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英語スピーキングテストにおける

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(1)

Bu l l e t i no fFa c u l t yo fEd u c a t i o n , Na g a s a k i Un i v e r s i t y: Cu r r i c u l u ma n dTe a c h i ngNo .

47(2007)129‑143

英語スピーキングテストにおける

英語母語話者と日本人の評価傾向に関する研究

一面接試験と英語教育等に関するアンケートの分析をもとに‑

稲毛逸郎 *・ロー ン悦子 * *・ロー ンマ リー * * *

(平成

1 8

1 0

3 0

日受理)

ASt udyo fNat i veandJapanes eSpe ake r so fEngl i s h Gr adi ngTe nde nc i e so fSpe aki ngAbi l i t y

‑Bas e do nt heAnal ys i so fI nt e r vi e w Eval uat i o nsandBac kgr o undQue s t i o nnai r e

I t s ur oI NAGE 女 ,Et s ukoLAWN

☆ ☆ ,

Mur r ayLAWN

☆ ☆ ☆

( Re c e i ve d,Oc t o be r30,2006)

1

.はじめに

前稿稲毛 ・ロー ン

( 2 0 0 5 )

では,ス ピーキ、ングテス トを実施 してい る試験機 関の多 く は,評価者の評価方法の標準化 に向けて様 々な努力 を しているに もかかわ らず,検討すべ き点が多いのが現状であることを指摘 した。近年,実践的英語 コミュニケーシ ョン能力の 育成 を 目指 した指導が より重視 されるようにな り,英語の授業の一環 としてス ピーチ コン テス トを行 った り,学校外で催 されるコンテス ト‑の参加 を生徒 に奨励 した りすることも 増 えて きた。長崎県内で どの程度ス ピーキ ングテス トを実際に学校 内で行 っているかにつ いての調査

( 2 0 0 6 )

1に よる と,ス ピーキ ングテス トの実施が,中学校 で はまだ十分 に浸 透 しているとは言 えない とい う状況が明 らかになっている しか し,それぞれの教育現場 では,何 らかのス ピーキ ングテス トの必要性 を感 じているようである

英語のス ピーチ コンテス トの規模 は,授業 中にクラスメイ トの前で行 うものか ら地域主 催の大 きな もの まで さまざまであ り,一般的にその評価方法 は,生徒のパ フォーマ ンスを 複数の評価者 (日本人,英語母語話者)がい くつかの観点 をもとに採点 し,その総合点か ら上位者 を決めてい くとい うものが多い と思われる また,英検 では,受験者のパ フォー マ ンスは一般的に

1

名 (ただ し1級のみ

2

名)の評価者 によって採点 される 試験会場 に より評価者が異なるのが普通で,事前 に評価基準マニュアルを熟読 していた として も,多 少の評価の個人差が出て くるのは当然である 前稿 で触 れた

TOEI CL

p二,ケ ンブ リッジ

*長崎大学教育学部助教授 ・国際文化講座

**長崎大学大学院教育研究科教育専攻 (英語教育専修)

***長崎純心大学人文学部英語情報学科講師

(2)

1 3 0

長崎大学教育学部紀要 教科教育学

N o . 4 7( 2 0 0 7

年)

大学英語検 定試験

,I EL TS

の どの試験機 関 も,その ような個 人差 を極力縮小 す るための 評価者の トレーニ ング,資格化,標準化 に特 に力 を入れている。それは,ス ピーキングテ ス トの評価 をす る場合,た とえ試験前 に評価基準が明確 にされていて も,誰が評価す るか によって評価結果が違 って くることがあるか らである

2.

評価者 に関する先行研究

Ha d d e n( 1 9 9

1) は,経験 の違 いが第

2

言語 での コ ミュニケーシ ョン能力の評価 に どの ように影響す るかについて,特 に英語 を教 える

ES L

教 師 と非教 師2との間に差異が存在す るか に注 目し検証 を行 った。結果 は

,ES L

教 師群 と非教 師群 は,何 を重要 と考 えてい る かについて似 た傾向 を示す ものの,全 く同一 とい うわけではな く,非教 師群の方が

ES L

教 師群 よりも全体的に寛容 な評価 をしていることが明 らかになった。特 に,「言語能力」につ いては,非教 師群の方が

ES L

教師群 よりも有意に高 く評価 しているとい う結果が得 られた。

Na k a mu r a( 1 9 9 2 )

は, 日本人英語学習者 の口頭能力 を評価す る際 に, 日本人英語教 師

( J ET)

と英語 を母語 とす る英語教 師

( NET)

とで評価 の仕方 に どの ような差異が生 じ るか を

5 9

項 目の質問か ら成 るアンケー トを用いて調査 した

。5 9

項 目か ら成 るアンケー ト の質問項 目はすべ て

5

段 階評価 で回答す るようになっている

。5 9

項 目の うち,

1

1項 目が メインカテ ゴリーに関わる質問で,残 りの

48

項 目がサブカテ ゴリーに関わる質問 となっ ている メインカテゴリーとは,「文法の正確 さ」

,

「語童」

,

「音素」

,

「イ ン トネーシ ョン」,

「流暢 さ」,「談話」

,

「内容」

,

「話 し手の 自信」

,

「社会言語的能力」

,

「方略的能力」

,

「発話 内行為能力」 を指 し,サブカテゴリー とは,それぞれのメインカテゴリーの下位 区分 を示 す

。t

検定の結果,

1

1の主 カテゴリーの中で は,「流暢 さ」 と 「談話能力

において 日本 人英語教 師

( J ET)

と英語 を母国語 とす る英語教 師

( NET)

の間で有意差があ り, 日本 人英語教師の方が,英語 を母国語 とする教師 よ り 「流暢 さ

を重視 していた。 また,各項 目重要度の判断において も

J ET

NET

の間で差異が認め られ

,J ET

は 「内容

「イ ン ト

ネーシ ョンな ど

語菜使用」の順であるのに対 し

,NET

では 「流暢 さ

談話能力

「内

容」の順であった。

Ka t a g i r i( 1 9 9 9)

では, 日本人英語教師 と

AET ( As s i s t a n tEn g l i s hTe a c h e r s )

