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平 成 16年 度 土 地 に 関 す る 動 向

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(1)

平 成 16年 度 土 地 に 関 す る 動 向

平成 17年 度 土 地 に 関 す る 基 本 的 施 策

要旨

(2)

「平成16年度土地に関する動向」及び「平成17年度土地に関する基本的施策」は、土 地基本法(平成元年法律第84号)第10条第1項及び第2項の規定に基づき作成するもので ある。

(3)

目 次

1

「平成16年度土地に関する動向」………

第1部 土地に関する動向

第1章 社会経済の変化と適正な土地利用のための課題………

1

第1節 土地市場における構造変化の進展………‥……

1

第2節 最近の土地市場の動き………

9

第3節 人口構造の変化と土地利用………

10

第4節 魅力ある地域づくりと土地利用………

11

第5節 適正な土地利用の実現のための課題と取組………

12

第2章 土地に関する動向………

15

第1節 土地利用の動向………

15

第2節 土地所有・取引の動向………

15

17 16 16

第3節 平成 年地価公示に見る平成 年の地価動向について………

16 第2部 土地に関して講じた基本的施策………

17

「平成17年度土地に関する基本的施策」………

(4)

「平成16年度土地に関する動向」

第1部 土地に関する動向

第1章 社会経済の変化と適正な土地利用のための課題

地価は、全国平均で14年連続して下落しているが、東京圏では、東京都区部を中心とし て下げ止まりの傾向が一層強まりながらより広がりを見せ、また、大阪圏・名古屋圏、札 幌市・福岡市でも下げ止まりの傾向が広がりを見せ始めた。中でも、三大都市圏において は、都心その他の一部地域で地価動向の変化が鮮明になった。また、土地市場を取り巻く 我が国の社会経済状況は、近年、構造的に大きく変化しつつある。

このような状況の中、土地市場は、収益性や利便性が重視され「利用価値に応じて価格 形成がなされる」という市場メカニズムが適正に発揮される市場へと構造的な変化が進展 しつつあるとともに、景観や環境に配慮した土地利用の動きが広まるなど、我が国の社会 経済の成熟化にあわせ、土地をめぐる状況が変化しつつある。

第1節 土地市場における構造変化の進展

我が国の土地市場は、社会経済の変化に対応して、構造変化が進展しつつある。具体 的には、①長期にわたって市場参加者の意識に存在してきた「土地神話」が崩壊し、② 上場企業を中心に所有資産の見直しが行われるなど、土地の所有と利用の分離が進む一 方、③不動産証券化市場が拡大し、不動産投資における資金調達手法が多様化するとと もに、新たな市場が生まれ、④収益性や利便性が重視され「利用価値に応じて価格形成 がなされる」という市場へと変化しつつある。

1 土地市場を取り巻く社会経済状況の構造変化

土地市場の構造変化の背景として、土地市場を取り巻く社会経済状況が構造的に変 化している。

【社会経済の構造変化】

◎人口構造の変化(少子・高齢化の進展)

◎産業構造の変化(第2次産業→第3次産業へ)

◎企業経営を取り巻く状況の変化(減損会計の導入、直接金融へのシフト)

◎定期借地権、不動産証券化などの多様な利活用形態の整備

◎国際化の進展(最適立地、海外投資資金の流入、都市間競争)

(5)

2 国民・企業の土地に対する意識の変化

(国民の意識)

土地を他の資産に比べ有利と考える国民の割合が大きく減少し、近年は横ばいで推 移しており、国民意識の変化が定着していることがうかがえる。

(企業の意識)

企業についても、所有の有利性についての意識が変化しているが、資本金規模によ る意識の差がみられる。これは、資金調達手法等の違いによるものと考えられる。

図表 土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か(国民)

61.8 61.9 49.3

53.1 49.2 37.0

38.9 34.2

35.3 33.2 32.9 33.2 31.2

34.7

11.4 12.5 19.5

19.8 17.0 23.0

21.1 19.4

22.5 22.8 21.5 20.2 20.0

20.3

5.6 3.6 4.4

4.2 4.4 6.0 6.4 7.6

8.1 9.5 8.9 10.6 9.8

11.1

21.3 21.9 26.8

22.9 29.4 34.0 33.6 38.8

34.2 34.5 36.7 36.0 39.0

33.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

平成5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 大都市圏 地方圏

そう思う どちらともいえない わからない そうは思わない

資料:国土交通省「土地問題に関する国民の意識調査」

(年度)

