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雑誌名 同志社政策科学研究

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(1)

政策選択を志向した地方行財政改革のあり方に関す る一考察 : 中小企業への金融・税制支援事業を例 として

著者 中嶋 崇

雑誌名 同志社政策科学研究

巻 3

ページ 145‑164

発行年 2002‑02‑28

権利 同志社大学大学院総合政策科学会

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000004738

(2)

政策選択を志向した地方行財政改革のあり方に関する一考察

―中小企業への金融・税制支援事業を例として―

中 嶋  崇   

あらまし

 本稿は、現在の地方分権の流れの中での地方 行財政改革のあり方について考察を行うために、

望ましい地方独自財源確保策及び効率的・効果的 な自治体経営を行うための政策選択を最適に行 うための手法についてメニュー形式で述べ、こ のメニューの組み合わせを実際の自治体の政策 に適用し、シミュレーションを試みることを目 的としている。

 本稿においては、地方分権を「国に集中した権 限・財源を都道府県や市町村などの地方自治体 に委譲し、くらしに身近な地域のことは住民の 意向を踏まえて地方自治体が主体的に決められ るようにし、自治体としての経営責任を追及し ていこうとする取り組み」と定義している。1999 年、この地方分権をより一層進展させるために 地方分権一括法が施行され、様々な規定が行わ れたが、この地方分権一括法にも3つの課題が あり、これらの課題解決が歳入面での地方分権 を推進させる大きな柱となっていると考えられ る。

 そこで本稿においては、歳入では、単に地方分 権一括法が持っている課題に取り組むのではな く、課題解決のために具体的にどういった独自 課税を行うかといった課税政策等における政策 選択により地方自治体独自による抜本的な地方 財源の確保のシナリオの確立が必要であり、他 方、歳出では、住民志向・成果志向の観点から政 策選択の最適化が地域経済にとって有効な独自 の政策を地方自治体が打ち出していくと共に、

この政策選択の最適化を合理的に行うための手 法である行政評価への民間経営手法の活用によ り更なる政策選択の高度化を行うことが自治体

経営のあるべき姿であるという立場に立ち、大 阪府を例として、考察を行っている。

1.はじめに

 現在、国と地方自治体との関係において、地方 自治体の経営のあるべき姿として地方分権が議 論されている。本稿においては、地方分権を「国 に集中した権限・財源を都道府県や市町村など の地方自治体に委譲し、くらしに身近な地域の ことは住民の意向を踏まえて地方自治体が主体 的に決め、独自の政策を打ち出せるようにし、自 治体としての経営責任を追及していこうとする 取り組み」と定義する。この地方分権の推進に向 けて、1994 年に地方分権推進法が成立し、地方 分権推進委員会が発足している。この地方分権 推進委員会の発足により行政事務と税源配分の 見直しが進められ、本格的な地方行財政制度改 革への足がかりとなっている。地方分権推進委 員会は1996年から1997年にかけて5次にわたる 勧告を行ってきており、それらの成果として総 理府は 1 9 9 8 年に地方分権推進計画を発表し、

1999 年には地方分権一括法(地方分権の推進を 図るための関係法律の整備等に関する法律)が 成立し、地方分権の推進にとって大きな前進と なった。

 内容について見てみると、地方分権一括法に おいては、①国と地方の役割分担、②機関委任事 務の廃止等についての規定に加えて、課税自主 権をより一層拡充するため、この地方分権一括 法により地方税法の一部が改正され、法定外目 的税を創設すると共に法定外普通税・目的税に ついての許可制を事前協議制とする等の措置に

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ついて規定しており、地方分権推進のための地 方独自税財源の確保の基盤整備に寄与する内容 となっている。

 しかし、この地方分権一括法にも以下のよう な課題がある。

(

1)課税自主権の拡充と法人事業税の外形標準課 税化以外には、地方税等の税財源の強化など の財政的措置は具体化されておらず、抜本的 な地方財源の確保のシナリオができあがって いない。

