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Academic year: 2021

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(1)

Title 調整費用と企業の投資行動 Author 宇佐美, 泰生

Publisher 慶應義塾経済学会

Jtitle 三田学会雑誌 (Keio journal of economics). Vol.70, No.2 (1977. 4) ,p.244(118)- 250(124) Abstract

Genre Journal Article

URL http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00234610-19770401 -0118

(2)

調 整 費 用 と 企 業 の 投 資 行 動

宇 佐 美 泰 生

投資函数の実証的拼究において広く用いられている可変的加速度調盤の投資困数,すなわち,純 投資は資本ストックの観察された実現値と最適?t 本ストックとの差に比例するというストク調整 メカこズムは,最適資本量が企業の合理的行動から導かれるのに反し,ふ つ うad h o cに導入され る。E is n e r - S t r o t z2〕 の展望論文において展開された調整費用モデルは,合理的企業行動わ仮 定からこの加速度調整の投資函数を理論的に導出し,投資行動の整合性を回復しようとするもので あったといえる。以来, 調整費用モデルは,多変数ストック調整メ力ュズムへの拡張,:P適資本蓄 積径路の大局的分析などいくつかの進展をみた。本稿では,これら調整費用ぇ;デルの展開のなかで 論じられた調整費用面数の諸性質と投資行動とがどのように緒びつくかを考察する。 調 盤 費 用 投資函数の理論における調整費用モデルの唯一の新機軸は,純投資あるいほ粗投資が適増的な費 用を伴うという点である。 この場合,調整費用は企業の投資によって生ずるあらゆる種類の費用を 総称して用いられてきたが,これらIの費用が発生する正確な理由とその数量的性質については,從 来はとんど明らかにされていない。ただこまれでの文献でゆ調整費用函数の形状について四つの点 を中心に譲論が展開されてきた。以下本節では, これら四つの点を順次指適し,続くニ節でその経 済的帰結を考察しよう

( 1 )

内部

®i

調整費用と外部

11

調整費用 外部里調整費用は,市場で投資財を購入する場合に要する货幣的費用で,企業の生産活動に対し ては外生的であり,他方, 内部型調整費用は,企業がその資本ストックを変化させる際に生産性を 低下させることから生じる,企業の生産活動に対して内生的な費用である。 外部型調整費用の類型に厲ずるものとしては,買手独占的な資本財市場の資本財購入価格が代ま 的な事例である。外ね型調整費用は生産費用の中に, .

"—-

\\% (^244^

-も s » ^» -5 vt » -Ft ^n v

(3)

というかたちで定式化される。 ここで,ムレは《期の労働投入量,

K t

i t e

は資本ストックの水準 と純投資, は賞金率をあらわし,

G

が資本ストックと純投資の®数としその外部型調整費用であ る。外部型調整費用を定式化したものとしては

Bfec

lin g

1

〕をあげることができる。 内部型調整費用は

,

本来生産物の産出に用いられていた資源が,新投資

I

消化するためにその生 産工程からひき離される結果生じる。 レを産出量水, とすると,内部型調整費用は f i L t , K t ,元 )ニ

© t,

という生産函数のかたちであらわすこ

とができる。 すこと义ぱ生産部

P

ミと計画部門からなる企業を考えてみよう。生産部門は労働と資本を投入して経 常的生産物を産出し,計画部門の活動は投資率に比例する。 この雨部門が規模に関する収益插減の 技術的制約のもとで同じ資本と労働を使用しているとき,所与の労働と資本ストックに対する投資 率の増加は生産部

門に従事している労働と資

i

の一部を計画部門に吸収し,産出量水準を低下させ る。親模に関する収益適減によって,投資率の増大はますます多ぐの産出量の儀牲を必耍とする

(Lucas

4

〕)。 第二の事

:

例として,新資本財の導入が一定の習熟期間を要するような新しい生産様式を伴う場合 を考察しよう。今期の投資はそれが究極的にもたらす生産用役の

-^

部, ゐ,を今期提供するものと すると, 之期の資本ストッ.クは

/(«

/

" + \

-

パト®)ム d s 有効資本量は

K t ~

i

とあらわされる。 を

/

ぐ,の代りに通常の生産函数の中に代入するとほ部型調整費用の一^般化さ れた生産函数がえられる

(Lucas

4

〕)。 内部型調整費用を定式化したものとしては,

L u c a s

の 他 に

T readw ay

8

〕がある。 また次に 考察する分離可能堆の間題は生産の技術的条件の

-^

つと考えられるので,

T readw ay

9

〕〔

10

〕や

M ortensen

6

〕 もこの型の調整費用モデルとみなすことができる。

(2

) 分離可能性

...

