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智山學報 13 010鈴關 宥俊「佛説大悲空智金剛大教王儀軌經の研究(二) : 特に梵藏漢三譯對照の結果に就て」

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Academic year: 2021

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全文

(1)

特 に 梵 藏

封 照 の 結 果 に 就 て ー

宀 ’、   前 項 に 於 て 私 は 梵 藏 二 本 の 具 鰊 を 例 読 し た が

然 も そ れ は 既 述 の 如 く 極 め て 部 分 的 な 問 題 に 麗 す る も の で あ つ て 、 藏 本 は 梵 本 の 途 語 譯 で あ る と 言 ふ 規 範 に 至 つ て は 變 り は な い 。 さ う 言 っ た 飛 沫 的 な 部 分 を 除 い て は

梵 藏 二 本 は ピ ッ タ リ

致 す る 。 故 に 梵 漢 爾

本 の 出 沒 、 藏 漢 兩 者 間 の 具 篏 を 全 然 別 個 に 論 す る は

重 複 す る 嫌 が あ る 故

今 こ の 項 に 於 て 、 梵 藏 南 譯 を

整 め に し て そ れ と 漢 譯 と の 間 に 於 け る 具 鴃 の 問 題 を 論 す る こ と に す る 。   a 、 梵 藏 に あ り て 漢 に 缺 け た る も の   拏 吉 尼 熾 盛 威 儀 眞 言 晶 第 二 に は 約 三 十 句 程 の 眞 言 を 出 す の で あ る が

梵 藏 兩 本 の 第 十 コ 番 目 に は  

〇 召 澣 骨 。・ 黐 冨 マ p 身 旦   〔 聟

幽 己  

〇 髯 牌 耀 髦 咎 騨

師 び 畧 ム 午 げ 岩 争 賢

  〔 ま レ oユ げ 〕 な る 信 愛 ( 養 毋 2

ξ

  亭

の 眞 言 を 出 し て 居 る け れ ど も 漢 本 に は 之 を 缺 く 。 然 し 漢 に 於 て は そ の 第 八 番 目

(2)

に 信 愛 の 眞 言 と し て   信 愛 眞 言 日     庵 引 酷 囀 梨 矧 訖 哩

莎 賀 四 〔

ハ 左 〕 と 明 か す 。 所 が こ の 貫 言 に 就 て 梵 藏 の 中 に は  

。 督 犀 日 口 犀

Φ ぼ 暮 加 昌

犀 再 苧 ぎ 已  

替 窪

〔 皆 尸 虧 陶 〕  

〇 偲 ぎ 旨 犀 巳 ポ

筐 訟 鼠 げ 胴

犀 賃 午 ざ 崔   乞

°陰 夛 σり ゜慶

皿 〇

  〔 3

』 ぴ 〕 と 示 し

こ の 眞 言 を ば 信 愛 眞 言 と 言 は す 酷 噛 梨 ( ぽ 口 H 口

犀 百 一

  ) 眞 言 と 稱 し て 居 る 。 勿 論 金 剛 藏 菩 薩 現 證 儀 軌 品 第 十

に   略 読 酷 羅 菩 薩 於 諸 衆 生 速 疾 成 就 信 愛 之 法   〔 七

左 〕 と て 次 に

一 ヴ 字 よ り 生 ぜ る 醂 羅 菩 薩 (

コ 由 三

 

の 種 々 莊 嚴 の 身 相 を 觀 じ て 眞 言 を 誦 す る 法 を 宣 読 し て 之 を ば 三 界 信 愛 法 と 稱 し て ゐ る が 、 こ の 點 よ り 見 れ ば 、 如 上 の 眞 君 を 信 愛

眞 言 と 言 つ て も よ い け れ ど も 、 而 し 梵 藏 二 本 に 於 て は 漢 本 と は 別 に 信 愛 眞 言 と し て o 召 澣 ぢ 袈 訓 ぽ 倒 を 説 き 漢 本 に 信 愛 眞 言 と 稱 す る も の を 酷 噌 梨 眞 言 と し て 居 る の で あ る 。   亦 家 に 大 相 應 輪 品 第 八 冒 頭 の 梵 藏 漢 三 譯 を 對 照 す る に           漢

 

本      

 

 

    梵 竅 本     復 次 相 應 輪

我 今

當 廣

読    

爾 の 時 瑜 羝 尼 輪

( 曳 O σq 置 苧 o 口 ぼ 粤 戸 同 β 呂

ザ げ 回 O 甼 舅 暫 ぽ

ゲ 犀 げ o 弓

〇 ) を 我 設 く べ し 。     最 先 室 界 中 作 如 是 觀 想    

室 界 中 に 婆 伽

び ぽ 爭 α霊 , ) を 觀 想 し つ つ

中 に 於 て 觀 想 を 作 す べ し 。     其 次 輪 壇 中 出 生 諸 賢 衆     ミ 先 の 輪 に 於 て 次 第 の 如 く 諸 賢 衆 の 出 生 あ り 。         儲 眦 大 悲 空 智 金 剛 大 敬 王 儀 軌 超 の 研 究                                            

五 三

(3)

        智 山   學 報                                                  

五 四     叉 於 輪

園 角 觀 想 大 風 輪

    ミ 先 づ 地

輪 ) 水 輪

あ り 、 次 の 如 く 火 ( 輪 ) あ り 。     水 輪 如

其 衣 火 大 亦 復 爾    

諸 賢 衆 の 爲 に 亦 觀 想 者 の 生 す る が 如 く 大 風 ( 輪

あ り o               〔 七 〇

L 石 〕                                                         〔 林

♂ 尸 μ 恥 四

  菎

h

σ 尸 oo ぴ 〕 と あ る 。 こ の 文 は 大 種 所 造 の 世 界 建 立 を 明 し 、 そ の 上 に 日 月 輪 を 觀 じ

次 に 日 月 二 輪 の 相 應 瑜 伽 し て 悉 地 成 就 せ ん こ と を 論 読 す る

段 で あ る が 、 そ の 中 梵 藏

本 よ り 見 る 時 は 、 次 の 如 く 筌

風 の 五 大 輪 斯 建 立 の 道 場 觀 な る こ と は 明 で あ る が 、 漢 本 に 於 て は 地 輪 を 畉 い て ゐ る 。 蓋 し 當 經 の 各 所 に 於 て 、 五 大 を 貪

兩 舌

嫉 妬 の 五 染 心 、 或 は 五 佛 、 五 部

五 智 等 に 配 當 し て 種 々 な る 教 読 を 主 張 し て 居 る 點 よ り 見 て 、 當 經 は 飽 迄 五 大 読 を 以 て そ の 教 格 の

と し て 居 る と 思 は れ る が 故 に 、 今 の 文 に も 當 然 地 輪 が 有 る 可 き も の な る に 漢 譯 に は 不 用 意 に も 地 輪 を 脱 し

て 居 る 譯 で あ る 。   如 上 の 二 例 の 如 き は 短 字 句 の 簸 睨 で あ る が 家 に 相 當 長 句 の 篏 脆 の 例 を 明 さ ん に 、 集

切 儀 軌 部 品 第 十 四 の 左 の 對 照 を 出 せ ば 漢 譯 に 於 て は 梵 本 の 碩 二 十 九 行 、 藏 本 の 頌 三 十 行 を 脱 し て 居 る 。 帥 ち           漠   本

 

 

 

 

 

 

 

梵 藏 本     此 諸 世 間 所 持 誦 處 能 生     丶 丶 然 も そ れ に よ り て 世 間 の 信 愛 あ り

そ れ に よ り て 眞 言 持 諞 あ り o     信

愛 是 故 於 此 極 生 尊 重    

丶 何 處 に て も 尊 重 は 歌 詠 さ れ 何 處 で も 尊 重 は 舞 儀 さ る 。                            

先 づ 衆 主 と な り て

そ こ で 香 を 見 出 し む べ し 。                            

                            、

龍 碯

白 檀 を ( 見 し む べ し ) そ れ に 綬 い て 歌 詠 加   の 相 あ り 。

(4)

丶 。 丶 。 ミ 印 作 と

幟 と あ り て 亦 そ れ に よ り て 部

の 別 ) を 見 る 。

口 て る 部 の   想   伽 に よ り て は 咸 就 も な く 成 就 者 も な し o 、 、 瞋 印 を 以 て 無 我 明 妃 を 、 癡 印 を 以 て 金 剛 明 妃 を

