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Microsoft Word - 005第Ⅰ章第1節.doc

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(1)

【製造業の生産と企業収益の状況】 今次景気拡張局面が長期に及んでおり、18年7~9月期の生産指数は前期比 1.0%の 上昇、指数水準 105.9 と12年基準で最高水準となった。また、製造業における企業の経 常利益も 5 兆 8878 億円(後方4期移動平均値(18年4~6月期))と高水準にある。このよ うに経常利益が好調に推移している背景としては、第12、13循環の拡張局面とは異なり、 産出価格(販売価格)や販売数量が増加したことによるものと推察される。しかしながら、企 業規模別にみると、大企業は引き続き増加しているものの、中小企業においては伸び悩 みの兆しもみられる。 そこで、法人企業統計などから企業収益の増加・減少に寄与している要因を業種別に 探るとともに、企業規模別(大企業と中小企業)の状況の違いなどを明らかにし、製造業の 生産と企業収益の状況について考察する。 (1) 製造工業の生産・出荷の動向 ~大企業の上昇に加え、中小企業も緩やかながら上昇している生産~ 鉱工業生産指数の製造工業を規模別にみると、全規模(大企業+中小企業)では13 年10~12月期の指数水準 88.5 を底に数度のミニ調整を行いながらも上昇傾向で推 移してきており、18年7~9月期には前期比 1.0%の上昇、指数水準 105.9 と12年基準 で最高の水準となっている。また、中小企業の生産指数をみると、14年1~3月期の指 数水準 89.1 を底として緩やかながらも上昇となっているものの、18年7~9月期の指数 水準は 96.6 と12年の水準にも至っておらず、生産指数が高水準にあるのは大企業に よりもたらされている状況がうかがえる(第Ⅰ-1-8図)。 また、生産と出荷の動向がほぼ近似していることから、出荷内訳表により内外需別の 動向(全規模)をみると、18年7~9月期は国内向けが、指数水準 103.1、前期比 0.2% と2期連続の上昇、輸出向けが、指数水準 140.9、前期比 3.7%と6期連続の上昇となっ ており、国内に比べ輸出向けの水準が高い状況が続いている(第Ⅰ-1-9図)。

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第Ⅰ-1-8図 生産指数の規模別の推移(製造工業) (12年=100、季節調整済) 85 90 95 100 105 110 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 18 Ⅲ 年 全規模 中小企業 資料:「鉱工業指数」「規模別製造工業生産指数」 第Ⅰ-1-9図 出荷の内外需別の推移(製造工業) (12年=100、季節調整済) 80 90 100 110 120 130 140 150 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 18 Ⅲ 年 出荷 輸出 国内 資料:「鉱工業出荷内訳表」 (2) 製造業売上高の動向 ~需要の好調を反映し、製造業売上高は過去最高を記録~ 法人企業統計により製造業の売上高について各時点における不規則変動等を平準 化して数値をみるために後方4期移動平均した値でみると、生産の上昇に伴って14年7 ~9月期の 91 兆 6068 億円を底として以降、増加傾向で推移しており、18年4~6月期 には 108 兆 5428 億円と過去最高の売上高を記録している。これを、業種別にみると18 年4~6月期は、電気機械器具製造業(旧分類(現行の「電気機械器具製造業」と「情報 通信機械器具製造業」を合計したもの))が 20 兆 6636 億円(製造業に対するシェア 19.0%)、自動車・同附属品製造業が 14 兆 8596 億円(同 13.7%)、食料品製造業が 11 兆 1017 億円(同 10.2%)の順となっている(第Ⅰ-1-10図、11図)。 また、規模別にみると、資本金1億円以上は14年7~9月期の 65 兆 5512 億円を底 として増加傾向で推移しており、18年4~6月期には 78 兆 8024 億円と全規模と同様に

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過去最高の売上高を記録している。一方、1億円未満は14年10~12月期の 25 兆 6197 億円を底として以降、増加傾向で推移しているが、18年4~6月期は、29 兆 7404 億円と前年同期比では引き続き増加しているものの、売上高前期差では14期ぶりにマ イナス(前期差▲2805 億円)に転じている(第Ⅰ-1-12図)。 第Ⅰ-1-10図 製造業の売上高と生産指数の推移 (12年=100、季節調整済) 85 90 95 100 105 110 115 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 売上高 生産指数 販売価格の上昇 (注)売上高は、X-12-ARIMAのX-11デフォルトにより独自に季節調整を行った。 資料:「鉱工業指数」、「法人企業統計」(財務省) 第Ⅰ-1-11図 製造業及び主な業種の売上高の推移(後方4期移動平均) 50 100 150 200 250 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (千億円) 900 950 1000 1050 1100 (千億円) 食料品製造業 化学工業 自動車・同附属品製造業 その他の製造業 電気機械器具製造業(旧分類) 製造業(右目盛) 資料:「法人企業統計」(財務省)