43.1 66.8

38.6 40.3 40.1 50.8

61.9

52.7

49.9 45.0 46.1 45.7

41.3 42.6 39.4 36.8 47.1

69.9

51.9

42.0 43.3 42.1 63.1

49.2

33.7 25.9

67.4

34.3 40.9

46.5 57.8

43.8

41.2 40.4 44.1

27.5 21.8 25.3 32.9

57.0

20.2 58.2

38.4 44.0

34.9

32.9 37.1

22.7 39.3 40.6 42.9

49.7 48.9

36.3 38.1 36.8 48.5 43.9

66.7 61.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80

平成5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 (年度)

(%)

2,000万円未満

2,000万円以上~

5,000万円未満

5,000万円以上~

1億円未満

1億円以上

全体

図表 資本金規模別「今後、(土地・建物の)所有が有利」と回答した割合

資料:国土交通省「土地所有・利用状況に関する企業行動調査」

注:質問では、「土地・建物の利用に関し、今後、「所有」と「借地・賃借」のどちらが有利か」を聞いた。

(6)

また 「現在の地価が事業活動に及ぼす影響」について、近年 「影響なし」との回、 、

。 、 、

答が増加している 企業の財務体質の改善 所有資産の見直しの進展などを反映して 地価動向に左右されない企業経営構造に変化しつつあることが意識面からもうかがえ る。

15.1 14.1 12.4 8.9

14.1

33.8 34.7 27.1 24.2

32.6

14.6 12.1 14.0 12.5

13.8

12.8 15.3 17.4 19.0

14.3

20.7 21.6 24.8 29.8

22.0

3.0 2.2 4.3 5.6

3.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2000万円未満 (n=1,774) 2000万円~

5000万円未満 (n=675) 5000万円~

1億円未満 (n=258) 1億円以上

(n=248) 全体 (n=2,959)

非常に重要である ある程度、重要である どちらともいえない

あまり重要ではない ほとんど重要ではない その他

図表 資金調達における土地所有の重要性(資本金規模別)

資料:国土交通省「土地所有・利用状況に関する企業行動調査」(平成17年1月)

 注:全体には資本金不詳を含むため、総数は一致しない。

図表 現在の地価が事業活動に及ぼす影響

9.9 10.4 7.4

7.7 7.7 7.1

8.5 10.9 6.1

9.5 7.8

38.7 36.3 36.6 31.6

39.2 34.3

37.3 39.3 38.6

46.8 50.6

22.1 24.7 21.4 22.1

23.0 32.0

27.8 24.4 27.2

15.4 16.5

12.1 8.6 10.3 12.4

7.0 11.0

9.2 9.1 7.1

4.2

13.9 17.7 22.6 23.6

21.2 14.0 15.0

12.9 19.7 23.9 1.0 19.8

0.9 1.3 3.3 2.3 1.6 2.0 2.6 1.8 2.2 3.4

3.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

平成5 6 7 8 9 10 11 12 14 15 16

非常に良い 良い 影響なし 悪い 非常に悪い わからない

(年度)

資料:国土交通省「土地所有・利用状況に関する企業行動調査」

(7)

3 国民・企業の土地等の所有・利用状況の変化

~「土地基本調査」でみる変化~

平成15年に国土交通省が実施した「土地基本調査」によると、国民・企業の土地等 の所有・利用状況にも変化がみられ、これまでの行動が変化しつつある。また、この 動きは、社会経済の構造変化に対応したものである。

(企業)

① 上場企業を中心に所有する資産の見直し(オフバランス化、所有と利用の分離)

が進展している。

② 特に、収益性の低い寮・社宅、グランドなどの処分が進展している。

③ 土地所有面積が、製造業で減少する一方、サービス業等において増加するなど、

産業構造の変化に対応した動きがみられる。

④ さらには、バブル期に取得した土地の処分が進む一方、景気回復や企業の財務体 質の改善等を背景として、近年、土地取得面積の増加がみられる。

一方、法人の所有する空き地や資材置場などの低・未利用地が増加しており、市場 において利用価値の低い土地については、処分が進んでいないことが考えられる。

165.9

139.8

120.4

61.1

43.4 34.9

0 50 100 150 200

平成5 10 15

(年)

社宅・従業員宿舎

グランドなどの福利厚生施設

(k㎡)

図表 法人が所有する社宅・従業員宿舎、グラウンドの面積の推移

資料:国土交通省「土地基本調査」

 注:平成15年の数値は速報による。

都心部におけるマンション用地へ

(8)

(国民)

また、都心部を中心に企業による土地の放出が行われ、それらの土地の多くがマン ション用地等へ転換したことを背景に、東京、大阪などの大都市部で持家世帯率が上 昇している。

