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集光型太陽電池ー総論

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高効率化合物太陽電池の基礎、研究開発の現状と将来展望

― 高 効 率 III-V族 太 陽 電 池 の 基 礎

山 口 真 史 豊 田 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 1 . は じ め に

砒 化 ガ リ ウ ム ( GaAs) や 燐 化 イ ン ジ ウ ム ( InP) な ど の III-V族 化 合 物 半 導 体 太 陽 電 池 は 、 宇 宙 用 太 陽 電 池 と し て 実 用 化 さ れ て い る 。 こ れ ら の 材 料 は 、 光 電 変 換 効 率 が 最 適 な バ ン ド ギ ャ ッ プ エ ネ ル ギ ー 1.5eVに 近 く 、か つ 放 射 線 耐 性 に 優 れ て い る か ら で あ る 。ま た 、 III-V族 化 合 物 半 導 体 の InGaP/InGaAs/Ge3 接 合 構 造 太 陽 電 池 の 集 光 動 作 で 、 効 率 43.5% が 実 現 し て お り 、 4接 合 、 5接 合 の 多 接 合 化 に よ り 、 効 率 50% 以 上 の 超 高 効 率 化 が 期 待 で き る 。 地 上 用 太 陽 光 発 電 シ ス テ ム と し て 、 現 在 主 流 の 結 晶 Si技 術 、 2 番 手 の 薄 膜 技 術 に 続 き 、 3 番 手 と し て 、 III-V族 化 合 物 の 集 光 技 術 が 期 待 さ れ て い る 。 こ こ で は 、 超 高 効 率 が 期 待 さ れ る III-V族 太 陽 電 池 の 基 礎 に つ い て 述 べ る 。 2 . III-V族 化 合 物 半 導 体 の 基 礎 物 性 と III-V族 化 合 物 太 陽 電 池 の 特 徴 表 1 に は 、 III-V 族化 合物半 導体 の種 類と基 礎物性 値 1)を 示 す 。 化 合 物 半 導 体 の 特 色 は 、 二 元 化 合 物 で さ え 、 基 礎 物 性 定 数 で あ る 禁 止 帯 幅 、 格 子 定 数 な ど の 取 り 得 る 値 が 広 く 分 布 し て お り 、 さ ら に 、 三 元 や 四 元 混 晶 で は 、 広 範 囲 に 物 性 を 変 え ら れ る 。 光 電 変 換 効 率 の 高 い 太 陽 電 池 を 実 現 す る た め に は 、 太 陽 光 ス ペ ク ト ル に 整 合 さ せ る 必 要 が あ り 、 太 陽 電 池 材 料 の 禁 止 帯 幅 E g とし て 1.4~1.5eV 程度 が最 適と考 えら れて おり、 E g 1.41eV の GaAs、 1.35eV の InP や 1.44eV の CdTe な ど が 該 当 す る 。 III-V 族 半 導 体 は 、 一 般 に 、 イ オ ン 性 を 残 し た 共 有 結 合 の 安 定 性 の た め 、 結 晶 欠 陥 が 少 な く 、 化 学 量 論 的 安 定 性 に 優 れ た 完 全 性 の 高 い 大 型 の 結 晶 や 高 純 度 の エ ピ タ キ シ ャ ル 膜 が 得 ら れ る 。 ま た 、 ド ー ピ ン グ 制 御 が で き 、 成 分 元 素 の 欠 陥 が 不 純 物 を 補 償 す る 自 己 補 償 効 果 が 少 な い と い う 特 徴 を 持 っ て い る 。 こ れ ら の 特 色 が 、 Ⅲ - Ⅴ 族 化 合 物 半 導 体 を 太 陽 電 池 以 外 に も 、 半 導 体 レ ー ザ や 受 光 素 子 な ど の

(2)

2 光 デ バ イ ス や ヘ テ ロ 接 合 ト ラ ン ジ ス タ な ど の 高 速 電 子 デ バ イ ス な ど 、 各 種 デ バ イ ス 用 材 料 と し て 、 有 用 な も の に し て い る 。 III-V 族 化 合 物 半 導 体 太 陽 電 池 は 、 高 効 率 、 耐 放 射 線 性 等 の 特 徴 を そ な え 、 太 陽 電 池 を 構 成 す る 半 導 体 材 料 の 禁 止 帯 幅 の 制 御 が 可 能 な の で 、 効 率 の 良 い 太 陽 光 の 利 用 を 目 指 す 積 層 型 な ど の 超 高 効 率 太 陽 電 池 へ の ア プ ロ ー チ を 可 能 と し て い る 。こ れ は 、2 元 化 合 物 か ら 、 3 元 、 4 元 へ と 、 半 導 体 混 晶 の 組 成 比 を 変 え る こ と で 、 格 子 定 数 、 禁 止 帯 幅 な ど の 物 性 定 数 の 制 御 が 可 能 で あ る 特 徴 に 依 っ て い る 。 重 要 な 物 性 定 数 と し て 、 ① 格 子 定 数 、 ② 禁 止 帯 幅 、 ③ 光 吸 収 係 数 、 ④ 屈 折 率 ( n 、 k )、 ⑤ 移 動 度 、 ⑥ 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 、 ⑦ 熱 膨 張 係 数 、 ⑧ 熱 抵 抗 率 、 ⑨ バ ン ド 不 連 続 、 ⑩ 密 度 、 ⑪ デ バ イ 温 度 、 ⑫ 比 熱 、 ⑬ 誘 電 率 、 等 で あ り 、 特 に 、 太 陽 電 池 と し て 重 要 な 物 性 は 、 ① ~ ⑨ で あ る 。 2.1 禁 止 帯 幅 と 格 子 定 数 格 子 定 数 と 禁 止 帯 幅( バ ン ド ギ ャ ッ プ )は 、材 料 選 択 の 最 も 基 本 的 な 量 で あ る 。図 1 は 、 III-V 族 化 合 物 半 導 体 混 晶 の バ ン ド ギ ャ ッ プ と 格 子 定 数 の 関 係 を 示 す 。 こ こ で 注 意 を す る 必 要 が あ る の は 、薄 膜 系 の 混 晶 は 、常 に 格 子 不 整 の 影 響 下 に あ る こ と で あ る 。格 子 不 整 は 、 通 常 ミ ス フ ィ ッ ト 転 位 で 緩 和 さ れ る と な っ て い る が 、 完 全 に 緩 和 さ れ る わ け で は な く 、 格 子 定 数 の 変 化 を も た ら し 、 歪 を 与 え 、 物 性 定 数 に 大 き な 影 響 を 与 え る 。 図 1 III-V 族 化 合 物 半 導 体 混 晶 の バ ン ド ギ ャ ッ プ と 格 子 定 数 の 関 係 種 々 の 混 晶 に つ い て 、 特 に 直 接 遷 移 の バ ン ド ギ ャ ッ プ の 組 成 依 存 性 が 報 告 さ れ て い る 。 表 2 に 、 3 元 混 晶 の バ ン ド ギ ャ ッ プ の 組 成 依 存 性 を 示 す 。

(3)