生産要素ストクの服界生産力が要素ストックの調整の規模によって影響を受けるかどうかとい う問題が分離可能性の問題である

記号であらわすと,

fK k = d J j d K t d k t^ Q

のとき

,

ストック調盤は分離可能という。 この間題は

T readw ay

9

〕〔

10

〕,

M ortensen

6

〕に よって,多変量ストシク調整モデルの中で分析され,分離可能性の仮定が投資®数の構造に本質的 調整費用と企參の投資行動

(4)

にかかわっている点が明らかにされた。

T readw ay

8

〕や

L u c a s

4

〕 の資本ストック調整モ デ ル も ん を

0

と想定し,通常の生産画数に加法的な調整費用を定式化している。 以下われわれ も

K U Kt, K d ^ K L u Kd-<PiKt> K d

を仮定しよう。

( 3 )

調整費用は純投資に依存するのか粗投資に依存するのか, あるいはこれらの変化率に依存するのか 資本財購入価格の観点からずれば,資本財が拡張投資に用いられようと更新投資に用いられよう と違いは生じないから,調盤費用は粗投資に依存すると考えられる。しかし,内郁型調整費用とし てみると,企業がいったん所与の資本ストックの水準に調整したならば,更新投資の費用は更新投

'

資の水準からは独立となり,したがって,調整費用は純投資に依存するものとみなすこともできる。 内部型,外部型という区別を離れて,調整費用が粗投資に依存し,しかも適増的であるときは

*

二つの定常状態を比較すると資本ストックの水準が高い方力

';

更新投資の平均費用が大きく,したが って)通常の生産函数が

1

次同次であっても資本ストックの規模に関する不経済が存在すること になって,生産の規模が確定する(

Gould

3

;;’),パ

.

.

(4

) 調整費用函数の凸性

'

この性質は

R othschild

7

〕 によって詳細に検討された彼は調整費用函数はアプリオリに凸 と仮定できないという点から出発して,離散塑モデルで調整が多期間にわたって分布するためには

*

調整費用旧数の凸性が必要であることを証明した。

G ould

3

〕のようにはじめから

2

次形式の調 整費用を仮定する場合もあるが,ふつうは変分法の

Legendre

条件として導かれる。

.

,

2 最 適 資 本 蓄 積 径 路

.

-

., 調整費用モデルでは,金業は価格

*

利子率に対する静学的予想のもとで,その予想将来収益の割 引価値を最大にすると想定される。 もし企業が競争的資本市場において利子率

r

で自由に借入れが でき,しかもとの現行利子率が将来も不爽であると予想されるとき

,

との企業の将来収ほの割引

ii

値は

F

ニ广ごリがん一《

(

;ム 广 /と

,

(1)

企業は

-^

般化された生産の技術的制約

.

K d ~ K K t , K d

.

(2)

— ~

120r

スイめ

---しちm学 会 誌J 7 0巻2号 (19 77年4月)■

I;'

‘ 麵

p

■ ■ '

-ね,

fo

.: I T

M

v\ ‘, ;ロ L;*■ん I

(5)

の も と で こ

0

予 想 収 益 の 割

5 IM

値 を 最 大 に す る よ う に

, L t

K t

の正の径路を選択する。 この最大 化 は さ ら に , 計 画 の 初 期 点 に お い て 存 在 す る 資 本 ス ト ッ ク の 歴 史 的 制 約 ,

/(0

/?

(3)

を 満 た さ な け れ ば な ら な い 。 これは古典的変分法の問題の一

*

例で,その必要条件は

,.

...