図表 取得時期別の宅地などの面積

151

175

150

208

196

87 103

92

110 111 114

88 171

136

101 144 127

88 149

131 130 120

106

141

0 50 100 150 200 250

S36~45 46~55 56~60 61~H2 3~7 8 9 10 11 12 13 14

H5年調査時点 H10年調査時点 H15年調査時点

(k㎡)

(取得時期:年)

バブル処理の進展

近年の取得面積の増加

資料:国土交通省「土地基本調査」

注:平成15年の数値は速報による。

図表 持家世帯率

60.0 60.9

59.6

44.5 39.4 41.3

49.4

51.7 47.8

30 35 40 45 50 55 60 65

平 成 5 10 15 ( 年 )

( %) 全国持家率 東 京都持家 率 大阪府持 家率

資 料: 総 務省 「住 宅 ・土 地統 計調 査 」

全国  +0.9ポイント

大阪  +2.3ポイント

東京  +3.2ポイント

(9)

(多様な利活用形態による土地の利用)

定期借地権制度や不動産証券化に関する諸制度の整備は、土地の所有と利用の分離 を容易にし、土地の所有・賃借の選択、さらには証券化の活用などを通じて、多様な ニーズに対応することにより、新たな土地需要を喚起していると考えられる。

また、最近では、借地を利用した工場立地や開発型証券化を利用した大規模小売店 の出店などがみられる。

【事例】事業用借地権を利用した発電所跡地への工場誘致~関西電力尼崎第3発電所跡地~

関西電力は、平成13年に廃止された尼 崎第3発電所の跡地に、松下電器産業と 東レの合弁会社によるPDP(プラズマデ ィスプレイパネル)工場を誘致した。20 年の事業用借地権を採用することで、初 期投資の軽減が可能になっている。当該 事例は、工場立地における定期借地権の 利用、既存インフラの活用などの点で注 目される。

(10)

4 不動産証券化市場の拡大~不動産投資市場の形成~

不動産証券化市場は、企業による保有資産のオフバランス化の推進などを背景に拡 大を続けている。海外資金や国内機関投資家等の運用資金の受け皿として、不動産投 資へのニーズが高まっていることも背景にある。

(不動産証券化市場)

国土交通省の調べによると、平成16年度において不動産証券化の対象となった不動 産又はその信託受益権の額は7兆5千億円であり、その額は、年々増加している。ま た、平成16年度までの累計は約20兆円となっている。

(Jリートによる物件取得の拡大)

Jリートによるオフィスビルなどの物件取得が急速に拡大しており、平成16年度末 における、保有物件の総額は2兆4千億円(取得価格ベース)となっている。また、

投資地域についても、都心5区以外の地域にも広がり分散しつつある。

図表 不動産証券化の実績の推移

680 900

610 300

5,480

2,890 2,240

2,170

1,140

420

161

269

343

620

1,027

26 74 - 9

1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000

平成9 10 11 12 13 14 15 16 (年度)

資産額(10億円)

- 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400   件数

Jリート Jリート以外 Jリート以外のうち、リファイナンスまたは転売されたもの 件数(件)

累計 約20兆円

61.6 315.5

1,167.0

1,867.0

7,518.3

3,983.7

2,540.9 2,777.7

資料:国土交通省「不動産の証券化実態調査」

注1:ここでは、不動産流動化の全体的なボリュームを把握する観点から、証券を発行したもの(狭義の証券化)に限定せ    ず、借入れ等により資金調達を行ったもの(広義の証券化)も対象としている。

注2:「Jリート以外のうち、リファイナンスまたは転売されたもの」

   Jリート以外での信託受益権の証券化のうち、リファイナンスまたは転売との報告等があった物件の資産額である。

   そのため、実際の額はこれより大きい可能性がある。なお、平成14年度以前についてはこの項目は調査していない。

注3:Jリートについては、投資法人を1件としている。

注4:内訳については四捨五入をしているため総額とは一致しない。

0 0

(11)

不動産証券化市場の拡大は、既存ストックの改善、取引の活性化、情報開示による 透明性の向上などの側面において、不動産市場に影響を与えている。

また、Jリートによる物件取得の進展により、各主要都市における賃貸オフィスビ ルストックに占めるJリート所有物件の占める構成比については、主要5区(千代田 区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)以外の地域においても概ね上昇している。

1.7

0.7 1.5

7.0 6.0

2.4 1.5

0.4 3.8

2.0 3.4

8.4

4.1

1.5

2.3 2.3

1.2 1.1

0.3 2.2

6.8

2.5 2.1 2.2 3.1

0.9

3.3 3.5

0 2 4 6 8 10

主要5区 周辺18区 大阪市 名古屋市 札幌市 仙台市 新潟市 金沢市 横浜市 京都市 神戸市 広島市 高松市 福岡市

(%)