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第Ⅰ-1-12図 製造業の規模別売上高の推移(後方4期移動平均) ①規模別の推移 600 700 800 900 1000 1100 1200 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (千億円) 250 260 270 280 290 300 310 320 (千億円) 全規模 資本金1億円以上 資本金1億円未満(右目盛) ②前年同期比 ▲ 10 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 (%) Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 資本金1億円未満 資本金1億円以上 全規模 資料:「法人企業統計」(財務省) (3) 製造業の営業利益の動向 ~製造業の営業利益も過去最高を記録するも、中小企業は伸び悩みの兆し~ 製造業の営業利益(後方4期移動平均値)をみると、14年4~6月期の 2 兆 4999 億 円を底として増加傾向で推移しており、18年4~6月期には 5 兆 3171 億円と売上高同 様、過去最高を記録している。これを、業種別にみると18年4~6月期は、化学工業が 8236 億円(製造業に対するシェア 15.5%)、自動車・同附属品製造業が 7280 億円(同 13.7%)、電気機械器具製造業(旧分類)が 6957 億円(同 13.1%)の順となっている(第 Ⅰ-1-13図)。 また、規模別にみると、資本金1億円以上は14年4~6月期の 1 兆 9290 億円を底と して増加傾向で推移しており、18年4~6月期には 4 兆 1952 億円と全規模と同様に過 去最高の営業利益を記録している。一方、1億円未満は14年4~6月期の 5709 億円を 底として増加傾向で推移していたが、18年4~6月期をみると 1 兆 1219 億円、前年同 期比では 0.3%とわずかに増加しているものの、営業利益前期差では2期連続のマイナ スになっている(第Ⅰ-1-14図)。

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第Ⅰ-1-13図 製造業及び主な業種の営業利益(後方4期移動平均)の推移 ▲ 2 0 2 4 6 8 10 (千億円) 0 10 20 30 40 50 60 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (千億円) 化学工業 鉄鋼業 一般機械器具製造業 自動車・同附属品製造業 電気機械器具製造業(旧分類) 製造業(右目盛) 資料:「法人企業統計」(財務省) 第Ⅰ-1-14図 製造業の規模別営業利益(後方4期移動平均)の推移 ①規模別の推移 10 20 30 40 50 60 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (千億円) 4 6 8 10 12 14 (千億円) 全規模 資本金1億円以上 資本金1億円未満(右目盛) ②前年同期比 ▲ 60 ▲ 40 ▲ 20 0 20 40 60 (%) Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 資本金1億円未満 資本金1億円以上 全規模 資料:「法人企業統計」(財務省) このように製造業全体では、売上高、営業利益とも引き続き増加傾向にあり堅調に推 移している。しかしながら、資本金1億円未満の企業をみると、いずれも前年同期比では 引き続き増加しているものの、前期差では売上高は14期ぶりに、営業利益は18年1~ 3月期以降2期連続していずれも減少してきている状況にあり、売上高、営業利益とも伸

