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第 3 章ふくおか AL 通信 ~ 県立学校の教室から ~ ふくおかAL 通信 は 新たな学びプロジェクト 事業の一環として福岡県教育センターの 新たな学び チームが中心となって作成している広報紙です 県内の様々な学校の アクティブ ラーニングに関する取組 を広く発信し 県全体の授業改善の一助とする

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(1)

第3章

ふくおかAL通信 ~県立学校の教室から~

「ふくおかAL通信」は、「新たな学びプロジェクト」事業の一環として

福岡県教育センターの「新たな学び」チームが中心となって作成している

広報紙です。県内の様々な学校の「アクティブ・ラーニングに関する取組」

を広く発信し、県全体の授業改善の一助とすることを目指しています。

福岡県教育センターのホームページにも掲載中です。

<平成 29 年度 各号掲載校>

第1号

小倉商業高等学校

第2号

京都高等学校

第3号

香住丘高等学校

第4号

嘉穂東高等学校

第5号

小倉南高等学校

第6号

ありあけ新世高等学校

第7号

早良高等学校

第8号

育徳館中学校・高等学校

第9号

福岡高等聴覚特別支援学校

第 10 号 筑紫中央高等学校

第 11 号 玄洋高等学校

第 12 号 東鷹高等学校

(2)
(3)

本県では現在、県立学校の授業改善を推進するために、福岡県立学校「新たな学びプロジェクト」 事業における研究開発校8校を中心にアクティブ・ラーニングの研究と普及に取り組んでいます。 そこで今回、研究開発校以外の様々な学校における「アクティブ・ラーニングに関する取組」につ いて情報収集をして広く発信することで、県全体の授業改善の推進の一助となることを目指し、 「ふくおかAL通信~県立学校の教室から~」を発行することになりました。

福岡県立小倉商業高等学校

社会をリードする「ビジネス瞬発力」を育てる

第1号は「福岡県立小倉商業高等学校」の取組です。小倉商業高等学校では「自己管理のできる生 徒が育つ学校」をコア・コンピタンス(他校に真似できない、本校の強み)として揚げ、社会をリー ドする「ビジネス瞬発力」を育成するため、全職員、全生徒が一丸となって日々の教育活動を行って います。 1 岩本康明校長先生の話 小倉商業高等学校は、100年の歴史と伝統を誇る商業高校として、「21世紀にはばたく産業人を育てるビ ジネス(商業)教育」を実践しています。まずは岩本校長先生に、日々の学校運営で大切にしていることを 伺いました。 ○前例踏襲をよしとせず、スクラップアンドビルドを心がける。 ○先生方には日頃から、教えるな、しゃべるな、姿を消せと話している。 「教えるな」→教えすぎない。教科独自のものの見方、考え方、楽しみ方を授業の柱にする。教科 独自の楽しみ方を伝えることが教師の義務。 「しゃべるな」→教科書を網羅するのではなく、派生することを考えさせる。 「姿を消せ」→生徒が先生をすぐに当てにしないように。言われないとできない小倉商業生となら ないように、自立を促す。 ○学校の「グランドデザイン」の活用。 学校の「グランドデザイン」はA4判1枚で簡潔に学校のビジョンを示しており、生徒、職員の理 解はもとより、地域、中学校職員、中学生、保護者等へのPR効果も高い。 岩本校長先生の「教えるな、しゃべるな、姿を消せ」という言葉は、アクティブ・ラーニングの視点とも 共通する部分がありました。 2 堀修教頭先生の話 堀教頭先生にも示唆に富むお話を多く伺いましたが、紙面の都合上、いくつかに絞って紹介いたします。 ○「自己管理のできる生徒が育つ学校」を目指し、学年中心で「志」(自己管理、素直なこころ)を、 学科中心で「得意技」(ビジネス瞬発力)を育成することをコア・コンピタンスとして掲げている。 ○教育課題の解決のために裁量と責任を持たせる。(校内でのスマートフォンの活用を許容しながら 情報モラルを醸成する等) ○職員全員が、自分の方向性とエネルギーをもつ。 ○目指す授業として、CP(カリキュラムポリシー)を掲げ、「何ができるようになるか、どのよう に学ぶかが明確な授業」「自学力が向上する授業」等に取り組んでいる。 ○授業改善の校内推進体制を整え、授業スタンダード(目指す授業)の共通実践を図る。 学校として授業改善の視点が明確化されており、それが先生方の意識の向上にもつながっているよう です。

ふくおかAL通信

プロジェクト事務局

~県立学校の教室から~

第1号

(H29.7)

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト

(4)

3 各教科等の取組(抜粋) 小倉商業高等学校では、管理職の先生方のリーダーシップのもと、「自ら学び、何事にもチャレンジする フロンティアスピリットを持ち、望ましい勤労観・職業観とともにビジネスに対応できる専門的な知識・技 能および商業高校生としてのアイデンティティを確立し、グローバル社会に貢献する人材」を育成する視点 に立って、各教科等で授業改善に取り組まれています。代表的な例について下に紹介します。 国語:グループワークにより、表現に対する意見交換の場を設定。 数学:データ分析において、ジグソー法※によるグループ学習を設定。 理科:「生物基礎」で年8回の実験を実施。「科学と人間生活」「生物基礎」でペアワ ーク、グループワークを設定。 地歴・公民:ジグソー法による生徒同士の学び、ウェビング※によるまとめ、視聴覚教材 等による問いの立証の場を設定。また、模擬裁判の実施。 家庭:学習した内容を実習で実践する機会を設定。社会問題解決のための考えをまと め、発表する機会を設定。 商業:「ビジネス基礎」で新聞を活用したグループワークを設定。流通の歴史について タイムスリップしたつもりで話し合うペアワークを設定。 総合的な学習の時間:早期段階における進路意識醸成をグループワーク・発表など協働 作業・言語活動で促している。 課題研究:グループや個人による課題探究型の授業、産業現場実習等の本物体験。 ※ジグソー法:話し合いの手法の一つ。 ウェビング:思考を蜘蛛の巣(Web)のように図式化する手法。 4 アクティブ・ラーニング導入の成果 アクティブ・ラーニング導入による成果については、生徒の変容として主体的な授業参加、授業満足度 の向上が見られ、教員も「教え込まなければならない」という意識から脱却しているとのことです。 5 学習評価について ・定期考査の得点に偏らない観点別評価を実施している。 ・年間指導計画の中に「教えすぎない授業(主体的・対話的で深い学び)指導上の留意点」の項目を追加 し、全ての教科担当者が記入。 6 授業改善の広報 授業改善の取組を地域や保護者等に発信しているか伺ったところ、学校の「グランドデザイン」を職 員・生徒・保護者・地域社会・大学・企業等に配布の上説明しているとのことでした。授業改善に向けた取 組をたくさんの方に知ってもらうことが、広報活動としても大切な視点になるようです。

コラム「先生の挑戦 生徒の挑戦」

小倉商業高等学校の松藤先生による後日談を紹介いたします。松藤先生はここ数年、アクティブ・ ラーニング型の授業に積極的に取り組んでいましたが、昨年度から新しい取組を始めました。それは グループのリーダーによる活動を中心に、生徒一人一人が企業経営を意識しながら、ビジネスの場面 でどのように案件を処理するかをチームで学ぶ授業への挑戦です。そして1年後、高校生には難しい と言われる「日商簿記検定試験2級」にリーダーを含む5名が見事合格しました。以下、生徒の声で す。 ○挑戦すればするほどモチベーションが上がった。○ビジネスの場面でどのように対応するかを理解 していたので、暗記する必要がなく、自信をもって解けた。○学び合いが全体のレベルを上げた。 松藤先生は、アクティブ・ラーニング型の授業を通して生徒が教科本来の「見方・考え方」を身に 付けることが、優れた成果(資格取得や進路実現)につながったと感じておられます。

