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西 ド イ ツ 法 律 文 献 の 調 べ 方
――基本文献概説——-
D r . Ralph Lansky 著 山 本 信 男 訳
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ー まえがき
この小論は,西ドイツの法律文献のうちの主なものを取り上げて,それらの概要 および使い方について略述したものである。 24の重要と思われる単行書,雑誌,お よび,法律文献の検索に必要な文献目録など,基本的な資料のみを取り上げている。 なお,その他少数ではあるが,上記以外の資料についても簡単に解説した。
この文献解説は,西ドイツの墓本的な法律文献の内容およびそれらの使い方につ いて概説したものであり,文字通り西ドイツ法律文献の入門篇ともいうべきもので ある。
殆んどすべての文献は,西ドイツ法に関するものであるが,中には,西ドイツで 発行された比較法および国際法に関する文献も含まれている。これらの文献は, ド イツ法を専攻していない学生や研究者にとって有用なものであろうと考えるからで ある。
2
法 源A 法 令 集
Bundesgesetzblatt (BGBl)は,西ドイツの公式法令集である (1949年から1680 年の間をカバーしている Bundesgesetzblattは3部に分かれており, 385枚から成
るマイクロフィッツュ版でも利用できる。 このマイクロフィッシュ版は,Bun‑
desanzeiger VerlagsgesellschaftとBeck社の協同製作によるものである。) 1949 年以降この公式法令集は, 西ドイツ司法省が編集し, BundesanzeigerVerlags・
gesellschaftから毎週発行されている。西ドイツ連邦法は,この Bundesgestz‑ blattで正式に公示される。この法令集は, 3つの部分から成っているが,現在は,
そのうちの2つの部分だけが刊行されている。法律および行政規則が第1部で,国 際条約,東ドイツとの条約,および,関税に関する規則が第2部となっている。第 3部は,Sammlung des Bundesrechtsで, 1958年から1963年にかけて刊行され たもので,当該期間のドイツ連邦法を体系的にまとめた法令集である。
‑ 1
「FundstellennachweisA & B」という標題のドイツ法の年刊索引が, Bun‑ desgesetzblattの補造版として発行されている。索引Aは,Bundesgesetzblattの 第1部および第3部に関するもので,索引Bが第2部をカバーしている。これらの 索引を使用すれば,法令および条約の所在,およびそれらの現状を知ることができ る。
Reichsgesetzblatt (RGB1)は, ドイツ帝国時代の公式法令集で,1871年から 1945年にかけて発行され,その後は,Bundesgesetzblattに引き継がれている(こ のReichsgesetzblattの225枚から成るマイクロフィ ッツュ版が, Beck社から発行 されている)。1945年から1948年の間は,連合国によるドイツ占領時代であるが,
この間の公式法令集である Amtsblattdes Kontrollrats in Deutschlandが,連 合国 (4ヵ国から成る) によってベルリソで発行されている。 (この法令集は英語,
仏語,ロシア語で発行されており,それぞれにドイツ語訳が付されている。内容は 連合国軍制定の布告,法令,規則から成っている)
また,西ドイツ各州の法令集も刊行されている。それぞれの州法令集の標題を北 から南に順に掲げると次の通りである。
Gesetz‑und Verordnungsblatt fiir Schleswig‑Holstein (1947年以降 Kiel で発行)
Gesetzblatt der Freien Hansestadt Bremen (1849年以降 Bremenで発行)
Hamburgisches Gesetz‑und Verordnungsblatt (1866年以降 Hamburgで 発行。 元 の 標 題は Gesetzsammlungder Freien und Hansestadt Ham‑
burg)
Niedersiichsisches Gesetz‑und Verordnungsblatt (1947年以降 Hannover で発行)
Gesetz‑ und Verordnungsblatt fiir Berlin (1945年以降 Berlinで発行。
元のクイトルは Verordnungsblattder Stadt Berlin)
Gesetz‑ und Verordnungsblatt fiir das Land Nordrhein‑Westfalen (North Rhine‑Westphalia) (1945年以降 Diisseldorfで発行。元のタイト ルは Mittelungs‑und Verordnungsblatt des Oberprasidenten der Nord‑ Rheinprovinz)
Gesetz‑und Verordnungsblatt fiir Land Rheinland‑Pfalz (Rheineland‑ Palatinate) (1947年以降 Koblenzで発行。元のクイトルは Verordnun‑
gsblatt der Landesregierung Rheinland‑Pfalz)
