A Study of Students' Understanding of Parts of Speech in Japanese Lower Secondary Schools
教科・領域教育専攻 言語系(英語)コース 横 田 澄 子
1. はじめに
品詞は第2言語教育の,特に文法指導におい て必要な知識である。この認識を,声を大にし て言う者はいないが,換言すると,口にする必 要もないくらいごくあたりまえの認識であると も言える。第2言語を学ぶ者で,語の品詞を意 識せずに学習してきた者などいないはずであるD
中学校学習指導要領の外国語の学習目標に掲 げられている「実騨句コミュニケーション能力」
の育成のためには,英語の授業において,コミュ ニケーション活動が必要である。日常生活にお いて,教室以外では英語を使う場がほとんどな く,授業において,生徒に可能な限り多くのア ウトフ。ットやインタラクションを与える必要が あるからである。しかし,中学校における授業 時間数の少なさを考えると,コミュニケーショ ン活動だけでは英語力を十分に育成できないの も否定できない事実である。そこで、,効率的な 英語指導のためにも,明示的文法指導も重要親
されなければならない。
その重野見されるべき明示的文法指導におい て,品詞の果たす役割は非常に大きいと考えら れる。それは,中学校学習指導要領に提示されて いる文法項自には多くの品詞が用いられている ことや,荒木 (1982),田鍋(200ω,際日(199ω らが文法指導における品詞の意義について述べ ていることからも明らかである。しかしながら,
指 導 教 員 山 森 直 人
実際には生徒は品詞を十分に理解しているとは 言えず,また,品詞をどの程度理解しているの か, どの程度指導すべきかも定かでないのが現 状である。
したがって,中学生の品詞理解の現状を明ら かにすることは,効果的な文法指導を行う上で 意義があると考えられる。そこで,本研究では,
日本人中学校英語教師の品詞の扱し1に関する意 識と実態とともに 中学生の品詞への意識と理 解の現状およひ漢語力との関係を明らかにする ことを通して,英語授業における品詞指導のあ り方を追求することを目的とした。
2.概要
第一に,品詞に関して,言語学,教育,第2 言語習得の3つの観点から先行研究を概観したO
そして,各観点において明らかにされた点を基 に,以下の 7つの調査課題を設定した。
(1) 品詞使用に対する教師の意識や実態 (2) 中学生の品詞瑚卒に対する教師の認識 (3) 品詞に対する中学生の意識や実態
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中学生の品詞理解の状況(ゆ 英語と日本語の品詞の違いが品詞理解 に及ぼす影響
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日本語が英語の品詞理解に及ぼす影響 (7) 中学生の品詞理解と英語力との関係、
第二に,調査課題(1), (2)を明らかにするた
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めに,香川県の公立中学校83校に勤務する英 語科教師249名に対して質問縮局査を実施した。
調査の結果から,品詞は英語学習に必要である と諒哉している梯市や国語科の品詞学習の実態 を認識していない教師, さらには品詞の扱いに 関して明確な指導方針のない教師の実態が浮き 彫りlこされた。
第三に,調査課題 (3),(4), (ゆ, (6), (のを 明らかにするために,香川県の公立中学校3年 生3クラスを対象に,品詞に対する意識キ明卒 度を測る調査を実施したD 調査を通して,まず 調査課題 (3)に関して生徒は品詞用語を知っ ているがその理解度は品詞によって異なること が明らかにされた。そして,英語学習における 品詞知識の必要性を認識している一方で,授業 における品詞用語の多用に対しては明確な考え をもてずにいる生徒の実態も明らかになったD
調査課題 (4)に関しては,まず,日本語品詞の 方が英語品詞より理解度が高く, 日本語の品詞
において準明示的および暗示的に 7~8 割程度,
英語の品詞において準明示的および暗示的に6 割程度の理解度で、あった。次に,生徒にとって 品詞,特に副詞を言葉で説明することは難しい ことが分かったo そして,生徒のほとんどが品 詞理解のあり方として (a)品詞の説明も識別 もできる, (b)説明はできないが識別はできる,
(c)説明も識別もできない,のいずれかの状態 に属していることが確認された。調査課題 (5) に対しては, 日本語品詞と英語品詞の違いが影 響していることが明らかになった。特に, 日本 語の語形による定義は,英語の形容詞理解を阻 害することがあることが明らかになった。調査 課題 (6)に関しては,英語の品詞理解に英語の 日本語訳が大きく関与していることが示唆され た。具体的には,英語の品詞識別において,英
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語の日本語訳を日本語の品詞概念に照らし合わ せて識別を行っていることが想定された。最後 の調査課題(吟については,英語の能力に品詞 理解が大きく関与していることが示唆された。
そして,品詞を言葉で説明ができなくとも,品 詞の識別さえできれば,英語能力は保証される
ことが示唆された。
3.教育的示唆
本研究で明らかにされたことから,品詞の識 別を目指した品詞指導の重要性が確認された。
品詞指導にあたり,まず,教師に対しては,国 語科における品詞学習の時期や生徒の英語品調 理解に影響を与える日本語品詞と英語品詞の違 いについて正しく認識することが求められる。
次に,品詞指導において,語形の概念,特に日 本語品詞における言腕の概念は英語形容詞の理 解を妨げる可能性があるため注意が必要である
こと,そして,品詞の機能の概念を意識させる 指導が必要であることなどが示唆された。
4.今後の課題
今後の課題として,以下の5点が挙げられる。
①調査で扱う各品詞の語数を増やし,より信頼 性のある結果を導くこと,②品詞理解の発達段 階を解明するために他学年で調査を実施するこ
と,③品詞理解と英語の4技能との相関関係、を 明らかにすること,④効果的な品詞指導のあり 方を追求すること,⑤品詞の機能に関する生徒 の理解のあり方を明らかにすることである。
{文献】
・荒木英善(1982)r品詞の決定に関する一考察ーそ の特性に注目してJ~名古屋商科大学論集J] 27(1),
413・429
・白金環 (200ω『英文拍手のプロセスの指導談話の 結束性と拍手』東京:渓水位
・渡苦閉ー(199ω『英文法を撫でる』東京:PHP研 究 書.