3 表 2 3 元 混 晶 の バ ン ド ギ ャ ッ プ エ ネ ル ギ ー の 組 成 依 存 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 化 合 物 直 接 遷 移 間 接 遷 移 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ AlxGa1-xP 2.26 + 0.22x ・ ・ AlxGa1-xAs 1.424 + 1.247x, (0 <x <0.45) 1.900 + 0.125x + 0.143x2 ・ 1.424 + 1.247x + 1.147 (x-0.45)2,(0.45 < x < 1) ・ Al1-xInxAs 1.450 + 2.29(0.52-x) ・ ・ In1-xAlxP 1.351 + 2.23x ・ ・ In1-xGaxP 1.351 + 1.429x + 0.786(x-1) ・ ・ InxGa1-xAs 1.4 + (0.36-1.4)x -0.4x(1-x) ・ ・ GaAs1-xPx 1.441 + 1.091x + 0.210x2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2.2 III-V 族 化 合 物 半 導 体 の 光 吸 収 係 数 図 2 に 、 III-V 族 化 合 物 半 導 体 の 光 吸 収 係 数 の フ ォ ト ン エ ネ ル ギ ー 依 存 性 1)を 示 す 。 ほ と ん ど の III-V 族 化 合 物 半 導 体 は 、 直 接 遷 移 形 の エ ネ ル ギ ー 帯 構 造 で あ る の で 、 急 峻 な 吸 収 端 を 有 し 、 光 吸 収 係 数 が 大 き い こ と は 、 薄 膜 太 陽 電 池 と し て の 有 用 性 を 示 し て い る 。 InP を 例 に と る と 、 そ の 光 吸 収 係 数 は 、 次 式 で 近 似 で き る 。 α = 4x104( h ν - 1.31)1/2 [ cm-1] , 1.31eV< h ν < 1.58eV, ( 1) α = 1.1x107exp( -9.9/h ν ) [ cm-1] , h ν > 1.58eV, ( 2) こ こ で 、 h ν は 光 子 エ ネ ル ギ ー [eV]で あ る 。 図 2 III-V 族 化 合 物 半 導 体 の 光 吸 収 係 数 の フ ォ ト ン エ ネ ル ギ ー 依 存 性 2.3 III-V 族 化 合 物 半 導 体 太 陽 電 池 の 特 徴 化 合 物 半 導 体 太 陽 電 池 は 、上 記 の 基 礎 物 性 に よ り 、Si 太 陽 電 池 と 比 較 し て 、以 下 の 特 徴 を 有 し て い る 。

(4)

4 ① 高 効 率 が 期 待 で き る 。

太 陽 電 池 の 光 電 変 換 の 理 論 効 率 は 、 半 導 体 の 禁 止 帯 幅 に 依 存 す る 。 太 陽 光 ス ペ ク ト ル と の 整 合 の 点 か ら 、1.4~ 1.5eV 程 度 の 禁 止 帯 幅 を 有 す る 半 導 体 が 、高 効 率 太 陽 電 池 材 料 と し て 適 し て い る 。 禁 止 帯 幅 1.1eV の Si に 比 べ て 、 1.41eV の GaAs、 1.35eV の InP や 1.44eV の CdTe な ど の 化 合 物 半 導 体 材 料 で 高 効 率 が 期 待 で き る 。 ② 薄 膜 化 に 適 し て い る 。 Si は 、間 接 遷 移 形 の エ ネ ル ギ ー 帯 構 造 の た め 、光 吸 収 係 数 が 小 さ く 、太 陽 光 を 十 分 に 吸 収 す る た め に は 、100μ m 以 上 の 厚 さ が 必 要 で あ る の に 対 し て 、化 合 物 半 導 体 の 多 く は 直 接 遷 移 形 で 、 光 吸 収 係 数 が 大 き い た め 、 数 μ m 程 度 の 厚 さ が あ れ ば 、 十 分 高 い 効 率 が 期 待 で き る 。 太 陽 電 池 を 薄 く で き る こ と は 、 材 料 、 電 力 の 節 約 が 可 能 と な ろ う 。 ③ 耐 放 射 線 損 傷 特 性 を 有 し て い る 。 一 般 に 、 動 作 領 域 が 浅 い こ と と 直 接 遷 移 形 で あ る た め 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 が 短 く 、 耐 放 射 線 性 が 期 待 で き る 。 こ れ に よ り 、 化 合 物 半 導 体 太 陽 電 池 、 特 に 、 III-V 族 化 合 物 太 陽 電 池 は 、 宇 宙 用 太 陽 電 池 と し て 実 用 化 さ れ て い る 。 ④ 高 集 光 動 作 が 可 能 で あ る 。 Si よ り も 禁 止 耐 幅 の 大 き い 化 合 物 半 導 体 で は 、高 温 動 作 時 で も 、暗 電 流 の 変 化 が 小 さ く 、 太 陽 電 池 効 率 の 減 少 が 小 さ い 。従 っ て 、集 光 動 作 時 に お け る 温 度 の 影 響 は 少 な く 、1000 倍 以 上 の 光 集 光 動 作 も 可 能 で あ る 。 ⑤ 波 長 感 度 の 広 帯 域 化 に よ る 高 効 率 化 が 期 待 で き る 。 各 種 半 導 体 の 組 合 せ に よ り 波 長 感 度 の 広 帯 域 化 が 可 能 で 、 多 接 合 構 造 に よ り さ ら な る 高 効 率 化 が 期 待 で き る 。 3. 多接 合 構造 太 陽電 池高 効率 化 の基 礎 3.1 多 接 合 太 陽 電 池 の 高 効 率 化 の 可 能 性

20

30

40

50

60

1

2

3

4

5

6

(%

)

接合数

集光 非集光 図 3 多 接 合 太 陽 電 池 の 理 論 効 率 の 接 合 数 依 存 性 単 接 合 太 陽 電 池 で は 、変 換 効 率 28~ 31% が 限 界 で あ る 。さ ら に 高 効 率 化 を は か る た めに は 、 波 長 感 度 帯 域 を 拡 大 す る 必 要 が あ り 、 バ ン ド ギ ャ ッ プ の 異 な る 材 料 か ら な る 太 陽 電 池 を 多 層 に 積 層 し た 多 接 合 構 造 が 主 流 で あ る 。 多 接 合 太 陽 電 池 の 効 率 計 算 は 、 多 く 2,3 )あ る

(5)

5 が 、 図 3 に は 、 Fan ら の 計 算 結 果 2)を ベ ー ス に ま と め た 多 接 合 太 陽 電 池 の 理 論 効 率 の 接 合 数 依 存 性 4)を 示 す 。 3、 4 接 合 の 非 集 光 で 、 効 率 42、 46% 、 集 光 動 作 で 52% 、 55% の 高 効 率 化 が 期 待 で き る 。 太 陽 電 池 の 集 光 動 作 は 、 非 集 光 に 比 べ て 、 絶 対 効 率 で 7~ 12% の 効 率 向 上 が 可 能 で 、 魅 力 的 で あ る 。 多 接 合 太 陽 電 池 の 高 効 率 化 の た め に は 、 構 成 材 料 の 選 定 も 重 要 で あ り 、 バ ン ド エ ン ジ ニ ア リ ン グ が な さ れ る 。 図 4 は 、 3 接 合 タ ン デ ム 太 陽 電 池 の 変 換 効 率 に 及 ぼ す ト ッ プ セ ル お よ び ミ ド ル セ ル の バ ン ド ギ ャ ッ プ の 組 み 合 わ せ を 示 す 。 3 接 合 を 例 に と る と 、 高 効 率 の 観 点 か ら は 、最 適 バ ン ド ギ ャ プ の 組 み 合 わ せ は 、1.8/1.1/0.66eV で 、InGaP/Si/Ge3 接 合 セ ル な ど が 候 補 と な る が 、 格 子 不 整 合 系 で あ る 。 格 子 整 合 の 観 点 か ら 、 1.85/1.4/0.66eV の 組 み 合 わ せ の InGaP/GaAs/Ge3 接 合 セ ル が 主 に 研 究 開 発 さ れ て き た 。 図 4 3 接 合 タ ン デ ム 太 陽 電 池 の 変 換 効 率 に 及 ぼ す ト ッ プ セ ル お よ び ミ ド ル セ ル の バ ン ド ギ ャ ッ プ の 組 み 合 わ せ 3.2 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 (少 数 キ ャ リ ア 寿 命 )と 太 陽 電 池 特 性 化 合 物 半 導 体 太 陽 電 池 材 料 の 重 要 な 物 性 パ ラ メ ー タ は 、 多 数 キ ャ リ ア の 移 動 度 μ 、 抵 抗 率 ρ 、 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 τ あ る い は 拡 散 長 L で あ り 、 特 に 、 太 陽 電 池 に お い て は 、 再 結 合 効 果 が 重 要 で あ る 。 こ れ ら の 物 性 値 は 、 材 料 中 の 不 純 物 、 欠 陥 、 結 晶 粒 界 、 表 面 な ど に 影 響 さ れ る 。 多 接 合 太 陽 電 池 の 効 率 は 、 太 陽 電 池 各 層 の 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 に 依 存 す る 。 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長Lは 、LDで あ り 、 次 式 で 与 え ら れ る 移 動 度お よ び 少 数 キ ャ リ ア 寿 命の 支 配 要 因 の 理 解 と 制 御 が 必 要 で あ る 。 ) 3 ( / kT eD   こ こ で 、

