地代﹂乃至最劣等地の地代. ち. こそがかかる法. 労働投下に対する制限として機能せず︑. ︵B︶ 近代的土地所有権は︵自由な︶農民的分割地所有にも適合する︒なるほど﹁労働条件と労働個体の直接的融 ︵24︶. 合﹂としての農民的土地所有では︑﹁土地所有権の絶対性﹂自体は︑資本. 一七九. したがって平均利潤実現はおろか︑土地所有が経営の外部から農産物価格を制約することもない︒それゆえ︑限界地 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(10) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. ︵25︶. 一八○. 生産物の不変資本プラス最低生活費︵労働力価値部分︶を超える優等地産物の市場価格超過分︵差額地代の自己取得︶. ヤ. ヤ. ヘ. はありえても︑﹁絶対地代は実存しない﹂︵マルクス︶と言ってよい︒だが分割地所有者といえども﹁土地所有﹂の持. ﹁絶対地代﹂の. つ幻想的価値︵所有名義︶を自己に帰属せしめ︑他者の勝手な利用を排す権利としての所有権︵難土地価格︶を根拠. 附けねばならぬのであり︑この限りで新たに耕作圏に入る限界地についても差額地代ならざる地代. 存立仮象を生ぜしめねばならない︒利潤が経営の制限たりえぬ﹁小資本家としての農民﹂は︑それゆえ﹁労働者とし. ヤ. ヤ. ての農民﹂にとって最低限実現さるべき﹁労賃部分﹂を︑土地価格・抵当権設定から逆算した﹁地代﹂として表象し ︵26︶. 自らに支払い︑かかるものとして﹁土地﹂そのものを﹁果実を齎すものとしての資本﹂と見倣す土地物神U土地の商 品化︵観念的所有 権 ︶ を 実 現 す る と 言 え よ う ︒. かくて︑﹁生産者にとって費用価格の要素たる土地価格﹂が﹁生産物にとっての生産価格の非要素﹂たるがゆえに︑. 資本主義的表象. ﹁商品所有権としての近代的所有権﹂の一律的支配に有機的に. 封建制︶的外観を呈するにしても︑それは工業部門労働力商品化とその剰余価値の移動 全社会的な. ︵27︶. 農民的土地所有や地主的土地所有の﹁所有権の自由・絶対性﹂が︑農産物価格低廉・高率地代に基く剰余労働の一般 的収奪機構︵. 価値法則に媒介され︑三位一体的. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ち. 包摂されつつ︑近代市民法的﹁意思関係﹂を不断に醸成せずにはおかない︒だがかかる市民革命期﹁自由・絶対の土. 地所有権﹂規範の近代的所有権としての積極的意義は︑純粋資本主義的﹁三分割制﹂の原理的想定を基準に︑発展過. 程を異にする各国の実証的解明により段階論的に与えるしかない︒1人間の解剖こそが猿の解剖に鍵を与える︒.
(11) 3. ﹁土地所有権の利用権への侍女化﹂の地代論的欠陥 ヤ. ヤ. そのまえに︑水本旺渡辺理論が﹁近代的土地所有権の完成形態﹂と見倣す︑農業の資本主義化に対応する借地関係. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. 土地用益権への土地所有の従属﹂なるものへの移行の構図を︑地代論から一瞥しておこう︒. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. もし︑資本主義的生産関係の﹁歴史的外在﹂とされる﹁土地所有権の絶対性﹂を﹁封建的﹂なるものとして. ﹁資本所有. ヤ. ︵A︶ ヤ. ヤ. ヘ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ﹁前提﹂視した上で︑そこから資本家的農業に適合的な土地所有形態への﹁転化﹂を﹁原理﹂化しようとするならば︑. 利潤率均等化の単なる結果としての差額地代より先に︑賃借料を支払わねば土地耕作をしえないという関係 絶対地 ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ・⁝. ﹁土地所有自体を創造的要因とする地代﹂を生み出さねば土地利. ヘ. 代を問題とせざるをえなくなる︒﹁土地所有の独占﹂が資本投下を制約し︑農産物市場価格が生産価格︵費用価格C. ︵28︶. V+平均利潤P︶を超え︑超過分の均等化の阻却. ヤ. ヤ. ヤ. 用を許さない︑という関係である︒かかる﹁絶対地代﹂論に於いては︑﹁資本所有権の自由﹂を基礎附ける価値法則 ヤ. ヤ. ー具体的には本来平均利潤として処理さるべき社会的剰余価値ーに対して外的に分与を強要する﹁土地所有権の. 自由・絶対性﹂が未だ根本的制約として立ち塞がることになる︒むろんマルクス絶対地代論に於いては︑農産物市場. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. 価格の生産価格からの騰貴分は︑農業資本有機的構成の全社会平均以下的低位性の仮定に拠り︑なお﹁価値どおりの. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 販売﹂に基く地代の限度内に存在を肯定されており︑それゆえ価値法則ならぬ﹁等価交換が正常に貫徹﹂しても︑. ﹁土地所有権﹂は一定の独立的意義をもつ私的権能として利用権との共存を容認されているようにみえる︒だがそも ︵29︶. そも﹃資本論﹄第三巻では︑﹁生産価格による交換﹂そのものが資本相互の競争を媒介とする﹁価値法則の貫徹﹂︵一. 一八一. 巻︶の具体的実現形態として説かれている以上︑﹁絶対地代﹂を︑﹁価値﹂を超える﹁独占地代﹂と区別して︑価値法 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(12) 則. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. 一八ニ. ヤ ヤ 資本所有の許容範囲に包摂しようとすることに根本的無理がある︒﹁土地所有権の自由・絶対性﹂をもし﹁利用. ヤ. ヤ. ヤ. め. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ぬ. ヤ. 範疇移行論が. ヤ. 封建的制約﹂︵渡辺︶として設定するなら︑﹁絶対地代﹂それ自体としては︑未だ自由な合法則. ち. 権に対する非近代的. ヤ. 非近代的︵封建的︶土地所有の範疇的表現ということになり︑これを漸次価値法則による差額地. ヤ. 的資本投下の阻止 ヤ. 渡辺理論は︑かくて︑﹃剰余価値学説史﹄︵一八六二年︶や﹃資本論三巻一八六八年草稿﹄に部分的残津を留め︑ ︑ ︑ ︑ ︑ ︑ ︑ ︵31︶. 代に転化せしめて︑その後初めて﹁資本所有に侍女化﹂する﹁近代的土地所有権﹂なるものへの歴史 ︵30︶ 展開されねばならないことになろう︒ 水本. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 後カウツキーにより方法的体系化された如き﹁絶対地代←差額地代﹂という︑﹃資本論﹄的論理主義と逆序列の歴史. 農業に於ける市場価値法則の貫徹は︑同一地に投下された諸資本の平均により個別生産価格が決定され︑そ. 主義に帰結する筈であるが︑今暫く︑かかる﹁近代的土地所有権の成立過程﹂なるものを地代論的に跡附けてみよう︒. ︵B︶. のうちの最大のもの︵最劣等地︶が市場価格に規定的に作用する︵エンゲルス方式︶︒だが生産低下の継続投資に於いて. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. は︑既耕地︵優等地・最劣等地︶の部分的追加投資は︑従来の投資と分離され︑当該資本の形成する超過利潤の均等 ︵32︶ 化を阻止する場合が存する︵マルクス方式︶︒しかも最終追加投資が最劣等地以下的生産性の場合︑追加投資分が単. 独で平均利潤を確保できるまで市場価格が騰貴せしめられ︑最劣等地にも﹁差額地代皿﹂が成立する︒最劣等地から. ち. ヤ. も. ち. 追加資本投下に対する﹁外的制限﹂. や. 最終追加投資への市場調整価格の変更という間接的関係に媒介されてではあるが︑積極的に最劣等地超過利潤形成 ち. の根拠をなす価格騰貴の要因が︑未だなお﹁前提﹂的な﹁土地所有の絶対性﹂. としての機能に求められることになる︒またマルクスは︑最劣等地に収穫逓増的追加投資が行われる場合なるものも.
