• 検索結果がありません。

アジア研究センター

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "アジア研究センター"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

 近年、アジア諸国の経済成長は著しく、都市化も進展している。各国の大都市には近代的な 業施設 や 合用途の高層建築も数多く建設されている。一方で、地域的な 件のもとで発生する地震災害や 象災害、そして地球規模で進 変動により 々な自然災害も発生し、大きな社会・経済問題にもな っている。災害は経済成長に伴う近代化とは に、その影響は多 に り、社会に大きなダメージを 与え 化する。我が国では、従来より地震、台 、洪水、 面 、 山 など災害が多発し、災 害大国と言われるように災害と共存して、防災対策を進めて国 の形成・発展を実現してきており、ア ジア諸国を始め世界の国々における防災対策の取組みに寄与することが期待されている。本講 では、

アジア諸国の自然環 の成り立ちと災害との関連性を基本に、災害が きるメカニズムについて考え、

効果的な防災対策にどのように取り組 べきかを考える切 けになる講 を企画した。

 講 の日程は、以下に示すように6回の構成で、各回のテーマごとに関連する分野の専門の先生方を お招きして120分間の講 を担当して いた。

第1回 9 月9 日(金) オ憲正 国立研究開発法人・防災科学技術研究所

アジア研究センター

アジア

(2)

  テーマ:アジア諸国の地震災害と防災

第2回 9 月16日(金) 山崎 雄 首都大学東京

  テーマ:アジアの地形・地質環 から見た自然災害の地域特性 第3回 9 月23日(金)  川雄二  元アジア防災センター長   テーマ:アジア諸国の自然災害の特徴―地球規模で考える 第4回 9 月30日(金)  田 昭  大学

  テーマ:グローバル システムとアジアモンスーン変動         ―日本で発生する異常 象を み解く―

第5回 10月14日(金)  木田勝 アジア防災センター   テーマ:アジア諸国の災害対策―災害の 減化に けて―

第6回 10月21日(金) 大 司 国立研究開発法人・防災科学技術研究所   テーマ:アジアにおける 象災害と 変動適応

1

 第1回目は「アジア諸国の地震災害と防災」というテーマで、 題には「東アジア諸国の地震災害と ード について」と題して国立研究開発法人・防災科学技術研究所の オ憲正 にお をお き した。

 アジア諸国は地震災害が多発する。これは、現 の地球の海洋と 域が形成され大 分 が 定する に る地質年代の経過過程における地 変動に 因するものである。過去において大 は離 と集合を り しており、その原動力は地球内部の 、マントル、地 の熱的相互 用で成り立ち、プルームテ クトニクスあるいはプレートテクトニクスと ばれる地球規模のグローバルな変動に されている。

アジア諸国の南 の海域には日本 近のフィリ ン海プレートと ーラシアプレートのプレート 界と 同 なインド・オーストラリアプレートと ーラシアプレートのプレート 界が存 し、インドネシア のスマトラ島、ジャワ島の沿岸には活発なプレート 界が形成されている。近年では、2004年12月に スマトラ島地震津 災害が発生し、インド洋沿岸の諸国に巨大な津 が 達して約22万人に上る 者を発生させた。この地震を 機にプレート 界上でM8クラスの海 巨大地震が連 して発生し多 大な被害を発生させている。また、この巨大地震の発生とともに周辺の活 山活動が活発化して大 をお越したことも記 に新しい。この地域は過去にも同 な大地震を発生させ多大な被害を及 してき た。この領域の東 に 置するフィリ ン共和国もプレート 界上に 置しており多数の地震が発生す る地震多発国である。近年では、19 9 0年にフィリ ンルソン島地震が発生し、多大な被害を及 した。

(3)

その後、震源断層の近くに 置する ナ 山やタール 山が大規模な を こした。特に前者の では周辺地域に数10 m に及ぶ 山 や 山 出物を 積するとともに、降 による大規模な 流 を発生させ災害を拡大させた。この 山 の影響で、 山周辺に 置していた米軍のクラーク空軍基 地が機能 の状況に り を余 なくされたことも、地震・ 山災害が多大な影響を及 した 著 な社会事象としてクローズアップされた。このように大規模な自然災害は、地域の農業・林業・ 業施 設や官公 ・工場・事務所・学 ・ライフライン施設・道 ・ 道など広範 なインフラストラクチャ ーに多大な影響を与え社会・経済的な を き こすことになる。これらの地域の に東 には台湾、

から日本 島へとプレート 界は広がっていて、世界における地震多発地 を形成している。

 一方、上 の地球形成史における地 変動では約3億年前 にインド亜大 が急速に北進して ーラ シア大 に衝突し始めて、北 のデカン高原からモン ル高原に る広大な地域の下に り と同時 に地表にヒマラ 山 の約8,000 m に る高山地 を形成しつつ現 の地形に っている。この衝突 に伴う地 変動は現 も しており、ヒマラ 山 は現 もなお年間数c m の速さで隆 し けてい るこの衝突に伴う地 変動はヒマラ 以北の広い範 に影響を及 し、特に北東から東 の中華人民共 和国の国 にも広がって、東 部は中国・ 川省 近に内 地域の明 なプレート 界を形成している。

この地域には 著な断層が分 しており、近年では2008年の 川大地震(M7.9 )を発生させ約9 万人(う ち不明者約2万人を )に及ぶ 者を記 した。この 川大地震は震源地である 門山地域は平均