、 丶 兩 舌 印 を 以 て 遨 哩 明 妃 を 、 貪 印 を 以 て 囎 哩 明 妃 を 印 す ぺ し 。 、

嫉 妬 印 を 以 て 拏 吉 尼 明 妃 を 、 瞋 印 よ り ト 葛 西 明 妃 を 。 、 丶 癡 印 も て 設 輿 哩 明 妃 を 、 嫉 妬 印 を 以 て 賛 拏 哩 明 妃 を 。

兩   印 も て 尾 多 梨 明 妃 を 、 貪 印 も て 渇 三 摩 哩 明 妃 を 。 こ 癡 帥 も て 地 行 明 妃 を 、 貪 印 も て 室 行 明 妃 を

印 す べ し )

汝 等 は 欲 ふ て 印 作 を 知 る ぺ 凵

丶 囲 自 の 第 三 は 遨 哩 明 妃

第 四 に は 囀 哩 瑜 砥 尼 o 丶 丶 第 五 は   剛 拏 吉 尼 明 妃 、 第 六 に ト 葛 西 明 妃 が 念 ぜ ら 制 尢 り 。 丶 丶 第 七 に 設 囀 哩 明 妃 、 第 八 に 賛 拏 哩 明 妃 。 佛 説 大 海 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 經 の 研 究

五 五

(5)

智   山   學   報                                                  

五 六

。 こ 第 十

に 陬 哩 明 妃 が 論 ぜ ら  

第 十 二 に 尾 多 梨 妃 が 思 惟 さ れ た り 。 こ 第 十 三 に 渇 三 摩 哩 明 妃 、 第 十 四 に 室 行 明 妃 。

第 十 五 に 地 行 明 妃 な り 、

以 上 が

諸 瑜 砥 尼 の 自 の   子 な か 。 こ 部 章 に

て 三 十 二   胝 の 自 性 が 謝

。 丶 丶   胝 は 順 次 に 二 が

と な   る 二 の 瑜 砥

尼 と 思 惟 ∫ ご   た り 。 ミ ( 各 各 三 部 と

) 丶 、 ( 月 の ) 十 六   無 き が 故 に

切 の

は 勤 策

q

可 得 の 故 に 。                            

十 五   を 自 性 と   る 月 は 菩   心 な り 。     如 月 愛 相 勿 復 疑 惑        

月 ( 囲 嵩 ) の 相 は 大 樂 な り 、 諸 瑜 砥 尼 は 此 れ が 部 分 な り 。     時 金 剛 藏 白 佛 言 世 辱       \ 丶 金 剛 藏 言 く 。               〔 七 四

左 〕                                                         〔 林

σ ド 誤 げ   藏 ひ

b50 曽 〕 右 の 封 照 を 以 て そ の 鋏 脱 の 云 何 を 知 る 可 し 。 か く の 如 く 漢 本 の 「 極 生 奪 重 」 と 「 如 月 愛 相 」 と の 中 間 に 大 略 十 五 碩 程 が 有 る 譯 で あ る が

何 故 か 」 る 長 句 を 脱 せ し や 。 或 は 梵 藏 が 後 代 の 挿 入 に 非 す や 、 と 云 は ん も

左 樣 で は な い ら し い 。 「 尊 重 」 と 「 如 月 」 の 蓮 綾 具 合 よ わ 見 て も 此 の 脱 文 無 く ん ぱ 義 理 不 明 と な ら ん 。 且 亦 金 剛 部 序 品 に 於 て 三 十 二 血 脹

(6)

を 出 す が 單 に そ の 名 目 の み に て 他 に そ の 意 義 を 明 す 所 な く

今 の 梵 藏 の 踉 文 に 於 て 初 め て そ の 教 読 の 程 が 判 明 す る の で あ る 。 か か れ ば 今 の 飫 晩 文 は 當 然 有 る 可 き も の で あ ら う

。   街 此 の 外 教 授 品 第 十 八 の 如 き は 眞 言 品 第 二 斯 出 の 十 六 種 の 眞 言 構 成 法 を 明 か す 文 ( 梵 ま 尸 摯 零 − 騰 。 ド 器 び

藏 剛 o 尸 器 蟄 ー ho

b 。   尠 ) を 缺 く な ど 上 例 に 類 す る 箇 處 亦 少 く な い の で あ る 。  

b

、 漢 に 有 り て 梵 藏 に 缺 く 字 句   次 に 項 を 改 め て 、 漢 本 に 有 り て 梵 藏 二 本 に 缺 睨 せ る 字 句 を 考 ふ る に

前 所 引 の 如 き 長 字 句 の 缺 脆 は 見 當 ら す

僅 に

頌 乃 至 坐

頌 程 の そ れ で あ る 。 先 づ 詮 密 印 品 初 頭 の 丈 を 見 る に 次 の 如 し 、 漢     本 佛 告 金 剛 藏 言 秘 密 印 品 我 今 當 読 爲

習 瑜 伽 者 恭 敬 問 訊 得 生 勝 解 無 復 疑 惑 謂 示

指 爲 印 二 指 爲 印           〔 六 九

左 〕 と あ り 。 帥 ち 漢 本 の 傍 線 の 丈 は 梵 藏 二 本 の 中 に は 無 し 。 其 の 中 「 佛 告 金 剛 藏 言 」 答 の 形 式 な る よ り 聯 想 し て 附 加 し た る も の と も 解 釋 出 來 る が 、 「 爲 修 習 瑜 伽 者 恭 敬 問 訊 」 「 爲 修 :

無 復 疑 惑 」 の 相 當 句 は 梵 藏 の 第 二 頌 で あ つ て

 

ζ

Φ

謡 饗

8

霹 ・

σ

昌 。

鬘 ・・

珍 『

          佛 設 大 悲 空 智 金 剛 大 敬 王 儀 軌 經 の 研 究         梵 藏 本

さ て 標 幟 ( OO ぽ O 目 劉   OO

〇 H 昌 詈 飼            

M

) 章 を 我 読 か ん 。

\ そ れ に よ り て 兄 弟 姉 妹

げ げ 鼠 窈

三 箏 σq 冒

o。 で 冒 亭 山 夢 季 胃

守 蟹 o ) が 知 ら れ る

疑 ひ あ る 勿 れ 。 こ 誰 に て も

指 を 見 し べ し 、 亦 二 指 を 以 て し て も 勝 解 あ り 。                                       〔 梵 3

お 鋤   藏 甘 尸 “ ぴ 〕                                         の 句 は 恐 く 本 經 が 佛 と 金 剛 藏 と の 問                                               の

句 は 如 何 に 解 す 可 き か 。

五 七

(7)

        智 山   學 報                                                    

五 八  

σq

幀 軍 昭 ⇔ 弓 臼

摯 臼 霞

 

昏  

ひ 筈

μ

髯   負

思 口

  。。 勇 夢 雫 ξ 且 の 如 し 。 如 上 の 缺 句 相 當 箇 處 は こ の 前 牟 で あ る が 漢 と 梵 藏 と 互 に 相 違 し て 居 り

梵 藏 に 於 て は 漢 の 相 當 文 を 篏 脆 し て 居 る こ と に な る 。 或 は 兩 者 の 原 本 の 相 逹 に 齢 す 可 き も の で あ ら う か 。   坎

に 行 口 盟 第 六 の 文 を 對

比 せ ば           漢     本

 

 

     

 

 

      梵 藏 本     於

樹 下 或 塚 擴 間 乃 至 夜 分    

樹 下 或 は 塚 擴 聞 に て 清 淨 觀 想 が 語 ら れ     筌 寂 舎 中 清 清 安 佳 而 作 觀 想     \ ト 母 の 住 處 亦 室 寂 舍 或 は 夜 分 に 語 る 。    

 

                            し     於 佛 智 慧 隨 有 悟 入 如 是 勝 行     丶

亦 或 は 寂 處

寂 途 に 於 て 、 若 し も 少 分 熱 心 に 行 を 得 せ ん と 樂 欲 し 。     乃 可 爲 読 叉 若 樂 求 咸 就 如 是 行 故

成 就 に 到 逹 せ ん と 若 し も 樂 欲 せ ば

此 の 行 に よ り て 行 す べ し 。               〔 山 ハ 九

石 〕                                                                                       〔 梵 ま

  O げ  

臧 夢

刈 臼 〕 こ の 中 漢 本 の 傍 線 の 箇 處 亦 梵 藏 中 に 有 る こ と な し 。 こ れ 亦 譯 者 の 意 樂 に よ り て 文 の 修 飾 上 つ け 加 へ た も の か 、 原 本 の 相 違 に よ る か 不 明 な れ ど も 要 す る に 梵 藏 中 に は こ の 句 を 見 出 し 得 す 。   更 に 彼 の 聲 像 儀 式 品 第 十 六 に 於 て 室 智 金 剛 ( 国   葺