e

:電 子 電 荷 、

D

:少 数 キ ャ リ ア 拡 散 係 数 、

k

:ボ ル ツ マ 定 数 、

T

:絶 対 温 度 で あ る 。 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 は 、 放 射 再 結 合 寿 命

Rと 非 放 射 再 結 合 寿 命

NRに よ り 、 ) 4 ( / 1 / 1 / 1  R NR で 表 さ れ る 。 放 射 再 結 合 寿 命

Rは 、 キ ャ リ ア 濃 度

N

に 対 し て 、 次 式 で 与 え ら れ 、

)

5

(

/

1 BN

R

放 射 再 結 合 確 率Bは 、 次 式 5)で 与 え ら れ る 。

(6)

6 2 5 . 1 5 . 1 12 1 1 300 1 1 10 58 . 0 g n p n p E T m m m m x B                            [ 3/ ], s cm (6) こ こ で 、

: 誘 電 率 、

m

p

m

n:正 孔 ,電 子 の 有 効 質 量 ( 自 由 電 子 単 位 )、

E

g:バ ン ド ギ ャ ッ プ エ ネ ル ギ ー( 電 子 ボ ル ト )、GaAs、InGaP で、各々 、

B

2

x

10

10

cm

3

/

s

B

1

.

7

x

10

10

cm

3

/

s

と 報 告 6 )さ れ て い る 。 図 5 は 、 p-GaAs、n-GaAs の少数 キャ リア 寿 命のキ ャリ ア濃 度依存 性 6 )を 示 す 。 図 5 p - GaAs、 n-GaAsの 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 の キ ャ リ ア 濃 度 依 存 性 ま た 、 非 放 射 再 結 合 寿 命

NRは 、 次 式 で 与 え ら れ る 。 ) 7 ( / 1

NR 

ivthNri こ こ で 、

i:i 番 目 の 再 結 合 中 心 の 捕 獲 断 面 積 、

v

th:少 数 キ ャ リ ア の 熱 運 動 速 度 、

N

ri:i 番 目 の 再 結 合 中 心 の 濃 度 で あ る 。 (4)~ (6)式 か ら 、 キ ャ リ ア 濃 度 , 再 結 合 中 心 の 制 御 が 必 要 で あ る こ と が わ か る 。図 6 に は 、GaAs ヘテ ロ フェイ ス構 造太 陽電池 の特性 と少 数キ ャリア 拡 散 長 と の 関 係 に 関 す る 計 算 結 果 を 示 す 。 図 に 示 す よ う に 、 少 数 キ ャ リ ア の 拡 散 長 お よ び 寿 命 は 、 太 陽 電 池 の 短 絡 光 電 流 密 度 Js c に 大 き く 影 響 し 、 太 陽 電 池 の 変 換 効 率 を 支 配 す る 重 要 な 物 性 パ ラ メ ー タ で あ る 。 簡 単 に 表 す と 、 短 絡 光 電 流 密 度 Js c お よ び 開 放 端 電 圧 Voc は 、 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 L や 寿 命 τ と 、 次 式 に 示 す 関 係 に あ る 。 Jsc ∞ e g L = e g ( D τ )1/2, ( 8) oc = ( n*k T / e ) l n ( J sc/ J0 + 1 ), ( 9) J0 = e niW / τ = e niW D / L2, ( 10) こ こ で 、e は 電 子 電 荷 、g は 光 に よ る キ ャ リ ア 発 生 率 、D は 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 定 数 、n* ダ イ オ ー ド の n 値 、 k は ボ ル ツ マ ン 定 数 、 T は 絶 対 温 度 、 J0 は ダ イ オ ー ド の 逆 方 向 飽 和 電 流 密 度 、 ni は 真 性 キ ャ リ ア 密 度 、 W は 空 間 電 荷 層 幅 、 で あ る 。 N (cm-3) 1015 1016 1017 1018 1019  (ns) 100 101 102 103 104 p-GaAs n-GaAs

(7)

7 図 6 GaAs 太 陽 電 池 効 率 の 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 依 存 性 に 関 す る 計 算 結 果 ま た 、 多 数 キ ャ リ ア の 移 動 度 μ 、 抵 抗 率 ρ は 、 太 陽 電 池 の 直 列 抵 抗 R と 、 次 式 の 関 係 に あ る 。 太 陽 電 池 の 直 列 抵 抗 R が 大 き く な る と 、 曲 線 因 子 F F が 低 下 す る の で 、 直 列 抵 抗 を 低 く 抑 え 、 F F を 高 く す る よ う に 、 設 計 す る 必 要 が あ る 。 R ∞ ρ = 1 / ( e n μ ), ( 11) こ こ で 、 n は キ ャ リ ア 濃 度 で あ る 。 多 接 合 太 陽 電 池 に お け る バ ル ク 再 結 合 損 失 低 減 の 例 と し て 、NREL に よ る AlGaAs に 代 わ る 高 品 質 InGaP ト ッ プ セ ル 材 料 の 提 案 7 )が あ る 。 AlGaAs 中 の 酸 素 は 、 再 結 合 中 心 と 働 き 8 )、効 率 向 上 の 制 約 と な っ て い た が 、 InGaP の 採 用 は 、多 接 合 セ ル の 高 効 率 化 に つ な が っ た 。 表 3 に は 、 ト ッ プ セ ル 材 料 InGaP と AlGaAs の 特 徴 を 比 較 し て 示 す 。 表 3 ト ッ プ セ ル 材 料 InGaP、 AlGaAs の 比 較 InGaP AlGaAs 界 面 再 結 合 速 度 <5x103 cm/s 104~ 105 cm/s 酸 素 関 与 欠 陥 少 多

窓 層 ( E g) AlInP( 2.5eV) AlGaAs( 2.1eV) 他 の 課 題 p-AlInP の 高 ド ー プ が 難 低 効 率 ( 2.6% )

図 7 (A) MBE 成 長 AlGaAs 膜の 酸素 濃度 の違 いによ る DLTS スペク トルの 違い 、 (B)ダ ブ ル キ ャ リ ア パ ル ス DLTS 測 定 に よ る 酸 素 関 与 欠 陥 が 再 結 合 中 心 で あ る こ と の 同 定

(8)