(a)

p ^L = tO

(b) Q>4*iik +

K + (J)(pKit +

/if + { Q ) ^ k ~ P 4^ k **~G k ) ~~'yQ>^k + G (^ } = 0

(C)lim e-r

/J

+ G/0

0

(d)

Cp^itK+O ^ii) ^ 0

条件レ

)

は , 労 働 の 限 界 生 産 力 と 実 質 賞 金 率 の 均 等 条 件 , 条件

(b)

も横断条件

(C

)を適用して積分形式に 変 換 す る と

.

\ ^ ^ T- t) ■p(pK — G jc ') d T ニ,

(4)

''

.

.

、 す な わ ち , 資 本 ス ト ッ ク

1

単位 の純 増 加の 限 界 費 用 は 資 本 の 将 来 限 界 生 産 物 の 割 引 価 値 の 総 和 に 等 し い と い う ミ ク ロ 経 済 学 で 確 立 さ れ た 限 界 条 件 の 一 変 形 と な る 。 条件(

b)

においてすでに明らかなように分離可能性の仮定のもとでは,外部型調整費用と内部型 調整費用の差は形式的には消えてしまう。

>

つぎに

'

,調 整 費 用 が 純 投 資 と 資 本 ス ト ッ ク の 同 者 に 依 存 し て い る 場 合 と ,資 本 ス

K

ックの水準か らほ 独 立 な 場 合 と で

,

最 適 資 本 蓄 積 径 路 が ど の よ う に 異 な る か を 考 察 し よ う 。 まず,調整費用が資 本 ス ト ッ ク か ら 独 立 な 場 合 ぱ

M K ,

め 二

0,

G

k

CK,

70= 0

となり, (

b

) は

(b') ipfpuK-^G Kid K + [p 4>K—y(j)^fc +Gii) } = 0

と 簡 単 な か た ち に 変 形 さ れ ,

Brechling,

1

〕 や

T readw ay

8

〕 のモデルに一致する。

Tread­

way

は 位 相 図 を 用 い て 最 適 径 路 の 大 局 的 な 性 質 を は じ め て 明 ら か に し た 。 最 適 条 件 (

b / )

より,純 投 資 一 定 の 点 の 軌 跡 は ; 方程式 クわーグかか

+ (5

せ)コ

0

. . . ’ ..

p(}>L — W ~Q

に よ っ て 定 義 さ れ る 曲 線 で あ り ,そ の 勾 配 は

.

d K

P (J>^

l k

~ ^

l l

4*

k k

} '

d K /f=o

'

'■

‘, した がっ て,通 常 の 生 産 函 数 の

Hessian

行列式

— 121(2 4 7 ) —

調盤費用と企業の投資行動

(6)

rさ旧学会雑誌」7 0巻2号 (19 77年4月) の 符 号 と 曲 線

/^=0

の 勾 配はその正

:^

が反対となる

0

は図

(1)

のように描かれる。 定 常 的 均 衡 点 / ( * は

p([>K

(L*, /(*)

H P

a (ff)

+ GKO)}

K^')==w

I

こよって与えられる。

Hessian

行 列 式 の 符 号 が 負 の と き , 位相図 より

,

b

)は

( p ^ k a + G n id K

+

+

{pi^K— ( p ^ k

+ Gj?-)+ 5 ) } = 0

,

すなわち

(b'/)

i.p(pkk

+

Gfr,i^ i

+

p ^K ~ Qf/Pa

+ ( > * H- (5) = 0

となり,調整費用が純投資のみに依存する(

b

')の場合とかわらない

o

(b

//)は一次同次の生産两数 の場合について

G ould

3

ic

よって分祈された。 最後に,調整費用力

*

、純投爱と資本ストックに関し一次同次の場合を考察しよう。 こ れ は

Lucas

4

〕で定式化された車例で,生産

®

<KL,

/ 0

が一般的な形状のときは,最適資本蓄積径路の 性質はあまり明らかとなっていないが,生ま面数も一次同次のときは,

E u le r

条件の積分形式

_ ■

^

-P^/^

k

C K IIO -G

k

CKIIO )dT^p<pK(.KIK')

+(?K /^//0

と条件

(a)

によゥて,定 常 解

/^ //(

/^ //(

が得られる。

.… 122^

2 4 8 ^ ■',',一一一 Mi

;

s

., 園 纖 f ^ ■

u

I ■"

t

-,

! ■

.

