本 地 加 持 の 和 會 説 二 〇
本
地
加
持
の
和
會
説
-慧
光
・曇
寂
・浄
室
・
法
住
師
等
の
大
日
経
教
霊
義
(九
)
-金 山 穆 詔 弘 法 大 師 の 法 身 説 法 説 は、 三 國 の 佛 数 家 の 未 だ 曾 て 談 せ ざ る 大 乗 の 奥 秘 を 開 顯 せ る も の で あ る。 さ れ ば そ の 深 意 を 了 す る も の 砂 く、 慈 覺、 智 證、 安 然 等 の 台 密 の 諸 家 の 如 き は、 大 日 經 の 敏 主 は 自 受 用 身 な り、 或 は 他 受 用 身 な り 等 の 義 を 成 す る に 至 つ た。 後、 濟 逞、 壷 噸 上 人、 信 證 等 出 で、 大 師 の 法 身 説 法 説 の 奥 旨 を 闡 明 せ し よ り、 そ の 理 趣 を 宣 顯 せ ん と す る も の 綾 出 し た。 し か る に 鎌 倉 時 代 頼 瑜 法 印、 自 性 加 持 身 説 を 創 稱 せ ら るゝ や、 根 嶺 の 學 者 は 加 持 身 説 を 持 し、 東 寺 南 山 の 學 匠 等 は 專 ら 本 地 身 説 の 正 意 の 顯 揚 に つ と め、 未 だ 曾 て 本 地 加 持 の 爾 説 を 和 會 せ ん と す る も の が な か つ た が、 徳 川 時 代 に 入 つ て、 本 地 加 持 の 會 合 を な さ ん と す る も の あ る を 見 た。 し か も か、 る 和 會 説 は 本 地 加 持 の 本 家 た る 南 山 及 び 根 嶺 よ り 出 で す し て、 東 都 並 に 西 都 の 地 に あ る 學 者 に よ つ て 唱 へ ら れ た る こ と は、 ま た 留 意 せ ら る べ き こ と で あ る。 し か し て そ の 會 合 説 を 立 す る も の は 本 地 身 家 よ 参 も、 寧 ろ 加 持 身 家 に 多 く、 か つ 本 地 身 家 の 學 者 に し て 和 會 説 を な す も の は、 本 地 身 説 を 本 と し て 會 合 を な さ ん と し、 加 持 身 家 の 人 は加 持 身 を 本 と し で、 融 會 の 義 を 成 ぜ ん と す る 傾 き あ る を 觀 る。 か、 る 會 合 説 を 立 せ し 八 の う ち、 こゝ に 慧 光、 曇 寂、 浄 室、 法 住 等 の 諸 家 の 所 釋 の 要 旨 を 述 べ よ う と 思 ふ。 今 こ れ ら 諸 家 の 義 を 別 叙 す る に 當 り、 先 づ 其 等 の 義 を 一 瞥 せ ん に、 慧 光 は 元 藏 年 間 智 山 の 運 傲 と 本 不 生 の 義 を 論 議 し、 本 有 表 徳 の 義 を 高 唱 し、 本 地 法 身 説 法 の 義 を 堅 持 せ し 浄 嚴 の 資 で あ る。 し た が つ て そ の 和 會 説 も 本 地 身 を 本 と し て、 そ の 義 を 成 ぜ ん と せ る も の で あ る。 即 ち 本 地 身 説 は 如 來 邊 よ り 見 た る 義 に し て、 加 持 身 説 は 衆 生 邊 よ り 見 た る も の な る こ と を 釋 し、 或 は 自 證 法 身 大 日 如 來 は、 遮 表 一 多 不 二 圓 満 の 佛 身 な る こ と を 述 べ、 加 持 身 説 は そ の 遮 情 一 法 界 義 に 基 く も の に し て、 本 地 身 説 は 表 徳 多 法 界 の 深 意 に 依 る も の な る こ と 等 を 明 し、 以 て 本 加 爾 義 の 和 會 を な さ ん と せ る も の で あ る。 慧 光 と 殆 ん ど 同 時 代 に 京 都 西 山 の 五 智 山 に 曇 寂 あ り、 本 加 不 二 の 加 持 身 を 以 て 敏 主 と な す 義 を 成 じ、 以 て 本 加 の 爾 説 を 會 せ ん と し た、 帥 ち 師 は 二 諦 不 二、 本 漣 不 二 の 義 よ り 釋 を な し、 本 地 を 全 う し て 外 に 出 で て 群 機 に 劃 す る を 加 持 身 と な す、 し た が つ て 本 地 身 を 離 れ て 別 に 加 持 身 あ る に あ ら す、 か く 本 加 一 體 不 二 な れ ば、 佛 智 見 よ り す れ ば、 一 切 如 來 は 皆 賓 相 身 に し て 本 加 の 別 あ る こ と な し、 し か も 機 戚 の 邊 よ り い へ ば、 迩 あ り、 加 持 身 な り、 か く 逃 に 樹 す る が 故 に 本 あ り、 さ れ ば 本 地 加 持、 本 遊 の 名 は、 唯 機 戚 の 邊 に あ つ て 佛 巻 に あ る に あ ら す 本 遊 は 同 に し て 異、 異 に し て 同 な れ ば、 佛 邊 に 約 す れ ば、 加 持 身 即 自 證 身 な り、 衆 生 邊 よ り い へ ば、 本 地 を 全 う せ る 加 持 身 な も、 か く 本 泌 不 二 こ れ 實 義 な れ ば、 古 義 に 自 證 説 法 と い ひ、 新 義 に 加 持 の 説 本 地 加 持 の 和 會 説 二 一
本 地 加 持 の 和 會 説 二 二 法 を 談 す る は 各 々 一 邊 に 執 す る も の な り と し、 本 加 不 二 の 加 持 身 数 主 の 義 を 立 し、 本 加 の 説 を 會 せ ん と し た。 こ れ を 本 地 身 説 は 佛 邊 に 約 し、 加 持 身 説 は 衆 生 邊 に 約 す る こ と を 釋 し、 一 多 不 二、 本 加 不 二 の 自 證 法 身 大 日 如 來 を 立 す る 慧 光 の 説 に 比 す る に、 一 は 加 持 身 を 表 と し 一 は 本 地 身 を 本 と す の 差 あ る も、 そ の 會 合 の 原 理 に 至 つ て は 髪 髭 と し て 相 似 た る も の が あ る。 但 し 共 に 一 多 不 二 を 明 し つ、 一 は 多 法 界 を 本 と し 一 は 一 法 界 無 相 を 本 と す る の 相 違 の 存 す る も の あ る を 觀 る。 曇 寂 よ り や、 後 れ、 享 保、 賓 暦 の 頃、 智 山 に 浄 室 あ り、 野 山 の 自 證 説 も、 根 嶺 の 加 持 身 説 も、 共 に 經 疏 及 び 宗 租 大 師 並 に 蓬 上 人 の 所 説 に 違 す る も の と な し、 一 の 自 性 法 身 に 自 證 化 他、 本 地 加 持、 法 爾 随 縁 の 二 義 を 具 す、 帥 ち 本 地 加 持 は一 體 の 爾 義 に し て、 永 く 相 違 の 説 に あ ら す、 密 敏 の 自 性 法 身 は 顯 漱 の 無 相 法 身 と 異 な り、 神 變 加 持 を 具 す る 本 地 法 身 な り、 し か し て 能 具 の 邊 よ り 本 地 法 身 と い ひ、 そ の 所 具 の 邊 よ り 加 持 身 と 云 ふ。 さ れ ば 本 地 自 受 法 樂 の 説 會 全 く 加 持 の 説 會 に 現 じ、 加 持 の 説 會 の 外 に 更 に 本 地 の 説 會 な く、 本 地 加 持 は 無 二 無 別 で あ る。 帥 ち 本 地 を 動 せ ざ る 邊 よ り 見 れ ば、 本 地 法 身 な り と い ひ 得 ら る べ く、 ま た 加 持 三 昧 に 佳 す る 邊 よ り い へ ば 加 持 身 な り と 云 ふ こ と を 得 べ し と て、 本 加 の 二 義 を 和 會 し つゝ、 し か も 大 日 經 の 教 主 を ば 經 題 よ り 炉 へ ば、 神 變 加 持 の 句 に 於 て 見、 本 地 を 動 せ ざ る 加 持 身 を 以 て 本 經 の 敏 主 なり と な す 義 を 成 ぜ る も の で あ る。 豊 山 第 三 十 二 世 の 法 住 は、 若 き 時、 浄 塞 よ わ 大 日 經 疏 を 學 び し こ と あ う し と い へ ば、 浄 室 よ り やゝ