8

図 7 (A)は、MBE 成長 AlGaAs 膜の 酸素濃 度 の違い による DLTS(Deep Level Transient Spectroscopy) ス ペ ク ト ル の 違 い 、 (B)は 、 ダ ブ ル キ ャ リ ア パ ル ス DLTS 測 定 に よ る 酸 素 関 与 欠 陥 が 再 結 合 中 心 で あ る こ と の 同 定 8)を 示 す 。 AlGaAs 中 の酸 素 関与欠 陥(0.86eV)は 、 ダ ブ ル キ ャ リ ア パ ル ス DLTS 測 定 の 結 果 、 再 結 合 中 心 と し て 働 く こ と が 明 ら か と な り 、 AlGaAs よ り も 、 InGaP が ト ッ プ セ ル 材 料 と し て 適 し て い る と 考 え ら れ る 。 図 8 InGaP ト ッ プ セ ル の 表 面 再 結 合 速 度

S

お よ び ベ ー ス 層 の 少 数 キ ャ リ ア 寿 命

と InGaP ト ッ プ セ ル 活 性 層 の フ ォ ト ル ミ ネ ッ セ ン ス ( PL) 強 度 の 関 係 InGaP ト ッ プ セ ル の 高 効 率 化 に 向 け 、 フ ォ ト ル ミ ネ ッ セ ン ス ( PL) 解 析 を 行 っ た 例 9 )を 紹 介 す る 。 図 8 は 、 InGaP トップセ ルの 表面 再結合 速度

S

お よ び ベ ー ス 層 の 少 数 キ ャ リ ア 寿 命

と InGaP トッ プセ ル活性 層の フォ トルミ ネッセ ンス ( PL) 強度 IP Lの 関 係 7)を 示 す 。 フ ォ ト ル ミ ネ ッ セ ン ス ( PL)強 度 IP Lは 、 次 式 で 与 え ら れ る 。 (12) (13) こ こ で 、 I0は 入 射 光 強 度 、 L は 少数キ ャリ ア 拡散長 、 D は少 数キ ャ リア拡 散係 数、 αは入 射 光 の 吸 収 係 数 、β は 発 光 の 自 己 吸 収 係 数 、S は表面 再結 合速 度、Xn は太陽 電池 の 活 性層 長 、 で あ る 。

図 8 に 示 す よ う に 、GaAs 基板上へ の InGaP の MOCVD 成長にお い て、GaAs バッ ファ 層 の 導 入 お よ び 成 長 条 件 の 最 適 化 に よ り 、 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 5ns 以上 の高品質 InGaP 層を実 現 し て い る 。ま た 、AlInP 窓層の 導入 によ り、5800cm/s の 低表 面再 結合 速度を 得、効 率 18.5% の 高 効 率 InGaP 単接合 太陽電 池を 実現 9)し て い る 。図 9 、図 1 0 は 、GaAs 基板 上 の InGaP

太 陽 電 池 の 構 造 と I-V 特性 9 )

を 示 す 。 図 1 1 は 、 InGaP ト ッ プ セ ル の 特 性 と PL 法 で 求 め た 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 と の 関 係 9)を 示 す 。

(9)

9

図 9 GaAs 基 板 上 の InGaP 太 陽 電 池 の 構 造

(10)

10 図 1 1 InGaP ト ッ プ セ ル の 特 性 と PL 法 で 求 め た 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 と の 関 係 図 1 2 III-V 化 合 物 半 導 体 の 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 の 転 位 密 度 依 存 性 に 関 す る 計 算 結 果 と 実 測 値 こ れ ま で 、多 接 合 太 陽 電 池 で は 、バ ル ク 再 結 合 損 失 低 減 を 重 き に お き 、太 陽 電 池 各 層 の 格 子 定 数 と 基 板 の そ れ を 整 合 し た 格 子 整 合 系 10)が 主 に 検 討 さ れ て き た 。今 後 さ ら な る 高 効 率 化 の た め に は 、バ ン ド ギ ャ ッ プ エ ネ ル ギ ー の 最 適 化 、す な わ ち 、格 子 不 整 合 系 11 ) の 検 討 が 重 要 と な る 。 図 1 2 は 、 III-V 化 合 物 半 導 体 の 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 の 転 位 密 度 依 存 性 に 関 す る 計 算 結 果 と 実 測 値 12)を 示 す 。格 子 不 整 合 転 位 等 の 転 位 も 再 結 合 中 心 と し て 働 き 、太 陽 電 池 効 率 を 低 下 さ せ る の で 、 105cm-2以 下 に 転 位 密 度 低 減 が 必 要 で あ る 。

(11)

11 転 位 は 、 再 結 合 中 心 と し て 働 き 、 少 数 キ ャ リ ア 寿 命 、 拡 散 長 を 低 下 さ せ る 。 太 陽 電 池 で は 、 再 結 合 損 失 の 結 果 、 短 絡 光 電 流 の 減 少 、 ダ イ オ ー ド 飽 和 電 流 の 増 加 に よ る 開 放 端 電 圧 の 低 下 を 招 く 。 転 位 に お け る 再 結 合 に 伴 う 拡 散 律 速 型 の 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 は 、 転 位 へ 少 数 キ ャ リ ア の 輸 送 に 関 す る 一 次 連 続 の 式 を 解 く こ と に よ り 簡 単 に 求 め ら れ る 12) d Δ n / d t = D d2Δ n / d x2, ( 14) こ こ で 、 Δ n は 過 剰 少 数 キ ャ リ ア 濃 度 、 D は 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 常 数 で あ る 。 境 界 条 件 と し て 、 以 下 の 仮 定 を す る 。 n = 0 a t x = 0 , ( 15) d Δ n / d x = 0 a t x = xc = 1 / ( π Nd)1/2 ,( 16) こ こ で 、 xc は 単 位 胞 の 半 径 、 Nd は 転 位 密 度 で あ る 。 こ れ ら よ り 、 転 位 律 速 の 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 Ld は 次 式 で 与 え ら れ る 。 1 / Ld2 = π3 d/ 4 . ( 17) 真 性 的 な 少 数 キ ャ リ ア 拡 散 長 を L0 と す る と 、実 際 の ヘ テ ロ エ ピ 膜 の L は 次 式 で 表 さ れ る 。 1 / L2 = 1 / L 02 + 1 / Ld2. ( 18) Si 基 板 上 の 単 結 晶 薄 膜 太 陽 電 池 も 、高 効 率 、低 価 格 化 の 重 要 な ア プ ロ ー チ で あ る 。III-V on Si 構 造 に お け る 第 一 の 課 題 は 、Si 基 板 と III-V 族 化 合 物 と の 格 子 定 数 の 不 整 合( GaAs on Si の 場 合 の 不 整 合 率 は 約 4% )に 伴 う ヘ テ ロ 界 面 で の 高 密 度 の 不 整 転 位 の 発 生 と 熱 膨 張 係 数 の 差 に 起 因 す る 熱 応 力 誘 起 転 位 の 発 生 で あ る 。 MOCVD 法 に よ る GaAs-on-Si セ ル で 効 率 20%( AM1.5) が 達 成 さ れ て い る 13)。熱 サ イ ク ル ア ニ ー ル や 歪 超 格 子 層 導 入 よ り 、転 位 密 度 を 106 cm-2 台 に 低 減 で き た こ と が 高 効 率 化 に つ な が っ て い る 。 図 1 3 は 、熱 サ イ ク ル ア ニ ー ル に よ る Si 基 板上 の GaAs ヘテ ロエ ピ膜中 のエ ッチピ ッ ト ( 転 位 ) 密 度 の 熱 サ イ ク ル ア ニ ー ル に よ る 低 減 効 果 13) を 示 す 。 図 1 4 は 、 GaAs-on-Si 太 陽 電 池 の 構 造 13)、 図 1 5 は 、 GaAs-on-Si 太 陽電池 の I-V 特 性 13)を 示 す 。 AM0、AM1.5

