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ニュージーランドの罰金刑

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(1)

ニュージーランドの罰金刑

その他のタイトル Fine in New Zealand

著者 永田 憲史

雑誌名 關西大學法學論集

巻 56

号 2‑3

ページ 529‑575

発行年 2006‑11‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/12356

(2)

ー 一

ュ ー

ジー

ランドの罰金刑

(3)

次 一

. は じ め に

二.刑事司法制度の概要

三.罰金刑の概要及ぴ適用状況

四罰金刑の不払時の対応

. お わ り に

(4)

ニ ュ

ー ジ

ー ラ

ン ド

の 罰

金 刑

ように思われる︒ は

二 六 七

︵昭和四二年法律︱二六号︶

で交通反則金制度

ニュージーランドにおいては︑刑事政策の観点から︑興味深い制度が導入されてきた︒例えば︑

ニュージーランド

一九七二年以降︑犯罪被害者に対する国家補償を発展的に解消し︑犯罪以外の事故も含めて補償を行なっている︒

(2 ) 

この制度は︑数次の法改正を経て︑現在︑︱

10

0

一年傷害防止︑リハビリテーション及び補償法

( I n j u r y

P r

e v

e n

  , 

(3 )  

t i o n ,   R e h a b i l i t a t i o n a ,   n d   C o

m p

e n

s a

t i

o n

c   A

t  

2

00

1)

 

の下で運用されている︒また︑犯罪や非行に対して家族集団会議

(5 ) 

( F

a m

i l

y   G r o u p   C o

n f

e r

e n

c e

) を利用する点が脚光を浴びるなど︑修復的司法の取組みや少年司法制度が数多く紹介 され︑我が国の議論に少なからぬ影響を与えてきた︒

他方で︑罰金刑に関しては︑

ドイツやアメリカ合衆国などに比べて︑これまでそれほど注意が払われてこなかった ニュージーランドの刑事司法においては︑後述のように︑我が国をはじめ︑ドイツやアメリカ合衆 国などには見られない規定が用意されており︑比較及び参考に供するべきであると考えられる︒

( 6 )  

周知の通り︑我が国においては︑罰金刑の適用が非常に多い︒゜ビークとなった昭和四

0

年(‑九六五年︶ には︑罰

金刑の確定人員が四︑五一

0

︑八九六人に上った︒これらのうち︑大多数は軽微な交通事犯であって︑司法機関への量 的負担が問題視されるとともに︑﹁一億総前科者﹂という状況を回避するため︑交通事犯の取扱いについて様々な方 策が模索された結果︑昭和四二年(‑九六七年︶

( 8) 

が導入された︒これにより︑

の道路交通法の改正 一時的な増減はあったものの︑長期的傾向として罰金刑の確定人員は減少することと なった︒近時︑罰金刑の確定人員は︑年間一

0

0

万人を割り込み︑さらに減少傾向にある︒しかし︑この間︑懲役刑

は じ め

︵ 五 三 一

(5)

そのため︑罰金刑の確定人員が全有罪確定人員中に占める量的な割合も︑

三六年(‑九六一年︶以降︑全有罪確定人員中の罰金刑の割合は︑九割台が維持されてきた︒この間︑交通反則金制 度が導入される直前である昭和四二年(‑九六七年︶には︑全有罪確定人員中の罰金刑の割合が九八・ニ%を占める までに至っている︒近時︑懲役刑の数が増加する一方で︑罰金刑の数が減少しているため︑罰金刑の全有罪確定人員

に占める割合は︑従来に比べるとやや小さくなっており︑平成一六年︵二

0

0

四年︶には︑全有罪確定人員中の罰金

刑の割合が八八・九%となり︑九割を切っている︒今後︑懲役刑が増加を続けると︑全有罪確定人員中の罰金刑の割 合がさらに低下することも十分に考えられるものの︑我が国の刑罰において︑長期にわたり︑数の上で極めて大きな 割合を占めてきたことから︑今後も︑量的な優位は動かないものと思われる︒そして︑刑事司法における全体の処理 人員の増減を最も左右する刑種であるという状況も変わらないと考えられる︒

もっとも︑罰金刑の適用の内訳をみると︑窃盗や横領などの認知件数も検挙件数も多い主要な財産犯に罰金刑が法

定されていないこともあって︑道交違反︑すなわち︑道路交通法︵昭和三五年法律一

0

五号︶及び自動車の保管場所

の確保等に関する法律︵いわゆる保管場所法篇昭和三七年法律︱四五号︶によるものと︑業務上過失致死傷罪による ものが大半を占めている︒そして︑そのほとんどが略式手続によるものとなっている︒例えば︑平成一六年︵二

0 0

(9 ) 

の地方裁判所︑家庭裁判所及び簡易裁判所の第一審における終局処理人員を見ると︑地方裁判所及び家庭裁判

四 年

は︑依然︑非常に多いと言える︒ の年間の確定人員が増減を繰り返しながらも︑

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

一貫して非常に大きい︒すなわち︑昭和

︵ 五 三 二

10

万人に達することがなかったことを考えると︑罰金刑の確定人員

所における有罪人員総数のうち︑罰金刑に処された者は一

・ O

%にすぎない︒これに対して︑簡易裁判所における終

二 六

(6)

ニュージーランドの罰金刑 未満が六七・九%と七割近くに達しており︑

1

0

万円未満が五八・三%と過半数に達しており︑ る とは言い難い︒そのため︑我が国では︑数の上でこそ圧倒的ではあっても︑実質的にその適用はかなり限定されてい により︑道路交通関係の犯罪に科されることに限定されていると言え︑幅広い罪種や犯罪者に対して利用されている 上過失致死傷罪のうち︑ほとんどは道路交通におけるものであると考えられることから︑罰金刑の適用は︑略式手続 交違反が八一・五%︑業務上過失致死傷罪が一︱・八%をそれぞれ占め︑この二項目で九三・三%に達している︒業務 金刑が科された総数の九九・九%に達している︒このように圧倒的多数を占める略式手続における罰金刑のうち︑道 を科された者は︑略式手続の九九・六%を占めており︑地方裁判所︑家庭裁判所及び簡易裁判所の第一審において罰 における終局処理人員総数と比較しても略式手続によるものが八八・九%に及んでいる︒そして︑略式手続で罰金刑 局処理人員総数のうち︑略式手続によるものが九八・一%を占め︑地方裁判所︑家庭裁判所及び簡易裁判所の第一審