(5)

福岡県立京都高等学校

SGHとしての取組の成果を各教科に広げる

京都高等学校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)の研究指定を受けた平成27年度か ら、学校の将来ビジョンを「地域のみならず世界を舞台に活躍する将来のグローバル・リーダーを育 成する」と定め、社会の変化に対応しつつ学校の特色化を図っています。28年度に創立100周年 を迎え、新たな学校文化・価値の創造に挑戦する京都高等学校の取組を紹介します。 1 目指す生徒像及び教育重点目標 (1) 志をもって意欲的に学ぶ生徒【主体性・チャレンジ精神】 (2) 自律心と思いやりの心をもつ生徒【倫理観、責任感、協調性、柔軟性】 (3) 困難に立ち向かうことができる逞しい生徒【課題発見・解決能力、コミュニケーション能力】 2 田中浩子校長先生の話 〇 SGHの指定を受けてから、全職員の共通理解の下で取組が軌道に乗るまでは苦労も多かった が、会議や研修会の時間を確保して職員のコミュニケーションを活性化することで、学校のビ ジョンが共有化され、現在は全員で前向きに取り組むことができている。 〇 SGH指定による本校の新たな挑戦が生徒の変容に良い影響を与えており、そのことが教員の モチベーションをさらに上げる、という好循環が生まれている。 〇 授業改善のためには全職員が生徒の実態と世の中の動きを踏まえて意識改革をすることが大 切。教員には、基礎的・基本的な知識の習得は従来どおり大切にしながら、必要に応じて様々 な活動の手法やICTを取り入れることができる指導力を身に付けてほしい。 〇 SGHの研究指定(平成27~31年度)終了後も核となる事業は継続し、学校のさらなる活性化を めざしていく。 3 SGHとしての取組 研究開発テーマとして「国内外の農業問題に挑むグローバル・リーダーの育成」を掲げ、グロー バル・リーダーとして必要な資質・能力(社会問題に対する関心、論理的思考力、コミュニケーシ ョン能力、ICT活用能力、課題発見・解決力、文化・歴史に対する理解、多様性の理解、協働的 に取り組む力、リーダーシップ)の育成をめざしています。「総合的な学習の時間」では生徒が地 域・大学・企業・官公庁の協力を受けながら課題研究に取り組んでいます。 【具体的な取組(主なもの)】 1、2年次:フィールドワーク、インタビュー、レポート作成、海外研修等 京都大学のスタッフによる遠隔講義やレポート指導(TV会議システムの活用) 3年次:研究成果の地域への発信(「草の根グローバル活動」) 4 「課題研究」におけるルーブリック(評価基準表)の活用 課題研究においては年間の目標を明確に示すルーブリックを作成し、節目節目で生徒の自己評価 や相互評価、教員による評価に活用しています。活用の成果として「教員と生徒が目標を共有する ことができた」「授業のPDCAサイクルをうまく回せるようになった」「生徒の自己評価力を高 めることができた」「教員が生徒の実態をより深く把握し、多様な観点から生徒を見ることができ るようになった」等が挙げられています。

ふくおかAL通信

~県立学校の教室から~

第2号

(H29.9)

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト

(6)

5 各教科におけるアクティブ・ラーニング型授業 (1) 導入とその成果 SGHとしての取組が始まってから、各教科の授業においてもアクティブ・ラーニングの視点に よる授業改善が広まっています。講義中心の授業においても、生徒の「思考の言語化」や「学びの 可視化」を促すための発問・ワークシートの工夫がなされるようになりました。ルーブリックを活 用したパフォーマンス評価やポートフォリオ評価の導入も進んでいます。 アンケートでは7割以上の教員が「アクティブ・ラーニングを取り入れた授業によって生徒に前 向きな変化が見られた」と回答しており、具体的な変化として「積極性が高まった」「行事などで リーダーシップをとる生徒が増えた」等を挙げています。また、小論文や面接を課す入試に臆せず チャレンジする生徒が増え、近年の国公立大学合格者の内訳を見ると、推薦・AO入試による合格 者の割合が上昇しています。 (2) ICTの積極的活用等 ICTを活用して板書や説明の時間を短縮することで、言語活動の時間を確保しつつ授業進度が 維持されています。また、視覚に訴えることで生徒の関心や理解度を高めたり、教材を教員間で共 有したりできる、という点でもICT活用の価値を感じている教員が増えています。 ICTを活用した数学の授業 新聞を活用した「現代社会」の授業 「グローバル人材として求められる資質」 (教室の黒板上方のスペースに掲示されています) 6 「広める」「つなぐ」取組 生徒が先輩の姿から多くを学べるように、課題研究等の学習の過程や成果を2、3年生が1年生に引き 継ぐ場の設定が計画されています。教員間でも学年間で指導の成果や課題についての引継ぎが十分にな されています。 今年度の授業見学週間(共通テーマ:「主体的・対話的で深い学びの実現」)には、小・中学校の先生 方にも授業が公開されます。

(7)

福岡県立香住丘高等学校

科学的に「探究する力」「伝え合う力」を全校で育成する

第3号は「福岡県立香住丘高等学校」です。同校は、平成15~17年度に英語科を中心としたS ELHi(スーパーイングリッシュランゲージハイスクール)、平成23~27年度に普通科数理コ ミュニケーションコースを中心とした第1期SSH(スーパーサイエンスハイスクール)で探究的な 授業に取り組み、成果を蓄積してきました。第2期SSH(平成28~32年度)では、その成果を 全校に広げて全学科・コースでの探究型教科・科目の実践を目指して、計画的・組織的な「アクティ ブ・ラーニングの視点からの授業改善」に取り組んでいます。 1 教育活動で生徒に身に付けさせたい資質・能力 (1) 学んだ知識を生かしながら行う「知の統合能力」 各教科の授業において、体験を通しての問題解決型の学習活動を多く取り入れることにより、 学んだ知識を生かしながら「知の統合化・総合化」を図り、生徒個々の「生きる力」を育成する。 (2) 協働や体験を通して深める「人間関係形成力」 生徒同士の協働や教師との対話を通して自己の考えを広げ深める「対話的学び」の能力を育成 する。 (3) 自己のキャリアを意識した「自己管理力」 学ぶことに興味・関心を持ち、自己のキャリアと関連づけながら見通しをもって主体的に学ぶ 能力を育成する。 2 授業改善に関する取組 全クラスの全教科・科目で「深い学び」、「多様な学び」、「主体的・協働的な学び」を重視し た授業を推進するため、平成27年度から計画的・継続的に授業改善に取り組んでいる。 (1) 昨年度までの取組 「主体的・対話的で深い学び」を目指して授業改善プロジェクトを推進した。具体的には、平 成27年度に全体研修会を年間6回、各教科別の研修会、若手教員研修会等様々な研修を行い、 平成27・28年度に全教科での公開授業を実施した。 (2) 今年度の取組 さらに組織的な授業改善を推進するために、「授業改善プロジェクトチーム」と「課題研究プ ロジェクトチーム」を編成し、指導法と評価法の一体開発を目指した取組を進めている。 福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト 3年生の理数数学Ⅱの授業です。複数のグループが同じ問題を解き、グループ内で説明をしたり、他の グループの説明を聞いたりして、考えを深めています。