Amtsblatt des Saarlandes (1945年以降 Saarbriickenで発行。元のクイトル は,Amtsblattdes Regierungsprasidiums Saar)
Gesetz‑und Verordnungsblatt fiir Land Hessen (1945年以降 Wiesbaden で発行。元のタイトルはGesetz‑und Verordnungsblatt fiir Gross‑Hessen)
‑ 2 ‑
西ドイツ法律文献の関ぺ方
Gesetzblatt fiir Baden‑Wiirttemberg (1952年以降 Stuttgartで発行。元 のクイトルは Gesetzblattfor das stidwestdeutsche Bundesland。 以 後 Amtsblatt der Landesverwaltung Baden, Regierungsblatt der Regie・
rung Wtirtemberg‑Baden, Regierungsblatt for das Land Wtirtemberg‑ Hohenzollernとタイトルを変更)
Bayerisches Gesetz‑und Verordnungsblatt (Bavaria) (1818年以降Munich で発行。元のタイトルは Gesetzblattfor das Konigreich Baiern) ドイツの法令は,クイトルで引用される。長いタイトルは,立法府自身の手で簡 略化され略号が付されることが多い。例えば, Hessen州の大学に関する法律は,
完全なクイトルが Gesetztiber die Universitiiten des Landes Hessenであるが,
これが,Universitiitsgesetz(HUG)に簡略化されて使われている。立法府が,法 令集の中に簡略化したタイトルと略号を載せる場合が多い。引用に必要な場合には,
当該法令が登載されている法令集の最初のページと当該法令の公布日を,当該法令 の引用形に付加することにな っている。前述の Hessen州の大学に関する法律の 完全な引用形は,Universitiitsgesetzof June 6, 1978 (GVB1 for das Land Hessen I 1978 p. 348)である。もし法令集の発行年と当該法令の制定年が同じ場合には,
当該法令が登載されている法令集の発行年は省略してもよい。
B ルーズリーフ形式の資料
ドイツの法律家は,法令を調べる場合,通常,民間会社の発行している便判なル ーズリーフ形式の法令集を使う。(ドイツのルーズリーフ ・サービスはアメリカの CCH, P‑Hおよび BNAのIレーズリーフ ・サービスと同じである。)最もよく使わ れるのは DeutscheGesetzeで, これは,民法,刑法,および, 訴訟法をまとめた もので,創始者の名前をとって, Heinrich Schiinfelderと呼ばれている。 この Deutsche Gesetzeは,ドイツにおける代表的な法律出版社である Beck社から発 行されている。 また, CarlSartori us Iこよって創始され,Carl Sartoriusと通称 されている Verfassungs‑und V erwaltungsgesetzeという題名のルーズリーフ 式の資料が,同じBeck社から発行されている。この資料は, ドイツ連邦の恩法お
よび行政法をカバーしている。上記2つのルーズリーフのさしかえは,大体6ヵ月 毎におこなわれる。この2つのルーズリ ーフには,索引が完備しており,法令およ びそれぞれの条文を容易に検索できるようになっている。他にも個々のドイツ法お よび付属法を検索するのに便利なIレーズリーフ式の資料があるが,ここでは省略す る。
C 註 釈 書
ドイツ法の註釈書には,各条文のテキストと詳しい註釈が付いており,現行法を
調べるためには不可欠の文献である。註釈書には,法律実務用のものと,主として 学術研究用として作られているものがある。 ドイツ民法の註釈書である Biirgerli‑ ches Gesetzbuch (BGB)を例に挙げて次に述べる。
法律実務用として最もよく使われるBGBの註釈書はOttoPalandtで,創始者 の名前に因んで命名されている。毎年新しい版が Beck社 か ら 発 行 さ れ て い る
(最新版は第43版で1984tこBeck'scheKurz‑Kommentareの第7巻として Beck 社から発行されている)。その他の重要な実務用民法註釈書は次の通りである。
(1) Handkommentar zum Biirgerlichen Gesetzbuch (Walter Ermanが創 始したもので, 彼の名に因んで呼ばれている2巻本。 1981年 Aschendorff 社から 7版が発行されている)
(2) Hans Theodor SoergelとWolfgangSiebertの註釈書で8巻本。最新版 は,Kohlhammer社から刊行された第11版。
(3) ドイツ連邦最高裁判所のメソバーが編集している14巻本の註釈書。最新のタ イトルは DasBiirgerliches Gesetzbuchで第12版が Gruyter社から発行 されている。前のタイトルは Reichsgerichtsriitekommentar(RGRK) Kommentar zum Biirgerlichen Gesetzbuch (1978年以降 Schweitzer社と Gruyter社の協同出版で発行されている)は, もともと学術研究用として発行され ているもので, Juliusvon Staudingerの創始したものである。 25巻本で現在第12 版が発行されている。もう 1つの学術研究用の註釈書は,MiinchenerKommentar zum Biirgerlichen Gesetzbuchで, Kurt Rehmannと Franz‑J iirgen Sacker が編集し, 1984年以降 Beck社から発行されている(現在第2版)。 8巻本である が,そのうちの1巻がルーズリーフ形式で,補追版となっている。