(

2)法定外普通税・目的税について、許可制から 事前協議制へと変更されたが、依然として国 の同意を要するものとなっている。したがっ て、中央の裁量の余地が残されていることと なり、真の歳入における地方分権には至って いないものとなっている。

(

3)地方債の起債自主権が認可制のまま残され る。

 ここで、これら3つの課題について解決策を 考えてみると、地方自治体自身が解決すべき課 題と国による解決が期待される課題とに分けら れる。地方自治体自身が解決すべき課題に対し ては、抜本的な地方財源の確保のシナリオ確立 のための地方自治体自身による課税自主権の積 極的な行使をどのような税目、課税標準、税率で 行うのかといった課税政策上の政策選択を行い、

地方税の本旨に従った受益者負担による具体的 な自治体による独自課税の創設が解決策として 求められる。そして、国による解決が期待される 課題に対しては、自治体の独自課税が円滑に推 進されるように法定外普通税・目的税の創設に あたっての事前協議も廃止すると共に、財源調 達の分権を推し進めるためにも地方債の起債制 限を撤廃することが求められる。

 このように地方自治体が解決すべき課題は第 1の課題に、国による解決が期待される課題は 第2、3の課題に対応し、これら3つの課題のう ち、2つが国により解決されるべき課題である ことから、国による関与が現在の地方分権の推 進を阻んでいるといえ、地方自治体の政策選択 による地方財源確保への自助努力だけでなく、

国の支援も必要な状況となっている。

 他方、上記のように国及び地方の諸々の課題 解決により確保した地方財源は地域経済の発展 のために独自の特色ある政策を打ち出し、有効 に使用されることが望まれる。しかし現状にお いては、この財源の使い方に対する考え方も自 治体によって様々である。「表1」は自治体経営 の進展段階を整理したものである。

 これによると、人件費削減やシーリングによ る削減等の減量経営が現状地方自治体の財政再 建へ向けての行財政改革の手法となっており、

大阪府を始めとして財政状況を悪化させている 多くの自治体が財源・支出主義の第1段階にと どまっている。また、事業別予算等の行政評価の 導入を行い、行財政システムの変革に先進的な 取り組みを行っている自治体でさえも第2段階 にとどまっていることが多く、住民は競争市場 化にある企業において、民間の経営手法による 効率的・効果的な経営を行っているため、自治体 経営のあり方について潜在的に企業理念に準じ た自治体経営スタイルである第3段階のニーズ を持っており、財政難の近年、この住民との乖離 が目立つようになってきている。

 したがって、地方分権を推進し、財政再建を目 指す自治体としては、現在の財源主義・支出主義 の「行政管理」から今まで意識されることの少な かった3Eの原則を追求する「行政経営」への転 換のみならず、下表のようなアメリカの地方自

表1 自治体の経営段階

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治体がわが国の地方自治体と同様に財政危機に 直面していたときに生まれた理論であるNPM

(New Public Management;「新しい公共管理」)の 基本原理(①住民志向、②成果志向、③民間企業 の経営手法の活用、④権限委譲・分権化)に則っ た政策選択の最適化を中心とした「政策経営」へ と向上を図らなければ真の住民からの信頼は得 られないものと考えられる。

 このように歳入においては、単に地方分権一 括法の課題に取り組むのではなく、課題解決の ために具体的にどういった独自課税を行うかと いった課税政策等における政策選択により地方 自治体独自による抜本的な地方財源の確保のシ ナリオの確立が必要であり、歳出においては、住 民志向・成果志向の観点から政策選択の最適化 が地域経済にとって有効な独自の政策を地方自 治体が打ち出していくと共に、この政策選択の 最適化を合理的に行うための手法である行政評 価への民間経営手法の活用により更なる政策選 択の高度化を行うことが自治体経営のあるべき 姿であると考えられる。

2.政策選択のシミュレーション

―都道府県による中小企業への金融支 援事業のケース―

 ここでは、関西の自治体において深刻な財政 状態にある大阪府に政策選択の考え方を適用す ることとし、中小企業、特に中小製造業への金融 支援における政策選択のあり方についての考察 を行う。