ふくおかAL通信

~県立学校の教室から~

第3号

(H29.9)

(8)

ア 授業改善プロジェクトチームの目的・重点目標 目的:「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、その手法や改善の方策を研究・開発 するとともに、職員研修や研究授業(公開授業)等をとおしてその成果を公開・検証し 授業改善を推進する。 重点目標:授業形態の改善と評価方法の体系化 イ 課題研究プロジェクトチームの目的・重点目標 目的:本校教育力向上の重要課題である「生徒課題研究」(学校設定科目 SS総合科学探 究・SS科学探究)の推進役として、その手法や発展充実の方策を研究・開発する。 重点目標:SS総合科学探究の指導法・評価法の体系化と進路学習・キャリア教育の再構築 3 アクティブ・ラーニング導入の成果 (1) 生徒の主体的な活動 〇探究教科「SS科学探究」の開発と科学系部活動による生徒課題研究の飛躍的進歩 平成28年度SSH生徒研究発表会 文部科学大臣表彰 研究テーマ:「水平軸回転飛行物体の飛行性能の向上に関する研究 ―風力発電機への応用 を目指して―」 平成29年度SSH生徒研究発表会 審査委員長賞 研究テーマ:「水溶液境界面の拡散速度の測定と溶質物性に関する研究」 〇生徒課題研究の積極的な外部発表や公募審査への応募→日本学生科学賞への出品・入賞多数 (2) 授業改善に対する意識の向上 〇校内研修会で検討した授業改善の重点項目を自分の 授業に反映させることができた教師:80%以上 〇校外研修会・報告会等への参加を自分の授業改善に 生かすことができた教師:90%以上 4 今後の方向性 (1) 評価規準・基準の明確化・具体化 各教科・科目の授業における評価の在り方(「個別の知識や技能」の評価と「思考力・判断力・ 表現力等」の評価の規準等)を明確にして、具体的な校内基準を示す。 (2) 全学科・コースで実施する探究型教科・科目の実践と評価方法の一体開発 第1期SSHから継続している「SS科学探究」の実践を生かして、今年度からスタートした 普通科と英語科の「SS総合科学探究」によって、全学科・コースで探究型教科・科目を実施し て、「探究する力」の育成法と到達目標に基づいた評価法の研究を進める。 既存の校務分掌の枠を超えた課題解決型チームの活動によって、授業改善と探究型科目の指導 方法・評価方法の研究が組織的に推進されています。その結果「SS科学探究」の授業満足度が 特に高まっています。 「SS科学探究」の実践は、次期学習指導要領で「各学科に共通する科目」において、数学と理科 の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う、新たな選択科目「理数探究基礎」、「理 数探究」の先行事例と言えるものです。第1期の実践・研究を基に、第2期SSHで研究開発課題を 「科学的に『探究する力』・『伝え合う力』の育成法と能力評価法の研究開発Ⅱ」と設定して、全教 科・科目における主体的・協働的な学びを重視した授業と評価の改善を組織的に進めており、この取 組は、各学校における「主体的・対話的で深い学び」の実現の参考になるものです。

(9)

福岡県立嘉穂東高等学校

全校が一丸となった授業改善

第4号は福岡県立嘉穂東高等学校の取組です。同校は創立107年を迎え「清純・礼節・理智・勇 気」の校訓の下、歴史と伝統を受け継ぎ発展させる中で、志高く、明るく爽やかな生徒の育成を目指 して日々の教育活動を行っています。全日制課程には筑豊地区で唯一の専門学科「英語科」が設置さ れており、英語力や国際感覚を高める取組が行われています。 1 授業改善の推進 (1) 教務部と研修部による推進 教務部は主に研究授業や授業検討会の企画、資料図書の充実、ICT機器の整備を行い、研修部が具体 的な授業手法に関する職員研修を行います。両部が連携して取組を推進した結果、アクティブ・ラーニン グについての理解が浸透し「主体的・対話的で深い学び」の実現をめざしてグループワークや協働的な学 習活動を授業に取り入れる教員が増加しています。 8月には教育課程研究集会の報告を兼ねた研修会を運営委員対象に実施し、次期学習指導要領を見据え た準備への気運も高まりつつあります。 (2) 4技能統合型の英語の授業 平成28年度には「福岡県英語教員指導力向上研修」の研修協力校となり、年間4回の公開研究授業を 実施し、外部有識者の指導・助言を受けながら4技能統合型の授業づくりに英語科全員で取り組み、指導 力の向上を図ることができました。 2 専門学科「英語科」(以下「英語科」という。)の取組 (1) 学校行事と授業の連動 1年次のサマーキャンプ(2泊3日の語学研修)、2年次の海外語学研修(ホームステイ)、文化祭で の英語劇の発表等の学校行事と授業を連動させることで、実際に英語を使う場面を充実させ、実践的な英 語力を高める指導を行っています。英語でのアウトプットを主体とした行事が多く、卒業までの3年間で 英語力が飛躍的に向上します。 (2) コミュニケーション能力を向上させるための工夫 ALTとのティームティーチングを中心に、英語でコミュニケーションを図りながら、外国事情や異文 化に関する理解を深める授業を行っています。また、グループワークや集団討論を取り入れることでプレ ゼンテーション能力の育成も図っています。その結果、人前で話せなかった生徒が堂々と話せるようにな る等、コミュニケーション能力の向上が見られるようになりました。 「英語科」での指導のノウハウやリソースが普通科での授業改善にもつながっています。 3 各教科等での実践例 (1) 総合的な学習の時間 総合的な学習の時間では、グループワークを中心とし、多くの情報を収集し他者と協働して課題に取り 組み、解決する能力を育てています。また、自己の在り方や生き方を明確にし、自己の進路を探求するよ うな活動にも取り組んでいます。 (2) 理科(化学) 「学習内容の説明→班別グループワーク(演習)→まとめ」という流れで、学習内容の理解を深める授

ふくおかAL通信

~県立学校の教室から~

第4号

(H29. 9)

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト

(10)

業が実施されています。授業時間を効率的に活用するために、板書と全く同じ内容のワークシートを配布 して要点を書き込ませています。ワークシートはそのままノートに貼りやすい大きさで作成しており、授 業後の復習にも役立っています。 各教科で反転授業の導入、生徒の自主学習の成果発表の実施、授業のまとめや振り返りの充実等の工夫 がなされており、主体的な学びを促す授業改善が進んでいます。 (3) 学習評価について アクティブ・ラーニングの導入により、学習評価法の改善も進んでいます。 生徒による自己評価や相互評価を毎時間取り入れている授業では、生徒同士が互いを認め合う雰囲気が でき、個々の自己肯定感の向上が見られます。評価項目には「知識・理解」以外の項目を入れ、考査結果 等には現れにくい「学びに向かう姿勢」が評価できるように工夫されています。この取組は個々の生徒の 実態把握の助けにもなり、自己肯定感が極端に低い生徒や学習意欲が低い生徒に対しての速やかな支援に つながっています。 4 アクティブ・ラーニング導入の成果 (1) 生徒の主体性の向上 授業では、活動の意義を捉えて積極的に参加する生徒が増えました。友人と励まし合ったり質問し合 ったりしながら対話の良さを実感し、自己有用感を高めている姿がみられます。様々な行事では生徒が 企画・運営を主体的に行い、人間関係を構築する力や協力して困難を克服する力が育まれています。 また、授業でグループワークを経験した生徒がホームルーム活動でグループワークの提案をする等、進 んで自らの学びの場を構築しようとする意識も向上しています。 (2) 個に応じた指導の充実 担任と教科担当者が連携し、グループワークの状況報告やワークシートの確認等、多方面からの生徒理 解が可能になっています。画一的な講義型の授業ではなかなか個別の状況の把握、人間関係、クラスの雰 囲気等の把握が難しいですが、活動があるとその様子が把握しやすく、また「気になる生徒」の状況も浮 き彫りになるため教員相互の連携がしやすくなっています。 5 今後の方向性 嘉穂東高等学校は「地域に貢献できる人材を育てている」という信頼を得ており、これまでの歴史と 伝統を大切にしながら、「グローカル」な人材の育成をめざしています。そのためにも今後、全教科での 「アクティブ・ラーニングの視点を取り入れた授業改善」とその成果の発信に力を入れていきます。 自己評価、他者評価の記入欄 (毎時間のワークシートに記載)