標高4,500 m 以上のチ ット高原の東 部、チ ット高原と 川 地の 界部に 置する 門山 断層

が活動した。 門山 断層 は4本の主要な 断層、すなわち 川― 文断層、 ―北川断層、

県―安県断層および青川断層で構成されるが、この地震で活動した断層は前の3本で、断層の総 長は

約300 k m に及 だ。北 の 川― 文断層と南 の ―北川断層が 著な断層運動を こし、 直

方 の最大ズレ量は約7 m に及び水平方 の最大ズレ量も約5 m を記 した。巨大な内 活断層 地 震の を地表面の断層 長線上に残している。震源が比較的人口 度の い山地と 川 地の平 地 との 界 近にあり、 いにも成都市などの大都市の直下ではなかったことにより 的な被害発生と までには らなかったが、山間地の中 都市や多くの集 では 的な被害を受けた。中華人民共和国 では に東部の 海湾に面した 省 近には北東から南西方 に を持つ内 活断層 が存 して おり地震多発地 が存 している。19 70年代には多くの地震が発生し、19 75年には海城地震(M7.5)

が発生したが、地震発生の直前予知が成 し被害を最 限に防いだことが報告されている。一方、 年

の19 76年に発生した 山地震(M7.5)は、当時の 山市の中心部に存 し市街地を北北東から南南西

に る断層が活動し、100万人 の人口を した工業都市であった 山市を 状態に れ、約25万 人(U SG Sの 定では約65.5万人)に及ぶ 者を発生させた。

 このようアジア諸国においては、地球形成史における地 変動の歴史的経過により残されているプレ ート 界の存 や現 のプル―ムテクトニクスとプレートテクトニクスによるプレート運動に伴う 著 な地 変動に されて活発な地震活動を こしており、今後も き き同 な地震災害を始め多くの 自然災害を き こす可能性がある。地震大国の日本においては地震災害と共存して、防災対策を進め てきた国であり、アジア諸国を始め世界の国々における防災対策の取組に寄与することが期待されてい る。また、防災科学技術研究所の中長期の目標として、国際的な協力、特に日中韓、日本・台湾・ニュ ージーランドの 世代地震 ード の共同研究を進めてきまた。現 、進行中の台湾、アジア、グ ローバル 地震 ード とG EMの取り組みについても注目されている。

2

 第2回目は「アジアの地形・地質環 から見た自然災害の地域特性」をテーマに首都大学東京名 教 授の山崎 雄 の をお きした。講義の内容は、①アジアのプレート 置と地震・ 山、② 山の成

(4)

因と 発 、③インドネシア・フィリ ンの 山 史、④人 ・環 へのインパクト、⑤人 の発 展と 山 、という内容でお いた。

 まずアジアの自然災害の概観について、地震について最近の事例として2004年スマトラ 大地震

(Mw 9 .1)では、大きな津 が発生して死者22万人、 者13万人の被害が生じていること、 山で

は19 9 0年 ナ により世界的な 温の 下を発生させた。これは周辺のプレート運動に関係し

ていること、台 では2013年フィリ ンを った台 ランダにより死者6,200人を記 したこと、

洪水については、 年のように発生し特にバングラディシュで 著であること、 ばつでは2016年に アジア各国に発生し、1億人に及ぶ 不足が生じた。これは ルニーニ 現象が原因で、地球の熱

に関係する現象であること、などアジアの自然環 の特徴は、高温多 で 流出が 著であること により が で 地の生産性が大きく多数の人口が集中し人口 度が高いことである。

 世界の地震分 はプレート 界に集中し、環太平洋地域に多く発生する。また同時に 山も多く集中 し、特にアジアの地震と 山の活動域は日本 島から南西方 に して東南アジアに びる、日本海

、南海トラフ、 球海 、ジャワ海 などのプレート 界に多発している。近年、2004年スマトラ 地震(Mw 9 .1)では、断層の長さ400 k m 、 150 k m 、ズレ量20.0 m に及ぶ大規模な地震が発生し、

インド洋沿岸に津 が来 し、最大で30 m 、平均10 m の津 高が記 され、インド、スリランカ、ア フリカ諸国に拡大して死者約22万人に及ぶ 大な被害を発生させた。その後も同地域の海 沿いにお

いてM7~M8クラスの大地震が 発した。

 一方で地球大 の熱収 によるグローバルな大 の流れが生じており、特に 道地域においては 著 な大 の流れが発生して生じるモンスーン現象が知られている。これによりアジア諸国の 的な 象 現象が定常的に変化し、社会・経済、文化・産業の形成に寄与しているが、近年では ルニーニ 現象 の影響が注目されるようになってきた。 ルニーニ 現象は、南米 ルー の 道太平洋海域での海水 温が上昇する現象で、暖かい海域が太平洋の東部に 動し、これによって各地に異常 象が現れるもの で、特にインドネシア の海水温が相対的に 下し、 の発生が減り、 が 化して ばつが 発生し農 物の不 や山 事が多発して森林資源に多大な損 を与えている。 ルニーニ は2015年 に終わったが2016年インドネシア・フィリ ン・タイなどで ばつが発生し、 不足が危 されて いる。このように、近年の自然災害だけを見ても自然災害の影響は広域に及 でいる。例えば、アジア・