 ここで、中小企業への金融支援策を政策選択 の対象範囲に定めた根拠としては、中小企業は 中小企業基本法において 我が国経済の活力の 源泉 と位置付けられているように、中小企業の 発展が地域産業の振興に大きく寄与すると考え られており、政策実施のインパクトが大きく、政 策選択の良否が大きく影響されやすい政策領域 であるため、且つ、中小企業は、税金の負担者と して、受益と負担を捉えるにふさわしい主体で あると考えたためである。

 本章の内容構成としては、まず第1節におい て、様々な財源確保のための方策が唱えられて いるが、その中から、国の積極的な取り組みを要 する方策を分類Ⅰとして4ケース、自治体の財

源選択が問われる課税自主権活用による財源の 確保の方策を分類Ⅱとして6ケース設定し、分 類Ⅰと分類Ⅱの組み合わせに関して財源確保の シミュレーションを行う。また、第2節では第1 節において確保された財源を有効に活用するた め、中小企業金融支援事業の政策代替案を融資、

税制(設備投資減税等)、信用保証、出資(直接 金融)・補助金の4つとしてその各々についてス トック効果及びフロー効果の両面からインパク ト分析を行うことにより最適と思われる金融支 援事業を選択すると共に、最も効率的・効果的な 財源確保策を選択するような仕組みを実際に大 阪府に適用しシミュレーションを試みる。そし て最後に第3節では、まとめとして、効率性に傾 倒する傾向があるものの効率性を優先する中小 企業政策の理念に則り、第1節で推計した費用 と第2節で推計した便益をもとに費用便益分析 によりシミュレーション結果の分析・考察を行 う。

2.1 政策選択のモデル化

2.1.1 財源の政策選択のケース分け

 先行研究により様々な自主財源、一般財源を 確保・増加させる方策が提案されている。そこ で、本節では、こうした様々な財源確保の方策か ら考えられる財源選択のパターンを後述のよう にケース分けし、「政策選択」における政策(事 業)の拡充・新設に対してどれほどの財源を確保 できるかをシミュレートする。なお、本稿におい ても、自治体単独での推進の可否の観点から、国 の積極的な取り組みを要する税源移譲や国庫支 出金の整理合理化による財源の確保の方策を分 類Ⅰ、自治体の財源選択が問われる課税自主権 活用による財源の確保の方策を分類Ⅱと大きく 分け、考察を行う。

 地方自治体単独で行うことは難しく、国の積 極的な取り組みが期待される国税から地方税へ の税源移譲や国庫支出金の整理合理化について は、所得税及び消費税の地方への一部移譲と特 定財源である国庫支出金の削減を行うと共に、

これらに相応する額の地方交付税の増減につい て推計を行うものとし、分類Ⅰとして以下の ケースを考える。なお、キャッシュフローを重視

(5)

した自治体経営が本稿の目的であることから、

拘束的な特定財源である国庫支出金を一般財源 化させるための整理合理化は必須項目としてい る。

<分類Ⅰ>

ケースA:所得税1%、消費税1%の移譲及び国 庫支出金の整理合理化

ケースB:所得税5%、消費税1%の移譲及び国 庫支出金の整理合理化

ケースC:所得税1%、消費税2%の移譲及び国 庫支出金の整理合理化

ケースD:所得税5%、消費税2%の移譲及び国 庫支出金の整理合理化

 また、課税自主権活用による財源確保として は、地方税として応益課税の観点から法人事業 税の外形標準課税(自治省の折衷案)、法人住民 税及び個人住民税の均等割部分に関してどの方 策を選択するかによりどれだけの財源を確保で きるかの推計を行うものとし、分類Ⅱとして以 下のケースを考える。なお、法人事業税に関して は、前述のとおり国税である法人税の税収に影 響を及ぼすため、相当額の地方交付税の削減に ついても考慮するものとする。

