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染料の生分解性に関する研究

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(1)

染料の生分解性に関する研究

著者 飯本 時子

雑誌名 東京家政大学生活科学研究所研究報告

7

ページ 1‑12

発行年 1984‑03

出版者 東京家政大学生活科学研究所

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009751/

(2)

染料の生分解性に関する研究

飯 本 時 子

Studies on the Biodegradations of Dyes

Tokiko IIMoTo

[1] 緒

 わが国の染料工業は,大正5年にはじまり,

繊維産業とともに,急速な発展を続けてきた。

現在,染料の年間生産量は,約5万トンにも昇 る1)。そのため,染色工場における染色廃水が 問題となってくるが,現在,水の色そのものに ついての法的排水規制はない。

 染色廃水が,河川や土壌中に,直接放出され ること,も少なくはなく,下水道に排水した場合 には,難分解性物質によって,活性汚泥の浄化 機能を低下させてしまうなど,染色廃水が,環 境汚染源として,大きな問題となっている。

 環境保全の立場から,染料の土壌への吸着や 土壌中での土壌微生物による分解性について,

一日もはやく,明らかにしておく必要がある。

 染料の分解性に関する研究としては,すでに 余剰汚泥を吸着剤とした染料の除去方法および 実際面への応用についての中岡氏らの研究2)や,

染料を分解する微生物の検索および単離を行な った小川氏らの研究3)−8)がある。

 又,指導教官の片山教授の研究室では,漂白

剤による染料の分解過程を可視部吸収スペクト ル測定および全有機炭素量変化を測定する方法 によって追跡した結果を報告9)している。

 又,同教授は,阿部氏らとの共同研究により 土壌環流による界面活性剤の生分解についての

検討10)−11)なども行なっている。

 そこで,本研究では,染料が,土壌へ直接放 出されることを考え,土壌環流法による実験を 行なった。染料の生分解については,単に有色 物質が無色になるだけの場合と,完全に分解し 無機物になってしまう場合とが考えられる。有 色物質の場合には,可視部吸収が認められ,無 色の物質になった場合にも,有機化合物として 残存しているような場合には,有機炭素が検出 されることから,本研究では,染料の分解過程 を,可視部吸収スペクトル変化および,全有機 炭素量(TOC)変化から,検討した。

 又,活性汚泥を用いた生物化学的酸素消費量

(BOD)測定法による生分解試験もあわせて行 ない,検討した。

*東京家政大学生活科学研究所研修生

(3)

回 実験方法

2−1試 料

2−1−1染料

 染料としては,染色実験によく用いられる水

溶性染料の中から,直接染料の,C.1. Direct Red 80, C.1. Direct Blue 86,および,酸性 染料の,C.1. Acid Orange 7の3種類を選ん だ。構造と水溶液(40ppm)の可視部吸収スペ

クトル極大吸収波長を図1に示す。

Structure

λmax(nm)

(in water)

NaO3S

OH

N=N N=N

  HN@   l

@  CO@   l  HN噂 6

   SO3Na

@  SO3Na

@  N=N

nH N−N

529

NaO3S

姦」醜漉、

C.1.Direct Red 80

N N\ヒN

N   Cu   N

@ N刃、N

(SO3Na)2

622

N

C.1.Direct Blue 86

HO

晦αSミN=N

484

C.1.Acid Orange 7 図1 供試染料

一2一

(4)