平成14年末 平成16年末

資料:国土交通省「不動産証券化市場の拡大とその影響に関する調査」

注1:構成比=(各地区におけるJリート所有オフィスビル賃貸可能面積)/(各地区におけるオフィスビル貸室総面積)

注2:Jリート公表資料及び(株)生駒データサービスシステム「不動産白書」より作成。

図表 各主要都市における賃貸オフィスビルストックに占めるJリートの構成比

8,676

11,514 667

2,070

3,644 855 1,494

2,540 5,142

3,465 491

3,433 1,914

1,314 970

235

325

452

511 295

380

1,042 668

1,123 30

39

110

211 152

306

471

722

- 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

平成13

14

15

16

(年度)

(億円)

都心5区

東京23区(都心5区除く)

関東地方(東京23区除く)

北海道・東北地方 北陸・中部地方 近畿地方 中国・四国地方 九州地方

図表 地域別Jリート保有物件の推移(取得価格ベース)

45%

51%

46%

45%

6,305

23,618 16,042

9,295

資料:国土交通省「不動産証券化市場の拡大とその影響に関する調査」

(12)

第2節 最近の土地市場の動き

1 地価と土地取引の動向

土地市場が「利用価値に応じて価格形成がなされる」という市場メカニズムが適正 に発揮される市場へと構造的に変化しつつある中で、東京圏では、東京都区部を中心 として下げ止まりの傾向が一層強まりながら、より広がりを見せ、また、大阪圏・名 古屋圏・札幌市・福岡市でも下げ止まりの傾向が広がり始めた。中でも、三大都市圏 においては、都心その他の一部地域で地価動向の変化が鮮明になった。

2 地価動向等に対する国民・企業の意識

地価動向に変化がみられる中、現在の土地取引の状況について、取引が活発化して いると感じる企業の割合が増加している。

東京都区部周辺における上昇、横ばい又はほぼ横ばい地点(住宅地)

【平成17年地価公示】

上昇・横ばい・ほぼ横ばいの地点数

・・・・・ 199( 31)( 10)地点

・・・・・ 417(135)(112)地点

・・・・・ 620(293)(139)地点

※( )内は前回・前々回公示の地点数

【凡例】

・・・・・ 上昇地点

・・・・・ 横ばい地点(変動率ゼロ)

・・・・・ ほぼ横ばい地点

(△1.0%<変動率<0%)

(単位:%)

活発 不活発 どちらで

もない

DI(活発-

不活発) 活発 不活発 どちらでも

ない

DI(活発-

不活発)

平成13年9月 7.2 59.7 33.1 -52.5 1.6 68.3 30.2 -66.7

平成14年3月 3.9 64.3 31.8 -60.4 1.8 78.4 19.8 -76.6

平成14年9月 2.9 65.5 31.6 -62.6 1.4 74.3 24.3 -72.9

平成15年3月 3.5 66.7 29.8 -63.2 2.0 72.5 25.5 -70.5

平成15年9月 6.1 53.6 40.2 -47.5 4.2 67.3 28.5 -63.1

平成16年3月 8.7 42.1 49.2 -33.4 5.2 57.8 37.0 -52.6

平成16年9月 14.2 28.1 57.7 -13.9 8.5 43.0 48.5 -34.5

平成17年3月 20.3 22.5 57.2 -2.2 14.6 33.3 52.1 -18.7

東京 大阪

図表 本社所在地における現在の土地取引の状況に対する判断

資料:国土交通省「土地投資動向調査」

 注:本社所在地における現在の土地取引状況について、「活発である」と回答した企業、

   「不活発である」と回答した企業、「どちらでもない」と回答した企業の全有効回答数に    対するそれぞれの割合。

(13)

第3節 人口構造の変化と土地利用

1 高齢化の進展と土地市場

我が国の高齢者人口は今後とも増加することが予想されているが、高齢者の住まい 方に関する意識において、日常生活や医療の利便性が重視される傾向がある。

また、近年、高齢者向けの各種サービスの提供が活発化しており、企業の寮などか ら有料老人ホーム等への用途変更(コンバージョン)が多く行われた。

2 人口減少と土地利用

人口減少は、土地利用に大きな変化をもたらすものと予想される。過疎化や後継者 の減少により、農山村地域において、耕作放棄地や手入れの不十分な森林が増加して いる。

都市部においても、今後、空き家や空き地などの低・未利用地が増加する可能性が ある。具体的には、民間投資に結びつきにくい市場性の乏しい不整形な土地や細分化 された土地については、土地需要が減少することにより、利用されずに放置されるな ど管理が適切に行われなくなっていくおそれがある。それらの土地の保全や管理をど のように行っていくのかが、今後重要な課題になると考えられる。