後 輩 な る も、 殆 ん ど 同 時 代 の 人 で あ る。 師 は 宗 の 賓 義 た る一 多 法 界、 本 地 加 持 の 激 主 義 に つ き、 潜 心 究 む る と こ ろ あ り、 つ ひ に 一 多 の 眞 理 趣 を 體 し、 本 地 加 持 の 爾 義 は こ れ 一 多 法 界 の 義 に 依 る も の な る こ と を 釋 し、 以 て 本 加 の 雨 説 を 會 合 せ ん と せ る も の で あ る。 帥 ち 自 性 法 身 説 法 の 義 は、 こ れ 多 法 界 の 理 趣 を 開 顯 せ る も の に し て、 法 身 無 説 法 の 義 は、 こ れ 一 法 界 の 義 に 因 る も の で あ る。 即 ち 法 佛 の 内 證 は 永 く 他 縁 を 離 る、 が 故 に 無 相 と い ふ も、 し か も 性 相 常 住、 諸 法 宛 然、 六 大 四 曼 各 々 の 自 體 は、 一 に 一 切 を 具 す る が 故 に、 寂 滅 無 相 と 云 ふ と い へ ど も、 極 位 に 説 く べ き 法 な し と 云 ふ に は あ ら す、 自 證 の 説 法 は 自 春 薦 と 共 に、 自 受 法 樂、 各 説 三 密、 法 然 自 爾 た り、 か く 自 證 の 極 位 の 自 體 よ り い へ ば、 自 受 法 樂、 各 説 三 密、 常 恒 演 説 の 説 法 あ り、 し か も そ の 境 を 體 せ ざ る 因 人 よ り い へ ば、 かゝ る 自 證 の 境 は 一 切 の 心 量 を 出 過 し、 不 可 説 不 可 得 な れ ば、 極 位 無 相 無 説 と い は ざ る を 得 す、 か く の 如 く 極 位 の 有 説 と 無 説 の 爾 義 は、 こ れ 一 多 法 界、 相 師 無 相、 無 相 即 相 の 理 に 依 る も の な る こ と を 釋 し、 以 て 本 加 の 二 説 を 和 會 せ ん と せ り。 し か し て 自 性 法 身 大 悲 を 因 と し、 未 來 の 機 を 縁 と し、 神 變 加 持 の 帥 質 の 加 持 身 を 現 す、 かゝ る 師 質 の 加 持 身 は、 多 法 界 絶 絶 の 自 性 本 地 身 に も 同 せ す、 ま た 極 位 無 相 の 一 法 界 身 に も 同 せ す、 遠 く 未 來 の 萬 機 に 劃 す る が 故 に、 加 持 世 界 の 佛 身 の 如 く 現 座 の 機 に 局 限 せ ら る、 こ と な く、 無 相 に 相 を 現 じ、 白 性 法 身 に 帥 す る が 故 に 帥 質 の 身 と な す。 かゝ る 即 質 の 身 は 遠 く 未 來 の 機 を 所 樹 と な せ ば、 會 座 に 被 機 な し、 故 に 衆 生 邊 の 加 持 説 法 に あ ら す、 し か る に か、 る 師 質 の 加 持 身 の 外 に、 現 本 地 加 持 の 和 會 説 二 三
本 地 加 持 の 和 會 観 二 四 在 の 機 根 に 縁 せ ら れ て 現 す る 加 持 世 界 の 三 身 あ り、 こ れ 機 の 局 見 に 由 て 忽 ち に 法 位 を 隔 つ る が 故 に 離 質 の 加 持 身 と い ふ、 こ れ こ の 離 質 の 加 持 身 は、 機 の 局 見 に 依 て 法 位 を 隔 つ と い へ ど も、 術 こ れ 法 界 宮 中 全 惣 作 別 の 金 剛 の 幻 に し て、 顯 の 随 染 幻 の 身 と 雲 壌 の 差 あ り と な す。 か く の 如 く 法 住 は 一 多 法 界 の 理 よ り 本 加 爾 説 を 會 す る と 共 に、 激 主 に 自 性 本 地 身 と 帥 質 の 身 と 離 質 の 身 と の 三 種 を 立 す る も の で あ る。 し か も そ の 郎 質 の 身 は こ れ 所 謂 新 義 の 加 持 身 に 當 る、 か く 敢 主 に 三 身 を 立 す る も、 そ の 郎 質 の 加 持 身 を 以 て 本 経 の 教 主 と な さ ん と す る も の で あ る。 慧 光 の 漱 主 義 慧 光 は、 如 來 卒 等 の 智 見 を 以 て 觀 れ ば、一 切 如 來 は 四 種 法 身 を 具 足 せ る 卒 等 法 界 身 な り、 一 佛 身 な る 旨 を 明 す。 し か る に 如 實 に 此 の 如 來 の 眞 身 を 見 る こ と を 得 ざ る 衆 生 は、 李 等 法 界 身 に 於 て、 或 は 等 流 身 を 戚 じ、 或 は 變 化 身 を 戚 じ、 或 は 受 用 身 を 戚 じ、 或 は 自 性 身 を 戚 じ て 各 々 差 別 の 佛 身 を 見 て、 未 だ 李 等 法 界 身 を 見 す、 此 の 如 く 衆 生 の 分 別 の 念 の 上 に 現 す る 佛 身 は 皆 こ れ 加 持 身 で あ る。 郎 ち 新 義 に て 大 日 経 の 教 主 を 加 持 身 な り と 云 ふ は、 こ れ 衆 生 邊 よ り 見 た る 佛 身 に し て、 古 義 に 白 性 本 地 身 の 説 法 を 明 す は、 こ れ 如 來 邊 に 約 す る 説 で あ る。 此 の 如 く 本 地 身 説 と 加 持 身 説 と は、 如 蘂 邊 と 衆 生 邊 と の 所 説 の 相 異 に 因 る も の に し て、 各 一 邊 を 執 す れ ば、 そ の 全 膿 を 失 ふ。 か、 る 慧 光 の 和 會 読 は、 よ く 和 會 説 の 根 基 を 明 か せ し も の と い は ね ば な ら ぬ。 さ れ ば 光 師 以 後 に 種 々 の 和 會 説 あ る も、 大 體 よ り 觀 れ ぜ
こ の 範 園 を 出 で な い も の と も 觀 ら れ る。 し か し て 如 來 邊 よ り い へ ば 本 地 身、 衆 生 邊 よ り い へ ば 加 持 身 敢 主 な り と い へ ば、 二 の 数 主 義 を 並 存 す る が 如 く な る も、 し か も 如 來 邊 は こ れ 圓 見 に し て、 衆 生 邊 は こ れ 分 見 な れ ば、 本 地 加 持 に 薗 ら 勝 劣 あり、 推 功 歸 本 し て い へ ば、 大 日 経 の 敏 主 は、 こ れ 自 性 本 地 身 な り と な す も の で あ る。 し か し な が ら 本 地 加 持 の 二 の 敏 主 義 は、 本 と 疏 家 高 祀 の 高 判 に 依 る も の に し て、 ま た 經 疏 の 文 義 に 基 く、 か く 經 疏 の 文に は 無 蓋 の 意 を 含 む も の な れ ば、 強 て 是 非 す べ か ら ざ る こ と を 述 べ、 尚、 自 性 本 地 身 は、 四 身 を 具 足 せ る 李 等 法 界 身 で あ る。 随 て 如 來 邊 に 約 す れ ば、 自 性 本 地 身 を 敢 主 と な す と 云 ふ も、 そ の 本 地 身 は 四 身 圓 具 の 佛 身 な れ ば、 四 身 の 中、 唯 自 性 身 を 以 て 敢 主 と な す は、 今 取 ら ざ る と こ ろ な れ ど も、 推 功 歸 本 し て 本 地 身 と 云 ふ。 