ところで,ある註釈書を学術研究用と実務用に区別することは困難である。次に 掲げる Kommentarzum Biirgerlichen Gesetzbuchは, RudolfWassermann が編集してしるもので Alternativkommentareという一連のシリ ズ の 中 の1 冊である。この註釈書は, ドイソ民法の検索に新しい手段を提供しており,検索に 便利な註釈書である。上記のシリーズは, 1979年以来, Luchterhand社から6巻 本で発行されている。
本来,法律研究者および法律実務家は,それぞれ異なった意見を持ち,自己の考 え方を基に論争し合っているので,註釈書を使う場合にも, 1つだけの註釈書を使 用するだけでは不十分である。 ドイツ民法の重要な問題点を考え処理する場合には,
法律研究者および法律実務家は,出来るだけ多くの註釈書を参照すべきである。
D 翻 訳 書
ドイツ法の研究にはドイツ語の知識が必要であるが, ドイツ語の素養のない人の ために重要なドイツ法のよい翻訳書がいくつか出版されており,大変便利である。
西ドイツ法律文献の調ぺ方
Ian S. Forrester, Simon L. Gorenおよび Hans‑MichaelIlgenがBiirgerliches Gesetzbuchを翻訳している。
The German Civil Code (1975, North‑Holland) がその代表的なものであ る。この補追版が, 1982年に Rothman社から発行されている。
3 判 例
一般に, ドイツの判例は,先例拘束力という意味では,法源の1つとは考えられ ていない。しかしながら,判例,特に上級審の判例は,ドイツ法を考える場合に極 めて重要である。 Karlsruheにある ドイ ツ 憲 法 裁 判 所 (Bundesverfassungsgeri‑ cht)は,ドイツの憲法問題全般を取扱うが,各種の法令とドイツ連邦憲法(Grund‑
gesetz fiir die Bundesrepublik Deutschland. 文字通りドイツ連邦基本法と訳さ れている)との整合性の問題を取扱うのが大きな特徴である。法規範に関する判例 は拘束力を持っており,法としての強制力を持つ。 ドイツ連邦憲法裁判所の判決は,
Entscheidungen des Bundesverfassungsgerichts (BVerfGE)という判例集とし て公刊される (1952年以降 Mohr社から発行されている)
ドイツ連邦最高裁判所 (Bundesgerichtshof.BGHと略す)は,民事および刑事 々件を取扱う。その判決は,定期的にまとめられて,民事篇および刑事篇として発 行されている。民事判例は, Entscheidungendes Bundesgerichtshofes in Zivil・
sachen (BGHZ. 1951年以降 Heymann社から刊行されている)として, 刑事判例 は, Entscheidungendes Bundesgerichtshofes in Strafsachen (BGHSt. 1951年 以降同じく Heymann社から刊行されている)としてまとめられている。そのほ か,労働法,社会法,行政法,および,税法の各問題を取扱う最高裁判所があり, それぞれの判決をまとめた判例集が刊行されている(労働法関係の判例梨として,
Entscheidungen des Bundesarbeitsgerichts (BAGE). が1955年以降deGruyter 社から刊行されている。連邦社会法裁判所の判例集として Entschlidungendes Bundessozialgerichts (BSG E). がある。 1956年以降 Heymann社がら発行され
て い る 。 連 邦 行 政 法 裁 判 所 判 例 集 と し て Entscheidungen des Bundesverwal‑ tungsgerichts (BY erwG E)があり1955年から Heymann社から発行されている。
辿邦財政法裁判所の判例集は,Sammlungder Entscheidungen des Bundesfina・
nzhofs (BFHE)として1952年以降Stollfuss社から刊行されている)
4 学 説
A 法 律 雑 誌
ドイツで最 も よ く 読 ま れ て い る 法 律 雑 誌 は NeueJuristische Wochenschrift (NJW)である (1947年以降Beck社か発行されている)。 この雑誌の前誌として 1872年から1939年にかけて Juristische Wochenschrift (Legal Weekly)が発行
されており, Neue J uristische W ochenschrift vまこれを引継ぐ形で発行されてい るために, neue(new)という言葉が付け加えられた。 Juristische W ochenschrift の後誌である Nene J uristische W ochenschriftは,裁判所の判決,論文書評,