(13) 考慮している︒即ち技術改善. 追加投資が最劣等地小部分に留まる場合︑第一次投資との合体による平均生産価格臆. 調整価格低下に作用せず︑﹁土地所有の自由・絶対性﹂がさきの投資に基く調整価格をそのまま単独で固定し︑逆に. 第二次投資以後の特別剰余価値としての超過利潤を逐次地代化してゆくという捉え方である︒. 本来︑﹁差額地代1﹂の空間的関係の同一地時間的堆積としての﹁差額地代n﹂では︑平均利潤法則の貫徹として ヤ. ヤ. の﹁資本所有権の自由﹂に﹁土地所有権﹂はひとまず従属するはずであり︑したがって土地所有は市場生産価格規定. ヤ. ヤ. にさしあたり関与しない筈である︒だが﹁土地所有権の絶対性﹂なるものの﹁歴史的前提﹂化は︑単独で平均利潤を. 形成しえないような追加投資 改悪耕作の抑圧・停止︵価格騰貴︶として︑超過利潤形成への外的影響の想定を不可. ︵33︶. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. 避にする︒かくて︑﹁︵資本家は︶自ら超過利潤を目的に資本を追加しながら︑これを地代化して土地所有者に与えざる. をえない﹂という︑﹁前提的外的土地所有権﹂なるものの﹁資本所有権の自由﹂への最後的栓楷の除去として︑技術. ヤ. ヤ. 改善の一般化による集約的追加投資の第一次投資との一体化促進を媒介しつつ︑﹁差額地代H﹂から﹁差額地代1﹂. ヤ. への﹁論理腸歴史﹂主義的移行が夢想される︒. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 生産価格法則を媒介して貫徹される単なる結果としての︑実現された超過利潤の消極的取得権. ヤ. ︵C︶ この場合︑﹁差額地代1﹂に於いてやっと﹁土地所有権﹂は︑﹁制限された自然力﹂に対し︑農産物市場価値. 規定が利潤率均等化. に帰結する︒即ち︑﹁資本所有権﹂の一方的無制約的貫徹に基き︑﹁土地所有の権能﹂は︑資本自身が如何しても所有. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヘ. ヤ. しえない優等地恒常的超過利潤の分与を受ける﹁第三者的能力﹂に切詰められることになる︒此処に︑﹁利用権への侍. 一八三. 女化﹂としての﹁近代的土地所有権﹂なる規定が︑初めて与えられるかの如くみえる︒そして最も重要なことは︑か 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(14) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶ ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 一八四. かる﹁近代的土地所有権﹂論の伯己破綻も此処に初めて明確になるという点である︒蓋し︑﹁外的﹂﹁前提的﹂. ﹁封建. 資本所有. 渡辺シェーマ︶とは︑つまるところ︑剰余価値の外的取得 非経済法則的価格騰貴による利. 的﹂ な﹁無用の癌﹂としての﹁土地所有権の自由.絶対性﹂の﹁克服﹂として完成せられた﹁土地利用権 権の自由・絶対性﹂︵水本. ち. ヤ. ヤ. 潤率低下機構としての﹁絶対地代﹂︵価値法則に利潤率均等化法則貫徹の障碍︶の除去︑即ち︑土地所有権の﹁差額. ︑︵34︶. 渡辺﹁原理﹂論とは︑氏等自ら公言する如く︑レーニン. ︵35︶. カウツキ. 地代︵1︶﹂化であり︑それはとりもなおさず︑﹁絶対地代の存在を覆え﹂し﹁差額地代の所有者を変え﹂る﹁土地国 ︑. 有化﹂︵レーニ ン ︶ 以 外 に は 存 し え な い ︒ 水 本. ︵37︶. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ー的﹁土地国有化﹂をコロラリとする﹁近代的土地所有権論﹂であると言ってよかろう︒ ︵36︶ ︑ ︑ ︑ ︑ ︑ だが︑宇野弘蔵や大内力が論理の帰趨を見抜き高唱する如く︑そもそも土地国有化とは︑﹁人民大衆からの土地. 収奪は資本家的生産様式の基礎をなす﹂︵マルクス︶︑という労働力の本源的創出及び反復的再生産機構の根本的破壊. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. であろう︒土地の私的所有権は︑単に︑﹁労働諸条件の私的所有の一つの形態に対する攻撃は︑他の形態に対しても ︵38︶ 極めて危険なことになるから﹂とか﹁ブルジョアも土地を領有しているから﹂などという消極的理由で容認されてい. る訳では決して無い︒むしろ︑﹁労働生産物でない土地の私有を認めることによって︑⁝⁝労働による私有も資本の. ﹁国有化﹂とは︑﹁︵資本主義的︶生産関係の法的表現たる所. 下にはじめて認められる﹂のであり︑﹁土地私有は⁝⁝資本主義の下に全面的に確立される私有財産制の形式的基礎 ︵39︶. ︵40︶. ︑. ︑. ︑. 近代的市民法・商品所有権を全面的に破壊するものというべきである︒かくて︑﹁資本論踊経済原論に対. をなす﹂︵宇野弘蔵︶︒かかる意味で︑土地私有の否定. 有関係﹂. 応する原理としての法体系﹂の一環としての﹁近代的土地所有権の原理論﹂は︑封建制←資本制の歴史過程の論理化.
