1 第4 回「消費者被害に関連する数値指標の整備に関する検討会」 議事録 1.日 時:平成 26 年 3 月 17 日(月)11:00 ~ 13:00 2.場 所:消費者委員会大会議室 3.出席者(敬称略): 【委員】田口 義明(座長)、佐藤 香、菅 幹雄、拝師 徳彦、丸山 千賀子 【オブザーバー】増田 悦子、吉田 有美子 【消費者庁】阿南 久、河津 司、浅田 英克、後藤 隆昭、尾崎 裕子、高橋 智江、 藤井 英輔 【事務局】株式会社リベルタス・コンサルティング 【その他】一般社団法人新情報センター 4.議 事 1 開会 2 消費者被害額の推計結果の検証について 3 閉会 配布資料 議事次第 座席表 委員名簿 資料 1 「消費者被害額」の推計結果 資料 2 「消費者被害額」の推計に関する整理と今後の課題 参考資料 1 「消費者意識基本調査」の調査票 参考資料 2 「消費者意識基本調査」の調査結果 参考資料 3 第 3 回「消費者被害に関連する数値指標の整備に関する検討会」議事録
2 (1)開会 ○後藤企画調整官 それでは、定刻でございますので、第 4 回「消費者被害に関連する数値指標の整備に 関する検討会」を開始いたします。 本日はお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は、オブザ ーバーの大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長山戸様がご欠席とのことです。それ から、委員の東京大学社会科学研究所准教授佐藤様が少し遅れるというご連絡が入って おります。 では始めに、本日の配布資料の確認をさせていただきます。お手元の資料をご覧くださ い。 (資料確認) 資料の過不足などございませんでしょうか、不足等ございましたら事務局までお知らせ 願えますでしょうか。 それでは、以降の進行は座長よりお願い申し上げます。 (2)資料 1 について ○田口委員(座長) それでは、議事を進めさせていただきます。当検討会も 4 回目となり、最終回でござい ます。本日は、検討会としての大まかな取りまとめをしたいと考えております。始めに、 資料 1「消費者被害額の推計結果」につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。 (資料 1 の説明) ○田口委員(座長) どうもありがとうございました。今回は、「消費者意識基本調査」の確定値に基づく推計 結果のご説明でありましたが、委員の皆様方にご意見・ご質問などをいただきたいと思い ます。 ○丸山委員 調査票の問 6⑤「具体的な内容をできるだけ詳しく書いてください」とありますが、今回 の集計結果において、どのように反映されているのでしょうか。 ○後藤企画調整官 「具体的な内容」については集計しておりません。 回答者が問題の意図を完全に理解していないケースもあり、無回答のものであっても、 他の設問との関係上、この選択肢になるのではと思われるものがあった場合、具体的な内
3 容の回答部分を参考に調査票の補正作業を行いました。 ○拝師委員 前回の検討会で「被害あり」と回答された方の中で、「商品」、「サービス」の被害の割合 について、話がでましたが、確定後の集計結果ではどのようになったのでしょうか。 ○後藤企画調整官 参考資料2の「問 6①商品・サービスの名称」で「商品に関するもの」が 83.3%(483 件) 「サービスに関するもの」が 15.3%(89 件)という結果になっております。PIO-NET では、 「商品」の方は若干多いということですが、金額別にみますと、金額が少ないものは「商 品」の割合が高く、高額のものになりますと「サービス」が多くなっております。 今回の調査結果では、この PIO-NET の金額の少ないものに近い結果になり、「商品」での 被害が多かったと思います。 ○田口委員(座長) 前回のお話では、一般的に消費者の方に聞くと、この「基本調査」のようになるが、被 害を受けてセンターに来た方の相談内容を聞くと、「商品」、「サービス」や「販売購入形態」 の捉え方が少し異なることがあるとのことでした。回答者の捉え方にもよる面があるので しょうね。 ○後藤企画調整官 説明させて頂きますと、この「商品・サービス」分類でみると多いのが、「食料品」、「住 居品」、「衣料品」ですが、比較的に金額が少ないところが「被害あり」が多くなっていま す。一方で金額の多い「金融・保険」サービスでは、「被害あり」の件数としてはかなり少 なくなっております。意識基本調査と PIO-NET では違っております。 ○田口委員(座長) 前回の結果と今回の結果を総体として見比べると、回答件数は、約 4,000 件が約 6,500 件に、被害の件数としては、約 340 件が 580 件に増加と、数としてはかなり増えていま すが、比率による集計結果では、前回ご説明して頂いた結果とあまり大きくは変わらな い結果となっているようですが、前回の集計結果と比べて特に変わった点などありまし たでしょうか。 ○後藤企画調整官 全体の集計値といたしましては、傾向として変わったところはございませんでした。 ○田口委員(座長) この「意識基本調査」を実施するにあたって「被害額」と「購入額」を区別して設問を 設けたわけですが、被害額を購入額の一部と捉える回答数が少ないため、その試みは参考 値にとどめるという整理になっております。このように被害相当額を購入額の一部と捉え るのは、その基準が明確に掴みにくいという側面があると思いますが、今回の調査を通じ て、何か手掛かりとなるようなものはありましたでしょうか。 ○後藤企画調整官
4 推計にあたり、調査票の個票をすべてチェックいたしました。細かく記入していただい ている方がいる一方で、全く記入していない方もいて、「金額」の記入欄で記入してあるの ですが、どのようなご理解でこのような数値を記入されたのか、わからない回答もござい ました。このようなケースを今後どのようにするかは、例えばひとつの方法としては、第 1 回検討会でご紹介したイギリスの調査方法で、調査員がインタビュー形式で細かくヒアリ ングする方法を用いての調査が考えられます。 ○田口委員(座長) ありがとうございました。他にいかがでしょうか。 ○菅委員 参考値という形での推計値を出されておりますが、数値を出すうえで慎重とする姿勢は よいと思います。先程、参考値にした理由について、件数が少ないためとありましたが、「0 円」を除く件数が少ないために分散が大きくなるという説明ではいかがでしょうか。 ○丸山委員 具体的な内容を記述式で記入してもらっておりますが、消費者被害を正確に把握してい ない消費者はどのくらいいたのか、わかりますでしょうか。先ほど、個票を精査して補正 作業を行ったとお聞きしましたが、消費者被害以外の内容を記述していたケースなどは、 除外されたのでしょうか。 ○後藤企画調整官 除外はしてございません。ただ、金額の記入において、考え方が違っていたものについ ては修正しておりますが、個票データを除外したものはございません。基本的には、今回 書かれていたものは、何らかの消費者被害があったものという判断をしております。 ○田口委員(座長) 資料 1 の 11 頁にあるような消費者被害とは言い難いものは、今回の「意識基本調査」の 回答には特になかったということですね。 ○後藤企画調整官 はい。その通りでございます。 ○佐藤委員 「商品・サービス」の分類をしていただいてありがとうございました。参考資料 2 の集 計結果には、極めて重要なデータがあると思います。例えば、「被害あり」と回答された方 の中で被害が 1 回だけでなく複数回の方が少なくないという結果や、1 人の回答者で複数種 類の被害にあったという結果など、累積的に被害を受けてしまう傾向がどのような属性(年 齢、性別)にあるかをみるような分析を加えると注意喚起を促すのに有効と思います。 ○田口委員(座長) ありがとうございました。今後の課題というところに繋がってくるお話ですので、次の 資料の今後の課題について、さらに議論を深めたいと思います。資料 2 の「消費者被害額 の推計に関する整理と今後の課題」のご説明を事務局からお願いいたします。