) の 圖 像 を 明 す が 、 そ の 中 所 用 の 晝 布 め 製 造 法 に 關 し て 漢 と 梵 藏 に は 下 の 如 く 出 す 。

(8)

                                                                                  藏 鵠

bコ 6昏 己 即 ち 右 の 中 漢 の 傍 線 の 點 は 梵 藏 の 文 中 に 之 を 缺 い て 居 る の で あ る 。 そ の 篏 暁 文 は 要 す る に 橙 樣 を 織 作 す る 時 の 所 用 の 絲 線 の 取 扱 作 法 と 及 び そ の 橙 樣 の 大 小 を 詮 け る も の で あ る か ら し て

或 は 飜 譯 者 の 意 樂 に よ り て 、 愈 敬 の 念 と 形 態 の 大 小 自 由 な る 由 を 挿 入 し て 居 る も の か も 知 れ ぬ 。   C

漢 と 梵 藏 と が 互 に 缺 睨 せ る 例   以 上 二 項 に 於 て は 漢 本 と 梵 藏 本 と の 間 に 於 て

方 に あ り て 他 方 に 於 て そ の 相 當 句 を 鋏 脱 せ る 例 を 擧 げ て 之 を 示 し た が

今 此 處 に は

そ の 爾 者 の 間 に 於 て 相 當 す べ き 箇 處 に 互 に 相 遑 せ る 句 の 存 在 す る 例

換 言 す れ ば 漢 と 梦 藏 と が 同

處 に 於 て 相 互 に 缺 脱 せ る 場 合 が あ る か ら 之 を 示 さ う 。   先 づ 第

に 金 闕 王 出 現 品 第 十 五 の

文 を 對 照 せ ん に       漠     本 或 先 以 絲 線 加

織 作 嶝 樣 復 以 廣 大 三 昧 耶 相 應 加 持 於 黒 月 分 十 四 日 或 室 寂 舍 中 : :

: : :

: : 乃 至 佳 是 三 昧 者 設 飯 食 巳 不 須 漱 滌 塵 穢 故 作 淨 相           〔 七 七

右 〕         梵   藏 本

彼 に よ り て 絲 線 が よ り 合 さ れ 幢 樣 が 織 作 さ れ る 所 の

丶 そ の 具 三 昧 者 に よ り て 、 三 昧 耶 加 持 相 應 の 故 に

丶 月 月 の 黒 月 の 十 四 日 に 筌 寂 舍 申 に 於 て 、

: : : : :

乃 至

: ; : :

: : :

、 そ れ よ り 塵 穢 を 嗽 滌 し て 三 昧 耶 を 食 せ し む べ し 。                                           〔 梵 皆

“ 刈 げ

佛 説 大 莚 空 智 金 剛 大 敢 王 儀 軌 經 の 研 究

五 九

(9)

      習   山   學   報       漢     本 設 是 如 前 曼 拏 羅 輪 四 隅 四 門 及 金 剛 線 珠 纓 牛 纓 無 量 雜 寶         梵 藏 本 こ 前 読 の 如 く 輪 は 纓 ( げ 抑 目 爭

と 牛 纓 ( 毳 自 げ 爭 げ 帥 吋 費 ) ミ 四 隅 四 門 に し て 金 剛 線 を 以 て 莊 嚴 さ れ た り 、

六 〇 も て 莊 嚴 さ れ

間 飾 莊 嚴 以 我 吽 阿 字   智 放 虫 円 色 熾 盛 餤 出 生 八 面

十 六 臂           〔 七 五

左 〕 ミ

は 好 顔 も て 汝 と 共 に そ の ( 輪 ) の 中 に あ り , ミ 大 貪 隨 貪 に よ る 倶 生 喜 の 自 性 の 故 に 、

八 面 四 足 に し て 十 六 臂 を 以 て 莊 嚴 さ れ た り 。                                     〔 梵 ま

島 げ   藏   ぽ

巴 呂 右 文 の 中 傍 線 の 有 る 文 は 漢 と 梵 藏 と は 相 互 に 梱 當 す 可 き 語 句 な る 筈 な る に 爾 者 の 意 義 に 於 て 全 く 意 義 不 同 で あ る 。 或 は 梵 藏 の 此 の 箇 處 は 相 應 瑜 延 女 と 共 に 曼 荼 羅 輪 中 に 佳 し て 如 法 行 事 せ ん 事 を 明 す 左 道 的 教 読 で あ る が 故 に

譯 者 が 改 作 し た も の で は な い か と も 思 は れ る け れ ど も 、 然 し 別 項 に も 例 示 す る が 如 く 、 原 文 を 改 作 す る 場 合 に は 必 す 原 文 中 に 存 す る 字 句 を 多 少 な り と も 用 ひ て 居 る 例 よ り 見 れ ば 、 此 處 に は

も そ れ ら し い も の も 無 く 、 亦 改 作 す る 程 露 骨 な 文 で も な い 。 し て 見 れ ば 之 は 相 互 に 具 缺 せ る も の と 言 ふ 可 き で あ ら う 。   今

つ か 」 る 例 を 示 せ ば 眞 言 品 第 二 に 金 剛 喩 沙 多 成 就 法 ( 話 甘 等 ζ O 夢 尸 箆 。 宀

 

ワ 冨 隣 ) を 明 し て 曰 く           浅

 

  本  

 

 

     

 

 

    梵 藏 本                                 丶 δ 骨 口 梦 σq 品 β 謎 吋 91

: : : : :

: : 乃 至 : : : : : :

: : 二 :

:     然 後 用 油 沐 浴 取 多 羅 樹 汁 塗     丶

然 し て 後 に 唱 言 さ れ た る 三 葬 言 ぎ 汁 を 以 て 唱 言 さ れ た る 大 拇 指 に 塗 り つ 」 油     於 童 女 大 拇 指 上 及 用 此 眞 言       を 以 て 沐 浴 し て 童 女 に 示 す べ し 。

(10)

    加 持 即 時 應 現 乃 問 三 世 之 事     こ 「 我 が も の は 持 せ ら

b

」 と 言 ふ 語 を 以 て

   

読 誦

興 言      

で 彼 女 に 言 は し む     略 引 那 議 哩

那 議 蝿

 

 

                               

金 剛 喩 沙 多 ( 法 ) な り 。               〔

ハ 七

左 〕                                                                             〔 林

  ぴ  

駅 ま

虧 ず 〕 傍 線 の 句 は 吹 の 如 く 爾 譯 に 於 け る 相 當 す べ き 箇 處 で あ る 。 試 に 梵 藏 の 文 を 示 せ ば  

〇 ぢ ロ 即 鴨 91 口 薜

騨 難 曳

導 隅

唱 詠 曷 自 曽 げ ぼ 臼 即 口 ひ ユ “ 鑑 罠 窪 吋 葭 堕 田 昌 薗 髟 詈 す 器 o 厳 く

a

鎌 匿 ψ 魄 蕩 菩 夢 榎     舅 養 言 越 岸 黏 毬 菌 翕 営 匝 昌 弓

犀 嘗 髯 鐸 塩 ぢ 伽 餮 伽 還 Φ 酔

話 爵 冨 口 鎖 H 鬘 蓐 9

穿 署 網 炉 冒 壱 呂 唇 畧 昌

ゆ 二     ひ 即 貯 帥 oo 訓 犀 『 堕 『 , 霞

P 霞 影 岬 Φ 口 や

く P 冒 夢 ム 網 O 註 咽 爭 ゲ

  〔 蔵 全 同 〕 で あ る 。 梵 藏 南 文 よ り 見 れ ば 此 處 の 文 は 行 者 と そ の 鬢 手 た る 童 女 と の 師 唱 資 從 の 文 言 を 示 し た も の で あ る 。 漢 の 「 時 彼 童 女 隨 問 爲 読 」 は 梵 藏 の 飲 句 の 後 二 句 に 相 當 す と 見 る こ と が 出 來 る が 「 帥 時 應 現 乃 問 三 世 之 事 」 は 梵 藏 の 前

句 と 相 當 す と は 如 何 に し て も 見 得 ぬ 。 漢 本 に 於 て か く の 如 く 譯 さ れ て 居 る は 云 何 な る 理 由 な り や 判 明 せ ざ る も 要 は こ れ 漢 本 と 梵 藏 と 相 互 に 鴃 脆 す と 見 る の 外 無 か ら う 。   以 上 に 於 て 漢 譯 と 梵 藏 二 譯 と の 間 に 於 け る 具 缺 問 頭 に つ き て a

b

c の 三 つ の 場 合 に 就 て 少 例 を 擧 げ て 之 を 示 し て 見 た 。 佛 読 大 悲 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 經 の 研 究