(15) 資本主義と近代的土地所有権. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. や. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ︵旺﹁プ・セスとしての近代化﹂︶としては解明しえない︒それは︑積極的に発生史論を捨象した ﹁純粋資本主義﹂の. 三. ヤ. 地代・利子と土地所有権 ヤ. 自律的反復的な機構的再生産それ自体に拠って愈々構造的に解明されねばならない︒. 1. かくて︑原理的に資本制生産様式の﹁前提﹂とされる﹁土地所有﹂は封建的土地所有ではない︒それ自体︑GIW. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. む. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ーαからG−W:.P⁝Wiαへの﹁命懸けの飛躍﹂をなす﹁労働力の商品化﹂︵一巻四章三節︶と一体の絶対的排他的 ヤ. ヤ. 土地私有であり︑とりもなおさず近代的土地所有である︒そして完成された資本主義自身の地代論 分配論的全展開 ︑. ︑. ︑. ︵41︶. が︑かかる消極的前提くo旨霧8怠窪としての近代的土地所有自体を︑今度は初めてその﹁生産関係﹂に照応する. ﹁意思関係﹂時近代的土地所有権として積極的論証的に措定ωo言窪してゆく︒このことは︑①一般の商品所有とし ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. め. ヤ. ヘ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ﹁意思関係﹂としての﹁所有権﹂として. ヤ. ての﹁私的所有権﹂が︑﹃資本論﹄冒頭﹁商品論﹂で︑資本家的商品範疇に照応する近代的所有として消極的に前提. ヤ. されつつも︑﹁価値形態論﹂︵一巻一章三節︶的展開を通じてはじめて﹁交換関係﹂ ヤ. ヤ. 措定されること︑②そしてまた︑賃労働者の市民的規範構造が︑本源的蓄積 コ一重の意味で自由な労働者﹂︵一巻ニ ︑. ︑. ︵41︶. 四章︶創設による﹁労働力の商品化﹂︵四章三節︶として前提とされつつも︑人口法則に基く﹁資本の蓄積過程﹂︵二三 ︵42︶. 章︶で︑はじめて同市民的法的主体性意識の恒常的成立の根拠が措定されること︑と同様の円環的論理関係にある︒. 一八五. ︵A︶ 差額地代1は︑﹁土地所有のないところから出発﹂︵大内力︶しなければならない︒むろん﹁一方で発達した 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(16) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 一八六. ヤ 資本主義︵KlA︶の存在︑他方で土地所有の非在﹂という仮定は著く﹁不自然﹂である︒だが差額地代︑正確には. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 差額地代に転化すべき潜在的地代としての超過利潤形成自体には﹁土地所有﹂は何ら関与せず︑これを後に顕在化す ︵43︶. ︵44︶. る消極的役割を演ずるにすぎない︒此処では土地所有の権能自体は︑むしろこれから具体的に論証すべきものとして. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. 捨象されていると言ってよい︒戦前以来の地代論論争の主流たる﹁土地生産物市場価値規定の限界原理説﹂︵櫛田民 ヤ ヤ 蔵・向坂逸郎・山田勝次郎等︶に関連して言えば︑優等地が全て耕作し尽くされ自由に拡張しえず︑より劣等地耕作. ヤ. ︑. ︑. ︑. ︵45︶. 所謂﹁市場価値の平均原理﹂の農業. 最劣等地産物の個別的価値によってその再生産のために社会的に必要な労働量が規定され︑社会的. に依存せねば社会的需要に応じえない︑という﹁土地の自然的制限性﹂の下での農産物市場価値規定は︑順次下向序 ヤ. 列的に︑限界地 ︑. 標準的生産力規定が行われることに基くのであり︑したがって資本所有の法則. ︵46︶. 土地の自然的差異に基く. 相対的剰余価値生産に於いても︑﹁強められた労働﹂に拠る特別剰余価. 部門での十全なる貫徹そのものが︑結果的に﹁限界原理﹂として機能し差額地代1を生じめるにすぎない︒一般工業 部門の生産力発展に伴う価値法則貫徹過程 ︑︑︑. 値としての一時的超過利潤が生じるのであるが︑農業部門では︑﹁独占されうる自然力﹂. ヤ. ち. ヤ. ﹁虚偽の社会的価値﹂としての恒常的超過利潤こそが︑価値法則 資本所有権そのものの帰結なのである︒それゆえ ヤ かかる超過利潤は資本所有から排除され︑資本外の所有に帰属せざるをえない︒即ち︑平均利潤形成機構の人格的旺. ︑︑. ︵47︶. 規範的表現としての﹁資本所有権の自由・絶対性﹂の完成自体が︑資本家による生産手段の所有から自然力 土地の. 所有を外的な権利関係として分出し措定する︒それゆえ差額地代1での﹁土地所有権﹂は︑まず優等地のみであり︑ その権能も資本所有権に従属する限りに留まる︒.
(17) ︵B︶. 同一資本という規定を外し︑優等地への差異的資本投下を問題にしても︑追加. ︵48︶ ﹁差額地代Hの基礎と出発点は⁝⁝与えられる各時点でのその運動に関する限りでも差額地代1である﹂. ︵マルクス︶︒差額地代1の同一面積. 投資の生産性が未だ最劣等地より高い場合︑土地生産物市場価格はなお最劣等地︵一次︶投資の個別生産価格によっ. て規定され︑したがって土地所有権は相変らず優等地にのみ成立するにすぎない︒即ち︑差額地代1の市場価格水準. をそのまま前提として収穫逓減的第二次〜投資の個別的生産価格との差が各々追加的地代化されるのみであり︑この. 最劣等地の差額地代取得権原H土地所有権の措定は︑当然︑既耕地︵優等地・最劣等地︶への最劣等地一次. 場合︑﹁土地の制限性﹂は最劣等地には作用せず︑﹁土地所有の権能﹂の措定は差額地代1と変わるところがないとい ってよい︒. ︵C︶. ヤ. ち. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 投資以下的集約投資によって惹起される︒未だマルクスは︑一部最劣等地への収穫逓増的追加投資の想定に基いて︑. ﹁所有権﹂が措定される訳ではない︒蓋し︑依然調整価. 最劣等地一次投資による市場生産価格規定←最劣等地追加投資の超過利潤実現←﹁最劣等地の所有権﹂を抽象しよう としているが︑かかる追加投資に直ちに﹁土地の制限性﹂. 格たる最劣等地第一次投資は必然的に未だ追加供給用未耕部分を残存せしめていなければならず︑此処に﹁土地の制. 限性﹂が無い以上︑同地の追加投資部分に﹁制限性﹂を語ることは背理だからである︒そもそも収穫逓増による超過. 利潤は技術改善による特別剰余価値であり︑したがって当該投資の普及に伴いやがて市場価格低下←超過利潤消滅に. 至るべぎものであり︑本来地代に凝結する性質のものではない︒マルクス﹁最劣等地差額地代論﹂は︑またぞろ﹁外. 一八七. 的前提﹂としての﹁土地所有の権能﹂を密輸入することで価格騰貴←超過利潤の単独固定を図るものであり︑肯首し 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(18) 一八八. 最劣等地﹁土地所有権﹂の措定は︑全て︑既耕地に生産性低下の追加投資が行. 