(11)

福岡県立小倉南高等学校

鍛え、ほめ、可能性を伸ばし、サザンクロスプランで進路実現を目指す

第5号は福岡県立小倉南高等学校の取組を紹介します。同校は創立110周年を越える歴史と伝統 「南高PRIDE」を受け継ぎ、教職員の協働体制のもと、生徒一人一人の自己実現を目指し、社会 の変化に対応して地域を支え、国際社会に活躍できる人材育成に取り組んでいます。 1 授業改善のめざす方向性 小倉南高等学校の教育活動の重点目標は、次の3点です。 ・「南高PRIDE」を継承し、何事にも意欲的、主体的、協働的に取り組む。 ・社会の変化に的確に対応し、希望進路実現のための教育活動を学校全体として計画的に行う。 ・人権尊重の精神を涵養し、いじめ、暴力等絶対に許さない人間教育を行う。 上記の重点目標を踏まえ、「授業改善と基礎学力の定着」として、学校のグランドデザインの中に次 の3項目があげられています。 ・日々の授業の分析・検証及び改善による「授業で勝負する」教師力の確立と生徒の学習意欲向上 ・ICT機器の活用、アクティブ・ラーニングの視点による授業改革 ・ 漢検、英検、GTEC、ボキャブラリー・コンテストの実施 これら3つの項目に対して、小倉南高等学校はアクティブ・ラーニング型授業をはじめ、様々な取組を 行っています。 2 具体的な取組 (1)各教科の授業での取組 すべての教科・科目で、アクティブ・ラーニング型授業が行われています。移動用ノートパソコン、 プロジェクター、簡易スクリーン等のICT機器を昨年度新たに購入し、多くの教員が授業で活用して います。また、教員が定期的に授業アンケートを実施し、課題の量や授業進度等を確認するとともに、 生徒自身が自らの学習を振り返る機会としています。 (2)「サザンクロス(南十字)プラン」での取組 「サザンクロスプラン」とは、小倉南高等学校が行う高等学校3年間を通して行う組織的・体系的な 進路学習のことです。授業だけでなく学校行事においても生徒自身が、自ら考え、調べ、他者と協働す ることや主体的に学習・体験を行うことで、自分自身の可能性を見いだし、社会において主体的に逞し く生きるための資質を育むことを目指しています。この取組が、教師主導型の学習指導から生徒主体の 学習指導への転換を促し、学校全体でのアクティブ・ラーニング型授業の推進につながっています。

ふくおかAL通信

~県立学校の教室から~

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト 教室後方で、電子黒板を用いて確認を行い、その後教室前方で本時の課題の提示を行い、協議へ進む。

(12)

(3) 職員研修の計画的実施 教育目標達成に向けて、研修主任がリーダーシップを発揮し、外部講師を招聘した職員研修・授業研 修会・公開授業を系統的に行っています。また、教員相互による公開授業参観を定期的に行い、協働的 に自己研鑽を行う環境が醸成されています。 【過去3年間に実施された職員研修】(*印については外部講師を招聘) <平成26年度> ・英語科担当教職員研修会 ・授業研修会 テーマ「わかる授業の実践」 実施教科・人数 6教科・13名・・・* ・職員研修会「ICTを活用した授業改善について」(11月)・・・* 「PowerPoint研修会(入門編、実践編)」(12月)・・・* <平成27年度> ・英語科担当教職員研修会・・・* ・授業見学週間(AL型授業、ICT活用授業) 実施教科・人数 7教科・12名 ・授業見学週間(AL型授業、ICT活用授業)を踏まえての情報交換会 ・授業研修会 実施教科 各教科 ・職員研修会「2020限界突破小倉南のアクティブ・ラーニング」(6月)・・・* ・公開授業 <平成28年度> ・授業見学週間(AL型授業、ICT活用授業) 全職員が授業実施 ・授業見学週間(AL型授業、ICT活用授業)を踏まえての情報交換会 ・授業研修会(年3回) 実施教科・人数 3教科・4名 ・講演会「立命館宇治のキャリア教育」「授業でのキャリア教育」(5月)・・・* 「二次試験に対応出来る力を育成するアクティブ・ラーニングの実際について」・・・* ・職員研修会「電子黒板の使い方」(3月) 3 導入の成果 (1) 生徒の変容 サザンクロスプランの取組を通して、生徒の課題発見力・問題解決能力が伸長し、自分の進路を主体 的に考えて選択する姿が顕著になりました。難関大学の推薦・AO入試等に自ら進んで果敢にチャレン ジし、進路目標を達成する生徒が増えています。 授業においては、生徒の学習意欲の向上が見られます。それに伴い校外模試における上位層の増 加、下位層の減少という成果が現れている教科もあります。努力すれば結果が現れ、成績も向上する ということを、授業を通じて生徒が実感できていると考えられます。 (2) 教師の変容 各教科担当者が協力してアクティブ・ラーニング型授業に取り組んでいます。クラスの状況に応じ て、班別授業や「一斉講義+教え合い」の授業等、形態を工夫しています。また、隣接した教室で授 業を行う場合、担当同士が廊下で授業進度や方法・問題点を話し合うことも多く、教員間の意見交流 が増えています。 4 今後の課題 (1) 教師の授業力の確立 アクティブ・ラーニング型授業やICTを活用した授業をさらに工夫し、生徒の学習意欲をさらに 向上させる必要があります。 (2) 学習評価の在り方 アクティブ・ラーニング型授業の成果をさらに高めるために、学習評価の改善についての研究を進め ています。

(13)