し か し て 衆 生 邊 よ り い へ ば、 加 持 身 教 主 の 義 成 ぜ ら るゝ も、 四 身 の 中、 唯 他 受 用 身 を 以 て 教 主 と な す は、 今 の 所 論 に あ ら す、 若 し 擦 勝 爲 論 せ ば、 則 ち 是 れ 中 毫 自 性 身 で あ る。 所 以 何 ん と な れ ば、 如 來 の 前 に は、 則 ち 彼 の 外 用 差 別 の 如 き は、 皆 内 證 李 等 に 異 な ら す し て、 直 に こ れ 本 地 身 な る ゆ ゑ で あ る。 帥 ち 衆 生 の 前 に は、 或 は 等 流 身 を 戚 じ、 或 は 變 化 身 を 戚 じ、 或 は 受 用 身 を 戚 じ、 或 は 自 性 身 等 各 々 差 別 を 見 て、 未 だ 不 等 を 知 ら す、 皆 こ れ 加 持 身 で あ る。 し か も 如 來 李 等 の 慧 を 以 て、 之 を 觀 れ ば、 此 等 無 鑑 の 加 持 身 皆 こ れ 一 不 等 法 界 身 で あ る。 し か れ ば 本 地 加 持 の 爾 義 の 中 各 々 一 邊 を 執 す る は、 こ れ た い そ の一 斑 を 得 て、 全 體 を 失 ふ も の と い は ね ば な ら ぬ。 な ほ 高 租 二 数 論 に 四 種 法 身 に 横 竪 の 二 義 を 具 し、 横 帥 自 利、 竪 即 利 他 の 義 を 示 し 給 ひ し 本 地 加 持 の 和 會 説 二 五
本 地 加 持 の 和 會 説 二 六 よ り 見 れ ば、 本 地 と いへ ば 四 身 皆 本 地 馬 若 し 加 持 と い へ ば、 四 身 皆 加 持 身 で あ る。 但 し 此 の 如 く 横 李 等 自 證 の 邊 よ り い へ ば、 四 身 皆 本 地 身 に し て、 竪 差 別 化 他 よ り い へ ば、 四 種 皆 加 持 身 と い ふ が 如 き は こ れ 如 來 李 等 慧 の 邊 よ り 觀 た る 説 に し て、 も し 衆 生 邊 よ り 細 論 す れ ば 本 地 加 持 其 義 な き に あ ら ざ る こ と を 述 ぷ。 な ほ 疏 家 の 釋 に よ れ ば、 自 證 本 地 の 極 位 は、 無 相 に し て、 説 者 も 無 言 觀 者 も 無 見、 自 證 本 地 の 位 に 説 法 な き が 如 き 釋 あ る も、 し か も 自 性 法 身 に は 遮 情 表 徳 一 多 法 界 め 爾 徳 あ り、一 法 界 門 よ り い へ ば、 言 語 盤 究 心 行 亦 寂 な る べ き も、 そ の 表 徳 門 よ り い へ は、 無 相 法 身 と は、 諸 法 の 本 初 不 生 を 覺 り、 六 大 法 界 を 以 て 其 身 心 と 爲 し、 此 身 諸 法 を 具 足 し、 一 定 の 相 な き が 故 に、 無 相 法 身 と 云 ふ。 周 遍 法 界 の 體 を 以 て の 故 に、 亦 遍 一 切 身 と 云 ふ。 四 種 の 身 の 所 依 な る が 故 に 亦 本 地 身 と 云 ふ。 こ れ こ の 遮 情 表 徳 の 二 門 は 次 の 如 く 金 胎 の 爾 義 な り、 帥 ち 此 の 遮 表 不 二 法 界 一 如 め 見 を 體 得 せ る も の、 こ れ 自 證 法 身 大 日 如 來 で あ る。 な ほ 衆 生 邊 よ り 見 れ ば、 閻 浮 流 布 の 經 怒 は、 こ れ 随 縁 出 現 の 經 に し て、 随 て そ、 の 能 説 の 敢 主 加 持 身 な ら ん と 思 は るゝ も、 如 來 邊 よ り 見 れ ば、 そ の 加 持 身 の 説 法 の 當 體 こ れ 本 地 身 な る こ と 等 を 釋 し て 曰 く、 問 猶 有 ン未 レ快。 法 爾 常 恒 演 説 或 是 以 本 地 身 爲 其 歡 主 二。 閻 浄 流 布 經 巻 只 是 塁 加 持 身 爲 其 教 主。 何 疏 家 意。 若 佛 但 住 自 證 境 界 則 諸 有 情 不 得 利 盆。 是 故 住 於 加 持 三 昧 而 説 也 如 何。
答
嵯
乎
甚
矣。
其
汝
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常
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主
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地
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布
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主
何
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限
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文
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吾
今
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汝
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疏
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占盆
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界
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此
教
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門
有
諸
佛
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有
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生
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説
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生
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其
諸
佛
聴
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説
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又
從
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處
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門
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也。
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來
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言。
本
地