太平洋地域の津 は発生域のみならず、周辺、 方にまで 大な災害を き こす。また、台 ・ ば つなどの 象災害も、直接の被害だけでなく、 不足など広域~地球規模で社会・経済に影響を与え ている。しかし、一 大きな影響がある自然災害は 山 である。

(5)

  山はどこに発生するかと言うと、プレートテクトニクス理論によれば、①プレートの み み 、

②中央海 、③ ットスポットと言われる大洋下のマントルから融けたマグマが 昇する地域に発生す る。 山の 形態は 々の があり、 に伴って 出する物質の性質により 形態は異なり、

その 発力も異なっている。最も ろしい 山 は、流 質 流を伴う で、高温の 流が 高速で広い地域に流下し被害を拡大させる。19 9 1年フィリ ンの ナ は6月9 日~15日に大 を こし、始めに山 近に ドームが形成され、それが して 流を発生させて死者約 300名、家 損 約8万 以上に及ぶ被害を発生させた。 出物により農地約800 k m 2が放 され、山 に 約3万人の先 民の生活が された。この ナ により世界的な 温の 下を発生さ せ、その影響は数年間に けて いた。

 このような歴史に残る 山の大 は過去にも り し発生しており、1883年インドネシアのクラ カタ が挙げられる。クラカタ はスマトラ島とジャワ島の間のスンダ海 に 置する 山で、

1883年8月27日に大 し水面下200 m より上方が き び、島の南 だけが残った。 流が 出

し海 にカルデラが形成され、 高15 m ~40 m の津 が発生した。津 による被害では死者36,000人 以上、 出物は21 k m 3に及び は27 k m まで上がり大量の アロゾルが成層 に流入して太陽放 を り、 山の を出現させた。我が国でも影響は大きく平均 温で1.2度 下し、農 物の不 によ り農民が したという記 が残されている。

 さらに1815年のタン ラ も巨大な災害をもたらした。インドネシアのスンバワ島サルカン半島 に 置したタン ラ 山が1815年4月5日~10日に 的大 を発生した。 流が発生し、

柱を形成しその後 した。 出物の体積は175 k m 3に及び、山 部が して標高4,300 m であった 山体が標高2,9 00 m と1,400 m 下、 6 k m のカルデラが形成された。 流が海に流下して津 を 発生させて、半島の 民12,000人のうち生き残った 民は26人と 的な被害を受けた。この に より津 、 流やその後の 、 により死者は約12万人と記 されている。そのうちコレラな どの による死者は約8万人と言われている。このように 山 災害は ろしい自然災害であるが、

アジア諸国において多く発生した歴史が残されている。

 約250万年から現 に る最も新しい地質年代である第 紀という期間に発生した最大の 山災害は スマトラ島のトバ 山の大 であると言われている。この 山 は最終間 期の終わり の73,500 年前に発生したと考えられていて、 めて大規模な で地球規模の 化を及 して、 の 期に進 み人 の トルネックを き こしたと考えられている。現生人 (新人)の 先は約20万年前にア フリカに誕生し、7~8万年前にアフリカを出て世界各地に生存域を拡大して行ったが、約7.3万年前の トバ 山 で大規模な 山の が こり人 の トルネックに り絶 前に った。その後 々 に 化する中で人口は増加しつつ世界に拡 した。そして、約2万年前の最終 期 期以降、急速 に温暖化してきているが、その間の 規模な 河期や亜 河期を経て人 は農 ・ を中心とする農 業 を経て急 な人口増加が進み、 に18世紀からの産業 などを経て、現 人口約80億人の世 界に っている。

 以上、アジア(特に東南アジア)は日本と同じプレートの収 および衝突地域であり、地震・ 山活 動や大 環運動が活発で、これまで多くの自然災害を き こしてきた。特に 的な 山活動が大 規模な災害を こしてきた。 山 は、この地域のみならず世界的に影響を与え、 化や 料不足 を導く可能性がある。しかし一方で、 山活動は な をつくり、高温・多 と相まって高い 物 生産性を生み、多くの人口を 持できる。自然現象は 恵と 災の2面性をもつため、ただ れ げる のではなく、相手を知り共生の道を探ることが重要である。

(6)

3

 第3回目は「テーマ:アジア諸国の自然災害の特徴―地球規模で考える―」をテーマに元アジア防災 センター長の 川雄二 のお をお きした。お の内容構成は、①世界の災害とアジアの災害、②

