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表7.がんのなりやすさと遺伝

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Academic year: 2021

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(1)

がん化の原因は何か?

遺伝子異常を何がもたらしているのか?

(2)

なんらかの外的要因、例えば放射線な どの環境要因や生活習慣などが悪さを しているとは想像できる。

タバコを吸い続けてもがんにならない人も いる。 がんになる人が多い家系もある。

遺伝的要因もがん化には関係するのか?

(3)

食道癌 8 4.0 0.5 601 1.6 0.1 胃癌 82 8.3 0.4 1410 3.5 0.3 大腸癌 681 30.7 2.6 6093 17.5 1.6 肝癌 37 4.1 0.3 1386 3.6 0.3 膵癌 46 7.9 0.7 1490 3.9 0.3 肺癌 365 26.8 2.3 5128 13.7 1.2

乳癌 1779 68.8 5.5 19144 41.1 3.4

卵巣癌 97 15.2 1.2 2872 5.8 0.5 前立腺癌 922 45.2 4.2 5071 22.4 2.1 甲状腺癌 12 6.4 0.5 1196 1.9 0.1 非ホジキンリンパ腫 74 14.0 1.1 3481 7.6 0.6 ホジキン病 8 8.9 0.6 1073 1.7 0.1 多発性骨髄腫 23 5.8 0.5 878 2.2 0.2 白血病 55 9.2 0.8 3145 6.5 0.5

がん種 家族性(親が罹患) コントロール   

       

        例数 発症率 リスク(%) 例数 発症率 リスク(%)

表7.がんのなりやすさと遺伝

3  Int. J. Cancer: 108, 109–114 (2004)より改変

(4)

スウェーデンの結果からは、感染が原 因のがんなどを除くと(肝がんや胃が ん)、親ががんの子供は同じがんに罹 患する確率が高くなる。

がんになり易さは遺伝する。

遺伝要因と環境要因お関係はどう考えるべき

か?

(5)

要因曝露

図44.遺伝要因と環境要因の組み合わせによる発がん

(6)

遺伝要因単独でがん化を進めることはない。

遺伝的要因がある場合には、より環境要因

への曝露を避けるべき。

(7)

遺伝要因以外の遺伝子変異を起こす原因は?

1.

DNA

の複製そのもの

2.物理的要因(放射線、紫外線な ど)

3.化学的要因(たばこなど)

4.感染症

(8)

DNA

の複製そのも の

機械であれなんであれ、ミスを犯さないものは

ない。

(9)

C

C C

C C C

C G G

G

G G G G

A A A A A A A

T A

T T T T T T

T

センス鎖

アンチセンス鎖

DNA DNA 複製

DNAポリメラーゼ

DNAポリメラーゼ

図45.

DNA

ポリメラーゼのミス

DNA の複製は、細胞が分裂する前に必ず行なわれるが、 10 億回に1回は間 違えるとされている。ヒトの細胞には 30 億塩基対があるため、1回の分裂 で3個の DNA 変異が入る計算となる。

(10)

がん細胞の誕生は、そうまれなものでは なく、毎日のように誕生していると考え られている。

ただ、臨床がんとして認められるような

がんはそのうちの1万分の1〜

100

万分

の1といった頻度でしかない。

(11)

物理的要因(放射線や紫外線な

ど)

(12)

放射線による DNA 損 傷

-GAT-CTA-GCC-GCC-AGA-TCC-CCG-TCG-ATG-A

-GAT-GTA-GCC-GCC-AGA-TCC-CCG-TCG-ATG-A

正常蛋白質

異常蛋白質 正常な遺伝子

異常な遺伝子 一塩基の変異

一塩基変異による異常蛋白の産生

図46.放射線の影響

DNA

損傷のメカニズム

放射線は原子にエネルギーを与えて励起や電離を生じさせ、結果として DNA に傷を付ける。

(13)

放射線は、原子力発電所の事故で注目された が、我々はそれ以外に日常的に放射線を浴び ている。

ラドン温泉、飛行機搭乗中の宇宙線、など

(14)

各種食品 放射性物質の量(単位:ベクレ ル /kg

わかめ 10-150

ほうれん草 90-220

玄米 60-80

10-25

牛乳 20-60

50-60

ウイスキー 50

ビール 長崎大学原爆後障害医療研究施設 放射線5 Q&Aより引用 http://abomb.med.nagasaki-u.ac.jp/abdi/qa/index_j_qa02.html 参照:Natural Radioactivity pressed by Idaho State University http://fizisist.web.cern.ch/fizisist/funny/NaturalRadioactivity.pdf

表8. 食品中の自然放射線量

(15)

年間に浴びる放射線量はどのくら

い?