2−1−2 土 壌

 土壌は,東京家政大学校内(東京都板橋区加

賀1−18−1)にて,地表面より1cm下から

5cmまでの腐植に富み,暗褐色の部分をラン ダムに採取し,風乾し,飾別後,2mmの団粒 を5℃で冷蔵したものを使用した。

 土壌特性を表1に示す。なお,全炭素量,腐 植含量は,Turin法12)により求め,生菌数は,

平板培養法13)により求めたものである。

表1 土壌特性

グラスウール

全 炭 素 量 4.9%

腐  植  含  量 8.5%o

PH(H,O) 6.2

轍・・あたりの生esx 1 2.3×103

2−2 測定および定量方法 2−2−1 土壌環流法

 コックつきのクロマト管(内径30mm,長さ 300 mm)に,土壌が詰まるのを防ぐために,

グラスウールを下に入れ,風乾土50gを詰め,

その上にも,滴下による土の削れを防ぐために グラスウールをのせ,土壌カラムを作った。

 ニロ瓶に環流液を入れ,微量定量ポンプ(古 江サイエンス製ローラポンプ)にょり,80ml

/hの流量でカラムに滴下させるようにセット した。装置の略図を図2に示す。なお,カラム,

ニロ瓶などは,あらかじめ綿栓をした上で,160

℃にて,1時間,乾熱滅菌したものを使用した。

 環流開始後,一定時間ごとに,環流液の一部 をとり,可視部吸収スペクトルの測定と,全有 機炭素量の測定を行なった。

 各染料水溶液に関する具体的な方法は,次の 通りである。

 あらかじめ,40ppmの染料水溶液を各101 ずつ用意した。その染料水溶液500mlを80 ml

/hにより,カラムに滴下させ,環流を行ない,

一定時間ごとに,環流液の一部を抜きとり,吸 光度と全有機炭素量の測定を行なった。環流中

グラスウール 綿栓

ローラーポンプ

図2 土壌環流装置

の染料水溶液の色が薄くなり,吸光度が著しく 下がった段階で,環流液250mZを抜きとり,

40ppmの染料水溶液300 mlをつぎ足す方法 をくり返した。27日目に,40ppmの染料水溶 液を,11添加し,そのまま再添加せずに,環 流を行ない,測定を続けた。その後,60日目に,

環流液に,染料19を溶かしこみ,環流実験を

続けた。

 その後,C.1. Direct Blue 86については,

染料水溶液の色が薄くなり,吸光度が著しく低 下したので,120日目に,40ppmの染料水溶 液を800 ml再添加した。

 各染料ごとの環流条件を表2に示す。

2−2−2 生物化学的酸素消費量測定法  生物化学的酸素消費量(BOD)測定には,

JIS K OIO2i4)にもとつく,密閉型水銀マノメ ーター方式のBOD測定器(セントラル科学株

(5)

 日数

スタート時

 1日目

 4 〃  6     〃6.2 〃

 7     〃7.2 〃    〃

 8

   tt 8.2 〃    11  11 L 11.2 〃    〃 13    〃 15 〃    〃 18    〃 20 〃    〃 21    〃 25 〃  27日目

 60〃

120〃

140〃

160〃

     表2 環 流 条 件 C.1.Direct Red 80

40圏の染料水溶液 SOOmeを環流。

この間の各日には,

環流液より,250me ずっぬきとり,40麺

の染料水溶液300

nf添加をくり返す。

40P四の染料水溶液 14を添加

環流液に染料19 を溶かし入れる。

(670ppmとなる)

環流終わり。

C.1.Direct Blue 86

40paの染料水溶液 500磁を環流。

この間の各日には,

環流液より,250me ずっぬきとり,40四

の染料水溶液300

nf添加をくり返す。

40煕の染料水溶液 14を添加

環流液に染料19 を溶かし入れる。

(690隅となる)

40圏の染料水溶液 800nfを再添加。

﹂ユ

環流終わり。

4

C.1.Acid Orange 7

40圏の染料水溶液 SOOmeを環流。

この間の各日には,

環流液より,250nf ずっぬきとり,40pm

の染料水溶液300

nf添加をくり返す。

40pmの染料水溶液 16を添加

環流液に染料19 を溶かし入れる。

(760PPMとなる)

環流終わり。

(6)

式会社製)を用いた。図3に装置の概略を示す。

 表3に示すように,BOD測定用補強希釈水 を用意した。これを用いて,試験水を作った。

各試験水の染料濃度は,30ppmとし,植種と して活性汚泥(落合下水処理場の返送用活性汚 泥)20 mlを使用し,試験水の総量を180 mZ

とした。

 BODの測定温度は,20℃,期間は,16日間

行なった。

 又,BOD測定の試験操作を確認するために,

グルコース,グルタミン酸150ppmの標準液 を調製し,試験開始より,5日後のBOD(BO

D,)を測定した。

シールキャップー

 CO2除去剤

水酸化カリウム

試料水 撹伴子

  モーター

マノメーター スケール

水銀2m1

図3 BOD測定器

塩化第二鉄水溶液

塩化カルシウム水溶液 硫酸マグネシウム水溶液

緩 衝 水 溶 液

(FeCI3・6]日[20)      0.259/1

(CaCl2)         275. Og/1

(MgSO4・7H20)   22.59/1

(K2HPO4)       21.75g/1 iKH2PO4)       8.5g「1

iNa2}IPO4・12H20)  44.69/1 iNH4C1)        1.7g「1

表3 BOD測定用補強希釈水

(7)