(11)

智   山   學   報

六 二 七   扱 衣 に 梵 藏 漢 三 譯 對 照 の 結 果 語 學 上 よ り 特 に 注 意 す ぺ き 點 は 、 三 譯 本 に 於 け る 相 當 封 譯 語 の 異 同 で あ る 。 本 來 唯

梵 文 原 典 が 筆 寫 傳 持 せ ら れ 、 亦 西 藏 や 支 那 に 飜 譯 さ れ た の で あ る か ら 相 違 有 る 可 き 筈 は 無 い の で あ る が 、 事 實 對 照 し て 見 る と 幾 多 の 相 違 が 見 出 さ れ る の で あ る 。 此 の 三 譯 語 の 同 異 と 言 ふ 事 は 單 に 本 經 の み な ら す

般 の 他 の 經 典 に 就 て も 遖 用 し 得 る こ と で あ つ て

佛 敏 經 典 發 達 史 的 に 見 て 極 め て 重 要 な る 點 で あ る 。   a 、 三 本 不 同 の 字 句   先 づ 梵 藏 漢 三 本 不 同 の 場 合 を 見 る に 、 読 方 便 品 第 十 三 之 余 の 中 に 於 て 、 佛 は 當 經 信 奉 の 行 者 は 不 二 智 に 住 し て 相 鍬 的 差 別 觀 を 絶 し 清 濁 併 せ 呑 む の 念 に 徹 す べ し 、 例 へ ば 飲 食 の 如 き は 好 悪

美 不 味 を 論 す る 勿 れ と て 、     及 香 美 味 殘 觸 飲 食 以 菩 提 心 不 二 智 故   〔 七 三

左 〕           梵

 

  本   ミ 惡 臭

好 臭

血 を ば 菩 提 心 も て 食 す べ し  

丶 不 コ 智 の 心 の 故 に ど ん な も の で も 食 な ら ざ る は な し 。   〔 量

二。 馳 己           藏

 

  本  

丶 惡 臭

好 臭

涎 等 を ぱ 菩 提 心 も て 食 す ぺ し

 

不 二 智 の 心 の 故 に 何 で も 食 な ら ざ る な り 。   〔 ho

一 〇。 ぴ 〕 と 言 ふ 。 こ の 中 第

句 が に 於 け る 傍 線 の が 発 藏 に 於 て 相 蓮 す 。 梵 に は

芍 暮 冴 禁 き ぼ 旨 駅 葺 σq

藏 に は

母 譯 ム 吋

魯 霹

(12)

琶 。 ぼ τ ロ 尠 び 皿

目 9 冨 。・

と 出 す 。 冨 『 ( 水 ) と 髯 。 げ 自 ( 唾 ) は 不 合

亦 耀 覗 ( 血 ) と 詈 炉 げ 皿 ( 涎

と は 相 違 す る 。 亦 漢 本 は 後 迹 の 如 き 惡 法 改 作 の 施 さ れ て 有 る 所 に し て 、 唾

血 な ぞ の 外 道 的 供 物 を 明 示 せ ぬ の で あ る か ら 勿 論 梵 藏 と は 合 し な い 。 三 譯 語 句 不 同 で あ る 。 亦 當 品 が 方 便 品 と 樗 さ れ る が 、 そ の 方 便 と 言 ふ 語 が こ の 品 の 中 に 何 ケ 處 も 用 ひ ら れ て 居 る が ど の 場 合 に も 合 し な い 。 例 へ ば     方 便 読 〔 七 四

右 〕   留 栂 山

ξ

器 〔 ♂

』 。。 7 〕   山 σqo ψ 甲 ℃ 夢

崔 9 〕     方 便     〔 七 四

右 〕   駅 p 鐸 負 ぽ 望 駒 ず げ 鈎 覗 麟 〔

げ 尸 認 ぴ 〕     げ ロ 尠 評

翻 爭 ぽ

ロ慶 犀 騨 動   〔

σ ド 昌 O 隣 〕     方 便   〔 七 四

左 〕   鏐 繹 臼 げ

帥 豊 〔 琶

。。 虧 げ 〕   び 銘 評 由 呂

ー コ

冒 幽   〔 窰 」 o ε 躑 ち 漢 本

の 方 便 読 の 詮 に 封 し 梵 は 常 に ゜・ 爭 目 幽 『 蠻 ? ぴ

默 想 の 説

を 用 ひ

藏 本 に 於 て は 梵 の ヨ 召 告 ぽ 易 び

膠 に 合 す る 所 只

ケ 所 、 他 は 全 部 び 。・ 畧 き 夐 嘗

秘 密 の 踟

を 用 ひ て 居 る 。 さ れ ば 三 譯 相 違 す と 言 ひ 得 べ し 。   次 に 金 剛 王 出 現 晶 第 十 五 に 於 て 筌 智 大 金 剛 王 ( < & 昌

ぽ 尋 & 倒 国   葦 冒 騨 智

 

国 σq 同 亀

℃ o

H 臼 o

邑  

ゲ 畠 h ロ 由 曳   壱 幽 o ) が 無 我 明 妃 (

Z

9

劉 切 貯 αq

9・ ) と 二 根 交 會 す る こ と に よ り 種 々 の 三 摩 地 を 明 し 、 各 各 の 三 摩 地 よ り 相 應 の 明 妃 の 出 生 す る と と を 明 す が 、 そ の 中 渇 三 摩 哩 明 妃 (

O

『 爭 鷺 鬘 鼻

Q

げ 器 髯 霞

) 能 生 の 三 摩 地 は     復 入 破 大 煩 腦 闇 三 摩 地 從 紺 字 門 出 生 渇 三 摩 哩 明 妃   〔 七 五

左 〕 と て 漢 本 に は 破 大 煩 惱 闇 三 摩 地 な る 三 昧 を 明 す の で あ る が

之 を 梵 藏 に つ い て 見 る に 、           梵

 

本   丶

大 二 根 交 會 三 摩 鉢 底 に 於 て 渇 三 摩 哩 妃 が 出 生 す   〔   r ら 9 冒           藏

 

本         佛 諡 大 悲 空 智 金 剛 大 教 王 磯 軌 経 の 研 究                                          

六 三

(13)

        知 博   山     學  

 

                                                                                                 

ハ 四   丶

大 樂 三 摩 鉢 底 に 於 て 渇 三 摩 哩 妃 が 出 生 す る の で あ つ て   〔 窓

陰 呂 と 言 ふ

即 ち 梵 の 中 に は 大 二 根 交 會 三 麼

 

鉢 底 (

髷 監 穿

2

) で あ り 、 藏 本 に は 大 樂 三 摩 鉢 底 ( 議 σq ρ マ げ 甲 ◎ げ   ギ 噂 。 嘗

9

瑟 喜 冒 σこ

と 言 つ て ゐ る 。 然 れ ば 三 譯 に 於 け る 能 生 の 三 摩 地 の 名 は 不 同 な り 。      

 

 

 

 

 

 

 

b

梵 漢 A 口 し 藏 不 同 の 字 句   項 を 薪 に し て 梵 漢 合 致 す る も 藏 本 こ れ と 相 違 す る の 例 を 出 さ ん に 、 行 品 第 六 に 於 て 、 室 智 金 剛 と 相 應 瑜 伽 せ ん 輩 は 五 色 甼 等 の 觀 に 住 す 可 し と て 、     又 修 觀 者 爲 於 室 智 作 相 應 故 此 五 色 相 李 等 和 合   〔 六 九

右 〕 と 明 す 。 梵 藏 の 相 當 箇 處 を 出 さ ば           梵     本  

筌 智 相 應 の 二 人 は 五 色 ( 弓 騨 昌 O 齢

く 贄 円 O 齢 ) に 佳 す o   丶 \

( 噂 費 昌 O 脚 1 ぐ 但 胃 O 滞 ) 卆 等 相 應 し て 「 倒

( Φ 犀   〈 旨 09 ひ ) な り と 分 別 さ れ た り 。   〔 ま ド HO げ 〕           巖     本   丶

筌 智 相 應 の 人 に し て 五 色

給 創 o 晩 宀 冨 ) に 住 す 。  

調

( ユ σq 叩 臣   餌 夢 σ

q と 準 等 相 應 し 、 部 は

と ( 凱 四 甲 巳

σ含 o 蒔 占 昌 ) 分 別 さ れ た り 。   〔 ぽ い q。 ぴ 〕 と あ り て 梵 漢 は 共 に 五 色 で あ る が 藏 に は 五 部 と な つ て 居 り 、 色