5 (資料 2 の説明) (3)資料 2 について ○田口委員(座長) ありがとうございました。消費者被害の推計と今後の課題等についてご説明いただきま した。ご意見・ご質問をお願いいたします。 ○菅委員 まず、最初の検討会で、海外の消費者被害推計について紹介していただきましたが、今 回の推計方法については、国際比較しても全く遜色なく、むしろ非常に評価できる推計で あると申し上げます。精度が低いわけでもありません。ただ、資料 2 でも書いてあるよう にこの推計値で一喜一憂する数値にするのは難しく、中長期的に消費者被害の増減を測る ことは可能と考えられます。 ○佐藤委員 精度を上げるために、やり方を変えてしまうと、経年で比較できなくなるので中長期的 に傾向をみるためには、精度向上を焦らず、今回のやり方を一定程度は持続していくこと が大切です。今回調査は、決して精度が低いわけではございませんので、5 年毎に見直しを していくような形でよいと思います。 イギリス方式の場合は、調査員が状況を詳しく聞く方法をとっていますので、推計値は GDP より非常に低いですよね。つまり、件数より被害の質を中心とした調査と思われます。 マクロでの被害額推計をすると考えますと、イギリス方式は必ずしも得策ではないと思 います。資料 1 の参考値の「一部被害額」も決して少なくない数値ですので、この参考値 をどのように取り扱うか重要になってくると思います。 ○菅委員 PIO-NET の行政ベースの膨大なデータの情報をもっと有効に使ってみるとよいと思いま す。ただ、推計の方法を変えることは、経年で比較できなくなるので今回の推計方法で行 うことが前提となります。5 年毎のスパンのうちに PIO-NET の詳細な情報をいかに有効に使 い、今回の推計方法とどうリンクさせていくかを検討することは重要であり、おもしろい と思います。 ○拝師委員 多重債務について、多重債務が問題となっていた時期では、事業者側に問題が多くて、 過剰融資で貸し過ぎて問題になっていましたが、平成 18 年改正で過剰融資、貸付金利も 抑えるようになり、質が変わってきていると感じております。もちろん、まだ事業者側 の問題もあるのでしょうが、貧困問題や社会福祉問題に関与するような原因が大きくな ってきているのではと思います。すべての多重債務になって破産した人の件数が消費者
6 被害と言えなくなっている情勢と感じております 過剰融資の被害にあった場合などは、借りた金額すべてが被害額ではなく、むしろ金 利分が被害額と思いますが、もう少し、回答の傾向をみて考える必要があると思います。 消費者金融などの過払い金についても、まだ問題として残っておりますが、平成 18 年改 正でグレーゾーン金利が解消されて、過払い金問題は殆ど解決されていくと思われますの で、今後は改めて被害に加えなくてもよいのではと思っております。 地方公共団体でも今回の調査及び推計を行ってはどうか、例えば毎年、国で実施する調 査を県で実施して、その際、国の調査サンプルからその県分のサンプルを外して、その県 で実施した調査結果データを国に提出してもらうようなことはできるのでしょうか。ただ、 県で実施するサンプル数が多くなってしまう傾向になってくると思いますが、この場合、 統計的にどのように評価されるのでしょうか 私も調査方法を改善するからといって、毎年色々と変えてしまうのはどうかと思います が、他方で 5 年の間に、次の推計のために精度向上をさせていくための検討は必要と考え ます。 ○阿南長官 拝師委員にお聞きしたいのですが、地方で意識調査ができるかどうかの話ですが、地 方でも同様な意識調査をし、消費者庁の意識調査と一緒にしてはどうかというご提案だ ったのですが、地方においては、それは難しいとお考えなのでしょうか。 ○拝師委員 いえ、そのような趣旨ではなく、統計的に可能であれば、より数を集めることができる のではという考えで、提案いたしましたが、統計的に難しいということでした。 ○菅委員 統計的には、都道府県であれ、国であれ、件数は約 1 万件必要になってきます。 ○田口委員(座長) 統計的に意味のあるものとすれば、約 1 万のサンプル数がそれぞれに必要となってくる ということでしょうか。一部のものを全体の中に織り込んでしまうのは、統計的に歪み が出てきてしまうということですね。 ○佐藤委員 各都道府県で、1 万件ずつの調査を行ったとして、その各都道府県の調査票を集めても全 国の縮図にはならないのです。つまり都道府県毎に人口が違い、比率が違うため、全国と いう単位での 1 万件が必要になるというわけです。 ○拝師委員 ありがとうございます。これも素人判断なので、教えていただきたいのですが、県で調 査を実施するときにコストをかけて専門の業者に依頼して実施するのではなく、地域の団 体やボランティアの方々に調査活動のお手伝いをして貰いながらの実査は可能なのでしょ うか。