(7)

3

線形近似と加速度調整原理 最適資本蓄積径路は一般に非線形て、ある。 しかし, これを定常的均衡点の近傍で線形近似するこ とによっ

' t : ,

投資®数の計量分析において広ぐ用いられている非常に簡単なストック調盤メカニズ ム,すなわち,各期の純投資はその期の資本ストジクと定常的な最適資本ストックとの墓に比例す る, という可変的加速度調整原理をみちびくことができる。,

(a)

および

(b

)を均衡点の近傍力線形近似すると

(P^KK

+ G/fif)

K

+

(p^KK

+ G-K^)

K

+

(pf^LL^(.^LL^KK — ^^LK^(.K—K*^

—(P^KK

+

G

k

K^ QK— K*')

(p<pKk

+

G

kk

)

/ t

—r Q)(pKk

+ G / f ( / f — / C * ) —

r (J)(pKK

+

G

k

(^ K

= 0

調盤費用と金業の投資行 動

すなわち

s

r=

— ザ

LK

G/Cf^ <f>LL

iP^K K

+

GjCjC)

(.P^kk

+

+

Gfci^

CP^KK

+

G

k

A-

(5)

(6)

T read w ay

8

〕あるいは

B rechling

1

〕のモデルでは調整費用は純投資のみの

®

数なので,⑥ の右辺第

2

項 が

0

となる点が異なっているが,(

b

) の線形近似力

t(5

)のようにあらわされることは変 らない。重要な点は,調整費用が内部型であれ外部型であれ,あるいは,調整費用が何に依存する かを間わず,分離可能性の仮定のもとでは最適径路を線形近似した微分方程式の特性方糖式:

2

根 は

0 7 2 )

に関して対称的となるということである。

特性方程式の解

A ,

h

は ;

li= (r/2 )

- ~ y / ( r f 2 y - r ,

4 =

CrfZ) + y / ( r l 2 y - J

したがって,最適径路,

/Q - 7(*

ニ ょ

1

ン ル

が安定であるためには

r

は負でなければならない。 このとき

/?2

f

より大きな正の実根となり, も し が

0

と異なる値をとれば,横断条件が満たされない。 したがって,

.

/(«-

/

/

レ ん

(/(,-/(* )

すなわち,可変的加速度調整の投資画数がみちびかれる。

W C 2 4 9 ' )

(8)

〔参 考 文 献 :)

.、

广い

Brechliii

- F., Investment and Employment Decision, Manchester University Press, 1975.

r 2 ' ^

Eisner, R" and Strotz, R" "Determinants of Business Investment, ’’ Research Study Two

in Impacts of Monetary Policy, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, 1963.

3

Gould, J. P., **Adjustment Costs in the Theory of Investment of the Firm," Review of Ec­

onomic Studies, January 1968.

广

4^1 Lucas, R. E" "Adjustment Costs and the Theory of Supply, "Journal of Political Economy,

August 1967.

5

--- :--- "Optimal Investment Policy and Flexible Accelerator, ’’ International Econ­

omic Review, February 1967.

〔(

3

Mortensen, D. T., ‘,

Generalized Costs of Adjustment and Dynamic Factor Demand T h eory,"

Econometrica, July 1973.

7

Rothschild, M" "Ojti the Cost of Adjustment,

"

Quarterly Journal of Economics, November

1971.

.

8

Treadway,

A .

B„ "On Rational Entrepreneurial Behavior and the Demand for Investm ent,"

Review of Economic Studies, April 1969.

9

〕 —

— --- , "Adjustment Costs and Variable Inputs in the Theory of the Competitive

Firm, " Journal of Economic Theory, December 1970.

'

10

---— —

"On the Multivariate flexible Accelerator, " Econometrica, September 1971.

11

Witte, J. G., Jr., "The microfoundations of the Social Investment Function, " Journal of

Political Economy,, October 1963.

(

経済学部助手) r三由学会雜誌j 7 0巻2号 (19 77年4月)

t

ち i * ダ。

h r

- .

:

-^124 (25

1.1

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参照

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