の間で 第2言語ス ピーキ ング評価 の仕方 に差異があるか を調査す るために実験 的試験が実施 され た。試験 では,受験者各1名ずつ,試験会場 で渡 された 日本文 を英語 に訳 し, レポーター のように報道する作業 をビデオの前で行 うことが求め られる まず 日本文に目を通す時間が

5

分 間与 えられ,

2

3 0

秒以内に英訳 してい く 録画 された回答 は,転写 され,

1 0 0

点の測 定尺度で,

1 8

種類の観点か ら評価 された。結果は,日本語教師

,AET

どちらも評価の際に は 「発話の速 さ」 を最重要視 し,次 に 「局所 的誤 り

」 3

に注 目す る傾向があった。従 ってこ の実験では,日本語教師 と

AET

の間では,顕著な評価の差異 は明 らかにならなかった。

Do u g l a s( 1 9 9 4)

は,整 った評価基準が設 け られているス ピーキ ングテス トに関 して, 全 く別 々の観点か ら同一の評価結果が下 され ることがあ りうるか,逆 に異 なる評価結果 で も質的に同様 な内容のパ フォーマ ンスが存在 しうるか とい う2点か ら実験 を行 った。ス ピーキ ングテス トは,発音,文法,流暢 さ,理解力の

4

項 目に渡 って

4

段階の評価 を行 っ た。テス トは後 に転写 され,文法の間違い,語桑の適切 さ,流暢 さ,内容,修辞的な構成 な どについて質的な角度か ら分析 された。結果 として,文法で高い段 階評価 を受けた被験

(3)

毛逸郎 ・ロ ーン悦子 ・ロ ーンマー :語 スキ げ お け話 者究 ‑面試験ンケ ーをもとに‑ 13 1

者で も,質的な分析 に よれば局所 的な

( l o c a l )

文法の間違いがか えって多 く認め られ る とい う例が見 られた。 また,図表の説明 をす るタスクでは,理解力で低い段階評価 を受け た被験者の方が, よ り高い段階評価 を受 けた被験者 よ りも説明が丁寧 に行 われているとい う例が見 られた。 この ことか ら, ここで行 われた数値 を使 って表す主観的評価方法では, 被験者の発話の質 を必ず しも適切 に評価 で きるとは限 らない と結論づけた。

po we r se ta

l

.( 1 9 9 9)

は,ス ピーキ ング能力 をよ り正確 に引 き出す ため に改定 された

TSE

テス トの妥当性 を検証 した。その アプローチ を実証す るために,主 に英語 を母 国語 とす る大学生 に

TSE

受験者の見本試験解答 を聞かせ, さまざまな反応,判断等のデー タ を集めた。受験者の

TSE

ス コア‑は,

TSE

の正式 な評価者 によって事前 に採点 されてお

り,

TSE

ス コア‑の全 ての レベルに及んでいる テープに録音 された受験者の

TSE

タス クに対 す る解 答 を,大 学生 が どの程 度 理解 してい るか を測 定 す るため に,

Se c o nda r y Li s t e ni ngTe s t( SLT

) を実施 した。その 目的は,

TSE

受験者が伝 えようとしたメ ッセー ジ (ス ピーキングの応答)を,リスナー (この場合,大学生の評価者)の能力で,どの桂度 正式なスコア‑を予測 しうるものなのか を調査することであった。分析の結果,評価者の判 断,反応,理解 と

TSE

スコア‑ レベルとの間に強い相関関係があることが明 らかになった。

3.

調査の目的

本稿 では,英語 ス ピーキ ングテス トを実施す る際 に, 日本人英語教 師 (

J TE)

と英語 母語話者の英語教 師

( NTE)

の間で, また 日本語教 師間で も, 中学英語教 師,高校英語 教師,大学英語教師の間で何 らかの差が出て くるか, また教師経験年数な どによりどの よ

うな評価の差が出て くるのかを分析することを目的 とした。ス ピーキ ングテス トを実施 し ているテス ト機 関が評価者の標準化 に苦慮 している現状 をふ まえ, また, 中,高等学校, 大学で実施 されるような様 々なス ピーキ ングテス トにおいて, どの ような点に注意す るこ

とで評価の標準化 につ なが るか を考察す ることが本調査の主たる 目的である

本調査 における調査課題 は次の通 りである

(∋ 日本人 と英語母語話者 の英語教 師の間に評価の差が出るのか。

もし差がある場合, どのような差 なのか。差が ない場合, どのような類似点が見 られるのだろうか。

② 日本人,英語母語話者 間に顕著 な評価 の差が出ない場合,アンケー トの結果 をも とに別の角度か らみると,その結果 どの ような評価の差 あるいは類似点があるの だろうか。 また どの被験者の場合 に評価 の差が顕著 に現 れるのか。

(彰 日本人の英語教 師間 (中学教師,高校教 師,大学教師) に評価 の差が出るのか。

もし差が出る場合,その要因は何 だ と考 えられるのか。 また,特 にどの タイプの 被験者 に対 して評価の差が顕著 に現れるのか。

4

.方法

前節 で設定 した調査課題 を解 明す るために実験 的なス ピーキ ングテス.トを大学生

1 5

名 (学部生

3‑ 4

年生,大学院生 1年生) に実施 し, 日本人英語教師

1 9

名 (大学教師

1

0名, 高校教 師

6

名,中学教 師

3

名) と英語母語話者 の英語教 師

8

名が評価者 として参加 した。

面接官 には,受験者 とは面識が‑切 ない英語母語話者1名が担当 した。面接官は,あるテ

(4)

132 長崎大学教育学部紀要 教科教育学

N o . 4 7( 2 0 0 7

年)

ス ト機 関の面接官の資格 を有す る者 ではないが,面接官が面接 をす るにあたって注意す る 点が書かれた資料 を事前 に十分読 んで試験 に臨んだ。 また,本実験 的試験前 にパ イロッ ト ス タデ ィー を実施 し,その録画 を もとに本試験 内容 の改善 を図った

。1 5

名 の受験者 の英 語力 は,TOEIC400‑ 800点程度である 試験 の内容 については,試験 の事前 に 「面接試 験 の方法」 カー ド (表1) を受験者 に読 んで もらった後, さらに面接官が試験 の要領 を直 接 受験者 に説 明 した。試験 は,受験 者