また、アンケートによると、低・未利用地(空き家や空き地)の増加に対して、防 犯や環境などの面で国民の関心が高いことが分かる。

61.1

44.6

34.7

24.0 21.8

21.5

13.3

10.6 1.0

0 10 20 30 40 50 60 70

犯罪が増加するなど防犯面で不安

ゴミの不法投棄が不安になる

周辺環境や街並みが悪化する

コミュニティのつながりが悪化する

ゴミの排出等の管理が行き届かなくなる

災害時の対応が不安になる 自分の住宅の価値が低下する

何も困らない

その他

(%)

図表 住まいの周辺に空き家又は空き地が増えた場合に何に困るか        (複数回答)

資料:国土交通省「「土地の保有・管理に対する意識」に関するアンケート」(平成17年2月)

(14)

第4節 魅力ある地域づくりと土地利用

1 景観保全などの観点からの適正な土地利用

社会資本の量的な充実が図られる中、開発と周辺環境の調和など、質に着目した要 求が高まっており、街づくりや土地利用においてもこれらへの配慮が重要になってい る。

2 地方における土地利用の課題

(中心市街地)

中心市街地は、その街の活力や個性を代表する「顔」ともいうべき場所であり、そ の再生は重要である。中心市街地の活性化を図るため、店舗、医療・福祉施設等の中 心部への再配置とともに、既存ストックの有効活用、土地利用転換などの観点から、

まちなか居住などの定住人口の拡大が重要である。

また、地方都市においても、各種機能が整備されている街なかにおける住宅ニーズ が存在している。

【事例】定住人口の回復による街なか再生~山口県宇部市~

かつて賑わいを誇った宇部市随一の繁華街を構成する中央町3丁目(約1.2ha)は、店舗の 閉鎖と定住人口の減少が進んでいた。当該地域の活性化において、市が行う区画整理事業に より基盤整備を行うと同時に、建築物については、1階部分を店舗、2階以上を住居とする など、定住人口の回復に配慮した街なか再生が進められている。また、建物の共同化の推進 や、優良建築物等整備事業や市営住宅としての借り上げを活用することにより、事業の採算 性を高めている。

また、街並みに配慮するため、街づくり協定として建物の建替えに際しての設計指針など を取りまとめ、街並みの協調に向けた取組を進めている。

(郊外部(棚田・里山林 ))

農地や森林について、農林業従事者の高齢化や減少などにより、耕作放棄地や手入 れの不十分な森林が増加しているが、行政、地元住民、都市住民、NPO等の多様な主体 により、棚田や里山林などの地域資源を活用し、保全する取組が各地で進められてい る。

(15)

第5節 適正な土地利用の実現のための課題と取組

我が国の土地市場が構造的に変化するなど、土地をめぐる状況の変化に対応した「適正 な土地利用」の実現が求められている。

また 「適正な土地利用」は、土地の利用価値や地域の魅力を高める取組とともに、適正、 な資源配分が市場メカニズムを通じて行われることにより実現されることが望ましく、透 明性・公正性の高い市場の条件整備を進めていくことが必要である。

1 地籍調査の推進

土地に関する最も基本的な情報である地籍(土地の所有者、地番、地目、境界及び 地積)は、土地取引の円滑化や道路・下水道等の整備の円滑化に資するとともに、迅 速な災害復旧にも有効である。しかしながら、その進捗率は、全国で46%、都市部で 18%(平成15年度末)にとどまっている。

また、地籍調査の一層の推進を図るため、平成16年度から実施している都市部にお ける地籍整備を推進するための基礎的調査である「都市再生街区基本調査」や、山村 部における取組である「山村境界保全事業」を実施している。

【事例】災害復興における地籍調査の効果~岐阜県飛騨市古川町~

岐阜県飛騨市古川町では、平成11年9月15日、台風16号に伴う集中豪雨により、大きな被害 が発生した。被災箇所の復旧において、既に

地籍調査が実施されていた地区では、復旧工 事を円滑に行うことができた。一方、地籍調 査が未実施であった地区では復旧に著しい時 間を要する結果となった。

災 害 復 旧 進 度 の 差 異

平 成 1 1 年 9 月( 発 生 ) 平 成 1 2 年 平 成 1 3 年

地 籍 調 査 実 施 済

( 畦 畑 地 区 )