と 言

え よ

う ︒

二 六 九

一方︑賦科額については︑道路交通法の改正︵平成一三年法律五一号︶において︑悪質又は危険運転に対する罰則

が引き上げられたことにより︵同法︱︱七条

i

︱九条︶︑大きな変化が生じた︒罰金刑と科料刑を合わせた地方裁

( 1 0 )  

判所︑家庭裁判所及び簡易裁判所の第一審における科刑状況を見ると︑平成一三年︵二

0 0

一年︶には︑五万円以上

10

万円未満全体で八三

・ O

%を占めていた︒このように低額の罰

金刑が多い状況は︑言渡し人員全体の八四・六%を占めている道交違反においてはより顕著で︑五万円以上一

0

万円

10

万円未満全体が九六・八%を占めるに至っていた︒ところが︑道路交

通法の改正法施行後の平成一六年︵二

0

0

四年︶には︑五万円以上一

0

万円未満が四一・ニ%となり︑

全体で五七・五%に低下する一方︑二

0

万円以上が一ニニ・ニ%に達している︒このような状況は︑言渡し人員全体の八

︵ 五

三 三

10

万円未満

(7)

けを大きく変えうる動きとして注目に値しよう︒ 施

行 後

︵ 五 三 四

五・三%を占めている道交違反においてより強く看取でき︑五万円以上一

0

万円未満が四七・九%となり︑

10

万円未

満全体が六六・八%に低下する一方︑二

0

万円以上が二三・七%に達している︒以上から︑これらのうち罰金刑がほと

んどを占めていることを考えると︑低額の罰金刑が中心となっていた状況から︑低額の罰金刑と高額の罰金刑に二極

分化する状況へと変化したと言える︒すなわち︑従来︑罰金刑は一

0

万円未満の比較的低額のものが多く︑道交違反

ではそのほとんどを占めており︑道路交通関係の中でも軽微なものに限定されていた︒しかし︑道路交通法の改正法

一部の犯罪類型に二

0

万円を超える罰金刑が集中的に賦科されるようになったため︑︱

1 0

万円以上の比較的

高額の罰金刑と五万円以上一

0

万円未満の比較的低額の罰金刑が目立つ︑﹁

M

字型﹂の分布となっている︒

このような状態を図式的に表現すれば︑死刑や自由刑が重大な犯罪や犯罪者に重点的に中心部分で利用される一方

で︑罰金刑が道路交通関係事犯という周縁領域で特定罪種に偏在的に利用されているにすぎないと言えよう︒近時︑

懲役刑の利用が増加する一方で︑罰金刑の利用が減少しているのは︑微罪処分・起訴猶予などのディヴァージョンが

幅広く活用されているという理由だけでなく︑本来︑罰金刑に向いている事案に十分に適用されていないという理由

を無視することはできないように思われる︒そもそも︑罰金刑は︑死刑や自由刑に比べて︑その法益剥奪の程度がか

なり小さく︑その剥奪が原則として一回的で︑自由刑のように継続的でないという特徴を有しており︑道路交通関係

だけにその利用を限定する必然性は乏しいはずである︒平成一七年一

0

月六日︑窃盗罪など一部罪種の法定刑に罰金

刑を加えるぺきかについて法務大臣から法制審議会に諮問︵諮問七五号︶がなされたが︑これまでの罰金刑の位置付

そこで︑罰金刑の持つこうした特徴を活かし︑その適用領域を拡大することができないかという問題関心から︑罰

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

二 七

O

(8)

ニ ュ

ー ジ

ー ラ

ン ド

の 罰

金 刑

( 1 2 )  

ニュージーランドにおいては︑量刑の枠組を抜本的に再編するため︑

( S e n t e n c i n g   a n d   P a r o l e   R e f o r m   B i l l )

を 提

出 し

( 1 4 )

1 5

)  

0

二年パロール法

( P a r o l A e c t  

2

00 2)

が 成

立 し

たのである︒また︑

二 七

金刑が︑どのような性質を持ち︑どのような目的で︑他の刑事制裁との役割分担をどのように構想し︑どのような犯

いかなる額を賦科し︑どのように徴収及び執行を行なっていくのかを検討する必要があ

司 法 省 が 量 刑 及 び パ ロ ー ル 改 革 法 案

( 1 3 )  

これを受けて︑二

0

0

二年量刑法

( S e n t e n c i n g A c

t  

2

00 2)

と 二

O

ともに二

0

0

二年六月三

0

日に施行された︒この量刑改革の目的 の︱つは︑罰金刑の利用促進にあった︒二

0

0

二年量刑法は︑従来︑罰金刑の適用について定めていた︑

( 1 6 )

1 7

)

1 8

)  

刑事司法法

( C r i m i n a

u s t i c e A c t

 

1

98 5)

の関連規定を廃止し︑罰金刑の適用を増加させるための新たな規定を設け ニュージーランドにおいては︑従来から︑罰金刑の徴収及び執行に役立つ手段が多数用意されて いる︒そこで︑本稿では︑我が国における罰金刑の利用に関する議論に役立てるべく︑

一 九

八 五

年 ニュージーランドの刑事司法制度について概観した上で︑罰金刑の制度について紹介することと

( l )

一九七二年事故補償法

( A c c i d e n C t o m p e n s a t i o n   A c t

 

1

97 2)