福岡県立ありあけ新世高等学校

~地域から愛され、信頼され、誇りとなる日本一の総合学科をつくる~

第6号は福岡県立ありあけ新世高等学校の取組の紹介です。ありあけ新世高等学校は「普通科」と 「専門学科」の枠を超え、生徒の個性を生かした主体的な学習を重視する「総合学科」を設置する筑 後地区唯一の県立高校です。平成29年度に創立15周年を迎え、より生徒主体の活動的な学校を目指し 特にキャリア教育を重視しており、「主体的に行動し、調べる力、聞く力、まとめる力、発表する力 などを身に付けた生徒」の育成のために特色ある教育活動を行っています。 1 目指す方向性 <学校ビジョン> 新世生よ、人生のプロデューサーたれ! 「自分にできることは何か?」と意識高く問いかけ、若さと強い精神力で、困難に立ち向かい、 「なりたい自分」をしっかり見すえて努力し、場をわきまえ、相手を重んじた言動で心深く通じ合 い、人生を自らの手で仲間とともに切り拓け。 我が国に脈々と流れる「誠実・勤勉・思いやりの心」を受け継ぎ、地域に根ざして活躍することに 静かな誇りを持って。 <生徒行動指針> (1)笑顔で明るく、大きな声で挨拶をしよう (2)失敗を恐れず、自ら進んで行動しよう (3)自分の意見を持ち、相手に伝えることができるようになろう (4)自分たちの力で企画・運営 していく実行力を身につけよう (5)いろいろなことにチャレンジし、自分の夢や道を拓こう 2 課題解決型体験学習を重視したキャリア教育 キャリア教育の特色は、地域貢献を柱とする充実した課題解決型体験学習による生徒の主体性を育 成しているところです。その中心は、1年次の「産業社会と人間」と、2・3年次の「総合的な学習 の時間」です。体験学習の教育効果を高めるために、経験知の積み重ねと、その経験知の共有・発信 を計画的に行っています。具体的には、1年次はグループ学習による課題解決型体験学習を行いま す。2・3年次は、各自の進路や興味関心に関する一人1テーマに取り組み、成果を全員が発表しま す。さらに顕著な成果を出した代表生徒が総合学科発表会で披露しています。 3 授業改善の取組 (1)公開授業と職員研修(平成29年度の計画 一部予定) 平成29年7月、10月 公開授業週間 テーマ「アクティブ・ラーニングを取り入れた授業」 ※10月には研究授業大会を実施 平成28年度は指導助言者として県教育センターの国語、英語、数学、商業の 指導主事を招聘 平成29年8月 職員研修「観点別評価・アクティブ・ラーニングについて」 平成30年2月 職員研修「各教科における観点別評価・授業改善の取組について」

ふくおかAL通信

~県立学校の教室から~

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト

(14)

(2)「授業に関する自己診断」 今年度末に全教員を対象にアンケート形式の自己診断を実施する予定です。「ペア学習やグルー プ学習など、協働的な学び合いの場を設けている」「事前にテーマを与え、生徒が自分の考えや意 見を発表できる場面を設けている」等の項目を設定し、アクティブ・ラーニングの視点からも授業 を振り返ることができる内容になっています。 4 総合学科発表会 (1)読み原稿なしの発表 この発表会は、開校当初から実施している最大の学校行事で3年間のキャリア教育の集大成です。 毎年12月に大牟田文化会館の大ホールで実施されています。平成28年度は「自分の目で福島の“今” を見て、何ができるのかを考えたい」という思いを参加者に伝えるために、福島支援ボランティアの 報告も行われました。 中でも特徴的なのは伝統として受け継がれている読み原稿なしの発表です。代表者はプレゼンテー ションソフトを用いて10~15分間の発表を行います。読み原稿は一切ありませんが、大牟田文化会館 の広い会場全体に向けて語りかけるように、終始流れるように発表が進んでいきます。 総合学科発表会だけではなく、日常の学校生活の中で自分の意見を述べる場面においても、読み原 稿は一切ありません。最初は2,3分の発表から始め、徐々に時間を延ばしていくうちに、生徒達は 徐々に上達していきます。1年次の生徒達も、先輩達に倣って全く抵抗なく原稿無しの発表に取り組 んでいきます。この経験を通して、自分の考えを自分の言葉で、わかりやすく伝える力が身に付きま す。 (2)地域への発信 平成28年度は自立と協働を学ぶ体験活動報告として、「大牟田よかとこマップ」「大牟田市動物 園支援事業」についての発表や、『自ら行動 地域に笑顔 新世ボランティア』をスローガンとし た、ボランティア活動報告が行われました。てっぱん部をはじめ、多くの生徒達が様々な地域のイ ベントやボランティア活動に参加し、地域の方々から愛され、信頼され、誇りとされています。在 校生がそれぞれの母校を総合学科発表会の案内状を持参して訪問するため、在校生の保護者だけで はなく、近隣の中学校の先生方や保護者も多く参加します。 5 課題解決型体験学習の成果 生徒の主体性が育まれ、大学進学後や社会に出てからの評価が大いに高まっています。課題研究発表 会に他人事ではなく自分事として意欲的に取り組む生徒が増え、発表する力とともに聞く力も育って います。また、協働して行事を成功させる体験から生徒達の中に連帯感が生まれています。日常の授 業においても課題解決型学習の視点が入っており、毎時間の取組の積み重ねが生徒達の著しい成長を 支えています。 6 今後に向けて 次の3点について、検討等を行っていきたいと考えています。 ○観点別評価の導入に向けた職員研修の充実。 ○今年度導入された県内の県立高校初のテレビ会議システムを効果的に活用した取組の検討。 ○総合学科発表会のさらなる充実を含めて、学校活性化のための新たな取組の検討。

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福岡県立早良高等学校

「ほめて伸ばす」を合い言葉に、地域と共に生徒を育てる

平成29年度の同校のスローガンは「元気溌剌 輝く笑顔 地域と共に早良高校」+powerfulです。 「生徒が通いたい、保護者が通わせたい、地域が応援したい、職員が働きたい」学校づくりを目指して 教育活動を行っています。 1 授業改善の目指す方向性 「生徒たちが幸せな社会人として生きていける力をつける」を教育目標に掲げ、確かな学力育成の ために、ICT機器の活用やアクティブ・ラーニングを取り入れた授業及び観点別評価の実施を通 して生徒の主体的に学ぶ態度の育成を目指しています。また、福岡地区唯一の体育系コースである スポーツコミュニケーションコースでは、専門種目の競技力に加えてコミュニケーション能力の向 上を図っており、社会に貢献できる生徒の育成を目指して更なる特色化・魅力化を図っています。 2 アクティブ・ラーニング型授業の具体的な取組 ホームページで公開されている学校紹介動画では、「楽しみながら成長を実感できるよう工夫さ れた授業は、早良高校の魅力の一つです」と授業がPRされています。 ICT機器の積極的活用により、授業中の説明を分かりやすく簡潔に行い言語活動の時間を充実 させることができるようになりました。生徒は論述問題やプレゼンテーションに取り組んだり、互 いに教え合ったり、グループで問題解決をしたり、という活動に積極的に取り組んでいます。 また、国語・数学・英語については中学校の学習内容の学び直しを行うことで、「中学校で勉強 が苦手だったが高校で頑張りたい」という声が出るようになる等、意欲を伸ばし、基礎学力の定着 につながっています。 3 観点別評価の導入 平成28年度から「生徒がやる気を出し、前向 きな学校の雰囲気を作り出す」ために観点別評 価を本格的に導入し、アクティブ・ラーニング 型授業の導入と併せて指導と評価の一体化を図 っています。「ほめて伸ばす」を合い言葉に、授 業中の生徒の自主性や積極性を加点法で評価し ます。さらに効果的な学習評価が可能になるよ う、改善しながらシステムの定着を図っている ところです。 4 地域との連携 地域の保育園や小学校との交流、地域行事の運営ボランティア、祭りへの参加等、生徒が地域で 活躍する場が増えています。隣接する公益財団法人オイスカの西日本研修センターで農業を学ぶ海 外研修生との交流も行っています。生徒が自らのキャリアについて考える機会を得るとともに、地 域の方々が「早良サポーター」として生徒を見守り、学校の教育活動を支援しています。

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~県立学校の教室から~

第7号

(H29.11)