の見た災害から、③アジアの災害の特徴、④災害から防災へ、⑤建物の安全化と 民の防災意識の 上、⑥これからの課題―都市の防災性 化の必要性―、であった。

 まず、 世界の災害とアジアの災害 については、ルー ンカソリック大学 学研究所(CR ED)の 災害データ ース(EM- DAT)の分析結果から見た について 明があった。EM- DATは19 00年以 降に世界中で発生した自然災害について、死者が10人以上、被災者が100人以上、国際 援ア ール の発出、 急事態の宣言、などの 件を たす災害を対象にデータ ースを構築している世界的なデー タ ースである。このデータ ースから19 84年~2013年に世界中で発生した自然災害の発生数は、当 初年々増加 にあったが、2000年以降においては発生件数は頭 ちになり、やや減 を示して 平均的には年間約400件程度になっている。また、同期間の自然災害による死者数は平均すると年間約 5万人程度であるが、2004年スマトラ地震や2008年 川大地震、2010年インド・バングラディシュサ イクロンなどアジアで発生した大規模な自然災害の影響で、年によって 著な数が記 され、自然災害 の規模が大きくなっている がある。また、自然災害による被災者数は、 年 同規模の数で しており、平均で約1.5万人になっている。さらに、被害 で見ると年々増加 にあり、2013年東日 本大震災が発生した年には総 約3,300億ドルに達し、年間の平均では約500億ドル程度の被害 が発 生していることが分かる。これを、アジア、オセアニア、 ーロッパ、アフリカおよびアメリカの5つ の地域ごとに区分して見ると、2013年の統計では発生数、死者、被災者、被害 ともにアジア地区が 突出して多く、特に死者と被災者の数は全体の約85 以上をアジア地区が めている。そのアジア地 区における災害 別の統計では、水害と台 による災害が多くを めており、それに いで地震災害と なっている。

 災害の分 では、自然災害と人 災害に大きく分 されるが、自然災害は自然現象の 別による分 が一 的で、 地震・津 ・地震 災 、 台 ・ ・洪水・地盤災害 、 山 ・山林 災 、 害・

害・ ばつ・ 河 ・その他 、などに分 される。そして、自然災害の特徴は、大災害 度、 災害 高 度で発生する。アジアでは台 、洪水、地震などの自然災害が多発する が めて 著である。

  川 自 が実際に見てきた地震災害としては、19 88年インド・ビラトナガール地震(M6.6)や

19 88年アルメニア・ス タク地震(M6.8)などの地震であるが、台 災害では2007年サイクロン・シ

(7)

ルドなどがある。これらの災害現場からは、建物の構造・ 料の脆弱性と構造形態の脆弱性が際立って おり、被害を拡大させる大きな要因となっている。また、サイクロンの災害では、情報伝達による 難 が不 分で、この情報伝達に かわる設備投資の不足や災害の ろしさ、予 報へのアクセス方法の不 徹 など防災教 の必要性を く じたことを べている。そして、アジアの自然災害の 相を見ると 災害の視点から防災の視点 へ重点を置く必要性を く じるとともに、自然現象の多 性も大きな 課題であるが人間社会の問題にも目を ける必要があることを べられていた。

 自然災害による被害は 外力の大きさ と 社会の脆弱性 との け であり、 達自 の み方 と らし方 を考えることが、先に べた 災害の視点 から 防災の視点 へ 換する重要な視点 であり、そのために防災教 や 民意識を高めることが重要であり、日本では既にこの取組みが、これ まで以上に大きく取り上げられ展開しつつある。

 この状況を日本での事例として見てみると、日本ではいろいろな災害が り して発生しており、津 災害は く知られた現象で、地域の災害に対する備えは進 でいる。津 報は発令され、TV 等で 民には周知され、 急地震情報も出るようになっている。津 防 、津 ートなどの ード対策 や 難場所、 難ルートなどのソフト対策も進み、学 における防災教 も行われている。その日本で、

だからこそ われてきたものもある。それは 民が自ら状況を認識し、行動をとる能力、すなわち自分 で 断する能力であり、人が生きるために必要な能力である。具体的には、①地域における災害の発生 危険性の理解とその地域の災害に対する脆弱性の理解と、②災害発生時の 急性の理解と取るべき行動 の選 と 断力などである。このような能力はアジア諸国でも必 の事 であり、持 的に 持すべき 能力である。しかしアジア諸国では に重大な課題が拡大し進展している。

 例えば、モン ルの首都 ランバートル市などで進展している都市の拡大に見る大都市への人口の集 中と都市域の急速な である。このため、軟弱地盤で 状化災害の危険性が高いデルタや河口地 、 洪水災害の危険性が高い平野、デルタ、河口地 、地盤災害の危険性が高い 状地や津 ・高 災害が 発生しやす海岸地域などへ都市域が拡大しつつある。都市の立地の地理的要因自体に災害に対する脆弱 性があることに理解が欠けている。上 のように近年のアジア諸国では、都市の過 化と拡大が進 で いる。人口の増加と過 化は、一定の面積に 人が多いため災害発生時には 山の被災者が発生する 危険性がある。また、都市は巨大な消費地であるために災害発生時は物流障害が発生する危険性が高い。

そして都市には行政・経済・文化を担う重要な機能が集積しているため災害発生時には、国や地域への 影響が 大となる危険性がある。そして都市には電 ・水道・下水・ガスなどの高度な機能が存 して おり、これらのライフラインへの依存性が大きく、災害発生時は生活 障や機能 が発生する危険性 も高くなる。

 このような近代化の進展に対して都市を災害に対して くする計画とその実施の 急性は めて高 く、大変重要である。日本では大変進 でいる都市の防災計画の立案の を技術 する必要が ある。また、被害 定や ードマップの り方、都市防災計画の立案手法、都市の防災対策の整備に ついての事業手法、まちづくりの手法、 地区画整理事業や都市再開発事業手法などの技術 も必要 である。現 、国際協力事業として 々の の技術 が進められているが、それでも安心な国、