が最初の包括的な補償制度を構築した︒条文の翻訳として︑

名古屋不法行為法研究会訳﹁ニュージーランド事故補償法︵一︶﹂名古屋大学法政論集七九巻(‑九七九︶三九五頁以下︑

﹁ 同

・ ︵ 二 ︶

﹂ 八 0 巻(‑九七九︶三六五頁以下︑﹁同・︵三︶﹂八一巻(‑九七九︶三八七頁以下︑﹁同・︵四・完︶﹂八二巻

︵一九七九︶二八四頁以下︒なお︑従前の犯罪被害者に対する国家補償制度については︑小川太郎﹁ニュージーランド一九

六三年犯罪被害者国家賠償法抄訳﹂社会改良九巻一︱

1

1

四号(‑九六五︶三五頁以下に条文の抄訳がある︒

す る

︒ 以下では︑まず︑ ついて紹介し︑検討することとしたい︒ る ︒ 罪の︑どのような犯罪者に︑

︵ 五 三 五

ニュージーランドの罰金刑に

(9)

( 5

)  

( 2

) 詳述したものとして︑浅井尚子﹁ニュージーランド事故補償法とその運用実態﹂加藤雅信絹著﹃損害賠償から社会保障 へ﹄︵三省堂︑一九八九︶四一頁以下︑浅井尚子﹁ニュージーランド事故補償制度の三

0 年﹂判タ︱

10

二号︵二

0

0 二 ︶

五九頁以下︒刑事政策の観点から論じたものとして︑千手正治﹁ニュージーランド事故補償制度犯罪被害者補償の観点 か ら 1 i I ﹂中央大学大学院研究年報︵法学研究科篇︶二八号(‑九九九︶二

0 七頁以下がある︒

( 3

)  

2001 

N o .  

49 . 

( 4

)

例えば︑高橋貞彦﹁修復的司法 i アオテアロアの少年司法

l

ニュージーランドから世界への贈り物﹂﹃中山研一先生 古稀祝賀論文集第五巻刑法の展開﹄︵成文堂︑一九九七︶二四五頁以下︑前野育三﹁被害者問題と修復的司法ー

│l

ニ ュ ー

ジーランドの

Fa mi ly

G r o u p  

Co nf er en ce

を中心に﹂犯罪と非行︱二三号︵二 0

0 0

)

六頁以下︑ジム・コンセディーンほ

か著•前野育三ほか監訳「修復的司法現代的課題と実践』(関西学院大学出版会、二

00

I )

︑藤本哲也﹁ニュー

ジーランドにおける修復的司法の最近の動向﹂戸籍時報五四九号(︱

1 0

0 二︶四七頁以下[﹃犯罪学の窓﹄(中央大学出版部ヽ

二 0

0 四︶一五八頁以下所収]藤本哲也﹁ニュージーランドにおける刑事政策の新動向二成人に対する修復的司法協議会

の導入﹂罪と罰三九巻二号︵二

0

罰三九巻二号︵二 ニュージーランドの修復的司法﹂罪と

l

0 二︶四六頁以下︑高橋貞彦﹁憔界の修復正義

0

0 二︶四三頁以下︑千手正治﹁ニュージーランドにおける修復的司法の発展﹂中央大学大学院研究年報

︵法学研究科篇︶三三号︵二

0

01

―-)ニニ七頁以下、千手正治「ニュージーランドにおける修復的司法

i

『修復的司法~

審議報告書﹄における修復的司法の定義 I 比較法雑誌三七巻一号︵二

0

ドにおける修復的司法②— |3 0 三︶二四 0 頁以下︑千手正治﹁ニュージーラン

『裁判所関与の修復的司法~ファシリテーター・トレーニング・マニュアル』における修復的

司法の意義

I

きー﹂比較法雑誌三七巻三号︵二

0

0 三︶一六七頁以下︑藤本哲也ほか﹁ニュージーランドにおける修復的司法

の一手段としての賠償命令﹂法学新報一〇九巻三号︵二

0

0 二︶四七頁以下︑千手正治﹁ニュージーランドにおける修復的

司法の発展とマオリ族~一九八九年の家族集団協議会から二

oo

一年の裁判所関与の修復的司法協議会まで」藤本哲也編著

﹃諸外国の修復的司法﹄︵中央大学出版部︑二

0

四︶四三頁以下︑千手正治﹁ニュージーランドにおける賠償命令と修復 0

的司法ニ︱

0

0 二年の量刑法を踏まえて﹂藤本編著﹃諸外国の修復的司法﹄・前掲八一頁以下︑藤本哲也﹁ニュージーラン

ドの修復的司法協議会」藤本編著『諸外国の修復的司法」•前掲――七頁以下などがある。

例えば︑山口直也﹁ニュージーランドの少年司法における家族集団会議

( F a m i l y

G r o u p  

C on fe re nc es

﹂犯罪社会学

)

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

二 七 二

︵ 五 三 六

(10)

ニュージーランドの罰金刑 研究二 0 号(‑九九五︶一三九頁以下︑藤本哲也﹁ニュージーランドの青少年法と青少年司法システムの現状﹂法学新報一

0 三巻四

I I

五号(‑九九七︶一六三頁以下[﹃刑事政策の諸問題﹄︵中央大学出版部︑了几九九)七三頁以下所収]ヽ山口直

也﹁米国とニュージーランドの少年司法制度﹂法学セミナー五一七号︵一九九八︶七八頁以下︑高橋貞彦﹁ニュージーラン ドの少年法(解説)トラプスキーの家族法•第二章」近大法学四七巻一―

-11

四号(二

00

0 )

三五六頁以下︑千手正治

「ニュージーランドにおける児童•青少年の犯罪行為」

JCCD

九三号(二

00

三)二三頁以下、藤本哲也「ニュージーラ ンドにおける青少年司法の歴史﹂法学新報︱︱一巻三

1 1

四号︵二

0

0 四︶五五頁以下︑藤本哲也﹁ニュージーランドの﹃児

童、青少年及びその家族法』」藤本編著『諸外国の修復的司法』•前掲注

(4)

一頁以下などがある。

( 6

) 一覧できるものとして︑法務省法務総合研究所編﹃平成九年版犯罪白書日本国憲法施行五

0 年の刑事政策ー﹄︵大 蔵省印刷局、一九九七)二

0

四頁•III4表、法務省法務総合研究所絹『平成一七年版犯罪白書

||s

少年非行

'|1'