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界
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蓼
廓
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一密
嚴
之
浄
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方
輿
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確
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山
魏
々
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妙
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佛
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(中
略
)
日
月
昭
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二
智
之
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萬
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調
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常
恒
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説
之
法
音
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百
華
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自
受
法
樂
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無
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荘
嚴
大
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是
也。
鳴
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吾
濟
雖
常
陪
庇
法
佛
説
法
集
會
麟。
而
會
不
レ覺
不
レ聞
悲
哉。
間
所
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本
地
境
界
全
是
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夫
所
具。
然
言
下法
佛
三
密
十
地
等
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不
占能
一見
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荷
乎。
答
我
所
示
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佛
境
界。
汝
所
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全
是
凡
夫
之
所
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何
者
汝
之
所
レ聞
山
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限
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川
帥
限
ン川。
所
謂
一
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相。
故
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瓦
夫
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所
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我
之
所
示
山
不
必
山
河
不
必
河。
所
謂
不
離
諸
相
故
日
法
佛
之
境
界
蝋
本 地 加 持 の 和 會 観 二 七本 地 加 持 の 和 會 説 二 八 亦 得 矣。 細 心 研 究。 云 々 法 爾 常 恒 の 品 の 教 主 は 本 地 身 に し て、 閻 浄 流 布 の 經 品 の 敏 主 は 加 持 身 な る べ し と 一 應 思 は るゝ も、 法 爾 即 随 縁、 随 縁 帥 法 爾 の 理 趣 よ り い へ ば、 閻 浄 随 縁 の 經 懇 所 説 の 敢 主 帥 本 地 身 な る べ し 等 の 解 釋 の 如 き は、 そ の 敏 意 を 得 た る も の な ら ん も、 如 來 但 だ 自 證 の 境 界 に 住 し な ば 諸 の 衆 生 利 盒 を 蒙 る を 得 ざ る が 故 に、 自 在 神 力 加 持 三 昧 に 住 す る 義 を 明 す 疏 家 の 釋 文 を 會 せ ん と し て、 如 來 内 證 の 境 を 一 多 二 法 界 の 義 よ り 釋 し、 内 證 本 地 の 法 界 門 に 住 し な ば、 凡 て 能 所 説 聴 等 の 差 相 を 絶 す れ ば、 た と ひ 十 地 の 菩 薩 な り と い へ ど も、 そ の 境 界 に あ ら ざ る が 故 に、 利 盆 を 蒙 る を 得 す、 こ の 故 に 自 在 神 力 加 持 三 昧 に 住 す と は、 こ れ 如 來 内 證 の 本 地 多 法 界 門 に 住 す る こ と な め、 即 ち 一 法 界 門 よ り い へ ば、 能 所 の 異 な き も、 多 法 界 門 よ り い へ ば 能 所 説 聴 の 相 あ る。 所 謂 多 法 界 門 よ う い へ ば 佛 あ り 衆 生 あ る が 故 に、 生 死 中 の 人、 各 々 其 力 分 に 随 う て 皆 利 盆 を 得 る あ り、 し か し て 此 の 多 法 界 門 に 出 居 外 朝 の 加 持 身 の 説 法 と、 臼 受 法 樂、 各 説 三 密 の 本 地 身 め 説 法 と あ り と な す が 如 き は、 如 來 但 だ 自 證 の 境 に 住 し な ば、 一 切 衆 生 盆 を 蒙 る こ と を 得 ざ る が 故 に 自 在 神 力 加 持 三 昧 に 住 す る と の 教 旨 を 得 た る も の で あ ら う 乎、 即 ち 光 師 自 ら 同一 釋 文 の 中 に 述 ぶ る が 如 く、 法 身 如 來 自 證 大 覺 の 體 は 一 多 不 二、 遮 情 表 徳 不 二 法 界 の 體 を 現 證 せ る 覺 體 で あ る。 此 の 一 多 法 界 不 二 の 賓 際 を 現 證 せ る 大 既 盧 遮 那 如 來 究 竟 成 佛 の 内 證 本 地 の 境 に 住 し て は、 一 切 の 衆 生 利 盆 を 蒙 る こ と を 得 ざ る が 故 に、 自 在 神 力 加 持 三 昧 に 住 し、 神 變 加 持 の 三 無 鑑 荘 嚴、