下 で 、 各 々 、 効 率 18.3%、20.0%が得 られ た 1 3)

図 1 3 熱 サ イ ク ル ア ニ ー ル に よ る Si 基 板 上 の GaAs ヘ テ ロ エ ピ 膜 中 の エ ッ チ ピ ッ ト ( 転 位 ) 密 度 の 熱 サ イ ク ル ア ニ ー ル に よ る 低 減 効 果

(12)

12 図 1 4 GaAs-on-Si 太 陽 電 池 の 構 造 図 1 5 GaAs-on-Si 太 陽電池 の I-V 特 性 3.3 表 面 ・ 界 面 再 結 合 損 失 半 導 体 表 面 に は 、 原 子 結 合 の 切 断 の た め に 、 多 数 の 未 結 合 手 を 持 っ た 原 子 が 存 在 す る の で 、 電 子 あ る い は 正 孔 を 捕 獲 す る 表 面 準 位 が 多 く 存 在 す る 。 こ の た め 、 半 導 体 表 面 付 近 の 過 剰 少 数 キ ャ リ ア は 表 面 準 位 を 介 し て 再 結 合 し 消 滅 す る 。 こ の キ ャ リ ア 損 失 に よ る 表 面 へ の 少 数 キ ャ リ ア 電 流 密 度 J s は 、 n 形 半 導 体 で は 過 剰 少 数 キ ャ リ ア の 正 孔 密 度 Δ p n に 比 例 し 、 次 式 で 与 え ら れ る 。 J s = q S hΔ p n,( 19) こ こ で 、 q は 電 荷 、 S h は 正 孔 の 表 面 再 結 合 速 度 で 、 次 式 で 定 義 さ れ る 。 S h = σ pv N ss, ( 20) こ こ で 、 N ss は 表 面 の 単 位 面 積 あ た り の 再 結 合 中 心 の 数 。 入 射 光 側 が n 形 の n / p セ ル に 対 し 、 一 次 元 の 拡 散 モ デ ル か ら ス ペ ク ト ル 応 答 を 求 め る 場 合 、 表 面 再 結 合 速 度 は 、 以 下 の 境 界 条 件 で 与 え ら れ る 。 入 射 光 側 表 面 ( x = 0 ) に 拡 散

(13)

13 し て き た 正 孔 流 を 電 流 密 度 と し 、 そ れ が 表 面 で 再 結 合 す る 条 件 は D p d Δ p n/ d x = S hΔ p n ( 21) ま た 、 セ ル 裏 面 に 拡 散 し て き た 電 子 流 が 裏 面 で 再 結 合 す る 条 件 は - D n d Δ n p/ d x = S eΔ n p ( 22) で あ る 。 ス ペ ク ト ル 応 答 の 高 エ ネ ル ギ ー 側 は 、 表 面 再 結 合 速 度 の 増 加 と 共 に 小 さ く な る 。 GaAs の 表 面 再 結 合 速 度 が 評 価 さ れ た 例 14)を 紹 介 す る 。図 1 6 は 、n-GaAs、n-InP の フ ォ ト ル ミ ネ ッ セ ン ス ( PL) 強 度 の 電 子 濃 度 依 存 性 14)を 示 す 。 こ の 結 果 か ら 、 InP は 、 表 面 再 結 合 速 度 が 低 く 、 PL 光 を 取 り 出 し 易 い が 、 GaAs は 表 面 再 結 合 速 度 が 高 く 、 PL 光 を 取 り 出 し 難 い こ と が わ か る 。 前 述 の (12)、 (13)式 と 同 じ よ う に 、 フ ォ ト ル ミ ネ ッ セ ン ス ( PL) 強 度 I’は、(23)式で与 え られる 。図 17 は、 (23)式の PL 強 度 I‘ の少 数キャ リア (正 孔) 拡 散 長 お よ び 表 面 再 結 合 速 度 S に 関 す る 計 算 結 果 14)を 示 す 。 図 1 7 か ら 、 InP の 表 面 再 結 合 速 度 は 、103 cm/sec 以 下 と 低 く 、良 質 な 表 面 物 性 を 示 す の に 対 し て 、GaAs の 表 面 再 結 合 速 度 は 、 1.6x107 cm/sec と 高 い こ と が わ か る 。 (23) 図 1 6 n-GaAs、 n-InP の フ ォ ト ル ミ ネ ッ セ ン ス ( PL) 強 度 の 電 子 濃 度 依 存 性 図 1 8 は 、 GaAs ホ モ 接 合 太 陽 電 池 効 率 の 接 合 深 さ 依 存 性 に 及 ぼ す 表 面 再 結 合 速 度 S の 効 果 を 示 す 。 GaAs の 表 面 再 結 合 速 度 は 、 107 cm/sec 程 度 と 高 い と 考 え ら れ 、 GaAs ホ モ 接

合 で 、 20% 以 上 の 効 率 を 得 る に は 、 接 合 深 さ を 0.05μ m 以 下 に 浅 く 必 要 が あ る 。 表 面 再 結 合 の 影 響 を 軽 減 す る た め 、 AlGaAs や InGaP な ど の 広 禁 止 帯 幅 の 窓 層 を 用 い た ヘ テ ロ フ ェ イ ス 構 造 や ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 ( DH) 構 造 等 が 提 案 さ れ 、 GaAs 太 陽 電 池 も 、 簡 単 な pn の ホ モ 接 合 か ら AlGaAs の 窓 層 付 き の ヘ テ ロ フ ェ イ ス 構 造 を 経 て 、 InGaP-GaAs-InGaP の DH 接 合 構 造 と 進 化 を 遂 げ た 。

(14)

14 図 1 7 (23)式 の PL 強 度 I‘ の 少 数 キ ャ リ ア ( 正 孔 ) 拡 散 長 お よ び 表 面 再 結 合 速 度 S に 関 す る 計 算 結 果 0 5 10 15 20 25 30 35 0 0.5 1 1.5 2 2.5 Short -ci rcui t cur rent dens it y (m A /cm 2) Junction depth (μm) S=1E+4 cm/s S=1E+5 cm/s S=1E+6 cm/s S=1E+7 cm/s 図 1 8 GaAs 太 陽 電 池 の 短 絡 電 流 密 度 に 及 ぼ す 表 面 再 結 合 速 度 S の 影 響 図 1 9 は 、6.5μ m 厚 ベ ー ス 層 を 有 す る GaAs 太 陽 電 池 の GaAlAs 窓 層 あ る 、な し の 場 合 の