早稲田法学会誌第三〇巻︶ 一九七九︶. ︵49︶. えない︒かくて差額地代の完成形態. われる場合に限られる︒もっともこの場合も︑市場生産価格は追加投資が平均利潤を獲得できる水準で規制され︑こ. の未耕部分が残存する追加投資分に直接﹁土地所有権﹂が措定される訳ではない︒だが逓減的追加投資を必然化せし. ヤ. ヤ. ヘ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. める︵それ以上の生産性を有する︶旧来の最劣等地︵一次投資分︶は︑﹁制限され独占された土地﹂として差額地代. Hが成立し︑これを媒介にして優等地←最劣等地全てに﹁資本家的生産の結果としての土地所有﹂がーしたがって ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 近代的土地所有権がーひとまず措定されるのである︒. ︵0︶ さて︑最劣等地に差額地代旺土地所有が措定されると︑﹁耕作される全ての土地に地代が生ずることを前提. ヤ. ヤ. ち. や. ヤ. ヤ. として︑これから耕作さるべき土地にも︑あらかじめ地代を要求しうる根拠が与えられ︑したがってそこにも土地所 ︵50︶ ︑ ︑ ︑ ︑ ︑ 有の存立の基礎が与えられる﹂︵大内力︶︒即ち︑差額地代の結果として措定の①自窪された土地所有が︑それ自体独. 立的権能として前提くo﹃窪ω8蔚9化され︑これを基礎に絶対地代論を展開するという︑﹁地代←土地所有﹂から. ﹁土地所有←地代﹂への近代的土地所有権の位相転換が可能になる︒限界地の新たな耕作圏への導入は︑優等地追加. 投資やより劣等なる土地耕作化に拠る差額地代を待たず︑つまり未耕部分残存の最劣等投資による市場生産価格調整 ヤ 土地所有権そのものに起因する投資制限の結果︑市場価格騰貴←地代発生を惹 ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. から独立に︑地主の無償投資拒否権原. ︵51︶. 起する︒即ち︑土地所有権は︑﹁資本が平均利潤として処理しうるような社会的剰余価値に対しても積極的に分与を ︵52︶. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑ ︑. 要求する﹂権能として現出する︒かかる絶対地代こそは︑﹁直接の生産者を土地から分離した代償を資本主義自身が. 支払うもの﹂︵宇野︶として︑労働力商品創出の半面として前提された近代的土地所有の権能を︑円環的に論証する.
(19) 最終規定をなす︑といってよい︒かくて﹁土地所有の独占﹂は︑︵農産物価値規定以上目他部門剰余価値を源泉とす. ち. ヘ. ヤ. ヤ. る地代をも包含しうるにしても︑︶基本的に︑農業内部の生産価格を超える剰余価値の︑利潤としての均等化阻止と. いう価値裏附を基礎に︑市場価格騰貴←地代創造を実現するのであり︑それは明らかに︑生産価格の法則としての価値 ︵53︶ 法則に一定の実体的根拠を持つ修正を齎す︒それゆえかかる価格騰貴は︑単に﹁限界地のみ﹂︵大内︶に留まらず︑ ︵胆 ︶. ヤ. ヤ. ヤ. 不可避的に限界地生産価格超過に対応する分だけ優等地差額地代をも増加せしめ︑一般的に生産物当り均一の絶対地 代強制に帰着することになる︒. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヘ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 近代. 此処に逐に︑資本の運動法則の自由に照応する﹁資本所有権闘土地利用権の絶対性﹂に外的に対立し︑むしろ逆に む. これを制約・修正するものとして︑﹁土地所有権の私的絶対性﹂の近代的形態の措定が可能になる︒1法的. ヤ. ヤ. ヤ. 的所有権は︑﹁あたかも生産物が︑資本及び資本の人格化に他ならぬ資本家において︑その生産物に対する自動的力. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 能となるのと同様に︑土地は︑土地所有者において人格化されて︑自動的力能として暴れまわり︑その産出をたすけ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. こうして確立された﹁私的﹂かつ﹁絶対的﹂な土地所有権は︑その地代を利子還元することで︑自らの土地. ヤ. ︵55︶ た生産物の分前を己が権利として要求する﹂︵マルクス︶︒. ︵匹︶. 価格を表示しつつ︑法理念としては︑労働生産物所有権と全く同一の﹁商品所有権﹂としての﹁観念性﹂を表現する︒. ヤ. ヤ. もっともマルクス利子生み資本論は︑産業資本の運動過程と無関係に︑貸付資本家が機能資本家に資本として機能し. ち. ヤ. ヤ. うる貨幣を直接貸付けるという︑単なる﹁貨幣の商品化﹂︵金貸資本の銀行資本への歴史的転化︶の想定の下に論じ. 一八九. られており︑必ずしも︑利子論によって資本主義的商品物神を完成せしめる三位一体的﹁意思関係 法的関係﹂の最 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(20) 早稲田法学 会 誌 第 三 〇 巻 ︵ 一 九 七 九 ︶. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. 一九〇. 分配関係の解明としての﹁土地所有ー地代﹂が︑﹁資本ー利潤﹂と共に︑等しく﹁それ自身利子. 終規定を付与するものになりえていない︒現行﹃資本論﹄の如き利潤←利子←地代という序列でなく︑資本家と土地. ち. 所有者の階級関係. 剰余価値の生産に直接役立たない遊休貨幣資本を産業資本家が. を生むもの﹂と見倣される一元的観念的︵商品︶所有権の仮構によって総括されてこそ︑資本家的生産関係の商品形 ︵56︶ 市民法規範的構図も最終的に析出されることになる︒. 態的隠蔽としての同市民社会的外観. 産業資本の循還過程︵資本の自由移動︶は︑利潤. 相互に融通すること︑即ち信用−商業信用に基く資金の全社会的配分により補填されて機構的に完成する︒遊休資本. 流通過程の代位︑流通費用を資本化し剰余価値. 利潤率均等化を媒介しつつ︑社会的に一般利子率が確定. の銀行への集中と各産業資本への貸付︵銀行信用制度︶により︑貨幣は資金として商品化されるが︑資金価格は需給. 関係を通じ産業資本蓄積過程に規定されるため︑景気循還. される︒この資本自由移動機構は︑他方︑個別資本の循還的特殊性. からの控除を利潤源泉とする商業資本を成立せしめるが︑これも︑信用制度−一般利子率に基く利子をまず齎すもの. とされ︑利潤の利子超過分は商業資本家の企業活動に基く企業者利得と見倣される︒︵商業︶利潤の利子と企業者利. ヤ. ヤ. ヤ. も. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. 得への分割は︑投下資本を費用価格化し剰余価値を利潤化する産業資本にも逆移入される︒即ち︑①企業者活動が全. ヤ. ち. ヤ. ち. ヤ. ヤ. て勤労として所得を生むというイデオ・ギーと︑②資本は単に財産の所有として利子を齎すというイデオロギーが︑. 全社会的かつ恒常的に現出する︒言うまでもなく︑◎前者は︑賃労働者﹁労働−賃金﹂形態と共に︑﹁自己労働に基 ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. や. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. く所有権﹂という小生産者的法理念を規範化し︑②他方︑後者﹁それ自身利子を生むものとしての資本﹂の成立は︑. 定期的に収入を齎すものは全て利子率により資本還元され﹁売買と相続に基く財産︵権︶﹂化される︑という資本家的.