1

名,面接 官

1

名 の

1

1

の形 で行 われた。 まず ウオームア ップ として,挨拶 と簡単 な質問が

2

間行 われ,その後,ロールプ レイカー ド (表 2)が渡 され20秒 間の黙読 の後,その内容 に従 って,面接 官 か ら必要 な情報 を引 き出 し, 面接官の質問に答 える受験者 中心 の面接形式が取 られた。本試験 では,英検3‑ 4級 レベ ルにあ りが ちな面接 官 による一方的質問形式 はあえて避 けた。試験時間は,英検準

2

級程 度の約5‑ 6分 間に した。本試験 は全 て録画 され,上記評価者 は, ビデオに録画 されてい るイ ンタビューの発話 を もとに,後述す る ように

4

項 目を

5

段 階 に分 け判定 した (表

3 /

ス ピーキ ングテス ト評価基準表使用)。本試験 では,SST (StandardSpeakingTest)の評 価基準 を使用 した。SSTとは,英語 のス ピーキ ング能力 を判定す るイ ンタビュー形式のテ ス トで, 日本 の英 語教 育事 情 を考慮 した上 で,米 国の全米外 国語教 育協 会 (American Councilon theteachingofForeign Language;ACTFL)が 中 心 と な り開 発 したOral Pro丘ciencylnterview (OPI) を基 に して,ACTFLとアルクが共同開発 したテス トである

評価基準 (表3) は大 き く4つの項 目か ら成 り (①総合 的 タス ク ・機 能,(参テキス トの 型,③話題,状況,④正確 さ),特定 の項 目を重視す るので はな く,発話 を包括 的に評価 す ることが重視 されている。本試験 では,4つの項 目を柱 に置 き5段 階

( 1 .

Poor/劣 る, 2.Fair/や や劣 る

,3 .

Good/良 い,4.Very good/大 変 良 い,5.Excellent/非常 に良

い)で評価 された (表

4 /

ス ピーキ ングテス ト評価表使用)。

また同時 に,評価者 は,上記 のス ピーキ ングテス トの評価後,英語教育等 に関す るア ン ケー トに回答 した。 日本人英語教 師 には,「英語習得,英語教育状況 またはネ イテ ィブス ピーカー (英語母語話者) との経験 に関す るア ンケー ト

」9

間 (表

7)

に対す る回答 を求 め, また英語母語話者 の英語教 師 には,「英語教育状況 と英語 を第二言語 とす る人 との経 験 に関す るア ンケー ト

」8

間 (表

8)

に対す る回答 を求 めた。質問項 目は,

4

つの選択肢

か ら成 るが,項 目の中には,答 えが1つ とは限 らない もの も含 まれた。

1:

面接試験の方法

試験 は初めに面接委員 と簡単 な自由会話 を行います○次に<RolePlayCard>が手渡 されます (黙読時 間は

2 0

秒程度)oその内容に従 って,面接委員か ら必要 な情報 を引 き出 し,質問に答 えてい きますo例 えばRolePlayでは,面接官 と受験者は,先生 と生徒,店員 とお客 といったような役 を演 じなが ら,主 に受験者が リー ドして会話 を進めてい きます○最後 に<RolePlayCard>を面接委員にもどして終了 と

2:

RolepJaycard

YouareaforelgntOuristinAuckland,New Zealand.YouwanttoVisitRotorua,soyougotoseea traVelagent(youreXaminerisgoingtobethetraVelagent).A氏eryouhaVeeXplainedthesituation,

Askhim howtogettoRotorua.

@ Askabouttheprice,travelingtime,comfortetc.,andaskhisopinion.

(5)

稲毛逸郎・ローン悦子・O‑ンマリー:英語スピーキングテストに研る英語母語話者と日本人の評価傾向に関する研究一面接試験と英語教育等に関するアンケートの分析をもとにI133

3:ス ピー キ ン グ テ ス ト評 価 基 準 (4項 目) 1.総合的 タスク ・機能 (GlobalFunction)

言語 を使 って何がで きるか

<上級 レベル>

問題解決 をす る。正確 に時制 を使 う。詳細 な描写 をす る。

<中級 レベル>

質問 し,答 える。簡単 なや りと りをす る。 自分 の言葉 で表現 す る

<初級 レベル>

丸覚 えの表現 を使 う。モ ノの列挙 をす る

2.テキス トの型 (TextType) どんな構文や構成 を使 うことがで きるか

<上級 レベル>

語早句,単文,複雑 な文,段落

<中級 レベル>

語や句,単文,複雑 な文

<初級 レベル>

語や旬

3.話題 ・状況 (Context/ContentArea) どの ような状況で,何 について話す ことがで きるか

<上級 レベル>

ほ とん どのイ ンフォーマ ルな状況 とい くつか の フォーマルな 状況。一般 的な話題, 自分 自身の こ とと身近 な事柄 について 話せ る

<中級 レベル>

イ ンフ ォーマルな状況

自分 自身の こと,身近 な事柄 について話せ る。

<初級 レベル>

非常 に限 られた 日常生活の場面で 身近 な事柄 について断片的に話せ る。

4.正確 さ (Accuracy)

どれだけ発話 をきちん と聞 き,相手 に伝 えることがで きるか

(∋ 文法の正確 さ

語桑 (彰 発音

流暢 さ

社会言語学上の適切 さ

4:ス ピ ー キ ン グ テ ス ト評 価 表 評価者氏名

以下 の

4

分 野 別 評価 を 目安 に し, 当 て は まる番 号 を○ で 囲 んで下 さい

1.Poor 2.Fair 3.Good 4.Verygood 5.EXcellent

1,受験著名 分野

1.総合的 タス ク .機能 1 2 3 4 5 (言語 を使 って何がで きるか)

2.テキス トタイプ 1 2 3 4 5

(どんな構文や構成 を使 うことがで きるか)

3.話題 .状況 1 2 3 4 5

(どの ような状況で,何 について話す ことがで きるか)

4.正確 さ 1 2.3 4 5

(どれだけ発話 をきちん と聞 き,相手 に伝 えることがで きるか)

5.

データ分析

ま ず 初 め に , 日本 人 英 語 教 師 (JTE)と英 語 母 語 話 者 の 英 語 教 師 (NTE)間 の 評 価 平 均 値 と標 準 偏 差 値 を比 較 した (図 1)。JTEの 評 価 平 均 値 は 10.4,NTEは ,ll.7で あ り, NTEの 方 が JTEよ りや や 寛 大 な 評 価 を す る傾 向 を示 して い る ま た , 評 価 値 の 標 準 偏 差 値 は,JTE

2

.