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び悩みの兆しがみられる。 そこで、資本金1億円未満の営業利益の状況を業種別にみると、18年4~6月期の 前年同期比で減少に寄与した業種は、順に、印刷・同関連業が前年同期比▲36.6%と 2期連続の減少、次いで窯業・土石製品製造業が同▲33.8%と5期ぶりの減少、精密機 械器具製造業が同▲27.1%と4期連続の減少などとなっている(第Ⅰ-1-15図)。 第Ⅰ-1-15図 製造業(資本金1億円未満)の営業利益の推移(後方4期移動平均) ①主な業種の売上額の推移 ▲ 0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (千億円) 4 6 8 10 12 14 (千億円) 印刷・同関連業 窯業・土石製品製造業 金属製品製造業 一般機械器具製造業 精密機械器具製造業 製造業(右目盛) ②主な業種の前年同期比の動向 ▲ 60 ▲ 40 ▲ 20 0 20 40 60 80 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (%) 印刷・同関連業 窯業・土石製品製造業 金属製品製造業 一般機械器具製造業 精密機械器具製造業 その他 製造業 資料:「法人企業統計」(財務省) (4) 損益分岐点売上高比率の動向 ~製造業の損益分岐点売上高比率は 75.1%と低水準~ 売上高に対する収益の余裕の度合いをみるために、後方4期移動平均した数値をも とに損益分岐点売上高比率(損益分岐点/売上高)を算出すると、製造業は14年4~ 6月期の 88.5%をピークに減少傾向で推移し、18年4~6月期には、75.1%(ピーク時と のポイント差:▲13.4%ポイント減)と低水準にある。また、18年4~6月期における業種 別の状況をみると、木材・木製品製造業(88.9%)、繊維工業(86.8%)、衣服・その他の 繊維製品製造業(86.3%)などが製造業の平均を上回っているものの、石油製品・石炭

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製品製造業(56.2%)をはじめ、鉄鋼業(57.3%)、従来から変動幅が小さく低水準に あった化学工業(62.9%)などが低水準へと変化してきており、営業利益が一層高まる状 況にある(第Ⅰ-1-16図)。 第Ⅰ-1-16図 損益分岐点売上高比率の推移 40 60 80 100 120 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (%) 製造業 繊維工業 衣服・その他の繊維製品製造業 木材・木製品製造業 化学工業 石油製品・石炭製品製造業 鉄鋼業 (注)固定費=人件費+減価償却費計+支払利息等 変動費=売上高-経常利益-固定費 損益分岐点=固定費/(1-(変動費/売上高)) 損益分岐点売上高比率=(損益分岐点/売上高)×100 ※ 損益分岐点売上高比率の算出に当たっては、後方4期移動平均した数値をもとに 上記の算式により、計算した。 資料:「法人企業統計」(財務省) (5) 企業収益の要因分解 ~投入価格の上昇によるマイナスを 売上数量・産出価格の上昇でカバーし、経常利益は増加傾向~ このように生産の増加を反映し企業収益が増加しているが、その要因を詳細にみるた め、後方4期移動平均した数値をもとに経常利益の前年同期比の内訳を「売上数量」 「投入価格」「産出価格」「固定費(人件費、減価償却費、支払利息等)」の各要因別に 分解してみた。 これをみると、製造業は13年から14年頃は投入価格(原材料価格)の低下や人件費 などの固定費の削減などが行われていたものの、売上数量や産出価格(販売価格)が 低下したことにより経常利益は低水準にあった。 その後、投入価格が上昇したものの、売上数量の増加に加え16年10~12月期以降 産出価格も上昇に転じたことから、経常利益は増加傾向にある(第Ⅰ-1-17図)。

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第Ⅰ-1-17図 製造業における経常利益(後方4期移動平均)の 要因別前年同期比の推移 ▲ 150 ▲ 100 ▲ 50 0 50 100 150 Ⅰ └ Ⅱ 10 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 11 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 12 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 13 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 14 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 15 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (%) 200 250 300 350 400 450 500 550 600 (百億円) 産出価格要因 投入価格要因 人件費計 売上数量要因 減価償却費合計 支払利息等 経常利益(前年同期比) 経常利益額(右目盛) (注)要因分解は以下による(第Ⅰ-1-19図まで同様)。 なお、「投入価格要因」「人件費要因」「減価償却費要因」「支払利息等要因」については、逆数で 算出した(第Ⅰ-1-19図まで同様)。 π : 経常利益 O : 売上数量 (S/Po) S : 売上高 I : 投入数量 (V/Pi) F : 固定費 (人件費、減価償却費、支払利息等) Po : 産出物価 V : 変動費 (S-π-F) Pi : 投入物価 π=S-V-F=(O・Po)-(I・Pi)-F より Δπ≒(ΔO・Po+O・ΔPo)-(ΔI・Pi+I・ΔPi)-ΔF = O・ΔPo - I・ΔPi + (ΔO・Po-ΔI・Pi) - ΔF 〔産出価格要因〕 〔投入価格要因〕 〔売上数量要因〕 〔固定費要因〕 資料:「法人企業統計」(財務省)、「製造業部門別投入・産出物価指数」(日本銀行) 次に、主な業種の動向を製造業と比べてみると、化学工業は17年4~6月期以降、 売上数量の寄与が縮小していることや継続的な人件費削減が行われている点が異なっ ている。また、自動車・同附属品製造業では、産出価格が上昇に転じた時期(18年1~ 3月期)が遅かったことと、比較的固定費要因の寄与が大きい点が異なっている。 さらに、電気機械器具製造業(旧分類)では、経常利益の増加要因としては、ほぼ売 上数量のみが寄与しており、多くの業種で上昇している産出価格は依然として低下を続 けている点が異なっている。これは、販売価格の低下を販売数量の増加でカバーするこ とによって収益を確保しているものと思われる(第Ⅰ-1-18図)。