<分類Ⅱ>

ケース1:法人事業税の外形標準課税

ケース2:法人住民税の均等割部分の税額アッ プ

ケース3:個人住民税の均等割部分の税額アッ プ

ケース4:法人事業税の外形標準課税+法人住 民税の均等割部分の税額アップ ケース5:法人事業税の外形標準課税+個人住

民税の均等割部分の税額アップ ケース6:法人事業税の外形標準課税+法人住

民税の均等割部分の税額アップ+個 人住民税の均等割部分の税額アップ

2.1.2 便益帰着構成表によるモデル化

 本シミュレーションにおいては、政策自体の 効率化の総合評価フレームワークとして、便益 帰着構成表によって各ケースによる財源選択を 行った際の各主体ごとの財源の増減について整 理することとする。

 分類Ⅰ及び分類Ⅱの財源確保策を講じること によって、大阪府及びその他地域(自治体)の財 源の増減を便益帰着構成表を用いてシミュレー ションする。なお、シミュレーションに当たって は、主として『平成 12 年度版 地方財政統計年 報』等をもとに推計を行っているが、自治省等で 財源確保額の全国値等が推計されている場合は、

当該金額を全国(国)に適用している。

(1)分類Ⅰのケース:税源移譲及び国庫支出金 の整理合理化

 所得税の住民税への移譲については、[神野・

金子 98]の財源確保策と同様に、住民税の現行 税率表を修正せずそのまま使用し、制度移行に 伴うコストを低下させるため、本シミュレー ションでは住民税率のフラット化については考 慮を行わず、「表2」のように単純に住民税の税 率それぞれ3%分、10%分を住民税の現行税率 に上乗せする形をとることとし、シミュレー ションは、都道府県住民税にそれぞれ1%分、5

%分の移譲を行った際の大阪府及びその他地域 の増収額の推計を行うものとしている。なお、所 得税の住民税への一部移譲により、所得税の地 方交付税率は低下することとなり、移譲相当額 の地方交付税を全国一率に削減している。ここ で、こうした地方交付税の削減による外部性が 考えられるが、地方分権推進及び受益者負担を 優先するため本稿においては考慮しないものと する。

   

     

 

                                                                                       

表2 現行税率と移譲後の税率の比較

(6)

 

 

 

 

表3 ケースA:所得税1%、消費税1%の移譲及び国庫支出金の整理合理化

表4 ケースB:所得税5%、消費税1%の移譲及び国庫支出金の整理合理化

表5 ケースC:所得税1%、消費税2%の移譲及び国庫支出金の整理合理化

(7)

 また、消費税の地方消費税への移譲について は、地方財政統計年報における地方消費税収入 額分を1%とみなして移譲額の推計を行った。

これも住民税と同様に消費税の地方交付税率を 引き下げ、移譲相当額の地方交付税を全国一率 の削減を行っている。

 そして国庫支出金の削減額については、地方 財政統計年報における国庫支出金のうち、「普通 建設事業費支出金」及び「普通建設事業委託金」、

「財政補給金」、「電源立地促進対策等交付金」、

「石油貯蔵施設立地対策等交付金」を廃止するも のとして推計を行っており、削減相当額は地方

交付税に移転されるものとしている(「表3」〜

「表6」参照)。

(2)分類Ⅱのケース

 法人事業税の税収の推計に当たっては、主に

『平成10年分 税務統計から見た法人企業の実態

(平成 11 年 12 月)』(2000 年)をもとに行ってお り、簡単化のため、併用時の外形標準課税の税率 を1%に統一している。なお、当該外形標準課税 導入による法人事業税の増収により法人税が減 収されるため、税源委譲のときと同様に、法人税 表6 ケースD:所得税5%、消費税2%の移譲及び国庫支出金の整理合理化

         

         

表7 ケース1:法人事業税の外形標準課税

表8 ケース2:法人住民税の均等割部分の税額アップ

(8)

         

         

         

         

表9 ケース3:個人住民税の均等割部分の税額アップ

表 10 ケース4:法人事業税の外形標準課税+法人住民税の均等割部分の税額アップ

表 11 ケース5:法人事業税の外形標準課税+個人住民税の均等割部分の税額アップ

表 12 ケース6:法人事業税の外形標準課税+法人住民税の均等割部分の税額アップ

+個人住民税の均等割部分の税額アップ)