(21) ヤ. ヤ. 私的・絶対的・観念的・財産権︶として. な法規範の物神観念を完成せしめる︒此処に︑差額地代←絶対地代として与えられた地代収入の﹁利子﹂化に拠る. ヤ. ヤ. ﹁土地所有﹂の﹁資本所有﹂化︵土地価格成立︶︑即ち︑﹁商品所有権﹂︵. ヤ. の土地所有権法理念の完成の根拠が与えられる︒. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︵57︶. ︑. ︑ ︑. ︑ ︑. ︑ ︑. いまや最終的に土地所有権︵六篇四六章︶こそが︑﹁商品所持者が⁝−共通な一つの意思行為を媒介にして⁝−互い. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ﹁土地の商品化﹂理念により︑所有権不可侵・契約. に相手を私的所有権者として認め合う﹂というさきの﹁交換過程﹂︵一篇二章︶の一般的私的所有権規定を逆に支える. む. ものとして抽出される︒所謂﹁三分割制﹂は︑﹁資本の商品化﹂. ︑. ︑. ︑. ヤ. ︑. ︑. ヤ. ︑. ︑. ヤ. ︑. ヤ. ︑. ︑. ヤ. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. 利用. ︵58︶. 当為化される︒. 独立的物権的財産の基礎として観念され︑農業資本家と土地所有者の土地賃貸借. 自由・人権尊重を基礎とする﹁自由・平等・所有・ベンサム﹂な﹁三位一体制﹂としてしか表象されない︒﹁土地﹂. 自体が﹁果実を 生 む 商 品 ﹂. ︑. 関係は︑機能資本家と貸付資本家︑即ち貨幣資本の借手と貸手の純粋に債権的関係としてのみ規範. 近代市民社会は︑﹁賃借物そのものの需・給の均衡と給付・反対給付間の等. まさに法的表象としては︑﹁借手は︑土地所有権者に対して︑他の各商品に対してと全く同様にある等価を支払う﹂. 近代的賃借権の原理的法構造. ︵マルクス︶債務者たるのみである︒. 2. かくて原理的に措定された資本主義. 一九一. 任意契約︶に基く所有. 価的均衡﹂を通じ︑﹁契約当事者双方・賃貸人賃借人双方の所有権11契約の自由﹂によって﹁契約関係の不断の動揺 ︵59︶. を通して用益関係の安定を確保していく﹂︵川村泰啓︶︒換言すれば︑自由な市場価格変動︵ 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(22) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 一九二. 権絶対性の承認を媒介してのみ︑債権的に構成された非所有者の利用権も自動的に保障され︑不断に法規範 勾8算. O①︒︒①9化される必然性は無い︒ ヤ ヤ. として再生産されてゆく︑ということであって︑少くとも︑資本所有者の土地利用権が︑用益物権的絶対性を享受す べきものとして一律的に強行法規. ︵A︶ ﹁物権化 近代化﹂論者によれば︑﹁一定の長期の期間の保障﹂と︑それに伴う契約存続期間内地主交替そ. 合法則性を保障する不可欠の要素である︑とされる︒だが原理的に﹁期間﹂は︑むしろ逆に︑﹁土地所有の. ︵60︶. の他用益権変動阻止のための﹁第三者対抗力附与﹂は︑絶対地代的﹁土地所有権の積極的機能﹂を封じ︑土地用益資本. の自由. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 作用による資本投下自由の制限﹂の問題としても考慮されねばならない︒例えば︑借地農業者は﹁期間﹂借地契約に. 基き︑第一次投資による平均利潤実現を前提に︑差額地代1ないし価格騰貴による絶対地代を新規地代として支払う︒. 利用権は︑﹁期間﹂により︑解約自由︵. 所有権による制限︶から解放され︑対抗力. 絶対的構成付与. さらに約定期間内は地主の意思と無関係に追加投資を行い︑その超過利潤は地代化されず彼の手中に入る︒此の限り. で土地賃借. として現出する︒だが同面積聴同技術水準追加投資は収穫逓減を必然化せしめ︑超過利潤減少←マイナス化さえ惹起. せずにはおかない︒即ち﹁期間﹂的賃借権の構成は︑各投資の一体化による地代減少を阻止し︑追加投資が単独で生. ち. ち. 契約更新の際には︑旧地代に第二次以降の個別的各超過利. ヤ. 産価格を実現する生産を限度に︑それ以上の追加の場合︑資本家に利潤からの控除をも強要する機構として︑一定の地. 代収入の安定的維持にも適合的たりうる︒また期間満了. ﹁期間﹂の問題を︑. 潤が合算され地代額引上げ︵増額地代︶が行われる︒かかる土地所有の機能によって︑資本は単独で超過利潤形成的 ︵61︶. 追加投資 農産物価格騰貴を強制されるのである︒むろん蓄積論への﹁土地所有の積極的介入﹂.