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15 分 光 感 度 特 性 14)を 示 す 。 GaAs の 表 面 再 結 合 速 度 は 、 5 x 106 ~ 107 cm/sec と 考 え ら れ 、 表 面 再 結 合 の 影 響 を 軽 減 す る た め の 構 造 と し て 、Woodall、Hovel15)に よ り 、GaAlAs 窓 層 を 有 す る ヘ テ ロ フ ェ イ ス 構 造 の 有 効 性 が 示 さ れ て い る 。 表 4 は 、 GaAlAs-GaAs ヘ テ ロ フ ェ イ ス 構 造 太 陽 電 池 の 特 性 15 )を 示 す 。 AM1 で 、 効 率 16.3% が 実 現 さ れ た 。 図 1 9 6.5μ m 厚 ベ ー ス 層 を 有 す る GaAs 太 陽 電 池 の GaAlAs 窓 層 あ る 、 な し の 場 合 の 分 光 感 度 特 性 表 4 GaAlAs-GaAs ヘ テ ロ フ ェ イ ス 構 造 太 陽 電 池 の 特 性 そ の 後 、 MIT の グ ル ー プ に よ り 、 ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 構 造 ( 表 面 シ ャ ロ ー ヘ テ ロ 接 合 、 裏 面 電 界 BSF 構 造 ) 太 陽 電 池 が 実 現 し て い る 16)。 図 2 0 は 、 AlGaAs-GaAs- AlGaAs ダ ブ ヘ テ ロ 接 合 構 造 太 陽 電 池 の 構 造 を 示 す 。図 2 1 は 、GaAs ダ ブ ヘ テ ロ 接 合 構 造 太 陽 電 池 の I-V 特 性 を 示 す 。 AlGaAs-GaAs ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 構 造 の 採 用 に よ り 、 開 放 端 電 圧 が 、 表 4 に 示 す ヘ テ ロ フ ェ イ ス 構 造 の 0.965V か ら 、 図 2 1 に 示 す ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 構 造 の 1.05V へ と 改 善 さ れ 、AM1 で 効 率 23% が 得 ら れ た 。さ ら に そ の 後 、住 友 電 工 に グ ル ー プ 17)に よ り 、AlGaAs に 代 わ る InGaP を 用 い た ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 構 造 が 作 製 さ れ 、 5cm 角 セ ル で 、 効 率 26.0% が 実 現 し て い る 17)。 図 2 2 、 図 2 3 は 、 InGaP-GaAs- InGaP ダ ブ ヘ テ ロ 接 合 構 造 太 陽 電 池 の 構 造 、 I-V 特 性 を 示 す 。

(16)

16

図 2 0 AlGaAs-GaAs- AlGaAs ダ ブ ヘ テ ロ 接 合 構 造 太 陽 電 池 の 構 造

図 2 1 AlGaAs-GaAs- AlGaAs ダ ブ ヘ テ ロ 接 合 構 造 太 陽 電 池 の I-V 特 性

(17)

17

図 2 3 InGaP-GaAs- InGaP ダ ブ ヘ テ ロ 接 合 構 造 太 陽 電 池 の I-V 特 性

成 長 方 法 も 、 当 初 の 液 相 エ ピ タ キ シ ャ ル 成 長 ( LPE) 法 か ら 量 産 に 向 い た 有 機 金 属 気 相 成 長 ( MOCVD) 法 へ と 移 行 し た 。 図 2 4 InGaP ト ッ プ セ ル の 開 放 端 電 圧 Voc、 短 絡 電 流 密 度 Jsc に 及 ぼ す 障 壁 ポ テ ン シ ャ ル 差

E

の 効 果 裏 面 再 結 合 損 失 低 減 の た め に は 、 裏 面 電 界 ( BSF) 層 の 導 入 が 有 効 で あ る 。 図 2 4 は 、 InGaP ト ッ プ セ ル の 開 放 端 電 圧 Voc、短 絡 電 流 密 度 Jsc に 及 ぼ す 障 壁 ポ テ ン シ ャ ル 差

E

の 効 果 を 示 す 。 従 来 、 高 濃 度 ド ー プ InGaP-BSF 層 が 用 い ら れ て い た が 、 高 バ ン ド ギ ャ ッ プ AlInP-BSF 層 が 提 案 さ れ 18)、 高 Voc、 Jsc を 実 現 し て い る 。

(18)

18 3.4 セ ル イ ン タ ー コ ネ ク シ ョ ン

多 接 合 構 造 太 陽 電 池 の 研 究 開 発 の 初 期 は 、RTI( Research Triangle Institute)19)、NTT

や NREL( National Renewable Energy Laboratory) の 貢 献 が 大 き か っ た よ う に 思 う 。 1980 年 代 半 ば ま で は 、 多 接 合 セ ル の 複 数 の セ ル を 接 続 す る 上 で 低 抵 抗 損 失 、 低 光 学 損 失 が 要 求 さ れ る ト ン ネ ル 接 合 の 実 現 に 大 き な 課 題 が あ っ た 。 ト ン ネ ル 接 合 を 形 成 す る た め に 高 濃 度 に ド ー プ し た 不 純 物 が 、 上 部 太 陽 電 池 層 の 成 膜 中 に 拡 散 し 、 低 抵 抗 損 失 、 低 光 学 損 失 の ト ン ネ ル 接 合 の 実 現 を 阻 ん で い た 。 図 2 5 種 々 の タ ン デ ム セ ル の 構 造 図 2 6 メ タ ル イ ン タ ー コ ネ ク ト 型 AlGaAs/GaAs2 接 合 太 陽 電 池 の 構 造 n++ n p n p+p++ + n p n p+p+ + n p n p+ + n+ + n+ n n p+ + p+ + – – – metal interconnect

2-terminal cell 3-terminal cell 4-terminal cell

to p c e ll tu n n e l in te rco n n e ct b o tt o m c e ll Substrate Base Emitter Window Lower cell top contact Stop etch Upper cell bottom contact

Stop etch Base Base Emitter Window Cap Grid Lower cell top metal Upper cell bottom metal Top metal 0.50 m 0.14 m 0.15 m 3.80 m 0.14 m 0.40 m 0.12 m 0.40 m 0.15 m 3.60 m 350 m n+ -GaAs n Al- 0.37Ga0.63As p Al- 0.37Ga0.63As p+ X 1-X Al Ga As -p Al- 0.37Ga0.63As n+ X 1-X Al Ga As -n Al- 0.37Ga0.63As n+ X 1-X Al Ga As -n+ 0.9 0.1 Al Ga As -n GaAs -p GaAs -Back contact p GaAs

(19)

-19 図 2 5 に 、 種 々 の タ ン ネ ム セ ル の 構 造 を 示 す 。 複 数 の セ ル イ ン タ ー コ ネ ク シ ョ ン 構 造 と し て 、 ト ン ネ ル 接 合 に よ り 複 数 の セ ル を 接 続 す る モ ノ リ シ ッ ク ・ カ ス ケ ー ド 型 タ ン デ ム セ ル 、 の 金 属 電 極 で 複 数 の セ ル を 接 続 す る メ タ ル ・ イ ン タ ー コ ネ ク ト 型 、 複 数 の セ ル を 機 械 的 に 張 り 合 わ せ た メ カ ニ カ ル ・ ス タ ッ ク 型 、 が あ る 。 図 2 6 は 、 メ タ ル イ ン タ ー コ ネ ク ト 型 AlGaAs/GaAs2 接 合 太 陽 電 池 の 構 造 を 示 す 。1989 年 に は 、Varian 社 に よ り 、効 率 27.6% 20)が 得 ら れ て い た 。 図 2 7 ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 構 造 ト ン ネ ル ダ イ オ ー ド の ト ン ネ ル ピ ー ク 電 流 密 度 の ア ニ ー ル 温 度 依 存 性 に 及 ぼ す AlxGa1 - xAs 障 壁 層 の Al 組 成 X の 効 果 図 2 8 ト ン ネ ル 接 合 ダ イ オ ー ド を 用 い た 効 率 20.2% の AlGaAs/GaAs モ ノ リ シ ッ ク カ ス ケ ー ド 型 2 接 合 太 陽 電 池 の 構 造 と I-V 特 性

(20)