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の地方交付税率の引き下げ、すなわち、当該増収 相当額の地方交付税の削減を行う。

 また、法人住民税、個人住民税の均等割部分に ついては、地方財政統計年報のそれぞれの均等 割部分の税収をもとに推計を行っている(「表 7」〜「表 12」参照)。

(3)考察

 まず、分類Ⅰ単独で見てみると、「表 13」のよ うにすべてのケースで、大阪府については自主 財源比率及び一般財源比率が6割を超えており、

財源的には地方分権へ大きく前進するものと考 えられ、ケースB及びDに至ってはこの分類Ⅰ

のみで大阪府は不交付団体化することとなり、

大阪府にとっては国税の地方税への財源移譲や 国庫支出金の整理合理化の効果は大きいといえ る。

 分類Ⅰ及び分類Ⅱの双方の財源確保策を採用 する場合、24 通りの組み合わせ(パターン)が 考えられる。「表 14」はそれぞれのパターンで大 阪府域内のそれぞれの主体にどの程度の影響が あるかを示している。したがって、「大阪府」欄 が自治体として財源を確保できた額で、政策選 択において実施する政策(事業)の原資となるも のである。

 「表15」は本稿として代表的と考えられる4つ のパターンを抽出し、歳入決算額の推計を行っ

表 13 分類Ⅰの各ケースの歳入決算額の推計

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たものである。これによるとケースA、ケースC をそれぞれ含むパターン1、パターン 17 におい て大阪府について見るとほぼ不交付団体化しつ つあるものの不交付団体になり得ていない。つ まり、大阪府が不交付団体となる必要がある場 合、本稿のケースでいくと所得税の5%移譲が 必須であるといえる。

 また、全国的に見ると、すべてのパターンで一 般財源比率が5割を超えており、これらの財源 確保策を講じることにより地方分権を行うため の財源を確保できることが分かる。

 本稿においては、これらの財源確保策で確保 された財源をもとに第2節において政策選択の シミュレーションを行う。これら確保された財 源のうち何%分をある政策(事業)に充てるとど れくらいのインパクトがあるのか、の考察を行 い地域経済への影響を考慮した中小企業への金 融支援における政策選択により、あるべき政策

(事業)の方向性を明確化するためのシミュレー ションを行う。

表 14 分類Ⅰ及び分類Ⅱのケースの組み合わせ

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2.2 金融支援事業における政策選択 2.2.1 はじめに

( i ) 便益算定手法について

 本シミュレーションは、大阪府の中小企業に 対する各金融支援政策(事業)に対して消費者余 剰法による余剰概念を用いるため、投資需要関 数、資金供給関数の同時推計を行い、便益(「ス トック効果」)の定量化を行うと共に、産業連関 分析により他産業等に及ぼすフローの便益(「フ ロー効果」)の計測を行い、政策(事業)間の優

劣を付け政策選択の参考とすることを目的とし ている。

( ii ) 関数の推計方法について

 企業が直面する設備投資等における資金制約 は、情報の非対称性によるものであり、特に中小 企業は資金制約に直面する可能性が高い。資本コ ストは資本構成からは独立であるというモジリ アーニ・ミラーの定理(命題Ⅲ)の帰結から、資 本市場が完全であるとき、投資行動と資金調達行 動は独立して議論できるというインプリケーショ ンが得られていた。しかし、借り手である企業と 貸し手との間に情報の非対称性があるとき、投資 表 15 代表的パターン(組み合わせ)の歳入決算額の推計

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行動の説明には資金調達行動を同時に考察する必 要性が生じてくるため、本稿においては、先行研 究の考え方1に基づいて、資金供給曲線(公的貸 出関数)と投資需要関数の同時推定を行う。ここ で、資金供給関数とは通常の資金供給関数ではな く、個別中小企業が直面する資金制約を捉えた関 数であり、投資需要関数とは個別中小企業の投資 のための資金需要を捉えた関数であるとする。

