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‐粉末成形法の影響-

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Academic year: 2021

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那智黒石粉末利用法のFS検討

‐粉末成形法の影響-

中 村 信 広

,久 貝 克 弥

Feasibility study on effective utilizing methods of Nachiguro stone powder

Influence of powder molding process

Nobuhiro NAKAMURA and Katsuya KUGAI

Nachiguro stone is a natural stone produced in the Kumano Region and is used for producing Ink stone and Goishi.

In the production of Ink stone and Goishi, a large amount of powder appears as a byproduct. To date, the Nachiguro stone powder is only used in the production of resin products.

In the present study, Nachiguro powder sintering process method can manufacture black sintered compact.

In this paper, we report whether Nachiguro stone slip castingis utilizable in the powder molding process method or not.

Keyword Nachiguro stone powder, Powder molding process method

1.緒 言

那智黒石は,熊野地域で産出される漆黒のある天然石で あり,硯や碁石に加工されている.那智黒石は,一定方向 に割れるへき開性を持っているため専ら研削加工で行わ れている.この研削加工時に大量の削り粉末が発生し,こ れまで廃棄物として処理されてきたが,40 年前より樹脂 と混合した練り製品として再利用され,主として置物用と して販売されてきた.しかしながら,樹脂と練り合わせて いるため,耐候性や食品衛生上の問題から,屋内用置物と しての用途に限られ,その他の商品として利用されていな いのが現状である.本研究では,那智黒石粉末の新しい利 用方法と新商品の開発を目的として,焼結加工法に着目す るとともに,那智黒石の生産業者は,一般の個人商店であ ることから,商品の製作にあたり設備の導入および生産コ ストがかからないように配慮しながら研究を進めてきた.

前報では,那智黒石粉末が焼結加工法に利用可能か否かに ついて報告した1).その結果,焼結時に還元雰囲気にする と那智黒石と同様の漆黒を失うことなく焼結することが

明らかになった.また,前報では,那智黒石粉末が焼結加 工法に適しているか否かについて調べることが目的であ ったため,粉末成形法に関しては,製作が容易な円筒形状 のプレス成型で行ったが,今後種々の那智黒石焼結商品を 作成するにあたり,那智黒石粉末に適した粉末成形法を考 慮する必要がある.粉末成形法には,種々の方法があるが,

今回は,石膏型を用いた泥しょう鋳込成型法で粉末成形体 の製作を試みた.本報では,石膏型を用いた泥しょう鋳込 成形法が那智黒石粉末の成形法として適している否かに ついて考察した結果について述べる.

2.実験方法および装置

2.1 泥しょうの製作

今回製作する泥しょうは,重量比で那智黒粉末1に対し て水3の割合で混合したものを使用した.一般的に泥しょ うには粒子を分散させるために解こう剤として水ガラス を混合するが,今回は那智黒石粉末と水のみで製作した.

また,研削加工後の那智黒石粉末は,平均粒径が約 60 μmと大きく,水と混合してもすぐに沈殿したため,泥し ょうとして使用することができなかった.このため,研削 加工後の那智黒石粉末を自動乳鉢で36時間粉砕後,アル

*近畿大学工業高等専門学校

総合システム工学科 機械システムコース

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ミナボールミルで96時間粉砕した粉末を使用した.なお,

この粉末の平均粒径は,0.67μmである.

2.2 実験試料の製作

実験試料は,市販されている湯のみ,フクロウの置物,

風鈴などから石膏で型取りを行って泥しょう鋳込み用鋳 型を製作した.また,鋳込み後は石膏型から成型体を外し,

自然乾燥をおこなった.

3.実験結果および考察

3.1 泥しょう鋳込み成型後の成形体

図1の写真は,製作した泥しょう鋳込み用鋳型に鋳込ん だ後,自然乾燥させた成型体を示したものである.写真か らもわかるように泥しょう鋳込み成型法で種々の製品が 製作できることわかった.

図1 泥しょう鋳込みで製作した粉末成形体

また,泥しょう鋳込み成型は,一般的に図2に写真に示 したように中空製品の製作に適した方法であるが,押湯を することにより図3の写真のように中実製品も製作でき ることがわかった.従って,泥しょう鋳込み成型法で複雑 形状の中実体および中空体の那智黒石粉末成形体を製作 できることがわかった.

図2 泥しょう鋳込み成型法で製作した中空体

図3 泥しょう鋳込み成型法で製作した中実体

3.2 焼結時における収縮の影響

図4は焼結前の置物と焼結後の焼結体を比較したもの である.この時の焼結方法は,前報と同じくヤシがら活性 炭に試料を埋め込み,電気炉を使用して焼結温度 1000℃

で1時間焼結した後,常温まで炉冷を行っている.焼結を 行うと収縮が生じるが、那智黒石粉末成形体においても写 真からも分かるように焼結後の大きさが小さくなってお り収縮している.写真に示すフクロウの置物における焼結 前後の体積変化を測定した結果,約 43%の体積収縮率で あった.一般的な陶芸に使用される粘土や磁器における粉 末成型から焼結後までの収縮率は12~15%2)であるため,

体積収縮率が約40%となることから,那智黒石焼結体は,

一般的な収縮率であると考えられる.

図4 焼結前後の成形体の比較

4.結 言

那智黒石粉末の焼結については,これまでの研究から那 智黒原石と同じ黒色に焼結できることが明らかになって いるため,今回は焼結前の粉末成形法について調べた.ま た,粉末成形法に複雑形状の製品ができる泥しょう鋳込み 成型に着目し,泥しょう鋳込み成型が那智黒石粉末の成形 法に適しているか否かを調べた結果,次のような知見を得 た.

(3)

1.研削加工後の那智黒石粉末の平均粒径は,約 60μm と大きいため,水に混合してもすぐに沈殿し,そのまま では泥しょうとして利用できないことがわかった.

2.自動乳鉢およびアルミナボールミルで粉砕して製作し た泥しょうは,複雑形状の中空製品および中実製品を製 作することができることがわかった.

3.焼結による那智黒石粉末焼結体の体積収縮率は約43%

で,一般的な陶芸における収縮率と同じであることがわ かった.

参考文献

1)中村信広:那智黒石粉末利用法のFS検討-焼結加工 法の影響-,近畿大学工業高等専門学校研究紀要第8号,

近畿大学工業高等専門学校研究紀要委員会,(2014)

23-25

2)吉木文平:鉱物工学,技報堂(1967),447

参照

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