く 甲 同 ⇔ 甲 ) と 部 ( 凱   ゆ ) と の 相 違 あ り 。 勿 論 思 想 的 に 見 れ ば

密 歡 學 上 に 於 て は 五 部 五 色 の 醗 當 は

般 的 に 知 ら れ て 居 る が 故 に 如 上 の 如 く 飜 譯 し て も 可 な ら ん も 、 然 し 經 典 醗 譯 の 見 地 よ り 見 れ ば 亦 看 過 す 可 か ら ざ る も の で あ る 。

(14)

  済 淨 品 第 九 の 中 に は 五 蘊

五 大

六 根

六 境 等 を 初 め と し て

煩 惱 染 心

に 至 る 迄 皆 是 れ 自 性 清 淨 な る 由 を 高 唱 し て 居 る が そ の 中 最 初 の 偈 文 の 中 に     無 知 煩 惱 闇   自 性 悉 清 淨   〔 七 〇

左 〕 と 出 て 居 る が 、 之 を 梵 藏 に は           梵     本  

嵐   雪 貯 習

” 樹

ξ

客  

〔 ♂

。。 ・ )       盤

智 煩 惱 に よ る 蓋 障 は 清 淨 に せ ら る る           藏

 

本  

獣 o 斧 影 o 津 m

給 ロ牒 き 網 薗 嘗 − 切 αq 巴 M

Y °。 ご 網 爭 津

ξ

9

  〔 皆 ピ μ O ぴ 〕       煩 惱 所 知 の 蓋 障 は 清 淨 に せ ら れ る と 示 す 。 梵 は &

冨 な れ ば 之 は 漢 の 無 知 と

致 す る が 、 藏 の 給 叩

ξ

解 は 所 知 で あ る が 故 に 、 梵 漢 と は 不

致 な り 。   亦 敏 授 品 第 十 八 の 丈 に    

切 眞

言 理 趣 如 實 知 己   〔 七 七

右 〕 な る

又 が 出 て 居 る が 、 と れ が 相 當 梵 藏 に は           梵   本  

撃 署 等 旨 国 巨 霞 費

冨 費 曳 ” 召

ロ 騨 く 劉

〔 3 ド 皀 び 〕        

切 の 眞 言 の 理 趣 を 知 り て : ;           睇 詭 大 悲 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 經 の 研 究                                           =

(15)

        智  

 

山     属

  報                                                                                            

 

ハ 六           藏

 

本  

罫 鬣

簿

臥 賢

倫 Φ

ら 旦   〔 碧

難 呂       眞 言 の 次 第 の

切 を 知 り て :

と あ れ ば 、 漢 の 理 趣 な る 句 は 梵 の μ ξ 澣 と 合 致 す る が 藏 の 昌 岩 ら 曽 と は 不 合 で あ ら う 。   詮 方 便 晶 第 十 三 之 餘 に は

佛 が 方 便 設 を 明 さ ん と し て 曰 く 、     於

倒 我 今 開 示   〔 七 三

左 〕 と 。 今 此 の 文 の 相 當 梵 藏 の 丈 は 云 何 ん と 言 ふ に

          梵     本   丶

所 奉 の

に よ り て 我 れ 詮 か ん 、 汝 は 欲 し て 聞 く べ し   〔 3

認 げ 〕           藏     本   丶

駈 奉 の 金 剛 の 加 持 に よ る 読 に よ り て 汝 は 聞 け   〔 窰 」 o。 呂 と 示 さ れ る 。 漢 の 金 剛 本 性 の 句 に 相 當 す る 梵 本 の 句 は 金 剛 の 自 性 ( 養

で あ る が 藏 本 の そ れ は 金 剛 の 加 持 ( H 山 o

ユ   岳 θ 覧 早 び 目 ぴ げ ・ ) 」 で あ る が 故 に こ れ 亦 不

致 な る も の と 晉 ふ 可 し 。   C 、 濫

藏 合 し 梵 不 A 口 の 牢

句   此 の 項 に は 前 と 反 對 に 漢 藏 合 し 梵 相 違 す る 場 合 を 示 す こ と に す る 。 先 づ 金 剛 藏 菩 薩 現 證 儀 軌 王 品 第 十

之 餘 の 文 に 曼 荼 羅 作 法

護 縻 實 修

佛 様 加 持 承 事 等 を 明 し て 、     作 曼 拏 羅 及 護 摩 時 於 彼 晨 朝 承 事 佛 像 作 加 持 已   〔 七 二

右 )

(16)

と 読 い て 居 る が

そ の 中 承 事

加 持 等 を 行 ふ 時 刻 は 晨 朝 で あ る 。 然 る に 梵 及 び 臓 に は 、           梵   本   丶

所 読 の 如 く 護 摩 を 作 し つ Σ 曼 拏 羅 を 建 立 し て   ミ タ 刻 に ( 鷲

o 噸   ) 加 持 等 を 作 し つ 」 ( 佛 ) 像 に 承 事 す べ し   〔 聟

鰉 呂           藏     本  

丶 所 設 の 如 く 護 摩 を 作 し て 、 最 勝 の 曼 拏 羅 を 建 立 し 、   、 丶 晨 朝 に ( 珍 薗

げ 穹 ) 色 身 に 承 事 し て 亦 加 持 等 を 作 し つ 」   〔 ♂ ド μ 匂◎ 『 〕 と あ り て 、 藏 本 の 馨 甲 び 霞 は 漢 の 晨 朝 の 句 に 合 す る け れ ど も 梵 本 の 鬻 騫 山 o 鴇 は 不 合 で あ る 。   次 に 金 剛 王 出 現 品 第 十 五 之 餘 の 中 に 於 て 、 無 我 明 妃 の 質 問 に 應 じ て 佛 が 溌 喜 の 曼 荼 羅 を 明 か す こ と に な つ て 居 る が そ の 作 法 は

重 四 門

四 峯 婁 閣 種 女 莊 嚴 し 、 弐 に 中 位 に 四 種 粉 末 も て 八 葉 蓮 華 を 粉 晝 す べ き で 、 か く 明 し 了 つ て 衣 に     於 飄

喇 粉 畫 白 色 三 分 葛 波 羅 相   〔 七 六

左 ) と て そ の 蓮 華 蘂 中 に 三 分 犀 隣 娼 鄲 ぎ を 描 け と 言 ふ の で あ る 。 此 の 文 の 梵 藏 云 何 と 見 る に           梵     本   ミ 青 蓮 ( り 蕩 臣 ) 中 に 白 色 三 分 の 人 葛 波 羅 を 聳 く べ し   〔 髭

盛 菖           藏

 

本  

中 心 に ( 興 巳 μ

り 自 ) 自 色 三 分 の 人 葛 波 羅 を 畫 く べ し   〔

3

ド 譲 & で あ る 。 藏 の の 睦 汐 、 唱 o 目 は 漢 の 臺 蘂 中 の 句 に 合 す る け れ ど も 梵 の 扈 后

器 は A 口 し な い 。 別 段 義 理 上 の 相 違 は 無 い け         佛 諡 大 蠡 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 經 の 研 究                                          

六 七

(17)

        智   山   學   報                                                          

六 八 れ ど 對 譯 語 と し て は 合 せ ぬ 。 け れ ど も 此 の 文 に よ り て 今 所 用 の 蓮 華 相 は 青 蓮 華 な る 事 が 知 ら れ る 。   亦 金 剛 室 智 熾 盛 拏 吉 尼 畫 像 儀 式 品 第 十 六 に 於 て 室 智 金 剛 の 晝 僚 法 を 明 す

段 に     復 衣 筌 智 金 剛 畫 像 儀 式 我 堂

開 示   〔 七 七

右 〕 と あ る が 、 こ の 申 畫 像

の 語 の 相 當 量 照 を 梵

臧 に つ き て 見 れ ば

帥 ち           梵

 

本   丶 丶 室 智 金 剛 の 衣 服 ( 娼 p 富 ) 作 法 を 読 け 、 大 樂 者 よ   〔 ♂ ト ミ ぴ 〕           藏     本   丶 丶 室 智 金 剛 の 書 像 ( 覧 む 笠 四 面

作 法 を 大 樂 者 は 読 け り   〔 宣 』   己 と あ り て

藏 本 の 胤 き 絃 年 終 ロ は 漢 の 畫 像 に 合 す る け れ ど も

梵 の 冨 冒 は 前 兩 者 に 不 合 で あ ら う 。  

d

梵 藏 合 し 漢 不 A 口 の 字 句   夫 の 金 剛 藏 菩 薩 現 證 儀 軌 王 品 第 十

に 吋 口

ロ 昌   の 信 愛 法 を 明 す と と は 前 逑 し た が 、 そ の 場 合 の 所 誦 の 眞 言 の 遍 數 は 瓧 會 的 階 級 に よ り て 互 に 異 り