地 籍 調 査 未 実 施

( A 地 区 )

復       旧       状       況

境 界 確 認

復 旧 工 事 復 旧 期 間

復 旧 期 間 境 界 確 認

復 旧 工 事

地域区分 調査対象面積 k㎡ 調査実施面積 k㎡ 達成率 %

人口集中地区(DID) 12,255 2,266 18

17,793 8,551 48

72,058 48,947 68

184,094 71,073 39

286,200 130,837 46

図表 地域区分別地籍調査の進捗状況(平成15年度末)

資料:国土交通省調査による。

注1:調査対象面積は、全国土面積から国有林及び湖沼等の公有水面を除いた面積である。

注2:「DID」とは、「人口集中地区(Densely inhabited districts)」。市区町村の境域内で人口    密度の高い国勢調査の調査区(原則として人口密度が1k㎡あたり約4,000人以上)が隣接して、

   人口5,000以上を有する地域を構成する場合、この地域を「人口集中地区」としている。

注3:宅地、農用地、林地については、DID以外の地域を分類したもの。

(16)

2 定期借地権制度・定期借家制度の活用

定められた契約期間で確定的に契約が終了する定期借地権制度・定期借家制度は、

貸し主及び借り主の双方にメリットがあり、借地などの供給による土地の有効利用に 効果が期待できるものである。

定期借地権の一時金に係る税務上の取扱いについて明確化が図られたが、近年、土 地の所有と利用を分離する機能を有する定期借地権制度は、その重要性を増すと同時 に、物流拠点やアウトレットモール等としての活用、さらには、低・未利用地の有効 活用など多様な場面で活用が進んでいる。また、事業用借地権については、期間延長 の要望が強く、このような課題について検討し改善を図っていくことが重要である。

【事例】事業用借地権の活用による都心の不整形地の有効利用~南青山プラース~

南青山にある敷地面積2,000㎡の土地は、都心 の好立地にありながら、青山通りへの接道幅が 約11m(私道部分を除くと約7m)の不整形地で あり、これまで駐車場として利用されてきた。

ここに、事業用借地権を設定することで、延床 面積1,800㎡の商業施設(南青山プラース)を 整備した。

3 土地情報の整備

取引主体間の情報格差の少ない透明性・公正性の高い市場を形成するためには、土 地に関する情報の整備・提供が重要である。近年、土地の利用価値を見極める必要性 が高まっており、利便性や収益性などを判断するための土地情報が求められている。

、 、

これに対応し インターネット等の技術を活用した一般の人々への情報提供の取組が 民間及び国・地方公共団体により行われている。

また、平成17年度から、国土交通省が法務省から売買による土地取引の異動情報の 提供を受け、取引の当事者に対して取引価格等に関する調査を実施し、調査により得 られた情報を土地市場に提供していくこととしている(土地取引価格情報提供システ ム 。)

(17)

図表 土地取引価格情報提供システムのイメージ図

(注:あくまでイメージ図であり実際とは異なる場合がある)

4 不動産証券化の推進に向けての課題

不動産証券化市場が急速に拡大し、投資対象施設及び地域が広がっている。不動産 証券化は、不動産の収益力や資金調達におけるコストが金利による影響を強く受ける ため、金融市場との連動性が高いという特徴を有する。

今後、きめ細かな普及・啓発活動を実施し、不動産証券化の認知度・理解度の向上

、 、 。

を図るとともに 投資家保護対策の整備により 安定的な市場拡大を図る必要がある さらには、投資家のための情報基盤の不足も指摘されており、不動産投資市場の収 益性を正確に把握するためには、収益情報の整備を促進する必要がある。

5 不動産鑑定評価の充実

不動産鑑定評価制度は不動産市場を支える重要な役割を有しており、これまで行わ れた制度改正を踏まえ、今後ともその役割を的確に果たしていくことが期待されてい る。

取引動向情報

取引価格情報

○○市 △△ □□  更地 面積

(㎡) 単価

(万円/㎡)

取引 時点

用途 区分…

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

取引動向情報

取引価格情報

○○市 △△ □□  更地 面積

(㎡) 単価

(万円/㎡)

取引 時点

用途 区分…

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

◇◇ ○○ ▽▽ ‥‥

(18)

第2章 土地に関する動向 第1節 土地利用の動向

第2節 土地所有・取引の動向

   区 分 昭和50年 昭和60年 平成7年 平成12年 平成14年 平成15年

地 目 面積 構成比 面積 構成比 面積 構成比 面積 構成比 面積 構成比 面積 構成比

農  用  地 576 15.3 548 14.5 513 13.6 491 13.0 484 12.8 482 12.8 森    林 2,529 67.0 2,530 67.0 2,514 66.5 2,511 66.5 2,510 66.4 2,509 66.4