20 モ ノ リ シ ッ ク・カ ス ケ ー ド 型 タ ン デ ム セ ル の 実 現 は 、NTT に よ る 不 純 物 拡 散 抑 制 に 優 れ た ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 ( DH) 構 造 ト ン ネ ル 接 合 の 提 案 2 1 )の 寄 与 が 大 で あ る 。 NTT の グ ル ー プ は 、1987 年 に 、不 純 物 拡 散 抑 制 に 優 れ た DH 構 造 ト ン ネ ル 接 合 を 提 案 す る と 共 に 、当 時 世 界 最 高 効 率 20.2%( AM 1.5)の AlGaAs/ GaAs2 接 合 太 陽 電 池 を 実 現 し た 2 2 , 2 3)。DH 構 造 ト ン ネ ル 接 合 の 有 効 性 の 発 見 は 、5 年 間 に 及 ぶ 試 行 錯 誤 実 験 の 結 果 で あ る 。図 2 7 に は 、 ダ ブ ル ヘ テ ロ 接 合 構 造 ト ン ネ ル ダ イ オ ー ド の ト ン ネ ル ピ ー ク 電 流 密 度 の ア ニ ー ル 温 度 依 存 性 に 及 ぼ す AlxGa1 - xAs 障 壁 層 の Al 組 成 X の 効 果 を 示 す 。 図 2 8 は 、 ト ン ネ ル 接 合 ダ イ オ ー ド を 用 い た 効 率 20.2% の AlGaAs/GaAs モ ノ リ シ ッ ク カ ス ケ ー ド 型 2 接 合 太 陽 電 池 の 構 造 と I-V 特 性 2 2 )を 示 す 。 図 2 9 は 、 ト ン ネ ル 接 合 上 の 上 部 太 陽 電 池 層 中 の キ ャ リ ア 濃 度 の 深 さ 方 向 分 布( エ ッ チ ン グ に よ る 容 量 - 電 圧 特 性 測 定 )1 8 )を 示 す 。ト ン ネ ル 接 合 層 、 障 壁 層 と も 、 広 い バ ン ド ギ ャ ッ プ エ ネ ル ギ ー で 構 成 し た ほ ど 、 ト ン ネ ル 接 合 層 か ら の 不 純 物 拡 散 が 抑 制 で き る こ と が わ か る 。 図 2 9 ト ン ネ ル 接 合 上 の 上 部 太 陽 電 池 層 中 の キ ャ リ ア 濃 度 の 深 さ 方 向 分 布 ( エ ッ チ ン グ に よ る 容 量 - 電 圧 特 性 測 定 ) 3.5 そ の 他 の 効 率 支 配 要 因 表 5 に は 、高 効 率 多 接 合 太 陽 電 池 の た め の 主 要 要 素 技 術 を 示 す 。高 効 率 多 接 合 太 陽 電 池 実 現 の た め に 重 要 な 要 素 技 術 と し て 、 ① ト ッ プ セ ル 材 料 の 選 定 、 ② 低 抵 抗 損 失 、 低 光 学 損 失 の ト ン ネ ル 接 合 の 他 、 ③ 基 板 、 ④ 格 子 整 合 、 ⑤ キ ャ リ ア 閉 じ 込 め 、 ⑥ 光 閉 じ 込 め 、 な ど が あ る 。

(21)

21

表 5 高 効 率 多 接 合 太 陽 電 池 の た め の 主 要 要 素 技 術

要 素 技 術 過 去 現 在 将 来

ト ッ プ セ ル 材 料 AlGaAs InGaP AlInGaP

3 層 目 材 料 None Ge InGaAsN 等

基 板 GaAs Ge Si

ト ン ネ ル 接 合 DH 構 造 GaAs DH 構 造 InGaP DH 構 造 (Al)GaAs 格 子 整 合 GaAs ミ ド ル セ ル InGaAs ミ ド ル セ ル (In)GaAs ミ ド ル セ ル キ ャ リ ア 閉 じ 込 め InGaP-BSF AlInP-BSF Widegap-BSF (QDs)

光 閉 じ 込 め な し な し Bragg 反 射 等 そ の 他 (逆 エピ構 造 )、薄 層 逆 エピ構 造 、 薄 層 図 3 0 種 々 の 損 失 要 因 と 解 決 手 段 フ ォ ト ン リ サ イ ク リ ン グ の 有 効 性 を 示 す 最 近 の 試 み24,25)を 紹 介 す る 。 図 3 0 に 示 す よ う に 、 太 陽 光 エ ネ ル ギ ー 変 換 に お い て は 、 種 々 の 損 失 要 因25,26)が あ る 。 ① ス ペ ク ト ル 損 失 が 一 番 大 き い が 、 ② 非 輻 射 再 結 合 な ど 結 晶 品 質 要 因 、 ③ 光 反 射 を 含 む 光 不 完 全 利 用 、 な ど で あ る 。 (24)式 に 示 す 、 電 圧 損 失 に つ い て も 、 Carnotロ ス 、 光 放 出 ロ ス 、 不 完 全 光 ト ラ ッ ピ ン グ 、 非 輻 射 再 結 合 損 失 、 な ど が あ り 、 約 400mVの 損 失 だ が 、 そ の 多 く は 、 サ ブ 波 長 構 造 、 ナ ノ フ ォ ト ニ ッ ク 構 造 な ど 光 ト ラ ッ ピ ン グ を 含 む 光 マ ネ ー ジ メ ン ト に よ り 改 善 で き る 。 (24)

(22)

22 右 辺 の 第 一 項 は Carnot ロ ス で 、T は 太 陽 電 池 の 温 度 、Tsu nは 太 陽 の 温 度 で 、室 温 で は 、 Voc は 5% 減 と な る 。第 二 項 は 光 放 出 ロ ス で 、入 射 光 の 立 体 角 Ωs u n= 6x10- 5ス テ ラ ジ ア ン 、 放 出 光 の 立 体 角 Ωe m i t= 4π ま で の 値 を と る 。 第 三 項 は 、 不 完 全 光 ト ラ ッ ピ ン グ 損 失 で 、 n は 屈 折 率 、 I は 光 強 度 因 子 で 、 光 ト ラ ッ ピ ン グ が な い 平 板 セ ル で は 、 I=1 で 、 Voc の 低 下 は 、100mV 程 度 と な る 。第 二 項 、第 三 項 は 、光 ト ラ ッ ピ ン グ を 含 む 光 マ ネ ー ジ メ ン ト に よ り 改 善 で き る 。 第 四 項 は 、 結 晶 欠 陥 、 不 純 物 キ ャ リ ア ト ラ ッ プ に 起 因 す る 非 輻 射 再 結 合 損 失 で 、 量 子 効 率 QE は 、 QE=Rr ad/(Rr a d + Rn r a d)で 、 Rr a d放 射 再 結 合 率 、 Rn ra d)は 非 放 射 再 結 合 率 で あ る 。 Voc の 低 下 は 60mV あ る い は そ れ 以 上 で あ る 。 II-V 族 化 合 物 は 、直 接 遷 移 バ ン ド 構 造 で 、薄 膜 化 が 可 能 で 、単 接 合 で も 効 率 28% 以 上 の 結 果 が 得 ら れ て い る 。AltaDevices2 4 )で は 、MOCVD 成 長 と AlAs リ ー リ ー ス 層 の 選 択 エ ッ