および,その他の法律情報を登載している。毎年2巻が発行されており,半年毎と 5年間の累放索引が刊行されてしる
。
Juristenze1tung(JZ. 1951年以降 Mohr社 から発行されている。本誌の前身は,1946年から1950年にかけて刊行されていた Deutsche Rechts‑Zeitschriftと Siiddeutsche J uristen‑Zeitung である)お よび Der Betriebs‑Berater (BB. 1946年以来 Verlagsgesellschaft Recht und Wirtschaftから発行されている)が,その他の法律雑誌の中では重要なものとし て挙げられる。B 法 学 辞 典 , 百 科 事典および,略語辞典
法学辞典の中では,Rechtsworterbuch(ドイツ語で辞典は W紅tcrbuch[Word book]であり, 法律は Recht[right]である。従って,法学辞典はドイツ語で Rechtsworterbuchである)が最も著名なもので,CarlCreifeldsが編集している。
この辞典の第7版が, 1983年Beck社から発行され,ドイツ法および国際法の全分 野にわたって約9000の法律用語を収録している。
1972年から, 9ヽソプルクにあるマックス ・プラソクの外国法および国際私法研 究所 (Maxplanck Institute for Foreign and International Private Law in Hamburg)が,国際法律学協会 (InternationalAssociation of Legal Science) の後援の下に,International Encyclopedia of Comparative Lawを編集してい る。この事典の各項目は,法学研究者で結成されている国際チームのメソバーによ って書かれる。この事典は,分冊形式で発行されており,後で合冊されたものに取 り替えられることになっている(最近この事典は, Mohr社と Nijhoff社の共同出 版という形をとっている。以前の出版社は, Oceana, Mouton, Sijthoffおよ び Noordhoffの各社である)。この事典は,完成のあかつきには17巻 本 に な る 予 定 で
あり,そのうちの約3分の1が,既に発行されている。
ハイデルベルクのマックス・プラソク国際法および外国公法研究所(MaxPlanck Institute for Foreign Public and Inernational Law)は,RudolfBernhardtの 主宰の下に, Encyclopediaof Public International Lawを分冊形式で発行して いる(この事典はアムステルダムとニューヨークにある NorthHolland社から発 行されている)将来12分冊となる予定であるが,そのうちの6分冊が現在までに刊 行されている。また, この事典はハードカバーで4巻本として将来発行される予定 である。
ド イ ツ 法 の 略 号 に つ い て の 文 献 と し て は Abkiirzungsverze1chnis der Re‑ chtsspracheがある。カールスルーニにある連邦最高裁判所の主任司 書 で あ る
西ドイツ法律文献の調ぺ方
Hildebert Kirchnerが, この略号辞典の使い方について執筆している。 1983年, ベルリソおよびニューヨークにある deGruyter社が,こ の 略 号 辞 典 の 第3版を 発行している。
C 体 系 書
英語で書かれたドイツ法の体系書があり,これらの文献は法律学の研究にと って 特に重要である。まず,E.J. Cohn編槃の Manualof German Lawがあげられ る。 これは長い伝統を持ち著名な体系書として知られている。 この Cohnの体系 書の第2版は, 1968年から1971年にかけて出版されたもので, BritishInstitute of International and Comparative Law とOceanaPublications社の協同出版であ
った。この体系書は2巻本でドイツの私法分野をカバーしている。すなわち商法,
国際私法,民事訴訟法,破産法,国籍法,および,東ドイツ家族法等である。
次に重要な体系書としては,NorbertHorn, Hein Kotz, および,HansLeserの共 著になる2巻本があげられる。この体系書は1982年オックスフォードのClarendon Pressから発行されている (3人の著者はいずれもドイツ法の教授である)。本書 のタイトルは, GermanPrivate and Commercial Law : An Introductionで Tony Weirが翻訳したものである。この体系害は, ロンドンでの現代ドイツ法の 講義を基にして執筆されたものである。本書は,民法および商法を中心として論述 されたものであるが,法学概論,法制史,憲法,司法制度,経済法,および,労働 法についても触れている。本書の巻末には,簡単なドイツ法文献目録が掲載されて 1,, る。
5 書誌 ・目録類
本章では,最初に単行書および雑誌の書誌・目録類を取り上げるが,これらは,
重要な法律文献の検索トゥールである。
A 概観および遡及的書誌・目録類