2−2−一一一一3 吸収スペクトルの測定

 染料水溶液の吸収スペクトルの測定には,㈱

.島津製作所製の分光光度計UV−180を使用し

た。

 測定波長は,400〜700nmの範囲とし,対

照液には,イオン交換水を用いた。

2−2−4 全有機炭素量の測定

 全有機炭素量(TOC)の測定は,㈱島津製 作所製TOC−−10B型全有機炭素計によった。

これは,赤外線式ガス分析方法によるもので,

その略図を図4に示す。

 TOCは,溶液中の全炭素量(TC)の測定値 から,全無機炭素量(IC)の測定値を差し引い たものである。

S

1卜Glll、

Em即砿.GMM

器極鵜源ルル   調   ロ電セセ出 電ゼ   的流定料   学検膜対光直測試

M2

R

Sl S2

S3

V8

比 較 セ ル 高  抵  抗 光源エレメント

同期電動機

回転セクター 増  幅  器 V10光源用定電圧装置

S  商 用 電 源 図4 赤外線式ガス分析部原理図

一6

(8)

團 結果および考察

3−−1 土壌環流実験

3−1−1 空試験結果について

 3種類の染料水溶液の環流実験と並行して,

すべて同じ条件で,空試験として,イナン交換 水のみを用いた土壌環流を行なった。その結果 イオン交換水のみで行なった環流液には,可視 部の吸収は検出されず,各染料水溶液のλm。。

における吸光度およびTOC測定値は,すべて 0であった。

3−1−2 C.1.1)irect Red 80 について  図5は,C.工. Direct Red 80水溶液の土壌環 流実験による,スタート時(40ppm),35日目,

60日目(環流液を670ppmとして再スタート)

および150日目の400〜600nmにおける吸収ス ペクトル変化を示したものである。スタート時 には,529nmにピークがみられるが,35日目 には,スペクトルの波形がやや変わり,ピーク の移動がみられた。しかし,60日目より,670 ppmの環流液で実験を続けたところ,スター ト時から35日目に観察されたようなスペクトル の変化は,それ以上明確には,ならなかった。

 又,図6は,C.1. Direct Red 80水溶液の土 壌環流液の,λm。。(529 nm)における吸光度 変化およびTOC値変化を経日的にみたもので

ある。

 環流開始時から,25日までは,環流液の色が 薄くなると,新しい40ppmの水溶液をつぎつ ぎと再添加したところ,環流液中の染料は,ど んどん消失した。これが単なる吸着であるとす れば,吸光度の減少と,TOC値の減少とは,

ほぼ同様の傾向を示すはずであるが,11日目ご ろから,吸光度は0に近くなっても,TOC値 は下がりきらないところから,単なる土壌への 吸着ではなく,生分解がはじまったと思われる。

 27日目に,40ppmの環流液を11増し,そ

の後は,再添加をせずに,環流を継続したとこ ろ,吸光度は,開始直後に,急激に低下し,24 時間後には,45%となり,わずか一週間以内に,

ほぼ0となった。これに対し,同じ環流液につ いて測定したTOC値は,吸光度の減少率とは 異なり,残存量が多いものの,少し遅れてから 徐々に低下している。

 60日後,吸光度,TOC値ともに0となった 時点で,環流液に染料19を溶かしこみ(670 ppmの環流液となる)実験を続けたところs吸 光度,TOC値ともに,ほぼ同様の傾向を示し,

減少していくことがわかった。

 これにより,60日までにみられたような,吸 光度減少よりやや遅れてTOC値が減少する第 一段階の生分解に対し,60日以後では,第F段 階の生分解に入ったと思われる。特に80日i目ご       うには,吸光度,TOC値ともに,残存率は,

30%以下となり,日数はかかっているが,きヒ壌 環流による分解性は,かなり良いと思われiる。

国OZ<口¢Oの笥く

400

:スタート時(20倍稀釈)

:35日目

:60日目(再添加スタート時。500倍稀釈)

:150日目(50倍稀釈)

500

WAVELENGTH(nm)

図5 C.1.Direct Red 80による土壌環流 における吸収スペクトル変化

600

(9)

︵目qq︶OO﹄ゼ︵O錺︶ρO

゜§

d

OコO鶉8一Oqo

8 8

O噂 ○ー︵hd唱︶凝匝継帽→︵詮ε掘ロ塔階

      自

 06

      ﹄ヤ懸ロ騨e●OO↑b鰯魯1◎1︵Oc﹃鴎︶ρO

ゆ蟄論簡鑓睡郵q﹁ゆ弓一8唱①帽ぢ①洩∩.一.O O函

3−−1−一一3 C.1.Direct Blue 86について  図7は,C.1. Direct Blue 86水溶液の土壌 環流実験による,スタート時(40ppm)と,35