7 ○佐藤委員 調査員としては、3 から 5 回の講習会を行うなどして教育することにより、調査活動を行 うことは可能になります。イギリスの場合は、調査員は NPO の登録者がほとんどで、調査 会社の人が行う場合は少ないとのことです。ただ、日本の場合は、会社や学校で調査員を 育てるといった仕組みはできておりませんので、これが日本の社会調査の大きな課題にな っていると思います。 この消費者被害の調査において、調査員の育成の仕組みを作れたら、すばらしいことだ と思います。 ○拝師委員 ありがとうございました。元々、消費者行政では消費者モニターといった商品やサービ スのモニターを行っているところもあり、今後、地域で実査ができるような活動も組み込 まれていくとよいと思いました。 ○丸山委員 個人的な感想といたしまして、日本人の場合は諸外国に比べまして、商品の質、サー ビスの質に関して要求水準が高いと聞きますので、これをすべて「不満」として数値に 乗せてしまいますとどうかと不安がありました。しかし、年次比較ということであれば、 継続的にこの方法での調査を行うことにより比較ができ、有意性があると思います。 ○田口委員(座長) ありがとうございました。 今回は意識基本調査に基づいて消費者被害額の推計を行ったわけですが、今回の推計 の意義は、資料 2 の 2 頁目「今回の『消費者被害額』推計結果の扱い」に書いてありま すように、「消費者被害の全体の規模をおおまかに示したもの」ということになるわけ ですね。言い換えれば消費者行政のターゲットということになると思います。消費者行 政のターゲットになる消費者被害の全体の規模をおおまかに推計したことが、今回の一 番の意義になると思います。なお、この「消費者被害の全体の規模」をより具体的に言 えば、次の 3 頁に吹出しで書いてある「消費者被害に関する商品・サービス等への支出 総額」ということになると思います。 融資サービスに関しては、4 頁にあるように、今回の推計に同質のものとして織り込む ことは技術的に困難であるため除外しているということですね。ただ、消費者問題の重 要な一分野であることは忘れてはいけないものだと思います。 6 頁で今回の「消費者被害に関する商品・サービス等への支出総額」約 6 兆円を他の経 済指標と比較しています。GDP との比較はそれなりに意味あるものだとは思いますが、分 母と分子の同質性という観点から、より以上に重要なのは、次の家計消費との比較では ないかと思います。 9 頁に今後の課題がありますが、今回推計した数値のうち参考値としているものについ ても非常に意味のある推計だと思いますので、ここにも書いてありますが、さらなる検
8 討をして今後に繋げていくことが大事だと思います。 ○増田オブザーバー 統計の観点からはあまり詳しくないのですが、1 万件の件数から全体を推計するという ことは、一般からすればどの程度正確であるかというのが心配な部分です。推計の方法 については丁寧に説明する必要があるのではないかと思います。また、先程もお話がで ましたが、「商品・サービスの質が期待よりかなり劣っていた」という選択肢で、この 期待した根拠が、広告と違っていたのか、大手企業への信頼からくるのかなど、わかり づらいのではと感じました。 ○田口委員(座長) そのような点も含めて、推計値約 6 兆円というのは統計的に幅のあるもので、先程の「消 費者被害に関する商品・サービス等への支出総額」として捉えるとよいのかと思います。 ○吉田オブザーバー 消費生活センターに苦情を申し出る金額はかなり高く、意識基本調査の金額と乖離が あると思いました。 今後の調査においても PIO-NET 情報の活用もさらに広がっていくと感じました。 ○田口委員(座長) 消費生活センターの認知度についても、意識基本調査内で調査していますが、参考資 料 2 の問 10 をみますと、消費生活センターの認知度として、8 割近い人が知っていると 回答しており、比較的高い結果かと思いますがいかがでしょうか。 ○拝師委員 重要なのが、「業務の内容を知っている」というところがポイントで、センターは知 っているが利用しない、今まで解決のために斡旋までしてくれることも知らなかったと いう声を聞きます。センターが何をしてくれるところかを広報していくことが必要と思 います。 ○阿南長官 拝師委員のご意見のとおりで、推計結果の 9 頁に今回の消費者意識基本調査における 質問がありますが、この項目を被害と思わない消費者の方がおります。「けが、病気を する等、安全性や衛生に問題があった」33 件ですが、ほとんどの方々が経験されている はずなのに、消費者センターに相談しようとは思わないという現実があります。何でも 相談できるということを広報していかなければならないと思っております。 ○拝師委員 先程、丸山委員からご意見のあった「機能・品質やサービスの質が期待よりかなり劣 っていた」がかなり多い点についてですが、個票のなかでの具体的なケースとしてどの ような傾向のものがあったのでしょうか。 ○尾崎課長補佐 参考資料 2 の問 6①「商品・サービスの名称」で「食料品」13.3%という結果でござい
9 ましたが、これは日々購入するので機会が多いということで、「食料品」を選ぶ方が多 かったと思います。それと、本調査の調査時期が 1 月中旬~2 月上旬と、報道でも大きく 取り上げられた、冷凍食品の農薬混入事件が起きた直後であったことから、実際に購入 したという例もありました。また、「住居品」も 13.8%と高く、具体的内容をみますと、 テレビショッピングや通販で購入した掃除機が目立ちました。テレビショッピングで映 像ではすごくきれいに落ちているので購入したが、実際は違った、使い勝手が悪いなど が多かったです。このような事例で「機能・品質やサービスの質が期待よりかなり劣っ ていた」とする回答が多くみられました。他には、携帯電話機器、携帯電話サービス、 インターネットの接続回線の契約関連もございました。これは PIO-NET 情報でも多く寄 せられるもので、今回の調査でも同様の結果になりました。 その他、衣料品関連、車両関連で比較的価格が安いものをインターネット通販等で購 入したが、期待したものではなく使えないものだった等がありました。 ○拝師委員 そうすると、「(エ)表示・広告と実際の商品・サービスの内容が違っていた」や「(ア) けが、病気をする等、安全性や衛生に問題」の一歩手前のものが「機能・品質やサービス の質が期待よりかなり劣っていた」の方にかなり動いているということでしょうか。逆に 消費者側の期待が過大で、社会通念的にそこは許容範囲内ではといったケースはありまし たでしょうか。 ○尾崎課長補佐 相談の概要を書いていただいたものをみても、主観にバラつきがみられました。例えば、 インターネットでTシャツを 1,000 円で購入したが、とても着られるようなものではなか った等 1,000 円、2,000 円のものもありまして、本当に幅が広いと感じました。 一方で、具体的な内容を記述していただく前に、(ア)~(ク)の 8 項目に渡った設問が あり、結果としては「(イ)機能・品質やサービスの質が期待よりかなり劣っていた」に集 中して、他の項目は少ないといった結果となりましたが、その(イ)を選んだ方の具体的 内容を読んでみると、契約のトラブルや事業者の接客対応なども含まれるような、様々な 問題がはらんでいることが推定されるものの、回答者ご自身は認識していないケースがあ りました。 消費生活センターに相談すれば、相談員の方が問題の分類を行いますが、消費者ご本人 だとトラブルの分類解釈が難しいのではないかと感じております。 ○佐藤委員 資料 2 の 9 頁の今後の課題の中で、生命・身体分野と融資サービスに関する検討の 2 つ を挙げておりますが、生命・身体分野では、どのようなところを検討される予定なのでし ょうか。 ○後藤企画調整官 どのように推計していくかは、現時点では白紙ですが、情報収集ということで消費者安
