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自閉症の特性に対応した美術教育実践研究

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Academic year: 2021

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自閉症の特性に対応した美術教育実践研究

障害児教育専攻 森 本 秀 代

I 序 論

養護学校の美術教育は,生徒一人ひとりの個 性を引き出し,造形活動を通して創造する喜び を味わい情操を豊かにする教育である。美術教 育を通して心を和ませ情緒の安定を図ることが 大切である。最近の知的障害養護学校では、自閉 症児が増加傾向にある。養護学校では個別指導 計画を立て,個々の生徒の実態に合った授業を しているが, 自閉症の特性に対応した美術指導 は難しい口自閉症についてE. S c h p 1 e 

rは,自閉症の原因は脳の器質的な異常にある と考える立場を明確にして TEACCHプロ グラムを創設したの TEACCHプログラムの 考え方の中に,①アセスメントをしっかりする こと,②自閉症は視覚情報処理lこ

5

齢、とされて しもので,環境を視覚的に構造化をすることが ある。そこで種々の検査により自閉症児を適格 に評価し,発達レベルに合った指導をすること,

および,絵カードや写真, 1 2色相環などの視 覚的耕オを考案・使用することの有効性を,美 術指導中の生徒の制作態度と作品, T. Tに入 っていた教師や担任及び保護者のアンケートに よる評価により検討する口またその指導方法に ついて考察する。

E 研 究 方 法

1.対象生徒 T県立K養護学校高等部3年 生の3名 の 自 閉 症 生 徒 指 導 者 筆 者 2.指導期間・時間・形態・場所

指導教官 橋 本 俊 穎

( 1 )事前調査期間

2 0 0  1年 3月'"'"'2001年 4月 (2 )美術指導期間

2 0 0  1年5月'"'"'2001年9月 時 間 毎 週 火 曜 日

3校時 10:30'"'"'1110  4校時 1120'"'"'12:00  但し就業体験・校内実習期間は授業がなかった。

(3)教育課程・時間割

高等部 3年生の美林?科の授業の前半 (20名) の授業にT・Tとして入って自閉症生徒3名を 対象に美術指導をした。

(4)指導形態

自閉症生徒3名に同時に同じ題材で美術指導を した。自閉症生徒A,B, Cが一つの机 (90 c m X  1 8 0  c m)に座り,筆者は生徒A,B, 

Cの間を必要に応じて移動して個別指導したり 全財旨導を美体激師がしているの全体指導者で ある美術教師は導入の部分と机間巡視と授業の まとめの指導をした。

(5 ) 場 所 養 護 学 校 高 等 部 美 術 室 3.美術指導内容

授業担当者の美術教師のたてた年間指導計画 に沿って決められた題材を実施した口題材は 写真立て制作(工作),修学旅行の思い出を描 こう(水彩画),運動会のポスター,学校祭ポス ター制作(デザイン)で、あった口

4.指導方法、配慮事項

(2)

①制作は生徒自身が描くことが大切なので生徒 が自分で描けるように視覚的耕オ等を使用し て、視覚的に分かりやすくした。

②自閉症生徒は同時に多くのことを指示すると 理解しにくいので二語文ぐらいの短し、言葉か けや説明をした。 1校時が40分授業である が、美術の授業中における制作部分の時間帯 は筆者が直接指導できるので,制作時間のみ を事例研究の対象とした。

5.事 後 検 査 と 調 査 事 例 研 究 後 の 9月'"'‑'1 O月の問に 3名の生徒に第 2回目のグッ

ドイナフ人物画矢崎

E

検査を実施した。また、

保護者と教師にアンケートを実施した。

皿 事 例 研 究 1.問題と目的

(事例 1.生徒A)生徒Aは 17歳 11か月で 自閉的傾向が軽度である男子生徒,指示符ちを 少なくし、自分で制作できる時間を多くする口

(事例2.生徒B)生徒Bは、話し言葉のない,

表出言語が少ない多動傾向のある 17歳7か月 の男子生徒。問題行動を少なくし自分で制作で きる時間を多くする。

(事例 3.生徒C)生徒Cは、話し言葉のない、

表出言語が少ない指示待ち傾向のある 17歳1 Oか月の男子生徒口指示待ちを少なくして自分 で制作できる時間を多くする。

2.指導開始時の事前調査

①青年期成人期自閉症教育診断検査 :AA P E P②新版 S ‑ M社会生活能力検査③グ ッドイナフ人物画知能検査④12色の色名 検査⑤ P E P ‑ R⑥小児問題行動質問表で の検査⑦

W A1  S‑R

知能検査⑧家庭での 生活調査などを実施した。対象生徒によりで きなかった検査もあった。

W  結 果

(事例 1)生徒Aは 5月頃は制作中指示待

ち傾向があったが文字カードや視覚的耕オ を使用して視覚的に分かりやすく指導する と、自分で制作できる時聞が増えた。足の表 現が写実的に描けたり,色彩豊かに制作でき た。指示待ちをしないで質問ができるように なった。

(事例 2)生徒Bは、 5月頃は奇声、指かみ、

体操服の襟をかむ、多動行動等の問題行動が あったが、 6月頃より問題行動が少なくなっ た。自分で制作できる時間が増えた。作品も 色彩豊かな作品が多数制作できた。

(事例 3) 生徒Cは、表出言語がないので、

指示待ち傾向は刑務売しであったO しかし、教 師の指示が分かると一気に集中して制作が できた。鉄やカッターナイフを使用してレタ

リング文字を丁寧に切ることができたの V  考察

①絵カード、写真、 12色相環、色カード等 の視覚的教材の使用は有効で、あった口

②生徒を理解するために事前調査として各 種検査を実施したことは、自閉症のアン バランスな発達を理解するのに役立ったの

③  問題行動は、話し言葉のない生徒にとっ ては、代用言語でないか。それはマイナ スのイメージを与える代用言語である ので減らしたい。話し言葉のない自閉症 生徒にとって、絵画表現等の非言語コミ ュニケーションの手段を持つことはス

トレスを回避させる手段であるの VI  まとめ

自閉症の美術指導では生徒の特性を理解 し,対人関係をよくした上,視覚的耕オを使 用すると効果的で、あった。卒業後の余暇活動 として繋げるために学校時代に絵を描くこ とが好きになるような美術指導が必要であ る。

参照

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