(23) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. マルクスのように﹁差額地代論﹂で論ずることは︑絶対地代の先取りとして疑問がある︒だが土地利用の権能は最終. 的に絶対地代を封じうるものでなく︑全く逆に絶対地代こそが﹁近代的土地所有権﹂の最終規定をなすことを想起す. ヤ. ヤ. れば︑法的表象としては︑この所有権絶対腔契約自由︵市場価格変動︶を通じ︑﹁契約期間﹂も極めて複雑に伸縮し. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︵62︶. 市民的意思関係のうちに想定される余地があるが︑これとて﹁土地所有−地代﹂︑﹁資本−利潤﹂. つつも︑一般的には比較的短期に帰結するというべきであろう︒確かに宅地その他若干の賃貸借に於いては﹁期間の. ︑. 長期化﹂が原理論. この点は︑﹁改良費償還請求権﹂あるいは﹁収去権﹂の地位とも密接な関連にある︒﹁︵一時的︶化学的土地 ︵63︶. 相方の共通の要求に基くものであり︑所有権闘契約自由の特殊的発現形態にすぎない︒ ︵B︶. 盆R?S宮巴︶は︑﹁期間﹂内はそれに基く生産力増進. 特別剰余価値を資本の所有に帰属せしめるが︑土地賃借. 改良︑施肥⁝⁝︵恒久的︶排水溝︑灌慨設備︑地均し︑農場建設﹂としての土地合体的固定資本︵所謂・土地資本 一. 資本家に︑恒久的改良に対する収去権・買取請求権︑. 契約期間終了と共に土地所有者の所有権に帰し︑以後の賃借に於いては︑その﹁利子﹂が﹁本来の地代﹂に附加され る︒それゆえ﹁近代化﹂論者によれば︑利用権消滅時で借地農. ﹁近代的土地所有﹂. 近代市民法の完成として認定される︒実際マルクスも︑﹁土地資本の利子﹂を﹁地代論の. 一時的土地資本に対する有益費償還請求権を認めることは︑土地に固定され︑以後利子取得権原化される︵非磨損的︶. 残留価値の先取り的回収. ⁝混濁の源泉をなす要素﹂とし︑歴史的に﹁合理的農業発展の障碍﹂と見倣して︑﹁地代﹂範疇 ︵64︶. の原理的解明から予め峻別・排除を宣言している︒だが土地資本が借地農業者によって投下される限り︑単に﹁利子﹂. 一九三. ではなく︑あくまで生産条件改善に拠る豊度変化睡収穫増大←利潤︵超過利潤︶を齎すのであり︑契約更新の際︑純 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(24) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶ ︵65︶. 一九四. 資本蓄積への影響︵例. 粋に差額地代︵1︶化さるべきものであろう︒この意味で﹁土地資本﹂は︑独立的に﹁資本−利子﹂化さるべきもので. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. や. 特別利潤の地代への固定︶の一例にすぎず︑したがって︑それが必ず﹁土地ー地. はなく︑﹁差額地代H﹂︑正確には絶対地代を基礎とする﹁土地所有の積極的機能﹂の追加投資 ち ヤ. えば︑改良投資←経過的超過利潤. 代﹂から分離され償還さるべきものとすることはできない︒むしろ︑資本家は契約自由の下で︑約定期間内に改良に. よる超過利潤が﹁土地資本﹂の元本プラス利子負担換算分を回収・凌駕しうる見込の時︑初めて資本を投ずると言う. ︵66︶. 農業恐慌と後進国穀物輸入による急激的農業利潤減少に起因する国内農業保護育成 社会法的. べきであろう︒実際︑歴史的にも改良費償還請求権︵8き艮ユ讐け︶等による補償が現実化するのは︑帝国主義段階 を招来する世界不況. ヤ. ヤ. ヤ. 救済政策の先取り的一環としてである︒. ヤ. ヤ. 所有権を安定的に認めることを常態とする資本主義. ︵C︶ さて︑賃借権の物権的構成それ自体の決定的要件は︑むしろ譲渡・転貸の自由の契機に於いて存する︒確か ヤ. に︑投下資本の物的形態︵労働生産物︶に土地と独立の商品性. の場合︑不可避的に土地利用権移転の自由が要請されるようにみえる︒﹁近代化﹂論では︑通例︑土地所有権と別個. 建物所有を目的とする土地利用を範型に︑農業に於いても︑賃借人交替を通じた農産物の商品性の保障 ︵67︶. 用益関係の移転安全化を必然化するもの︑とされてきた︒だが︑﹁物権化H亜所有権化﹂︵現代的物権化︶. の不動産商品 が︑賃借. 論者がいみじくも論駁している如く︑﹁譲渡・転貸の自由﹂は︑﹁利用権の強化・安定化﹂よりもむしろ︑﹁土地所有. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. 擬制資本. 者の独占的対物支配権の一部を割譲された支配権﹂として︑﹁土地の独占権原それ自体としての財産的価値化﹂を齋 ︵68︶. さざるをえない︒前述の如く︑近代的︵土地︶所有権は︑地代を一般利子率で逆算したブルジョア的表象.
(25) ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. としての土地価格の法範疇的表現であり︑元来︑物権は︑利用権. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. も. ヤ. ヤ. ヘ. ヤ. ヤ. ヤ. 使用価値︵人の物に対する関係︶としての経営で. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 賃借権自体の商品化の契機に於. 底地価格に基く更地. 商品化は︑原理論的な市民法規. ヤ. 権利金︵権原価値︶としての借地権価格・耕. 所有権︶からの交換価値乗り移り. 土地の使用価値的保障に於いてでなく︑むしろ︑商品. はなく︑商品︵交換価値︶支配︵n人間相互の関係性の物象化形態︶こそを基軸に据る︒したがって論理的には賃借権の. ヤ. 物権化の指標も︑期間・更新権.小作料据置の如き資本投下 ヤ. 土地処分︵価格︶の法的表現としての物権︵. いて論じられねばならない︒即ち︑とりもなおさず︑用益権買取代金. ヤ. 近代的土地所有権の下では想定しえない︒蓋し︑借地権・耕作権の価格は︑地代の利子化. 作権価格支配︵旺財産権化︶の問題そのものである︒だが︑かかる賃借権の物権化 範. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ︵完全所有権︶価格と︑それに対する﹁借地権割合﹂なるものを前提とする︒つまり所有権名義売買という具体的関. ヤ. ヤ. ﹁商品﹂化される以外にない︒言うまでもなく︑かかる所有権自体の商品化. 係を前提にして︑借地権自体︑銀行信用i利子生み資本による﹁抵当権設定の自由﹂を媒介に︑独立に転貸地代目 ヤ. ﹁利子を生むもの﹂として擬制資本化. に基く賃借権の商品化︑即ち物権化︵譲渡・転貸︶の歴史具体的実現は︑産業資本の株式形式化に拠り︑株券に対す. る配当を利子と見徴す資本の商品化︵有価証券売買︶の一般的成立に基礎を持つ﹁近代の変質﹂ ﹁帝国主義論﹂の対 ︵69︶. ヤ. ヤ. ︑. ︑. ︑. ︑ ︑︵70︶. 一九五. 経済政策の法制化の一環として︑所謂﹁社会法﹂的視角を踏まえ. ︑. 象である︒まさに︑﹁賃借権の物権化﹂は︑資本の所有と経営の分離←無記名債権の証券化 動産化と相即的に︑究極. ヤ. 的には金融資本による﹁帝国主義段階﹂の社会 ﹁段階論﹂的に分析されるより他ない︒. 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(26) 小. 結−我国土地法分析のためにー. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 四. 一九六. 三分割制︶の展開に対応する近代的土地所有の規範構造として︑﹁土地所有権に対. ﹁賃借権の物権化﹂︶を以ってその一般的標識と見倣す見解を批判し︑近代市民法そのものに. 我々は︑資本家 的 生 産 方 法 ︵ する利用権の優位﹂︵. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. 於ける﹁土地の商品化﹂理念︵所有権の自由・絶対性と利用権の債権的構成︶のもつ決定的意義を︑﹁経済原論に対. 応する原理としての法体系﹂の展開を通じて明らかにしてきた︒かかる課題はまた︑世界史的にみて帝国主義段階に ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. 初めて本源的蓄積を迎える後発資本主義国︑とりわけ我日本に於ける近代的土地所有権の成立とその発展過程分析. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ︵現状分析︶に︑一定の方法論的指標を供するはずである︒即ち︑協業←マニュファクチュア過程を経過することな. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. く︑始めから株式会社制度と共に機械制大工業を輸入して一挙的接木的に有機的構成の高度な産業資本を編成しえた. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ち. ヤ. ち. ヤ. ち. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ち. ヤ. め. ち. ち. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ヤ. ち. ヤ. ヤ. 資本主義的土地所有の形態に依拠せずと. ヤ. 我国に於いては︑工業資本の必要とする比較的少数の労働力商品 無産者の確保は︑耕作農民︵直接生産者︶と土地. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. ︑. 近代的土地所有権は︑地租改正・地券発行. ︑. 一地一主︵一物︸権︶. 大陸法的な﹁自由・絶対の私的土地所有権﹂構成のみを移入し︑法形式的な近代的土地所有だけを. ヤ. ︵生産手段︶を完全には分離することなく︑したがって農業の資本主義化. も︑単に・ーマ. ︵71︶. 実現すれば充分果しえた︒即ち︑我国の近代化. に基く慣行小作権の制限・耕作農民の入会権制限︵官民有区分強行︶等々に拠って︑過小地への過剰労働力滞溜・土 ︵72︶ 地所有権の耕作権に対する全面優位︑所謂﹁寄生地主制﹂的形態をとりつつ︑一応の確立をみたと言ってよい︒. かかる我国の近代的土地制度は︑第二次大戦後︑独占資本の全般的危機︵食糧危機・内外社会主義によるイデオ・.