』(国立

印刷局、二

00

五)八七頁

•2I3_21

表。

( 7 ) 警察庁﹁交通反則通告制度について﹂ジュリスト三六九号(‑九六七︶九二頁以下︑九三頁︒

( 8

) 交通反則金制度について詳細に説明したものとして︑例えば︑吉田淳一﹁交通反則通告制度について︵一︶﹂曹時二

0 巻

六号(‑九六八︶一頁以下︑﹁同・︵ニ・完︶﹂二 0

巻七号(‑九六八︶五四頁以下︑浅野信二郎﹁道路交通法の一部を改正 する法律逐条解説︵三・完︶﹂警察研究三九巻二号(‑九六八︶八七頁以下︒

(9)

法務省法務総合研究所編『平成一七年版犯罪白書』・前掲注

(6) 八八頁

•23_22

表、八九頁

•2_3!2I3

表。

(10)法務省法務総合研究所編﹃平成︱四年版犯罪白書

I

暴力的色彩の強い犯罪の現状と動向ー﹄︵財務省印刷局︑二

o o

二)一〇九頁

•2i3i3_3

表、法務省法務総合研究所編『平成一七年版犯罪白書』・前掲注

(6) 九三頁

•2I3_3_

3 表

︒ ( 1 1 )

①公務執行妨害罪及び職務強要罪の法定刑を三年以下の懲役若しくは禁錮又は三

0 万円以下の罰金とすること︑業務上

過失致死傷罪及び重過失致死傷罪の法定刑を五年以下の懲役若しくは禁錮又は一

0

0 万円以下の罰金とすること︑窃盗罪の

法 定 刑 を 一 0 年以下の懲役又は五 0

万円以下の罰金とすること︑②略式命令において科すことがてきる罰金の最高額を一 0

0 万円とすること︑③罰金刑及び科料刑について︑労役場留置一日の割合に満たない金額の納付を認めることができる

ものとすること︑罰金刑又は科料刑の一部が納付された場合において︑その残額中︑労役場留置一日の割合に満たない端数

二 七 三

︵ 五 三 七

(11)

会 奉 仕 作 業

( 2 5 )  

d e t e n t i o n )

︑ ー

ニュージーランドでは︑

2002 

N o .  

9.  

2002 

N o .  

1 0 .  

刑事制裁の種類 ( 1 7 )

  ( 1 8 )  

刑事制裁として︑罰金刑

( 2 2 )  

( c o m m u n i t y   w o r k

) ︑

交 際 禁 止 命 令

( 1 9 )  

( f i n e )

の ほ

か に

︶ ︑ ( 2 3 )  

1

m p n s o n m e n t

︶ ︑ ( 2 6 )  

( n o n

‑ a s s o c i a t i o n   o r d e r  

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

拘 禁 刑

刑事司法制度の概要

S .  

166 

( a

)   S e n t e n c i n g   A c t  

2 00 2.  

運 転 免 許 刻 奪

損害回復

予 防 拘 禁

在 宅 拘 禁

( 2 7 )  

( d i s q u a l i f i c a t i o n  

f r o m   d r i v i n g )

︑ 監督

) ︑ ( 2 4 )  

r e v e n t 1 v e d e t e n t 1 0 n  

( 2 0 )  

( r e p a r a t i o n )

は︑これを一日として労役場に留置するものとすることが内容となっている︒

S e a r l e ,  

W . ,

C

 

o u r t   , i

m p o s e d   f i n e s :  

s u r v e y f   o   J u d g e s   ( M i n i s t r y   o f   J u s t i c e ,  

20 03 ),  

p .  

3.  

と 二七四

( 2 1 )  

( s u p e r v i s i o n )  

﹃ 二 0

0 二年パロール

︵ 五 三 八

︶ ( 1 2 )

  ( 1 3 )   ( 1 4 )  

(15)

解説したものとして、ニュージーランド司法省著•高橋貞彦訳「「二

00

二年量刑判決法』(仮

釈放︶法﹄刑事司法制度を改革すること︵ニュージーランドの刑事裁判法︶﹂近大法学五一巻三

1 1

四号︵二

0

0 四︶四三頁

以下︒また︑千手正治﹁ニュージーランドにおける社会内処遇の新動向ーニ

0

0 二年の最刑法におけるコミュニティ内量

刑 ﹂ JCCD

九四号︵二

0

0 四

︶ 二

0 頁

以 下 参 照

︒ S e n t e n c i n g

の訳は︑﹁量刑﹂とすることが定着しており︑本法も量刑全

体を取扱うものであるから︑﹁量刑﹂と訳出することとする︒

( 1 6 )  

1985 

N o .  

12 0.

 

その内容について解説したものとして︑佐藤繁︷貫﹁ニュージーランド一九八五年刑事裁判法﹂犯罪と非行

七二号(‑九八七︶一七九頁以下がある︒

C r i m i n a l

J u s t i c e の訳は︑﹁刑事司法﹂とすることが定溶しており︑本法も刑事

司法全体を取扱うものであるから︑﹁刑事司法﹂と訳出することとする︒

S .  

2628 

C r i m i n a l   J u s t i c e   A c t  

19 85 . 