2

,NTE

2

.4で あ り,NTEの 評 価 値 の 変 動 がJTEよ り もや や 大 きい と い う結 果 が 出 て い る ( 5)

(6)

1 3 4

長崎大学教育学部紀要 教科教育学

N o . 4 7( 2 0 0 7

年)

次 にやや寛大 な評価値 が 出た

NTE

J TE

の評価値 の差

( NTE

評価値

‑J TE

評価値 /図

2)

を見てみ る と,被験者

5

番 と

1 3

番 には

2 . 5

ポイ ン トもの差があ り,被験者

8

番,

9

番,

1 2

番 は比較 的近接 した結果が 出ている 被験者

5

番,

1 3

番 に関

LNTE

J TE

4

分野別評価項 目の差 を比較 してみた。被験者

5

番の場合,項 目

1

の総合的 タスク ・機能 に関

LNTE

J TE

に比べ よ り低 く評価 している 項 目2と3は

NTE,J TE

どち らもほ ぼ同 じ評価 を してい る しか し項 目4の正確 さにおいて

NTE

J TE

よ り高い評価 を し ている 被験者

5

,1 3

番 の試験 中の会話 を転写 し,会話 の流れ,正確 さの詳細 を確 認

した。被験者

5

番 は,

" pl a ne/t r a i n"

の発音 の違いが聞 き取 れず ロールプ レイ中 「ロ ト ルアまでの交通機関 を選ぶ」 タス クの決断 まで至 らなかったが,他 の

1 4

人の被験者 に比 べ,全体 的に丁寧 な表現

( mo r epl e a s a nt l ys po ke n)

を使用 していた印象 を受 ける 一方 被験者

1 3

番 の場合,全 ての項 目において,

NTE

J TE

に比べ高 く評価 していた。被験 者

1 3

番 の転写 された会話 を分析 す る と,文法的誤 り, また発音 の不正確 さが 目立つが, 聞 き取れない場面では何度 も尋ね直す など全体的に自信 を持 って会話 を確実 に進めていっ た印象 を受 ける 以上の結果か ら,被験者

5

番 に関 しては,

NTE

は被験者が タス クを達 成で きなか った ことで評価項 目 1の評価が

J TE

よ り低 くなっていると思われ るが,項 目

4

の正確 さにおいては,

NTE

J TE

よ り高い評価 を したのは,表現の丁寧 さが関係 して いるのではないか と考 え られる 一方被験者

1 3

番の場合 は,発音,文法の不正確 さは 目 立つが, 自信 を持 って確実 に会話 を進めていったことが

NTE

によ り良い印象 をもた らし た要 因ではないか と考 え られ る 全体 的に見 て

NTE

J TE

に比べ 内容,丁寧 さ,会話 の進 め方 を重要視す る傾 向にあるが,一方

J TE

は文法,発音 の誤 りが多い被験者 に対 し やや厳 しい評価 をす る傾向にあるようである

表 5:JTEとNTE評価平均値 と評価値の標準偏差値

評価平均値 標準偏差値

日本人英語教師

( J TE) 1 0 . 4 2 . 2

本ス ピーキ ングテス ト評価終了後のアンケー トによる調査結果 は表

7

,表

8

の通 りであ る このア ンケー トは,本ス ピーキ ングテス トの評価結果 と各 々の英語教 師の経験 内容 とが どの ような関係 があるか を調査す るため に実施 された。 日本人英語教 師 には,英語 習得状況 (ネイティブか ら英語 を学 んだ学習状況)の質問を加 えた

。J TE

NTE

の どち らに も第

2

言語話者

( J TE

にとっての第

2

言語話者 は,本調査 では英語母語話者であ り,

NTE

にとっての第

2

言語話者 は,英語母語話者以外 の 日本人 を含 む話者であ る) との 日 常 的な接触状況 について尋ねた。結果 は,表7,表8の示す通 りであ るが,回答者数 は,

日本人英語教師が

1 9

名 (大学教師

1 0

名,高校教 師

6

名,中学教師

3

名) と英語母語話者 の英語教 師が 8名であった。 ア ンケー ト (5)の項 目は

,J TE

,

NET

どち らも回答が複数 の回答 にな り得 る点 を注記 してお く アンケー ト (1)の英語教育経験 に関する質問につい ては,本調査 の評価者である

J TE

の場合 は,

1

年未満 か ら

1 0

年以上全 ての範 囲の教 師が 含 まれていたが,

NTE8

人 に関 しては,全員

1 0

年以上の英語教育経験があ り,その点 に 関 しては比較が出来なかった。

(7)

稲毛逸郎・ローン悦子・ローンマリー:英語スピーキングテストにおける英語母語話者と日本人の評価傾向に関する研究‑面接試験と英語教育等に関するアンケートの分析をもとに

11 3 5

Japanesevs.Non‑JapaneseGradingAverages

8642086

4

2

0

uo!1t2一>OC]PLtZPuelSSOP9

品 eJ

a^V

一一一一Non‑JapaneseSD

一一一一Non‑JapaneseAverage

JapaneseSD

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 StudentNo.

図1:日本人英語教師(JTE)と英語母語話者英語教師(NTE)との評価平均値及び標準偏差値の比較

AnaLysisofGradingVariationforAllltems(NomalizedAverage)

P!uGua

P

au!ppJD

∩)

図2 :JTEとNTEの評価値の差の比較

このアンケー トの 目的は

, NTE

の評価平均値 に対するそれぞれの評価者の評価がアンケー トの各項 目とどのような関係があるかを見 出す ことにある そのために,まず アンケー ト各 項 目①〜④ の(∋ ‑ 相関係数