原    野 43 1.1 31 0.8 26 0.7 27 0.7 26 0.7 26 0.7

水面・河川・水路 128 3.4 130 3.4 132 3.5 135 3.6 135 3.6 134 3.6

道    路 89 2.4 107 2.8 121 3.2 127 3.4 130 3.4 131 3.5

宅    地 124 3.3 150 4.0 170 4.5 179 4.7 181 4.8 182 4.8

そ  の  他 286 7.6 282 7.5 303 8.0 309 8.2 313 8.3 316 8.4

合    計 3,775 100.0 3,778 100.0 3,778 100.0 3,779 100.0 3,779 100.0 3,779 100.0

  

(単位:万ha、%)

図表 我が国の国土利用の推移と現況

資料:国土交通省「土地利用現況把握調査」

図表 制度部門別土地投資規模の推移

-2,735 -3,453-1,752

-5,251-3,885

-10,842-9,562 -13,692

-10,487

-19,335 -22,620

-25,125 -1,982

-6,787 -79

-8,208 -1,762

-3,895 -4,027 -1,260

-6,548 -7,336 3,286

-2,536 16,763

12,271

-1,963

-7,976

-946

2,213 1,469

2,083 2,077

2,155 3,083

1,483 7,843

-2,242 2,369

-1,230 -524

-2,265

-71 -2,597 2,392 2,545

2,555 2,620

2,663 2,733

3,168

3,750 3,827

4,374

6,330 5,850

4,614

4,120 3,738

3,263 2,919 4,035

-6,478 -497

350

-3,312 2,699

12,424

4,582 8,447 4,747

3,588 6,711

687 2,354

-917

257 859 2,243

-1,069

186

-1,859 578

342.2

-438 -233

2,507

5,011

5,685

4,470 4,757 5,598

5,803

-28,000 -24,000 -20,000 -16,000 -12,000 -8,000 -4,000 0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000 24,000 28,000

S55 56 57 58 59 60 61 62 63 H元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15(年)

(10億円)

一般政府 金融機関 非金融法人企業 家計

〈2,735〉

〈25,125〉

〈5,598〉

〈9,438〉

〈9,029〉

〈8,055〉

〈10,487〉

〈13,692〉

〈3,453〉

〈4,964〉

〈5,803〉

〈19,335〉

〈4,757〉

〈22,620〉

〈10,842〉

〈9,562〉

〈3,885〉

〈2,669〉

〈5,251〉

〈4,470〉

〈6,548〉 〈6,549〉

〈5,133〉

〈7,774〉

   

   

資料:内閣府「国民経済計算年報」

注1:家計には、個人企業及び対家計民間非営利団体を含む。

注2:〈 〉内の数値は、各年の純購入総額(=純売却総額)である。

(19)

第3節 平成17年地価公示に見る平成16年の地価動向について

平成17年地価公示によると昨年1年間の全国の地価は、

・ 全国平均では引き続き下落したが、住宅地は2年連続で、商業地は3年連続で下落 率が縮小した。

・ 三大都市圏のみならず、地方圏も下落率が縮小し、住宅地は8年ぶり、商業地は7 年ぶりに縮小した。

第2部 土地に関して講じた基本的施策(略)

用 途

公 示 年 平成15年 平成16年 平成17年 平成15年 平成16年 平成17年 三大都市圏

△ 6.5 △ 5.7 △ 3.7 △ 7.1 △ 5.8 △ 3.2

東 京 圏

△ 5.6 △ 4.7 △ 3.2 △ 5.8 △ 4.5 △ 2.5

大 阪 圏

△ 8.8 △ 8.0 △ 5.2 △ 10.2 △ 8.8 △ 5.0

名 古 屋 圏

△ 5.6 △ 4.9 △ 3.3 △ 8.0 △ 6.0 △ 3.3

地 方 圏

△ 5.1 △ 5.7 △ 5.4 △ 8.7 △ 8.7 △ 7.5

全 国

△ 5.8 △ 5.7 △ 4.6 △ 8.0 △ 7.4 △ 5.6

資料:国土交通省「地価公示」

住宅地 商業地

図表 地域別対前年変動率

(20)