そ の 中 刹 帝 利 族 は     於 刹 帝 利 誦 眞 言 十 萬 遍

於 世 間 衆 生 誦

萬 遍   〔 七

左 U           梵

 

本  

丶 諸 王 は (

は 十 萬 遍 を 以 て 、 亦 衆 生 世 間 は

萬 遍 を 以 て す   〔 醤

器 ぴ 〕           藏

 

本   丶 丶 十 萬

遍 を 以 て 諸 王 ( 目 薗 σ黠 関 ρ

妃 O 肖 昌 畧 5 亞鳴 )

  二 禺 遍 を 以 て 衆 生 世

 

間   〔 ♂ ド 旨 もo げ 〕

(18)

と 出 て 居 る 。 梵 藏 の 數 冒 ロ 曾 ザ 』 魄 k 幺 ら o

5

日 狙 は 共 に 漢 の 刹 帝 利 の 字 句 と は 合 せ す 。 或 は 原 本 に 犀 譽 窪 ぐ 即 と あ り し も の か 、 或 は 王 族 は 刹 帝 利 階 級 に 麗 す る が 故 に か く の 如 く 藏 譯 せ し も の か 。   次 に 熾 盛 拏 吉 尼 所 読 成 就 品 第 十 二 の 中 に 、 瑜 砥 尼 を 選 定 し て 加 持 藥 法 す べ き を 読 き て     以 悉 罹 訶 香 和 合 龍 腦 以 菩 提 心 刎 抱 散 之   〔 七

丁 左 〕           梵 藏 本  

悉 罹 訶 (

} 二 節   ロ} 一 − 崔

 

       

と 龍 腦

壱 臼 9 撃 壱 早 冨

と 和 合 ( ぜ る 網 o σq ぽ 凶 ) を 菩 提 心 を 以 て 清 淨 に す べ 凵     ( 02 諍 榎 。。 犀 霞 o 戸 唇

2

昌 − 弓 鴛

配 3 曳 弓

  〔 梵 皆 ド b3 欝 藏 笹 卜 嶺 p 〕 と 記 す 。 漢 譯 に 於 け る 加 持 の 語 の 相 當 語 と 見 可 き は 霧 召 路 霞 Φ 辞 巨 節 臼 忌 胃

面 げ 網 p ψ で あ る が 、 義 理 の 上 よ り 見 れ ば 加 持 し て 清 淨 に な る 譯 で あ る が 對 譯 語 と し て は 不 合 な り 。   更 に 持 念 品 第 十 九 に 八 種 法 の 念 誦 所 用 の 念 珠 林 を 明 し て 居 る の で あ る が 、 梵 藏 は 全 く 合 す る が 漢 は 合 せ ぬ も の 四 種 に 及 ん で 居 る 。 帥 ち 次 に そ の 對 比 を 行 へ ば                 漢 本     梵 本      

 

 

     

 

藏 本     禁 止 法

水   精

ゼ ぽ 畧 澤 爭 ( 水 精 )        

1

咽 鑑 ( 水 糟 )     信 愛 法

赤 栴 贋

8

ロ 爵

( 赤 旃 檀 )  

。 署

口 甼 画 日 霞 感 。 ( 赤 旆 檀 )     降 伏 法

i

木 櫪 子

目 曇 節 罰

木 徳 子 か )      

i

占 弓 ( 同 上 )     叉 降 伏 法

水 牛 角

貰 爭 げ 廿 爭 ゜2 望 雫 昌 ぱ 梦 召 伽 ロ 吋 置 ( 水 牛 骨

Y

蓐 Φ

げ Φ 受 苧 口 貯 笋 鐸 ゆ β 犀 騨 ( 水 牛 骨 )     忿 怒 法

具     珠

巳 旨 ぢ 暫 吋 爭

           

1

巳 菷

巳 簧 ( 骨 )         佛 説 大 悲 空 智 金 剛 大 欷 王 儀 軌 經 の 研 究                                            

六 九

(19)

        智 山 學 報                                                    

七 〇     鉤 召 法

未 嘱 多 木

診 彎

匡 ( バ ラ 門 骨 )

 

 

び 話

N

バ ラ 門 骨 )     發 遒 法

礪     碯 r ー ー 詠 く 甲 げ 梦 仙 O 尠 ( 馬 骨 )          

胃 鍔 曲 苧 詈   甲 娼 , ( 馬 骨 )     求 雨 法

1

ー 眞   珠

1

σq 呂 早 巳 髯 ぢ 診 犀 夢

象 骨 )  

oq 影 評

弓 o 崔 山 岳

娼 麟 ( 象 骨

                                                                    〔 梵 ま

  藏 宀 o

鵠 p 〕 帥 ち 八 種 の 中 後 の 四 種 法 の 所 用 材 が 梵 藏

致 し て ゐ る も 漢 は 全 然

致 せ ぬ 。 か 玉 る 相 違 は 後 遞 す る が 如 き 漢 譯 に 於 け る 惡 法 改 作 の 爲 に 齎 ら さ れ た る も の で あ ら う が 、 亦 以 て 梵 藏 合 し 漢 不 合 の 例 と 見 ら れ る 。   e 、 三 譯 相 互 に 合 不 合 あ る も の   最 後 に 三 譯 に 於 て 互 に 合 不 合 の 場 合 を 例 示 し て 梵 藏 漢 封 譯 語 の 項 を 了 る 事 に す る 。 先 づ こ の 例 と し て は 、 夫 の 金 剛 王 帛

現 品 第 十 五 之 餘

の 中 に     復 吹 無 我 菩 薩 問 日 是 大 秘 密 及 信 愛 法 鉤 召 諸 龍 天 阿 蘇 羅 以 何 等 眞 言 期 尅 摧 伏 諸 難 調 者   〔 七 六

右 ) と て 諸 龍

阿 蘇 羅

諸 難 調 者 に 對 す る 眞 言 を 無 我 菩 薩 が 請 問 す る こ と を 明 す が 、 漢 に 於 て は 諸 龍 に 對 し て は 鉤 召

天 及 び 阿 蘇 羅 に は 同 じ く 鉤 召 、 諸 難 調 者 に は 期 勉 摧 伏 の 眞 言 で あ る 。 之 を 梵 藏 二 譯 に 見 る に           梵     本  

無 我 明 妃 は 眞 言 を 問 へ り

: :

 

\ 諸 の 女 を 信 愛 す る の 眞

か く の 奴 く 諸 難 調 者 を 期 尅 ( 霊 ユ 諍

) す る ( 眞 嘗 ) を 、  

\ 龍 を 鉤 召 ( 剄 哥  

犀 霞 騨 ) す る の 眞 言 、 天

阿 蘇 羅 を 摧 伏 ( 該 蓐 胃 画 酔 ) す る ( 眞 言 ) を 、   〔 聟

竃 げ )

(20)

          藏

 

本   丶 丶 無

我 明 妃 は 眞 曽 口 を 問 へ り 、  

丶 諸 の 女 を 信 愛 す る と 、 か く の 如 く 難 調 者 を 期 尅 (

§

σ

冨 ) す る と 、   丶 丶 諸 龍 を 期 尅 ( 囮 臼 。q °。

冨 H

ξ

 

) す る と

天 阿 蘇 羅 を 摧 伏 す る と ( の 眞 言 を )   〔 盆

認 ぴ 〕 と あ り て 梵 藏 に 在 り て は 、 諸 難 調 者 に は 共 に 期 尅 の 眞 言 、 天 及 び 阿 蘇 羅 に 對 し て も 兩 者 乍 ら 摧 汰 の 眞 言 で あ る が

諸 龍 に 對 し て は 梵 本 は 鉤 召 で あ り 藏 本 は 期 尅 で あ る 。 之 を 圖 示 す れ ば                     漢

 

 

 

    梵

 

   

 

  藏     難   調   者

期 尅 摧 伏

i

    尅

期     尅     諸           龍

鉤       召

鉤       召

1

期       尅     天

阿 蘇 羅

鉤 召

摧 伏

i

摧 伏 で あ る 。 帥 ち 諸 龍 に 就 て は 梵 漢 共 に 鉤 召 で あ る が 藏 は 期 尅 で あ る か ら 梵 漢 合 し 藏 不 合

然 る に 天

阿 蘇 羅 は 梵 藏 共 に 摧 伏 で あ り 漢 は 獨 り 鈎 で あ る か ら し て 梵 藏 合 し 漢 不 合 な の 。   弐 に 金 剛 部 序 晶 第

