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打継ぎ部の一体性を確保する簡易な打継ぎ処理方法の開発

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Academic year: 2021

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(1)

打継ぎ部の一体性を確保する簡易な打継ぎ処理方法の開発

AH15040 酒部 昭禎

指導教員 伊代田 岳史

1.はじめに

橋脚やダムなどのコンクリート構造物には,打継ぎ が生じる.打継ぎ部は一体打ち部と比べて,漏水や鉄 筋腐食等の耐久性低下につながる.現在,打継ぎ処理 方法は,高圧水とワイヤブラシを用いて表面を粗にす る方法で行われている.しかし,この作業は作業者の 感覚で処理の終了が判断されることが多いため品質に ばらつきが生じ,コンクリートの一体性に影響を与え る.本研究では,誰が打継ぎ処理をしても品質が同一 になる簡易な打継ぎ処理方法の開発を目的として,新 たな打継ぎ方法の提案を行う.

なお,打継ぎの試験として,図-1 に本研究で用いた コンクリート供試体の作製方法を示す.また本研究で 使用した計画配合を表-1 に示す.

2.打継ぎ処理時間による一体性への影響

現在,打継ぎ処理時間の明確な規定がなく,その 影響も不明である.そこで最適な処理時間の目安を確 認するために次の実験を実施した.

2.1 実験概要

打継ぎ処理深さを

2

mm で一定として打継ぎ処理時間 を接水後

6

12

18

24

時間後に設定した.中性化期 間を

2

週間おいて促進中性化試験による物質透過性を 評価し割裂引張試験で一体性を評価した.

2.2 実験結果および考察

図-

2

に打継ぎ処理時間の違いによる中性化深さと割 裂引張強度の結果を示す.どちらの結果も時間の経過 に伴い一体性が向上していることが確認された.図-3 で処理面を目視で確認した結果をイメージで示す.

6

時間後と

24

時間後の処理した凹凸を比較すると

24

時 間後に処理した方が比較的に凹凸が大きくなってい た.一方,

6

時間後の処理面では表面の粗骨材も除去 され,平たい表面であったのに対し,24 時間後では粗 骨材が表面に残り凹凸が発生することから強度や耐久 性に影響したと考えられる.

3.表面の凹凸による一体性への影響

2 の実験結果から表面の凹凸が打継ぎ部の一体性に

図-1 供試体作製方法 表-1 計画配合

図-2 促進中性化試験・割裂引張試験

図-3 処理後のイメージ図

左から粗骨材,緩衝材,無し 図-4 供試体 1 の断面図

与える影響を確認するために,粗骨材散布と緩衝材 を用いて,凹凸が異なる供試体を作製した.

W OPC S G

1 2

単位量(kg/m³)

50 48 170 340 852 951

W/C s/a

0 0.5 1 1.5 2 2.5

無処理 6h後 12h後 18h後 24h後 一体打ち 0

2 4 6 8 10 12

割裂引張強度(N/mm²)

中性化深さ(mm)

促進中性化試験 割裂引張試験

(2)

3.1 実験概要

図-4 で示すように粗骨材>緩衝材>無しの順で凹凸 を大きく設定した.なお工業用ウエスを使用しレイタ ンス除去を行った後に敷設した.中性化期間を

3

週間 として促進中性化試験と割裂引張試験で評価した.

3.2 実験結果および考察

実験の結果を図-5 に示す.この結果より,粗骨材を 敷設することが打継ぎ処理方法として最も有効である ことが確認された.粗骨材が打継ぎ面にあることで,

新旧コンクリート双方に骨材が埋め込まれるため一体 化の役割をしたと考えられる.一方,緩衝材は

1

層目 と

2

層目の間に空隙が発生したため一体性を失ったと 考えられる.

4.簡易的な打継ぎ処理方法の開発

粗骨材の敷設をより簡易的に実施するために,図-

6

のように,簡易的な方法について検討した.

4.1 実験概要

図-

6

で示すように粗骨材を基準として表面の形状を 様々と変えて打継ぎ処理を行い促進中性化試験と割裂 引張試験を実施した.M は底辺が

15mm

で高さが

8mm

の面木で あり, IM は 事前に作製 した 強度の大きい W/C=40 の

1:3

モルタルである. コンクリート打込み後,

2

間後に設置した.また,3 の実験と同様にレイタンス 除去を行った.

4.2 実験結果および考察

実験の結果を図-7 に示す.この結果から M と IM が 打継ぎ処理方法として効果があることが認められた.

図-

8

に示すように M と IM で促進中性化試験を実施し た際,中性化深さが凹凸の屈折面までしか入っておら ず中性化の進行を抑制したと考えられる.また割裂引 張強度でも凹凸が大きいため打継ぎ面にかかる,せん 断力を凹凸面の面積で分散できたと考えられる.これ より粗骨材を敷設したより強度が出現できたと考えら れる.そして,この方法は現在の打継ぎ処理方法に比 べて処理時間が短縮され,できることが確認された.

5.まとめ

(1)

コンクリートの打継ぎ処理時期は

1

層目のコンク リート打込み後,時間が経つほどより一体的にな ることが分かった.打設後

6

時間前に処理をする と,表面が柔らかいため粗骨材も除去されて平面 的な表面になり一体性に欠ける.

(2)

促進中性化試験の結果から,ブリーディング現

図-5 促進中性化試験と割裂引張試験

AA RA M IM

図-6 供試体の略称と断面図

図-7 促進中性化試験と割裂引張試験

M IM

図-8 促進中性化試験の割裂面

象に伴い表面に形成されるレイタンス層は打継 ぎ面の中性化を促進させるため,確実に除去する 必要がある.

(3)

打継ぎ処理には打継ぎ面の形状に強く影響を受 ける.コンクリートの打継ぎ処理を簡易的かつ効 果的に実施するため,面木かモルタルなど表面に 凹凸ができ,かつ表面積が大きくなるものを

1

層 目のコンクリートに敷設することを提案する.

Supported by

西武建設株式会社

AA 全て粗骨材 RA 周りに粗骨材

M 面木

IM 打継ぎ面にモルタル

0 0.5 1 1.5 2 2.5

0 5 10 15 20 25 30

粗骨材 緩衝材 無し

割裂引張強度(N/mm²)

中性化深さ(mm)

促進中性化試験 割裂引張試験

①呈色してい ない領域

②呈色してい

る箇所

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