 また、変数に使用したデータについては、過去に おける大企業や中堅企業を対象とした数々の研究成 果は主に個別企業のデータをもとに計測を行ってい るが、個別中小企業の財務内容についてのデータが 存在しないことから、クロスセクション・データを 採用することとし、大阪府全体の中小製造業を均質 化し、個別企業データとみなして計測を行う。ここ で、資本規模の小さい個別の中小企業では決算期ご とに財務内容が大きく変動するが、こうしたクロス セクション・データの採用により、その変動が平均 化され安定したデータが得られることが期待できる。

(iii) 便益計測(余剰分析、産業連関分析)の枠組 みについて

①余剰分析について

 中小企業貸出市場が均衡しているものとして、公 的貸出を増加させた場合の借り手としての中小企業 の余剰変化(消費者余剰の増分)を当該政策(事業)

のストック効果として測定する。ここで、消費者余 剰は、投資需要関数と資金供給関数の均衡点をNと するならば、△DINで表される(「図1」参照)。

 測定方法については、本来は多変数関数である 投資需要関数の消費者余剰は変数間の影響もあるた め、重積分によって計算されるべきである。しか し、  この多変数関数である投資需要関数と資金供給 関数の均衡点の算定方法は、  多元連立方程式によっ て解を求めなければならず、  解を導く上での単なる 頭数(多元式の式数)合わせのための、分析的には 無意味な関数も立式することとなり、  当該分析が実 態にそぐわないものとなる危険性を内包している。

 そこで本稿では、重積分による消費者余剰の 計量を行わず、多変数関数内の複数変数のうち から2変数づつ抽出(パターン分け)することに より、2次元(2元連立方程式)で消費者余剰の 計量を行い、それぞれの場合の計量値の合計を もって代替するものとした。

 具体的には、「図2」のように、政策実施によ り投資需要関数D−D、資金供給関数S−Sが、

それぞれD ' −D '、S ' −S ' にシフトするとする と、政策実施前後の消費者余剰はそれぞれ△D IN、△D ' I ' N ' で表される。したがって、ス トック効果としての余剰変化は△D'I'N'− △ DINで表される。これをパターン分けされた 説明変数の各々について行う。

図1 消費者余剰

図2 余剰分析

②産業連関分析について

 まず、有形固定資産額、研究開発費等を生産要 素とした生産関数の推計を行い2、この推計式に 政策実施による有形固定資産額及び研究開発費 の増加額を代入することにより、政策実施によ

  1[三井・河内 95]参照。

[浅子・国則・井上・村瀬 91]参照。

  2[中小企業庁 00]参照。

(13)

り付加価値額がどの程度増加するかの試算を行 う。

 そして、この試算された付加価値額に付加価 値率を乗ずることにより算出される売上高を製 造業における需要とみなして産業連関分析を行 い、中小企業の設備及び研究開発への投資額の 増加が他産業へ及ぼす生産誘発効果や雇用効果 等のフロー効果の把握を行う。

 生産誘発効果については、1次効果によって 生産が誘発された各産業における雇用者所得増 から生ずる家計消費増加額により新たな生産が 誘発される2次効果までの計測を行う。

(iv) 政策実施の税収増への影響の計測について  また、(iii)の便益の計測と併行して付加価値の 誘発額を計測し、当該政策(事業)による付加価

値増加額が自治体の便益として外形標準課税を 導入した場合の法人事業税の税収増にどれほど 貢献するかの把握を行う。なお、粗付加価値誘発 効果についても生産誘発効果と同様に2次誘発 効果までの計測を行う。

2.2.1 政策選択のシミュレーション

(1)関数の推計

 推計を行った資金供給関数及び投資需要関数 は「表 16」のとおりである。ここで、投資需要 関数、資金供給関数の推計に当たっては、説明変 数を投資需要関数、資金供給関数のそれぞれに ついて設定(データ期間は各説明変数とも昭和

表 16 資金供給関数及び投資需要関数の推計結果

(14)

55 年から平成 10 年のデータを採用)し、係数の 有意度の高い結果を用いる方が余剰計算の信頼 度が高いと考えられることから、これらの説明 変数の中から係数のt値(=係数の推計値/標 準偏差)がすべて 1.5 を超え、且つ自由度調整済 み決定係数が最大となる組み合わせを投資需要 関数及び資金供給関数の変数として採用を行っ た。