帥 ち 自 性 本 地 身 よ り 受 用 變 化 等 流 等 の 随 他 の 加 持 身 を 示 現 す る 義 な る べ し、 帥 ち 内 證 本 地 の 體 を一 多 法 界 の 義 門 に て 釋 す る は 可 な る べ き も、 そ は 大 毘 盧 遮 那 成 佛 の 自 證 大 覺 の 位 に て 解 す べ き も の な る べ し。 も し 光 師 の 如 き 釋 を な さ ん か、 成 佛 は 一 法 界、 神 變 加 持 は 多 法 界 帥 ち一 多 法 界 を ば 自 證 化 他 に 分 つ が 如 き 義 と も なり、 ま た 如 來 内 證 本 地 の 成 佛 の 體 は 一 多 不 二 の 法 界 を 現 證 せ る 大 覺 體 な り と い ひ な が ら、 如 來 は 或 る 時 は 内 證 本 地 の 一 法 界 門 に 住 し、 あ る と き は 内 證 本 地 の 多 法 界 門 に 住 す と な す が 如 き は、 無 分 別 の 如 來 の 境 を 分 別 作 意 を 以 て 解 す る も の に あ ら ざ る な き 乎。 し か し な が ら 本 地 法 身 の 説 法 は 如 來 邊 に 約 す る 義 に し て、 加 持 身 説 は 衆 生 邊 に 約 す る 説 な お こ と を 釋 し、 ま た 一 多 不 二、 遮 表 不 二 の 法 界 體 を 現 證 す る 大 覺 體 は こ れ 自 證 法 身 大 日 如 來 な る こ と を 明 し、 或 は 法 爾 随 線 不 二 の 賓 義 よ り、 閻 俘 流 布 の 随 縁 の 經 巻 の 敢 主 は 加 持 身 な り と 局 り て 觀 る べ き も の に あ ら す し て、 佛 智 見 よ り い へ ば、 随 縁 流 布 の 經 巻 能 説 の 教 主 は 本 地 身 な る べ し 等 の 解 釋 の 如 き は、 本 地 加 持 の 和 會 及 び 本 經 の 敏 主 問 題 を 解 す る 鍵 錦 を 提 示 せ る も の と も 觀 ら る、 も の が あ る。 曇 寂 の 歡 主 義 曇 寂 は 新 義 智 山 の 學 匠 に て 多 く の 著 書 あ り、 か つ 出 色 あ り し 人 で あ つ た。 し か し て 頼 瑜 師 の 加 持 身 説 を 奉 せ す、 ま た 本 地 身 説 に も 依 ら す、 本 地 加 持 和 會 の 説 を 唱 へ、 不 二 加 持 身 説 を 以 て 大 日 經 の 激 主 と な す も の で あ る。 帥 ち そ の 著、 大 日 經 敏 主 義 の 初 め に 本 地 身 説 も 加 持 身 説 も 共 に 教 主 義 の 眞 意 を 得 本 地 加 持 の 和 會 観 二 九
本 地 加 持 の 和 會 説 三 ○ ざ る こ と を の べ て 日 く、 古 義 に 大 日 經 の 教 主 を ば 自 性 本 地 法 身 の 説 な り と 云 ふ 義 を 立 す る は、 こ れ 高 組 大 師 の 自 性 受 用 理 智 二 法 身 説 法 の 義 に 依 る も の で あ る。 し か も 大 師 の 理 智 二 法 身 説 法 説 は 二 教 論 の 文 に 依 て も 明 か な る が 如 く、 こ れ 金 剛 頂 經 の 四 身 の 義 に 依 る も の で あ る。 ま た 大 師 の 法 身 説 法、 自 受 法 樂 の 説 は、 こ れ 随 他 意 の 顯 教 に 對 し て、 密 教 の 特 異 性 を 發 揮 せ ん と す る に あ り。 か く の 如 く 密 敢 の 特 異 性 を 發 揮 せ ん と し て、 金 剛 頂 經 に 依 て 立 せ る 法 身 説 法 説 に 依 り、 直 に 大 日 經 の 激 主 義 を 解 し、 大 日 經 の 敢 主 も 法 身 説 法 な り と い ひ、 ま た 善 無 畏 三 藏 の 大 日 經 疏 は 無 相 一 法 界 の 義 を 本 と し、 偏 に 法 身 説 法 の 義 を 明 す も の に あ ら す、 し か る を 金 剛 頂 經 に 依 て 立 せ ら れ た る 法 身 説 法 説 に 依 り 直 に 大 日 經 の 教 主 義 を 解 せ ん と し、 ま た 有 相 多 法 界 の 高 組 の 敏 義 と 無 相 爲 本 の 疏 家 の 宗 義 と 同 一 と 觀 て、 釋 を な す は 當 を 得 た る も の に あ ら ざ る こ と を の べ、 宗 家 意 。 爲 下封 二顯 教 随 他 之 説 而 顯 申密 激 随 自 意 義 六。 頻 談 一自 受 法 樂 説 法 一。 是 宗 家 各 別 所 傳 。 自 受 法 樂 及 四 均 義 皆 金 剛 頂 之 所 説 也 而 與 疏 家 ・義 本 自 不 ン同 。 然 古 師 皆 宗 家 釋 爲 レ本 以 解 疏 義 一。 是 以 方 難 圓 柄 不 一互 相 容 一。 謬 論 多 端 職
此
之
由
矣。
應
レ知
偏
云
法
身
爲
教
主
者
。
非
疏
主
意
也
。
次 に 新 義 に 自 性 法 身 本 地 の 位 は 、 無 相 寂 滅 に し て 言 心 を 絶 し 、 説 法 な く、 そ の 自 性 法 身 の 加 持 化 他の 位 に 於 て 初 め て 説 法 あ り と な し、 そ の 加 持 身 を 大 日 經 の 敢 主 と な す は、 こ れ 根 嶺 一 家 不 共 相 傳 の 説 に し て、 頼 瑜 の 創 稱 に か、 る も の で あ る。 し か し て 瑜 公 が か、 る 新 義 を 立 す る に 至 り し に つ い て は 種 多 の 依 慧 の 存 せ し も の あ ら ん も、 大 日 經 疏 第 二 に 大 毘 盧 遮 那 成 佛 神 變 加 持 の 文 を 釋 し、 自 證 成 佛 の 體 は 言 心 を 絶 せ る 寂 滅 無 相 な る が 故 に、 神 變 加 持 の 加 持 身 に 住 し て 説 法 す と の 文、 即 ち 然 此 自 證 三 菩 提 乃 至 是 處 言 語 盤 竟 心 行 亦 寂 等 の 文 に 依 る も の で あ る。 し か し て 瑜 公 の 指 心 鋤 の 初 め に 般 若 寺 抄 を 引 用 し、 次 に 自 義 を 立 し、 自 性 加 持 身 こ そ 大 日 経 の 激 主 な る こ と を 明 し、 他 門 に 他 受 用 身 説 を 成 す る が 如 き は、 こ れ 高 租 の 法 身 説 法 の 眞 意 を 得 ざ る も の に し て、 ま た 本 地 身 家 に 本 地 自 證 の 説 を な す が 如 き は、 疏 家 の 自 證 無 言 の 文 に 達 す、 し か し て 今 自 性 加 持 身 説 を 立 す る に 依 り、 爾 租 の 深 意 を 得 る の み な ら す、 ま た 般 若 寺 の 抄 意 を 傳 へ た る も の なり と 云 ふ。 し か る に 瑜 公 の 釋 を よ く 槍 討 す る に 疏 家 高 租 の 意 を 得 ざ る の み な ら す、 ま た 般 若 寺 抄 を 依 愚 と し て 加 持 身 説 を 立 す る も、 般 若 寺 抄 の 實 義 を 傳 へ ざ る も の な る こ と を 明 す。 帥 ち 般 者 寺 抄 は 經 の 薄 伽 梵 住 如 來 加 持 の 文 に つ い て 三 身 ま た は 四 身 の 解 を な せ る も の で あ る。 即 ち 薄 伽 梵 は 法 身。 如 來 加 持 は 受 用 身 帥 ち 報 身 な る も、 こ の 如 來 加 持 に は 受 用 身 の 外 に 變 化 身 を 含 む と 見 れ ば 薄 伽 梵 住 如 來 加 持 の 句 は 三 身 の 義 を 明 す も の な る も、 も し 受 用 身 に 白 受 用、 他 受 用 を 開 け ば 四 身 の 義 な る こ と を 釋 す る も の で あ る。 郎 ち 般 若 寺 抄 に 曰 く 三 身 義。 疏 云。 薄 伽 梵 住 如 來 加 持 者。 薄 伽 梵 郎 毘 盧 遮 那 本 地 法 身。 次 云 二如 來 一是 佛 加 持 身。 其 所 住 本 地 加 持 の 和 會 説 三 一