まず,最も包括的な書誌としては, Bibliographyof German Law in English and Germanがあげられる (1918年から1963年の間をカバーしているこの書誌は, カールスルーエにある C.F. Muller社から1964年 に 発 行 さ れ た 。 そ の 後1964‑ 1968, 1969‑1973, および, 1974‑1978のそれぞれ5年間をカバーする梁絞版が刊 行されている)。 ドイツ語のタイトルは,Bibliograpie des deutschen Rechts in englischer und deutscher Spracheである。これは, International Association of Legal Scienceの助力を得て, ドイツの法学研究者のグループが法律情報を収 集し,それを GermanAssociation of Comparative Lawが編集したものである。
本書の目的は,外国の法律家,特にドイツ法の調査・研究に携わっているイギリス
およびアメリカの法律家に,代表的なドイツ法文献を紹介し解説することである。
約13,000にのぽる単行書および雑誌が,本篇と3冊の補追版にリストア ップされ ている。本書は,西ドイツの法律文献は充分にカバーしているが,東ドイツのもの は不充分である。また本書には登載資科の重要度は示されておらず, ドイツ法の初 学者が,この文献目録によって何から勉強を始めるべきかを決めることは困難であ る。なお,この文献目録には,雑誌論文は載っていない。
次に,本書の構成であるが, まず主題によって分類し,次に著作形式(単行古,
雑誌等)による分類,最後に著者名のアルァペット順という仕組になっている。タ イトルに短い英語の注釈が付いているものもある。著者名索引および英語とドイツ 語による件名索引が巻末にあるが,補追版の第1分冊の分しか累積されていない。
Tiibingen大学の FritzBaur教授が,西ドイツ法について概説しており,これ をアメリカの大学教授 CourtlandH. Petersonが英語に翻訳している。
マックス ・プラソク研究所(ハ`ノプルク)の Dr.Ralph Lanskyが, 西ドイツ の簡潔な選択的文献目録を作成している。それは, GrundliteraturRecht ‑Basic Literature on Lawである。 この第1版は, Arbeitshefte der Arbeitsgemem‑
schaft fiir juristisches Bibliotheks‑und Dokumentationswesen (Working Papers of the German Law Librarians Association)の第1号として1974年に刊 行されている。第2版は,Beck社から1978年に発行されているが,この補辿がIn‑ ternational Journal of Legal Information (International Journal of Law Libraryの後誌)に登賊されている。また,第3版が1984年に Schweitzer社から 刊行されている。この文献目録の本体と索引は, ドイツ語と英語で書かれており, 875の代表的な単行書および雑誌がリストアップされている。なお,重要と思われ る資料には星印が付いている。
ドイツ法文献の英語版があれば, ドイツ語が分らなくともドイツ法の研究もある 程度は出来るかも知れない。選択的文献目録である Booksin English on the Law of the Federal Republic of Germany v,ま Dr.Ralph Lanskyが編集した
もので,英語は分るがドイツ語は分らない法律家にと って有用な文献目録である。
本書は, Arbeitshefteder Arbeitsgemeinschaft fiir juristisches Bibliotheks‑ und Dokumentationswesen (Working Papers of the German Law Librarians Association)の第4号として, 1979年に発行されている。 1960年から1979年の間 に発行された英語で書かれた137の単行書および雑誌がリストアップされている。 この文献目録は大きく主題別に分類され,更に次のように細分類されている。すな
わち,(a)書誌・目録類 (b)法令 (c)判例 (cl)体系書• その他 に細区分されている。
この文献目録の「はしがき」には,ドイツ法文献のあらましについての解説があり,
特に英語で書かれたドイツ法文献について重点的に解説してある。本書の巻末には
, 著者名,編集者名,翻訳者名,書名(誌名), および,検索用キーワードの各索引
‑ 8‑
西ドイツ法律文献の澗べ方
が,英語とドイツ語の双方で付けられている。なお,本書の補追が, Internat10nal Journal of Legal Informationの第10巻 (1982)209頁に掲載されている。
その他, Dr.Ralph Lanskyの編集した文献目録に, Handbuchder Bibliogra‑ phien zum Recht der Entwicklungsliinder ‑ Handbook of Bibliographies on Law in the Developing Countriesがある (1981年に Klostermann社から 発行されている。なお1977年に発行された本書の草稿版がある)。本書には,単行書 および雑誌論文約1400点が註釈付でリストアップされており,これらは先進国の法 律に関する関係文献である。各文献は,まず地域別と国別に,次に分野別に分類さ れている。この文献目録には,ドイツ語と英語で,各文献の梗慨と索引が付けられ ている。 Dr.Lanskyは,近い将来,Handbuchder juristischen Bibliographien