10 全法に基づきまして、各省庁、関係機関から情報を一元的に集約できるようになっており ます。特に生命・身体分野は比較的深刻なものが多いのである程度加工したもので分析・ 推計する形になると思います。 ○佐藤委員 例えば、薬についての被害なども含まれるのでしょうか。厚生労働省の統計データなど も使用するのでしょうか。 ○後藤企画調整官 厚生労働省の統計がどのようなものになっているのか把握しておりませんが、消費者被 害に関連するものであれば、当然、厚生労働省から通知があります。 ○阿南長官 昨年のカネボウ化粧品による白斑の被害について、ほとんどセンターには相談がなく、 重大事故の通知もないという状況でしたので、捉えようがなかったのです。情報がもっと 早く集まってくると対応も早くできたと思います。その情報をどのように集めるか課題に なっております。 ○田口委員(座長) 消費者安全法に基づく仕組みとして、重大事故や消費者事故については、消費者庁に通 知するシステムが出来上がっているので、それを集計するというのも 1 つのアプローチの ような気もします。 生命・身体分野においては、一般的に意識調査で拾い上げるよりも、法制度の中で上が ってくる通知情報を推計に広げていく方法もあるのではと思います。 ○佐藤委員 生命・身体分野においては、被害額という推計にはそぐわないと思います。例えば白斑 の被害では、何を被害額とするのか、むしろ被害にあった人からすると、被害を金額換算 するのかと、被害者を軽視しているように受け取られかねないと思います。被害に遭われ て亡くなられた場合でも同じことが言えます。金額に換算する場合には、慎重にする必要 があると思います。 ○拝師委員 今のご意見に私も同感です。実際に事故で亡くなられた方やけがをされた方がいる中で、 金額に換算するのではなく、人数や件数まででよいと感じます。先程、お話しさせていた だいた多重債務についても、同じように感じます。多重債務で被害に遭われている方は、 精神的、生活的な面を破壊されてしまいますので、金額で表せないものもあります。 ○田口委員(座長) 生命・身体分野は、消費者被害額の推計として金額で積み上げるような方法ではなく、 他の推計方法を検討する必要があるのではと思います。 他にご意見等よろしいでしょうか。 それでは、進行を事務局にお返しいたします。
11 (4)閉会 ○後藤企画調整官 委員の皆様方、4 回に渡り、貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。 今回が検討会の最後でございますので、消費者庁長官阿南より挨拶させていただきます。 ○阿南長官 皆様、お忙しい中、昨年より計 4 回に渡りまして検討会へご参加いただき、非常に有益 なご意見をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。また、田口先生には、座長とし てご議論をおまとめいただきましたこと心より感謝申し上げます。 皆様のおかげをもちまして今回、消費者被害額の推計結果をまとめることができました。 ご協力いただきましたご意見を踏まえまして事務局で精査の上、最終的には 6 月に公表を 予定しております「消費者白書」に掲載することになります。現時点の試算では、日本全 体の年間の消費者被害額は約 6 兆円という推計結果になっておりまして、我が国の GDP の 約 1.2%、家計支出の 2.1%という大変、深刻なものとなっております。 あらためて、この数値をみまして私自身、消費者行政の大切さを再認識した次第でござ います。一方で、消費者庁といたしましても皆様ご存じのとおり、昨年には消費者裁判手 続特例法が成立し、また先週、景品表示法と消費者安全法を改正する法律案を国会に提出 するなど、消費者被害の未然防止、被害の救済のための仕組みの充実を進めているところ でございます。 こうした取り組みを通じて、消費者被害をできるだけ減らせるよう、引き続き全力を尽 くして参りたいと考えております。また、今回の推計に関しましても、いただいたご指摘 を踏まえて改良を加えながら、今後引き続き推計を実施し、消費者行政の道標となるよう な重要な指標に育てていきたいと考えております。 最後に皆様方のこれまでのご協力に感謝申し上げまして、閉会の挨拶とさせていただき ます。ありがとうございました。