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト ICTを活用した英語の授業

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5 職員研修と授業参観の工夫 (1) アクティブ・ラーニング型の職員研修 授業力向上のために「今日からできるICT機器を活用した授業づくり」「アクティブ・ラーニ ングの実践発表」「新聞活用教育(NIE)とアクティブ・ラーニングの取組について」「支援・配 慮が必要な生徒の理解」等の研修を行っています。 講義だけではなくワールドカフェ形式等のアクティブ・ラーニング型の研修を実施すること で、教員同士の意見交換が促進され、日常のコミュニケーションの活性化につながっています。 (2) 「プラス思考」の授業参観 相互授業参観週間には参観者が授業に対する感想を書きますが、「批判は一切しない」ことが原 則となっています。互いに良い点をほめて学び合いながら授業の可能性を引き出す雰囲気が創ら れ、進んで授業を公開する教員が増えました。 他校や地域の小・中学校の公開授業にも若手教員を中心に積極的に参加しており、学んだこと を校内に還元しています。 6 アクティブ・ラーニング型授業導入の成果 平成23年度に学校改革に着手して以来、年を重ねるごとに授業や学校行事、進路実績の面などで 良い変化が現れています。特に、体育祭では、リーダーシップをとる生徒の姿が顕著になりまし た。ボランティア等の課外活動に自ら進んで参加する生徒も着実に増えています。 今年度の授業アンケートの結果からは、生徒の授業満足度が非常に高いことがわかります。特に 「授業中に発表し易い雰囲気になっていますか」の問いに多くの生徒が「はい」と答えていること から、生徒が安心して授業中の活動に取り組めていることが分かります。 7 今後に向けて 昨年度導入された自己推薦入試制度により、「早良高校で学びたい」という意欲のある生徒が たくさん入学しました。生徒の意欲と主体性をさらに伸ばして学力をつける授業を行うために、 授業と学習評価の改善に継続的に取り組んでいます。 (早良高等学校「校長だより」平成 29 年度第3号から抜粋)

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福岡県立育徳館中学校・高等学校

次世代のリーダーを育成するアクティブ・ラーニング

今回は福岡県立育徳館中学校・高等学校の取組の紹介です。同校は 1758 年(宝暦8年)に小笠原 藩の藩校として開校し、創立 259 年という県下一の歴史と伝統を誇っています。平成 16 年に育徳館 中学校が併設されて県下初の中高一貫教育校となり、新校舎が建設されました。生徒達は自然豊かな 環境で切磋琢磨しながら学校生活を送っています。 1 育徳館中学校・高等学校について (1) 教育目標 「育徳館の歴史と伝統を大切にするとともに進取の気風に溢れ、めまぐるしく変わる社会環境の中で 逞しく生き抜く、知・徳・体のバランスのとれた次世代のリーダーとなり得る生徒を育成する」です。 【目指す生徒像】 ①品位を備え、人としての良い行いができる生徒 ②確かな学力を身に付けた生徒 ③志を高く持ち 挑戦を厭わない、心身ともに逞しい生徒 (2)「育徳ビジョン」(中高一貫教育指導体系) 「次世代を担う人材(次世代のリーダー)の育成」をミッションとし、6年間のどの時期にどのよう な力をつけるかを学習指導、進路指導、生徒指導の三つの観点から明確に示した「育徳ビジョン」に基 づいた教育活動を行っています。 「アクティブ・ラーニング」を学校経営要項の中に位置付け、あらゆる教育活動において積極的に取 り入れています。生徒たちが主体的・協働的に学ぶとともに、一人一人がもっている個性と能力を十分 に引き出すことを常に意識した授業が行われています。 2 「育徳ビジョン」に基づくアクティブ・ラーニング (1) 各教科の授業での実践例 生徒達の「主体的・対話的で深い学び」を実現できるような工夫 をし、特に自己決定させる場を大切にしています。以下に実践例の 一部を示します。 中学1年 社会 「自立の道を歩む東南アジア」 ペアワーク、グループワークで意見を出し合いながら、写真やグ ラフの読み取りを行う。外国との関わりを視点に、地理的・歴史的 背景から東南アジアの特色にせまる。 中学2年 保健体育 「し尿やごみの処理について理解しよう」 生活の中の身近な問題であるし尿やごみについて、何が問題なの か、どうしたら解決できるかを班で考え、最後は全体でまとめる。 中学3年 国語 「様々な本を紹介する際に、効果的な構成を考えよう」 ①本の紹介(個人→班)を行う。 ②班全員の本を効果的に紹介

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第8号

(H29. 12)

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト

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する構成を考える。 ③発表の評価を行う。 高校1年 理科(生物基礎) 「腎臓の尿生成における成分の濃度について説明しよう」 電子黒板・書画カメラを用いて考え方を共有し、グループでの教 え合いによって学習内容の定着を図る。 高校2年 国語(現代文B) 「キーワードに注意して段落の内容を読み取ろう」 ①ペアで本文を音読する。 ②問題提起の確認を行う。 ③キーワードに注意しながら筆書の意見を考察する。 高校3年 国語(古典B) 「センター試験古典(古文)の解法、理解度の確認をしよう」 ①制限時間 20 分で問題を解く。 ②ペアで答え合わせを行う。 ③ペアでワークシートを使って、文 法、解釈の確認を行う。 ④ワークシートの確認、発表をする。 ⑤解答を配布し確認を行う。 (2) 課題研究「育徳プラン」 課題探求力を育成していくために、高校2年次に課題研究「育徳プラン」を行っています。生徒は自 分で課題テーマを設定して研究を深め、社会で求められる課題探求力を養います。中間発表会では、グ ループに分かれて学年での事前発表会を経て選抜された生徒が行います。更に、各分野において高度な 専門知識を持つ大学等の先生方をお招きして講評もいただくため、内容だけでなく、より高いプレゼン テーション力が求められます。 中学校においても「育徳プラン」を取り入れ、継続的な取組によって更なる課題探求力の育成を図っ ています。 (3) 特色ある学校行事 学校所有の茶園での全校生徒による茶摘み体験は、歴史と伝統を受け継ぐ勤労体験学習として地域住 民に親しまれています。また、中高合同での文化祭や体育大会等の異校種交流体験等を充実させ、生徒 の個性と能力を引き出しながら人格形成を目指しています。 3 中高の教職員の連携 中学校と高校の職員同士が常に情報交換を行い、育徳館として目指す生徒像について共通理解を図 っています。最近では中学校の教務主任が「我が校のALを」と題して職員研修を行い、中学校での 授業の紹介をしながら新しい大学入試に向けて求められる力を全職員で共有しました。グループ討議 では、ALの視点からの授業改善の手立てについて全員で意見交換しながら、学校全体としての方向 性を確認しました。また、高校の進路担当の主幹教諭が主催する進路検討委員会(毎週木曜日4限 目)では、高校の進路、教務担当と指導教諭、中学の教務、生徒指導、進路担当、中学・高校の各学 年主任が参加してお互いに情報交換しながら育徳館の教育目標を踏まえた教育活動となるよう検証・ 改善を行っています。 4 アクティブ・ラーニングの成果 (1) 主体性・積極性の伸長 先生がALの視点からの授業改善に積極的に取り組むことで、生徒が主体的に行動する姿が授業だ けではなく、学校行事や部活動等多くの場面で現れるようになりました。 (2) 教員の授業改善への意識の向上 教員がこれまでの授業を見直し、授業の中で生徒が主体的・対話的に考え、より深い学びにつながる ような授業の在り方を志向しています。特に中高の教員の連携の強化は、中高一貫教育校ならではの強 みです。

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福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校