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第Ⅰ-1-18図 主要業種における最近の経常利益(後方4期移動平均) 要因別前年同期比の推移 ①化学工業 ▲ 150 ▲ 100 ▲ 50 0 50 100 150 200 Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (%) 65 70 75 80 85 90 95 100 (百億円) 産出価格要因 投入価格要因 人件費計 売上数量要因 減価償却費合計 支払利息等 経常利益(前年同期比) 経常利益額(右目盛) ②自動車・同附属品製造業 ▲ 100 ▲ 50 0 50 100 150 Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (%) 50 60 70 80 90 100 (百億円) 産出価格要因 投入価格要因 人件費計 売上数量要因 減価償却費合計 支払利息等 経常利益(前年同期比) 経常利益額(右目盛) ③電気機械器具製造業(旧分類) ▲ 600 ▲ 400 ▲ 200 0 200 400 600 Ⅰ └ Ⅱ 16 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ └ Ⅱ 17 Ⅲ 年 Ⅳ ┘ Ⅰ 18 Ⅱ 年 (%) 50 60 70 80 90 (百億円) 産出価格要因 投入価格要因 人件費計 売上数量要因 減価償却費合計 支払利息等 経常利益(前年同期比) 経常利益額(右目盛) (注)要因分解等については第Ⅰ-1-17図(注)を参照。 資料:「法人企業統計」(財務省)、「製造業部門別投入・産出物価指数」(日本銀行)

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次に、最近の業種別要因別の動向をみるため、後方4期移動平均をした数値をもと に16年7~9月期から18年4~6月期までの前年同期比を算出し、その平均を求め、そ の変化率が経常利益に対して増加・減少のいずれに寄与しているのかを表したものが 第Ⅰ-1-14表である。 これをみると、経常利益は印刷・同関連業を除くすべての業種で増加している。 要因別にみると変動費要因の中では、産出価格が衣服・その他の繊維製品製造業 に加え、一般機械器具製造業や自動車・同附属品製造業をはじめとした機械関連の業 種において低下しているものの、他の業種で上昇していることから、また、売上数量は、 衣服・その他の繊維製品製造業、印刷・同関連業を除くすべての業種において増加し ていることから、いずれも経常利益の増加に寄与している状況にある。一方、投入価格 は、原材料価格の上昇などにより電気機械器具製造業(旧分類)を除くすべての業種で 上昇していることから経常利益の減少に寄与している。 固定費要因の中では、人件費は繊維工業、衣服・その他の繊維製品製造業、化学 工業、自動車・同附属品製造業などで減少、減価償却費でも繊維工業、衣服・その他 の繊維製品製造業、非鉄金属製造業などで減少し、いずれも経常利益の増加に寄与 している。 さらに、各要因別の傾向が類似している業種毎に分けてみると、一般、電気、輸送な どの機械関係の業種(Aグループ)は前述したとおり投入価格の上昇及び産出価格の 低下を売上数量の増加でカバーしている一方で、人件費や減価償却費が増加しており、 更なる生産拡張へ向けた投資を行っていることが推察される。繊維、衣服、非鉄、金属 などの業種(Bグループ)は、他の業種が人件費や減価償却費を増加させているなか、 逆に人件費や減価償却費を減少させており、人員や設備投資を抑制している状況にあ る。鉄鋼などの業種(Cグループ)は、投入価格が上昇しているものの、産出価格も上昇 するなど一定の価格転嫁が行われていることや売上数量の増加により経常利益が増加 している状況にある。また、唯一、経常利益が減少している印刷・同関連業(Dグルー プ)は、人件費や減価償却費は減少し、産出価格は上昇するなどの経常利益を増加さ せるような傾向にはあるものの、売上数量が減少していることに加え、投入価格の上昇 により経常利益がマイナスとなっている。この背景としては、企業や官公庁などのIT化の 進展に加え、インターネットの普及や活字離れによる書籍等の出版部数の減少なども影 響しているものと思われる(第Ⅰ-1-14表、第Ⅰ-1-19図)。