本 地 加 持 の 和 會 説 三 二
處
名
佛
受
用
身。
帥
以
陣此
身
爲
佛
加
持
住
處
云
々
加
持
身
者
是
曼
茶
羅
中
壷
尊。
此
名
佛
加
持
身。
當
報
身
也。
亦
名
字
門
道
具
足
佛
也。
亦
名
具
身
加
捗
也。
其
所
住
處
者
通
受
用
變
化
身。
故
有
四
種
法
身
也。
此
の
如
く
般
若
寺
抄
は
薄
伽
梵
住
如
來
加
持
の
文
を
ば
薄
伽
梵
は
能
住
の
法
身、
如
來
加
持
は
所
住
處
なり、
し
か
し
て
こ
の
所
住
處
た
る
如
來
加
持
の
句
を
受
用
變
化
の
二
身
と
解
し、
ま
た
受
用
身
に
自
受
他
受
を
開
け
ば
四
身
を
成
す
る
義
を
明
す
も
の
な
り、
ま
た
加
持
身
者
是
曼
茶
羅
中
壷
奪
此
名
佛
加
持
身
當
報
身
也。
と
云
ふ
も
こ
の
加
持
報
身
は
所
住
處
た
る
如
來
加
持
の
句
に
屬
す
る
も
の
に
し
て、
能
住
の
法
身
た
る
薄
伽
梵
の
句
に
屬
す
べ
き
も
の
に
あ
ら
す、
帥
ち
薄
伽
梵
と
如
來
と
は
稱
號
別
に
し
て、
薄
伽
梵
は
本
地
身、
如
來
は
加
持
身
を
顯
は
す、
かゝ
る
般
若
寺
抄
の
説
に
依
慧
し、
瑜
公
薄
伽
梵
に
本
地
加
持
を
含
む
と
な
し、
そ
の
薄
伽
梵
の
句
に
於
て
自
性
法
身
化
他
加
持
身
の
義
を
開
立
せ
ん
と
す
る
は
抄
意
を
得
た
る
も
の
に
あ
ら
す
と
な
す。
帥
ち
瑜
公
の
釋
に
佛
加
持
身
者
指
王
薄
伽
梵
句
中
一也。
彼
句
含
本
地
加
持
故。
本
地
無
相
位
永
亡
い言
語。
加
持
身
是
今
経
敏
生
故。
云
曼
茶
羅
中
毫
尊
也。
(中
略
)
此
加
持
尊
特
理
佛
住
一自
受
用
身
等
故
云
當
報
身
也。
今
所
住
又
通
他
受
變
化
等。
故
抄
云
印
通
受
用
變
化
身
故
文。
或
又
胎
藏
中
毫
加
持
身
寄
當
金
界
中
毫
報
身
毘
盧
遮
那
故。
謂
教
主
義
同
故
云
爾
也。
本
地
自
證
位
無
言
語
故
現
加
持
身
説
為
經
故
云
字
門
溢
具
足
也。
故
經
具
縁
縁
品
云
此
第
一
賓
際
以
茄
持
力
故。
爲
ン度
諸
世
闘
而
以
麦
字
説
文
疏
釋
云。
釋
蓮
世
諦
萌
起
敏
所
由
文
加
持
力
既
起
敢
所
由
故。
本
地
位
無
読
法
也。
爲
顯
亮
加
持
身
帥
自
性
身
永
異
蔓
用
以
下
加
持
身
故。
云
真
身
加
持
也。
云
々
か
く
の
如
く
般
者
寺
抄
に
依
慧
し
て、
本
地
自
證
の
位
に
言
説
な
き
が
故
に、
加
持
身
を
現
し
て
今
経
を
説
く
義
を
成
す
る
も、
かゝ
る
解
釋
は
凡
て
般
若
寺
抄
の
意
に
あ
ら
ざ
る
こ
と
を
な
ほ
指
摘
し、
本
地
無
相
の
位
は
永
く
言
語
を
亡
す
る
が
故
に
本
地
自
證
の
位
に
説
法
な
し
と
云
ふ
も、
し
か
も
本
地
の
位
を
無
相
無
言
と
云
ふ
は、
随
他
の
形
相、
随
他
の
言
語
な
き
義
に
し
て、
法
身
微
細
色
形、
自
受
法
樂
の
説
法
な
き
義
に
は
あ
ら
す、
凡
そ
大
師
の
餘
流
に
沐
す
る
も
の
誰
か
此
の
義
を
知
ら
ざ
ら
ん
や、
瑜
公
も
ま
た
自
證
説
法
の
義
を
論
じ、
往
往
自
受
法
樂
の
義
を
釋
す
る
こ
と
あ
り、
さ
れ
ば
本
地
無
言
説
の
解
は、
當
を
得
ざ
る
に
あ
ら
ざ
る
な
き
乎。
ま
た
此
加
持
奪
特
理
佛
住
瞬一自
受
用
身
等
故
云
當
報
身
也。
と
解
す
る
も
此
義
ま
た
不
可
な
り、
加
持
尊
特
と
は
是
れ
加
持
身
に
し
て
理
佛
に
あ
ら
す、
故
に
疏
に
從
右
王
毘
盧
遮
那
躰
現
加
持
尊
特
身
文
と
い
へ
り、
以
て
知
ん
ぬ
加
持
尊
特
と
は
こ
れ
所
生
加
持
身
な
わ、
豊
に
加
持
身
に
し
て
自
受
用
身
に
住
す
る
義
あ
ら
ん
や。
天
台
等
に
は
他
受
用
身
を
稱
し
て
尊
特
と
云
ふ。
し
か
も
瑜
公
以
爲
ら
く
尊
特
と
は
即
ち
本
地
身
な
る
べ
し
と、
し
か
る
に
既
に
加
持
と
い
ひ
尊
特
と
云
ふ
量
に
こ
れ
本
地
理
佛
な
ら
ん
や。
ま
た
胎
藏
中
毫
加
持
身
寄
當
金
界
中
壷
報
身
毘
盧
遮
那
故。
謂
激
主
義
同
故
云
爾
也
と
云
ふ
も、
金
界
の
報
身
と
は
自
受
用
に
し
て
自
性
身
に
あ
ら
す、
そ
の
他
本
地
自
證
の
位
に
は
言
語
無
き
が
故
に
加
持
身
を
現
じ
て
今
経
を
説
く
が
故
に、
般
若
寺
抄
に
は、
字
門
道
具
足
と
い
ひ、
具
身
加
持
身
等
と
釋
す
る
も、
此
響等
は
抄
の
意
を
得
ざ
る
も
の
な
る
こ
と
を
述
ぷ。
し
か
し
て
瑜
公
古
徳
自
性
身
の
中
に
加
持
身
あ
る
を
知
ら
す
し
て、
或
は
本
地
自
證
の
説
を
立
し
て、
經
疏
の
自
證
無
言
の
文
を
害
し、
或
は
他
受
變
化
身
敏
主
の
義
を
成
じ
て、
顯
激
の
三
乗
一
乗
の
佛
に
同
じ
て
疏