( h o m e  

自 動 車 没

収 社

(12)

ニュージーランドの罰金刑

3

.刑事制裁の量定 こうした刑事制裁の目的として一般に挙げられてきたのは︑抑止

( d e t e r r e n c e )

︑改善

( r e f o r m )

︑隔離

( p r e v e n t i o n )

( 3 0 )  

応報

( r e t r i b u t i o n )

などであった︒二

0

0

二年量刑法は︑量刑目的について︑い犯行により被害者及び地域社会が

被った侵害に対する責任

( a c c o u n t a b l e )

を犯罪者に負わせること︑閲当該侵害に対する責任の感覚及び認識を犯罪 者に促進させること︑い犯罪被害者に利益をもたらすこと︑団犯行により被った侵害に対する損害回復を行なうこ と︑国犯罪者が関与した行為を非難すること︑︵犯罪者又はその他の者による同じ又は同種の犯罪の遂行を抑止す

( 3 1 )  

ること︑①犯罪者から地域社会を保護すること︑山犯罪者の社会復帰や再統合を援助することを挙げ︑これらのい

( 3 2 )  

かなる目的も他の目的に優先劣後することはないとしている︒

量刑の際に考慮すべき因子として︑①犯行の重大性

( g r a v i t y

) ︑②法定刑から推察される犯罪類型の重大性

( s e r i o u s n e s s )

︑③被害者に及ぼされた犯行の影響に関して︑裁判所に提出されたあらゆる情報︑④同種の犯罪に比 して減軽を行なうべき犯罪者のあらゆる個別的状況︑⑤社会復帰目的から考察した際の犯罪者本人︑家族︑

族の場合の拡大家族︵ファナウ:

w h a n a u

) ︑地域社会︑文化的背景︑⑥当該事件において生じた又は裁判所が生じ

( 3 3 )  

の結果が挙げられている︒

うることについて確信した︑修復的司法

( r e s t o r a t i v e j u s t i c e )  

2

.刑事制裁の目的

( 2 8 )  

( c o n f i s c a t i o n   o f   m

o t o r   v e h i c l e s )  

二七五

( 2 9 )  

などが規定されている︒我が国とは異なり︑死刑は廃止されている︒

︵ 五

三 九

マオリ

(13)

︵ 五 四

O )

量刑の際に刑事制裁を加重するよう考慮すべき因子として︑い犯罪が屎力又は武器の使用に関するものであるこ と︑山犯罪が住居への不法侵入又は不法不退去であること︑い保釈中又は刑事制裁に服している間に犯罪が遂行さ れたこと︑い犯罪から生じたあらゆる損失︑損害又は侵害の程度︑い犯罪遂行の際の特別の残虐性︑

m 犯罪者が

被害者からの信頼又は犯罪者自身の権威を濫用したこと︑①被害者がその年齢若しくは健康又は犯罪者に既知のも

( v u l n e r a b l e )

こと︑間人種︑肌の色︑国籍︑宗教︑ジェ

ンダー︑性的志向︑年齢又は障害のような永続的で不変的性質を有した人に対する敵意を一部又は全部の理由として 犯罪者が犯罪を遂行した場合で︑その敵意が不変的な性質のためであったこと︑又は︑被害者がそうした性質を有し ていると犯罪者が信じていたこと︑詞犯罪がテロリストの行為の一部又は関連性のあるものとして遂行されたこと︑

︵犯罪者の側に計画性があったこと及びその計画性の程度︑︵犯罪者が過去に受けた有罪判決︑及び︑犯罪者が同 時に判決を言い渡されるか︑その他の取扱いを受けつつある場合の有罪判決の数︑重大性︑日付︑関連性及び性質が 例として挙げられている︒

逆に︑量刑の際に刑事制裁を減軽するよう考慮すべき因子として︑い犯罪者の年齢︑閲犯罪者が有罪答弁

l e ( p a )

を行なったこと及び行なった時期︑い被害者の行為︑い犯罪者の側の関与が限定されていたこと︑い犯罪 者が知的能力又は理解力が低下していたこと又は犯罪遂行時に低下していたこと︑︵犯罪者が示す自責の念又は賠

( 3 5 )  

( c o m p e n s a t i o n )

などの申出︑合意若しくは実行など︑①犯罪者の従前の善良な性質が例として挙げられている︒

このうち︑特に︑賠償などの申出︑合意若しくは実行については︑別個に詳しい条文が用意されている︒すなわち︑

い犯罪者により被害者に対してなされる償いの申出︑閲犯罪者によって惹起された悪事︑損失若しくは損害を犯罪 のであるあらゆるその他の因子により特別にもろかった

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

二 七

(14)

ニュージーランドの罰金刑

者がどのように救済するかについて︑又は︑犯行が継続しない若しくは再発しないことを確実にすることについての 犯罪者と被害者の間でなされる合意︑い犯行に対する犯罪者又は犯罪者の家族︑

印犯罪者の家族︑

ファナウ若しくは家族集団によってとられたか︑とられることが提案された︑︵犯行のあらゆる

被害者︑被害者の家族︑

ファナウ若しくは家族集団に対してなされる賠償︑い犯行のあらゆる被害者︑被害者の家 族︑ファナウ若しくは家族集団に対してなされる謝罪︑詞生じた侵害に対するその他の償い︑︵犯罪者によってと られたか︑とられることが提案されたあらゆる救済行為を考慮すべきであるとしている︒さらに︑こうした賠償が︑

誠実で実現可能かどうか︑悪事の償い又は軽減として被害者に受け入れられたかどうかを勘酌しなければならないと

( 3 7 )  

し て

い る

︒ そして︑以上のような因子を考慮してなされる刑の処断においては︑

も重大なものである場合︑当該犯罪の法定刑の上限の刑を科さなければならないこと︑②当該犯罪類型のうち︑犯 行が最も重大なものに近い場合︑当該犯罪の法定刑の上限に近い刑を科さなければならないこと︑③同種の状況に おいて同種の犯罪を遂行する同種の犯罪者と比して︑適切な量刑水準が要請されること︑④適切な最も制限的でな

( 3 8 )  

い制裁を科さなければならないことが求められている︒

( 3 9 )  

続いて︑刑事制裁がどのような手続で科されるかを見ておくこととしたい︒ 4 .刑事裁判及び審級

二七七

一般に︑①当該犯罪類型のうち︑犯行が最

ファナウ若しくは家族集団の対応︑

( 4 0 )  

刑事事件においては︑地方裁判所

( D i s t r i c t C ou rt )

が通常第一審とされている︒地方裁判所は多くの地方公共団

︵ 五 四 一

(15)

判事 審を行なっていたのは︑

( 4 4 )  

であった︒大法官

( L o r d C h a n c e l l o r )   ( S e n i o r   J u d g e )