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第Ⅰ-1-14表 経常利益の要因別期間平均伸び率寄与一覧表 (16年Ⅲ期~18年Ⅱ期平均) 産出価格 投入価格 売上数量 人件費 減価償却費 支払利息等 製造業 (20.4%) ↑ ↓ ↑ ↑ ↓ ↑ 一般機械器具製造業 (32.6%) ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ → 自動車・同附属品製造業 (6.3%) ↓ ↓ ↑ ↑ ↓ ↑ その他の輸送用機械器具製造業 (350.9%) ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ ↓ 精密機械器具製造業 (18.3%) ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ ↓ 電気機械器具製造業(旧分類) (23.0%) ↓ ↑ ↑ ↓ ↓ ↑ 衣服・その他の繊維製品製造業 (111.3%) ↓ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ 繊維工業 (19.5%) ↑ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑ 非鉄金属製造業 (57.2%) ↑ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑ 金属製品製造業 (40.6%) ↑ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑ 化学工業 (16.1%) ↑ ↓ ↑ ↑ ↓ ↑ 石油製品・石炭製品製造業 (80.1%) ↑ ↓ ↑ ↑ ↓ ↓ 食料品製造業 (6.8%) ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑ 鉄鋼業 (85.6%) ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑ その他の製造業 (20.6%) ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑ 窯業・土石製品製造業 (25.9%) ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ → 木材・木製品製造業 (47.8%) ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ ↓ パルプ・紙・紙加工品製造業 (2.7%) ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ ↓ D 印刷・同関連業 (▲ 6.8%) ↑ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ 業        種 A B C グ ルー プ 経常利益 変動費要因 固定費要因 (注)表中の矢印は経常利益に対する貢献を示しており↑:増加、↓:減少、→:横ばいを表す。 よって、投入価格、人件費、減価償却費、支払利息等については、当該項目の変動とは逆向きに なっている(例:投入価格が上昇した場合は、経常利益は減少するため「↓」となる)。 資料:「法人企業統計」(財務省)、「製造業部門別投入・産出物価指数」(日本銀行) 第Ⅰ-1-19図 経常利益の要因別期間平均伸び率寄与度 (16年Ⅲ期~18年Ⅱ期平均) ▲ 600 ▲ 400 ▲ 200 0 200 400 600 800 (%) 製 造 業 食 料 品 繊 維 衣 服 ・ そ の 他 木 材 ・ 木 製 品 パ ル プ ・ 紙 印 刷 化 学 窯 業 ・ 土 石 鉄 鋼 非 鉄 金 属 金 属 一 般 自 動 車 ・ 同 附 属 品 精 密 そ の 他 の 製 造 業 電 気 ( 旧 分 類 ) 産出価格要因 投入価格要因 売上数量要因 人件費計 減価償却費合計 支払利息等 経常利益 ▲ 1500 ▲ 1000 ▲ 500 0 500 1000 1500 2000 (%) 石 油 ・ 石 炭 そ の 他 の 輸 送 (注)要因分解等については第Ⅰ-1-17図(注)を参照。 資料:「法人企業統計」(財務省)、「製造業部門別投入・産出物価指数」(日本銀行)

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以上のことから、電気機械器具製造業(旧分類)などをはじめとする機械関係の業種にお いては原材料価格の上昇に加え、販売価格が低下するなどの企業収益にとっては厳しい状 況にあるものの、販売数量の増加により企業収益を確保している。一方、化学工業などの業 種においては原材料価格が上昇しているものの、販売価格も上昇しており、ある程度価格転 嫁がなされていることに加え、販売数量も増加していることにより、企業収益が増加するなど 業種によって企業収益の状況に違いがみられる。 製造業全体でみると、従来からの固定費圧縮や売上数量の増加に加え、製品価格の上 昇などにより大企業を中心に企業収益は増加傾向にある。 また、今後も外需を中心に引き続き堅調に推移することが見込まれ、損益分岐点売上高 比率も低い状況にある。しかしながら、依然として高水準にある原油をはじめとした各種原材 料の価格上昇などのマイナス要因や中小企業においては企業収益の伸び悩みの兆しなども 見受けられることなどに留意する必要がある。

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