(16)

自然放射 線量 2.4

1988年国連科学委員会報告から作成

(17)

年間

2mSv

放射線を浴びているとす ると、放射線の影響は蓄積するため

、50年間で

100mSv

浴びる計算に なる。

この年齢を過ぎた頃からがんが増え

てくると言うのも、示唆的なことと

思われる。

(18)

危険な放射線量とは?

(19)

被ばく線量( Sv 固形がんリスク増加 (%)

0.005-0.1 1.8

0.1-0.2 7.6

0.2-0.5 15.7

0.5-1.0 29.5

1.0-2.0 44.2

>2.0 61.0

放射線被ばくがない場合の固形がん発症予測より何%多く認められたかを示し た。       放射線影響研究所:原爆被害者の固形がんリスクよ り作成       Radiat Res. 2007 Jul;168(1):1-64.

表9.原爆被ばく者の固形がんリスク

(20)

低線量の放射線であっても危険と考えら

れるが、有為差をもってがんが増加する

のが、

100mSv

である。

(21)

環境要因が発がんに関係することが分 かったのは、イギリスの煙突掃除夫で あった。

陰嚢がんが多いことが問題となり、煙突 の中にたまったすすの中に石炭の燃えか すがあり、これが発がんに関与している と考えられた。

その後もたくさんの物質が、職業がんの

発見によって見つかった。

(22)

発がん物質 標的部位 職業

アスベスト 肺、胸膜 建設作業員、解体業従事者

ヒ素化合物 皮膚、肺、肝 冶金作業者、農薬散布従事者 タール(ベンツピレン) 肺、皮膚、陰嚢 道路舗装従事者、煙突掃除人

ベンゼン 骨髄 靴製造業者、石油精製業者

アニリン(ナフチルアミン) 膀胱 染料工業従事者 塩化ビニル 肝、肺、脳 ポリマー樹脂製造業者

クロム 肺、鼻腔 クロム鉱山労働者、クロムメッ

キ工業

ニッケル 肺、鼻腔 ニッケル鉱山労働者

カドミウム 前立腺、肺 カドミウム作業者

ベンチジン 膀胱 染料工業従事者

表10.発がんに関与する化学物質

(23)

タールやベンゼンなどがタバコの煙から

も検出されており、喫煙はがん化の最大

のリスク因子である。

(24)

アメリカ公衆衛生総監報告(1989)より作成

表11.米国における喫煙のがんリスク

非喫煙者を1として、喫煙者のがん発症リスクをもとめた。喫煙者とは毎日1本以 上のタバコを吸っており、自分で喫煙者と申告したものを指す。相対リスクが2と いうことはがん発症が2倍になることを意味する。以下の図でも同様。

(25)

喫煙はほぼすべてのがんのリスク要因

喫煙者ががんになるのは自業自得!

問題は受動喫煙。

(26)

喫煙とがん− その1

非喫煙者の女性

13 時間以上受動喫煙を受 けている人では、受動喫煙を 受けていない人に比べて子宮 頚がんの発症リスクが 3 倍以 上に増加する。

(27)

喫煙とがん− その2

乳がんは受動喫煙による影 響が大きいため、非喫煙者 を対照とすると間違った結 果が得られる。非喫煙者で 受動喫煙なしをコントロー ルにすると、受動喫煙のみ で喫煙と同じくらいのリス クとなる。

(28)

喫煙の影響を調べるためには、非喫煙者は コントロールにならない。

非喫煙者で且つ受動喫煙なしをコントロー ルにする必要がある。

喫煙と同じくらい受動喫煙はがん化を促進

する。

(29)

喫煙とがん− その3

アルコールと喫煙どっちが悪い?

両方悪い!しかし非ウイルス性肝がんでは、喫煙の影響が大 きい。

(30)

喫煙とがん− その4

(31)

喫煙はがん転移を促進する。

(32)

喫煙率が低下しているのに、肺がんは減らな い?

喫煙率は 1966 年のピーク 83.7% から、 2011 年の 33.7% まで、減る一方 です。 そして、肺がん死亡数は 1958 年の 2,919 人から、 2010 年の 50,395 人と 増える一方です。

(33)

喫煙率の低下に伴って肺がんは減少している!

(34)

喫煙、特に受動喫煙も含めて、は最大

のリスク要因である。

(35)

感染の影響は?