の 中 に 三 十 二 血 脹 相 な る も の を 出 す が 、 そ の 中 三 譯 の A

不 合 の も の が あ る 。 次 に 少 し 煩 し け れ ど 對 照 表 を 出 さ ん 。 三 譯 の 順 序 は そ れ ぞ れ の 譯 本 に 於 け る 記 述 順 序 に 從 ふ 。 漢 本  

 

 

 

 

    梵 本 不 可 破 壊     即 乞 δ 告 纂     佛 説 大 悲 空 智 金 剛 大 激 王 儀 軌 經 の 研 究 藏 本 日 団 賠 ぎ 網 o 釦

蓐 m

(21)

※ 量 阿 辣 羅 煩 清 設 本 阿 過 施 性 酷 短 左 天 微

 

縛 娑 羅

 

 

   

 

邊 妙 智

 

 

 

 

 

       

拏 熾 凉

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日   ロ σ量 O 菖

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目 尠   鏑 『 甲 ぴ 甲 日 費   び 蒔

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甲 彫 9

(22)

△ △ 施 童 迦 忿 欲 轉 蘇 煥 成 喜 相 因 甼 青 等 色 應 就 末     池 多   演

設 犀 議 O 肆 く 騨 円 ⇒ 尠 霽 臼 澣 口 巻 げ  

9

山 母 時 馴 託

αq 劉 噂 話 導 爭 臼 の 筍 幽 ナ 画 冨 菷 酋

爭 薪 酔 目 爭

く   汁 薪 ” ロ

μ 曽 臥 ○ σ亀   斷   ⇔ 蟄 口 臼

斟   叶 劉 ξ 訓 k 霹 昌 犀 倒 ○ 彰 馴 話 山 罰 ユ 犀 帥       〔 穹

心⊃ げ 〕

          〔 六 五

左 〕   右 の 對 照 に 由 り て 漢 梵 合 し て 藏 に 相 當 語 な き も の 二 句

※ 印 )

童 子

施 設 の 二 句 は 相 當 林 〜 藏 の 句 無 く

△ 印 )

藏 の         佛 設 大 悲 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 纏 の 研 究     魯

B

,     Hoq

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旨 o     げ 山 錫 山 − 缶 目 暫

昌 甲                 〔 聟

bっ 呂           梵 藏

合 し て 漢 に 相 當 語 な き も の 二 句 ( ○ 印 )

漢 本

の σq の 70 一 亠 昌 2 搴 劈

琴 曽 の 相 當 漢 梵 の 句 見 當 ら す

◎ 印

。 漢 本 と 藏                                  

七 三

(23)

        智   山   畢   報                                                        

七 四 本 と で は 相 互 に 相 A 口 せ ざ る 句 が 四 句 つ つ あ り て 全 體 の 血 脈 數 は 三 十 二 と な り

梵 は 漢 藏 何 れ か に 凡 て の 相 當 句 あ り て

云 は ば 梵 本 は 漢 藏 二 本 の 中 間 的 媒 介 的 地 位 に あ り 。 因 に 三 十 二 血 胝 と は 三 十 二 種 の 曳 ooq

昌 で あ る 。   以 上 梵 藏 蓮

三 譯 の 對

譯 語 の 相 違 に 就 て 各 種 の 場 Aq を 例 示 し た の で あ る が 、 へ ら れ る と 思 ふ 。 こ れ に よ り て 前 述 の 如 く 各

種 の 示 唆 が 盗 バ 八   扨 此 の 項 に 於 て は 音 譯 意 譯 の 相 違 に 就 て 見 や う 。 本 經 原 典 た る 梵 本 を 漢 藏 二 譯 に 飜 譯 す る 場 合 に 前 者 が 音 譯 成 は 意 譯 せ る に 對 し 後 者 が そ れ ぞ れ 意 譯 乃 至 は 昔 譯 せ る の 相 違 が 存 す る 。   a 、 藏 が 晋 譯 し 漢 が 意 譯 ぜ し も の   夫 の 設 密 印 品 第 七 に 密 印 成 就 の 相 應 地 三 十 二 處 ( 梵 藏 は 三 十 三 處 ) を 擧 げ て 居 る が

そ の 申   梵

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3r

こo 呂   藏

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Q。 m 〕   善 金 天 清         淨 漢

行 色 后 六       園

城 城 城 林

(24)

の 四 處 は

石 の 對 照 の 如 く 藏 は 梵 の 混 日 譯 な る に 漢 譯 は 之 を 意 譯 し て 居 る o か 、 る 例 は 三 種 の 本 經 比 較 に 於 て 至 る 所 に 見 田 さ れ る 。 今 そ の 中 の 數 個 を ビ ツ ク ア ツ プ し て 見 や う 。         梵 鍵 》

〔 塗

診 〕

畧 諒 劉 〔 夢 ド 駅 9

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謹 9 〕 ざ げ ぽ 倒

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トひ 駅 鐸 〕 獅 妙 摩 珠 瑜 囃 斷 聲 蘭 漢 鐡 伽 香 〔 六 七

石   〔

ハ 七

均 †   〔

者 〔

右 〕 寶 〔 七 四

酷 〔 七 三

左 〕 香 〔 七 四

右 〕 子 〔 七 六

右 〕 五 色 界 道

七 六

左 〕 等 の 如 く で あ る o 此 の

牛 を 以 て 類 推 し て い た だ き た い 。  

b

  漢 が 昔 譯 し 藏 が 意 譯 せ し も の 。   次 に 前 の 所 明 と は 反 對 に 原 本 梵 本 を ぱ 漢 本 に は 音 譯 レ 藏 本 に 意 譯 せ る も の を 擧 げ た い 。 こ の 例 を 亦 少 分 示 せ ば 左 の 如 し 。         佛 説 大 悲 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 經 の 研 究                                          

七 五

(25)

    智 山   學 報         梵 彝 再 繁 弓 暮 冨

ま ド 劇 ぴ 〕 窪 回 蟄 犀 ρ 〔 3

α 費 〕 げ 冨 ぽ 翕 寓 冒 獄c ピ 脈 げ 〕 恥 ゆ ひ 旨 〔 渉 レ 駅 げ 〕 恥 4 } 叶 げ 爭

豁 〔 鵠 ド Qo 隅 〕 口 費 該

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目 〔 ♂ 卜 自 餌 〕   漢 陬     羅  

 

六 山 ハ

左 〕 底  

 

維  

 

ハ 七

右 〕 未 羅 未 子 〔 六 七

未 酷 彌 喩 那 星 観 伽 繭 暫   〔

ハ 七

右 〕 羅

六 八

右 〕 哩 〔 七 二

左 〕 沙 〔 七 二

左 〕 羅 〔 七 四

右 〕 覽 〔 七 四

隣 〔 七 五

右 〕              

七 六         藏 哩 吋 蝿 亭 旨 p 注 ら o

冒 騨 〔 蓼 rGo げ 〕 ← げ

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μ O 釦 〕 臥 醫 〔 塗

お & σq ま 苧 営 爭 〔 ♂ 尸 鑢 ” 〕 右 の 如 し 。 今 少 分 を 拾 ぴ 上 げ て 例 示 す る に 止 め る こ と に す る 。   乘 に 如 上 の 如 き 漢 藏 二 譯 の 昔 譯 意 譯 の 關 係 が 本 經 中 の 眞 言 の 中 に も 屡 湊 見 ら れ る の で あ つ て 、 今 序 に そ の 少 例 を 擧 げ て 示 さ う 。   先 づ 賢 聖 溝

頂 品 第

四 の

初 の 文 を 對

照 し て 見 る に 、           漢

 

 

 

 

 

 

     

 

梵 藏 本     如 佛 住 三 界 中 鉤 召 八 大 明 妃       三 界 中 に 住 せ る 諸 佛 を 鉤 召 し 、 八 大 明 妃 に 供 養 せ ら れ っ 」 唱 へ ら れ る 。

(26)

    隨 其 供 養 本 尊 先 以 庵 字 得

    。 骨

匡 臥 馨 畧 ロ 髯 劉 雪 ・・ 霞 召

言 “

撃 審     切 如 來 灌 頂  

 

 

 

 

  ( 晦

我 に 濯 頂 せ る

如 來 よ )                   〔

ハ 八

左 〕                                                                     〔 林

QO げ   藏

α ぴ 〕 こ れ に よ っ て 見 れ ば 漢 本 の 「 先 以 庵 字 得

切 如 來 灌 頂 」 の 句 は 梵 藏 に よ つ て 見 れ ば 上 の 如 く 諸 佛 に 灌 頂 を 乞 ふ の 義 を 有 す る 眞 言 で あ る 。 然 る に 漢 譯 は 之 を 意 譯 し て 了 つ て 居 る 譯 で あ る 。   亦 眞 言 品 第 二 に