‑ Handbook of Legal Bibliogrphiesを出版することにしている(第1巻は,
General Part and Europeという標題で出版する予定で, 第2巻はヨーロッパ以 外 の 大 陸 第 3巻は補追および索引とする計画である)。
西ドイツ法の法学文献検索についての最新の文献としては, 今の所 Wiefinde ich juristische Literatur (How to Find Legal Literature)が唯一のものである。
本書は,ドイツ語で書かれており,著者は, Raimund‑EkkehardWalterとFrank Heidtmannである。 Raimund‑EkkehardWalter f,ま ベルリソにある Prussian Cultural Foundation図書館のローライプラリアソで, 1980年から1982年の間,
German Law Librarians Associationの会長を勤めていた人である。また, Frank Heidtmannは, ベルリン自由大学の図書館学教授である。本書は, Orientierun‑ gshilfen (Orientation Aids)、ンリーズの第7巻として刊行されたもので, ドイツ 法文献の検索法および法律図書館の使い方について体系的な説明をしている文献で ある (1980年BerlinVerlagから発行された。第2版が現在準備中である)。
ハンブルクのマックス・プランク研究所図書館の副館長である JurgenChristoph Giidanがこの分野のもう 1つの文献である Rechtswissenschaft(Law)を現在執 筆中である。一連のシリーズである Wege zur Fachliteratur (Guide to Pro・ fessional Literature)の1冊であるこの法学文献案内は,各分野の法律を簡潔に説 明し解説付の文献を賊せている。 G6danは,彼の著書である Dieinternationalen allgemein‑juristischen Fachbibliographien (1975年Klostermann社から発行さ れ,現在英語の改訂版が準備中である)によって,広くローライプラリアンの間に 既に知られている。本書は,代表的な国際的な法学文献のいくつかを評価したもの で, 1975年, Zeitschriftfiir Bibliothekswesen und Bibliographieの特別号と して発行されたものである。
B 逐次刊行物の書誌
1969年に発行された Zeitschriftenverzeichnisder juristischen Max‑Planck‑
Institute (ZVJM)は1969年当時存在した法律関係のマ ックス ・プ ラ ソ ク 研 究 所 が所蔵していた雑誌の総合目録である(法律関係のマックス ・プラソク研究所には,
①外国公法および国際法のハイデルペルク ・マックス ・プラソク研究所 ②外国法 および国際法のハンプルク ・マックス ・プラソク研究所 ③ョーロ ッパ法制史のフ ラソクフルト ・マックス ・プラソク研究所
c
外国の刊法および国際刑法のフライ プルク・マックス ・プラソク研究所 ◎)外国および国際特許法,著作権法,不正競 争防止法のミ ュソヘソ・マックス・プランク研究所。 1976年,外国および国際社会 法分野を担当するマックス ・ブラソク研究所がミュンヘソに設立された)。 この総 合目録は,ハンプルク ・マックス・プラソク研究所の前図書館長 HansPeter des Coudresが編集したもので,ミュソヘソにあるマックス・プラソク協会から発行さ れている。この ZVJMは現在ではアップ・トゥ ・デイトになってはいないが,今 でもドイツのローライプラリアソに有用なトゥールとして使われている。本書の改 訂版の製作が現在検討されており, コソピュークーを使ったデータ処理の方法によって法律関係の6つのマックス ・プランク研究所,西ドイツのその他のローライプ ラリーおよび, ローライプラリー以外の図書館が所蔵している逐次刊行物の総合目 録を作 成する計画がある。
ZVJMが発行された後,西ベルリンにある PrussianCultural Foundationの 法律資料部は Verzeichnis rechtswissenschaftlicher Zeitschriften und Seiten (VRZS. Union List of Legal Serials)というクイトルの新しい総合目録を作 成
した。(このユニオソリストは Saur社から発行されている)。 1978年に発行された 初版は,ZVJMの補辿版の役目を果した。第2版は収録範囲も広くなり,198~
に2巻本として発行されている。
Kurt Schwerinは,妻と協力して A Bibliography of German Language Legal Monograph Seriesを出版した (1978年 VerlagDokumentation⑮ aur〕 が彼の編集したものを発行した。 Schwerinはノースウエスタソ大学の名替教授で,
前法律図書館長である。彼はドイツから追放された人物で,そのバックグラウソド のために,長年にわたってドイツ法を教えていた)。この文献目録は, 1971年現在 で使うことのできる文献を収録しており,同時に東西両ドイツ,オーストリアおよ びスイスで発行された250にのぼるドイツ語で書かれたモノグラフシリ ーズをリス トアップしている。著者名索引およびドイツ語と英語による件名索引, 、ンリーズ名 索引,および,出版社名索引が巻末に付されている。