安全な都市づくりの道は いと われる。

4

 第4回目は「グローバル システムとアジアモンスーン変動―日本で発生する異常 象を み解く

―」というテーマで、 大学生 環 系教授の 田 昭 のお をお きした。お の内容構成は、

(8)

①年々変動、 ) ( )・ 夏(洪水)、基本: ルニーニ ラニーニャ、最新: イ イ タス、 )暖 (関東の )・ (日本海 の )、基本:南岸 、テレコネクシ ン、②長期 変動:温暖化予測、例:降水量、台 、海面水 、と言う構成であった。

  の変化は、わずかな海水温の変動が大きな影響を与える。海水温の変動は、海洋表層(0~

250 m )における1 C程度の変動と対流 (0~10 k m )における100 C程度の変動に 当し、海洋表層

の海水温のわずかな変動が大きな影響を及 すことが理解される。 年々変動は、地球表面に現れるテ レコネクシ ンと ばれる高 (H )と (L)の相互の をなす を形成する。これは、

力学効果と言われている。例えば、日本の 夏はラニーニャ時のテレコネクシ ンのパターンで発生し、

北米の ばつ・洪水は ルニーニ 時のパターンで発生する。一方、 降水(通 、 リラ )は 熱力学効果によるもので、日本における19 75年以降2013年の期間で、1時間降水量50 m m 以上の年 間観測回数は 々に増加 にある。一 には、熱力学効果により 温が上昇すると水 量が多くな るが、 温が温暖化した場合、 面での 著な昇温により力学効果による海面から活発な 発から 面 での降水に る 環が対流活動の 制を こし、熱力学効果により降水量が増加する現象を示すように なる。このように海面と 面で 温のバランスに影響される力学効果による対流 環と熱力学効果によ る地表 近の対流は、両方の効果の大 関係で まることになる。

  ルニーニ とラニーニャは1~2年の間 で する 動現象を持っている。通常太平洋 道上に 発生する高 によって水 が立ち上り上昇 流が発生し、大 の 環により東へ 動し、南米太平 洋 で下降する オーカー 環により安定した 象現象を示すが、 ルニーニ 現象が発生すると南米 太平洋の ルー の海水温が上昇して大 環が変化し、西太平洋上に下降 流が生じ が発生す る。一方、ラニーニャ現象に 行すると西太平洋の海水温が上昇し、相対的に東太平洋 ルー の海水 温が 下して大 環が元に る を示すようになる。そして近年、 ルニーニ 発生時は西太平洋 の西 に 置するインド洋上に高温域が形成されてインド洋ダイポールモードを示すような相互 用が される現象が 認されるようになってきている。 ルニーニ とラニーニャ現象は、海洋表面 近 の海洋 動のケルビン とロスビー の形成による 振動子により、深く暖かい海水域と く たい 海水域の入れ代りで発生するものと考えられている。そして、インド洋ダイポールに るインド洋の全 域昇温による 熱効果は ルニーニ の後に生じている。

 日本 近で発生する異常 象を み取るにあたっては、これらの変動に加えて21世紀の イ イタスという 温暖化に伴う現象についても考 する必要がある。 イ イタス期(温暖化の 期)

の海面水温 はラニーニャ的であり、夏期の地球表面 温 により非一 な降水 を示し、降水 量の地域による変化の相 が 化している。例えば、東アジア(EA)では降水量が減 し、西太平

(9)

洋(WP)と西インド洋(WIO )では降水量は増大 して、EAとWP & WIO は 対の関係を示して いる。これは、アジアモンスーンにおける太平洋の 化とインド洋の温暖化の相互 用によるものと 考えられる。これまで21世紀 イ イタス期とラニーニャ現象でインド洋と西太平洋の昇温の相 用によって、日本の天 は の多 と夏の ・ を り してきたが、今後日本の天 は ル ニーニ とインド洋の昇温による相 効果により 夏・多 が予 される。

 もっと地球規模でグローバルに見ると、 に北 からの の影響として 北 振動 の影響や 地 球温暖化 による影響など 変動と 象現象との関係性など多くの な現象が加わっているものと 考えられる。このように、グローバル システムとアジアモンスーン変動が今後の日本を めたアジ アの異常 象にどのように影響してくるのか注目していく必要がある。

5

 第5回目は「アジアにおける防災・減災の取組み~防災の主流化に けて~」と言うテーマでアジア 防災センターの 木田勝 のお をお きした。内容の構成は、①自 、②Ne p a l 地震の概要と実 施したプロジェクト 、③災害発生時の国際防災協力、④災害予防時の国際防災協力、⑤防災の主流 化に けて、⑥参考:アジアにおける防災協力~アジア防災センターの活動~、という構成であった。

  木田 は海外の被災地経 として、バングラディッシュ、バルバドス、ブータン、チリ、コスタリ カ、 ルサルバドル、ドイ 、グアテマラ、 ンジュラス、インド、インドネシア、イタリア、ケニア、

モン ル、ネパール、ニカラグア、パナマ、スリランカ、タイ、台湾など多くのアジアを 諸国の被 災地に いている。そして、世界約60 国に し、中米に3年間の 任の経過をもち、世界各地の 体 を めてアジアの自然環 と防災対策に めて深く貢献してきた。自然災害の としても地震災 害、津 災害、洪水災害など多 に り、関連する防災教 についても各国の事情に合わせた取組みに も携わってきた。