0

,④ ‑ 相 関係数

1

として仮 に基準 を置 き,それに対す る相関 関係 (データの一貫性) を調査 した。それに加 え相関関係 の強 さを調査するために

NTE

評 価平均値 に対す る各項 目レベル別 (①〜④)傾向 (標準偏差値) も出 した (表

6 ) 。NTE

評 価平均値 に対す る各項 目別傾向は非常 に低 く,最 も高い傾向値で もわずか

1 6 %

である。

次 に

,J TE

の英語教 育 に携 わ った年数別評価平均値4

NTE

の評価平均値 とを比較 し てみた。表

7

の 日本人英語教 師 (評価者)の英語習得,英語教育状況 またはネイテ ィブス ピーカー (英語母話者) との経験等 に関す るア ンケー ト表 による と,

NTE

評価平均値 に 対す る英語教育年数別評価平均値 の相 関係数 は, どの教育年数別評価値 を取 って も相 関係 数が ほぼ

0 . 8

と極 めて相 関関係が高い こ とを示 している

その中で も

1

年未満 の教 師群5

0 . 6 9 8

,

1

年以上

5

年未満 の教 師群の相 関係数が

0 . 7 9 8

,

5

年以上

1 0

年未満 の教 師群が

0 . 8 1 3 ,1 0

年以上 の教 師群が

0 . 7 8

であった

。NTE

評価平均 値 に対 す る全体 的な教 育年数別評価平均値の相 関係数 は

0 . 6 5 5

であ り,教 育年数別 の相 関 係数の差 は非常 に少 ない ものの,全体 的 に見 る と教育年数が長 くなればなるほ ど

NTE

(8)

136 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47 (2007年)

評価平均値 に よ り近づ く傾 向 を示 してい る

表6:NTE評価平均値 に対 するア ンケー トの項 目別 データの一貫性 と 各項 目の レベル別 ((D〜④)傾向のJTEとNTE間の比較

項 目 JTE NTE

データの一貫性 項 目レベル別傾向 ( テ㌧一夕の一貫性 項 目レベル別傾向 ( (全体的相関係数) 準偏差値) (全体的相関係数) 準偏差値)

1 66% 10%

2 ‑37% 6% ‑ ‑

3 79% 6% ‑85% 16%

4 ‑53% 6% ‑ ‑

5 ‑ ‑ ‑ ‑

6 96% 8% 10% 14%

7 79% 10% 68% 6%

8 ‑100% 16% 30% 14%

荏 :データの一貫性 (相 関係数か ら割 り出 し,係数値 は

‑ 1

〜 +1) と項 目レベル別傾 向 (標準偏差値か ら 割 り出 し,値 は

O

‑ ‑0.5)の比較値が分か りやすいように全体 的相関係数Ⅹ100,標準偏差値Ⅹ200 とし てパーセ ン トの値 を算 出 した。尚,データ一貫性の欄 にあるマイナス ()記号 は,仮 に立てた基準 に対 して 反対の方向を表 していることを示 している。 また,項 目レベル別傾向のマイナス (‑)記号 は,値が極わずか で表すに催 しない もの。N/A(Nonapplicable),NTEのアンケー トにはない質問 (項 目9) を意味する。

表7:日本人英語教師 (評価者)の英語習得,英語教育状況 または

ネ ィテ ィブス ピーカー (英語母話者) との経験等 に関するア ンケー ト

経験 の種類 回答者数 回答者数率 NTE評価平均値 に

対する相 関係数(r) (1)英語教育に携わって何年 にな りますか ?

1年未満

1年以上5年未満 (参 5年以上10年未満

④ 10年以上

相関係数 (全体 的傾向) 標準偏差値

(2)英語圏の滞在経験 はどの くらいですか ?

ない

1年未満

( 1年以上5年未満 ( 5年以上

16485932

5.3% 31.6% 21.1% 42.1%

26.3% 47.4% 15.8% 10.5% 相関係数 (全体的傾向)

標準偏差値

(3)ネイティブスピーカー (英語母語話者)と会う機会はふつう過に何回ありますか (頻度) ?

(D ない (9 1‑ 2 ( 3‑ 5 (彰 5回以上

相関係数 (全体 的傾向) 標準偏差値

2 10.5% 7 36.8% 6 31.6% 4 21.1%

(4)ネイテ ィブス ピーカーに会 った時,平均的に英語で話す時間はどの くらいですか ? (∋ 1分以内

1‑ lo介 (勤 lo‑ 60

60分以上

相関係数 (全体的傾向) 標準偏差値

3 15.8% 11 57.9% 5 26.3%

0 0%

88351693777894433367一34991855793532397193470536787600.77.70.07778708780.0000000000一〇〇〇〇〇〇O000rnい

(9)

稲毛逸肘トン悦子・ローンマリー:英語スピーキングテストにおける英語母語話者と日本^の評価傾向に関する研究一面接試験と英語教育等に関するアンケ」の分析をもとに‑137

(5)そのネイテ ィブス ピーカー とは どの ような関係ですか ? (ネイテ ィブに会 うと答 えた教 師のみ回答)

友人 (∋ 職場の人

(勤 サー ビス業の人 (お店)

生徒

1 5.3% 18 94.7%

0 0%

0 0%

(6) ネイテ ィブス ピーカー (英語母語話者) に英語 を学 んだ期 間は どの くらいですか ?

ない ( 1年未満

( 1年以上5年未満 ( 5年以上

相 関係数 (全体的傾 向) 標準偏差値

2 10.5% 4 21.1% 8 42.1% 5 26.3%

0.722 0.779 0.789 0.82 0.96 0.041 (7)英語 圏あるいは 日本で ネ イテ ィブス ピー カー と会話 をす る上 で不快 な経験 を受 けた ことが あ ります

か ?

ない

1回ある ( 2‑ 5 ( 5回以上

相関係数 (全体 的傾 向) 標準偏差値

9162

47.4% 5.3% 31.6% 10.5%

0.695 0.790 0.781 0.795 0.789 0.047 (8) 日本語 を母 国語 としない人 (英語母語話者 を含 め) か ら,英語以外 の科 目を日本語で学 んだ ことが

あ りますか ? LIll ない (9 1‑ 2

3‑ 5

5回以上

相 関係数 (全体的傾 向) 標準偏差値

43021

73.7% 15.8% 0%

10.5%

(9)その教 師の 日本語 は分 か り易か ったですか (あると答 えた人のみ回答)

?

分か り易かった

少 し分 り辛かった (彰 かな り分か り辛かった

ほ とん ど分か らなかった

6 31.6%

0 0%

0 0%

0 0%

00 45一6

1

00176

7(.8000

表8:英語母語話者教 師の英語教育状況 と第2言語話者 との経験等 に関するア ンケー ト

Ba c k g r ou n dQu e s t i o n n ai r eo nEx a mi n e r s 'Te a c h j n gEx p e r i e n c ea n dUn d e r s t a n d i n g o fNo n ‑ n a t i v es p e a k e r s

Typeofexperience Number Responses Cor.toNTEs' ofresponses asapercentage gradingaverage (1)HowlonghaveyoubeenteachingEnglish

Lessthan1year

1‑5years

5‑10years

Morethan10years

(2)HowlonghaveyoubeenlivinginJapan?