日目の500〜700nmにおける吸収スペクトル 変化を示したものである。

 スタート時には,622nmにピークがあるが 35日目には,スペクトルの波形が変わり,ピー クの移動がみられたQこれは,土壌環流により スタート時とは異なった分解生成物が,環流液 中に出現したものと考えられる。

 又,図8は,C.1. Direct Blue 86水溶液の 土壌環流液のλm。x(622 nm)における吸光度 変化およびTOC値変化を経日的にみたもので

ある。

 環流開始時から,25日目までの結果では,

C.1.Direct Red 80と同様,環流液中の染料は どんどん消失している。11日までは,吸光度の 減少と,TOC値の減少は,ほぼ同様の傾向を 示しているが,13日目からは,吸光度は,ほぼ 0になっているが,TOC値は,かなり高い値 を示した。これは,環流液中に無色の有機物が 存在していることを表わしており,単なる土壌 への吸着のみではなく,染料の生分解がはじま

ったのではないかと推定される。

 又,27日目からの環流結果からは吸光度には 急激な低下がみられ,わずか24時間後には,36

%の残存率となり,一週間以内で,ほぼ0にな っている。ところが,TOC値には,吸光度と 同様の減少はみられないものの,徐々に低下し ている。

 60日後,環流液に染料19を溶かし入れ(690 ppmの環流液となる)実験を続けたところ,

吸光度は,一週間後に50%,2週間で30%の残 存率にまで減少し,7週間で,ほぼ0に近くな

っているのに対し,TOC値は,吸光度の減少 率とは異なり,残存量が多い。しかし,しだい に低下している。

 120日目,吸光度,TOC値ともに,0とな

った時点で,40ppmの染料水溶液800 mZを 添加した。その結果,開始直後,吸光度は,急

一8一

(10)

激な低下を示し,24時間後には,13%の残存と なっているが,TOC値は,吸光度の減少に比 べ,残存量は多い。しかし,次第に低下してい

る。

 このことより,C.1. Direct Blue 86は吸光 度の減少に,やや遅れてTOC値が減少する第 一段階の生分解が行なわれていることが,わか

った。

国02<口国O沼く

1:スタート時(20倍稀釈)

2:35日目

WAVELENGTH(㎜)

図7 C.1.Direct Blue 86による土壌環流にお   ける吸収スペクトル変化

3−1−4 C.1.Acid Orange 7について  図9は,C.1. Acid Orange 7水溶液の土壌 環流実験による,スタート時(40ppm),35日 目,60日目 (環流液を760ppmとしての再ス タート時)および,160日目の400〜60011m における吸収スペクトル変化を示したものであ

る。

 いずれも,484nmにピークがみられ,160 日間の環流期間中,吸収スペクトルの波形に,

大きな変化は,みられなかった。

   8﹁

︷目畠eOO↑︵eqN㊤︶∩O

o o o

A      go

︶OO↑

(°

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0 8

       ﹄ヤ燃国哩e●OO↑bけ﹁輿10T人C◎㎝O︶∩Oゆ赴篇逗燵既興d﹁ゆ弓昆O◎o①︐一国一〇①﹄哨︵︻.一.O  o◎函

→︵h邸唱︶犠口垢齪剛f人臥6℃︶縦田燵一邸

         8

 08

(11)

 又,図10は,C.1. Acid Orange 7水溶液の 土壌環流液のλm・x(484nm)における吸光度 変化および,TOC値変化を経日的にみたもの

である。

 環流開始時から,25日までの結果から,開始 後1週間は,再添加のたびに,環流液中の染料 は,どんどん消失され,吸光度,TOC値とも に低下するが,1週間後より,その低下は少な くなり,土壌吸着平衡に達したのではないかと 思われる。又,この間,吸光度とTOC値とは,

ほぼ,同様の傾向を示している点からも,吸着 状態が予想される。

 2週間後から,吸光度は,次第に低下し はじ め,TOC値とに差がみられる。

 27日目に,環流液をll増してからの結果で も,吸光度は,徐々に低下し,TOC値もやや 遅れながら,低下していることがわかる。

 60日目,環流液に染料19を溶かし入れ(760 ppmの環流液となる)実験を続けたところ,

吸光度と,TOC値は,ほぼ,同様の傾向を示 し,かなり,ゆっくりではあるが,徐々に染料 が消失されることがわかった。

国OZ︽ロ帽O馨

 :スタート時 2:35日目  :60日目(25倍稀釈)

