• 検索結果がありません。

鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能および耐荷性能に 関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能および耐荷性能に 関する研究"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能および耐荷性能に 関する研究

嶋, 丈示

https://doi.org/10.15017/1932008

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式2)

氏 名 :嶋 丈示

名 :鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能および耐荷性能に関する研究 区 分 :

論 文 内 容 の 要 旨

土石流に対する防災対策として,鋼材を主要材料とした鋼製砂防施設が使用されはじめたのは昭 和40年代に入ってからであり,それまでの砂防施設はコンクリートを中心とした重力式の不透過型 砂防堰堤が主流であった。しかし,「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)解説」および「土 石流・流木対策設計技術指針解説」において,鋼製透過型砂防堰堤を土石流対策の基本設備にする ことが示され,今後も全国各地で土石流対策として活躍が期待できるものである。現在では,土石 流の捕捉事例からもその効果が証明されている。しかしながら指針に記載されていても,鋼製透過 型砂防堰堤の土石流機能や安全性について懸念を抱いている技術者も多いのが実情であり,採用に は消極的である。そこで,鋼製透過型砂防堰堤の不安感を払拭するためには,施設の機能を明らか にする必要があるものと考える。鋼製透過型砂防堰堤に求められるもっとも重要な機能は,「土石 流発生時に土石流を確実に捕捉する」ことである。この機能を満たすため「土石流を捕捉する性能」

と「土石流に耐えられる構造」の2つの性能を明らかにする必要がある。

そこで,本研究はこの2つについて具体的な要求性能として「礫捕捉性能」と「耐荷性能」に焦 点を当て,鋼製透過型砂防堰堤の不安感を払拭しようとするものである。

第1章「序論」では,本研究の背景である鋼製透過型砂防堰堤開発の経緯,および供用されてい る各種鋼製透過型砂防堰堤の特徴について解説した。これらから,鋼製透過型砂防堰堤の要求性能 および現行設計法の問題点について言及し,本研究の必要性を示した。

第2章「鋼製透過型砂防堰堤の土石流捕捉事例と損傷事例」では,鋼製透過型砂防堰堤による土 石流の捕捉事例から,施設による捕捉パターンが「流木+石礫」,「流木+土砂」,「流木のみ」,「石 礫のみ」の4つに大別されることを示した。この事例から土石流の後続流中の石礫および土砂は,

先行する巨礫または流木により開口部が閉塞されることがわかった。また,鋼製透過型砂防堰堤は 土石流捕捉時に鋼管部材の凹みおよび撓みにより巨礫の衝撃力を吸収するが,部材表面が摩耗され 断面欠損が生じることなど,損傷にも複数のパターンがあることを,土石流捕捉事例をもとに詳述 した。

第3章「鋼製透過型砂防堰堤の設計管理に関する考え方」では,構造物の設計で留意すべきこと を性能設計とISO9001の観点から述べ,鋼製透過型砂防堰堤の設計管理について言及した。まず,鋼 製透過型砂防堰堤の性能である要求性能,目標性能,保有性能の3つについて,現行設計上の問題 点を指摘した。この観点から鋼製透過型砂防堰堤の性能設計を考慮した設計管理として,設計イン プット項目を求め,設計検証時の留意事項について詳述した。

第4章「鋼製透過型砂防堰堤の土石流捕捉の実態と開口部の閉塞率」では,現行設計法における 鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉機能が,巨礫調査の95%礫径のみを用いて部材間隔を設定している問 題点について言及した。これを解決するために,土石流捕捉事例をもとに開口部の閉塞率を詳細に 調べるとともに,開口部が礫により閉塞する過程を解明した。この結果から,部材間隔を巨礫調査 における最多礫径帯の最大値に設定することを提案した。

(3)

第5章「鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能に関する実験的評価法」では,鋼製透過型砂防堰堤の 水理模型実験を行い,部材間隔と礫径の関係から鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能の指標を示した。

これまで鋼製透過型砂防堰堤の土石流捕捉性能の評価項目は,土石流捕捉後の堆砂量をもとに“土 砂捕捉量/土砂供給量=土砂捕捉率”のみで検証されていた。この評価項目は不透過型と同じであ り,透過型の有効性を表現するに至らなかった。そこで,従来の「土砂捕捉率」に加えて,新たに