Lessthan1year

1‑5years

③、5‑10years

Morethan10years

0008 %%%%000001

0 0%

0 0%

1 12.5% 7 87.5% (3)HaveyouevertaughtEnglishoutsideofJapan?Ifso,forhow long?

None

Lessthan1year

1‑5years

Morethan5years 相 関係数 (全体的傾 向)

4 50% 2 25% 1 12.5% 1 12.5%

85945772588877⁚o00O〇一

(10)

138 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47 (2007年)

標準偏差値

(4)Howmuchtimedoyouspeakwithnon‑nativespeakersofEnglish(inEnglish)perweek?

(∋Lessthanaminute

@ i‑10minutes

10‑60minutes

Morethan1hour

0 0%

0 0%

0 0%

8 100%

(5)What'syourrelationshipwiththenon‑nativespeakersreferredtointheabovequestion?

friends/socialacquaintances

Colleagues/businessacqualntanCeS

shopattendants

students

7 87.5% 5 62.5% 3 37.5% 7 87.5%

0.079

(6)Howmanycourseshaveyoulearnedfrom non‑nativespeakers(teachers)ofEnglish(inEnglish)?

None

1‑2times

3‑5times

Morethan5times 相関係数 (全体 的傾向) 標準偏差値

3 37.5% 2 25% 1 12.5% 2 25%

0.832 0.879 0.729 0.881

‑0.01 0.071 (7)Didyoueverfinditdi氏culttounderstandtheabovementionednon‑nativeteachers'English?

Notreally (勤alittledi臨cult

fairlydifBcult

verydifBcult 相関係数 (全体 的傾向) 標準偏差値

2 25% 1 12.5% 1 12.5% 1 12.5%

0.819 0.849 0.901 0.861 0.68 0.034 (8)Haveyoueverhadanunpleasantexperiencewithanon一mativespeakerofEnglish(including

Japanese)?

None

1‑2times

3‑5times

Morethan5times 相関係数 (全体的傾向) 標準偏差値

1 12.5% 2 20% 1 12.5% 4 50%

434545512306798830000000

図 3に よる と4つ の全体 的なグラフの傾 き具合 は,前半 はほぼ同 じであるが,被験者

1 0

番以降の評価 には多少のば らつ きがあることが示 されてい る さらに分か りやす くす るために, 図

4

を作成 した。図

4

は,

NTE

の評価 の平均値 をゼ ロに し,英語教育年数別 評価平均値 のば らつ きを

NTE

評価平均値 に対 し分析 した ものである

9

NTE

評価 (平均値 をゼ ロ とした)平均値 と

5

年未満 の教 師群 の平均評価 の差 は,

‑ 0 . 9

ポイ ン ト

,5

年以上

1 0

年未満 の教 師群が

‑ 2

.1ポイ ン ト,

1 0

年以上 の教 師群 は ‑

1 . 5

であった。 この結 果か ら言 えることは, どの教 師群 も

NTE

教 師群 と同 じような傾 向の評価 をす る ものの, 被験者

1‑ 1 5

番 を通 し,被験者9番 と

1 2

番以外 は一貫 して

5

年未満の教 師群の評価値 は

NTE

平均値 よりやや厳 しい評価 をす る傾向にあ り

,1 0

年以上 の教 師群が次にさらに厳 し い評価 を し,

5

年以上

1 0

年未満 の教 師群が

3

つの教 師群の中で最 も厳 しい評価 を した と 分析 で きる テス トの後半部分の被験者

8‑ 1 5

番 に関 しては

,5

年以上

1 0

年未満の教 師 群 は

1 0

年以上の教 師群 よ り

NTE

の評価平均値 によ り近い評価 を示 している

。1 0

年以上 の教 師群の場合 は

,5

年未満 の教 師群 と逆の傾向があ り

NTE

とほぼ同 じような寛容 な評 価で始 ま り,後半部では評価 にややば らつ きが出た。

次 に,

NTE

評価 平均値 に対 す る

J TE

の評価平均値 を学校 レベ ル別 (中学,高校,大 学) に比較 してみた。図

5

が学校 レベル別の全体 的 な評価平均値 の比較 であ るが,

NTE

(11)

稲毛逸郎・ローン悦子サ ンマリー:英語スピーキげテストにおける英語母語話者と日本人の評価傾向に関する研究一面接課と英語教育等に関するアンケ可の銅沌もとに‑139

AverageGradesbyTeachingExperience(JapaneseTeachersonly)andNon‑

JapaneseTeachers

4321O

S一t2101aPtZJ9

l

l LA . .・ ・.A::‑・.''̲̲;.・.:'..

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

StudentNo.

図3:英語教育年数の異 なる評価者 の平均値 と英語母語話者の評価値 との比較

の評価 は被験 者 1‑ 15番 を通 し一貫 してJTEの評価 よ りやや高 めの評価 をす る傾 向 にあ る しか し被 験 者9番 と12番 に関 して は 日本 人教 師群 の方 がNTE教 師群 よ りや や高 い 評価 を してい る 図6は,英語 教 育経験 別 の比較 同様 ,NTEの評価 平均 値 をゼ ロ (中央 値 /標 準値 ) に し,学校 レベ ル別 に評価 平均値 を比較 した ものであ る 大学教 師群 は, 図 5のNTEの評価 平均値 に対 す る 日本 人英語教 師学校 レベ ル (中学 ,高校 ,大学 ) の評価 平均値 の比較 に よる と,被験者 13番 と15番 以外 は中学教 師群 と高校教 師群 に比べ極 めて NTE評価 平均 値 に近 い評価 を してい る 表 10のNTE評価 平均値 と日本 人英語教 師学校 レベ ル (中学 ,高校 ,大学)別評価 平均値 との差 を見 て も,大学教 師群 の平均値 は,学校 レベ ル別教 師群 の中でNTEの平均値 に最 も近 い‑1.1ポ イ ン トで あ る

表9:NTEの平均値 (中央値 /ゼロ)に対 する英語教育年数別評価値の差

教育年数別教 師群 評価平均値

教育年数5年未満 の教 師群 ‑0.9 5年以上10年未満 の教 師群 ‑2.1

Average Grades by Teaching Experience (Japanese Teachers only)‑ Normalizedto Non‑Japanese Teachers asaut2dt2ruON一aqJOa^Oqt2Slu!OdapeJ9 012

aBlt2Ja^e

………‑…mmm‑‥……mm‥…‑…‑…‑IMN …tNm‥……‑…MI…‑p、ーLー 一、……、…‥

StudentNo. p・‑□・

. //至一一一芸ノ 芸、、 5 6 7

‑。‑J5>YearTeach.Exp.

