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法律事務所 H のグローバル・マーケティング戦略

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Academic year: 2022

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(1)法律事務所 H のグローバル・マーケティング戦略 ビジネス専攻・MBA(全日制)コース 35092018-9 朴 寅東( Park In dong) 〔研究の背景と目的〕 韓国の法律事務所は、10 年余り前までをみても、それなりの既 得権を享受しつつ安定した収益を得ることができた。しかし、環境 は変わり始めた。まず、司法試験の合格者数の増加によって弁護士 1 人当たりの処理し得る事件の件数が徐々に減っていき、安定した 収益を得るのがだんだんと難しくなってきた。次に、クライアント である企業のグローバル化に伴って、法律事務所の法律サービスも グローバル化・多様化・専門化を迫られることになった。特に、法 律サービス市場が開放され、グローバル化・専門化された欧米の大 手ローファームが国内法律サービス市場に侵入するようになると、 国内のローファームないし個人事務所はますます苦しい状況に置 かれることになるのが明白であろう。 難しい環境の変化に対していかに対処すべきであろうか。これは 韓国の法律事務所としては死活問題であるといわざるを得ない。1 987 年から段階的に法律サービス市場を開放してきた日本の場合 は韓国と多少異なる面がない訳でもないが、今後日本の弁護士や日 本の法律事務所が変わらなければならないという点においては韓 国と似ているといえる。 筆者が所属している韓国のローファームである法務法人(有)和友 (以下、 「法律事務所 H」という)は、2007 年 4 月に海外事務所とし ては初めて日本事務所を開設し、筆者は日本事務所の代表として日 本で外国法事務弁護士として活動している。法律事務所 H が日本 事務所を開設した理由は、上記にて検討した外部環境の変化により 積極的に対応するためであった。したがって、日本事務所は法律事 務所 H の海外展開戦略の前哨基地としての意味も有しているとい える。しかし、日本事務所の現実はそれほど甘いものではなかった。 様々な試行錯誤を経ながら日本の法律サービス市場を開拓しよう と努力してきたが、未だに「これ」といえる明確な戦略を見い出せ ずにいるというのが率直な自己診断である。 このような背景の下で、日本の法律サービス市場も海外市場の一 つとみなして、日本市場を含めた法律事務所 H の海外戦略をマー ケティングの観点からみつめることが本研究の目的である。. 主査. 永井 猛 教授. 法律事務所 H を中心に」、最後に、「法律事務所のグローバル化に 対する制約点及び問題点について」は第 5 章で整理する。. 〔結論〕 本研究、特に欧米のグローバル・ローファームの先例及び戦略か ら学んだことは、法律事務所のグローバル・マーケティング戦略と いっても結局は顧客満足のための戦略の一つであるということで ある。そこで、本研究は法律事務所の顧客満足のための戦略の一環 としてのグローバル・マーケティング戦略という切り口に立脚して 議論することにした。 まず、法律事務所に対する顧客のロイヤルティを規定する主な要 因を整理した。それが、専門性要因、マーケティング要因、コミュ ニケーション要因、公共的要因である。そして、クライアントによ って、事案の内容によって、上記の主要要因の重要度が変わるのは 明らかであるから、クライアントを企業・個人、外国・国内に分け、 案件を国内・グローバル案件、一般・専門事案に分けて、各場合、 上記の主要要因の項目中、いかなる項目が重要な作用をするか検討 した。 その後、法律事務所 H として、各主要要因の各項目にいかに対 処すべきかを検討した。その結果に基づいて、法律事務所 H のグ ローバル・マーケティング戦略として、他の事務所との差別化がで きる戦略を考察した。. 〔今後の課題〕 本研究では、法律事務所に対する顧客満足戦略について検討しな がらも、顧客を対象としたアンケート調査などによる具体的実証・ 検討作業を行うことができず、筆者のこれまでの弁護士としての経 験、日本事務所の経営の経験などに基づいて、自分なりの結論を下 すほかなかったという点が非常に残念であった。法律事務所に対す る顧客のロイヤルティを規定する主要要因がどのように顧客ロイ ヤルティとして現実化するのかという構造化作業なくしては具体 的な戦略樹立は限界があるので、本研究は未だ未完成段階にあると いうことを是認せざるを得ない。. 〔研究の方法と構成〕 本研究は、まずマーケティングに関するテキストなどの文献を参 照して、法律サービス市場の概念と特性について検討し、グローバ ル化という環境の変化に従って法律サービス市場はどのように変 化していくかを診断する。また、現在の状況に対する診断によって、 日本と韓国の法律サービス市場の現在及び今後の状況を検討し、法 律事務所 H の現在の状況を検討する。その後、先駆ける欧米のグ ローバル・ローファームの先例及び戦略を文献調査及びインタビュ ー調査方法などを通じて再び整理し、これらのローファームが駆使 してきたグローバル・マーケティング戦略から法律事務所 H が学 ぶべき点は何であるかを確認する。上記のような現象分析と先行事 例の調査・分析を通じて、グローバル化時代に法律事務所 H に要 求されるマーケティング戦略を顧客満足戦略という観点から検討、 整理する。最後に、法律事務所のグローバル化に対する制約点と問 題点を再び整理しようと思う。 よって、本研究の構成は、まず、外部環境の変化及び現在の状況 分析として第 1 章「法律サービス市場とグローバル化による環境の 変化」 、第 2 章「日本と韓国の法律事務所の現象と今後の予想」、そ の後、先行研究及び先例紹介として第 3 章「グローバルマーケティ ング戦略の先行研究-欧米法律事務所の海外戦略事例を中心に」、 法律事務所 H に要求されるマーケティング戦略については第 4 章 「グローバル化時代における法律事務所のマーケティング戦略-. [主要参考文献] ・木南直樹、 「欧米法律事務所のグローバル化と日本の弁護士」 『人 権と正義』2009 年 10 月号。 ・大韓弁護士協会国際課編「国内法務法人海外進出現況‐2010.5. 現在」 。 ・永井猛『富と知性のマーケティング』2010 年、有限会社五絃舎。 ・日本弁護士連合会編 『弁護士白書』2008 年版。 ・日本弁護士連合会編 『弁護士白書』2009 年版。 ・Philip Kotler、Kevin Lane Keller(月谷真紀訳)『Marketing Management(第 12 版) 』2009 年、株式会社ピアソン・エデュ ケーション。 ・マイケル・A・ヒット外 2 人(久原正治、横山寛美監訳)『戦略経 営論』2010 年、センゲージラーニング株式会社。 ・吉川精一、 「英国における弁護士の二極化と弁護士自治の弱体化」 『人権と正義』2009 年 10 月号。 ・『日本経済新聞』2010 年 10 月 18 日。 ・「日本企業のグローバル案件を担う法律事務所」『日経ビジネス』 2010 年 12 月 20・27 日。 ・『法律新聞』2010 年 10 月 11 日。 ・「Legal Services 2009」IFSL Research, February 2009。 ・「Legal Business」July/August 2009。.

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