 最近では、2015年4月25日 後0時 (現地時間)に発生したネパール地震は、首都カトマンズか ら北西に約80 k m 離れた場所に震源をもつマグニチュード7.8の大地震である。死者8,712人、 者

22,49 3人、全 家 約50万棟、半 家 約28万棟(2015年6月5日現 )という 大な被害が発生

した。ネパール全 および周辺国で揺れを観測し、歴史的な建造物が被害を受けたり、 レスト山に おける の発生により 山客も被害を受けたり、さらに余震の発生により被害が拡大した。また、周 辺国においても人的被害が生じている。日本政府は、 急援助物資としてテント、 等を 与、国際

(10)

機関を通じ合計1,400万ドル(約16億8 万 )の 急 資金協力を実施し、 助や 活動を行 った。災害後ニーズ調査(PDNA)によると総被害 は約8,615億 、総復興 は8,19 5億 と 定され、

このうち セクターが める割合は約50 、 震性を考 されていない 成 と を用いた伝 統的工法のため被害は 大となった。この地震災害に対して、J ICAを通じた 援援助と復旧復興 援 が 動した。国際 急援助 助チームの (4/ 26~5/ 9 )、国際 急援助 チ―ムの (一

4/ 28~5/ 11、二 5/ 7~5/ 20)では手術・ 析といった高度な ニーズを たせる初の機能拡

チームであった。また、よりよい復興セミナー(Bu i l d Ba c k Be t t e r R e c o n s t r u c t i o n Se m i n a r)を5/ 25に開 催し、 援国会合(In t e r n a t i o n a l Co n f e r e n c e f o r Ne p a l s R e c o n s t r u c t i o n : ICNR )を6/ 25に開催し、 急

復興事業、 急学 復興事業に320億 の および 資金協力を表明、 急復興 援事業(有 資金協力(2015/ 8~2016/ 10予定))の表明が行われた。また、ネパール地震復旧・復興プロジェクト

( 急開発調査)として、①カトマンズ 地 化計画、地方の復興計画、② 震建築ガイドライン 成・

及・人 成、③40億 相当の 先復興事業計画(プログラム )の形成、④ 先 急復旧事業(Q IPs) 実施(生計 上、公共施設、モデル 学 建設、人 成)を取りまとめた。また、カトマンズ 地における地震被害リスクアセスメントプロジェクト(技術協力)およびカトマンズ 地都市交通 善 プロジェクト、シンズリ道 持管理運営プロジェクトの構築を行った。

 もともとネパールは地すべりの多発国であり、地すべりと共に生活する人々と地域社会が点 してお り、アジア防災センターではネパールでの災害に いコミュニティー 援に 力してきた。

 災害発生時の国際防災協力としては、まず災害の発見と全体 の把握であり、そのために観測 置(地 震計、津 観測機器、アメダス、 量計、水 計)などの設置、衛 の目の活用による森林 災の発見、

災害チャーターやセンチネル・アジアによる災害の全体 の把握などが重要であり、日本と開発途上国 では災害発見速度や災害認識に 異がある。災害発生後に一早く災害を発見し、災害の全体 を把握す ることが重要である。そして、災害情報の伝達も重要で、国際機関の 急レポートとしては国連人道問 題調整事務所(O CH A)、IFR のSi t u a t i o n R e p o r t、ADR C 急災害情報の活用が考えられる。また、観測

機関のWe b s i t e としてJ MA, U SG S, PTWCなどが利用できる。災害情報共有 であるG LIDEがあり、

防災機関のWe b s i t e として内 府、G DACSの活用なども考えられる。

  援活動としては、国連災害 調整チーム(U NDAC)、V i r t u a l O SO O CやADR Cの活動があり、要 主義から共同形成主義への変 が検討されているが、国家間の問題のために 急 援活動が 害され た2012年8月のイラン地震の例などがあり、アメリカは 援せず、日本は対応の れが生じ、イラン では 援要 の れが こっていたなどのミスマッチが こっている。また、国の から の重さ が国により う とか に対する考え方 の いも存 するなど な事情が横たわるケースもある。

 そして、具体的な活動として 急援助活動や 急援助物資の調達などが進められ復旧復興援助の活動 が進められる。一方、災害予防時の国際防災協力として途上国の災害予防として期待される活動は非常 に多 にわたる。例えば、防災関連法体系の整備、防災組織再編、早期 システム、事情・共助・公 助など防災教 の 及などが挙げられ、コミュニティー防災を 及させる取り組みが めて重要である。

 上 のような災害発生時や予防時の国際防災協力の態勢は、 々に進展してきてるが、同時に「防災 の主流化 という取組みも重要であり、我が国の国際防災協力についても、防災は 減および持 可能な開発に不可欠の柱で、人間の安全保障の 進に資するのみならず、 変動への適応という観点 からも非常に重要な分野であると考えられており、国際的に高い比較 を有する知見や人 、技術を 活用して、従来から積 的な防災協力を行ってきている。その具体的な例としては、国連機関を通じた 協力(U NISDR 等)、その他国際機関等を通じた協力、二国間の 援、アジア地域の連携 進等である。

また、国連における防災に関する国際会議も開催されてきた。第1回国連防災世界会議が19 9 4年5月

(11)