(36)

感染源 がんの部位 年間罹患数 割合 (%) ヘリコバクター・ピロリ菌 490,000 5.4 ヒトパピローマウイルス 子宮頚部・他 550,000 6.1 肝炎ウイルス( B型、 C 型) 肝臓 390,000 4.3

EBウイルス リンパ腫

鼻咽頭

99,000 1.1

ヒトヘルペスウイルス8型 カポジー肉腫 54,000 0.6 ビルハルツ住血吸虫 膀胱 9,000 0.1 ヒト T 細胞性白血病リンパ腫ウイル

白血病

リンパ腫

2,700 0.1

肝吸虫 胆管 800

感染関連がん 総数

1,600,000 17.7

がん総数 (1995)

9,000,000 100

表12.感染症による発がん

Stewart BW and Kleihues, eds. World cancer report, pp57, IARC Press, Lyon,2003

(37)

DNA ポリメラーゼのミス DNA ポリメラーゼのミス 放射線による

DNA 損傷 放射線による DNA 損傷

化学物質による DNA 損傷 化学物質による DNA 損傷

感染に伴う活 性酸素による

DNA 損傷 感染に伴う活 性酸素による

DNA 損傷

ウイルスによ るがん抑制遺 伝子の不活化 ウイルスによ るがん抑制遺 伝子の不活化

遺伝要因あり 遺伝要因なし

がん細胞がん細胞

図48.がん化のメカニズム

遺伝子変異を引き起こす要因

ウイルスによ るがん遺伝子

の活性化 ウイルスによ るがん遺伝子

の活性化

(38)

がんの形成に必須の血管新生

がん細胞が増殖して大きさが

2mm

を超えるようになる と、血管から遠くはなれる細胞が出現する。正常の組 織では、2

mm

以上はなれないように毛細血管網が形 成されている。

したがって

2mm

以上離れると酸素や栄養の供給が不足 するようになる。そのため、これ以上がん組織が大き くなるためには、血管ががん組織内に入る必要がある

(39)

造影剤を動脈内に注入してレ ントゲン写真をとると,左の ように腫瘍全体に造影剤が染 まって見える。これらが腫瘍 血管と呼ばれている。

 これだけ血管があるのだか ら,十分量の酸素と栄養が供 給されていると考えられるが

、血流が遅いから染色される と考えると、時間あたりの動 脈血供給量は少ない。

図49.がん組織の腫瘍血管

(40)

Adam らの文献( Head Neck, 21:149, 1998 )より引用

Normal tissue 正常皮下組織

Tumor tissue 癌組織

図50.正常組織とがん組織の酸素濃度

Adam MF, et al. Tissue oxygen distribution in head and neck cancer patients. Head Neck, 1999, 146-153 より改変

(41)

(A)  低酸素環境下での VEGF 産生 (B)  血管新生因子と阻害因子のバランス

VEGF タンパク

VEGF遺伝子

HIF-1

血管新生因子 血管新生阻害因子

図51.血管新生のメカニズム

低酸素になると低酸素誘導転写因子

HIF-1 )が核内に移動し、 VEGF 遺伝 子の転写亢進、タンパク産生が亢進する

低酸素下で血管新生因子(VEGF タンパク)が 産生されると、血管新生因子が阻害因子を凌駕 するようになって、血管新生へ向かう。

(42)

1.がん組織が大きくなると低酸素になるため、

HIF- 1

が活

  性化する。

2.

HIF-1

によって数多くの血管新生因子タンパクが 作られ

  る。

3.血管新生が起こるが、秩序だっていないために欠 陥の

  ある血管ができる。

4.そのため、血管がたくさんできるが、いつまで たっても酸

  素不足の状態が続く。

5.

HIF-1

の下流には、がん細胞の運動を高める因子 もあり、

  転移が促進される。

(43)

がん細胞では、かなりの細胞にてテロメ

ラーゼが活性化しており、増殖ストップは しにくくなっている。しかし、腫瘍内分化 も起こり、分化に伴って遺伝子のサイレン

シングもおこり、老化する細胞が出てくる。

一方すべての細胞が分化して老化してはが

ん組織が大きくなれないため、正常組織と

同様に幹細胞が存在する可能性がある。

(44)

長期維持幹細胞

前期前駆細胞 後期

前駆細胞 分化した細胞

分化の方向性

がん化の可 能性の大小

脱分化

図52.幹細胞、前駆細胞とがん 化

自己複製

ニッチで静的 増殖分画 分化方向の決定 分化

短期維持幹細胞

(45)

がん化には、ある程度の分裂能をもった幹

細胞や幼弱な前駆細胞レベルの細胞ががん

化すると考えられる。このレベルの細胞で

は、不均等分裂が起こり、片方は分化する

が、もう片方は未熟なままで残る。がん細

胞においても幹細胞の存在が示唆されてい

る。

(46)

がん幹細胞の存在が示唆するもの

がん幹細胞はどちら下というと細胞周期に入っていな い。したがって抗がん剤が効かない。再発や転移は、

幹細胞の性と行ってもいい。

したがってがん幹細胞の特徴を明らかにすることが必

要。

参照

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