本 地 加 持 の 和 會 説 三 三本 地 加 持 の 和 會 説 三 四 家 の 深 旨 を 隠 し 宗 家 の 本 意 を 失 す と な し、 今 立 す る 加 持 身 は 自 性 身 の 化 他 加 持 身 に し て こ れ 自 性 身 な る を 以 て の 故 に 大 師 の 自 性 身 説 法 の 義 を 壊 せ す、 又 加 持 身 な る を 以 て の 故 に 疏 家 の 紳 力 加 持 三 昧 の 説 に 違 せ す と 云 ふ も、 恐 ら く は 瑜 公 還 て 疏 家 高 租 の 眞 意 を 失 せ る こ と を 釋 し、 薄 伽 梵 は こ れ 本 地 身 な わ、 こ の 本 地 身 無 言 説 の 故 に 加 持 身 を 現 じ て 説 法 す、 是 れ を 如 來 と 云 ふ。 是 れ を 以 て 同 に し て 異、 異 に し て 同 な わ。 本 泌 異 な く、 不 思 議 一 な わ、 し か も 今 且 ら く 異 に 約 し て 歡 主 を 談 す る が 故 に 如 來 是 佛 加 持 身 と 云 ふ。 既 に 如 來 の 號 を 以 て 本 地 身 に 簡 異 す、 云 何 ん が 薄 伽 梵 の 句 に 加 持 身 を 含 ま ん や、 疏 に 達 す る こ と 知 る べ し、 又 宗 家 は 疏 の 加 持 身 説 法 の 義 に 簡 う て、 金 剛 頂 自 受 法 樂 の 説 に 依 て、 法 身 説 法 の 義 を 談 す、 自 受 法 魔樂 と は 是 れ 自 證 の 境 界 に し て 永 く 加 持 の 相 を 絶 す。 若 し 本 地 の 句 の 中 に 加 持 の 義 を 含 む と い へ ば 大 に 宗 家 の 本 意 に 濯 す。 又 以 中 壷 尊 故 不 壊 大 師 等 者。 者 し 疏 の 釋 に 依 ら ば、 中 壷 と は 即 ち 加 持 身 なり。 者 し 爾 ら ば 中 毫 を 以 て の 故 に 還 て 大 師 自 證 説 法 の 義 を 壊 す、 云 何 ん ぞ 壊 せ す と 云 ふ や。 次 に 寂 師 の 自 義 を 辮 ぜ ん と し て、 先 づ 大 意 を 明 し、 次 に 文 に 就 て 解 を な せ り、 そ の 大 意 釋 を 要 約 し て い へ ば、 古 徳 の 説 區 々 に し て、 し か も 何 れ も 疏 主 の 意 を 得 ざ る は、 皆 四 種 身 の 義 を 以 て 經 疏 所 明 の 二 身 義 を 解 す る に 依 て、 そ の 眞 意 を 得 ざ る と な す。 さ れ ば 若 し 疏 主 の 意 を 得 ん と 欲 せ ば、 則 ち 先 づ 四
種 身 説 及 び 諸 師 の 異 解 を 一 掃 し、 當 さ に 須 ら く 室 心 に し て 經 疏 の 文 を 讃 む べ し、 し か ら ざ れ ば つ ひ に 疏 主 の 意 を 得 る こ と な し、 し か し て 當 段 の 疏 は 惣 じ て 三 身 あり、 即 ち 一 に は 本 地 身、 二 に は 加 持 身、 三 に は 受 用 身 な り、 疏 の 第 九 憲 の 三 三 昧 耶 は 三 身 の 義 を 釋 す る も の な り と て、 三 身 を 三 三 昧 耶 に 配 釋 し、 更 に 経 疏 の 佛 身 義 に 及 び、 経 疏 の 始 終 其 佛 身 を 明 す を 觀 る に 唯 本 地 加 持 の 二 身 あ り て 更 に 四 身 の 説 な し、 故 に 或 は 自 證 之 本、 加 持 之 泌 と い ひ 或 は 不 思 議 法 界 種 種 方 便 道 等 と 云 ふ、 皆 本 地 加 持 不 思 議 二 諦 を 明 す 也。 是 を 以 て 窃 か に 惟 ふ に 疏 主 の 意 應 さ に 不 二 加 持 身 を 以 て 激 主 と す と 云 ふ べ し。 不 二 と は 全 く 不 思 議 の 二 調 な り、 謂 く 本 地 を 全 う し て 外 に 流 膿 し、 而 も 群 機 に 樹 す る を 稱 し て 加 持 と な す。 本 地 を 離 れ て 別 に 加 持 あ る に あ ら す。 問 ふ 若 し 本 地 加 持 不 二 な ら ば 何 故 に 二 身 の 別 あ り や、 答 若 し 佛 に 約 す れ ば、 則 ち 唯 實 相 に し て、 本 迹 の 異 あ る こ と な し、 し か も 且 ら く 機 威 に 約 す る が 故 に、 強 て 名 け て 泌 と な す。 迹 に 樹 す る を 以 て の 故 に 亦 強 て 名 け て 本 と 爲 す。 應 さ に 知 る べ し 本 地 加 持、 自 性 受 用 等 の 名 は、 唯 機 戚 に あ つ て 佛 に は 則 ち 無 し、 即 ち 第 一 義 は 生 佛 の 假 相 を 絶 し 自 他 の 差 相 を 混 せ る 實 相 準 等 の 身 な る こ と を 釋 す。 此 の 如 く 寂 師 は 大 日 經 疏 は 本 地 身、 加 持 身、 受 用 身 の 三 身、 ま た は 本 地 加 持 の 二 身 の 義 を 明 し、 そ の 加 持 身 の 説 法 と な す も の で あ る。 し か ら ば 大 日 經 疏 に 自 牲 本 地 身 の 説 法 即 ち 自 受 法 樂 の 説 法 な か る 本 地 加 持 の 和 會 説 三 五
本 地 加 持 の 和 會 説 三 六 べ き か と 云 ふ に、 そ の 義 あ る こ と を 述 ぷ。 郎 ち 密 教 の 意 説 法 に 二 種 あ り、 一 に は 自 受 法 樂 の 説、 二 に は 他 受 對 機 の 説 な り、 帥 ち 薗 受 法 樂 の 説 は、 も と 金 剛 頂 經 に 出 つ る も の に し て、 今 の 經 疏 の 中 に 明 に そ の 文 言 を 見 ざ れ ど も、 そ の 意 義 自 ら 存 す る と て 其 等 の 文 義 を 擧 げ、 大 師 深 く 經 疏 の 深 意 を 探 っ て 本 地 身 の 法 爾 常 恒 の 説 法 の 義 を 明 す。 帥 ち 大 師 の 大 日 経 開 題 に 此 經 に 惣 じ て 三 本 あ り、 一 に 法 爾 常 恒 の 本、 二 に 十 萬 頚 の 廣 本、 三 に 三 千 餘 頭 の 略 本 あ る こ と を 明 か さ る。 そ の 中 第 一 の 法 爾 常 恒 の 本 と は、 こ れ 法 身 如 來 の 自 證 の 説 法 な り、 し か れ ば 法 身 無 形、 自 證 無 言 と の 義 ば 疏 家 高 租 の 意 を 得 ざ る も の で あ る。 二 に 他 受 劃 機 の 説 と は 帥 ち 加 持 身 の 説 法 で あ る。 前 の 自 證 の 説 法 は 自 受 法 樂、 唯 佛 與 佛 の 境 界 な る が 故 に、 衆 生 此 を 以 て 盆 を 蒙 る こ と 能 は す、 是 の 故 に 加 持 方 便、 以 て 自 證 の 如 く 妙 法 を 演 説 す。 即 ち 十 萬 碩 本 こ れ な り、 し か し て 古 義 に は 自 證 の 説 法 を 稱 し、 新 義 ば 加 持 門 の 読 を 談 す。 こ れ 各 々 一 義 を 執 す る も の と な し、 此 の 二 説 を 合 し 不 二 加 持 身 の 義 を 成 せ ん と す る も の で あ る。 郎 ち こ の 自 證 加 持 の 二 説 は 同 に し て 異、 異 に し て 同 な わ、 何 ん と な れ ば、 若 し 能 化 に 約 す れ ば、 加 持 の 説 時 が 帥 自 證 の 説 時 な り、 越 を 一時 一如 來 之 日 加 持 故。 異 に し て 同 と 云 ふ。 者 し 時 間 に 約 す れ ば、 本 地 を 全 う し て 加 持 の 説 を 作 す 故 に 同 に し て 異 と 云 ふ。 し か ら ば 若 し 此 を 執 す れ ば 則 ち 彼 を 失 ふ、 量 に 李 等 の 法 門 と 云 識 を 得 ん や。 帥 ち 大 日 經 疏 に 依 れ ば 曼 茶 羅 に つ い て も 自 證 と 加 持 の 二 種 の 曼 茶 羅 を 明 さ れ、 こ の 本 地 加 持 は 不 二 一 體 な れ ば、 一 を 執 す れ ば そ の 眞 意 を 得 ざ る も の で あ る。
次
に
其
體
を
辮
す
る
と
て、
經
の
薄
伽
梵
の
句、
帥
ち
本
地
法
身
は
唯
理
法
身
に
あ
ら
す、
こ
の
理
を
現
證
せ
る
理
智
冥
合
の
覺
體
な
り。
帥
ち
此
の
本
地
法
身
の
體
に
理
智
二
身
を
存
す
る
こ
と
を
明
さ
ん
と
し
て、
本
地
と
自
證