に横浜市で開催され、147国連加盟国、国際機関、NG O 等約2,400人が参加し、「より安全な世界に けての横浜戦略」が された。第2回国連防災世界会議は2005年1月に 県で開催され、168国 連加盟国、国際機関、NG O 等約4,000人が参加し。「 行動 組2005 2015」を した。そして、

第3回国連防災世界会議が2015年3月に 台市で開催され、187 国から首 や大 を 6,500人 以上の参加者と期間中約15万人の来訪者を えて開催され。「 台防災 組2015 2030」と「 台宣言」

が された。また、2015年12月22日に第70回国連総会本会議において「世界津 の日(Wo r l d

Ts u n a m i Da y )」を定める 議がコンセンサスにより された。この 議は、第3回国連防災世界会議

および持 可能な開発のための2030アジェンダのフ ローアップとして、我が国をはじめ世界142 国が提案したものである。

 このように災害時および予防時の国際防災 援の方策や防災の主流化の取組みにおいて、自然災害が 多発するアジアにおける防災協力も 化してきており、アジア防災センターの活動も重要性を増して いる。現 、アジア防災センターに加盟している国は29 国、アドバイ ー国・オブ ーバーは5 国と1機関となっている。アジア諸国の人口増加と経済成長は目 ましく、同時に急速に都市化が進展 している近年、アジア防災センターのミッシ ンと活動は、以下の3つのミッシ ンと活動分野を掲げ ている。3つのミッシ ンとは、メンバー国の防災力 上、人間が安心・安全な生活を れる社会づくり、

持 可能な社会の達成、であり、活動分野としては、災害及び災害対策に関する情報収集・分析・提 、 人 成、コミュニティ―の防災力 上、である。

6

 第6回目は「アジアにおける 象災害と 変動適応」というテーマで、国立研究開発法人・防災科 学技術研究所の大 司 のお をお きした。お の内容構成は、①水 環システム、②アジアにお ける 水害、③ 変動の科学的理解の現状と 変動適応、という構成でお きした。

 水 環システムは水文学と言う学問を基本にしている。水文学は、水の生 、 環、分 に関して地 球上の水を う学問で、水の物理・化学特性に関して、それらの人間活動への応答も めて物理・生物・

環 との相互 用と水 環全ての変遷を考える学問として定 している。な 水が重要なのかと考える と、水は地球システムにとって必 の要 で 物・動物・海洋生物を える資源であるからである。そ して、水は 体、固体で地球上の75 を めており、また水 は地球で最も で重要な温 効果 ガスで、水の相変化( 体・ 体・固体)は地球システムの特性や時空間的発展を 定づけている。降 水からの 熱の放出は、グローバルな 環で主要な役割をもち、水 環システムにおいて熱、水 、 運動量の輸 を担っている。また、自然生態系システムは降水量に依存し、水は地球システムの他のサ

(12)

イクル、例えば 環や 環などにおいても非常に重要な役割を持っている。このように水は地 球システム、生態系、物質 環など 々な重要で基本的なシステムに関与している。

 現 、このような 体、 体、固体の水の分 や 動などについて、レーダーや衛 などを利用した 最新技術を 使した探査やモニタリングによって情報の収集と分析が進められている。これらの分析に よって水 環とその特徴についての理解が深まってきており、水の存 は くも悪くも 環しているこ と、人間を あら る生物は 環している水との き合いをして生 持を けていること。そして、

水 環の2つの基本的な特徴は、①自然現象として時間的・空間的に すること、②人間活動によっ て変化することが挙げられる。このような水 環系の理解と解明に水文学が寄与している。

 アジアにおける 水害の現状を概観すると、 々の統計データに基づいて、自然現象(熱 、 ばつ、地震)などの災害は地球上に しているが、明らかに 象災害や水害は年々増加 を示し ており、 象・ 関連災害による経済被害も増加 を示している。このような増加 を世界各地 域 の自然災害の発生件数で見ると アジア アフリカ 地域で 著な増加 を示しており、自然災 害による 者の割合は、19 70年 2008年の統計データで見ると発展途上国における割合が9 5 以上 を めていることが分かる。自然災害の関連する 象環 の変化も大きく、 化が拡大する地域と減 する地域の分 が したり、 い熱 の発生 度と割合が過去35年間で増加 を示し、

日本では 時間 現象が増えているとの報告もある。

 このような 象現象の と 化には、 変動の影響が大きいと考えられているが、その科学的 な理解の現状について見てみたい。 変動と地球温暖化について、現 人間活動が二 化 を

温 効果ガスの大 中 度の増加をもたらしたことは う余地がない と言う言 に対して、 対、

成、中立の立場で 設1 、 設2 、 設3 が取り上げられて、どの に 成するか質問が 投げかけられ、意見交換が行われた。最終的な を見るまでもなく、これらの に対して の IPCC

AR 5 WG 1、2013 の 議が された。すなわち 人間活動に 因する 変動が 化しており

システムの温暖化に う余地はない すなわち 人間の影響が20世紀半ば以降に観測された温暖化 の 的な要因であった可能性は めて高い(9 5 以上) と報告された。

 温暖化に伴う 変化において 現象の出現が増大するようになると、現 の に基づいた 分 における平均 と分 が、新しい に基づいた 分 の平均 と分 が変化(平均 が減 し、