全校が一丸となった授業改善

第9号は 福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校 の取組を紹介します。同校は、県内唯一の高等部 のみの聴覚特別支援学校です。 高等学校に準じた教育を行う高等部普通科(3か年)及び職業に関する専門教育を行う高等部専攻 科(2か年)を設置し、生徒一人一人の特性や障がいの状態に応じ、きめ細やかな学習指導や進路指 導を行っています。 1 教育目標 「聴覚に障がいのある生徒に対し、心身の発達に応じて高等学校に準ずる普通教育及び専門教育 を行い、社会の一員としての自覚と責任をもち、心身の調和のとれた人間の育成を目指す。」 音声や手話、筆談等、様々な伝達手段を用いるとともに、プレゼンテーションソフトや拡大印刷 等の視覚的補助教材を活用し、「分かる授業」の実践を目指しています。また、生徒たちに様々な 資格取得を積極的に勧めるとともに、知識や技術、学習に対するモチベーションの向上に努めてい ます。近年は、大学、短期大学、専門学校等に進学し、自分の可能性を伸ばす生徒が増えてきまし た。 2 ICT機器を活用した授業実践の研究 平成28年7月から、「聴覚障がいのある生徒の主体的に学ぶ力や自己表現力を育てるための指 導の在り方~タブレット型情報端末等のICT機器を活用した授業実践を通して~」という主題の 下、学校研究を進めています。生徒用タブレット型情報端末(以下タブレット)を学習に活用する ことにより、聴覚障がいによる情報入手の困難さを補い、生徒の主体的に学ぶ力、コミュニケーシ ョン能力の向上など社会的自立に向けた資質・能力の向上を目指しています。 (1) ICT活用推進委員会・教務部による学校研究の推進 中心となって研究を推進しているのが、ICT活用研 究推進委員会と教務部です。ICT活用研究推進委員会 が企画調整課の指導の下、ICT機器活用の環境整備・ 運用方法を担当し、教務部が学習環境の整備、授業研究 の推進を担当して研究を牽引しています。 (2) ICTを活用した授業の公開 本年度は、県教育センター作成の、「『アクティブ・ ラーニングの視点』からの授業構想メモ」(県教育センタ ーのホームページからダウンロード可)をアレンジして、 「『主体的に学ぶ力や自己表現力』を高める『ICT機器 を活用した授業構想メモ』」を作成し、これを基に全教員 がタブレットを使用した授業公開を行いました。 職員室に「ICT機器活用コーナー」を設けて、その日 の公開授業の「授業構想メモ」を掲示し、さらに、授業後 には写真入りの授業報告を掲示する等、個人の取組を全 体で共有しやすい工夫をしました。その成果は11月の ICT活用研究報告会で発表されました。

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第9号

(H30. 1)

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト 授業構想メモ 授業後の報告

(20)

3 各教科等での実践例 生徒たちの「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した、ICT機器活用の実践例の一部を 紹介します。 (1) 保健体育「体育」:単元名「バスケットボール」 7、8名のグループでバスケットボールのレイアップシュート を練習する。練習中、教師は生徒の動きをタブレットで撮影す る。数分間の練習後、グループ毎にタブレットの動画を確認し、経 験者(バスケットボール部員)を中心に改善点を話し合う。その 後、各自の改善点を踏まえて再度練習し、最後に代表者が成果を 発表する。 (2) 公民「政治・経済」:単元名「現代の国際政治」 国際連合の仕組みと機構についてタブレットで調べた後、2、 3名のグループで話し合い、ダイヤモンドランキング(国連の八 つの施策の中から優先順位が高いと思われる三つを選ぶ)を作成 する。その後、ダイヤモンドランキングをモニターに表示しなが ら選んだ理由を発表し、質疑応答を行うことで考えを深める。 (3) 数学「数学Ⅰ」:単元名「図形と計量 第1節 三角比」 「視聴覚室の床から天井までの高さを求める」というめあての 下、学習を進める。生徒が各自で考えた測定方法を、発表用のア プリケーションソフトを使って、電子黒板に視覚的情報として提 示し、生徒同士で情報を共有しやすくする。その後、グループに 分かれて実際に測定を行わせる。最後に測定結果を発表し合うこ とにより、結果の違いを考察させる。

(4) 外 国 語 「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 英 語 Ⅲ 」 : 単 元 名 「 Views of the Eiffel Tower」 新出単語の復習、和訳については、発表用のアプリケーションソフトを使 い、各自の解答を電子黒板で比較し、考えを深める。また、英文に登場する 画家について調べたことを、生徒が電子黒板の画像等を指し示しながらペア で協力して発表する。 4 アクティブ・ラーニング導入の成果 まだ取組が始まったばかりですが、徐々に次のような成果が現れてきています。 生徒については、タブレットを使用した授業に積極的に取り組み、使用技術も高まってきていま す。また、生徒同士のコミュニケーションもより活発に行われるようになってきました。 さらに、取組を学校全体で共有しやすい工夫を行うことによって、職員室ではアクティブ・ラーニ ングについての意見交換やICT機器の指導技術について助言し合う先生方の姿が、以前にも増して 見られるようになりました。また、お互いの授業を参観し合う回数が増えたりするなど、授業改善に 向けての取組も日常的に進んできました。 5 今後の方向性 今後も本年度のICT機器を活用した実践研究が学習指導の手立てとして定着し、更に効果的なも のとして改善・向上していくことを目指し、研究を進めていく予定です。聴覚に障がいがある生徒 の、言葉を正確に理解することや伝え合うことの困難さを改善・克服し、生徒相互、また、生徒と教 員の円滑なコミュニケーションを図り、「主体的・対話的で深い学び」につなげていくことができる よう取り組んでいきます。

(21)

福岡県立筑紫中央高等学校

創立百周年を迎え、新たな筑紫中央高校を目指して

県立筑紫中央高等学校は 1917 年(大正6年)に筑紫実業女学校として開校し、今年度、創立百周 年を迎えた歴史と伝統ある学校です。新たな筑紫中央高校を目指して、「筑紫中央21世紀プラン」 「ようこそ大先輩」「太宰府研修」等の特色ある取組を行うことで、学校の更なる魅力化を図り、グロー バル社会で活躍する人材育成に取り組んでいます。 1 授業改善の目指す方向性 次期学習指導要領や高大接続システム改革等の動向を捉え、教員一人一人が授業改善について目標を持つ ことで教師力の向上を図り、「主体的・対話的で深い学び」の実現のために、全ての教科においてICT活用 やアクティブ・ラーニング型授業を実践しています。 2 授業改善のための環境整備 (1) 全教室に電子黒板機能付きプロジェクタ、書画カメラの設置<創立百周年記念事業> 教室にはノートパソコン、電子黒板機能付きプロジェクタ、吊り下 げ式のスクリーン、書画カメラ等、全教室で使いたいときにいつでも 使えるICT環境が整っています(写真①)。これらの環境は、創立 百周年記念事業として、平成28年度に整備しました。 (2) 全70枚のミニホワイトボードの購入 ミニホワイトボードを、平成29年度のはじめに10枚、年 度途中に60枚購入し、計70枚(各学年20枚+予備)を多 くの授業で活用しています。 ICT機器の設置とミニホワイトボードの購入によって、デジタル とアナログを融合した授業改善を推進するための条件が揃い、職員研修を通して授業改善の方向性について 共通理解ができています。 3 授業改善に関する校内での研修内容と方法 (1) ICT機器研修(4月) 教育推進部情報課の教員が講師となり、電子黒板、書画カメラ等を実際に触ってみることから始めました。 4月当初、機器の操作で戸惑う教員も多かったのですが、全教員が活用するきっかけとなりました。 (2) アクティブ・ラーニング型授業の研修(5月) ミニホワイトボードを活用したアクティブ・ラーニング型授業の研修を行いました。実際にミニホワイト ボードを使っての研修を行ったことで、その利便性を実感し共有することができました。ミニホワイトボー ドは、授業でいつでも使えるように環境を整えています。 スクリーン プロジェクタ 書画カメラ パソコン 写真① ICT環境が整った教室