「捕捉高の時間的変化」および「通過後の礫径分布」を測定して,透過型の礫捕捉性能を考察した。

まず,透過型の捕捉性能に及ぼす要因分析実験を行って3つの評価項目について考察し,透過型が 土石流捕捉の「質」に寄与する選別性能(巨礫を捕捉し,細かい土砂を流す性能)を有していること を検証した。これらの要因分析実験結果を踏まえて、鋼製透過型砂防堰堤の礫捕捉性能が発揮され にくい土石流の堆積区間を想定した礫捕捉性能実験を行い,透過型でも礫捕捉性能を発揮できる部 材間隔について考察した。

第6章「鋼製透過型砂防堰堤の巨礫衝突に対する耐荷性能」では,計画規模の設計荷重(レベル

Ⅰ荷重)を超えた大規模な土石流荷重(レベルII荷重)に対する鋼製透過型砂防堰堤の耐荷性能に ついて,動的FEM弾塑性解析によってその挙動を明らかにした。現行設計法では,計画規模を上回る 土石流荷重に対して,現行設計法ではどのように対処すべきかについて明確な規定がない。また,

大規模な土石流流体力および巨礫の衝突に対して構造内部の安全性について詳細に検討された例は あまりない。そこで,現行設計法である100年超過確率の降雨による安定計算で決定した鋼製透過型 砂防堰堤が,どの程度の土石流荷重まで耐え得るかを安定計算および構造計算をもとに耐荷性能の 限界を求めた。まず,現行設計上の問題点について言及するとともに,計画規模の土石流に対して コンクリート不透過型砂防堰堤と鋼製透過型砂防堰堤を対象に堰堤全体を剛体と仮定して安定計算 を行い,堤体の断面形状を決定した。次に,その決定された断面形状に対する安定計算において,

極限状態を設定して「極めて大きな土石流荷重」を求め,ここで得られた最大流体力と流速および,

南木曽災害調査で得られた極めて大きな礫に対して鋼製透過型砂防堰堤の衝突解析を行い,それぞ れ堤体内部の安全性を検討した。さらに,底板コンクリートを考慮した鋼製透過型砂防堰堤の破壊 状況についても検討し,鋼製透過型砂防堰堤の優位性について言及した。

第7章「大規模な土石流荷重に対する鋼製透過型砂防堰堤の安全性に関する考察」では,想定外 の大規模な土石流に対して鋼製透過型砂防構造物の安全性評価法を提案した。鋼製透過型砂防堰堤 の要求性能のうち,構造安全性である外的安定性および内的安全性を評価するにあたり,まず大規 模な土石流荷重(レベルⅡ荷重)の設定法を提案した。これをもとにレベルⅡ荷重に対する鋼製透 過型砂防堰堤の限界状態に対する考え方を整理し,安全性照査法について性能設計体系の観点から 考察した。この性能規定をもとに外的安定性(安定計算)および内的安全性(構造計算)ついて照 査方法を示し,その検証として南木災害の荷重をもとに計算事例を示し,安全性評価を行った。ま た,南木曾災害における鋼製透過型砂防堰堤の破壊原因と破壊メカニズムについて,現地の部材の 損傷などから考察し,鋼製透過型砂防堰堤の安全性についての1つの改良案を提示した。

第8章「結論」では,本研究で得られた成果を総括し,今後の展望について述べた。

参照

関連したドキュメント

Power and Efficiency Measurements and Design Improvement of a 50kW Switched Reluctance Motor for Hybrid Electric Vehicles. Energy Conversion Congress and

 哺乳類のヘモグロビンはアロステリック蛋白質の典

Generative Design for Revit は、Generative Design を実現するために Revit 2021 から搭 載された機能です。このエンジンは、Dynamo for

前章 / 節からの流れで、計算可能な関数のもつ性質を抽象的に捉えることから始めよう。話を 単純にするために、以下では次のような型のプログラム を考える。 は部分関数 (

耐震性及び津波対策 作業性を確保するうえで必要な耐震機能を有するとともに,津波の遡上高さを

Oracle WebLogic Server の脆弱性 CVE-2019-2725 に関する注 意喚起 ISC BIND 9 に対する複数の脆弱性に関する注意喚起 Confluence Server および Confluence

砂質土に分類して表したものである 。粘性土、砂質土 とも両者の間にはよい相関があることが読みとれる。一 次式による回帰分析を行い,相関係数 R2

[r]