c
継続刊行される書誌西ドイツで発行された最も重要な文献目録は,Karlsruher J uristische Biblio‑ graphy (KJB)である (KJBは1965年以来 Beck社から発行されている月刊誌で, そのタイトルは,西ドイツ法に占める Karlsruhe市の重要性からきている。西ド
西ドイツ法律文献の調ぺ方
イツの南西部にある Karlsruhe市には,連邦最高裁判所および述邦憲法裁判所の 2つが置かれており,「法の住みか」と呼ばれている。
KJBは,連邦憲法裁判所図書館の Hildebert Mackert と連邦憲法裁判所の Franz Schneider (1970年以降編集主幹)の2人によって編集されている。 KJBは,
ドイツ語と英語の両方で発行されており,ドイツ法についての国際的な文献目録と されている。この文献目録は,連邦憲法裁判所図書館および連邦最高裁判所図書館 が継続的に受入れている資料を基に作られている。殆んどすべてのドイツの法律文 献と外国で出版された法律文献のうち若干のものが収録されており,その数は,単 行書 (KJBに収録されている単行害のあるものは,Neue J uristische W ochen‑ schrift (NJW)にも収録されているが,その配列順は異なっている)および論文を 含めて1年間に約2万クイトルにのぽる。各文献は主題別に配列されており,妓新 版では約750クイトルの逐次刊行物から収録されている。著者名および書名索引が,
件名索引とともに毎年累積され,年間版の巻末に付けられている。その他,著者名,
書名,および,件名索引が5年毎に累積される (FalkoL. Ritter編梨による1965 年から1970年にかけての5年間の呆戟索引が作られている。また,1971年から1975 年の累積索引は1976年から1980年にかけてドイツローライプラリアソ協会々長であ
った RenateBellmannの編集である)。
1950年 以 降 Neue Juristische Wochenschrift (Fundhefteは,元は NJW‑
Fundhefteというクイトルであった。 最近の版では NJWという前監語が省略さ れている)の姉妹篇として,FundhefteがBech社から発行されている。 Fund‑ hefteは,次の6つの法律分野についての年問の注釈付書誌である。すなわち,
(1) 刑法 (4) 賠慣法
(2)私法 (5) 労働法および社会法 (3) 公法 (6) 税 法
なお,「刑法」と「賠償法」の部は,現在刊行が中止されている。 この文献目録 には,判決とその梗慨,雑誌論文,および,単行書が掲載されており,各文献が法 律の条文毎に列されている。
Modern Law and Societyが,1968年以降 , 年2回 Institutefor Scientific Co‑operation (在テュ ービソゲソ)から発行されている。これは,GermanStudies の第2部として刊行されている。 ModernLaw and Societyは,法律学,政治学,
および,社会学に関する重要なドイツ語文献情報を,英語を解読する人達に伝える ことを目的として作られたものである。各号には,書評,および,最近刊行された 図書や雑誌論文の中から重要と思われる文献が登載されている。
文献目録ではないが, Lawand Stateは, ModernLaw and Stateと同じよ うな目的を持っている雑誌である。この雑誌は,Modern Law and Stateと発行 所は同じで半年刊で発行されている。本誌には,ドイツの法律学,政治学,および,
社会学に関するいくつかの文献の英訳による解説が登載されている。
D 記念論文集の書誌
著名な学者や団体の業績を記念して,記念論文集を刊行することは, ドイツ特有 の伝統である。記念論文集は他の国々でも刊行されるが,ドイツのように多くはな い。HemutDau (ベルリンにある連邦行政裁判所の図書館およびドクメンテー、ン
ョンセンクーの館長で, 1974年から1976年までドイツ法律図書館員協会の会長を勤 めた)が,非常に便利な文献目録であるBibliographiejuristischer Festschriften und Festschriftenbeitrage (Bibliography of Legal Festschriften : Titles and Contents)を編集している。この文献目録は, ドイツ,オーストリア,および,ス イスの法律関係の記念論文集を収録している。 1864年以来現在まで,5冊刊行され ている (1945年から1961年間をカバーする第1版は, 1962年に C.F. Muller社か ら発行されている。最新版は, Berlin Verlag社から社行されており, 5冊とも Berlin Verlag社から入手できる)。
1967年から1974年の間をカバーしている第3版からは,2ヵ国語で書かれている。
内容は4つの部分から成っており, Part Aは被記念者である個人名または団体名 のアルファベット順に配列されている。 PartBは 個々の論文をドイツ語の件名 のアルファベット順にリストアップしたものであり,Part Cは 索 引 で,著 者 名
(個人または団体),地域名,および,件名のそれぞれの索引から成っている。そし て,PartDは補追である。