「平成17年度土地に関する基本的施策」

1 土地利用計画の整備・充実等

第三次国土利用計画(平成8年閣議決定)に基づく、必要な措置を講じるとともに、

次期全国計画の策定に向け、現行計画の点検等を行い、国土利用の指針のあり方等につ いて必要な基礎的調査を実施する。

2 都市再生の推進

都市再生本部において決定された都市再生プロジェクト等の実施、都市再生特別措置 法に基づく各種支援措置の活用等を推進する。また、地方の自主性・裁量性を高めた「ま ちづくり交付金」の事業規模の大幅な拡大、民間資金の誘導を図るための制度改善等を 行う。

3 都市基盤施設整備の促進

各種の都市基盤施設整備事業及び面整備事業の積極的推進を図る。また、各種まち再 生支援措置と連携した民間資金誘導の新たな仕組みを「まち再生総合支援事業」として 創設する。さらに、PFI法に基づき、民間の資金・能力を活用した効率的かつ効果的 な社会資本の整備を図る。

4 低・未利用地等の有効利用の促進

(1)低・未利用地の利用促進等

、 、 、

工場跡地 未利用埋立地等の低・未利用地について 土地利用転換等を図りながら 都市構造の再編を推進するため、都市再生総合整備事業等を推進する。また、都市再 生機構による土地有効利用事業等を推進するとともに、低・未利用地に関する情報や

「 」 。

有効活用のためのノウハウ提供等を実施する 土地活用バンク の機能拡充等を行う

(2)既成市街地の有効・高度利用の促進等

中心市街地の活性化を図るため、市町村が作成する基本計画に基づき、街なか再生

、 、 、 、 、

を促進する面整備事業 道路 公園 駐車場等の都市基盤施設の整備 住宅の整備等 市街地の整備改善等に資する事業を重点的に実施する。特に 「まち再生総合プラン」、 を活用し、中心市街地における市街地の整備改善等を一体的・総合的に推進する。ま た、街なか居住再生ファンド等の活用により、街なか居住を推進する。

(3)市街化区域内農地の宅地化の推進

三大都市圏の市街化区域内農地においては、計画的な宅地化を促進する一方、生産 緑地地区については、市民農園の整備等により、都市住民の交流の場としての活用を 推進する。

(4)災害に強いまちづくりの推進

(21)

た、特定防災害区整備地区制度や防災街区整備事業等の活用を推進するなど、密集市 街地等整備の一層の促進を図る。

5 宅地・住宅対策の推進

職住近接を実現するなど政策的意義の高い事業を重点的に実施すること等により、優 良な宅地開発を推進する。また 「第八期住宅建設五箇年計画 (平成13~17年度)を着、 」 実に推進し、良質な住宅ストックの整備や少子・高齢社会を支える居住環境の整備を図 るとともに、マンションの建替えの円滑化等による住宅ストックの有効活用や住宅取得 対策の充実等を図る。

6 不動産取引市場の整備等

( ) 、「 」

指定流通機構 レインズ の活用の一層の推進 不動産総合サイト(不動産ジャパン) の支援など、不動産流通市場の整備を進めるための施策を総合的に推進する。

7 土地に関する情報の整備

地籍調査については 「第5次国土調査事業十箇年計画」に基づき推進するとともに、、 都市再生街区基本調査のほか、都市再生地籍調査事業等を実施する。

土地情報については、土地取引当事者の協力により、取引価格情報等の提供を行う。

8 土地税制の改正

平成17年度税制改正の国税・地方税において、特別土地保有税の徴収猶予制度の見直 し等の措置を講ずる。

9 地価対策のための体制の整備等

地価公示は31,230地点の標準地について行う。また、不動産鑑定評価制度を充実させ る取組を推進する。

10 国土政策との連携

「21世紀の国土のグランドデザイン」に掲げる戦略を効果的に推進するため、各地域に おいて行われる主体的取組に対する支援を行う。また、国土審議会調査改革部会報告等 を踏まえ新たな国土計画の具体化に向けた取組を進める。

11 環境保全等と土地対策

土壌汚染対策など環境保全の観点から各般の施策を実施するとともに、農地・森林の 適正な保全・利用の確保、歴史的な集落・町並み等の保存、良好な景観形成の推進等に 努める。

図表 土地取引価格情報提供システムのイメージ図 (注:あくまでイメージ図であり実際とは異なる場合がある) 4 不動産証券化の推進に向けての課題 不動産証券化市場が急速に拡大し、投資対象施設及び地域が広がっている。不動産 証券化は、不動産の収益力や資金調達におけるコストが金利による影響を強く受ける ため、金融市場との連動性が高いという特徴を有する。 今後、きめ細かな普及・啓発活動を実施し、不動産証券化の認知度・理解度の向上 、 、 。を図るとともに 投資家保護対策の整備により 安定的な市場拡大を図る必要がある

参照

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