が通常五名で審理を行なっていた︒上席判事には︑

C o u n c i l )  

ニュージーランドの上訴裁判所長官と高等

が裁判長役を務め︑枢密顧問

( Q u e e n ' s   P r i v y   C o u n c i l l o r )

たる上席   イギリスのロンドンに置かれている枢密院司法委員会

( J u d i c i a C l   o m m i t t e e   o f   t h e   P i r v y  

J u s t i c e )

  と四名又は五名の最高裁判所判事

( S u p r e m e C o

u r こ

u d g e )

が事件を取扱う︒従来︑上訴裁判所からの異議

上訴裁判所などからの上訴審を行なうのが︑

( 4 3 )  

である︒最高裁判所長官

( C h i e f

事件を取扱い︑通常三名で審理を行なう︒ A

p p e l l a t e o   C u r t )  

最高裁判所

( T h e   P r e s i d e n ) t  

( C o u r t f   o   A p

p e a l  

裁判所長官

( C h i e f J u s t i c e )  

が事件を取扱う︒ここでも︑通例︑

チャーチ

( C h r i s t c h u r c ) h

  の三箇所に置かれており︑

( H i g h C o u r t )  

暴行 地方裁判所からの第二審と︑謀殺 名の陪審員からなる陪審制度が利用される︒ 体に置かれている︒法曹資格を持つ地方裁判所判事

( D i s t r i c t C o u r t   J u d g e )   ( J u s c e t i o s   f   t h e   P e a c e )

  *右しくは地域治安判事

( C o m m u n i t y M a g i s t r a t e )  

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

( m u r d e r )

オークランド  

ファンガレイ

事実認定に︱二名の陪審員からなる陪審制度が利用される︒

( W a h n g a r e i )  

ウェリントン

( W e l l i n g t o n )

︑ や特に重大な武装強盗

︵ 五 四 二

︶ ( p a r

t i c u l a r l s y   e r i o u s   a r m e d   r o b b e r y )   ( s e x u a l   v i o l a t i o n )

の一部などの重大事件の第一審を行なうのが︑高等裁判所管区ごとに置かれている高等裁判

( 4 1 )  

である︒高等裁判所は︑

( A u c k l a n d )

と約三

0

名の高等裁判所判事

( H i g C h o u r t   J u d g e )  

高等裁判所などからの上訴審を行なうのが︑首都ウェリントンに置かれている上訴裁判所

( 4 2 )  

である︒上訴裁判所長官 と六名の上訴裁判所判事

C ( o u r t o f   A p

p e

a こ

u d g e ) S (

u p r e m e   C o r u t )  

クライスト

など計︱四都市を巡回する︒高等 や性的 が事件を取扱う︒通例︑事実認定に 又は法曹資格を持たない治安判事

二七八

(16)

( 2 3 )   ( 2 4 )   ( 2 5 )   ( 2 6 )   ( 2 7 )  

ニュージーランドの罰金刑 改正内容を紹介することとしたい︒ こ ︑ t  た︒なお︑確定した刑事制裁の執行は︑後述の罰金刑を除いて︑司法省

(D ep ar tm en t of   Jus ti ce ) 

このようにして賦科される罰金刑は︑どのような制度となっており︑どのように利用されているのであろうか︒

0

0

二年量刑法でどのような改正がなされたのであろうか︒次節では︑罰金刑の概要及び適用状況を見た上で︑

( 1 9 )  

S .   39

4 1  S en te nc in g  A ct   20 02

 

.{:;j

お、哉巫判口所は、蹄哭孟訓~の昴叩犀〖について、国庫だけでなく‘―つ又は複数の特定の相手

方と︱つ又は複数の特定の支払場所を指定することができる︒

S . 19   (1)  ( c )   Cr im es c  A t  1 96 1  ( 19 61 o  N .  4 3) ・

具 体 的 に は ︑ 慈善団体などが想定される︒罰金刑が被害者に帰属するとされた場合は︑損害回復と実質的に同じ役割を担うこととなる︒

( 2 0 )  

S .   32

3 8  S en te nc in g  A ct   20 02 . 

( 2 1 )  

S.   45

5 4  S en te nc in g  A ct   20 02 . 

( 2 2 )  

S.   5 5 69   Se nt en ci ng c  A t  2 00 2.

 

W , i

しく紹介したものとして︑千手正治﹁ニュージーランドにおける社会内処遇の新動向

ー ニ 0

0 二年の量刑法におけるコミュニティ内量刑﹂

JCCD

九四号︵二

0

0 四︶二

0 頁以下がある︒

S. 81

8

6S en te nc in g  A ct   20 02 .  S.   87

9 0  S en te nc in g  A ct   20 02 .  S .   9 7 99   Se nt en ci ng c  A t  2 00 2.   S.  1 12

1 23   Se nt en ci ng c  A t  2 00 2.  

s .  

12 4

1

26 Se nt en ci ng c  A t  2 00 2.  

権を廃止していたこともあって︑

( 4 6 )   20 03 ) 

に基づき︑

裁判所長官が自動的に任命されるものの︑残りのほとんどはイギリス人であり︑

二七九

に よ

っ て

執 行

れ さ

る ︒

0

0

三年最高裁判所法

判所長官と高等裁判所長官は審理にほとんど携わっていなかった︒イギリス連邦の多くの国が枢密院への異議申立て

( 4 5 )  

ニュージーランドでも議論があり︑

0

0

四年一月一日に最高裁判所が設立され︑枢密院司法委員会への異議申立ての仕組みが廃止され

し か

も ︑

(S up re me o C ur

t  Act 

︵ 五 四 三

(17)

巨坦緑

4:11

く恕

I1・111 a)t> 

l<O (ば国国)

啜)

S. 127‑142 Sentencing Act 2002. 

索)

Abolition of the Death Penalty Act 1989 (1989 No. 119). Repealed S. 14‑16 Crimes Act 1961. 