ふくおかAL通信

第10号

(H30. 2)

~県立学校の教室から~

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト 学校教育目標 ■校訓を拠に、志をもって広く学び、たくましく生き抜く力と豊かな人間性を培い、公共のために 尽くす生徒を育成する。 ■百周年の伝統に誇りを持ち、生徒が自らを高め、人のために生き、愛される存在となる。

(22)

写真③ 相互評価の様子 他の生徒が貼った多くの付箋 4 アクティブ・ラーニング型授業の具体的な取組 生徒たちの「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した、授業改善の実践例の一部を紹介します。 (1) 1年生 数学 前時の復習の小テスト後、教師は書画カメラで解答を提示し、ポイン トを絞って解説した。本日の課題は、ミニホワイトボードに挟んで、4 ~5名の班に一枚ずつ配布した。生徒たちがなかなか解決の糸口を見つ けられずにいると、教師は直接的なヒントではなく、考える方向性を絶 妙なタイミングで示唆した。一人では解決が難しい課題に取り組ませる ことで、生徒は皆、班に一枚のミニホワイトボードに身を乗り出し、自 分の考えを出し合った(写真②)。課題が解決した班は、ミニホワイト ボードを書画カメラで写し、スクリーンに投影しながら課題解決の手順 を全体に説明した。他の班は、自班の手順と比較し、確認することで解決の糸口を見つけ、課題解決へと進 んだ。最後にクラス全体で課題解決の手順を共有した。 (2) 2年生 英語 間違いを恐れずに安心して英語で話したり書いたりできるような雰 囲気の中で活動が行われており、さらに、基本的な表現を確実に習得 させる工夫が見られた。授業冒頭には活動の指示がスクリーンに投影 され、生徒はペアを変えながら、基本表現の練習をテンポ良く繰り返 した。また、仮定法を用いた英作文の学習では、ペアで協力して作成 した英文をミニホワイトボードに書き、ギャラリーウォーク方式(生 徒が教室内を歩き回りながら他の生徒が書いたものを見て、良いと思 ったものに付箋でコメントをつける)で相互評価を行った。教師は授 業の最後に、相互評価で高評価だったペアの作文を全体に紹介した。 5 ICT機器を活用した「アクティブ・ラーニング」導入の成果 全教室に電子黒板、書画カメラ、パソコン、ネットワークシステムが整備されていることで、ICT機器 の活用が全教員に浸透してきました。ICT機器を活用した研究授業の参観を通して、互いの授業実践の中 で「良さそうだったから自分も使ってみよう」という教員間の相互作用が増えています。たとえば数学で動 く曲線を提示したときなど、見せることで生徒たちの「あー、分かった!」「そういうことか」という表情 を捉えることが多くなり、視覚的な支援の良さを感じているという声も、よく聞かれるようになりました。 また、ICT機器を導入した当初は「書画カメラが分かりやすい」という生徒の声が多かったのですが、 今では「ICT機器があるから分かりやすい」という感想を聞かなくなるほど、授業でICT機器を活用す ることが、生徒たちにとっても当たり前の状況になっています。 6 今後の方向性 教科の特性に応じた効果的な活用ができるように教科別の研修を重ねるなどして、ICT機器を十分に活 用したアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善を、今年度以上に推進する予定です。また、デジタル とアナログを融合した授業改善を図っていくことで、生徒の思考力、発信力を高めていきます。さらには、 アクティブ・ラーニングで育成する資質・能力の評価方法について、研究を重ねていきます。 写真② 班協議の様子

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福岡県立玄洋高等学校

今こそ見せろ玄洋魂 目指すは君の日本一 ~なりたい自分への第一歩~

第11号は福岡県立玄洋高等学校の取組の紹介です。同校はキャリア教育を指導の軸ととらえ、学校行事や ボランティア活動を通して生徒の能力を最大限に引き出し、生徒一人一人の「なりたい自分」を応援し実現 させていく学校です。生徒一人一人の個性を大切にする主体性を重視した教育活動を通して、個に応じた幅 広い進路選択を可能にしています。 第11回キャリア教育優良学校 文部科学大臣表彰 受賞 平成30年1月11日(木)に、「第11回キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表 彰式」が、国立オリンピック記念青少年総合センターで行われ、玄洋高等学校が表彰を受けました。この表彰 は、文部科学省が、「キャリア教育」の充実発展に尽力し顕著な功績が認められた教育委員会、学校、PTA 団体等を表彰するものです。今回は全国で121団体が表彰を受け、福岡県内の学校としては玄洋高等学校が唯一 の表彰校となりました。 玄洋高等学校は、アクティブ・ラーニング型授業やICTを活用した授業を推進するとともに、学校行事を はじめ、すべての教育活動で生徒の主体性を重視した教育活動を展開しています。また、大学進学や専門学校 進学、就職を希望するすべての生徒のニーズに応えるために、「学び直し」や「習熟度別少人数授業」の実 施、専門家の近くで職業を観察する「ジョブシャドウイング」や実際の職業を体験する「インターンシップ」 の実施、地域の様々な行事等へのボランティア活動の実施など、キャリア教育を組織的、系統的に実践してお り、今後もさらなるキャリア教育の充実発展を目指しています。 1 めざす生徒像・スローガン ・確かな学力を身に付け、自分の第一希望の進路を実現する生徒 ・感性豊かで人に対する思いやりの心を持った生徒 ・心身ともに健やかで、忍耐力があり、創造性と自主性に富んだ生徒 めざす生徒像について先生方が常に共通認識をもち、絶えず教科内及び教科間で密にコミュニケーショ ンをとりながら、生徒を深い学びにつなげるための授業改善に取り組んでいます。 「今こそ見せろ玄洋魂 目指すは君の日本一 ~なりたい自分への第一歩~」をスローガンに、生徒 達は「時を守り、場を清め、礼を正す」指導をバックボーンとして、授業に対する目標と見通しをもっ て毎日の学習に取り組んでいます。 2 アクティブ・ラーニング型授業の導入 (1) 自主的な勉強会と「玄洋高校AL通信」 平成27年12月3日(木)に校内AL勉強会事務局を中心に、有志の先生方で勉強会が始まり、その 様子が教職員向けの「玄洋高校AL通信」第1号で詳しく紹介されました。「玄洋高校AL通信」は 現在、第10号まで発行を重ね、校内での勉強会や、先生方が自主的に参加された校外の研修会の報告 等盛りだくさんの内容です。校内での勉強会は、参加の先生方を生徒に見立てて模擬授業を行う等、 まさに、ALをALで学ぶことができる場です。最初は若手の先生方が中心の取組でしたが、徐々に 教科や年齢を超えて多くの先生方同士で教え合うようになりました。 地道な取組が広まるにしたがって、授業に変化が起こりました。以前よりも顔を上げて意欲的に取

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~県立学校の教室から~

福岡県立学校 新 た な 学 び プロジェクト

参照

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