(2)ストック効果の計測

 (1)で推計した資金供給関数及び投資需要関 数をもとに、第1節のパターン 1、10、17、24 の それぞれにおいて確保した財源のうち、融資、税 制、信用保証、補助金・出資の4つの政策(事業)

それぞれに 10%、20%、50%充当したときの余 剰変化量を第1項で示した計測方法に則り集計 したのが以下の「表 17」である。

(3)フロー効果の計測

( i ) 生産関数の推計

 推計した生産関数は「表 18」のとおりである。

 推計方法は投資需要関数及び資金供給関数の ときと同様に、説明変数を設定(データ期間は各 説明変数とも昭和55年から平成10年のデータを 採用)し、係数のt値(=係数の推計値/標準偏 差)が高く、且つ自由度調整済み決定係数が最大 となる組み合わせを変数として採用した。

表 17 ストック効果計測結果

表 18 生産関数推計結果

(15)

表 19 パターン1のフロー効果計測結果

表 20 パターン 10 のフロー効果計測結果

表 21 パターン 17 のフロー効果計測結果

(16)

( ii ) フロー効果の計測及び法人事業税収入創出 額の算定

 フロー効果の計測及び法人事業税収入創出額 の算定については、第1項で述べた算定方法に 基づき行い、「表 19」〜「表 22」のような結果を 得た。

2.4 シミュレーション結果の分析・考察

 本節においては、まとめとして第 1 節及び第 2 節で行ったシミュレーションの結果をもとに、

大阪府にとってどの政策選択、財源選択が望ま しいかの分析・考察を行う。

 分析に当たっては、前述のとおり費用便益分

析は効率性に傾倒する傾向があるという欠点を 持つものの、中小企業政策の理念に則り、財源の 投入に見合うだけの便益があるかという観点か ら政策効率を追求し、本稿においては費用便益 分析を用いて政策選択を行うこととする。

2.4.1 大阪府全体での費用便益分析

 「表23」及び「表24」は大阪府が第1節のパター ン1及びパターン 10、パターン 17、パターン 24 で確保した財源のうち、それぞれ10%、20%、50

%充当したときの投入額と便益(ストック効果 及びフロー効果)との比率(費用便益)をあらわ したものである。

 これによると、ストック効果において最も望 表 22 パターン 24 のフロー効果計測結果

表 23 大阪府の財源確保額に対する費用便益分析結果(ストック効果)

(17)

ましい政策(事業)はパターン1における「信用 保証」であり、最も効果が薄いものはパターン17 における「融資」となっている。さらに、「信用 保証」においては充当割合が低いほど便益が高 くなる傾向があり、逆に「融資」においては、充 当割合が低いほど便益が低くなる傾向がみられ た。

 また、フロー効果において最も望ましい政策

(事業)はパターン1における「税制」であり、最 も効果が薄いものはパターン 24 における「信用 保証」である。そして、フロー効果においては、

「税制」、「信用保証」共に充当割合が低いほど便 益が高くなる傾向がある。

2.4.2 受益者負担に着目した費用便益 分析

 次に、受益者負担に着目した費用便益分析を 行う。本シミュレーションの主な受益者である 大阪府内の製造業のストック効果が製造業者の 税負担額に対してどの程度の影響があるかを前 項と同様に第1節のパターン1及びパターン10、

パターン17、パターン24で確保した財源のうち、

それぞれ 10%、20%、50%充当したときの投入 額との比率(費用便益)をあらわしたものが「表 25」である。

 これによると、ストック効果において最も望 ましい政策(事業)は、パターン 24 における「信 用保証」であり、最も効果が薄いものは同様にパ ターン 24 における「融資」となっている。

表 24 大阪府の財源確保額に対する費用便益分析結果(フロー効果)

表 25 大阪府内製造業の税負担額に対する費用便益分析結果

(18)

2.4.3 その他の税収増への影響

 第2節で計測を行った各パターンの雇用誘発 効果及び政策実施による税収増減額を一覧にし たものが「表 26」である。これによると、最も 望ましい政策(事業)は、共にパターン 17 にお ける「税制」であることがわかる。