5巻から成るこの文献目録は,約1000の記念論文集を収録しており,登載されて いる論文集の数は,約14,000である。これらの記念論文集は, ドイツ,オーストリ ア,および,スイスの各国で発行されたものであるが,個々の論文の内容が, これ らの国々の法律問題に限定されている訳ではない。
E 特定の法律問題に関する書誌
ここでは,特定の法律分野を取扱っている書誌を取り上げる。以下に挙げる書誌 はいずれも,法律関係のマックス ・プランク研究所が発行しているもので,国際的 に見ても重要な文献目録である。
1973年以来,フラソクフルトにあるマックス ・プラソクヨーロッパ法制史研究所 は, Beck社の援助の下に, Handbuchder Quellen und Lireratur der neueren europaischen Privatrechtsgeschichte (Handbook on the Sources and Litera‑ ture Relating to the Modern History of Private Law in Continental Europe) を発行している。本書の執鉦者の多くは当研究所のメンバーで,当研究所の名誉所 長である HelmutCoingが編集責任者となっている。 このハンドプックは6巻本 の予定で,そのうち5巻は既刊である。第2巻は西歴1100年から始まり,最終巻は
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西ドイツ法律文献の関ぺ方
1914年で終ることになっている。本書は, ョーロ・ノパおよびヨーロ ッパ以外の私法 研究にとって不可欠の文献である。
また, 2巻から成る刑法関係の文献についてのハ ノドプックである Quellenund Schrifttum des Strafrechtsは フ―フイフルクのマックス ・プランク外国およぴ 国際刑法研究所によって編集されている (1972年から1980年まで Beck社から発 行されている)。当研究所の名榜所長である Hans‑HeinrichJescheckと Saar‑ briicken大学図書館長 KlausH. A. Lofflerが編集責任者となっている。
第1巻は,ョーロッパ各国の刑法一般および刑法の特殊分野に関する図書資料を 収録している。第2巻は, ョーロッパ以外の国々の刑法関係資料をとりあげている。
登載の仕方は,第1巻および第2巻とも,初めに国別に,ついで次のような6つの グループに分けて掲載されている。
(1) 刑法関係法令 (4) 判例 (2)刑事訴訟法関係法令 (5) 雑 誌 (3) 刑罰関係法令 (6) 各種文献目録
1975年以来,ハイデルベルクのマックス ・プラソク外国公法・国際法研究所が,
Public International Law: A Current Bibliography of Articles (発行はベル リソとニューヨークの Springer社)を編集している。この文献目録は, 1年に2 回発行されており,ハイデルベルクのマックス ・プランク外国公法・国際法研究所 が収集している約1000タイトルの雑誌に収録される論文の評価を定期的に行なって いる。見出し語は英語であるが,分類方法については, ドイツ語,フラ`ノス語,ぉ よび,スペイン語でも説明されている。 各論文は,国際公法の26のテーマに分頬さ れている。それぞれの号には,著者名および件名索引が付いており,それぞれの年 の第2号には,累椴索引が付けられる。第2巻 (1976年)から第6巻 (1980年)ま での合冊された文献目録が,1982年に発行された(コソヒ゜ュークー処理上の問題か
ら,第1巻を収録することができなかった)。
また,ハソプルクのマックス ・プラソク外国 ・国際私法研究所は,主な法律分野 の雑誌論文を収録した文献目録(英,独の2ヵ国語による)を発行している。そのタ イトルは, Aufsatzdokumentationzur Privatrechtsvergleichung, Privatrechts‑ vereinheitlichung und zum Internationalen Privatrecht (Bibliography of Articles on Comparative Law, Unification of Private Law, and on Private Law, and on Private International Law)である。最初に, 1968年から1972年の 間をカバーする上記の文献目録が, 1975年に Mohr社から発行された。 この巻に 続いて,毎年マ ックス ・プランク研究所自体から年刊版が発行されている。この文 献目録は,編集の人手の問題および財政上の問題から,1979年を最後に発行が中止
された。
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6 結語あとがき
西ドイツ連邦の法律文献を調べるための基本文献のいくつかを取りあげて,その あらましを述べた。更に詳細に調べたい場合は,前述した文献目録およびその他の カレソトな文献目録を手がかりにして検索すればよい。しかしながら,印刷資料だ けが, ドイツ法文献を検索する唯一の方法ではない。大学の諧義や外国における調 査研究も文献検索の対象となりうる。他の国々の法律制度を比較研究することは,
自国の法律制度をより深く理解するのに役立つし,国際的な相互協力にもつながる であろう。また同時に, 自国の法律問題を解決するためのより広い視野を挫うこと にもなるであろう。
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