 (再添加スタート時)

4;160日目(25倍稀釈)

  400       500       600

        WAVELENGTH(㎜)

図g C.1.Acid Orange 7による土壌環流にお   ける吸収スペクトル変化

︵日qq︶OO↑︵噂゜9噂︶∩O︵巨qα︶OO↑︵お曽︶∩O

一10一

o

09OコO巽 →︵hd℃︸癒田垢懸    09Oq⊃OO

8

O矧O㎝

o

→人臥邸喝︶掻田鋸眠旧       ﹄︸螺田鯉e●OO↑b弓綿1QI︵§︶∩Oゆわ綿U噛燵踏攣引ゆ弓U噂ト①図q司﹄O薯oく.一.O O一区

(12)

3−2 BOD測定実験

 BODの測定を20℃にて,16日間行なった結 果を表4に示す。

 グルコース,グルタミン酸を用いて行なった ところ,BOD5は215 PPmO2であり,220±10 ppmO2の範囲内であり,この測定が,正しく 行なわれていることがわかった。

 C.1.Direct Red 80, C.1. Direct Blue 86,

および,C.1. Acid Orange 7の3種染料につ いては,16日間の測定では,BODはすべて,

OppmO2であった。

 片山氏らの家政学会年次大会報告によれば,

分解性の良いといわれているSDS(100 ppm水

溶液)のBOD5が120 PPmO2,石けん(100

PPm水溶液)のBOD・が100 PPmO2であり,

比較的難分解であるといわれているLAS(100

PPm水溶液)のBOD5はOPPmO2である15)

ということから,この3種染料は,BOD測定 法からみて,難分解であることがわかった。

表4 BOD測定結果

(ppmO2)

分解であることがわかった。

 同じ染料についで,土壌環流を行なったとこ ろ,C.1. Direct Blue 86は,環流開始後,す

ぐに,吸光度は低下し,又,TOC値も後を追 うように低下し,生分解されやすい染料であり,

又,C.1. Acid Orange 7は,比較的,生分解 のおこりにくい染料であることがわかった。

 又,土壌環流実験において,環流液の吸光度 と,TOC値の変化を同時にみる方法によると,

染料の色が薄くなっても,染料が,分解中間体 として,依然,有機化合物として,残存してい るような場合には,吸光度は,減少しても,

TOC値は減少せず,一方完全に無機物になる と吸光度も,TOC値も減少する。このことよ り,染料の生分解実験において,全有機炭素量 を測定することは,非常に有効な方法であるこ

とがわかった。

謝 辞

 この研究を進めるにあたり,ご指導いただき ました片山倫子教授,ならびに鈴木由美子助手 に,心からお礼申し上げます。

C.1.Direct Red 80

C.1.Direct Blue 86

C.1.Acid Orange 7

グルコース グルタミソ酸

BODs

0

0

0

215

BOD16

0

0

0

241

区]総

 C.1.Direct Red 80, C.1. Direct Blue 86お よび,C.1. Acid Orange 7について,土壌環 流法と生物化学的酸素消費量測定法による生分 解実験を行なった。

 その結果,生物化学的酸素消費量からみると,

この3種類の染料は,生分解は行なわれず,難

引用文献

1) 通産省産業政策局監修,:合成染料の流通構造,

 ㈲流通システム開発セソター編集発行(1981)

2) 中岡元信,田村禎男,前田嘉道,安積敬嗣:

 繊学誌,39,2(1983)

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7) Chizuko Yatome, Toshihiko Ogawa, Daisuke  koga and Eiichi Idaka,:JSDC 97 April(1981)

8) Toshihiko Ogawa, Chizuko Yatome and Eiich  Idaka,:JSDC 970ctober(1981)

9) 倉田由美子,松井正子,片山倫子,:東京家政

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 大学研究紀要,23,193(1983)

10) 阿部幸子,藤田万里子,片山倫子,:家政誌,

 31, 736 (1980)

11) 阿部幸子,藤田万里子,片山倫子,:家政誌,

 33, 527 (1982)

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 法,養賢堂,120(1978)

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 養賢堂,268(1977)

14)工場排水試験方法,JIS KO102−1974 15)片山倫子,鈴木由美子,阿部幸子,:家政学会  第35回,年次大会要旨集(1983)

一12一

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