‑.‑.一一△‑J5‑10YearTeach.Exp.

図4:英語教育年数の異なる評価者による評価平均値とNTEの平均値 (平均値をゼロに設定)との比較

(12)

1 4 0

765432109876S一t2101aPt2)9

長崎大学教育学部紀要 教科教育学 N847 (2007年)

AverageGradesbyTeachingLevel(JapaneseTeachers only)and…onJapaneseTeachers

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

StudentNo.

図5:NTEの評価平均値と日本人英語教師学校レベル (中学,高校,大学)別の評価平均値との比較

1

1の

NTE

評価平均値 に対す る 日本人英語教 師学校 レベ ル (中学,高校 ,大学)別 の評価平均値 の相 関関数の結果では, どの学校 レベ ルの教 師群 も相 関係数が

0 . 7

以上 と

NTE

教 師群 と極 めて高い相 関関係 を示 している 特 に大学教 師群 はその中で も最 も高 く

0 . 81 9

,次 に高校教 師群 の

0 . 7 6 8

,最後 に中学教 師群の

0 . 7 2 4

とい う結果が 出ている それ ぞれの相 関係数の変動 は小 さく

( 0

.1),全体的なデータの一貫性 は

0 . 9 9 9

と極 めて一貫 して お り,学校 レベル別傾 向は

0 . 0 4 8

とレベルが上が るにつれて

NTE

の評価平均値 に近い評 価 をす る傾 向 を示 している

6

による と高校教師群 の場合 は,後半部分でか な り

NTE

評価平均値 に近い評価 を示 している 一方, 中学校教 師群 は,被験者

8

番 と

1 2

番 に関 し ては

NTE

と全 く同 じ評価 を している ものの,全体的には大学教師群,高校教 師群 に比べ やや厳 しい評価 を している これは,表

1 0

NTE

教 師群 との平均値 の差が

‑ 2 . 2 9

ポイ ン

トとい う値 に も表れている 特 に,

4

つの教 師群

( NTE,J TE

中学

,J TE

高校

,J TE

大 学)の中で被験者

5

番 に関 しては,全 ての

J TE

教 師群が

NTE

教 師群 よ り

2

ポイ ン ト以 上低 い評価 を してい る また被験者

1

番,

6

番,

1 3

番,

1 5

番 に関 して は,

1

つあるいは

2

つの教 師群が

NTE

の評価 よ りか な り低 め に評価 してい る 被験者

8

番 と

1 2

番 に関 し ては,

NTE

J ET

の評価が逆転 し,

1

つの

J TE

教師群の平均値が

NTE

教師群平均値 よ りやや高めに表れている。 これは

,NTE

の教 師群の中に極端 に低 い評価 を した者がい る か らである 理由 として考 え られるのが,被験者

8

番の場合,文法的な誤 りは他の被験者 と比較 してそれほ ど多い方ではないが,返答 (応答)す るまでの時間が非常 に長かったた め一部の

NTE

にややネガテ ィブな印象 を与 えた可能性がある 被験者

1 2

番 の場合 も文 法的な誤 りに関 しては他の被験者 と大 きな違いはないが,イン トネーシ ョンが平板である ことが特 に 目立 っていたので,一部の

NTE

に全体的な会話がやや不 自然である印象 を与 えた可能性があると考 えられる

(13)

稲毛逸郎・ローン悦子・ローンマリー:英語スピーキングテストにおける英語母語話者と日本人の評価傾向に関する研究一面接試験と英語教育等に関するアンケートの分析をもとに‑

1 41

AverageGradesbyTeachingLeve(JapaneseTeachersonly)

‑NormalizedtoNonJapaneseTeachers

0

1234aBe,d^eaSaut2derJ.u

o

N

≧o

[aqJOa^Oqt2Slu!Od

a

ppJD

一・.ロト JuniorHighSchool

‑「トーHighSchool

6:

NTEの評価平均値に対する日本人英語教師学校レベル(中学,高校,大学 )別評価平均値との比較

表 1

0:

NTE評価平均値 と日本人英語教師学校 レベル (中学,高校,大学)別評価平均値 との差 学校 レベル 評価平均値の差

日本人中学英語教師 ‑2.29 日本人高校英語教師 ‑1.15

11:

NTE評価平均値に対する日本人英語教師学校 レベル (中学, 高 校 , 大学)別の 評価平均値の相関係数6及び標準偏差値

相 関関係 係数

NTEと日本 人中学英語教師

0 . 7 2 4

NTEと日本人高校英語教 師

0 , 7 6 8

NTEと日本人大学英語教 師

0 . 8 1 9

上記 の全体 的なデータの一貫性

0 . 9 9 9

学校 レベル別傾 向 (標準偏差値)

0 . 0 4 8

6.