(27) ギー的危機︶に基く国家独占資本主義的体制保存肪大衆民主主義的彌縫・宥和策推進を画期に︑反独占的所得再配分. 小資産保有政策としての農地改革︵一九四七〜五〇年︶←農地法制定︵五二年︶を必然化せしめる︒それは︑不在地. 主的小作地所有の禁止・小作人耕作権の強化・小作契約解約制限・小作料統制等という︑耕作権ないし自作農的土地. 所有舗利用の保護政策に始まり︑やがて農地流動化政策nインフレ下の﹁資産としての土地所有﹂との齪語・軋礫の ︵73︶. うちに破綻ー糊塗的改正立法を反復しつつ︑ジックザックした﹁金融資本の利害を超えた国家自身による資本主義の. 人口法則と労働法﹂︵早稲田. 組織化﹂政策踊現代法的編成が目論まれるのであるが︑かかる農地法の現状分析は別の機会に委ねねばならない︒. ①﹁価値形態論と交換過程論に於ける法の物神性﹂︵早大法研論集一七号︶︑②﹁価値法則. 法学会誌二九巻︶︒本稿はこの続編ーしたがって法学原理論・序説③1をなす︒. ︵−︶. ヤ. マルクス﹃剰余価値学説史﹄︵国民文庫︶四巻六七頁︒﹃資本論﹄︵M障E全集刊行委訳・大月︶三巻二分冊八〇四頁︒ セ. ︵2︶. 川島武宜﹃所有権法の理論﹄︵岩波︶に始まる﹁所有権法の原理論﹂的体系化に就いては︑日本土地法学会第六回シンポ. 望月礼二郎﹁謄本保有権の近代化﹂︵社会科学研究一一巻一︑二号︶︒. 甲斐道太郎﹃土地所有権の近代化﹄︵有斐閣︶第二部﹁英国における近代的土地所有権の成立過程﹂参照︒. ジウム﹁近代的土地所有権の基本間題﹂﹃土地問題双書六・近代的土地所有権・入浜権﹄所収を参照︒. む. ︵3︶. ︵4︶. 水本浩﹃借地借家法の基礎理論﹄︵一粒社︶一〇六頁︑二三七〜二三九頁︒②渡辺洋三﹁近代的土地所有権の法的構造﹂. ︵5︶ ︵6︶. リスト三三四号︶も参照︒. ︵社会科学研究一二巻一号︶︒なお︑③甲斐道太郎・前掲書第一部︑及び④同﹁近代的土地所有権の特質とその矛盾﹂︵ジュ. の方法的連関を. ①渡辺洋三﹃土地建物の法律制度︵上︶﹄︵東大出版会︶三篇以下︑②宮川澄﹃日本における近代的所有権の形成﹄︵御茶の. 一九七. ﹃講座現代法七巻・現代法と経済﹄の︑﹁一般理論﹂︵藤田勇︶と﹁産業資本と法の理論﹂︵甲斐道太郎︶. 水︶第三章以下参照︒. ︵7︶. ︵8︶. 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(28) む. む. む. ち. も. も. 早稲田法 学 会 誌 第 三 〇 巻 ︵ 一 九 七 九 ︶. 一九八. 巡り︑法学に於ける﹁原理論﹂と﹁段階論﹂の区別の必要性と不明晰性は夙に指摘されている処である︒︵例えば︑①柴垣. を参照︒. 市民革命. スターリン的﹁唯物史観﹂主義の石女化は︑覆い難い︒. の農業H土地問題﹂﹃西洋経済史講座N﹄所収︑③椎名重明﹁イギリス市民革命の土地変革﹂﹃近代化の経済的基礎﹄所収︑. 土地革命論争として︑例えば①堀江英一編﹃イギリス革命の研究﹄︵歴研叢書︶四章︑②竹内幹敏﹁市民革命. 紀末・シアにおける農業問題﹂を嗜矢とする彩しい論議があるが︑さしあたり渡辺寛﹃レ!ニンの農業理論﹄︵御茶の水︶. 所謂コぢの道﹂理論に就いては︑レーニン﹁一九〇五〜〇七年・βシア革命における社会民主党の農業綱領﹂︑﹁一九世. ﹁社会発展の法則﹂なるものに解消するエンゲルス. も む 報三八巻一二号︶︒︶しかしながら︑最近の﹃マルクス主義法学講座﹄︵例えば三︑四巻︶を見ても︑相変らず︑﹁原理論﹂を. 和夫﹁書評・現代法と経済﹂︵社会科学研究一八巻二号︶︑②稲本洋之助﹁資本主義法の歴史的分析に関する覚書﹂︵法律時. ︵9︶. ︵10︶. ロシァ型の歴史的構造﹂︵山田盛太郎編﹃変革期における地代範疇﹄︶︒なお︑思想的基盤として講座派. 大塚史学的近代主. これに符合する経済史研究として︑例えば︑北条功﹁東ドイッにおける﹃農民解放﹄﹂﹃西洋経済史講座W﹄︑﹁いわゆるプ. 等々の対立がある︒ ︵11︶. 義が垣間見えるが︑この史学方法論的批判として︑①大谷瑞郎﹃ブルジョア革命﹄︵御茶の水︶︑②同﹃経済史学批判﹄︵亜. 巻三号︑五 ・ 六 号 ︶ ︒. 椎名重明﹃近代的土地所有﹄︵東大出版会︶︑戒能通厚﹁近代イギリス土地相続法の社会的基礎e︑⇔﹂︵社会科学研究二三. の問題性﹂︵同五巻一︑二合併号︶︒なお︑③藤田勇﹁営業の自由と所有権観念﹂﹃資本主義法の形成と展開1﹄も参照︒. ①甲斐道太郎﹁近代的土地所有権の比較法的考察﹂︵早大比較法学四巻二号︶︑②稲本洋之助﹁プ・セスとしての近代化論. 紀書房︶︑③同﹃資本主義発展史論﹄︵有斐閣︶を挙ておく︒ ︵12︶. ︵13︶. ①戒能通厚﹁イギリス所有権法の総体的把握﹂︵社会科学の方法三九号︶︑②水本浩﹁所有権理論の進展﹂︵同四四号︶︑③. 椎名重明﹁近代的土地所有論﹂︵同四九号︶︑④浜林正夫﹁近代的土地所有をめぐる若干の問題﹂︵同五四号︶の論争を参照︒. ︵14︶. なお︑⑤戒能﹁イギリス土地法の方法的一考察﹂︵法律時報四六巻五号︶︑⑥同﹁近代的土地所有権をめぐって﹂︵季刊現代.