隅)

Lawrence, M., Legal Studies‑A First Book on New Zealand Law (5th Edition) (The Dunmore Press, 1998), p. 67. は)S. (1) Sentencing Act 2002. 

啜)

S. (2) Sentencing Act 2002. 

(箆)

S. (a), (b), (£), (h), (i), (j) Sentencing Act 2002. 

(苫)

S. (1), (4) (a) Sentencing Act 2002. 

ぼ)

S. (2), (4) (a) Sentencing Act 2002. e)...J'

Ill許堪渥紐這翠心⑱旦燕蓉メ竺器瞑(substance)茶葉王や辛心叡国苓

ゃ'翠酎靱こ堂旦,I'--会fl-¾以竺埒ふ受心燕套担,...J'/竺蓉瞑Q皿紫さ終茫邸メ竺坦王旦廿S莱器脚冷祠冷醇翠江\-.I::,~枷旦竺’呈忌器-Rt><竺賦淀宍Qt\;i'!~

如寝瑞己壬

...¥J,..J 

¥‑.I 料笹ヤ炉

J...¥J竺溢ゃ辛終::,S. (3) Sentencing Act 2002. 

(宮)

S. 10 (1), (3) Sentencing Act 2002. 

(兌)

S. 10 (2) Sentencing Act 2002. 華翅終勾

0

挑窓忍応⇒心→や臣誓苺縣O謡苺メ竺印頌誨砂紹閉碩心函旦縣写志

竺蛍恙終勾訊戒圏訊恥叶吋Q祁や躙茎写垣糾ヒ終心終::,J刈茶や枷心刈如や~\J::, l‑0°S. 10 (4) Sentencing Act 2002. 

(箆)

S. (c), (d), (e), (g) Sentencing Act 2002. 

(要)

I ¥ r\ー;~11'-,\~Q臣詈誤弄Q痣辛旦い::,\--'~ 粧旦痘':〈心やO心⇒げLawrence,supra note 30, at 60-62.')t6~'痘《口叫tr\ー;~it','~Q案膏仕黍旦0::,\--.I」米楽梨茫坦苺+<支尼眼村訳点志嘉翠lば曲(1兵兵ギ)ギヰ冨益戸ギ<-<11~

゜ ほ)

S. 3‑llH, 28A‑28J District Courts Act 1947 (1947 No. 16), S. 3‑9 Justices of the Peace Act 1957 (1957 No. 89), S. 17 Juries Act 1981 (1981 No. 23). 

(~) S. 3‑27 Judicature Act 1908 (1908 No. 89), 361A‑361C Crimes Act 1961, S. 17 Juries Act 1981. 

(笞)

S. 57‑63 Judicature Act 1908. 

(尊)

S. 6‑32 Supreme Court Act 2003 (2003 No. 53). 

(~) Lawrence, supra note 30, at 62. 

ほ)

Lawrence, supra note 30, at 62. 

(18)

九八五年刑事司法法は︑明文により賦科が禁止されている犯罪以外の全ての犯罪で罰金刑を賦科することを認めてい

( 4 7 )  

た︒また︑多額の法定が条文上なされていない場合︑地方裁判所判事は︑四︑

000

ニュージーランドドル

︵ 約

三 二

万 円

‑NND

0

円で換算︒以下同じ︶︑治安判事及び地域治安判事は︑四

OONND

( 4 8 )  

まで賦科できるとされていた︒高等裁判所判事の場合︑上限は設けられていなかった︒

( 4 9 )

5 0

)  

一九九三年の改正で︑損害回復が罰金刑に優先することが定められたものの︑財産的な刑事制裁の最も一般的な形

( 5 1 )  

態とされたのは︑多くの犯罪類型で最も重い刑事制裁として規定されていたこともあって︑依然︑罰金刑であった︒

そして︑罰金刑の長所として︑①犯罪の重大性や犯罪者の経済状態への対応に柔軟性があること︑②分割払が可能 であること︑③拘禁刑に比べて︑仕事などの犯罪者の生活基盤を脅かし難いこと︑④犯罪から得られた利益を剥奪 でき︑応報と抑止双方の目的を果たすことができること︑⑤金額で評価し︑賦科するため︑金銭的被害が生じる多

( 5 2 )  

くの犯罪類型になじむこと︑⑥執行費用が拘禁刑に比べて小さいことなどが考えられてきた︒

( 5 3 )  

もっとも︑罰金刑の利用率は︑それほど高くなかった︒例えば︑二

0

0

二年量刑法が制定及び施行される直前の二

ニュージーランドの罰金刑

ニュージーランドにおいて︑従来︑罰金刑の賦科について規定していたのは︑

一九八五年刑事司法法の下での適用状況 ( 4 6 )  

三.罰金刑の概要及び適用状況

2003 

N o .  

53 . 

ニ 八

一九八五年刑事司法法であった︒

(N

ND

) 

︵ 約

三 二

000

円 ︶

︵ 五

四 五

(19)

寸 し

文 アルコール超過運転で六

OONND

七 一

% ︑

︵ 約

四 万

円 ︶

と︑犯罪類型

︵ 約

︱ 二

000

円 ︶

であるのに

ニ 八 二

0 0

一年の場合︑罰金刑が賦科されたのは︑有罪認定された全訴追の三三%にすぎなかった︒罰金刑が賦科されやす

い犯罪類型としては︑交通犯罪があり︑交通犯罪全体で五五%︑交通犯罪のうち︑不注意運転

( c a r e l e s s d r i v i n g )   で

アルコール超過で六一%に罰金刑が賦科されていた︒交通犯罪以外にも︑軽微事犯に罰金刑が賦科されやす

( 5 4 )  

一九九六年犬統制法

( D o g

C o

n t

r o

l   A c t  

1

99 6)

違反で八二%︑漁業関連犯罪で七六%︑

税務犯罪で七

0

カンナビスの所持又は使用で四六%を占めていた︒このように︑ % ︑

( 5 5 )  