チ を 用 い た エ ピ タ キ シ ャ ル ・ リ フ ト ・ オ フ ( ELO) で 、 1cm2角 の 薄 型 GaAs 太 陽 電 池 を 作 製 し 、1-sun、AM1.5G の 条 件 で 、単 接 合 で の 世 界 最 高 効 率 28.8%( V oc= 1.1220V、J sc = 29.677mA/cm2、FF= 86.50% )2 4 )を 達 成 し て い る 。2.5μ m 以 下 に 薄 型 す る こ と で フ ォ ト ン ・ リ サ イ ク リ ン グ に よ る 高 い 量 子 効 率 と 太 陽 電 池 製 作 の 制 御 に よ り 、 低 い 飽 和 電 流 密 度 J0 1= 6x10- 21A/cm2( n= 1) 、 J 0 2= 1x10- 1 2A/cm2( n= 2) を 実 現 し 、 (25)式 に 示 す よ う に 、 従 来 よ り 50mV 高 い Vo cを 実 現 し た こ と で 、 高 効 率 化 に つ な が っ て い る 。 Vo c⋍(kT/q)ln(Js c/J0 1)=(kT/q)ln(Js c)-(kT/q)ln(J01)= (kT/q)ln(0.029677) – (kT/q)ln(6x10- 2 1) = – 0.090 + 1.205 = 1.115 (25) GaAs 基 板 の 再 利 用 も 可 能 で 、 高 性 能 、 低 コ ス ト の 薄 膜 太 陽 電 池 に よ る 地 上 に 適 用 が 可 能 で あ る と し て い る 。ア パ ー チ ャ 面 積 856.8cm2で 、モ ジ ュ ー ル 効 率 23.5% を 得 て い る と の 事 で あ る 。 図 3 1 GaAs 薄 膜 太 陽 電 池 の 作 製 プ ロ セ ス

(23)

23 図 3 2 単 接 合 で の 世 界 最 高 効 率 ( 28.8% ) GaAs 薄 膜 太 陽 電 池 こ の 他 、 モ ノ リ シ ッ ク ・ カ ス ケ ー ド 型 多 接 合 構 造 太 陽 電 池 の 場 合 、 各 サ ブ セ ル の 電 流 整 合 も 重 要 で あ る 。 図 3 3 に は 、 InGaP/GaAs2 接 合 セ ル に お け る ト ッ プ セ ル と ボ ト ム セ ル の 電 流 整 合 ( サ ブ セ ル の 短 絡 電 流 密 度 の ト ッ プ セ ル 厚 さ 依 存 性 )27)を 示 す 。 ま た 、 多 接 合 太 陽 電 池 の 場 合 、 受 光 波 長 範 囲 が 広 い た め 、 反 射 防 止 膜 も 重 要 で あ る 。 図 3 4 に は 、 InGaP/GaAs2 接 合 セ ル の 光 収 集 電 流 密 度 の ZnS/MgF2 の 反 射 防 止 膜 厚 さ 依 存 性 に 関 す る 計 算 結 果 28)を 示 す 。 図 3 3 InGaP/GaAs2 接 合 セ ル に お け る ト ッ プ セ ル と ボ ト ム セ ル の 電 流 整 合 ( サ ブ セ ル の 短 絡 電 流 密 度 の ト ッ プ セ ル 厚 さ 依 存 性 )

(24)

24

図 3 4 InGaP/GaAs2 接 合 セ ル の 光 収 集 電 流 密 度 の ZnS/MgF2 の 反 射 防 止 膜 厚 さ 依 存 性 に 関 す る 計 算 結 果

参 考 文 献

1) 電 気 学 会 太 陽 電 池 調 査 専 門 委 員 会 編 : 太 陽 電 池 ハ ン ド ブ ッ ク 、( 電 気 学 会 、 1986). 2) J.C.C. Fan, B-Y. Tsaur and B.J. Palm, Proceedings of the 16t h IEEE Photovoltaic Specialists

Conference, (IEEE, New York, 1982) p.692.

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5) R.N. Hall, Proceedings of the Inst. Elect. Eng., 106B, 983 (1960).

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7) J. Olson, S. Kurtz and K. Kibbler, Appl. Phys. Lett. 56, 623 (1990).

8) K. Ando, C. Amano, H. Sugiura, M. Yamaguchi and A. Salates, Jpn. J. Appl. Phys. 26, L266 (1987).

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10) T. Takamoto, M. Kaneiwa, M. Imaizu mi and M. Yamaguchi, Progress in Photovoltaics, 13, 495 (2005).

11) T. Sasaki, K. Arafune, H.S. Lee, N.J. Ekins -Daukes, S. Tanaka, Y. Ohshita and M. Yamaguchi, Physica B376-377, 626 (2006).

12) M. Yamaguchi and C. Amano, J. Appl. Phys. 58, 3601 (1985).

(25)

25 in Photovoltaics, 9, 191 (2001).

14) H.C. Casey and E. Buehler, Appl. Phys. Lett., 30, 247 (1977). 15) J.M. Woodall and H.J. Hovel, Appl. Phys. Lett., 21, 379 (1972).

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17) T. Yamada, A. Moto, Y. Iguchi, M. Takahashi, S. Tanaka, T. Tanabe and S. Takagishi, Jpn. J. Appl. Phys. 44, L985 (2005).

18) 高 本 達 也 、 博 士 学 位 論 文 ( 豊 田 工 大 、 1999) .

19) J.A. Hutchby, R.J. Markunas and S.M. Bedair, Proceedings of the SPIE, “Photovoltaics” , S.K. Ded Ed., Vol.543, (1985) p.543.

20) H.F. MacMillan, B.C. Chung, H.C. Hamaker, N.R. Kaminar, M.S. Kuryla, M. Ladle Ristow, D.D. Liu, L.D. Partain, J.C. Schultz, G.F. Virshup and J.G. Werthen, Solar Cells 27, 205 (1989).

21) H. Sugiura, C. Amano, A. Yamamoto and M. Yamaguchi, Jpn. J. Appl. Phys. 27, 269 (1988).

22) M. Yamaguchi, C. Amano, H. Sugiura and A. Yamamoto, Proceedings of the 19t h IEEE Photovoltaic Specialists Conference, (IEEE, New York, 1987) p.1484.

23) C. Amano, H. Sugiura, A. Yamamoto and M. Yamaguchi, Appl. Phys. Lett. 51, 1998 (1987).

24) B.M. Kayes, H. Nie, R. Twist, S.G. Spruytte, F. Reinhardt, I.C. Kizilyalli and G.S. Higashi, Proceedings of the 37t h IEEE Photovoltaic Specialists Conference , (IEEE, New York, 2011) p.000004.

25) H.A. Atwater, Presented at the 27t h European Photovoltaic Solar Energy Conference, (WIP, Munich, 2012).

26) A. Polman and H.A. Atwater, Nature Materials, 11, 174 (2012).

27) T. Takamoto, E. Ikeda, H. Kurita, M. Ohmori and M. Yamaguchi, Jpn. J. Appl. Phys. 36, 6215 (1997).

28) J.M. Olson, D.J. Friedman and S. Kurtz, A. Luque and S. Hegedus eds., Handbook of Photovoltaic Science and Engineering, (Wiley, 2002) pp. 359.

表 1   III-V 族 化 合 物 半 導 体 の 種 類 と 基 礎 物 性 値 1)
図 7   (A) MBE 成 長 AlGaAs 膜の 酸素 濃度 の違 いによ る DLTS スペク トルの 違い 、   (B)ダ ブ ル キ ャ リ ア パ ル ス DLTS 測 定 に よ る 酸 素 関 与 欠 陥 が 再 結 合 中 心 で あ る こ と の 同 定
図 7 (A)は、MBE 成長 AlGaAs 膜の 酸素濃 度 の違い による DLTS(Deep  Level  Transient  Spectroscopy) ス ペ ク ト ル の 違 い 、 (B)は 、 ダ ブ ル キ ャ リ ア パ ル ス DLTS 測 定 に よ る 酸 素 関 与 欠 陥 が 再 結 合 中 心 で あ る こ と の 同 定 8) を 示 す 。 AlGaAs 中 の酸 素 関与欠 陥(0.86eV)は 、 ダ ブ ル キ ャ リ ア パ ル ス DLTS 測 定 の
図 9   GaAs 基 板 上 の InGaP 太 陽 電 池 の 構 造
+6

参照

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