(29) ︵15︶. マルクス ﹃ 資 本 論 ﹄ 三 巻 二 分 冊 七 九 五 頁 ︒. 法七号︶も参照のこと︒. マルクス﹃資本論﹄三巻二分冊七九五頁︒. エンゲルス﹁資本論第三巻序文﹂﹃同﹄三巻一分冊一〇頁︒. 同﹃資本論﹄三巻二分冊一〇二四頁︒. 同﹃剰余価値学説史﹄前掲四巻二六六〜二六七頁︒. ︵16︶. ︵18︶. ︵17︶. ︵19︶. マルクス﹃資本論﹄三巻一分冊四八頁︒. 宇野弘蔵﹃岩波全書・経済原論﹄一七八頁︒なお︑同﹃経済政策論﹄︵著作集四巻︶四八〜七四頁参照︒ 同﹃資本論﹄三巻二分冊一〇三八頁︒. ︵20︶. 大内力﹃岩波全書・農業問題﹄二〇六〜一二〇頁︒なお︑同﹁価値法則と日本農業﹂﹃地代と土地所有﹄︵東大出版会︶所. ︵21︶. ︵22︶. ︵24︶. 同﹃資本論﹄三巻二分冊一〇三二頁︒. マルクス ﹃ 資 本 論 ﹄ 一 巻 二 分 冊 九 九 四 頁 ︒. 収︑鈴木鴻一郎﹁日本農業と価値法則﹂﹃日本農業と農業理論﹄︵御茶の水︶所収︑の論争も参考になる︒. ︵23︶. ︵25︶. 平田清明﹁物象化と地代範疇﹂﹃経済学と歴史認識﹄︵岩波︶は︑二の点︑分割地所有に於ける近代市民法規範定立の根拠. 源蓄的視座を欠いたまま︑氏一流の﹁市民社会←資本家社会転変論﹂. ︵26︶. を﹁分割地所有←資本家的土地所有移行﹂に二重写しさせる領有法則主義的偏向は蔽い難いが︒なお︑②﹃マルクス主義法. を追求する斬新な着眼であろう︒むろん労働力商品化. 学講座4﹄の﹁ブルジ・ア革命・資本主義の発展とブルジ・ア法体系の成立・展開﹂中の﹁フランス︵稲本洋之助︶﹂③岩. 強められた労働説﹂が︑主として日本共産党目講座派系列の戦略課題︵ 半封建. 大内力﹁価値法則と日本農業﹂︵前掲︶二五一〜二五七頁参照︒なお︑戦前以来の地代論論争の﹁虚偽の社会的価値源泉. 倉正博﹁物神性世界における法と経済﹂︵法学論叢九九巻1・3号︶にも︑同様の視点が存在する︒ ︵27︶. 一九九. 制論︶との連関から︑結果的に時限を異にする日本資本主義論争への﹁有効性﹂を含意して論議されたことは︑今日なお︑. 間題﹂に於 い て ︑ ﹁ 農 業 部 門 内 剰 余 価 値. 近代的土地所有権論と地代法則︵青木孝平︶.
(30) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 二〇〇. 講座派的な近代民主主義的実践性を﹁出生の秘密﹂とする法律学︵とりわけ︑法社会学・民主主義法学︶に於いて︑﹁科学﹂. 所謂﹁価値の生産価格への転形論争﹂については︑玉野井芳郎編﹃マルクス価格理論の再検討﹄︵青木︶参照︒. マルクス﹃資本論﹄一巻二分冊九七八頁等︒. と﹁イデオロギー﹂の関係につき教訓化さるべき意味を失っていない︒. ︵29︶. かかる地代論の﹁歴史主義﹂的解釈として︑①綿谷魁夫﹁地代論の展開と土地所有﹂﹃資本論と帝国主義論︵上︶﹄︵東大出. ︵28︶. ︵30︶. マルクス﹃資本論﹄三巻二分冊九八九頁〜︒なお︑﹁エンゲルス方式﹂批判として︑日高普﹃地代論研究﹄︵時潮社︶皿C. カウッキー﹁剰余価値学説史第二巻序文﹂︒. 値法則と地代﹄︵御茶の水︶も参照︒. 版会︶︑②椎名重明﹃近代的土地所有﹄︵同︶序章が挙げられる︒なお︑①硲正夫﹃農業経済学原理﹄︵日評︶︑②白川清﹃価. ︵組︶. 一五二〜一五三頁等︒. 一四一頁︒. 一〇六〜一〇七︑. 宇野編﹃資本論研究V利子・地代﹄︵筑摩︶四二五頁︒なおこの点の網羅的展開は︑②石井英郎﹁商品経済と私有制﹂︵思. 同﹃剰余価値学説史﹄四巻六七頁︒. マルクス﹃資本論﹄一巻二分冊一〇〇頁︒. 宇野弘蔵﹁社会主義と経済学﹂﹃著作集十巻﹄︵岩波︶︒大内力﹁地代と土地所有﹂﹃同名書﹄をさしあたり参照︒. 水本浩﹃借地借家法の基磯理論︵一粒社︶. 九九頁︒なお︑カウッキー﹃農業問題︵上︶﹄︵岩波文庫︶. レ:ニン﹁一九〇五〜一九〇七年の・シア革命における社会民主党の農業綱領﹂﹃レーニン全集﹄︵M L研訳︶一三巻二. 宇野弘蔵﹃経済原論︵下︶﹄︵岩波・旧版︶一二〇頁︒. を参照︒. ︵2 3︶. ︵33︶. ︵4 3︶. ︵35︶. ︵36︶. ︵37︶. ︵38︶. 一五頁︒. 大内力﹁資本主義と土地所有﹂︵季刊・社会科学のために一九七七年第三号︶二二〜一四頁︒なお︑②宇野﹁資本主義と. 宇野弘蔵﹁法律学への疑間﹂︵法律時報二七巻四号︶. 想四八五号︶③山本哲三﹁所有論としての経済学批判﹂﹃経済学批判4︵七八年︶﹄︵社会評論社︶もある︒. ︵39︶. ︵41︶. ︵40︶.
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