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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Campylobacter特異的ファージを用いた食品における Campylobacter制御に関する研究

古田, 宗宜

http://hdl.handle.net/2324/4060228

出版情報:Kyushu University, 2019, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)

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氏 名 古田 宗宜

論 文 名 Campylobacter 特異的ファージを用いた食品における Campylobacter 制御に関 する研究

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 宮 本 敬 久 副 査 九州大学 教授 土 居 克 実 副 査 九州大学 准教授 本 城 賢 一

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

Campylobacter は世界各国において主要な食中毒原因菌であり、日本でも細菌性食中毒の中で本

菌による食中毒発生件数は最も多い。本研究は、Campylobacter 食中毒のリスク低減のため、日本 で分離される Campylobacter 株の疫学解析に有効な迅速簡便分類法を構築し、食品から分離した Campylobacter特異的溶菌ファージによるCampylobacter制御について検討したものである。

まず、国内の市販鶏肉類におけるCampylobacter汚染状況を調べた結果、市販鶏肉類 146 検体中 98 検 体 (67.1%)か ら Campylobacter を 検 出 し て い る 。 生 化 学 性 状 に 基 づ く 菌 種 同 定 の 結 果 、 Campylobacter陽性検体のうち 48 検体から分離された 48 株は、42 株がC. jejuni、6 株がC. coli であった。他の機関で食品から分離された菌株を含む 46 株のC. jejuniおよび 7 株のC. coliにつ いて、random amplified polymorphic DNA (RAPD) 法および自動化リボタイピング法を用いて分類 した結果、46 株のC. jejuniは 24 種類の RAPD 型および 25 種類のリボグループに、一方、7 株の

C. coliは 3 種類の RAPD 型およびリボグループに分類されることを示している。さらに RAPD 型お

よびリボグループを組み合わせることによって、46 株の C. jejuniは 32 種類と、より詳細に分類 できることを見出している。これらの結果から RAPD 法および自動化リボタイピング法を組み合わせ た分類法は迅速・簡便で、Campylobacterの疫学解析に有用であることを示している。

次に、異なる型に分類された 9 株のC. jejuniおよび 1 株のC. coliを混合したものを被験菌と して、プレストン増菌培地を用いた増菌法によって市販鶏肉類 15 検体中 13 検体から 26 株と多くの C. jejuni溶菌ファージの分離に成功している。上記 46 株のC. jejuniに対するファージの溶菌ス ペクトルを測定した結果、26 株のファージは異なる 20 の溶菌パターンを示し、このうちファージ PHC10 の宿主域は広く、被験菌株の 67.4%を溶菌することを見出している。さらにファージ添加後の C. jejuni の生菌数の経時的変化を調べた結果、ファージ PHC22 は 28.3%の被験菌株を溶菌するだ けであったが、C. jejuni 生菌数を 3 桁減少させることを示している。また、効率よく C. jejuni 溶菌ファージを分離できたのは、被験菌として使用したC. jejuni L26 株が高いファージ感受性を 有していたためであると推察している。これらの分離ファージは透過型電子顕微鏡による観察の結 果、Caudovirales目Myoviridae科に属するファージであることを明らかにしている。C. jejuni L26 株に対する PHC22 と食品添加物の併用効果を本菌の至適生育温度の 42℃で調べた結果、PHC22 単独 では 12 時間後に生菌数が 3 桁減少し、その後増加するが、単独では静菌効果を示さない 0.025%エ チレンジアミン四酢酸(EDTA)との併用により生菌数の増加が抑制されることを見出している。

Campylobacter非加熱制御法としての実用性について検討するため、C. jejuni L26 株を接種した 市販鶏皮に PHC22 を Multiplicity of infection (MOI)=約 103となるように添加して真空包装後に 4℃で保存し、経時的に生菌数の変化を測定している。その結果、1 時間後には生菌数が 2 桁以上減

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少し、この後、生菌数の増加は認められないことを示している。このときファージと 0.025%EDTA を併用してもさらなる生菌数の減少は認められなかった。

以上要するに本研究は、市販鶏肉由来 Campylobacterの迅速・簡便な分類法を構築するとともに 食品から効率よく分離したC. jejuni特異的溶菌ファージが食品におけるC. jejuniの非加熱制御 に有効であることを示したもので、食品衛生化学および食品保蔵学の発展に寄与する価値ある業績 と認める。

よ っ て 、 本 研 究 者 は 博 士 ( 農 学 ) の 学 位 を 得 る 資 格 を 有 す る と 認 め る 。

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