考察

前節 で示 された

3

つ の分析 の結果 に よる と,調査課題項 目① の

NTE

J ET

の全体 的 な評価 の比較 に関 しては,多少 の評価 のば らつ きはある ものの両者が非常 に高い相 関関係 を示 してい る こ とが判 る 全体 的 には

NTE

の評価 の方が

J TE

の評価 よ りやや高 い (塞 大 な)傾向があった。

他の

2

つの分析 では, まず調査課題② に注 目し英語母語話者の持つ母国語 に対す る絶対 的な感覚 を基準 に して

( NTE

を評価 の基準 に し), 日本人英語教 師の教育年数別 (①

5

年 未満,②

5

年 以上

1

0年未満,③

1 0

年 以上)評価 平均値 とまた学校 レベ ル別 (中学,高 校,大学)評価 平均値 とを比較 した。 その結果, どの教 育年数別 も相 関係 数が約0.8で

NTE

評価平均値 と極 めて高い相 関関係 を示 してい るこ とが判 った。全体 的 に見 る と, ご くわずかではあるが教 育年数が長 くなるにつれ

NTE

評価平均値 との相 関関係が高 くなる 傾向があるとい う結果が出た。

(14)

1 4 2

apeJ9eJa^V

長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47 (2007年)

AveragebyEvaluator

>̲ i̲: }b̲

萱■ ■ 喜

手玉き

> , N LL) (ロ ト 0 ,‑ り , N Lf) 8 , 寸■ LL) くD 「 CO G)⊂) : ; ; ; ; ≡ 三 三 三 ・さ

5

図7評価者別評価平均値の比較 (個人差)

注 :

NTEAve

は英語母語話者評価平均値,

N

Jlは英語母語話者 1番

( No n Ja pa ne s e ) ,J Hl

は日 本人中学英語教師

1

,HSl

は日本人高校英語教師

1

,Uni l

は日本人大学英語教師 1番を意 味する

調査評価課題③ の学校 レベル別評価平均値 に関 して も, どの学校 レベルの教 師群 も相 関 係数が

0 . 7

以上で

NTE

評価平均値 と高い相 関関係 を示 している

。NTE

評価平均値 との相 関関係 は,前述の教育年数別教師群の結果同様わずかな差ではあるが,大学教 師群が最 も 高 く

0 . 81 9

,次 に高校教 師群が

0 . 7 6 8

,最後 に中学教 師群が

0 . 7 2 4

の順 である それぞれの 相 関係数の変動 は非常 に小 さいが学校段階が上が るに連れ

,NTE

の評価 によ り近い傾 向 を示 してい る

。NTE

評価平均値 との差 に関 して言 えば,大学 レベルの教 師群 の差が最 も 小 さく,次 にご くわずかな差であるが高校教 師群,最後 に中学校教師群 と続 く 大学 レベ ル教 師群が

NTE

評価平均値 によ り近い評価 の傾 向にある要 因の 1つ に,

NTE

教 師群 の ほぼ全員が同 じく大学で英語 を教 えてお り,英語 中学教師群,高校教師群 に比べ文法中心 の受験英語 か らよ りコミュニカテ イブな英語教育 に携 わっているか らではないか と考 え られる 次 に高校,中学 と続 く理由には,今 回の被験者が大学生であるため,各 々の教 師 が現在教 えている生徒の レベルを基準 に評価 を した可能性があるのではないか と考えられ る 特 に今 回評価の差が中学校 の教師群が最 も低いのは,中学校教師群 の中で極端 に低 い 評価 をした者がいたことが要 因の 1つ にあることを注記 してお きたい。

本実験 の結果か ら,全体 的 に見て

NET

J TE

教 師群の評価平均値 の相 関関係が非常 に高い と言 える 前述の ように,英語教育年数が長 くなればなるほ どご くわずかではあ るが

NTE

の評価平均値 に近づ くこ と, また

J TE

が勤務す る学校段 階が上昇す るほ どわ ずかであるが

NTE

評価平均値 に近づ く傾向を示 している ア ンケー トの結果,教育年数, 学校 レベル別評価平均値 と同様, ご くわずかではあるが

NTE

評価平均値 と相 関関係があ る項 目がい くつか見つかっている (表

6) 。

ここで注 目すべ きことは,図7を見 て判 る よ うに,評価 の差 は主 に個人差が最 も大 きい とい う点である この ことか らも言 えるよう に,ス ピーキングテス トを実施す る際 には,事前 にいかに慎重 に評価の個人差 を縮小す る かが,評価 の客観性 に大 きく影響す る と考 え られる そのためには,言い換 えれば,評価

(15)

稲毛逸郎・ローン悦子・ローンマリー:英語スピーキげテストにおける英語母語話者と日本人の評価向に関する研究一面舶験と英言撒育等に関するアンケ

の分析をもとに‑

1 43

の観 点の理解 ,及 びそれ らの観 点 をよ り客観 的 に評価す るための十分 な トレーニ ングがい か に必要であるか を示 唆 してい る と言 え よ 英語母語話者 の評価者 の比較 ・分析 につい ては稿 を改め る ことにす る

1.園田裕

( 200 6)

は,長崎県 内

70

の 中学校 で ア ンケー トを取 り,英語 ス ピーキ ングテ ス トが どの程度実施 されてい るか を調査 した。その結果,必要性 は感 じてい るが半分以上 の中学校 でテス トが実施 されてい ない現状が明 らか になった。

2.

非教 師 とは, ここで は英語 を外 国人 に教 え る

ESL

教 師 に対 し教 師で はない一般職 に ついてい る者 を表 わす もの とす る

3.

「局所 的誤 り

( l o c a le r r o r spe r1 0 0wo r ds )

」とは単語

1 0 0

語 あた りの文法的誤 りを言 う

4.年 数別評価 平均値 は,個人の評価 を よ り正確 にす る (個 人差 を縮小す る) ため に, ま ず教 師 ご とに

NTE

に対 す る評価 平均値 の相 関係 数 を出 し,その トー タル を教 師数 で割 り,

ここで使用 している教 育年数別評価平均値 の相 関係数 (表7)を割 り出 している

5.

3

は英語教育年数別 ((

∋5

年未満 ,②

5

年以上

1 0

年未満,(

彰1

0年 以上)評価者 の 平均値 と

NTE

の評価 平均値 を比較 した グラフで あ る ア ンケー トで は,教 育年 数 を①

1

年未満 ,② 1年以上

5

年未満,③

5

年以上

1 0

年未満,④

1

0年以上 と

4

つ に区分 してい る が, ア ンケー トの結果

1

年未満 の教 師が

1

人であ るため,図

3

で は① と② をま とめて①

5

年未満 として比較 した。

6.

1

1の相 関係 数 も注

4

と同様 に, まず教 師 ご とに

NTE

に対 す る評価 平均値 の相 関 係 数 を出 し,その トー タル を教 師数 で割 り (平均値 を出 し),学校 レベ ル別評価平均値 の 相 関係 数 を割 り出 してい る

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図 4: 英語教育年数の異なる評価者による評価平均値と NTE の平均値 ( 平均値をゼロに設定)との比較

参照

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