そして︑軽微事犯に主に用いられることもあって︑罰金額は︑決して高いものではなかった︒罰金額の中央値は三

OONND 

︵ 約

二 四

000

円 ︶

である︒カンナビスの所持又は使用で一五

ONND

︵ 約

四 八

000

円︶︑死傷運転で五

OONND

ごとに中央値にはかなり差がある︒しかし︑罰金額の高い犯罪類型でも︑中央値が日本円で一

0

万円を超えることは

なく︑絶対的な額はそれほど高いとは言えない︒

( 5 6 )  

判事に対する調木且によれば︑多くの判事が罰金刑を迅速で単純な刑事制裁であると考えていることもあって︑犯罪

歴がある場合や未払の罰金刑がある場合には︑罰金刑は不適切であるとして︑罰金刑の賦科を回避することが多い︒

その上で︑半数以上の判事が犯罪者の支払能力を非常に重視するとしており︑犯罪の重大性と並んで︑支払能力が罰

金刑選択の際の重要な判断因子となっている︒それゆえ︑犯罪者に被扶養家族が存在したり︑犯罪者の収入が低かっ

たりすると︑罰金刑以外の刑事制裁が選択されやすくなる︒もっとも︑先に見たように︑罰金額が少額であることが

多いため︑後で述べる犯罪者の経済状態の陳述

( d e c l a r a t i o n )

が求められることは少ない︒また︑支払能力が欠ける が交通事犯や軽微事犯に集中して用いられてきた︒ く︑酒類関連犯罪で八五%︑

関 法 第 五 六 巻 ニ

・ 三 号

ニュージーランドでは︑罰金刑

︵ 五 四 六

(20)

ニュージーランドの罰金刑

2

. 二

0

0

二年量刑法による罰金刑の優先適用 による支払が事実上可能であり︑ ヨーロッパ系への賦

( 5 8 )  

科率は三四%と高い︒そして︑定期拘禁

( p e r i o d i c d e t e n t i o n )

を受けている者を対象とした調査では︑最近賦科され

た罰金刑の支払に困難が伴ったとする者が七

0

%に達しており︑その原因として︑多くの者が未就業︑低収入︑扶養

家族の存在を挙げている︒従って︑罰金刑は︑犯罪歴がない者への適用が主に想定されているものの︑犯罪者の経済

罰金刑の短所として︑ 状態が適用の障害となり︑賦科されないか︑低額の罰金刑が科されることが多かったと言える︒そして︑このことは︑

( 5 9 )  

しばしば挙げられる︑①同じ行為責任の者でも︑犯罪者の経済状態によって罰金額が異なる

ため︑不公正に見えること︑②支払ができない犯罪者には︑拘禁刑が科されうるため︑不平等であること︑③家族

一身専属性が貰徹されにくく︑そのような場合に実質的に家族を処罰することに

なってしまうこと︑④高額の罰金刑の執行が実際には困難であることなどを裏付けるものとなっている︒

ニュージーランドにおいては︑罰金刑の適用が一部の犯罪類型に偏在しており︑

にあったため︑罰金刑をより広く活用すべきとの見解が強く主張されていた︒なぜなら︑罰金刑には︑①拘禁刑の

代替となりうるものであり︑過剰拘禁防止に役立ちうること︑②犯罪や犯罪者に合わせた量刑が容易であること︑

③拘禁刑に比べて費用が安く︑経済的であること︑④執行が他の刑事制裁に比べて容易であることなどの利点が存 さ

ら に

一般に経済的に劣位にあるマオリ族

( M a o r i )

( 5 7 )  

者が半数を超えるため︑多くの判事が分割払を命じる傾向がある︒このような調奔結果を裏付けるように︑賦科率に

男女差はほとんどない︒また︑若者に比べて経済状態が一般的によいと考えられる四

0

歳以上の者への賦科率が高い︒

への賦科率が二二%であるのに比べて︑

しかも︑罰金額が低いという状況

ニ 八 三

︵ 五

四 七

(21)

続 い

て ︑

︵ 五 四 八

( 6

1 )  

そこで︑二

0

0

二年量刑法は︑原則として︑罰金刑を他の刑事制裁に優先的に適用するよう定めた︒すなわち︑裁

判所は︑あらゆる他の刑事制裁に付加的に又は代替的に罰金刑を賦科することが認められている場合︑原則として︑

罰金刑が個々の犯罪に適切な刑罰であるとみなさなければならないとの規定が置かれたのである︒例外的とされるの

は︑い第二節

2 .で述べた刑事制裁の目的が罰金刑では達成できないと考えられる場合︑閲第二節 3

. の

刑 の

処 断

原則と相容れない場合︑い条文上︑他の刑事制裁の賦科が要求されている場合︑印罰金刑が状況により明らかに不

( 6 2 )  

適切である場合である︒

もっとも︑二

0

0

二年量刑法においては︑罰金刑の優先適用が規定される一方で︑犯罪者が罰金刑支払のための財

産を持たない場合︑又は︑持たないであろうと考えられる場合には︑罰金刑を賦科しないことができるとする規定も

( 6 3 )  

置かれた︒また︑損害回復と罰金刑の賦科が適切であると考えられる場合で︑どちらか一方の支払のための資産を持

たないか︑持たないであろうと考えられるときには︑損害回復を優先して賦科しなければならないとされた︒

このように︑罰金刑の優先適用が定められたものの︑犯罪者の経済状態を理由に賦科されないことも認められてい

る︒それゆえ︑多くの判事が︑犯罪者の経済状態が一般的に悪いことを指摘し︑罰金刑の適用が拡大することについ

( 6 5 )  

て疑問を呈しているとされる︒もっとも︑拘禁刑を回避することができるなど︑罰金刑の適用を拡大する方向性は決

して不当なものではない︒問題は︑どのような目的で︑他の刑事制裁との役割分担をどのように構想し︑どのような

犯罪の︑どのような犯罪者に︑いかなる額を賦科し︑どのように徴収及び執行を行なっていくのかである︒そこで︑

ニュージーランドにおける罰金刑の量定方法について見ることとしたい︒

第五六巻ニ・三号

( 6 0 )  

在するからである︒

関法

ニ八四

参照