に
つ
い
て
の
疏
の
釋
を
擧
げ
本
地
と
は
毘
盧
遮
那
の
自
體
を
指
す、
こ
れ
常
途
の
眞
如
の
自
體
と
法
髄
を
同
う
す
る
も
の
な
る
こ
と
を
辮
す。
次
に
自
證
と
は
常
途
に
所
謂
如
智
如
を
證
す
る
と
同
な
り、
こ
れ
正
し
く
自
受
用
成
覺
の
義
な
り、
故
に
自
證
と
は
並
に
理
自
性
智
自
受
二
身
を
存
す、
か
く
の
如
く
本
地
と
自
證
と
一
往
文
義
異
な
る
も
の
あ
る
も、
當
段
の
毘
盧
遮
那
本
地
法
身
は
正
し
く
薗
證
の
義
を
明
し、
其
體
理
智
二
身
を
存
し、
こ
の
理
智
の
二
を
攝
し
て
と
爲
す
も
の、
帥
ち
今
の
毘
盧
遮
那
本
地
身
な
り。
帥
ち
曰
く
所
謂
花
毫
具
騰
及
醍
醐
果
徳
即
理
智
二
法
身
也。
攝
二
爲
一
者
當
段
帥
其
義
也。
謂
攝
中
壷
理
智
二
身。
惣
云
本
地
法
身。
應
知
本
地
法
身
者。
如
智
證
如
即
是
自
證
境
界
也。
又
攝
二
爲
一
者
以
余
觀
彼
唯
歸
阿
字
一
賓
諦
也。
験
知
本
地
法
身
者。
郎
毘
盧
遮
那
自
證
境
界
自
受
法
樂
位。
故
微
妙
寂
寂
出
過
心
量。
故
次
現
加
持
身
他
受
用
而
樹
群
機
也。
者
就
四
身
明
之
自
性
受
用
合
爲
本
地。
於
此
位
受
現
法
樂
名
自
受
法
樂。
即
合
此
二
身
爲
本
地
身。
此
く
の
如
く
經
の
薄
伽
梵
の
句、
帥
ち
本
地
法
身
は
こ
れ
理
智
二
身
自
受
法
樂
の
體
と
な
し、
次
の
経
文
の
如
來
加
持
の
四
字
は
正
し
く
本
経
の
激
主
と
住
處
の
二
種
の
成
就
を
明
す
と
な
す。
し
か
し
て
そ
の
加
持
身
の
體
を
辮
し、
上
述
本
地
加
持
の
和
會
説
三
七
本 地 加 持 の 和 會 観 三 八 の 如 く 本 地 法 身 を ば 自 性 自 受 用 冥 合 の 體 なり と な す が 故 に、 加 持 身 は こ れ 他 受 用 身 と な す。 し か も 加 持 身 に 種 多 あ る も、 今 は 中 胎 毘 盧 遮 那 の 加 持 身 に し て、 本 地 身 を 動 せ す し て 加 持 に 住 す る が 故 に 本 地、 加 持 賓 に は 一 體 無 別 に し て 能 所 共 に 第 一 義 諦 に 住 す と な す も の で あ る。 し か し て 此 の 如 き 不 二 の 加 持 身 を 本 經 の 敏 主 と な す。 ま た 常 途 の 義 に 約 す れ ば、 無 明 の 別 に 随 う て 佛 の 色 相 を 見 る が 故 に、 加 持 身 は こ れ 随 染 業 幻 と 爲 す も、 此 宗 は 加 持 力 を 以 て、 應 度 の 者 を し て、 法 身 の 色 相 を 見 せ し む、 故 に 加 持 身 を 如 來 金 剛 の 幻 と 云 ふ。 金 剛 の 幻 と は 帥 ち 不 壊 の 化 身 で あ る。 是 を 以 て 本 地 と 加 持 及 び 衆 生 と は 一 體 無 別 で あ る。 故 に 加 持 身 を 見 れ ば 本 地 身 を 見、 本 地 身 を 見 れ ば 則 ち 行 者 李 等 智 身 を 知 る と 釋 す。 要 を 以 て 之 を い は い 隠 覆 せ る を ば 衆 生 と 名 け、 顯 現 せ る を ば 法 身 と 稱 す。 但 だ 隠 顯 を 以 て 異 と 爲 し 更 に 異 體 な し、 即 ち 種 子 は こ れ 衆 生、 果 者 師 ち 本 地 な り、 果 還 て 種 子 を 成 す る を ば 加 持 身 と な す。 應 に 知 る べ し、 既 の 三 展 轉 因 果 に し て 別 體 な き な り。 な ほ 高 租 は 金 剛 頂 経 に 依 て 法 身 説 法、 自 受 法 樂 の 境、 こ れ 眞 言 密 数 な る こ と を 釋 成 し、 金 剛 頂 経 よ う 本 經 を 觀 て 本 經 も 法 身 佛 の 説 法 と な す も の に し て、 未 だ 曾 て 疏 家 に 依 て 釋 を な さ す、 随 て 疏 家 の 本 經 を 加 持 身 の 説 と な す と、 高 租 の 所 立 と 其 義 永 く 異 な る も の に し て、 爾 雄 各 別 の 所 傳 な る こ と を 釋 す。 郎 ち 寂 師 は 大 師 は 金 剛 頂 經 に 依り 蜜 歡 の 敢 主 は 法 身 な る こ と を 明 し、 以 て 大 日 經 の 数 主 も 同 じ く 法 身 な る こ と を 解 せ ら れ た り と な す も の で あ る。 も つ と も 大 日 經 に 法 身 説 法 の 文 義 あ る も、 疏 は 無 相 一 法
界 を 本 と し て 經 を 釋 し、 寧 ろ 法 身 不 説 の 文 義 多 く 却 て 加 持 身 説 を 明 す よ り、 大 師 は 疏 家 の 釋 文 に 依り 給 は ざり し と な す も の で あ る。 寂 師 の 住 心 品 疏 私 記 に、 疏 家 と 高 租 の 歡 主 義 の 相 異 を 釋 し、 疏 家 は 加 持 身 説 に し て、 一 往 常 敷 の 他 受 用 身 に 似 た り、 し か も 常 激 の 他 受 用 身 と 異 り あ る こ と を 辮 じ、 常 激 の 佛 身 は 順 機 説 法 な る も、 今 の 敢 主 は 迂 回 な く、 直 に 本 地 の 内 證 を 説 く、 帥 ち 五 字 門 乃 至 所 餘 の 諸 眞 言 は こ れ 本 地 の 三 昧 を 明 す 秘 密 語 に し て、 随 他 意 語 に あ ら す と な す も の で あ る。 な ほ 寂 師 の 義 よ り い へ ば、 か く 加 持 受 用 身 は 随 自 意 語 に し て、 本 地 を 説 く は、 こ れ 本 地 加 持 不 二 に し て 加 持 身 は こ れ 本 地 を 全 う せ る 體 な る に 依 る。 な ほ 寂 師 は 疏 家 高 租 の 釋 義 の 相 異 す る 所 以 を 解 し、 疏 主 は 經 文 を 清 釋 す る を 主 と な す、 し か る に 經 交 は 淺 相 に 寄 せ て 深 理 を 説 か れ た る が 故 に、 疏 文 ま た 深 理 を 顯 は す と い へ ど も、 而 も 文 言 顯 相 を 帯 ぷ、 随 て 疏 釋 を 大 師 に 比 す れ ば 一 往 淺 略 な り、 帥 ち 大 師 は 經 の 交 句 を 釋 す る に あ ら す し て、 唯 そ の 深 理 を 述 ぶ、 し か し て そ の 理 趣 よ り 激 主 を 定 む れ ば 自 ら 法 身 佛 な ら ざ る を 得 す、 よ く 此 意 を 知 つ て 爾 輯 の 釋 文 を 讃 ま ば よ く 爾 租 の 眞 意 を 得 ら る べ き と な す。 な ほ 寂 師 の 住 心 品 疏 私 記 に、 本 經 の 教 主 に つ き 古 來 衆 論 紛 々 た る は、 こ れ 深 く 經 疏 の 意 を 極 め ざ る に 依 る こ と を 釋 し、 經 疏 の 憲 に 依 れ ば、 本 地 身 と 加 持 受 用 身 の 二 種 の 佛 身 な り、 し か も 者 し 子 細 に 券 本 地 加 持 の 和 會 説 三 九