分 が増大する)して、 い がやや減 し 熱い が に増加して 熱い の出現 記 が 々 積されるようになる。このような 変化に基づいた モデル によるシミュレーシ ンが実施されて 熱い日 の出現日数の予測や の出現回数の予測の結果が示されて 念され る温暖化の影響が議論されるようになってきている。そして、 変動の水分野への影響としては の ようなシナリオが考えられる。すなわち、 温 効果ガスが大量に 出されて大 中の 度が高まり、

熱の 収が増えた結果、 温が上昇、これに伴い海面水 が上昇する とその影響で 河や南 など の の融解 、 海水の熱 、 発 量の増加 、 積 量の減 が生じて 高 および海岸

の発生 、 洪水の増大 、 災害の 化 、 水危険性の増大 など自然災害の発生要因が拡大す る。このように危 される影響に対して、今後の水文学に 水 環は加速しているか 、そして

加速するのか 、 それは観測されているか 、 フィードバックはあるのか など問題解 に必 要な課題を解明することが重要視されている。

 以上、 変動が人間の社会活動によって拡大することを考えると、それに適応する社会の活動や 組みを構築すること、すなわち 変動適応 システムを構築することの重要性が増してくる。

変動適応 の取組みとしては 和 策と 適応 策がある。 和策とは、地球温暖化の原因となる

(13)

温 効果ガスの 出を規制する方策であり、適応策とは、既に こりつつある、あるいは こりうる温 暖化の影響に対して、自然や社会のあり方を調整する方策である。現 の 変動をめぐる認識あるい は対応状況は、① 変動の影響の世界的な 化の認識、②IPCC AR 5の発表(2014年10月総合報 告書・コ ン ー ン)、③パリ協定(2015年12月)、④日本政府の適応計画策定の動き(2015年1月 議 定)、各府省での取組み、⑤自治体・企業・ 民間の関心の高まり、など進展してきており、こ のような社会的な関心の高まりに応える成果が期待されている。そのような中で「 変動適応の取り 組として」、「適応シナリオ分析・検討の考え方」、「 和と適応を考 した 地利用シナリオの多面的

」や「水害(津 )リスクとアメニティー のトレードオフに 目した不動産 分析」などの取 組みが報告されている。

お に

 今回の講 は「アジアの自然環 と防災」を主テーマとして6名講師の方々に講義を行って いた。

講師の方々は、 地震学・地形・地質学 、 象学・水文学 そして 防災・減災(学) を専門分野と する方々で、各専門分野の知見に基づいて、主テーマに関連する らしい講義を行って いた。全体 を通して、アジアの自然環 や災害環 についての理解を深めることができた。アジア諸国では統計デ ータの分析結果から、あら るタイプの自然災害の発生件数と被災者数などが世界的にも突出して多く、

大変 しい災害環 を有している状態にあることが された。それらの自然災害は相互に関連性があ ることも理解できた。その 本的な要因は、大きな視点から考えると46億年に及ぶ地球形成史におけ る 代からの歴史に でいた。不 な言い方をすれば、地球形成史の中に災害環 のDNAが 間見 えるということになる。そしてそのDNAがアジアの自然環 と災害環 を 定し、 いては世界の環 を しているように じられる。そのようなことを考えると人 が出現し、現代に る社会を形成 した数万年の歴史は、 の一 のことで、今後どのように して行くかは予 がつかない。地球の 歴史に比べ人 社会の歴史は、長い時間の流れの中における一 の変化のようで、今後もこれまでと同 に地球の変動との共生は くものと考えられる。一方で。人間活動の影響が 化した地球温暖化に よる 変動は 々増大して行くのか、あるいは地球形成史に見られたフィードバック現象により、ま た異なるシナリオが進 のか予測は難しい。この 変動によって、アジアの自然災害環 とともに世 界の自然災害環 が 化することを望みたいが、そのような 化に る環 の変化は望めない。そ うだとすると、アジアにける地域の特性に合わせた防災・減災対策をアジア諸国で共同して展開するこ との重要性は 々増大することになる。

 「アジア研究センター」における今回の講 は、初めてのことであったが、 備不足と認識不足によ り受講者の数が めて なかった。このことは、大変大きな 省点であり、講 での講義を くお き 受け下さった講師の方々に大変 し訳なく おっている。今後、アジア研究センターにおいて同 な企 画を 的に開催して き、今回の アジアの自然環 と防災 で認識された経 と知識が共有化され、

広がることを期待したい。

  (えのもと たか さ  川大学工学部教授)

参照

関連したドキュメント

私たちは上記のようなニーズを受け、平成 23 年に京都で摂食障害者を支援する NPO 団 体「 SEED

東北地方太平洋沖地震により被災した福島第一原子力発電所の事故等に関する原

出す タンクを水平より上に傾けている 本体を垂直に立ててから電源を切 り、汚水がタンクの MAX 印を超え

このような環境要素は一っの土地の構成要素になるが︑同時に他の上地をも流動し︑又は他の上地にあるそれらと

北区の高齢化率は、介護保険制度がはじまった平成 12 年には 19.2%でしたが、平成 30 年には

格納容器圧力は、 RCIC の排気蒸気が S/C に流入するのに伴い上昇するが、仮 定したトーラス室に浸水した海水による除熱の影響で、計測値と同様に地震発

洋上環境でのこの種の故障がより頻繁に発生するため、さらに悪化する。このため、軽いメンテ

2021年5月31日