切 地 上 飮 食

県 言 を 示 し て 居 る が そ の 文 に 曰 く       漢

 

本 施

切 地 上 飮 食 眞 言 日

阿 吽

佛 言 庵 阿 者 作

切 法 幽 生 門 軸 眠                     〔

右 〕         梵     本

切 大 種 施 與 ( m 夢 円 く 9 び げ ρ 目 ,

犀 爭 ぴ 笋

) 眞 言 ミ o 彰 9 犀 胃 o 髯 ロ 悼 げ 9 彊 5ゆ 霞 葺

げ 昌 山 巳 勧 b 罰 髯 q 山 闇 多 ロ 虐 な 臼 ロ ロ 9, 才 贇 o 菅 馴 骨 断 口 菅 娼 げ 耳 雲 勍 ロ 訓                                       〔 聟

。。 げ 〕 此 の 梵 漢 の 樹 照 に 由 れ ば 漢 の 「 佛 言 庵 阿 者 作

切 法 出 生 門 故 」 の 句 は 元 來 眞 言 で あ る 。 さ れ ど 或 は

ロ 言 p ロ ロ 雪 く 客 ま で を 譯 し て 本 丈 と し 以 下 を 貫 言 と し て も 差 支 な い で は な い か と 言 ふ か も 知 れ な い 。 成 程 牌 口 5 号 鈔 β ロ 畧 く 騨 ま で を 譯 せ ぱ 「 庵 阿 の 字 は 本 初 出 生 性 の 故 に

切 法 の 門 な り 」 の 義 で あ つ て 佛 言 庵 阿 者 等 の 句 義 と な る が

然 し 梵 藏 兩 本 の 第 二 部 第 九 章 「 室 智 金 剛 よ り の 眞 言 幽 生 章 」 の 中 に 諸 眞 言 構 成 法 を 明 す 場 合 に 明 に o 召 帥 露Ho 以 下 を 以 て 此 の 眞 言 を 組 織 す べ き 由 を

て 居 る 〔

巴 の で あ つ て 、

つ て

に 於 て は  

〇 ぢ 醇 母 o 目 β 好 げ 魯 ぢ 皿 畧 言 匙 げ 脚 同 目 畧 騨 蓐 劉 q 網

爭 ロ β な 尠 ロ ロ 黒 く 鋤 酔 o 菅 騨 骨 げ 口 餐 娼 冒 畧 o食 昌 げ 帥

ザ げ 曳 ロ 評 感 o

蒔 爭 髟 甲 鐔 山

        佛 詭 大 悲 空 智 金 剛 大 敬 王 儀 軌 經 の 研 究                                          

七 七

(27)

        智   出   學   報                                                        

七 八     犀 鴇

aq8 肖 山 鬘 嘗

撃 爭 σq 四 ・ 訟 o

  〔 h 。

。。 9

〕 と て 初 め か ら 全 部 眞 言 な る と と を 示 し て 音 譯 し て 居 る の で あ る 。   以 上 は 本 來 原 本 で は 眞 言 な る 可 き 句 を 漢 本 に は 之 を 意 譯 し て 本 丈 中 に 入 れ た 例 で あ る が 、 弐 に 之 と 反 對 に 原 本 で は 本 文 の 読 明 語 な る を ぱ 漢 譯 中 に は 音 譯 し て 眞 言 と し て 了 っ て 居 る 場 合 が あ る 。   夫 の 金 剛 王 出 現 口 田 弟 十 五 之 餘 の 中 に

切 女 鉤 召

県 言 を 明 し て           漢     本     於 室 智 金 剛 桐 應 即 得 鉤 召

切 念 十 寓 遍 是 人 諸 有 所 作 於 瑜 伽 相 應 離 諸 疑 惑 即 読 眞 言 日     庵 。 尾 捺 ・ 喃 ・ 阿 ・

囀 ・ 哩 駄

訥 普 始 耽

捺 瑟

合 那 那 ・ 曳 底

孕 臭 哩

未 哩

    摩

覩 哩 吻

底 泥 恒

A . 野

弩 數

惹 引 野

際 牟

。 頼 引     歌 駄 引 哩 尼 駄

合 羅 喞 多 引 野

合 耨 能 瑟 致 哩

摩 引

摩 。

歌 。

歌 引

恒 哩

野    

野 戌 引 沙

引 沙 野 薩

・ 議 曝 引 那

那 引 議 引 瑟

仁 屹

設 咄 噌    

喝 訶 引

引 虎 呼 ・ 奚 。 孩

憾 郁 發

〔 七 六

右 の 如 く 漢 本 に そ の 眞 言 を 出 し て 居 る の で あ る が

藏 本 に よ れ ぱ 第 二 行 巨 の 「 瑟 叱 に 合 那 那 引 」 以 下 を 昔 譯 し

そ れ                                                                         弓 以 前 は 藏 譯 し て 居 る の で あ る Q 今 試 に 梵 藏 の 文 を 見 ん に           梵 藏 本  

丶 金 剛 室 智 瑜 伽 相 應 に よ り て

切 女 人 が 鉤 召 さ れ る 。  

\ + 萬 遍 誦 す れ ば 此 の 瑜 伽 主 は

切 作 業 を 作 す

(28)

金 剛 筌 智 相 應 の 疑 惑 無 き 心 に よ り て

く Φ 侮 曽 の 第

( 〈   釦 習 刺 冒 倒 岳 髯 巳 戸 嵐 02

ξ

  争 目 ロ 露 話

吋 田 苧 Ω 墨

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が 與 へ ら れ 、 牟 月 露 點 ( 霞 師   $ 昌 晒 雷

げ 冒

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ざ ) も て 莊 嚴 さ れ た り 。 ミ 悔 器 o 倒 臼 ぷ 富 目 , ロ 倒 阿   試 財 ぽ αqoH 臼 幽 『 爭 閃 o 蜜 養 詳

5

爭 ロ  

〇 畧 昌 丘 壱 幽 暮 ぎ   穿 遭 僧 ゆ 碧 q 滞 ロ ロ 頑 o 仙 簒 爭 げ ぽ 呂 母 爭 閃 噌 芻 a 骨 昌 q   騨 拳 騎 Φ 犀 曽 娼 鑑 夢 目 暫 罰

Oo 個 師 げ 詈 四

9

ざ 胃 罸 津 酔 身 騨 , 目 幽 げ 篝 臣 鋤 昌 画 爭 菅 噸 茸

9

鍔 訓 H 尠 望 臼 髯 圖 旨 同 爭 5q 塑 昌 騨 岩 σq 咢

騨 篇   o 噸 亀 爭 恥 o 撃 曳 騨 餮 娼 言 勸 σq 胃 騨 口

ぴ 曽 目 血 げ ” び 爭 口 幽 ぽ 尠 β 罰 αq 飾 畧 智 犀 四 口 畷 菩 弔   σq 噌 げ O 解 面 霞 言 砺 暮 目 訓 ロ

『 ゆ げ 倒 匡 ぼ げ 6 ぽ 副 酎 Φ げ 凱 犀 o げ 尠 ロ 『 爭 肩 匿 咎 ヴ 娼 げ 畧 ゜・ 蟲 ぽ 箇

  〔 梵   ド 犠 櫛   藏 ♂ ド 3 ピ 課 ε     ミ 然 し て 後

頂 に 禍 色 の 髻 を 卷 き 八 面 あ る ( も の ) に 對 し     ミ ニ 十 四 目 な る に 封 し

次 に 十 六 臂 な る に 對 し

美 黒 雲 に 於 て

持 骨 鬘 に 於 て

牛 悪 牙 あ り て 熾 盛 な る 兇 惡 心 あ る に 對 し    

丶 殺 せ よ 殺 せ よ

吼 へ よ 吼 へ よ

乾 せ よ 乾 せ よ

七 っ の 海 を    

縛 せ よ 縛 せ よ

八 つ の 龍 を 、 執 れ よ 執 れ よ

 

切 の 武 器 を    

丶 訂 げ か

: : : : : : :

9

: :

と あ る の で あ つ て 、 如 上 の 文 の 中 「 く o 自   云 云 」 の 原 文 は           梵     本   τ   飾 訓 目 9ー 日 劇 象

B

塑 彊

8

マ 習 創 げ   寮 昌 島 旨

ぼ p 乙 μ ム

ヨ げ 側 牲

9

          藏   本  

臥 σq

び 同   画

H 凶 霞 旨 甲 汀 覧

御 笋   唱 o

°

げ 冠 ロ

          佛 詭 大 悲 空 智 金 剛 大 教 王 儀 軌 經 の 研 究 } 七 九

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