 また、政策実施により税収が増加した場合、① 増加分だけ更なる政策実施を行う、②増加分の 法人事業税等の減税を行う、等の選択肢がある。

3.おわりに

 前章において、実在の自治体である大阪府に ついて、歳出においては、中小企業への金融支援 政策内に限定した形で歳入及び歳出の政策選択 の適用を行い、どの政策が大阪府として望まし いかを考えてきたが、前章の考察から、製造業に おいては信用保証による支援が有効であるとい えるが、他産業への生産誘発効果や雇用効果、政 策実施による税収増への影響等の波及効果も含 めて考えると税制による支援が効果的である。

他方、歳出における政策選択についてはトータ ル的な観点からパターン 17 が最も望ましいとい う結論に至った。

 したがって、大阪府の地方財源の確保のシナ

リオとしては、国税である所得税及び消費税か らそれぞれ府民税、地方消費税に1%、2%の委 譲が行われるという前提で、法人事業税は現行 の所得標準を2分の1の税率で、後の2分の1 を外形標準とする折衷案による課税を行うもの とし、加えて、個人住民税の均等割部分の税額を 2倍にすることにより独自財源の確保を行うこ とを提案したい。この財源確保策であると、「表 27」のように歳入総額に占める地方交付税収入 の割合が0.1%とほぼ不交付団体に近い状態とな り、地方分権を財源面で一歩前進させるものと なっている。

 また、歳出における大阪府独自の政策として は、上記のようにして確保した財源のうち 10%

のみを中小企業に対する設備投資減税等の税制 による優遇措置に充てることとすることが最も 効果的な政策選択となるため、現状の融資に重 点が置かれた中小企業への支援を現状の国によ る設備投資減税等の税制上の優遇措置に上乗せ するような形で、大阪府独自の減税として政策 を打ち出していくことが期待される。

 本稿では実務面を重視し、地方分権が推進さ れたときの歳入及び歳出の政策選択シミュレー ションを行うため、歳出においては、中小企業へ の支援が地域経済の活性化につながるとして中 小企業政策内の金融支援事業での政策選択につ いて限定した中での一考察を行った。しかし、地 表 26 その他の税収増への影響

(19)

域公共財全体として他地域への波及効果等を考 慮した自治体独自の政策を打ち出すための条件 について理論的に分析を行うと共に、その理論 を実際に照らし合わせて実証分析を行うことも 理論に裏打ちされた政策提案を行うことを可能 にするため、必要であると考えられる。こうした 点を含めた地方分権のあり方に関する研究につ いては今後の課題としたい。

 加えて、本稿のストック効果の測定では、必ず しも貨幣換算する必要はないという立場に立っ て厚生の尺度で分析を行ったが、費用便益を計 算するにおいては、費用が貨幣単位であるため、

便益も貨幣単位で表したほうが政策間の優劣が 分かりやすい。このため、所得の尺度である等価 変分(EV)による便益の計測についても行って みる価値があると考えられるため、等価変分に よる便益計測についても今後の課題としたい。

 また、本稿では詳しく説明していないが,AB C/ABMは費用便益分析等の行政評価手法の 高度化に大きく寄与するとされている。しかし、

シミュレーション中にABC/ABMを盛り込 むことは大阪府における金融支援事業に関わる すべての業務を洗い出すのに加え、各業務活動 に対する発生頻度・所要時間やこれにまつわる その他の経費等を収集しなければならないため、

本稿のシミュレーションではそこまで踏み込む ことができなかった。今後の課題としては、行政 評価の高度化を図るため、諸外国の政府・自治体 におけるABC/ABM活用の研究に加え、民 間企業におけるABC/ABM活用のベストプ ラクティス適用の研究を行い、我が国の自治体 への適用の可能性について探ると共に、NPM 理論に則り、バランスト・スコアカード等のその 他の経営手法との融合による行政評価について 検討を行っていきたい。

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表 21 パターン 17 のフロー効果計測結果

参照

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